アニメ【薬屋のひとりごと】48話(最終回)感想&考察 退場後も続いていた楼蘭の策…子翠は一体どこまで読んでいた!?

薬屋のひとりごと 第48話

【文字数(本文):約1万2千文字(目安20分)

こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『薬屋のひとりごと』第48話「はじまり」を鑑賞しました。

本レビューではアニメ感想だけではなく、原作・コミカライズ情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。

皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。

今話の原作

原作小説 4巻

コミック 20巻

今回アニメ化されたのは──

原作

4巻 22話「狐につままれた」 ~ 終話まで

コミック

19巻 82話「戦の終わり」中盤 ~ 20巻 84話「年明け」まで

今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)

今話で解決しなかった疑問

最下部「疑問点まとめ (Q&A一覧)」に記載

本レビューの方針

本レビューは、次話以降のネタバレなし

『薬屋のひとりごと』は、小説投稿サイト「小説家になろう」連載
ライトノベルと、月刊誌2誌で別の漫画家によるコミカライズ2作品があります

私は、ライトノベル、コミカライズ共に未読です。

アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成します。

アニメ鑑賞

コミカライズ、ライトノベルを読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」

よって、次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください

なお、原作ライトノベル、コミカライズの情報は、「原作情報」として区別できるよう記載します。

原作情報
  • 「ヒーロー文庫」のライトノベルを ── 原作
  • 「月刊サンデーGX」連載のコミカライズを ── コミック
ココア

こんな感じです
緑系の色を目印にしてね!

引用部分も次のように緑系をワンポイントに ──

 宦官が驚いた表情で猫猫を見るが、そんなの関係なかった。
 引出しの見出しを眺め、珍しい薬を見つけるなり踊るような奇妙な動きをしてしまう。喜びがあふれ出て、頭の中に納まりきれなかった。
「なんかの呪いか、なにかか?」

 四半時、そんなことを繰り返したところだった。
 いつのまにか現れた壬氏が奇異の目で踊る猫猫を見ていた。

by 『薬屋のひとりごと』原作1巻

コミカライズは、別の漫画家による2作品が刊行されています。

  • 「月刊ビッグガンガン」連載の「薬屋のひとりごと
  • 「月刊サンデーGX」連載の「薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜

両方読んでいますが、本サイトでは、アニメの補完となると情報の多いを選択しました。

「コミック」として紹介する情報は基本です。
が、今後も両方読んでいくので、にしかない情報があれば、その時は注釈を付けて紹介します。

ココア

同じ内容なのに、2つも読むんだ・・・

時文

その方が、理解が深まるんだよ


ちなみに、考察や疑問はオレンジ系。

考察

補足や余談、参考情報はブルー系に色分けしているので、読む際に目安にして下さい。

補足

2期 全24話 各話リスト

前半クール (25~36話)
薬屋のひとりごと (2期 前半クール)各話リスト
話数サブタイトルコミック原作
第25話猫猫と毛毛8巻3巻
第26話隊商
第27話冬人夏草9巻
第28話
第29話月精
10巻
第30話みたび、水晶宮
第31話選択の廟11巻
第32話皇太后
第33話先帝
12巻
第34話怪談
第35話狩り
13巻
第36話華瑞月

※話数:リンクは各話レビューへ

薬屋のひとりごと (2期 後半クール)各話リスト
話数サブタイトルコミック原作
第37話湯殿14巻4巻
第38話踊る幽霊
第39話氷菓
15巻
第40話巣食う悪意
第41話狐の里
16巻
第42話鬼灯
第43話祭り
17巻
第44話
第45話蟇盆
18巻
第46話禁軍
19巻
第47話子の一族
第48話はじまり
20巻

※話数:リンクは各話レビューへ
※サブタイトル:ネタバレを避けるため次話以降はマスク

目次

はじめに

『薬屋のひとりごと』第48話「はじまり」予告より
今話あらすじ

の一族の制圧が終わり、猫猫マオマオの元に壬氏ジンシがやってきた。
互いの傷を心配し合い、楼蘭ロウランのことを語り合う。

すると、ある気配が・・・。

狸の子は狐?
正体隠し、母だまし、悪女を演じ化かしきる。

まさに命を賭けた狐の手品に喝采を!

死者多数、他の選択もあっただろう、やり切れない結末なのに・・・。
楼蘭ロウランに1本取られた感満載で不思議と清々しくなる締め方が巧すぎ!

一方、壬氏ジンシ様は思春期男子全開のようで・・・。

ココア

猫猫マオマオ、気づいてあげて!

時文

さすがに気づいてるんじゃ…

ココア

そうだよね!

では、2期最終話を振り返っていきましょう。

感想&考察レビュー 第48話「はじまり」

狐につままれた

あらすじ

の一族の制圧が終わった夜明け頃、砦から運び出された子供たちの遺体のそばで眠っていた猫猫マオマオの元へ壬氏ジンシがやってきた。

勘違い

── 何をやっているのでしょうか、壬氏ジンシ様?

あっ、違う、これは・・・

by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

前々話のラストといい。(46話 )
せっかくの再会シーンなのに、いつもこんな感じの二人(笑)。

ココア

確かに…

なぜ壬氏ジンシ様は慌てて取り繕おうとしたのでしょうか?

考察

お分かりですよね。

猫猫マオマオが目覚めた瞬間、壬氏が猫猫に覆い被さるような形になっていたので ── 猫猫の寝込みを襲おうとしていたように見えてしまったのです

(原作情報) 原作では、えりに手まで掛けています。

そのことに気づいた壬氏は、慌ててしまったのです。

(原作情報) 原作によると、猫猫、普段ならもう少し睨み続けるところでしたが、壬氏の顔の包帯に気づいて止めたようです。

友情の自覚

── 友人だったのか?

