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こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『時光代理人』第12(最終)話「光をくれる人」を鑑賞しました。
本サイトでは、原作ありアニメを原作情報の紹介と共に解説してきましたが、『時光代理人』は原作なしのオリジナルアニメ作品。
よって、アニメを見ただけの考察&解説になります。
あくまで個人的な解釈ですので、ご了承下さい。
本レビューが、皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
次話以降の「ネタバレなし」なのでご安心を
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
- 過去に残した座標とは?
- 仮面の男が言った、あの日の目撃者とは?
- なぜシャンシャンは無事だったのか?
- オ) シャンシャンはどこにいたのか?
- オ) エマの自殺の理由
- トキが破ったルールとは?
- (考察) 真犯人の正体とは?
今話で解決しなかった疑問
最下部「疑問点まとめ (Q&A一覧)」に記載
全12話 各話リスト
話数 | サブタイトル |
第1話 | エマ |
第2話 | 秘伝のレシピ |
第3話 | 必ず負けろ、決して勝つな |
第4話 | 告白 |
第5話 | 告別 |
第6話 | 番外編「手合わせ」 |
第7話 | 消えた息子 |
第8話 | 信念 |
第9話 | 逃したシグナル |
第10話 | 善意の代償 |
第11話 | 罠 |
第12話 | 光をくれる人 |
リンクは各話レビューへ
はじめに
仮面の男を罠に嵌め、捕らえることに成功。
連続殺人事件は解決したかに見えたが・・・。
一方、トキは、エマの事件の真相を探るため監視カメラ映像にダイブする。
やってくれたな展開に、やってくれたな真犯人!
ゲームと見せかけ罠にかければ、ルールを破ったと容赦なし。
こちらは手を見せ丸裸、敵は正体不明のシリアルキラー。
シャンシャンは救えど、エマは救えず。
殺人鬼は、友を求めトキらに迫る・・・。
トキの全てを明かしたエマへの説得が心に染みる。
エマを救う、ハッピーエンドで終わると思いきや──
真犯人が正体を現す急転直下の展開に。
最後の最後までサスペンスフルな『時光代理人』でした。
ホント、それっ!
ヒカル~~
続きが気になりますが、まずは今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第12話「光をくれる人」
作戦会議
シャンシャンが仮面の男に襲われる時間が近づく。そこで、トキはある作戦をヒカルに持ちかける。
ヒントから導かれた作戦
あの電話の男の言葉を覚えているか?
極端な推測だけど、奴と約束したのはオレなのかも。
by トキ『時光代理人』TVアニメ 第12話
その線で考えると、全てが繋がる。
シャンシャンのスマホから来た、怪しげなメッセージと電話 ──
── (メッセージにて)
新しい友達へ
ヒントを受け取った(直後、リンに電話が)
── (電話にて)
by 仮面の男『時光代理人』TVアニメ 第12話
ハハハハハ。
ああ、約束通りに行く。
そのキッカケを作ったのは、仮面の男と接触した(未来の)自分だと気付いたトキ。
罠を仕掛けるというより、男が言った言葉通りになるよう事を運ぶ──
犯人の上記セリフから、犯人は挑戦に乗ってくると既に分かってます。
これから起きる結果(事実)が分かっているだけでも、トキ達にはかなりのアドバンテージがあったのです。
──「新しい友達」「ヒント」「約束通り」「行く」
これらのワードから、トキが仮面の男と何を約束したのか、何を仕掛けたのか類推して作戦を考えていった。
だから──
つまり、あのメッセージはお前が過去に残した座標。
by ヒカル『時光代理人』TVアニメ 第12話
未来のトキが、過去のトキに示した座標、つまりトキがどこへ向かえば良いかを示す道しるべだったのです。
ただし、犯人の行動が読めるのは午前10時まで。
それ以降は、道しるべはなし。
ここからは現在のトキが、勝負をかけるガチンコ勝負の作戦なのです。
オリジナル作戦
そつのない犯人のことだ、メッセージから手がかりを探すはず。
奴がエサに食いついたら・・・次の一手だ!相手の裏をかく!
by トキ『時光代理人』TVアニメ 第12話
次の一手とは「暗室に閉じ込める」ですね。
店の入口にあるセンサーだ。
録音し直して暗室に置いた。
by トキ『時光代理人』TVアニメ 第12話
奴が店に入れば──
前話、暗室から「時間通りだな」と声を出したのが誰だか分かりませんでした。
その謎が解けました!
