【文字数(本文):約1万文字(目安16分)】
こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『薬屋のひとりごと』第32話「皇太后」を鑑賞しました。
本レビューではアニメ感想だけではなく、原作・コミカライズ情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。
皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
今回アニメ化されたのは──
- 原作
-
3巻 13話「皇太后」 ~ 14話「先帝」中盤まで
- コミック
-
11巻 44話「皇太后」 ~ 45話「先帝」中盤まで
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
今話で解決しなかった疑問
最下部「疑問点まとめ (Q&A一覧)」に記載
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレなし
『薬屋のひとりごと』は、小説投稿サイト「小説家になろう」連載。
ライトノベルと、月刊誌2誌で別の漫画家によるコミカライズ2作品があります。
私は、ライトノベル、コミカライズ共に未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成します。
アニメ鑑賞
+
コミカライズ、ライトノベルを読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」
よって、次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください。
なお、原作ライトノベル、コミカライズの情報は、「原作情報」として区別できるよう記載します。
- 「ヒーロー文庫」のライトノベルを ── 原作
- 「月刊サンデーGX」連載のコミカライズを ── コミック

こんな感じです
緑系の色を目印にしてね!
引用部分も次のように緑系をワンポイントに ──
宦官が驚いた表情で猫猫を見るが、そんなの関係なかった。
引出しの見出しを眺め、珍しい薬を見つけるなり踊るような奇妙な動きをしてしまう。喜びがあふれ出て、頭の中に納まりきれなかった。
「なんかの呪いか、なにかか?」四半時、そんなことを繰り返したところだった。
by 『薬屋のひとりごと』原作1巻
いつのまにか現れた壬氏が奇異の目で踊る猫猫を見ていた。
コミカライズは、別の漫画家による2作品が刊行されています。
- 「月刊ビッグガンガン」連載の「薬屋のひとりごと」
- 「月刊サンデーGX」連載の「薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜」
両方読んでいますが、本サイトでは、アニメの補完となると情報の多い➋を選択しました。
「コミック」として紹介する情報は基本➋です。
が、今後も両方読んでいくので、➊にしかない情報があれば、その時は注釈を付けて紹介します。

同じ内容なのに、2つも読むんだ・・・

その方が、理解が深まるんだよ
ちなみに、考察や疑問はオレンジ系。
補足や余談、参考情報はブルー系に色分けしているので、読む際に目安にして下さい。
2期 全24話 各話リスト
話数 | サブタイトル | コミック | 原作 |
第25話 | 猫猫と毛毛 | 8巻 | 3巻 |
第26話 | 隊商 | ||
第27話 | 冬人夏草 | 9巻 | |
第28話 | 鏡 | ||
第29話 | 月精 | ||
10巻 | |||
第30話 | みたび、水晶宮 | ||
第31話 | 選択の廟 | 11巻 | |
第32話 | 皇太后 | ||
第33話 | |||
第34話 | |||
第35話 | |||
第36話 |
※話数:リンクは各話レビューへ
※サブタイトル:ネタバレを避けるため次話以降はマスク
はじめに
翡翠宮に皇太后が訪ねてきた。
皇太后は、猫猫に先帝にまつわる調査を依頼する。
藁にもすがる・・・じゃなくて、猫にもすがる思い。
ほんの少しの知恵が道を開くこともある。
新しい部屋を得た猫猫(笑)。
後宮探偵に舞い込んだのは、あらぬ疑惑(苦笑)と呪いの調査。
好むと好まざるとに拘わらず、益々皇帝一族の暗部に足を踏み入れる様が不穏な空気を感じさせると同時に胸が躍ってしまう。
で、子翠に何も言わなくて良かったの?
そもそも皇太后はなぜ先帝を恨んでいるのでしょうか?
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第32話「皇太后」
子翠
変な女官が笑いながら虫を捕まえている。そんな噂が後宮内で広まっていると聞き、猫猫はあらぬ疑いをかけられてしまう。
物置小屋
今日からここがあなたの部屋よ。
by 紅娘『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
まだ虫を集めていると勘違いされ、罰として物置小屋をあてがわれる猫猫。
原作によると ──
猫猫の部屋は薬の匂いがきつくなってきて、そもそも侍女頭である紅娘に目を付けられていました。
そこへ虫の話があったので、堪忍袋の緒が切れたのでしょう。
※原作では、自己申告ではなく、桜花に告げ口されています
しかし、猫猫にとっては好都合。
部屋は広くなるし、夜中に音を立てても良くなります。
そこで、自ら物置小屋利用を打診したのです(笑)。
桜花は、猫猫に虫集めを止めさせる為に少し脅かしたのに、猫猫にとって有益なアイデアを与えてしまったのです(苦笑)。
そういえば・・・。
1期、壬氏邸で住み込み侍女をしている時にも ──
── お前がよければ新しい部屋を用意させよう。
- 中略 -
では、井戸が近くにある厩でも
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第13話
※「厩」とは、馬小屋のこと
馬小屋を所望しましたが、高順に全力で否定されてしまいました(笑)。
ようやく猫猫の念願が叶った、とも言えるのです。