よく、分かりません。
友人・・・少なくとも私にとってはそれに近い関係だったと思う

楼蘭ロウラン・・・子翠シスイ小蘭シャオラン、3人でつるんで話すのは悪くなかった。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

おお!
言い切ってはいませんが、「それ(友人)に近い関係」とまで言ってます。

ついに認めましたね猫猫マオマオさん(笑)。

考察

これまでの猫猫は、他人に対して主従や自分に利があるかで付き合っていたので、小蘭シャオラン相手ですら損得で考えていました。(39話 )

と、頭の中で考えているだけで、実際は身体が動いていたと私は解釈しています。

そんな猫猫が、ついに友人という存在を認めたのです

猫猫と子翠シスイ小蘭シャオラン
3人でいるときの猫猫は、気を使うことなく楽しそうでした。

子翠シスイが猫猫の前に現れたのは、25話 ──

薬屋のひとりごと 第25話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #25」より引用

『薬屋のひとりごと』2期は様々な事件がありましたが、子翠シスイ小蘭シャオランの3人の友情が育まれていく物語でもあったのです。

友人だから助けるのに損得は関係ない。

だから猫猫は、自分には何の得にもならないが ──

── あとは頼んだから。

私にできるのは、子翠シスイに託されたことを全うする
それだけだ。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

子翠シスイに託されたことを全うしようと決意しているのです

覚悟の別れ

── 本当によく分からない人だったので・・・。

俺にもな・・・。
分からないままで終わってしまった

by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話
考察

楼蘭ロウランが「死んだ」とは言わなかったのは、壬氏ジンシの気遣いでしょう。

「終わってしまった」と伝えるだけで、猫猫マオマオには十分伝わったのです

(原作情報) 原作には「その言葉の意味がわからない猫猫ではなかった」と記されています。

の一族は武器を作り、反乱を企てていました。

その罪だけで一族は死罪でしょう。
長である子昌の娘・楼蘭ロウランも逃れられません。

さらに楼蘭ロウラン自身も、上級妃でありながら無断で後宮を抜け出すという重罪を犯しています。

それでも、あの時、逃げることは選ばなかった

薬屋のひとりごと 第46話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #46」より引用

子翠シスイは覚悟を決めていたのです。
だから猫猫も、覚悟していたのでしょう・・・。

ココア

そっか、だからそんなにショックを受けなかったんだ

傷の真相

── この傷はどうした?

ろくでもない人がいまして

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

前話ラスト、壬氏ジンシが気にしていた猫猫マオマオの傷。

良かった。
神美シェンメイに殴られた痕だったのです。

「良かった」というのは、傷の色が違っていたので、猫猫が変な薬でも試したのかと勘繰っていました(苦笑)。(47話 )

殴られた痕が違うのは、首の方は内出血しているからでしょう。

余談

(原作情報) 原作では、この場面の猫猫は、早く壬氏を馬車の外に追い出したがっています(笑)

原作によると ──

私にできるのは、子翠シスイに託されたことを全うする
それだけだ。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

と決意した後、猫猫は壬氏を外に出したがっています。

理由は、壬氏がここにいると都合が悪いからです
蘇りの薬を飲まされた子供が、いつ目を覚ますか分からないからでしょう。

だから ──

ひどい顔ですよ。
お休みになられては?

── ああ、すごく眠い。

ここで眠らないでください

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

と、馬車から出ていくよう促したのです(笑)

この豪華な馬車は本来、月の君である壬氏のためのもの。

薬屋のひとりごと 第46話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #46」より引用

出ていくのは猫猫の方じゃないの?とツッコミたくなりますが(苦笑)。

(原作情報) 原作では、猫猫が寝ていたのは普通の馬車です。

本音と不安

俺は、傷一つで価値がなくなるような男か?
顔だけのはりぼてか?

by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話
考察

アニメだけ見ていると分かりにくいと思いますが・・・。

時文

いや、原作でも、この部分はあまり出てこないから同じか

実は、壬氏ジンシは自分に自信がありません

自分が他人より優れているのは外見だけ
それ以外は、せいぜい凡人より少し上くらいだと考えています

だからこそ、日々鍛錬を欠かさず努力しているのです。(13話 )

薬屋のひとりごと 第5話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #5」より引用

顔だけの男が顔に傷を負う
実際、顔の傷を見た部下は激怒し、護衛の馬閃バセンも責められました。

猫猫マオマオにまで顔の傷について言われ、壬氏は口に出さずにはいられなかったのでしょう。

むしろ、もう少し傷があってもいいかもしれません

壬氏様は美しすぎる。
そのせいで周りは心を乱され、見た目ばかりに目をやってしまう。

だけど壬氏様の本質は、見た目ほど華美じゃない。
もっと実直なものだ。

それはたぶん見た目の美しさよりも、ずっと価値がある。

前より、男前になったではありませんか

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

上記セリフの太字が口に出して言った言葉。それ以外は猫猫の心情描写です。

猫猫は、そんな壬氏の不安を一瞬で吹き飛ばしたのです

(原作情報) 原作では「猫猫は、つい本音を漏らした」と描写されています。

ココア

おお~~だから壬氏の心に響いたんだね~~

時文

うん、自分を本当に理解してくれてるって感じたんだろうね

蘇りの薬

子翠シスイは、毒と言わず薬と言った
人を一度殺し、もう一度甦らせる・・・蘇りの薬

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

子翠シスイが子供たちに飲ませたのは毒ではなく、蘇りの薬

考察

猫猫マオマオは、今気づいたようなセリフに聞こえますが ──

── この子たちが虫であれば、冬を越せたのにね

虫であれば・・・。
えっ、そういうことか

そのために私を連れて来たのか

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第46話

この時、気づいたのでしょう。

だから、禁軍が攻めてきて、ここにいたらの一族と間違えられて捕まるかもしれないと分かっていながらも、猫猫は部屋に残ったのです。(46話 )

だから、李白リハクに子供たちの遺体がどうなるか確認し、(息を吹き返したらすぐに処置できるよう)遺体から離れなかったのです。(46話 )

ここで説明したのは、我々視聴者に向けての説明セリフですね(笑)。

原作情報

原作では、上記のセリフだけでなく別の言葉もヒントになっています。

 蘇りの薬、その知識を翠苓が教えてくれたわけだこれも、子翠の計らいだろうか

by 『薬屋のひとりごと』原作4巻
考察

猫猫が素直についてきた理由は ──

── お前は絶対私についてくる

蘇りの薬、作り方を知りたくないか?