店の扉が開くと、あるいは人感センサーで、来客を探知してメッセージを発する音声応答を使ったのです!
これを暗室に置いたことにより、仮面の男をまっすぐ暗室へと誘導する──
上手い!
来客センサーであれば、スマートかつ、タイミングもばっちり!
アナログ手法ですが確実です。
しかも来客の度に「いらしゃいませ」と何度もヒントは示されていたのです・・・。
一本取られました(笑)。
一番の問題
だが、問題がある。
by ヒカル『時光代理人』TVアニメ 第12話
奴を捕まえたとして、どう証明する? 連続殺人犯だと。
そうです。
仮面の男を捕らえるだけであれば、暗室に閉じ込める必要もなく、店の近くで警察に待ち伏せしてもらえば良いのです。
単に仮面の男を捕らえたとしても、住居侵入の現行犯程度。
いや、(夜中とは言え)店に用事があって入ったと言い逃れできなくもありません・・・。
法を犯しているのは、銃刀法違反くらいでしょうか?
捕らえるだけでなく、連続殺人犯であることを証明しなくてはならないのです。
そもそも、シャンシャンを襲ったのが連続殺人犯だと断定するのも、実は根拠不十分なんですけどね(苦笑)。
トキは完全にリウ・ミンだと確信しているようです。
野生の勘でしょうか?(笑)
そこが一番の見せ場で、一番危険なとこだ。
by トキ『時光代理人』TVアニメ 第12話
トキにはその点にも作戦があるようです。
それにしても、シャンシャンのベッドルームで、ヒカルと会話するトキ。
これだけ静まりかえった夜に声を出していたら、仮面の男に丸聞こえだったと思いますが・・・。
あっ・・・
仮面の男は、音がした時、つまり1時半直前に侵入したかもしれないね
作戦実行
トキとヒカルは、仮面の男に作戦を実行する。
あの日の目撃者
仮面の男は暗室に閉じ込められ、目の前にトキが現れると──
本当にお前だったのか、あの日の目撃者は。
by 仮面の男『時光代理人』TVアニメ 第12話
少し分かりにくいセリフですね(苦笑)。
色んな解釈ができるように、ワザと分かりにくくしているのかと…
憎たらしい!(笑)
仮面の男が言う「あの日の目撃者」とは?
“目撃”と聞いて、私は3つ思い浮かびました──
順に説明します。
目撃➊:シャンシャンを襲った現場を目撃
物語の流れからすると──
仮面の男が言う目撃とは、昨夜シャンシャンの体を通してシャンシャンを襲った現場を見たことだと考えるのが自然かと。
ゲーム・・・オーバーだ!
by シャンシャン(トキ)&トキ『時光代理人』TVアニメ 第12話
仮面の男は、トキの話し方を見て昨夜シャンシャンの中に入った人が目の前にいるトキだと認識し、少し驚いたのでしょう。
ただですね・・・
そう考えると「あの日の目撃者」ではなく「昨夜の目撃者」と言いますよね・・・。
「あの日」と聞くと、昨日ではなくもっと前のことだと思いませんか?
なので➊に断定できないのです!
うーん、悩ましい…でも、こういうのが楽しい(苦笑)
“あの日”という表現に拘ると、仮面の男が言っているのは昨夜ではなく、もっと前のことを言っているように聞こえます。
そうすると、➋➌の可能性が出てきます。
目撃➋:リウ・ミンが車中でエマを襲った現場を目撃
今話でも、逮捕されたリウ・ミンが警察で証言をしています──
すごく驚いたよ。
うっかりこの女を殺し、しかも目撃者までいたとは・・・。でも、トランクには誰もいなかった・・・。
by リウ・ミン『時光代理人』TVアニメ 第12話
怪奇現象かと思ったよ。
明らかにトランクから男の叫ぶ声が聞こえた。
でも、すぐにトランクを覗いたのに誰もいなかった ──
あり得ない。(だから怪奇現象と思った)
だけど、目の前の男(トキ)は、何もない空間から突然現れた。
この男が、トランクからいなくなったのも同じトリック or 力を使ったのではないか?