言えるのか??
笑いながら虫を捕まえる女官
── 紅娘様に告げ口するなんて、さすがに酷いんじゃない、桜花?
私じゃないわよ。
by 桜花『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
猫猫が自分で紅娘様に打診したのよ。
変な女官が笑いながら虫を捕まえているって、噂になってるわよ。
by 桜花『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
桜花が勘違いしたのは、笑いながら虫を集めている変な女官がいる噂を聞き、てっきり猫猫のことだと思い込んだのです。
猫猫が否定しても、侍女三人娘は信じません(苦笑)。
噂話を反芻し、思い当たる女官が頭に浮かぶ猫猫。
その当てがある顔ですら、三人娘には、猫猫自身に身に覚えがあるように捉えられてしまうのです(苦笑)。

日頃の行いだね

うん…
妃付きの侍女
物置小屋は問題ないどころかありがたいが、変な女官の汚名を着せられ黙っていられない猫猫。
噂の出所・子翠を探しに出掛けます。
ああ妃付きの侍女だから警戒しているのか。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
小蘭が声を掛けた下女達は、着ている服で猫猫が妃付きの侍女だと分かったようです。
下女は、後宮から与えられた支給服を着ます。

猫猫も洗濯係をしていた頃は、小蘭と同じ服を着ていました。
1期1話、「おしろいは毒」と書いた文の布から、下女が書いたとバレました。(1話 )
一方、部屋付き以上の妃に付く侍女は、妃から服が与えられます。
それで妃によって、服が違うのです。

原作によると ──
(しまったな)
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
遠巻きに見ていればよかったと猫猫は後悔した。妃付の女官に対して対抗心を持つ女官もいれば、下手に噂が流れては困ると口をつぐむ女官もいる。
小蘭のように気にしない下女の方が珍しく、普通は意識してしまうのです。
ましてや同じ下女仲間の居所となると・・・警戒されるのも当然ですね。
釣り餌
それならば、警戒を解いてあげれば良いだけだと思いますが・・・。
何か釣れるものは・・・、おっ、これは・・・。
詳しいお話しだいでは、これを差し上げるんですけど。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
物で釣ろうとする猫猫(苦笑)。
何かないかと懐を探します。
(原作によると)お菓子は全部小蘭にあげました。
それで、前々話ラスト、壬氏からもらったハンカチをエサにしたのです。
ところで、なぜ猫猫は、壬氏のハンカチを懐に入れていたのでしょうか?

実は大切だから肌身離さず持っていた、とか!?

猫猫に限って、決してそんなことは…
原作によると ──
先日、頬を怪我した猫猫に壬氏がくれた手ぬぐいだった。このあと医局へ行き、やぶ医者にでも売りつけようと考えていたのだ。やぶ医者に男色の気があるとは考えたくないが、 麗しの宦官のものであれば、多少銭を出すだろうと思ったためだ。
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
なんと、この後、やぶ医者に売りつけようとしていたのです・・・。

