アニメ【薬屋のひとりごと】38話感想&考察 出てきたのは霊か無礼か…壬氏は男になったのかおかしくなったのか(苦笑)

薬屋のひとりごと 第38話

【文字数(本文):約8千文字(目安13分)

こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『薬屋のひとりごと』第38話「踊る幽霊」を鑑賞しました。

本レビューではアニメ感想だけではなく、原作・コミカライズ情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。

皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。

今話の原作

原作小説 4巻

コミック 14巻

今回アニメ化されたのは──

原作

4巻 3話「踊る幽霊」 ~ 4話「噂の宦官」まで

コミック

14巻 55話「赤羽」中盤 ~ 57話「噂の宦官」中盤まで

今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)

今話で解決しなかった疑問

最下部「疑問点まとめ (Q&A一覧)」に記載

本レビューの方針

本レビューは、次話以降のネタバレなし

『薬屋のひとりごと』は、小説投稿サイト「小説家になろう」連載
ライトノベルと、月刊誌2誌で別の漫画家によるコミカライズ2作品があります

私は、ライトノベル、コミカライズ共に未読です。

アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成します。

アニメ鑑賞

コミカライズ、ライトノベルを読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」

よって、次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください

なお、原作ライトノベル、コミカライズの情報は、「原作情報」として区別できるよう記載します。

原作情報
  • 「ヒーロー文庫」のライトノベルを ── 原作
  • 「月刊サンデーGX」連載のコミカライズを ── コミック
ココア

こんな感じです
緑系の色を目印にしてね!

引用部分も次のように緑系をワンポイントに ──

 宦官が驚いた表情で猫猫を見るが、そんなの関係なかった。
 引出しの見出しを眺め、珍しい薬を見つけるなり踊るような奇妙な動きをしてしまう。喜びがあふれ出て、頭の中に納まりきれなかった。
「なんかの呪いか、なにかか?」

 四半時、そんなことを繰り返したところだった。
 いつのまにか現れた壬氏が奇異の目で踊る猫猫を見ていた。

by 『薬屋のひとりごと』原作1巻

コミカライズは、別の漫画家による2作品が刊行されています。

  • 「月刊ビッグガンガン」連載の「薬屋のひとりごと
  • 「月刊サンデーGX」連載の「薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜

両方読んでいますが、本サイトでは、アニメの補完となると情報の多いを選択しました。

「コミック」として紹介する情報は基本です。
が、今後も両方読んでいくので、にしかない情報があれば、その時は注釈を付けて紹介します。

ココア

同じ内容なのに、2つも読むんだ・・・

時文

その方が、理解が深まるんだよ


ちなみに、考察や疑問はオレンジ系。

考察

補足や余談、参考情報はブルー系に色分けしているので、読む際に目安にして下さい。

補足

2期 全24話 各話リスト

前半クール (25~36話)
薬屋のひとりごと (2期 前半クール)各話リスト
話数サブタイトルコミック原作
第25話猫猫と毛毛8巻3巻
第26話隊商
第27話冬人夏草9巻
第28話
第29話月精
10巻
第30話みたび、水晶宮
第31話選択の廟11巻
第32話皇太后
第33話先帝
12巻
第34話怪談
第35話狩り
13巻
第36話華瑞月

※話数:リンクは各話レビューへ

薬屋のひとりごと (2期 後半クール)各話リスト
話数サブタイトルコミック原作
第37話湯殿14巻4巻
第38話踊る幽霊
第39話
第40話
第41話
第42話
第43話
第44話
第45話
第46話
第47話
第48話

※話数:リンクは各話レビューへ
※サブタイトル:ネタバレを避けるため次話以降はマスク

目次

はじめに

『薬屋のひとりごと』第38話「踊る幽霊」予告より
今話あらすじ

金剛宮の湯殿に出る幽霊の謎を解くよう壬氏ジンシから依頼された猫猫マオマオは、里樹リーシュの元へと向かう。

幽霊の正体見たり枯れ尾花
元侍女頭の正体見たりかんざし

銅鏡の扱いで分かる、母への想い。
分不相応な装飾でバレる、主への思い。

名探偵・猫猫マオマオの名推理ぶりも然る事ながら、壬氏ジンシ様の管理者として振る舞いもお見事な1話!

吹っ切れたのか、吹っ切ったのか(苦笑)。
猫猫を名前呼びすることと言い、これはもうそこそこな男ではないですよ!