だから ──
本当にお前だったのか、あの日の目撃者は。
by 仮面の男『時光代理人』TVアニメ 第12話
セリフ単体でみると繋がります。
むしろ自然と言っていいほど繋がってます。
ただ気になるのは、トキは、仮面の男に対してエマについて何も触れてないんですよね・・・。
仮面の男に対して「エマを殺したのだってお前だって知ってるんだぞ」くらい言ってると辻褄が合うのですが・・・。
これまた、悩ましい(苦笑)
そして、もっと分からないのは・・・。
この後の警察の取り調べでリウ・ミンが嘘を言っていないと仮定すると──
真犯人とリウ・ミンは別人で、真犯人の犯行の記憶はリウ・ミンにはありません。
エマの首を絞めたのはリウ・ミンで、リウ・ミン自身も覚えています。
ならば反対に、真犯人は車内での犯行に目撃者がいたなんてことは知らないはずなのです・・・。
リウ・ミンから聞いたのでしょうか?
だとしたら「あいつ(リウ・ミン)が言った(目撃者がいた)ことは本当だったのか」的な発言になると思いませんか?
リウ・ミンの友(真犯人)は、リウ・ミンが殺して欲しい人を考えると現れるような描写がされています。
リウ・ミンの思考をずっと監視している?
そういう能力の持ち主なのでしょうか?
うーん、悩ましい…
今回は、ずっと悩んでいるね(苦笑)
目撃➌:エマが橋から飛び降りようとした時の目撃者
今話ラスト、最後の最後エマの中に現れた真犯人──
まさか、目撃者がいたとは、面白い。
by 真犯人『時光代理人』TVアニメ 第12話
目撃者とは目の前にいるトキのこと。
大体、ここで目撃者がいたことに驚くのが不思議ですね。
真犯人が目撃者がいたことに驚いたことから逆算すると・・・。
エマが橋へ向かったのは、橋には誰もおらず、目撃者なしで自殺できるから。
まるで、真犯人がエマを橋へ導いたかのようなセリフです。
目が赤くない時でも、乗っ取っているのでしょうか?
でも、そうなるとトキが、過去へ戻れることも聞いていて、真犯人はもっとトキに食いつくはずなんですよね・・・
ああ!分からない!
っと、話が逸れてしまいましたね。
現在の仮面の男が言う、目撃者の話に戻しましょう。
本当にお前だったのか、あの日の目撃者は。
by 仮面の男『時光代理人』TVアニメ 第12話
仮面の男のこのセリフの目撃が、12話ラスト、エマが自殺しようとしたときのことを指しているのであれば ──
トキが、橋の監視カメラ映像に入ったのは、12話後半。
仮面の男が上記セリフを言ったのは、12話序盤。
これまた、12話自体が、トキが過去介入した時系列で既に動いていたことになります。
違いますね。
大体、12話ラスト、橋の上で目撃したことを言っているのなら──
「お前はあの時の!?」「またお前か・・・」という感情が先ではないでしょうか。
なので目撃➌ではないと、私は推測します。
- シャンシャンを襲った現場を目撃 (11話)
- リウ・ミンが車中でエマを襲った現場を目撃 (10話)
- エマが橋から飛び降りようとしたとき (12話)
では、目撃➊か目撃➋のどちらかと問われると・・・
“昨夜”ではなく”あの日”と表現したのが引っかかるものの➊ではないかと推測します。
シャンシャンはなぜ無事だったのか?
本当にお前だったのか、あの日の目撃者は。
by 仮面の男『時光代理人』TVアニメ 第12話
仮面の男が言っている目撃者が、昨夜のことだったと仮定すると、もっと新たな事実が見えてきます。
このセリフから推測できるのは──
「シャンシャンの中に別人がいたことが信じられない」心情ですね。
もっと単純に、シャンシャンが仮面の男から逃れるために、芝居をしていたと考えていたかも。
意外だろ?
なんで阻止されたか。シャンシャンの体を通して、お前と会話できるから、事前にお前の行動を把握できる。
by シャンシャン(トキ)&トキ『時光代理人』TVアニメ 第11話
この時のシャンシャンはまるで別人。
でも、そもそも仮面の男はシャンシャンを知っていた訳ではありません。
むしろトキが抜けた後、シャンシャンが別人のようになったから、さっきまで別人が入っていたと分かったのでしょう。
そして面白いのが、ここでのやりとりにより、シャンシャンに危害が加えられなかったことです ──
にわかに信じられないが、シャンシャンに別人が入っている。
この女を通して誰かが、この現場を見ている──
通報はしないから、シャンシャンの身の安全を約束しろ。
by シャンシャン(トキ)『時光代理人』TVアニメ 第12話
仮面の男はトキの挑発に乗り、約束を守ってシャンシャンに手をかけなかったように見えました。
が、実は目撃者がいると感じたから、シャンシャンに手をかけるのを止め。
ゲームを受けることで、目撃者を先に始末しようとしたのではないでしょうか。
と考えるのは、早計です! (←自分で言っといて(笑))
やっと見つけたぞ、本当の友達を!