ひ、ヒドい…
壬氏様知ったら落ち込むよ…
この香りは・・・。
by 下女たち『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
まさか、あの方の・・・。
匂いだけで、壬氏様の物だと判別する下女達(苦笑)。
恐るべき推し効果ですね。
オシロイバナ
オシロイバナ。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
こんなところにあったのか。
オシロイバナと言えば ──
前々話、水晶宮で病気の下女が寝かされていた物置の前に植えられていた花のこと。(30話 )
あの時、猫猫は ──
本来あの花は、ほとんど赤なんです。
なのに白い花しか咲いていない。誰かが選んで植えたのでしょう。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第30話
「本来あの花は、ほとんど赤」。
確かに、今話で描かれたオシロイバナは、ほとんど赤。
下女は、その中から、白い花を選んで植え替えていたのです。
猫猫の言い振りだと、オシロイバナはあちこちに生えているのではなさそうです。
下女は、こんな北の雑木林まで採りに来ていたのです。
堕胎剤
杏は当初、香をつけていなかった。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
梨花妃に取って代わる妃になろうとしていた杏が、流産の危険性がある香を避けるのはおかしくない。
猫猫によると、杏が香をつけていなかったのは、流産の危険性があるから。
杏は、帝にお手つきされてもいないのに、そこまで備えていたのです。
ある意味、かなり意識が高いですね。
では、そもそも流産の危険性がある香を、杏は、なぜ知っていたのでしょうか・・・。
薬の知識のない杏に毒の作り方を教えた人間がいる。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
恐らく、その人物は、まだ後宮内に・・・。
誰かが杏に教えたのです。
そして、その人物は、まだ後宮内にいると猫猫は推測。
今も後宮にいる誰かが、香で堕胎剤を作る方法を杏に教えたと言っているのです。
杏に香油から堕胎剤の作り方を、誰が教えた?
笑いながら虫の話をする女官

── その虫を捕まえようとしたの?
この虫は東方の島国に生息している虫で、羽を合わせて音を鳴らすんだよ。
by 子翠『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
たぶん交易品の中にあったやつが逃げたんだろうね。
虫の質問をしてしまったが最後、一気に話し始める子翠。
ちょっと色がゴキブリに似てるけど、違う生き物だから大丈夫だよ。
by 子翠『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
ゴキに似ているなんて、考えてもいなかった(と思う)のに気付かせてくれた子翠。
自分の頭の上でそんなのが潰されたかと思うと、桜花でなくても卒倒しそうな話(苦笑)。

うぇ・・・
ところで、この後、皇太后を見かけた後、帰ります。
一体、猫猫は子翠を探して何をしたかったのでしょうか?
何も言わなくて良かったのでしょうか?
原作には、その理由らしきものが書かれていました。
(あんなのと一緒にされてたなんて)
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
心外だな、と猫猫は思う。自分はもう少しまともだろう。
猫猫は、これだけ確認すれば十分と、そそくさとその場を去ろうとした。
なんと、猫猫は、噂の主が子翠であることを確認したかっただけなのです。
確かに、猫猫はあらぬ疑惑をかけられています。
だからといって、子翠に虫を止めろと指示するわけにもいきません。
虫を捕ることは別に悪いことではないし、何なら猫猫だって蛾やトカゲの尻尾を集めていたのですから(苦笑)。
恐らく、噂の主は子翠だと確信を得たかったのでしょう。
思い当たるというだけでなく、証拠を得ておきたかったです。
で、確認できたので帰ろうとしたら、頭にいる鈴虫目掛けて飛びかかられたのです(笑)。
皇太后
翡翠宮に皇太后が訪ねてきた。皇太后は猫猫にある依頼をする。
診療所

診療所に行くのかな?
女官達がやってる非公式の診療所なんだけど。
あれ、皇太后様が作ったんだって。女帝の権力が強い時代だったから、公には作れなかったらしいけど。
by 子翠『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
なんと、後宮にある診療所は皇太后が作ったのです。
後宮には医官は一人。
現帝の弟出産の折、医官は一人しかいないので、出産が重なった阿多妃を診る手が足りませんでした。

その結果、阿多妃は二度と妊娠できない体に・・・。
女帝の権力が強い時代だったので、医官を増やす代わりに診療所を作ったのでしょうか・・・。
皇太后は、診療所だけでなく、宦官や奴隷制度も禁止したようです。
なかなかの改革派ですね。
そんな皇太后が診療所に。
先の子翠のセリフによると、診療所は非公式です。
非公式なら、診療所で公式な行事はありません。
それなのに、皇太后がわざわざ足を運ぶのです。
猫猫でなくたって、皇太后様が診療所で何をしたのか気になります!
皇太后は、なぜ診療所に?

皇太后を見る子翠の表情も気になります
この子の過去に一体何が…
皇太后来訪
── いつもより念入りに!ホコリ一つ残さないでね!
何だ?
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
誰か来るのか?
原作によると、子翠と分かれて翡翠宮に戻るなり、猫猫は掃除をさせられます。
その直後、皇太后が来訪。
つまり、皇太后は、診療所へ寄ったあと翡翠宮へ来たのでしょう。

そういえば、翡翠宮に新しい侍女が来るとか言ってたけどどうなったの??