では、今話を振り返っていきましょう。

感想&考察レビュー 第38話「踊る幽霊

踊る幽霊

あらすじ

里樹リーシュ妃から湯殿に幽霊が出ると聞いた猫猫マオマオは、壬氏ジンシ様に相談するよう伝えると、後日、その壬氏が猫猫に幽霊の謎を解くよう命令される。

原) 言われるがまま

信じられません!
玉葉ギョクヨウ様以外の上級妃の世話をするなんて

by 赤羽『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話

赤羽セキウが怒っているのは、脱毛&マッサージをしたことでしょうか、それとも壬氏ジンシ様に相談するよう助言したことでしょうか

考察

まあ、両方でしょう。
でも、もし両方なら、前話マッサージする前に言うべきですね(苦笑)。

原作情報

前話 ──
アニメでは、猫猫マオマオが引っ張ってきた女性が上級妃・里樹リーシュ妃だと、赤羽セキウはすぐに気付いて驚いていますが・・・。

原作では、赤羽セキウは、里樹リーシュ妃だと気付いていなかったようです
考えてみれば、赤羽セキウは後宮に来たばかりなので、他の上級妃の顔を知らなくて当然です。

「冷たい果実水でも」と言われたので、遠慮なくご馳走になることにした。小蘭は手放しで喜び、赤羽はよくわからないままとりあえずついてきている

by 『薬屋のひとりごと』原作4巻

マッサージ後、湯冷まし場所へ移動する際も「よくわからないまま」という描写があります。

この時も、香油を塗った相手が上級妃・里樹リーシュ妃だと知らず。
その後、猫猫が里樹リーシュ妃や金剛宮の名を口にしたので、赤羽セキウは気付いたのではないでしょうか

アニメは、逆に大浴場に上級妃がいることを不思議に思いながらも、(そもそも肌を晒している恥ずかしさで)状況を把握できず言われるがままに行動。

宮に戻って落ち着いてくると、他の上級妃の世話なんてとんでもないことをしたと思い至ったという感じでしょうか。

時文

アニメも全然違和感ないですね

ココア

うん、全然違和感感じなかったよ

原) 回ってくると分かっていた!?

案の定、お鉢が回ってきたか

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話

(原作情報) 原作によると、呼ばれたのは翌日の夜。

幽霊話なんて不可思議現象、壬氏ジンシの部下では対応できるわけもなく猫猫マオマオに回ってくることは想像できました。

では、なぜ猫猫は、わざわざ壬氏様に相談するよう里樹リーシュ妃に助言したのでしょうか?

ココア

面倒事を断ったと思ってたけど…来ると分かっていれば…あれ?

時文

だよね
来ると分かっていれば、直接受ければいいんだよ

原作情報

この疑問に対しては、原作での猫猫の心情描写に答えがありました。

 あのあと、風呂の幽霊については壬氏に相談するように猫猫が言ったのだ。直接、猫猫が里樹妃の相談を受けるわけにはいかず、赤羽の視線が許しそうにもなかったしかし、壬氏を通せば十中八九、猫猫にお鉢が回ってくると思った

by 『薬屋のひとりごと』原作4巻

なんと、猫猫は幽霊調査をしたかったが、直接受けるとまずいし、赤羽セキウの視線も気になったので、壬氏様に相談するよう言ったのです。

そうすれば、必ず自分の所に相談が来るだろうと見越して

つまり、猫猫は、里樹リーシュ妃の相談を聞いた時から受ける気だったのです
自分が堂々乗り出せるよう、壬氏への相談を持ちかけたのです

ココア

なんだ、やる気満々だったんだ!

原作によると、幽霊調査を受ける気で里樹リーシュ妃に助言した猫猫。

ところが、カエルの事を忘れていたのです

薬屋のひとりごと 第36話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #36」より引用

そして、壬氏様にとって、幽霊相談は猫猫を連れ出す絶好の機会になったのです

興味津々

── とある妃の部屋で幽霊が出るようで。

あら、まあ、おいたわしいわ
どの妃かしら、お見舞いに行かなければ。

by 玉葉妃『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話

話を聞いて、すぐに心配する玉葉ギョクヨウ

さすがお優しい玉葉ギョクヨウ様。
他の上級妃を世話しただけで怒る赤羽セキウとは格が違います。

ではありませんね(苦笑)。

原作情報

皆さん、お分かりだと思いますが、原作でしっかり描かれていて皆さんにも知って欲しいので紹介します。

「とある妃の部屋で、幽霊が出るようで」
「あら、まあ」
 途端、赤毛の妃の目が爛々と輝く隣で紅娘が、「まただわ」と言わんばかりに額を押さえていた

by 『薬屋のひとりごと』原作4巻

好奇心旺盛な玉葉ギョクヨウ妃は、幽霊が出ると聞いて興味を示したのです

それで、また始まったと侍女頭・紅娘ホンニャンは頭を抱えたのです(苦笑)。

睨むような顔をしないのが、どこかの元侍女頭とは大違いですね。

原) それでも30分!?

── また返して頂けますか?
── 貸して、ならあげるわよ

また、このやり取りかぁ・・・。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話

また、執拗な・・・いや、玉葉ギョクヨウ妃のイタズラ心を満足させるまで不毛な戦いが始まるのでしょうか・・・。

と思った矢先 ──

いえ、”返して”ですよ、この・・・猫猫マオマオ

by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話

前回(狩りに同行させる時)、壬氏ジンシはあれほど猫猫の名を呼ぶのに躊躇していたのに・・・。(35話 )

今回は、あっさり。
いや、ズバッと言い切りました!

