アニメ【薬屋のひとりごと】34話感想&考察 何が虚実か真実か、子翠と女官の正体は?

薬屋のひとりごと 第34話

【文字数(本文):約1万文字(目安16分)

こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『薬屋のひとりごと』第34話「怪談」を鑑賞しました。

本レビューではアニメ感想だけではなく、原作・コミカライズ情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。

皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。

今話の原作

原作小説 3巻

コミック 12巻

今回アニメ化されたのは──

原作

3巻 15話「怪談」

コミック

12巻 47話「黄衣の女」終盤 ~ 48話「怪談」まで

今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)

今話で解決しなかった疑問

最下部「疑問点まとめ (Q&A一覧)」に記載

本レビューの方針

本レビューは、次話以降のネタバレなし

『薬屋のひとりごと』は、小説投稿サイト「小説家になろう」連載
ライトノベルと、月刊誌2誌で別の漫画家によるコミカライズ2作品があります

私は、ライトノベル、コミカライズ共に未読です。

アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成します。

アニメ鑑賞

コミカライズ、ライトノベルを読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」

よって、次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください

なお、原作ライトノベル、コミカライズの情報は、「原作情報」として区別できるよう記載します。

原作情報
  • 「ヒーロー文庫」のライトノベルを ── 原作
  • 「月刊サンデーGX」連載のコミカライズを ── コミック
ココア

こんな感じです
緑系の色を目印にしてね!

引用部分も次のように緑系をワンポイントに ──

 宦官が驚いた表情で猫猫を見るが、そんなの関係なかった。
 引出しの見出しを眺め、珍しい薬を見つけるなり踊るような奇妙な動きをしてしまう。喜びがあふれ出て、頭の中に納まりきれなかった。
「なんかの呪いか、なにかか?」

 四半時、そんなことを繰り返したところだった。
 いつのまにか現れた壬氏が奇異の目で踊る猫猫を見ていた。

by 『薬屋のひとりごと』原作1巻

コミカライズは、別の漫画家による2作品が刊行されています。

  • 「月刊ビッグガンガン」連載の「薬屋のひとりごと
  • 「月刊サンデーGX」連載の「薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜

両方読んでいますが、本サイトでは、アニメの補完となると情報の多いを選択しました。

「コミック」として紹介する情報は基本です。
が、今後も両方読んでいくので、にしかない情報があれば、その時は注釈を付けて紹介します。

ココア

同じ内容なのに、2つも読むんだ・・・

時文

その方が、理解が深まるんだよ


ちなみに、考察や疑問はオレンジ系。

考察

補足や余談、参考情報はブルー系に色分けしているので、読む際に目安にして下さい。

補足

2期 全24話 各話リスト

薬屋のひとりごと (2期 前半クール)各話リスト
話数サブタイトルコミック原作
第25話猫猫と毛毛8巻3巻
第26話隊商
第27話冬人夏草9巻
第28話
第29話月精
10巻
第30話みたび、水晶宮
第31話選択の廟11巻
第32話皇太后
第33話先帝
12巻
第34話怪談
第35話
13巻
第36話

※話数:リンクは各話レビューへ
※サブタイトル:ネタバレを避けるため次話以降はマスク

後半クール(37話~)は、全話レビュー投稿後追記します。それまではこちらからどうぞ。

目次

はじめに

『薬屋のひとりごと』第34話「怪談」予告より
今話あらすじ

人員不足だった翡翠ひすいに3人の侍女が加わった。

一方、その夜、猫猫マオマオ桜花インファに連れられ後宮の北側へ。
そこでは既に女官達が集まっており、怪談話が始まった・・・。

幽霊の正体見たり枯れ尾花
子翠の正体見たり?横顔で?

主催者の女官は、前話、皇太后・安氏アンシが話していた女性か・・・。(後述)

虚実入り混じる怪談に、最後の一酸化炭素中毒は事故か意図的か?
企みなら誰が誰を狙ったか、事故ならあの女官の正体は?