なんてこと言いやがる・・・やはり翠苓スイレイは侮れない

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第40話

(大きいのは)「蘇りの薬」の作り方を知りたかったから。

つまり、「蘇りの薬」の作り方を教えると言った時点で、ここに「蘇りの薬」があると示唆していた・・・

子翠シスイが猫猫に仕掛けた布石だったのです。

時文

お見事!

甦った子供を壬氏ジンシ様がどうするかは分からない。
それでも私が連れてこられたのは、このためだ

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話
考察

今回、の一族が犯した罪は女子供も罰せられるほど重い。
猫猫もそれを理解しています。

子供たちを甦らせても、結局は処刑されるかもしれません。

だから、壬氏ジンシをこの場から遠ざけたかったのでしょう。

それでも、今は子供たちを助けたい
それが薬師としての矜持なのかもしれません・・・。

いや、猫猫が北の地に連れてこられたのは、このためだと分かっているからでしょう・・・

だとしたら、子翠シスイは後宮から逃げる際、最初から猫猫を連れて行く計画だったことになります。猫猫が診療所に行ったのは偶然です。(40話 )
ずっと猫猫が一人になるチャンスを伺っていたのでしょうか・・・。

子翠シスイこと楼蘭ロウランは、壬氏にも仕掛けていました。

薬屋のひとりごと 第48話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #48」より引用

一度死んだ者・・・

── では”一度死んだ者”は見逃してくださるのですね

狐につままれたようだ

by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話
考察

子供たちも本来なら処罰される運命だったはず

あの場で話を聞いた限りでは、神美シェンメイに追放された元・の一族と翠苓スイレイを助けてほしいという願いだと思っていました。

実は子供たちまで救おうとしていたのです

壬氏も、まさかそこまで考えていたとは思わず、一本取られた気分だったはず。

楼蘭ロウランの見事な策に、思わず微笑んだのではないでしょうか。

疑問 43-03
「虫は冬を越せない、ただ子を残すのみ」とは?

冬を越せるのは子供だけ、という想いを込めていた

疑問 45-02
子翠は、残って何をするつもり?

子昌への長としてケジメを付けさせ、母親に真実を告げ、壬氏に”一度死んだ者”は見逃してもらえる約束を取りつけたかった

エピローグ

あらすじ

男児が誕生し、玉葉ギョクヨウ妃はきさきとなった。年明けには東宮のお披露目も行われ、花街は大いに賑わいを見せていた。

きさき様も、猫猫マオマオが仕えてた玉葉ギョクヨウ妃で決まったそうだし

by 梅梅『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

超久しぶりに緑青館の三姫が登場!

原作ではきさきの説明だけで三姫は登場しません。アニメオリジナルの演出です。最終回らしい特別感がありますね!

玉葉ギョクヨウ妃がついにきさきに!?

音だけだと区別が付きませんが、「きさき」と「きさき」は別物です。

考察

そういえば、「きさき」はずっと空席でした

きさきは「正妻」、きさきは「側室」というイメージです。ちなみに「皇太后」は現皇帝の母親を指します。

理由は語られていませんが、現皇帝はこれまで正式なきさきを迎えていませんでした

玉葉ギョクヨウ妃が東宮(男児)を出産し、ついにきさきに選ばれたのです。

用なし宣言!?

出産も無事に済み、オヤジは花街に戻らず宮廷に残ることになった

– 中略 –

壬氏ジンシ様にはあれ以来会っていない。
の一族の処理と本来の仕事が忙しいのだろう。

それはめでたいと同時に、私が後宮で用なしになったことを意味していた

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

オヤジこと羅門ルォメンは、医官として宮廷に残ることに

考察

壬氏ジンシは正体を明かしたので、今は壬氏ではなく帝弟として働いているのでしょうか?

(原作情報) 猫猫も、そう考えています

そうなると、高順ガオシュンも帝弟付きに戻ったということになりますね

(表向き)高順ガオシュンは女帝の怒りを買い、マーの名を捨てて宦官として壬氏のお付きをしていました。(36話 )

その高順ガオシュンが帝弟である壬氏のそばにいるということは、やはりそういうことなのでしょう。

もしくは、壬氏は後宮の管理者としての仕事も続けているのでしょうか。

いずれにせよ、帝弟の身分を明かした壬氏様には、猫猫のような侍女を雇う必要がなくなったのでしょう。

ココア

え~~そんなのひどい!

時文

だよね
権力使えばいいのに…

確かに、玉葉ギョクヨウ妃に子が生まれ、羅門ルォメンが残るなら、後宮に薬師はもう必要ないのでしょう。

でも、猫猫が後宮にいたのは玉葉ギョクヨウ妃の妊娠が理由で、もともとは壬氏の部屋付き侍女として外廷で働いていました

だから、用なしになったわけではないと思いますが・・・。

時文

やはり、帝弟として振る舞うことになったからかな?

疑問 48-01

正体を明かした壬氏は、今どんな立場?