by 仮面の男『時光代理人』TVアニメ 第12話
やるじゃないか、もっとお前に興味が湧いた。
by 仮面の男『時光代理人』TVアニメ 第12話
終盤、明らかにされますが、仮面の男は何らかの能力者です。
殺人に興奮しているようですが、友達にも執着を見せています。
友達とは文脈からして、(能力者の)同類、つまり能力者のことでしょう。
そこへ──
- シャンシャンは、ナイフで襲われることを事前に察知
- 別の人間が中に入っているような話しぶり
- 振り上げたナイフを、女性とは思えない力で止めた
普通の人間ではない?
── 能力者?
真犯人は能力者です。
能力者が実在することを認識しているから、他に能力者がいることを認めるのは、普通の人より容易い。
真犯人は友達を探しているのが伺えます。
だったら、尚のこと、ちょっとした行動で能力者の可能性を考えるのは当たり前ですね。
能力者が、シャンシャンを通じて目の前に現れた──
面白い!
by 仮面の男『時光代理人』TVアニメ 第12話
俺が勝ったら、新しい友達になってくれるか?
ゲームを仕掛けられた時点で、仮面の男の興味はシャンシャンからトキに移っていたのです。
シャンシャンが無事だったのは、トキとの約束を守ったわけでも、警戒したからでもありません。
仮面の男は、シャンシャンに興味がなくなったのではないでしょうか。
所詮、殺す理由はその程度だったということですね。
正直言うと、トキの作戦、私は愚策だと思ってます。
連続殺人犯相手に、自分の特殊能力を明かすなんて・・・という観点から。
ただ、こうして見ていくと、メタ的な解釈になりますが、トキの作戦はベストだったのです。
能力者だけに警察に捕まる心配もない真犯人。
どんな条件を突き付けても、無視される可能性大。
シャンシャンの命は危なかったでしょう。
でも、今回のように犯人の興味を引くことにより、シャンシャンへの興味をなくしたのです。
終わってみればお見事!
結果良ければ全て良し!
ただ・・・トキは真犯人に能力を全て明かしてしまったのです・・・。
暗室に誘い込んだ本当の狙い
完璧主義の奴なら、あおられたら苛立つ。
by トキ『時光代理人』TVアニメ 第12話
頭に血が上れば、本性を現すはず。
仮面の男が連続殺人犯だと証明するために、トキが立てた作戦は──
あおって苛立たせて、本性を暴くことでした(苦笑)。
要は、仮面の男に「自供」させるということですね。
それと奴には、全ての被害者へ懺悔させる。
by トキ『時光代理人』TVアニメ 第12話
このセリフを聞いて──
てっきりトキは、仮面の男の手を叩いて写真へダイブし、被害者の感情を、仮面の男に感じさせるのだと思ってました(笑)。
結局、被害者の写真の前で告白させる = 懺悔させる──という意味合い・・・いや違いますね。
トキが被害者の写真に入り、その人が生きていた時間を体験する。
被害者の感情を乗せ、被害者の関係者の悲しみと苦しみを代弁し、犯人を殴っていったのです。
エマと両親の家族写真にダイブ。
この時、トキはトキのまま写真の中に存在していました。
タイマーで写真を撮ったので、監視カメラと同じ理屈ですね。
ただ疑問が・・・。
2話中盤、ナツとリン・ジェンが店の前で撮った写真にダイブした時は、自動タイマーをセットしたリン・ジェンになりました。
なので、監視カメラ映像に入れば、トキのまま出現。
カメラでの撮影はタイマーをセットした人に入る。
と思ってました。
リン・ジェンが撮った写真は、タイマーではなく遠隔操作でシャッターを押したのでしょうか?
オ) 半身不随
TV放送されたアニメ本編は23分程ですが、オリジナルは31分(OPED含む)あり、ネット配信ではノーカット版が放送されているようです。
TV放送版ではカットされていますが、オリジナル版では、リウ・ミンが警察に連行されるシーンが描かれています。
しっかり立て!