時文

まあ、これはホラーオチかな(笑)

それにしても、子翠シスイって虫以外にも興味あるんだ~と思ってたら、やっぱり虫ネタでした(爆)。

時文

いや、怖かったからオケ

ココア

うん、内容も話し方も上手いし、怖かった~

では、今話を振り返っていきましょう。

感想&考察レビュー 第34話「怪談」

三姉妹

あらすじ

人員不足だった翡翠ひすい宮に、3人の侍女が加わった。

新しい侍女

翡翠ひすい宮に来た新しい侍女たちよ

by 紅娘『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

隊商キャラバンが来る前に言っていた、新しい侍女がやっと来たようです。(26話 )
一気に3人増え、侍女頭を除くと、侍女は約2倍になったと言えますね。

補足

玉葉ギョクヨウ妃は、ああ見えて慎重です
だから、周囲がいくら促しても、これまで侍女を簡単に増やせませんでした。(2話 )

同郷の人間だけで固めるのか
暗殺されかかったことのある玉葉様には、その方が安心だな。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

今回の増員も同郷の顔見知り

元々人手が足りていなかった翡翠ひすい宮。
そこへ出産が近づき増員が喫緊の課題でも、その辺は慎重にことを進めていたのでしょう。

それにしても ──

薬屋のひとりごと 第34話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #34」より引用

── 白羽ハクウです
── 黒羽コクウです
── 赤羽セキウです

by 三姉妹『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

よく似ているどころじゃない、背格好も顔もそっくりな三姉妹

26話、新しい侍女の話が出た際、一瞬侍女らしき姿が描かれました。が、3人同じように描かれ、モブだと思っていました(苦笑)。まさかそっくりな三姉妹だとは・・・。

そりゃあ、猫猫マオマオが間違えても仕方ない・・・。
って、いやいや猫猫の記憶力はニワトリ並ですか(苦笑)。

自己紹介した直後で位置も変わってないし、直前に桜花インファが「長女の白羽ハクウ」って言ってるんだから、そのまま聞いた名前を口にすれば良いのに・・・。

如何に猫猫が、人に興味ないことが分かりますね(汗)

原作情報

原作には、このようなシーンはありません。

というか、原作では、翡翠ひすい宮に新しい侍女が来ますが、この時点では名前どころか姉妹であることも出てきていません。

原作には ──

(名前と顔が一致しない)
 猫猫は興味のあることしか物覚えがよくない。なので、しばらく新しく入った女官たちには話しかけづらいだろう。

by 『薬屋のひとりごと』原作3巻

猫猫さんは、興味のあることしか物覚えが良くない、とあるだけです(笑)。

アニメオリジナルか、おそらくこの先にあるやりとりを先に持ってきたのでしょう。

原作小説を話数単位でアニメ化すると少し短いので、アニメはあらゆる工夫をして尺を作っているようです。どこがアニメオリジナルが分からない程、上手いですね。特に2期になってから。

時文

にしても桜花達は三姉妹見分けられるのかな?

ココア

おお、ホントだ
どうなんだろう?

白羽の年齢

ええ、みんな同郷で顔なじみなの。
長女の白羽ハクウさんは、玉葉ギョクヨウ様と同い年よ

by 桜花『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

(原作情報) 桜花だけでなく、翡翠宮の侍女達と三姉妹は全員顔なじみ。

玉葉ギョクヨウ妃と同い年、ということは ──

玉葉ギョクヨウ妃は現在20歳(数え年)。(27話 )

長女の白羽ハクウは、数えで20歳ですね

補足

『薬屋のひとりごと』作品内は、数え年です。

日本で馴染みのあるのは満年齢。
数えで20歳は、満年齢だと18~19歳です

ちなみに、猫猫マオマオは、玉葉ギョクヨウ妃より2つ下、数え年で18歳。

三姉妹から見ると、侍女頭・紅娘ホンニャンや、三人娘は同郷なので知った顔

ですが、猫猫は初対面。
物置を占有したり、主である玉葉ギョクヨウ妃に大目にみてもらう様子に、ましてや白羽ハクウより年下である毒味役を、どう思っているでしょうか(苦笑)。

非常識

── 小屋は好きにしていいわよ

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

意外や意外。
玉葉ギョクヨウ妃から、小屋の使用許可があっさりと出ます

原作情報

アニメは、原作通りです。

が、コミカライズでは、玉葉ギョクヨウ妃のセリフがもう一言あります
とても納得できるので、引用させて頂きます。

あらあら、物置はすっかり猫猫マオマオの巣になっていたの?
元々、あそこを使うほど物はないのだし、そのまま使わせてあげてもいいんじゃない?