そうじゃん!
全然増えてないね(苦笑)
皇太后様は、玉葉様の妊娠をご存じなのか。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
それだけ信頼されてるってことか。
妊娠してお腹が大きくなってきた玉葉妃は茶会を控えていました。
そんな中、やってきたのは皇太后。
しかも、皇太后は玉葉妃の妊娠を知ってしました。
「それだけ信頼されてるってことか」というセリフ ──
原作には、次のような心情描写で補足されていました。
けっこう疑い深い玉葉妃がこうやって皇太后に妊娠の事実を知らせているのは、皇太后がそれだけ信頼にたる人物だからか、それともそうせざるを得ないような状況なのか、どちらかである。噂に聞く皇太后の気質を 鵜呑みにすれば、前者ということになるが、本当のところはわからない。
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
玉葉妃は頭が良く、慎重です。
だから侍女も簡単に増やすことをせず、少ないのです。(2話 )
そんな用心深い玉葉妃が、妊娠の事実を知らせているのは、皇太后を信頼しているからか、それとも・・・、という状況のようです。
皇太后は良い人として描かれているので、前者だと思いますが。
少し微妙な表現をしていますね(苦笑)。
依頼
あなた、確か壬氏のもとより手配された侍女よね?
by 皇太后『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
いつも通り、毒味をして部屋を出ようとしたら声をかけられた猫猫。
どうやら皇太后は、猫猫がいくつもの問題事を解決しているのを知っている様子 ──
分かる範囲でいいの、調べてもらいたいのよ。
私は、先の帝に呪いをかけたのかしら。
by 皇太后『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
皇太后が翡翠宮に来たのは、猫猫に調査を依頼するためだったのでしょうか。
皇太后ともあろう御方がわざわざ足を運ばなくても、帝は無理でも、壬氏か玉葉妃に頼めば良いこと。
直々に足を運び、直接猫猫を見て、依頼を頼んだのです。
それも、とんでもない事を口にして・・・。
先帝を恨んでいるなんて、皇太后でも許されないことだからでしょうか。
だから、おいそれと話しては良くない。
それで、直接来て人払いをして、猫猫限定で話したのでしょう。
だとすると、逆に猫猫をとても信頼していることになりますね。
壬氏から聞いたのでしょうか。
それとも、前回の”選択の廟”での活躍、帝からも信用されていると知ったからでしょうか・・・。

実は、水蓮がアドバイスしてたりして

おお~~、ありえるかも
先帝
皇太后が上級妃4人を招いたお茶会を開催。猫猫はその間に皇太后の依頼を調査する。
幼児趣味
後宮内で一番有名なのはロリコンだろうか。
- 中略 -
先帝は、妙齢の女官が数多くいる中で、一番幼い娘にばかり手を出していた。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
先帝は幼児趣味。
政略結婚でも、その血筋が必要だったわけでもなく、後宮に若い女官が数多くいたのに、その中でも一番幼い子に手を出していたというのです。
現に、皇太后の最初の出産は、10歳未満。
皇太后様の腹には傷がある。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
今の帝を出産される際、まだ体が育ちきっていなかった皇太后様は腹を切るしかなかったのだ。
まだ出産できるほど体が成長してなかったので、現帝を生むのに帝王切開するしかなかったのです。