蘇りの薬の代償

最後に残った響迂キョウウは記憶を失い、半身にも軽く麻痺が残った

それでもあんな状態から生き返ったのは、運がいいと言える。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

子供たちは蘇りの薬を使って生き返りました。
楼蘭ロウラン壬氏ジンシに「一度死んだ者は許される」という約束を取りつけ、すべてが思い通りに進んだかのように見えました。

が、実際はそう簡単なことではありませんでした。

生き返ったものの ──
響迂キョウウは記憶を失い、体にも麻痺が残ってしまったのです

薬はまだ実験の段階だった
本当なら確実に効果が出てからと・・・

by 翠苓『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

以前、翠苓スイレイがこう言っていましたね ──

私は、この程度で済んだが、失敗すれば記憶を失う
人体で試すには、まだまだ改良の余地ありだ。

by 翠苓『薬屋のひとりごと』TVアニメ第45話

蘇りの薬はまだ実験段階で、記憶を失うリスクがあったのです。

考察

それでも、蘇りの薬を使うしかなかったのでしょう

それほどまでに時間の猶予がなかった。
神美シェンメイが今にも反乱を起こそうとしていたのではないでしょうか・・・。

今回は反乱を未然に防ぎ、暴力による直接被害は発生しませんでした。

横領や猫猫マオマオ拉致はありましたが、直接的な人的被害がなかったという意味です。

だからこそ翠苓スイレイと子供たちは許されたと考えられます
もし事が起きてからでは、たとえ子供でも許されなかったし、交渉の余地もなかったでしょう

子翠シスイは、そうなる前に決断したのではないでしょうか。

ココア

子翠シスイ、やっぱりすごい!

時文

本当にそうだね
実際に行動するのは簡単じゃないし、決断には相当な勇気が必要だっただろうね

疑問 45-01
子翠は、なぜ火薬を爆発させた?

作業場にいた男たちを逃がし、戦を早々に決着させるため (推測)

子の一族の子供たち

他の子供たちは皆名前を変えて生かされることになった
どういう理由か知らないが、先に目覚めた子供たちは、元上級妃の阿多アードゥオ様が4人とも引き受けてくれたらしい。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

子供たちは5人とも無事に蘇生しました。
響迂キョウウ以外の4人は、阿多に引き取られることになりました。

原作情報

原作によると ──

 どういう理由か知らないが生かされることになった子どもたちは、今後、元上級妃阿多の元で育てられるという。ばらばらに引き取ったほうがいいという話もあったが、それはあんまりだと阿多が引き受けたらしい

by 『薬屋のひとりごと』原作4巻

バラバラにするのは可哀想だと考え、阿多アードゥオが4人を引き取ったようです。

やっぱり阿多アードゥオ様、男前すぎます!

薬屋のひとりごと 第10話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #10」より引用
余談

ちなみに原作によると ──
なぜか男装している阿多アードゥオは後宮時代よりも生き生きしていたそうです(笑)。(猫猫マオマオ談)

先帝の孫・翠苓

そして、翠苓スイレイも・・・。
宮廷を引っかき回した翠苓スイレイだったが、情状酌量の余地ありと判断されたようだ。

何より先帝の血筋
監視付きだが命までは取られまい。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

なんと、翠苓スイレイも情状酌量!?

考察

確かに、翠苓スイレイ神美シェンメイの指示に従っていただけかもしれません

だとしても、1期で起きた事件の実行犯です。
間接的で未遂とはいえ、壬氏ジンシ暗殺を企てました。
他の高官の命も狙っています。

少なくとも浩然の命は奪っています。(9話 )

薬屋のひとりごと 第9話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #9」より引用

にもかかわらず情状酌量!?

さすが、先帝の血筋といったところでしょうか(苦笑)

そういえば、『薬屋のひとりごと』では、血筋や身分が大きな力を持っていました。

下女なら重罪でも、身分の高い家の女性なら軽く済まされる。
ましてや、先帝の孫ともなれば・・・。

いや、これは猫猫の解釈です

実際は ──

1つ目の願いです。

一族でまともな思考の者は、母に追放され名を捨てております。
姉もまた同じようなものです

その者たちは、一度死んだ者として見逃して頂けませんでしょうか

by 楼蘭『薬屋のひとりごと』TVアニメ第47話

の名を捨てた翠苓スイレイは、一度死んだも同然
壬氏は楼蘭ロウランとの約束を守っただけなのかもしれませんね・・・

原作情報

実際、壬氏も願いを初めて聞いた時 ──

「では、一度死んだ者は見逃してくれるのですね」
 確認するように楼蘭が言った。
 翠苓は、先帝と縁のある者である以上、無下にできない

by 『薬屋のひとりごと』原作4巻

「無下にはできない」と考えていました。

結局、受け入れるしかなかったということでしょう。

時文

なるほど、翠苓スイレイがどんどんヘタレ化していったのは、この結末のためだったか!

ココア

そんなメタ的な…

原作情報

2025/07/12 追記

原作者・日向夏先生のnote によると ──

宮廷内のいろんな暗躍は、神美に命じられてやっていた。神美にとっては捕まって死ねばいいのに、くらいの扱い。翠苓は神美に申し訳できる程度にいろんな暗躍をやったがどれも成功率は低いものだった成功しなければいいのにという願いが含まれていた。だがいくつは成功してしまう。(*塩酒や倉庫の爆発など)

by 日向夏note

1期での翠苓スイレイによる暗殺計画は、確かに成功する可能性が低いものでした。

私はてっきり、犯人や黒幕が誰か分からないようにするための工夫だと思っていました

なんと・・・。

成功してほしくなかったから、失敗しやすい方法を選んでいたというのです

翠苓スイレイ神美シェンメイの命令には逆らえなかったものの、現場ではできる限り抵抗していたのです。

ココア

おお~~~、そういう意図があったのか!

あれ?
だとしたら、未然に防いだ猫猫に感謝していたのでは?

ココア

・・・そうじゃん!

趙迂

記憶を失った響迂キョウウだけが、他の子と別に育てた方が良かろうと花街に来ることになったわけだが・・・

“ある意味ここが一番安全”って、どういう理屈だよ。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

響迂キョウウ趙迂チョウウと名を変え、猫猫マオマオの家ではなく花街、それも緑青館に預けられたようです。

(原作情報) 「やり手婆は懐がほくほくしているようで」とあるので、しっかり見返りを受け取っているようです。

花街が一番安全とは思えませんが、猫猫が近くにいるので安全という意味でしょう(笑)。

── あった! イテッ、何すんだよ。

勝手に食うな、バカ趙迂チョウウ

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

(原作情報) 趙迂チョウウが見つけたのは、小姐ねえちゃんからもらった高級煎餅せんべい。それを取り上げて、代わりに黒糖の欠片を渡しました。

趙迂チョウウが持ち出そうとしたのは高級煎餅せんべい
赤羽セキウ煎餅せんべいを出していたので、それかもしれませんね。

一人ぼっち!?