※太字部分がアニメではカット

by 玉葉妃『薬屋のひとりごと』コミック12巻

玉葉ギョクヨウ妃は、他の上級妃に比べ、無駄遣いもしなければ余分な物を購入したりしません。

物置を使うほど物持ちではないので猫猫に使わせても問題ない、と判断していたのです

納得です!

── 小屋は好きにしていいわよ。
── でも寝るときは元の部屋を使ってちょうだいね

分かりました。
いい上司達だな。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

でも、上級妃の侍女としてのたしなみか、寝るのは部屋、とキツく言う侍女頭・紅娘ホンニャン

考察

上級妃の侍女にも拘わらず、物置で寝泊まりしているとあれば、主人である玉葉ギョクヨウ妃の名に傷が付いてしまうのです

新たにやってきた三姉妹も ──

── 猫猫マオマオさんは、部屋ではなく小屋に住んでいるのですか?
── 本当ですか? 玉葉ギョクヨウ様の侍女なのに?

by 赤羽・黒羽『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

猫猫自身と言うより ──
玉葉ギョクヨウ妃の侍女である自覚を持ち、翡翠ひすい宮の品位を落とさぬよう気を配っているのです。 

普通の作品だったら、猫猫の存在価値を知らない三姉妹がここで戦いを挑むところです(苦笑)。

ココア

ああ、よくあるパターン(苦笑)

三姉妹は、侍女としてのレベルが高いですね。

時文

この子達は一体どこでそういう教育を受けるのだろう?

ココア

確かに…

桜花インファ様が小屋に引きこもるのを止めたのは、お節介だけど私のことを考えてのことだろう。

早く新しい侍女達に慣れて欲しいという、桜花インファ様らしい気配りだ

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

(原作情報) 原作によると、おやつの時間に、桜花インファは猫猫と三姉妹をやたらと話に入れようとしていたようです。

桜花インファは、猫猫を早く三姉妹に溶け込ませようと配慮していたようです。

ならば、怪談に誘うのは、三姉妹の誰かと猫猫になりそうですが・・・

そうならないのが『薬屋のひとりごと』!(笑)。

余談

そう言えば ──
前々話、前話、玉葉ギョクヨウ妃のお茶会を放っておいて、皇太后の依頼対応をしていた件。

翡翠ひすい宮の皆は、猫猫が何をしていたのか、誰も聞かないんですよね

壬氏ジンシの部屋付き侍女である猫猫の立場、事情を皆理解しているのです
分かった上で、翡翠ひすい宮にいるからには、特別扱いせずに、他の侍女と同じように扱っているのです。

本当に、良い上司、良い仲間ですね。

外出許可

── あの、今夜の外出、紅娘ホンニャン様は?

大丈夫よ、許可はもらってるわ

by 桜花『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

今日?叱られたばかりなのに、夜間外出許可を得られた二人

考察

原作によると ──

夜中に外に出ることを紅娘が許してくれるか心配したが、意外にあっさりと許可が下りた。
たまには、そういうのに参加しないとね
(そういうのとは)
 一体なんだろうと猫猫は思いながら桜花についていく。

by 『薬屋のひとりごと』原作3巻

たまには、そういうのにも参加しないとね」とのこと。

一瞬、人との交流のことを言っているのかと思いましたが、それなら三姉妹の誰かもいた方が良いはず。

どうやら ──

何せ後宮は娯楽が少ない。
こういう語らいも認められているようだ

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

後宮は娯楽が少ない
それでいて、後宮の女官は基本的に後宮を出られません。

怪談話など褒められた内容ではありませんが、気分転換には丁度良い、という感じなのでしょう

だから、紅娘ホンニャンも許可したのでしょう。

後宮の北側

後宮の北側
この辺りは古い建物しかないはずだけど・・・。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

またしても後宮の北側!
2期は、本当に後宮の北側舞台が多いですね!

猫猫、これ。
こんな感じでかぶって

by 桜花『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話
時文

おお、これか!

ココア

??
どした?