ヒドい・・・
それで先帝を恨んでいたのです。
当然ですよね・・・。
10歳未満で妊娠させられ、辛く大変な思いをした。
皇太后が先帝を恨むのは当然とはいえ、前話時点で私は別のことを考えていました。
出産は大変だっただろうけど、その事に対しては恨んでいないのではないか、と。
家の期待を背負って後宮に入った可能性があるからです。
本人は深い部分で理解していなかったかもしれませんが、両親や親族の期待に応えたい思いもあったと考えていました。
そう考えた最大の理由は、2人目の子供を産んでいるからです。
前話、壬氏の夢で描かれたように、あんなに恨んでいては子作りもできないだろうと・・・。
だから、恨むようになったのは弟の出産後だと。
ところが、我らが名探偵猫猫さんは ──
出産した時の皇太后様は三十路前、とうに少女とは言えない年齢だ。
となると・・・。皇弟は本当に先帝の子なのか?
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
逆!?
確かに、幼女趣味だった先帝が三十路前の皇太后に手を出すとは考えにくい。
ましてや、皇太后が先帝を憎んでいたら尚更です。
それでも、女帝に無理矢理という線も考えられます。
だから皇太后は、女帝を恨んでいたのではないかとも。
先帝が生きている限り子作りを強制される。
それで呪っていたのかもしれません。
大体、自分の子供でないなら(壬氏の夢で)触れ合おうとはしないですよね・・・。
兎にも角にも、猫猫さんの一言で、またまた謎が増えました。
帝弟は、一体どれだけ秘密を、いや爆弾を抱えているのでしょうか・・・。
帝弟は、本当に先帝の子?
茶会
数日後、皇太后様が、茶会という形で上級妃4人が集まる場を設けてくれた。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
皇太后は、なぜこのタイミングで茶会を開いたのでしょうか。
ここは内廷、後宮の外です。
たとえ皇太后でも、玉葉妃の侍女を簡単に後宮の外に連れ出すわけにはいきません。
だから、上級妃4人を茶会に招いた。
てっきり、先帝が亡くなった部屋を猫猫に見せる為に茶会を開いたのだと思っていました(笑)。
が、原作によると ──
もちろん、そんな場所に猫猫一人が来るわけではない。
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
もともとその予定だったのだろう。茶会という形で上級妃四人が集まる場をもうけてくれた。
猫猫曰く、もともと茶会を開く予定だったというのです。
本当でしょうか?
猫猫に呪いを調査してもらう為に、茶会を開いたのだと思いますけどね(笑)。
猫猫を連れ出すには、玉葉妃に来てもらわなければなりません。
だから、妊娠して大変な時期ですが玉葉妃も誘われたのではないでしょうか。

もしそうだとしたら、スゴッ!

誰もそこまですると思わないからカモフラージュになるんだよ

お~~、確かに
我らが名探偵は ──
自分に対する評価と好意に対しては、察しが悪いのかもしれませんね(笑)。
公然の秘密
玉葉様の妊娠は公然の秘密だが、面と向かっての茶会であれば、あからさまな探りをいれられることもある。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
なんか、サラッと重要な事を言いましたよ!?
「玉葉様の妊娠は公然の秘密」!?
なんと、玉葉妃の妊娠は、もう皆に知られている、というのです。
── その辺は、配慮してくださると思うけど。
皇太后様はね。
by 『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
他の妃はどうか分からないじゃない。
だからこそ、あからさまな探り、いや、嫌がらせをされる可能性があるのです。
毒味
今日の毒味は私がするわ。
by 紅娘『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
そういう流れって分かるわね?
せっかく猫猫を連れてきたのに、毒味は侍女頭!?
皇太后様が用意した席では毒味役をつけない。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
ということで、信頼していることを示すってことか。
原作には、もう少し丁寧な説明が ──
つまり后が出したものに毒はないという態度を示さねばならない。そのため毒見役をわざわざ随伴させるのはまずいということだ。ただ、それでは本当になにかあったときに責任はどこへ行くのかという問題もあり、妥協案として妃と同じものが侍女頭にも振る舞われるということだ。
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
毒味役を同席させるのは、皇太后が出すものを信用していない意思表示になってしまいます。
だから、毒味役は不要。
でも、本当に何か起きた時は取り返しの付かないことになるので、侍女頭に同じ物が出され、先に食べることにより毒味をするのです。
なんとも政治的な・・・いや工夫をしたものです(苦笑)。
これでは、ますます毒味役である猫猫を連れてきた意味がありませんが・・・。
翡翠宮は侍女が少ないので、見栄えもあったのでしょう(笑)。
旧後宮
今の後宮ができる前は、ここが後宮として機能していました。
by 侍女『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
なるほど。
ここは前の後宮。
つまり、前話冒頭、壬氏の夢に出てきたのは、ここのことだったのです。(31話 )
── この部屋は?
先の先の帝の時代、女官から下級の妃になった方が住んでいた場所です。
女帝と呼ばれた方の部屋であり、先帝が育まれた場所でもあり、身罷られた場所でもあります。
by 侍女『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
なんとも、敵意ある言い方ですね。
侍女は、先帝や女帝に対しての嫌悪を隠そうともしていません。
晩年、先帝と女帝と呼ばれた母君は、あの部屋に籠もることが多くなりました。
by 侍女『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
思い出にすがるように入り浸り、先帝は気が弱っていたのか、女帝の死後、後を追うようにあの部屋で息を引き取りました。
侍女の説明を聞いていると、女帝と先帝は仲が良かったようです。
というか、同じ部屋に二人で一緒にいるなんて、ちょっと・・・。
前話冒頭、壬氏の夢の中で女帝が言っていた ──
さあ、部屋にお戻り。
by 女帝『薬屋のひとりごと』TVアニメ第31話
部屋とは、この部屋のことでしょう。
でも、侍女の説明は、壬氏の夢の内容とは少し違いますね。
壬氏の夢の中では、女帝の姿を見て、先帝は怯えていました。
時間軸が違うのでしょうか、それとも・・・。
呪い
魂抜けされた先帝のお体は、1年間霊廟にて安置されます。
翌年、主上と安氏様は、先帝を埋葬するため、ご遺体をご覧になったのですが・・・。
ご遺体は、亡くなられた時と、ほぼ同じ姿で残っていたのです。
by 侍女『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
先帝の御身体は、1年間も安置!?
理由は、原作にありました。
なにかの間違いで蘇ることは皆無ではない。猫猫は、曼荼羅華でまんまと出し抜いてくれた官女を思い出す。
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
そういう意味もあるが、もともとの理由としては亡くなる前に墓所が完成しなかったということだろう。そうやって時間をあけておけば、急いで工事をする必要もない。
なるほど。
墓所を建設する時間を作るために、もっともらしい理由を付けて1年間安置していたのです。
上手い。
もうじき、あの棟は取り壊されます。
by 侍女『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話
それまでに調べてもらいたいのです。
(原作によると)先帝が身罷られてから6年が経過。
1年間安置していたので、埋葬したのは5年前。
つまり、呪いだと感じてから5年間。
皇太后様の心をずっと悩ませてきた。
その当時が残っているのはこの棟のみ。
取り壊される前に真実を解明しないと、呪いが皇太后様の心に刻まれたままになってしまうのです。
それこそ、先帝から皇太后にかけられた呪いのようですね・・・。