確か私も子翠シスイも、表向きは引き抜かれて後宮を出たことになってたんでしょうか

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

猫猫マオマオがいなくなった後、後宮では表向き「引き抜かれて後宮を出た」ということにされていたのです。

そりゃあ・・・。

── 小蘭シャオラン・・・。

あなたと子翠シスイがいなくなって、落ち込んでたんだから
“一言くらいあってもいいのに”って

by 赤羽『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

小蘭シャオランが落ち込むのも無理はありませんね。

明るい性格って色々得よね。
仕事ができるわけじゃないけど、放っておけないっていうか。

by 赤羽『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

(原作情報) 「仕事ができるわけじゃない」なんて、なかなか辛辣な評価ですが、事実のようです(苦笑)。仕事ができれば後宮に引き止められるようです。

放っておけなかったのは、妹の侍女にと推薦してくれた下級妃だけではなく、赤羽セキウも同じだったようです

赤羽セキウ様は、小蘭シャオランがどう過ごしていたかを詳しく話してくれた

私たちがいなくなって、湯殿で1人一生懸命に働く小蘭シャオランを何となく放っておけなかったみたいだ

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

猫猫と子翠シスイの真実を話せない赤羽セキウは、小蘭シャオランを放っておけなかったのでしょうね・・・。

ココア

赤羽セキウいい子!

小蘭の手紙

薬屋のひとりごと 第48話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #48」より引用

猫猫マオマオ元気にしてる?
私は元気だよ。

年季が明けて後宮を出ることになりました。
かんざしをくれたおきさき様に気に入ってもらえて、おきさき様の実家の妹の下女にって紹介してもらえたの。

いっぱい、いっぱい頑張るつもり。

あ~あ、ホントはちゃんと話して伝えたかったな。

いつかまた、猫猫と子翠シスイに会いたいな。
また皆でアイス食べたいよ。

by 小蘭『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

(原作情報) 原作で紹介されている小蘭シャオランの手紙の内容は最後の1行だけです。他の文章はアニメオリジナルです。

小蘭シャオランは、まだ覚えたてのつたない字で手紙を書いています。
慣れない筆で一文字一文字、心を込めて綴ったのでしょう。

原作によると、紙はとても貴重なため書き直しはできません
間違えた箇所は塗りつぶしてあったようです。

その様子から、小蘭シャオランがどれだけ一生懸命だったか伝わってきますね・・・。

考察

そもそも猫猫マオマオ子翠シスイは、小蘭に何も言わずに後宮を出ていきました

ということになっている、という意味です。

それでも小蘭シャオランは、二人に手紙を残したのです

小蘭シャオランは、二人が何も言わずに後宮を去ったことに、きっと寂しさや戸惑いを感じていたはず。

でも、そのことには手紙で一切触れず・・・。
せめて自分の気持ちだけでも伝えたいと、手紙を残したのでしょう。

ココア

小蘭シャオラン、健気過ぎる~~~

薬屋のひとりごと 第39話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #39」より引用
考察

小蘭シャオランの手紙を読んで、猫猫は思わず涙を流しました。
猫猫が涙を見せるのは、これが初めてではないでしょうか
しかも、悲しみで涙を流すなんて・・・。

「人の好意にも悪意にも鈍感」な猫猫
これまで人との関係を、損得や利害でしか考えてきませんでした。

そんな猫猫が、小蘭シャオランの手紙を読んで涙をこぼしたのです。

そっか・・・小蘭シャオランには、もう

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

小蘭シャオランとはもう会えない。
そして、子翠シスイとも・・・。

だから ──

見つからなければいい

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

こんな言葉が思わず口をついて出たのでしょう。

猫猫はこれまで、拉致され後宮に売られ、命の危険に何度もさらされてきました。

それでも、優しい人たちに囲まれていたのです。

誰からも愛されていないなんて大間違い。
猫猫は、人の愛情をちゃんと感じ取れる人になっていたのです。

さて、猫猫は再び小蘭シャオランに会えるのか。
また一緒にアイスを食べられる日が来るのでしょうか。

そして、子翠シスイ小蘭シャオランの手紙を渡せる日は訪れるのでしょうか・・・。

試すのは痛みか効用か

新しい薬、今一ピンとこないな。

よ~~し!

── 何をする気だ?

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

さて、猫猫マオマオさん、小指を縛って何をしようとしていたのでしょうか?(笑)

原作情報

原作にはしっかり書かれていました。

 左腕に傷をつけ、何種も試したがやはり効用はぴんとこない。
 せっかくなので耳の傷に塗りつけてみたが、それでもわからない。
 長年の蓄積のためか、相当痛覚が麻痺しているようだ
やっぱ、もっと切らなきゃよくわからんか
 猫猫は左手を見て、小指をきゅっと紐で縛る。起き上がると、戸棚の引き出しから小刀を取る。

by 『薬屋のひとりごと』原作4巻

猫猫はこれまで自分の体で何度も毒や薬を試してきました。
そのせいで、新しい薬を試しても効果が分かりにくくなっているようです。

だから、指をもっと深く切って効き目を確かめようとしたのです

ココア

ヒエッ

原作によると ──
より深く切って薬の効果を確かめようとしていたようです(苦笑)

猫猫は幼い頃、鳳仙フォンシェンに小指を切られた経験があります。
だから小指を切ることに抵抗がないのでしょう。

薬屋のひとりごと 第3話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #3」より引用
ココア

あ~~、言われてみれば…
って、ダメでしょ!