『薬屋のひとりごと』のコミカライズ『薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜』12巻の表紙

なぜ猫猫マオマオが布を被っているのだろうと思っていました(笑)。

コミック 12巻

化粧するでもなく、通常バージョンの猫猫がなぜ布を被っているのだろうと不思議でした。
この時の姿が表紙になっていたのです。

考察

この布は、一応、顔を隠すためでしょう

視聴者に誰が誰だか分かってもらわないといけないので、アニメでは顔をハッキリと描いていますが ──

行燈あんどんは消して、これを代わりに

by 女官『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

行燈あんどんを消して、代わりに渡されたのは小さなロウソク

月明かりも入らない閉ざされた部屋で、頭に被った布と、頼りない灯り
集まった女官たちは、誰が誰だか分からない状況なのでしょう

いや、顔を覗いてはいけない、誰がいるのか探ってはいけない、という感じでしょうか。

だから、隣の女官が子翠シスイだと、声を掛けられるまで気付かなかったのでしょう

原作情報

原作では ──

「こんばんは」
 声を殺したあどけない口調だ。頭まで布をかぶったその人物に猫猫は見覚えがあった。子翠である。暗い中で、今まで気付かなかった

by 『薬屋のひとりごと』原作3巻

と描写されています。

子翠シスイは、隣にいるのが猫猫だと分かっていたようですが・・・。

怪談

薬屋のひとりごと 第34話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #34」より引用
あらすじ

桜花インファに連れられ後宮の北側、古びた建物へ入る猫猫。通された部屋には既に複数の女官達がおり、怪談話が始まる・・・。

怪談① 身投げ

夜な夜な北門の堀では、身投げを繰り返す下女の姿が・・・
哀れに思った女官が堀に花を浮かべると、どこからか声が聞こえてきます・・・。

by 女官『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

(原作情報) 原作では、この怪談話はありません。

最初に話された怪談話はアニメオリジナル

でも、聞いたことがありますね ──

どっかで聞いたような話・・・

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

はい。
1期で、堀から水死体で上がった女官ですね。(9話 )

薬屋のひとりごと 第9話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #9」より引用

(原作情報) 原作では、北門屯所前で検死と記されています。

この事件が、噂となり女官の間で広まったのでしょう。

その事件の調査に携わったは、誰であろう猫猫マオマオさん。
真相を知っているので、当然怖くはありませんね(笑)。

怖がりだけど好きなわけね、桜花インファ

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

桜花インファが猫猫誘ったのは、(少しは怖がらせようと)嫌がらせするでも、(友達を作ろうという)お節介でもありませんでした。

単に、怪談話は聞きたいけど、一人で行くのが怖いから誘っただけですね(笑)

そういう素直なところが憎めないですね!

ココア

桜花、裏表ないから好き!

怪談② 禁忌の森

あ~なるほど。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

禁忌の森の話を聞いて、猫猫マオマオは納得。

禁忌の森なんていうのは迷信でしょうが、禁忌になったいわれが全くないとは言い切れないって思って

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

猫猫曰く ──
森の中には食べてはいけないものも豊富にある
だから、森に入ること自体を禁忌という形で禁じる

でも、そんな毒キノコがあると知らない人にとっては、毒キノコを食べて亡くなるのを見ると、禁を破って呪われたと信じてしまうのです

この話をした女官の故郷では、まだ信じられているのかもしれませんね。
でも、猫猫は理由に思い当たることがあったので、怖がらずに納得したのです。

補足

昔から伝わる禁止事項や言い伝えには、得てしてそういう意味合いがありますよね。

「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」
「夜に口笛を吹いてはいけない」

なんてのも、そういう類いですね。

ココア

聞いたことある!

ツキヨタケという、夜に発光する茸を火の玉に見立てるのが『薬屋のひとりごと』風ですね。

(原作情報) 原作によると ── 猫猫は光を放つツキヨタケがあまりに美しかったので口に含んで、オヤジに吐かされたそうです。

怪談③ 東の国の怪談

薬屋のひとりごと 第34話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #34」より引用

これは、遠い遠い東の国のお話・・・

by 子翠『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

子翠シスイの話は本当に怖い!
演出も上手いし話し方も上手かった。

最近の子翠シスイの出番は虫関連ばかり。
彼女は虫以外興味ないと思っていたので、なぜこんな集まりにいるのか不思議でした

怪談に興味があったのか、と。

そう言えば、子翠シスイは登場当初、猫を追いかけていたり、ジャスミン茶を買おうとしていました。

が、やはり怪談話も虫でした(苦笑)