今更、歩けないフリをしてもムダだ、自分の足で歩け!※TV放送版では全文カット
by 警察『時光代理人』アニメ(オリジナル) 第12話
捕まえた後、リウ・ミンは歩けなくなっています。
それを叱責する警察。
半身不随なのに、歩けたことに注意を集中していれば、もっと早く別の能力者の存在に気付けたかもしれません。
が、この時は明らかに、リウ・ミンが半身不随を隠していたと思い込んでますね、皆。
だから、リウ・ミンはただの人形だと誰も気付かなかったのです。
ましてや、他に能力者がいることなんて・・・。
オ) シャンシャンの行方
いくつかあるリウ・ミンの住まいも捜索したところ、別荘の車庫でシュー・シャンシャンが見つかった。
少しショックを受けてるけど、無事だよ。※TV放送版では全文カット
by チェン・ビン刑事『時光代理人』アニメ(オリジナル) 第12話
アニメ鑑賞時、シャンシャンの行方を誰も気にしていないのが不思議でした。
無事な姿は映りましたが、トキはそのために奮闘していたのではないかと(笑)。
オリジナル映像によると ──
実は、リウ・ミン逮捕直後、チェン刑事からシャンシャンの無事は伝えられていたのです。
同時に──
リウ・ミンの住まいからシャンシャンが見つかったことにより、リウ・ミンが半身不随でも犯行に絡んでいる可能性が高いと判断、暗室での証言により連続殺人犯だと断定されたのです。
エマ
エマの死に納得できないトキは、監視カメラ映像にダイブし、エマに全てを話す。
オ) エマの物語
そして、エマがどんな思いで橋へ向かったか・・・
リウ・ミンが運転していた車は衝突し大破。
エマはスマホを見つけ両親に連絡しようとするも、事故でスマホも壊れていた。
隠し事はできないと悟ったエマは、橋へと向かう・・・。
エマはスマホを見つけ、橋まで歩いて行く途中、ずっと考えていたのは両親のこと──
両親は、エマを自慢の娘だと近所に誇らしげに語る。
ただの助手だと両親を自重させようとするが、幸せそうな両親を完全に否定できない。
エマは、お金の誘惑に負け、CFOの横領事件に巻き込まれていく。
CFOは逮捕され、リウ・ミン専務は、自分の金を取ったと追及してくる。
もう隠し通せない──
自慢の娘が横領事件に加担していたと知ったら、両親はどれだけ悲しむだろう。
これが、エマが自殺を選んだ理由だったのです。
それが本当なら、一番最初に戻ってくれない?
by エマ『時光代理人』TVアニメ 第12話
最初から全部やり直して・・・。
TVアニメ鑑賞時──
エマは、犯した過ちを後悔し、自分の為に全部やり直したいと願った、と解釈しました。
オリジナル版鑑賞後は、解釈を改めました。
エマは、両親のために、全てをやり直したいと願っていたのです。
リウ・ミン逮捕が派手で、ラストが衝撃過ぎるだけに、そちらに意識がいってしまいがち。
実は、今話はエマのエピソードでもあったのです。
真犯人
トキがエマを説得し、自殺を諦めたと思ったその瞬間・・・。
一方、リンと、リウ・ミンにも異変が・・・。
死は変えられない分岐点
ありえない・・・死は改変できない分岐点だ。
by ヒカル『時光代理人』TVアニメ 第12話
エマは他殺にしろ自殺にしろ、現時点では亡くなっているのが事実。
トキが写真にダイブし、何をしようと死を変えることはできない・・・はずでした。
これまでも、トキが死の分岐点を変えたと思っている人がいるかもしれません。
8話、ドウドウ誘拐事件。
12話(今話)、シャンシャン。
どちらも、トキがダイブする前の生存は明確にされていません。
ただ、誘拐されたドウドウ、今エピソードのシャンシャンにしろ、トキは直接的に助けたのではなく犯人の意思を変えることによって救いました。
だからヒカルはトキの行動を許したのです。(11話 )
ドウドウもシャンシャンも殺されたわけではなく、拉致されただけ。
トキがダイブする前もどこかで生きていた(はず)。
つまり、生きていた人が見つかった、死の分岐点を変えたわけではない、と言える、いや、少なくともヒカルはそう確信しているのです。
だからと言って、ヒカルはダイブ前にドウドウとシャンシャンが生きていたことを確認したわけではありません。
実は、ヒカルが、そう思い込んでいる、死の分岐点は変えられないと信じているだけなのかもしれないですね。
ドウドウやシャンシャンとは違い、今回は明らかに亡くなった人の命を助けようとしています。
ただ、飛び降り自殺しようとしているエマを、物理的に止めようとはしていません。
説得をして、本人の意思を変えた。
ある意味、これもドウドウやシャンシャンを救ったのと同じ構造か。
ヒカルが驚いたのは、例え誰かの意思を変えたとしても、死は変わらないと思っていたから。
逆に言うと、だからヒカルは犯人の意思を変えるのを、トキに許可したと言えます。
なぜなら、死は変えられない事実なのだから、犯人の意思をいくら変えても、生死に影響を与えるような過去改変はできないはずです。
まさか目撃者がいたとは・・・面白い。
by 真犯人『時光代理人』TVアニメ 第12話
ここでエマの中に出てきた真犯人。
エマの意識を乗っ取り、エマは橋から身を投げてしまいます・・・。
さて、これも・・・
トキが介入しなかったら──
真犯人が現れなかったら──
どうなっていたのか不明です。
ごめんなさい、分かりにくいですね。
エマが死亡しているのは事実です。
でも、トキが監視カメラ映像にダイブしなかったら──
エマは自分の意思で自殺していたのでしょうか?