ホントだよ!
皇太后様かわいそう~~
おわりに (『薬屋のひとりごと』32話とは)
前話は皇帝からの依頼で、今話は皇太后からの依頼。
血筋や先帝、どちらも国の根幹に関わる問題。
解きたいからといって誰でも彼でも頼れるわけではありません。
そこで我らが”後宮探偵”猫猫さんの登場です!
って、商売にしたら儲かるだろうに(笑)。
いっそのこと、探偵業を本業にした方が(爆)。
などと戯れ言を言っている場合ではなく。
段々、この国のごく一部しか知らない事ばかりに首を突っ込んでいく猫猫が心配になってきます・・・。
猫猫の才能は貴重です。
でも、下女の命は軽い。
いつ目の上のたんこぶと見做されるか分からない世界・・・。
そんな心配をよそに、呪いの真実、少しずつ明らかになるこの国の暗部に胸が躍っているのも事実(笑)。
呪いを解決すれば、皇太后も猫猫の味方に!?
ならば、これほど心強いことはありません。
真の敵が誰で、どれ位の規模か分からない今。
頼れる仲間は多い方が良い。
一方で、誰をどこまで信じて良いのかも分からないのも事実・・・。
果たして、皇太后にまつわる噂は、真実か否か。
謎とミステリアスな展開に胸躍る!
こうして視聴者は『薬屋のひとりごと』(の作者である日向夏先生)の掌の上で踊らされているのです(笑)

楽しそうだね~
以上、TVアニメ『薬屋のひとりごと』第32話の感想&考察レビューでした。
長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。
次話のレビューも書く予定です。
良かったらまたお越し下さい。
最新情報はX(@toki23_a)にて!
ではでは。