考察

子翠シスイの話は、日本の怪談『耳なし芳一』に鈴虫の生態を掛け合わせたものですね

参考

『耳なし芳一』は、古代の日本を舞台にした怪談です

『耳なし芳一』

琵琶法師の芳一はある屋敷に呼ばれ七日七晩の弾き語りを頼まれる。怨霊に殺されると心配した住職が、芳一の体にお経を写経して見えないようするが、耳だけ書き忘れてしまう・・・。

お経を唱えている間、僧の姿は妻から見えなかったのは、まさに『耳なし芳一』

日本の怪談だから「遠い遠い東の国のお話」なわけですね。

そして ──
鈴虫のメスは、交尾後、オスを食べます
栄養補給のためですね

カマキリが有名なので、最初カマキリの話かと思いました。

でも、鳴き声は鈴虫でしたね。

鈴の音か?
いや、鈴の音に聞こえるが、これは人の声か?

by 僧侶『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

調べると、鈴虫も交尾後オスを食べるようです。

(原作情報) 原作では、出される食事はナスとキュウリ。鈴虫が好むとされる野菜ですね。

前々話、子翠シスイは鈴虫を捕まえていました。(32話 )

薬屋のひとりごと 第32話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #32」より引用

── その虫を捕まえようとしたの?

この虫は東方の島国に生息している虫で、羽を合わせて音を鳴らすんだよ
たぶん交易品の中にあったやつが逃げたんだろうね。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第32話

鈴虫を「東方の島国に生息している虫」と言っていますね
それで、日本の怪談『耳なし芳一』とくっつけることを思いついたのでしょうか・・・。

夫を愛し子が欲しくて交尾する
交尾をすると(栄養を欲するのか)夫を食べたくなる。
夫は、(本能か、子孫の為か)覚悟している様子。

でも、夫を食べると妻は一人になってしまう・・・

ならば、偶然やってきた僧を食べてしまおう。

そんな鈴虫夫婦を擬人化(妖怪化?)して、怪談話に仕立てのです。

上手い!

子翠の横顔

ん?この横顔・・・。
何か見覚えがあるような・・・

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

(原作情報) 普段はあどけない話し方をする子翠シスイ。怪談話は語り口からして別人のようだったので、火に照らされた顔も違う顔に見え、それで見覚えがあると気付きます。

小蘭シャオランと同じ尚服しょうふくを着ているので洗濯係だと思われますが、猫猫マオマオは洗濯している様子を一度も見かけたことはなく、仲間からもなぜか神出鬼没と言われる子翠シスイ

その子翠シスイの横顔に、見覚えがあると言うのです

考察

さて、猫猫は、なぜ見覚えを感じたのでしょうか。

正直私は、本作で美人と言われている人は皆似たような顔に見えます(爆)

区別がつくのは、せいぜい髪色と目の色の違いくらい。

時文

子翠シスイと同じ髪色と目の色と言えば…

さて、子翠シスイは誰に似ているのでしょうか。
それとも、その人本人なのでしょうか。


それにしても子翠シスイは物知りですね
今話の話と言い、虫のことといい。

今話の話は東の国の話。
一体、どのようにして聞いたのでしょうか。

虫に関する知識は ──

ここって本当に凄いよね。
図鑑でしか見たことない虫がいっぱい

by 子翠『薬屋のひとりごと』TVアニメ第29話

子翠シスイは図鑑を読んでいる(持っている?)ようです
図鑑なら字が読めなくても図や絵でも分かるでしょうが、子翠シスイは字が読めるのではないでしょうか。

虫かごも立派なものを持っています。
もしかすると裕福な家庭の育ちなのかもしれませんね。

ジャスミン茶を買おうとしたのも、育ちの良い証拠でしょうか。結局、猫猫が淹れたジャスミン茶で満足したようですし・・・。(26話 )

それに、捕まえた虫は一体どこで飼っているのでしょう・・・。

いずれにせよ、彼女が誰であろうと、子翠シスイ自身は良い人に思えてしまう私は甘いでしょうか(苦笑)。

ココア

うん、そう思う!
子翠、いい子!

疑問 34-01

子翠の正体は?