それとも、エマは思いとどまり、今回のように真犯人に意思を乗っ取られ身を投げたのでしょうか?
事実は不明なのです。
思い出して下さい──
ターゲットは無差別だと思われる。
犯行計画は緻密で、自殺と誤認するほど巧妙だ。一件を除いてな。
by 『時光代理人』TVアニメ 第12話
連続殺人犯の犯行は全て自殺と誤認するほど巧妙なのです。
トキが介入しなくても、エマは自殺を思いとどまり、真犯人に乗っ取られ自殺させられたのかも。
エマを自殺に見せかけるために橋へ誘導したのかも。
となると、トキの説得で自殺を引き止めたように見えますが、トキが介入する前から、真犯人が自殺をさせようと目論んでいたのかもしれません。
そう考えていくと、真犯人が絶妙のタイミングでエマの中に現れたのにも納得できるのです。
まあそうなると、トキの説得は全くの徒労だったと言えるのですが(笑)。
エマを殺害したのは連続殺人犯?
真犯人登場!
リウ・ミンは傀儡。
by ヒカル『時光代理人』TVアニメ 第12話
真犯人は別に!?
リウ・ミンの半身不随は、警察が病院に確認をして真実だと分かってます。
そこで、ヒカルは、過去にトキがダイブした時を思い出します──
理屈は分かりませんが、トキの能力は、どんな身体の人に入ってもトキ自身の身体能力を発揮できるのです。
『時光代理人』作品内での、人を乗っ取るとはそういう意味なのです。
というか、半身不随の人でも歩くことを可能にするために、近眼でも目が見え、子供でも女性でも男性並みの力を発揮できることをトキを通じて見せてきたのです。
乗り移ることを頭で想像できても、乗り移った人の身体能力に依存すると我々は想像しがち。
『時光代理人』の能力はそうではなく、元の人の身体能力が使えるのだと、ずっと示されていたのです。
仕込みと見せ方が上手いですね!
逆に、リウ・ミンは半身不随なのに犯行を犯した。
この時点で、トキのような能力者の存在を疑わなければいけなかったのです。
罰
この間、お前がルールを破った罰だ。
by 真犯人『時光代理人』TVアニメ 第12話
お前とはトキのこと。
トキが破ったルールとは?
これはお分かりですよね。
トキは前話ラスト、仮面の男にゲームを仕掛けました──
ゲームをしよう。
朝10時にヒントをやる。そのヒントを頼りに、明日のこの時間に会いに来い。
by シャンシャン(トキ)『時光代理人』TVアニメ 第12話
ヒントを頼りにトキに会いに行く。
これがゲームの内容。
仮面の男は、トキの申し出に乗り、勝利条件を要求しました。
面白い。
by 仮面の男『時光代理人』TVアニメ 第12話
俺が勝ったら新しい友達になってくれるか?
トキは要求を了承しなかったが、否定もしていません・・・。
仮面の男はヒントを解きトキの写真館を訪れました。
ですが、トキはヒカルと連携して警察に連絡し、仮面の男の中身であるリウ・ミンを捕らえました。
真犯人は警察に捕まったことを気にしているのではありません。
警察にチクったことを怒っているのでもないでしょう。
ゲーム受け勝利したのに、約束を守らない(友達にならない)トキに罰を与えたのです。
トキの友達を奪うという形の罰を・・・。
もう一度、ゲームを始めよう。
by 真犯人『時光代理人』TVアニメ 第12話
次は真犯人がトキにゲームを仕掛ける番?