時文

失礼しました
冗談です(苦笑)

考察

それよりも ──
「痛覚が麻痺している」という点のほうが気になりますが・・・

邪魔者 or 功労者?

薬屋のひとりごと 第48話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #48」より引用

どうして、いつも邪魔が入る・・・

by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話
時文

ラブコメのお約束です

ココア

だよね~~

時文

でも、ここは一言言いたいですね!

ココア

えっ、どしたどした?

高順ガオシュンとやり手婆は扉の外にいたのです

(原作情報) 原作によると、この二人は扉の隙間から中を覗いていました。

つまり、二人の仲の進展を期待していたのでしょう(笑)。

だったら、悪ガキが入ってくるのを止めてほしかった!

ココア

あっ、確かにそうだ!

なぜ止めなかったのでしょうか。

せめて、あと数秒、扉を開けるのを遅らせていれば・・・。

原作情報

その理由は原作を読むと分かりました。

「そばかす!」
 ばんっと大きな音がした。
 入口とは反対側、客に薬の受け渡しをする窓が大きく開かれていた

by 『薬屋のひとりごと』原作4巻

趙迂チョウウが開けたのは、入り口ではなく、別の窓だったのです

ココア

あっ・・・それじゃ止めようがないね(笑)

時文

ちゃんと考えられてるね(苦笑)

生きていた子翠

かんざしかい?
あっ、何だこりゃ!?
この辺でお目にかかれる代物じゃねえぞ。

by 露天商『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

(原作情報) ここは、都からかなり離れた港のようです。

生きていた子翠シスイこと楼蘭ロウラン
猫猫マオマオが願掛けで胸に挿したかんざしが、飛発フェイファの弾を防いでくれたのです

かんざしには弾痕が残っていたけど、貫通せず胸までは届かなかった様子。

さらに、走っている姿を見る限り ──
血を流し砦から落ちたものの、子翠シスイは無傷か、せいぜい軽傷だったようです。

となると、砦から落ちた後、自力で逃げ出したのでしょうか?

考察

前話ラスト、見張りの男が草むらで光るものを発見しています。

(原作情報) このシーンは原作にはなく、アニメオリジナルです。

もしかしたら、見張りの男が気を失っていた楼蘭ロウランを見つけて助け出したのかもしれないですね・・・。

原作情報

2025/07/12 追記

なんと、楼蘭ロウランがどのようにして助かったのかについて、日向夏先生によるショートストーリー「左膳の秘密 」がありました~~。

時文

これは嬉しい!

助けた経緯だけでなく、楼蘭ロウランは男に本を託しています。
この本は一体何なのでしょうか?

時文

3期に続く?

ココア

おお!
もう既に3期への伏線が~~

それと、ちょっと気になるのが ──
なぜ子翠シスイは猫猫のかんざしを売って(物々交換して)しまったのでしょうか?

考察
薬屋のひとりごと 第46話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #46」より引用

── いつか返して、もらいものだから。

無理言わないで、売り払っちゃうよ

── なら、それでもいい。

by 子翠『薬屋のひとりごと』TVアニメ第46話

確かに「返して」というのは猫猫の一方的な願いで、子翠シスイは返すとは約束していません。

時文

しかも「それでもいい」って猫猫言ってるんだよなぁ~

ココア

あっ、ホントだ!

でも、かんざしが猫猫にとって大切なものだと分かっていたはず・・・
それなのに、なぜ売ってしまったのでしょうか?

ここからは考察、というより私の妄想です(苦笑)。

壬氏ジンシ様のかんざしは高価な品です。

もしかしたら ──
巡り巡って、いつか猫猫の元に戻ると信じていたのかもしれません

子翠シスイは「」の一族。
「一度死んだ」とはいえ、簡単に許される立場ではありません。

生きていることは隠さなくてはいけません

それでも、せめて猫猫に自分が生きていることを伝えたかった・・・。
このかんざしが猫猫の手に渡れば、その意味をきっと猫猫は察してくれるはず。

そんな思いで、かんざしを(何でもない)露天商に託したのかもしれません。

少し甘い考えでしょうか・・・(苦笑)。

疑問 48-02

子翠は、なぜ猫猫の簪を売った?

玉藻

私の名前、玉藻タマモって言うんだよ

── 玉の玉と海の藻で玉藻タマモかい?海の寵愛でも受けそうな名前だな。

by 玉藻『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

楼蘭ロウランの名前は使えないので、てっきり子翠シスイの名前を名乗ると思っていました。

でも、よく考えたら ──
」の一族であることを匂わせる「子翠シスイ」は使えませんね(苦笑)

でも、なぜ「玉藻タマモ」なのでしょうか?
「玉」は「玉のせみ」を見たからだと思いますが、「藻」は?

原作情報

原作では、きさきになった玉葉ギョクヨウ妃の話も露天商としています。
「玉」は「玉葉ギョクヨウ」の玉から取ったとも考えられます。

ただ、アニメではそのくだりが省略されているので、玉のせみの「玉」を使ったのでしょう。

では「藻」は?

原作には、露天商の主人視点でこんな一文があります。

「玉葉かあ」
 娘は、玉の蝉を見ながら周りを見る。なにか目に入ったようでそちらを見ると、漁師が網についた魚と海藻を選り分けていた
「ねえ、小父さん。私の名前ね、玉藻っていうんだよ」

by 『薬屋のひとりごと』原作4巻

「藻」は、その場で目に入った海藻かいそうから取ったようです(笑)

考察

アニメと原作を合わせて考えると ──
「玉」は、「玉のせみ」から
「藻」は、目についた「海藻かいそう」から

つまり、特別な意味があったわけではなく、その場の思いつきで決めた可能性が高いですね

子翠シスイは死ぬ覚悟で悪女を演じていたので、生き延びた後のことなんて全く考えていなかったはず。

名前を決めた過程で、そんなことを示唆しているのではないでしょうか。

玉蝉

── これってせみ

ああ、古い時代によく作られた玉製のだよ

by 露天商『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

子翠シスイ(玉藻タマモ)が手に入れたのは、玉で作られたせみでした。

原作情報

この売り物について、原作には興味深い描写がありました。

 娘はよほど玉の蝉が気に入ったらしく、じっと見ている。元は、死人の口に咥えさせるために作ったものであると聞いたらどう反応するだろうかと思った。それを口にしたら、さっさとどこかへ行くだろうと、口を開こうとしたときだった。

by 『薬屋のひとりごと』原作4巻

なんと、このせみはもともとは死人の口に含ませるためのものだったのです!