怪談④ 一酸化炭素中毒

そう言えば、この女官は最初に13の話と言っていた。

ここに集まったのは12人なのに、どういうことだろう・・・

by 『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

来ました来ました、怪談話と言えば定番 ── 数が違うオチ

補足

幾つかありますね。

  • 仲間同士で話していてのに、後で写真を見返すと知らない人が映っていた
  • 1人1個話していたはずなのに、なぜか人数より多くの話があった
  • 全員の話が終わると、1人減っている

などなど!

ココア

これ読むだけで怖い…

12人しかいないのに、13の話とは?
今は、12番目の司会者である女官の話

一体全体、13番目の話とは ──

ぐったりしている女官を窓や扉の近くへ!

早く!
消えずに残った火のせいで、体に害をなす空気が部屋に充満しているんです

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

炭が不完全燃焼を起こすと一酸化炭素が発生します
猫猫マオマオたちは、一酸化炭素中毒になりかけていたのです

一酸化炭素は無色透明で匂いもありません。
猫猫が眠気を感じていたのも、軽度の一酸化炭素中毒になりかけていたのでしょう。

(原作情報) 原作では、猫猫は頭がクラクラしています。

ああ、もう少しだったのに・・・。

by 女官『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

このセリフは、現実か幻聴か。

女官は狙ったのか、偶然か・・・。
いや、そもそもこの女官は・・・。

時文

霊だとしたら、やり方がリアルすぎる(苦笑)

ココア

確かに、呪いの類いじゃない…

考察

昔の木造建築は隙間があり、完全な密封空間にはなりません

今回の建物は古くて、床もギシギシ鳴っていましたしね。

今回一酸化炭素中毒が起きたのは、人数が多かったせいでしょうか・・・

それとも ──
今回の事故を起こす為に、わざわざ密閉空間になるよう細工をしたのでしょうか・・・

考えてみれば、暑い日なのに、なぜ火鉢に炭があったのでしょうか・・・

ココア

えっ、それって!?

時文

信じるか信じないかはアナタ次第!

ココア

いや、それ使い方違う
ってか、もう古い!

13番目の怪談

去年までやっていた女官が亡くなったから、今年は誰が引き継いだのか心配だったのよ

- 中略 -

亡くなった翌年から集まりがなくなるのも、いかがなものかと思っていたから、続けてくれる人がいて良かったわ。

by 紅娘『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

女官は既に亡くなっている!?
ならば、あの女官は・・・。

考察

唯一の楽しみである集まりに、どうしても出たくて化けて出てきた?
一人であの世へ行くのは寂しくて、道連れにするために戻ってきた?

それとも、誰かのイタズラでしょうか・・・。

ここは、後宮、年を取った女官すら珍しいです
イタズラをするにも、限られています。

真相を確かめるには、面識のある紅娘ホンニャンに女官の特徴を確認する。
そもそも、今回の主催を誰から聞き、誰が司会をやる予定だったのか確認する。

方法は幾つか考えられますが、怪談という性格上、勘繰るのは無粋というもの。

猫猫自身が調査をしないという事は、そういう意味ではないでしょうか

少なくとも、(怪談の目的である)桜花インファは背筋が寒くなったようですから。

時文

そして、猫猫と仲が良くなった?

ココア

確かに(笑)

では、結局、13番目の怪談とは・・・

── 今宵は肝が冷える13の話を楽しみましょう。

あの時、あの場には年かさの女官を含めて12人しかいなかった
とりあえず、13番目の怪談にならずに済んで良かった

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

いいえ。
猫猫マオマオが言うように、彼女たち自身は13番目の怪談にならずに済みましたが・・・。

12人目の女官が既にこの世の人ではなかった、というオチだったのです

年のいった女官の言うとおり、怪談は13個あったのです

ココア

コワッ!

女官の正体

先帝は、年端のいかぬ少女を選んでは、その花を散らし、手折たおられた少女達は外に出ることを許されぬまま・・・

by 女官『薬屋のひとりごと』TVアニメ第34話

年端もいかぬ少女を選んでは花を散らし。
お手つきになった少女は後宮の外に出ることを許されなかった・・・。

考察

この女官が化けて出てきたのだとしたら、恨むべきは先帝であり、後宮システム。

なぜ猫猫マオマオ達の命を狙ったのでしょうか?