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疑問点 まとめ(Q&A一覧)
この章では、疑問点をまとめていきます。
- 今話で発生し解決した疑問は、本文で解説して本章(ここ)でまとめ
- 今話で解決しなかった疑問を、疑問XX-XX(話数-通し番号)として記録
⇒ 本章(ここ)でまとめ - 答えは、推測ではなくできるだけ(原作含む)作品内で明らかになった事実を記載
※推測が入る場合は、断りを入れる
⇒ 解決した疑問は、次話で削除
今話で解決した疑問 (クリックすると答えが表示されます)
今話で新たに発生し、解決しなかった疑問
- 疑問 32-01 皇太后は、なぜ診療所に?
- 疑問 32-02 帝弟は、本当に先帝の子?
残っている疑問 (クリックすると表示されます)
- 疑問 02-01 壬氏は、後宮管理者なのに、なぜ後宮の外まで判断を求められている?
- 疑問 02-02 水差しの弁償、仕送りから引いたのは期間限定?
- 疑問 02-03 結局、秘薬は何の為だったの?
- 疑問 03-01 西都の玉葉妃が、異国の姫とは?
- 疑問 05-01 粉を染み込ませた木簡は、誰が何に使っているのか?
- 疑問 05-01 簪(かんざし)を渡す意味は?
- 疑問 06-01 園遊会で、なぜ壬氏は違うカンザシを挿し、襟が乱れていたのか?
- 疑問 09-01 壬氏と亡くなった武人・浩然との関係は?
- 疑問 10-01 後宮内の事件に最終判断を下しているのは誰?
- 疑問 10-03 現帝の東宮時代、妃はなぜ一人しかいなかったのか?
- 疑問 11-01 阿多妃を南の離宮に住ませるのは、帝の愛着か、それとも・・・
- 疑問 11-02 阿多妃の子は生きているのか?
- 疑問 12-01 やり手婆は、なぜ猫猫を妓女にしたい?
- 疑問 13-01 壬氏は、帝に何を頼まれたのか?
- 疑問 14-02 爆発現場にあった上等なキセルは、倉庫番のもの?
- 疑問 15-01 馬閃は、なぜ猫猫を嫌っている?
- 疑問 17-01 壬氏は、なぜ変装しなくてはならない?
- 疑問 17-02 壬氏は宦官なのに、なぜ武官のような野営を知っている?
- 疑問 18-02 使い物にならない妓女を、やり手婆はなぜ離れに住まわせている?
- 疑問 19-03 「何か起こったあとでは遅い」猫猫は、過去にどんな経験をしたのか?
- 疑問 19-04 羅漢は、猫猫を抱きかかえる壬氏を見て、なぜあれほど驚いた?
- 疑問 20-01 なぜ翠苓のことを秘密裏に終わらせた?
- 疑問 20-02 壬氏は、なぜ身分を隠し、後宮管理者として生活している?
- 疑問 20-03 楼蘭妃は、なぜ訪れる度に雰囲気が変わる?
- 疑問 21-01 やぶ医者より先に後宮へ来た姉は、今どこにいる?
- 疑問 21-02 先の皇太后は、なぜ木の伐採に制限をかけた?
- 疑問 22-01 猫猫は、なぜ爪紅を流行らせた?
- 疑問 23-01 賭け対象にした「妓女の身請け」の狙いは?
- 疑問 23-02 羅漢に届いた文と巾着、誰が開いたのか?
- 疑問 25-01 楼蘭妃は、なぜそこまで侍女を増やす?
- 疑問 25-02 子猫はどこから来た?
- 疑問 26-02 キャラバンは、なぜ妊婦に影響のある香油と香辛料ばかり売っていた?
- 疑問 27-01 結局、玉葉妃に毒を盛ったのは誰?
- 疑問 28-01 異国の特使は、なぜ上級妃4人に鏡を献上した?
- 疑問 28-02 高順が相談した姉妹とは誰のこと?
- 疑問 29-01 異国の特使は何を企んでいる?
- 疑問 30-01 杏に香油から堕胎剤の作り方を、誰が教えた?
- 疑問 31-02 先帝が壬氏に渡そうとした石は何?
- 疑問 31-03 国母が来たのはいつ頃?
- 疑問 31-04 帝は、なぜ”選択の廟”を解いておきたかった?
- 疑問 31-05 壬氏は、なぜ”選択の廟”で真剣な顔をしていた?

1期の残が多いので、時間あるときに整理します
今週のX感想ポスト
#薬屋のひとりごと 32話
— 時文@ここアニ(『チ。』『薬屋』レビュー中) (@toki23_a) March 1, 2025
猫にもすがる思い
ほんの少しの知恵が道を開くこともある
新しい部屋を得た名探偵猫猫に舞い込んだのは、あらぬ疑惑と呪いの調査…好むと好まざるとに拘わらず益々この国の暗部に足踏み入れる様が不穏な空気感じると同時に胸躍る😆
で、子翠に何も言わなくて良かったの?🤣
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アニメ『薬屋のひとりごと』次話のレビューはこちら!