一体、何をしようというのか・・・。
いや、そもそも真犯人の目的は何なのでしょうか?
真犯人 予想
いや~~~最後の最後にやってくれましたね!!
しかも、ここで1期終了とは(涙)。
少し真犯人の正体を推測してみましょう。
いや、正直全く分からないですよ(汗)。
以前のレビューでも書いたように、『時光代理人』はミステリーではなくサスペンスです。
視聴者をドキドキハラハラさせるのに主眼が置かれているので、真犯人の情報を絞る傾向にあります。
だから、真犯人の正体は分からなくて普通だと思ってます。
負け惜しみ?(苦笑)
想像に近いですが、気になることが1点。
かなり当てずっぽうで、突拍子もないことを思い付いたので、当たってなくてもご了承を(笑)。
真犯人はトキが生み出した?
トキの過去改変で怪物を生み出した可能性が考えられます。
今話でも、リウ・ミンが語ってます──
すごく驚いたよ。
うっかりこの女を殺し、しかも目撃者までいたとは・・・。でも、トランクには誰もいなかった・・・。
by リウ・ミン『時光代理人』TVアニメ 第12話
怪奇現象かと思ったよ。
ifの可能性です。
もしリウ・ミンがエマの首を絞める手を止めたのが、トキの叫び声が聞こえたからだとしたら・・・。
もしトキが叫び声を出していなかったら、リウ・ミンの手は止まらず、エマはあの時死んでいたのではないでしょうか・・・。
それを裏付けるのは──
シャオ刑事:最新の捜査資料によると、エマが亡くなったとき、リウ・ミンは現場にいなかった。
チェン刑事:アリバイがあったんだ。その日の深夜1時、彼は手術を受けてた。しかも、ある橋の監視カメラがとらえてた── 一人で歩くエマの姿を。
by 『時光代理人』TVアニメ 第10話
- リウ・ミンが半身不随だと判明したのは、トキのダイブ後
- 橋の監視カメラ映像に捕らえられたエマが見つかったのも、トキのダイブ後
ここから導き出させる、大胆な仮説は・・・。
トキがダイブしリウ・ミンの車に乗り込み、叫び声を上げたから──
- リウ・ミンのエマ殺人は、未遂に終わった
- エマが息を吹き返したので、リウ・ミンは驚いて事故を起こし半身不随になった
のではないでしょうか。
だとしたら・・・。
重要なのはここからです ──
当たっているとネタバレになってしまうので隠しておきます。気にならない方だけご覧下さい。
続きを読む (クリックして下さい)
トキが過去改変する(トランクに忍び込み大声を出す)前の時間軸では──
やはり、リウ・ミンが連続殺人犯だったのではないでしょうか。
最初のエマ殺害をトキが止めてしまった。
それだけではなく、リウ・ミンが事故で半身不随となってしまった。
その場合、過去改変前に犯した殺人は誰が行ったことになるのでしょう?
私は、被害者が生き返ると思っていました。
だけど、そんな様子はありません。
エマが橋にいた監視カメラ映像が見つかり、リウ・ミンにアリバイができて不可能犯罪みたくなっていただけ。
死の分岐点は変えられない──
ならば、リウ・ミンの代わりに死を実行する何らかの力が働いたのではないでしょうか。
最初、私はタイムパトロールのような存在を思い浮かべました。
死の分岐点は変えられないので、非情でも既に死んでいる人は何らかの形で死に至る、そんな調整をしているのではないか?
でも、真犯人の言動にはそのような使命で動いている気配はありません。
それに、リウ・ミンが行った殺人を代行しているのなら、シャンシャンを見逃したのも不可解だし、ヒカルを狙った理由も分かりません。
少なくとも、今の真犯人は自分の意思を持って行動しているのです。
トキの過去改変によって、物理的な体を持たない新たな存在を生み出してしまったのでしょうか?
だから、エマに入ったり、リンに入ったりと自由に出没できるのでしょうか?
でも、そうなると一体どうやって対抗するのでしょうか?
う~~ん、早く続きを見たい!