いつか後宮を出られるであろう女官達を恨めしく思ったのか。
それとも、(ずっと一人だったので)一人あの世へ行くのが寂しくなったのか。

まさか、怪談が好きだから、最後に自分で怪談話を作ろう・・・なんて発想ではないよね(苦笑)。

ココア

だとしたら大迷惑!


あと、前話、同じような話を聞きましたね。(33話 )

薬屋のひとりごと 第33話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #33」より引用

以前、女児を産んだ娘がいた
娘は、先帝の子だと言い張ったが、先帝に知らぬと否定され、その父親とされた医官が女児とともに追放された

by 皇太后『薬屋のひとりごと』TVアニメ第33話

後宮の大きさから想像するに、先帝に手折たおられた少女は数多くいそうです。

ですが、司会の女官が、子供を産んだかどうかは言及されていません

なので、皇太后が語った女官かどうかは分かりません。
が、これもまた、先帝の・・・いや歴史の被害者と言えそうですね。

疑問 23-01 (再掲)

後宮を追放された医官と女児は誰? 今どこに?

おわりに (『薬屋のひとりごと』34話とは)

原作小説 3巻

コミック 12巻

前話がドロドロした話だっただけに、今話は怪談話でも明るく見えたのは気のせいでしょうか(笑)。

ココア

そう?
結構、怖かったよ

ある女官は、噂話に尾ひれをつけ。
別の女官は、故郷にまつわる話。

桜花インファは置いといて(評価不能(苦笑))。
というか、怖い話好きだけど、苦手だから話すのも怖いんだと想像(笑)。

ココア

あっ、それありそう(笑)

子翠シスイは、語りの上手さも然る事ながら、東洋の怪談との融合がお見事。
その上、期待通り虫ネタをぶち込んでくる(笑)。

そして、我らが猫猫マオマオさんは、実際にあった酷い話(爆)。

怪談話で、その人の個性を出しているのが流石です

前半クールも残り2話。
次話から前半クール最終エピソード開始でしょうか!?
(原作3巻の最終エピソードとなりそうです)

今話ラストシーン。
壬氏様、何か決意したように見えましたが、如何に。

以上、TVアニメ『薬屋のひとりごと』第34話の感想&考察レビューでした。
長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。

次話のレビューも書く予定です。
良かったらまたお越し下さい。
最新情報はX(@toki23_a)にて!

ではでは。

きょうのひとことそれにしても後宮はまだまだ未開だな(笑)

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  • 金額:一番右に自由記入欄があるので、1記事100円を目安に、お好きな金額ご記入下さい。もちろん100円以上でも大歓迎です♪

最初に設定されている1万円はAmazonの初期設定です

  • 宛先」or「受取人」:メールアドレス「gift2toki23@gmail.com」

上記アドレスは寄付受け取り専用です。他のメールはスパムメール処理されますのでご注意下さい。

  • 贈り主:ご自身のお名前をご記入下さい(匿名でも可)
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全て記入終えましたら、「カートに入れる」or「今すぐ購入」を押して決済に進んで下さい。(ここからは、普段お使いのAmazonでの商品購入時と同様です。)

よろしくお願い致します。

ココア

これで毎日ケーキ食べられるかな!?

時文

(君のケーキの為にサポートお願いしているんじゃないだけどね…) 皆に応援してもらえるよう頑張ろう!

疑問点 まとめ(Q&A一覧)

この章では、疑問点をまとめていきます。

「疑問点まとめ(Q&A一覧)」運用ルール
  • 今話で発生し解決した疑問は、本文で解説して本章(ここ)でまとめ
  • 今話で解決しなかった疑問を、疑問XX-XX(話数-通し番号)として記録
    ⇒ 本章(ここ)でまとめ
  • 答えは、推測ではなくできるだけ(原作含む)作品内で明らかになった事実を記載
    ※推測が入る場合は、断りを入れる
    解決した疑問は、次話で削除
今話で解決した疑問 (クリックすると答えが表示されます)
新しく来た侍女、長女の白羽は何歳?

玉葉妃と同い年の20歳(数え年)

薬屋のひとりごと 第34話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #34」より引用
紅娘は、なぜ二人の夜間外出を許可した?

たまには気分転換が必要だから

後宮は娯楽が少ない。なのでこうした集まりで息抜きが必要だと考え許可したのではないか。

子翠の怪談話の元ネタは?