調べてみたところ ──
これは「玉蝉ぎょくぜん」と呼ばれ、古代中国では亡くなった人の口に含ませて納棺していたらしいです

理由は、せみの羽化のように生まれ変わりを願ったとのこと・・・

補足

せみは幼虫からサナギ、そして羽化して成虫になります。

サナギの間は(まるで死んだように)全く動きません
この姿に、古代中国の人々は「一度死んでから生き返る」イメージを重ねたのです。

正直、なぜせみなのかと思いました(苦笑)。

死んだと思われていた楼蘭ロウラン、実は生きていた。
これからは名前を変え、新しい人生を歩んでいく。

そうだね。
海の向こうとか面白そうだよね

by 玉藻『薬屋のひとりごと』TVアニメ第48話

過去を脱ぎ捨て、これからは自分だけの未来へと羽ばたいていく。

そんな強さと希望を感じさせる・・・。
せみに例えるのが虫好きの子翠シスイにピッタリで、憎い旅立ちの演出ですね。

時文

子翠シスイは、子供たちが心配ではないのかな?

ココア

あっ、そうじゃん!
冷たくない?

時文

きっと猫猫マオマオを信じてるんだろうね

ココア

おおっ、そういうことだろうね!
ああ~~再会してほしいな~~~!!

おわりに (『薬屋のひとりごと』48話とは)

原作小説 4巻

コミック 20巻

いや~~2期もついに終わってしまいました(涙)。

振り返ると、1期から一貫して描かれてきたのは、後宮で人生を狂わされた人たちの姿でした。

時文

猫猫マオマオもそうなんだよね…

ココア

ああ、そうじゃん!

その割に ──
ラストに登場した神美シェンメイ、最初は大物感あったのに、意外と小物だったのはちょっと拍子抜けでした(苦笑)。

でも、権力者が恨みを抱くと、ここまで取り返しの付かないことになってしまう怖さも感じました。

『薬屋のひとりごと』は「謎解きエンタテインメント」と謳っているのに、2期はヒントが多すぎて、ネットの考察もあってサプライズが少なかったのは正直残念でした。

まあ、考察を書いてる自分が言うのもなんですが(苦笑)。

ただ、逆に言えば ──
地に足のついた、『薬屋のひとりごと』らしい物語だったとも言えます。

むしろ、最後の最後までこの作品らしい展開で、十分に楽しめました!

ここ重要! 続けてもマンネリ化せずにずっと楽しめるのは、舞台背景やキャラ設定、世界観や物語がしっかりしているからだと思います。

最終話のサブタイトルは「はじまり」

後宮に巣くっていた膿を出し切り、宮廷も新たなスタート。
蘇りの薬で助かった子供たちもリスタート。
(表向き)現帝に男児がようやく誕生し、玉葉ギョクヨウ妃がきさきとなり、後宮の構図も一新。

猫猫マオマオも花街で再出発。
(人に愛情を注げるようになった猫猫の新たな一歩)

そして ──
壬氏ジンシ様は正式な立場で公の活動を始め、子翠シスイ玉藻タマモとして第二の人生を歩み出す。

これで物語が終わったとは全然思えない。
むしろ、ここからが本当の「はじまり」って感じです!

サブタイトル「はじまり」には、そんな新たな物語への期待が込められていたのかもしれませんね。

3期制作も決定したとのこと

【続編制作決定!】アニメ『薬屋のひとりごと』超ティザーPV
ココア

おお、やった~~!!!

アニメ2期までで描かれたのは、原作小説の4巻まで。

現在、原作は16巻まで刊行されていて、まだ完結していません。

もし2年に1度、(1期・2期と同じペースで)2クールずつアニメ化していくと・・・。

うん、10年以上かかりますね(笑)。

このブログを始めてから7年が経ちました。
10年後にどうなっているかは分かりませんが、時間と体力が続く限り、追いかけていきますよ~~

以上、TVアニメ『薬屋のひとりごと』第48話の感想&考察レビューでした。
毎回長文にもかかわらず、2期最終話までお付き合いくださり本当にありがとうございました。

次は3期でまたお会いしましょう!

他作品のレビューも書いているので、良かったらご覧ください。

ではでは。

もう少しだけ…

さて、1期からの疑問点も随分残っているので、どこかで整理したいと思います。

実は、ネタバレ防ぐために、2期の雑誌記事やインタビュー記事を極力読まないようにしてきました。

もう、2期までのネタバレは気にする必要ないので、記事等を読みたいと思います。新情報や、その際気づいた点があれば、レビューに追記していきますね。

誤字脱字修正や、疑問点の取り下げはソッとやりますが(苦笑)。大きな変更点や追加事項があればX(@toki23_a)にて呟くようにします。

きょうのひとこと結局、「壬氏様」呼びなのね(笑)
で、3期いつ??

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よろしくお願い致します。

ココア

これで毎日ケーキ食べられるかな!?

時文

(君のケーキの為にサポートお願いしているんじゃないだけどね…) 皆に応援してもらえるよう頑張ろう!