とまあ、妄想が止まらないのでこの辺で。
当てずっぽうですので、話半分で聞いて下さいね(笑)。
ただ、私が結論付けたのは──
トキは、これまで軽々しく過去を変えてきました。
10話「善意の代償」で、過去改変の影響度合いを知り反省。
トキは一回り成長して、今回の見事な作戦に繋げたと思っていたのですが・・・
10話で、何もしてないと言いながら、声を上げたことで大きな過去改変をし。
12話で、現在は何をしても良いと言わんばかりに、能力を真犯人に見せたことにより、逆に犯人に目を付けられ、ヒカルとリンを危険な目にあわせしてしまう。
トキは、エマに光を与えることができないばかりか、自分に光を与えてくれる人を失ってしまったのです。
#実際にヒカルの命が失われたかは不明
『時光代理人』はトキの成長と挫折の物語だったのです。
連続殺人犯の真犯人は誰?
おわりに 『時光代理人』総評
1クール12話。
全体を振りかえると『時光代理人』は主人公トキの成長と挫折の物語だったと言えます。
過去改変してはいけないと言われながら、好き勝手な行動をするトキにイラッとしたこともありましたが、トキは写真へダイブすることで様々な人の人生を体験し少しずつ成長していく。
クール前半は、中国社会の文化や価値観の違いを楽しみながら、普遍的な愛情や義理人情染みる話もあり、それはそれで楽しめました。
二人の能力を少しずつ明かしていく構成。
決して万能ではない能力と変えてはならない過去。
過去と現在にさりげなく仕込まれた伏線。
毎話最後の引きがお見事でした。
SFサスペンス好きな私としては、特に10話からの展開が堪りませんでした!
過去改変の影響で人生が変わってしまった女性の顛末。
過去に戻れる時間移動能力を活用した見事な罠。
ミステリと見せかけてサスペンス。
最後は、スッキリしないどころか、クール最大の引きを持ってきて終了。
違う意味で心を持っていかれました(笑)。
2期が楽しみです!
いつになるか分かりませんが2期が放送された際には、レビュー書きますよ!
2024年4月から『時光代理人』の続編『時光代理人Ⅱ』が放送開始!
2期のレビューも書いているので、こちらからどうぞ。
以上、TVアニメ『時光代理人』第12話の感想&考察レビューでした。
超長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。
ではでは。
疑問点 まとめ(Q&A一覧)
この章では、疑問点をまとめていきます。
- 今話で生まれ解決した疑問は、本文で解説して本章でまとめ
- 今話で解決しなかった疑問を、疑問1期XX-XX(話数-通し番号)として記録
⇒ 本章「疑問点まとめ(Q&A一覧)」でまとめ - 答えは、推測ではなくできるだけ作品内で明らかになった事実を記載
※推測が入る場合は、断りを入れる
⇒ 解決した疑問は、次話で削除
今話で解決した疑問 (クリックすると答えが表示されます)
今話で新たに発生し、解決しなかった疑問
- 疑問 1期12-01 連続殺人犯の真犯人は誰?
残っている疑問
- 疑問 1期01-02 トキの両親は、なぜいなくなった?
- 疑問 1期01-03 トキがダイブしたのは、今回が初めて?
- 疑問 1期01-04 トキとヒカル、いつ、どのようにして能力を身につけた?
- 疑問 1期01-06 ヒカルは、なぜ事前に写真の中の出来事をトキに教えない?
- 疑問 1期11-02 ヒカルは、なぜトキと一緒に住んでいる?
今週の感想ツイート
#時光代理人 12話(終)
— 時文@ここアニ(ブログテーマ移行中) (@toki23_a) March 28, 2022
やってくれたな展開に
やってくれたな真犯人
ゲームと見せかけ罠にかけ
ルール破ったと容赦なし😱
こちらは手を見せ丸裸
敵は正体不明の殺人鬼
1人救えど皆は救えぬ
友を求めトキらに迫る
トキの説得が心に染みるも結果は…
そう来たかのサスペンス展開が秀逸
次期いつ❓
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話数 | サブタイトル |
第1話 | エマ |
第2話 | 秘伝のレシピ |
第3話 | 必ず負けろ、決して勝つな |
第4話 | 告白 |
第5話 | 告別 |
第6話 | 番外編「手合わせ」 |
第7話 | 消えた息子 |
第8話 | 信念 |
第9話 | 逃したシグナル |
第10話 | 善意の代償 |
第11話 | 罠 |
第12話 | 光をくれる人 |
※話数:リンクは各話レビューへ