『耳なし芳一』と鈴虫が交尾後オスを食べること

薬屋のひとりごと 第34話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #34」より引用
12人しかいないのに13の話とは?

女官が一酸化炭素中毒で皆を殺そうとした?

薬屋のひとりごと 第34話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #34」より引用
今話で新たに発生し、解決しなかった疑問
  • 疑問 34-01 子翠の正体は?
残っている疑問 (クリックすると表示されます)
  • 疑問 02-01 壬氏は、後宮管理者なのに、なぜ後宮の外まで判断を求められている?
  • 疑問 02-02 水差しの弁償、仕送りから引いたのは期間限定?
  • 疑問 02-03 結局、秘薬は何の為だったの?
  • 疑問 03-01 西都の玉葉妃が、異国の姫とは?
  • 疑問 05-01 粉を染み込ませた木簡は、誰が何に使っているのか?
  • 疑問 05-01 簪(かんざし)を渡す意味は?
  • 疑問 06-01 園遊会で、なぜ壬氏は違うカンザシを挿し、襟が乱れていたのか?
  • 疑問 09-01 壬氏と亡くなった武人・浩然との関係は?
  • 疑問 10-01 後宮内の事件に最終判断を下しているのは誰?
  • 疑問 10-03 現帝の東宮時代、妃はなぜ一人しかいなかったのか?
  • 疑問 11-01 阿多妃を南の離宮に住ませるのは、帝の愛着か、それとも・・・
  • 疑問 11-02 阿多妃の子は生きているのか?
  • 疑問 12-01 やり手婆は、なぜ猫猫を妓女にしたい?
  • 疑問 13-01 壬氏は、帝に何を頼まれたのか?
  • 疑問 14-02 爆発現場にあった上等なキセルは、倉庫番のもの?
  • 疑問 15-01 馬閃は、なぜ猫猫を嫌っている?
  • 疑問 17-01 壬氏は、なぜ変装しなくてはならない?
  • 疑問 17-02 壬氏は宦官なのに、なぜ武官のような野営を知っている?
  • 疑問 18-02 使い物にならない妓女を、やり手婆はなぜ離れに住まわせている?
  • 疑問 19-03 「何か起こったあとでは遅い」猫猫は、過去にどんな経験をしたのか?
  • 疑問 19-04 羅漢は、猫猫を抱きかかえる壬氏を見て、なぜあれほど驚いた?
  • 疑問 20-01 なぜ翠苓のことを秘密裏に終わらせた?
  • 疑問 20-02 壬氏は、なぜ身分を隠し、後宮管理者として生活している?
  • 疑問 20-03 楼蘭妃は、なぜ訪れる度に雰囲気が変わる?
  • 疑問 21-01 やぶ医者より先に後宮へ来た姉は、今どこにいる?
  • 疑問 21-02 先の皇太后は、なぜ木の伐採に制限をかけた?
  • 疑問 22-01 猫猫は、なぜ爪紅を流行らせた?
  • 疑問 23-01 賭け対象にした「妓女の身請け」の狙いは?
  • 疑問 23-02 羅漢に届いた文と巾着、誰が開いたのか?
  • 疑問 25-01 楼蘭妃は、なぜそこまで侍女を増やす?
  • 疑問 25-02 子猫はどこから来た?
  • 疑問 26-02 キャラバンは、なぜ妊婦に影響のある香油と香辛料ばかり売っていた?
  • 疑問 27-01 結局、玉葉妃に毒を盛ったのは誰?
  • 疑問 28-01 異国の特使は、なぜ上級妃4人に鏡を献上した?
  • 疑問 28-02 高順が相談した姉妹とは誰のこと?
  • 疑問 29-01 異国の特使は何を企んでいる?
  • 疑問 30-01 杏に香油から堕胎剤の作り方を、誰が教えた?
  • 疑問 31-02 先帝が壬氏に渡そうとした石は何?
  • 疑問 31-03 国母が来たのはいつ頃?
  • 疑問 31-04 帝は、なぜ”選択の廟”を解いておきたかった?
  • 疑問 31-05 壬氏は、なぜ”選択の廟”で真剣な顔をしていた?
  • 疑問 32-01 皇太后は、なぜ診療所に?
  • 疑問 33-01 後宮を追放された医官と女児は誰? 今どこに?
時文

1期の残が多いので、時間あるときに整理します

今週のX感想ポスト

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