疑問点 まとめ(Q&A一覧)

この章では、疑問点をまとめていきます。

「疑問点まとめ(Q&A一覧)」運用ルール
  • 今話で発生し解決した疑問は、本文で解説して本章(ここ)でまとめ
  • 今話で解決しなかった疑問を、疑問XX-XX(話数-通し番号)として記録
    ⇒ 本章(ここ)でまとめ
  • 答えは、推測ではなくできるだけ(原作含む)作品内で明らかになった事実を記載
    ※推測が入る場合は、断りを入れる
    解決した疑問は、次話で削除
今話で解決した疑問 (クリックすると答えが表示されます)
猫猫が目覚めた時、なぜ壬氏は狼狽えた?

猫猫の服に手を伸ばして覆い被さっていたから

原作によると、壬氏は「猫猫にのしかかるような姿勢」で、さらに襟に手をかけていました。だから寝込みを襲おうとしているようにみえたと考え慌てたのでしょう。

「虫は冬を越せない、ただ子を残すのみ」とは? (疑問 43-03)

冬を越せるのは子供だけ、という想いを込めていた

薬屋のひとりごと 第43話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #43」より引用
子翠は、残って何をするつもり? (疑問 45-02)

子昌への長としてケジメを付けさせ、母親に真実を告げ、壬氏に”一度死んだ者”は見逃してもらえる約束を取りつけたかった

薬屋のひとりごと 第45話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #45」より引用
子翠は、なぜ火薬を爆発させた? (疑問 45-01)

作業場にいた男たちを逃がし、戦を早々に決着させるため (推測)

猫猫は、小指を縛って何するつもりだった?

痛覚が麻痺してきているので、もっと深く切るつもりだった (原作情報)

今話で新たに発生し、解決しなかった疑問
  • 疑問 48-01 正体を明かした壬氏は、今どんな立場?
  • 疑問 48-02 子翠は、なぜ猫猫の簪を売った?
残っている疑問 (クリックすると表示されます)
  • 疑問 02-01 壬氏は、後宮管理者なのに、なぜ後宮の外まで判断を求められている?
  • 疑問 02-02 水差しの弁償、仕送りから引いたのは期間限定?
  • 疑問 02-03 結局、秘薬は何の為だったの?
  • 疑問 03-01 西都の玉葉妃が、異国の姫とは?
  • 疑問 05-01 粉を染み込ませた木簡は、誰が何に使っているのか?
  • 疑問 05-01 簪(かんざし)を渡す意味は?
  • 疑問 06-01 園遊会で、なぜ壬氏は違うカンザシを挿し、襟が乱れていたのか?
  • 疑問 09-01 壬氏と亡くなった武人・浩然との関係は?
  • 疑問 10-01 後宮内の事件に最終判断を下しているのは誰?
  • 疑問 10-03 現帝の東宮時代、妃はなぜ一人しかいなかったのか?
  • 疑問 11-01 阿多妃を南の離宮に住ませるのは、帝の愛着か、それとも・・・
  • 疑問 11-02 阿多妃の子は生きているのか?
  • 疑問 12-01 やり手婆は、なぜ猫猫を妓女にしたい?
  • 疑問 13-01 壬氏は、帝に何を頼まれたのか?
  • 疑問 14-02 爆発現場にあった上等なキセルは、倉庫番のもの?
  • 疑問 15-01 馬閃は、なぜ猫猫を嫌っている?
  • 疑問 17-01 壬氏は、なぜ変装しなくてはならない?
  • 疑問 17-02 壬氏は宦官なのに、なぜ武官のような野営を知っている?
  • 疑問 18-02 使い物にならない妓女を、やり手婆はなぜ離れに住まわせている?
  • 疑問 19-03 「何か起こったあとでは遅い」猫猫は、過去にどんな経験をしたのか?
  • 疑問 19-04 羅漢は、猫猫を抱きかかえる壬氏を見て、なぜあれほど驚いた?
  • 疑問 20-01 なぜ翠苓のことを秘密裏に終わらせた?
  • 疑問 20-02 壬氏は、なぜ身分を隠し、後宮管理者として生活している?
  • 疑問 21-01 やぶ医者より先に後宮へ来た姉は、今どこにいる?
  • 疑問 21-02 先の皇太后は、なぜ木の伐採に制限をかけた?
  • 疑問 22-01 猫猫は、なぜ爪紅を流行らせた?
  • 疑問 23-01 賭け対象にした「妓女の身請け」の狙いは?
  • 疑問 23-02 羅漢に届いた文と巾着、誰が開いたのか?
  • 疑問 26-02 キャラバンは、なぜ妊婦に影響のある香油と香辛料ばかり売っていた?
  • 疑問 27-01 結局、玉葉妃に毒を盛ったのは誰?
  • 疑問 28-01 異国の特使は、なぜ上級妃4人に鏡を献上した?
  • 疑問 29-01 異国の特使は何を企んでいる?
  • 疑問 30-01 杏に香油から堕胎剤の作り方を、誰が教えた?
  • 疑問 31-02 先帝が壬氏に渡そうとした石は何?
  • 疑問 31-03 国母が来たのはいつ頃?
  • 疑問 31-04 帝は、なぜ”選択の廟”を解いておきたかった?
  • 疑問 31-05 壬氏は、なぜ”選択の廟”で真剣な顔をしていた?
  • 疑問 32-01 皇太后は、なぜ診療所に?
  • 疑問 39-01 氷の代わりにアイスを献上して、楼蘭妃は問題なかったか?
  • 疑問 40-01 帝の子を産み育てる、という点に於いての後宮の問題点とは?
  • 疑問 40-02 深緑たちが恨む一番の対象は皇太后では?
  • 疑問 41-01 壬氏は、子翠の名を聞いて何に気付いた?
  • 疑問 41-04 抜け道があるのに、なぜ翠苓は宦官のフリをして後宮に入ってきた?
  • 疑問 42-01 翠苓は他の宦官と馴染まずにいたのに、なぜ子翠は猫猫、小蘭と親しくした?
  • 疑問 42-02 子昌は、なぜ娘を後宮に入内させた?楼蘭は納得していた?
  • 疑問 47-01 楼蘭が壬氏に渡した紙には何が書いてあった?
時文

1期の残が多いので、時間あるときに整理します

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