考察

これは、そこそことはいえ男を示したからか。
それとも、何かが吹っ切れたか、吹っ切ったか!?

恐らく、どちらでもないでしょう(苦笑)

アニメ鑑賞時、正直、壬氏ジンシは覚悟を決めたのだと思っていました。
が、身分については結局何も言いません、それどころか今回触れてもいません。

逆に、玉葉ギョクヨウ妃や他の侍女の前で、猫猫の唇に手を触れています。

(原作情報) アニメは(あれでも)あっさりでしたが、原作は結構・・・ぜひ原作をお読み下さい(笑)。

唇を触れられた後の、意味が分からないという猫猫の反応と表情が、アニメは最高。メチャクチャ上手いアニメ化です。

これが、高順ガオシュンが今話終盤に言っていた ──

態度があからさま過ぎて、逆におかしくなっていますよ

by 高順『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話

ということなのでしょう。

(原作情報) 原作によると、緊張してそうなっているようです。(高順見立て)

いつもの壬氏様らしくないどころか、おかしくなっていたのです。
猫猫呼びだけじゃなく、そのあと唇に触れた事も含めて。

立ち去る壬氏様がスキップしているように見えるのは、気のせいでしょうか・・・。

玉葉ギョクヨウ妃と紅娘ホンニャンしかいなかったので良かったですね(苦笑)。

あなた達、狩りで何かあったの?

── カエルのせいです。
カエル?

by 玉葉妃『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話
原作情報

アニメ勢の皆さん。
今回の壬氏様と玉葉様の対決。
壬氏様の直球ど真ん中(ただし投げ方が変)で勝負が決まったとお思いでしょう

時文

ってか、私がそう思ってました

ココア

えっ、違うの?

はい、原作を読むと、それで終わりではなかったようです・・・。

 その後、四半時さんじゅっぷんは玉葉妃から追及を受けることになった。猫猫は「蛙のせいです」と、それ以上言えなかった。
 墓まで持っていく秘密の代償ならば、牛黄ごおうは安かったかもしれないと少し反省した。

by 『薬屋のひとりごと』原作4巻

その後、30分も玉葉ギョクヨウ妃から執拗に聞かれていたのです(笑)

それでも、猫猫はカエルとしか返せず・・・。
だから、「牛黄ごおうは安かったかもしれない」と感想を述べたのです。

魔鏡

魔鏡というそうです

- 中略 -

透光鑑とうこうかんと呼ばれることもある、跳ね返した光が絵や文字になる摩訶不思議な鏡です。
作る際に、鏡面に凹凸を施して絵や文字を写すそうです。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話

魔鏡は中国大陸の漢の時代、最も古いものだと紀元前から存在していたとみられています

原理は、猫猫マオマオが説明している通りで ──
鏡面に僅かな凹凸を作って、光を屈折させ像を映し出しています

ココア

普通に使ってて違和感ないの?

そうですね。
光を屈折させているなら、使っているときに気付きそうですよね。

魔鏡と分かってじっくり見れば、何を表しているかは分からないまでも、微妙な凹凸があることは分かったようです

銅鏡の場合です。

ただ、普通に使う分には問題なし。
なぜなら凹凸の焦点は近距離ではなく、少し離れたところに焦点を当てているから。

結果、普段使いのように近くで見る分には違和感も問題もなく、光を当てて遠くに反射させると微細な凹凸(正確に言うと凹部分)の焦点が合い像が映し出されるのです。

まあ、そもそも銅鏡自体が私たちが知っている鏡とは違い、少しぼんやりとしか映らないので、問題なかったのでしょう。


魔鏡と言えば、隠れキリシタンが有名です
キリスト教禁止令下で、隠れて祈りを捧げるためにイエス・キリストや聖母マリアの像を魔鏡に施していました。

最近の研究では、そんな事実はなかったとも言われています。

里樹リーシュ妃の銅鏡が映し出したのは、マリア像でしょうか。
それとも、里樹リーシュ妃が言うように母親でしょうか・・・。

それはまた、別の話ですね。

幽霊の正体

薬屋のひとりごと 第38話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #38」より引用

湯気がこの隙間から上がって風を起こし、カーテンを揺らしたのです

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話

踊る幽霊の正体は ──

  • カーテンが揺らいでいたのは、床下の水路から湯気が漏れていた
    • 加えて、風呂の栓を抜いてしまった
  • 顔が映し出されたのは、魔鏡の像
    • 加えて、その時たまたま布が落ちていた

もっと言うと、偶然月明かりが差し込み、それがちょうど良い角度で魔鏡に反射したのです。

考察

そもそもの原因は、水路の破損、あるいは欠陥と言えますね

猫猫マオマオが言うように、翡翠ひすい宮や水晶宮であれば、侍女たちが徹底的に原因追及していたでしょう。

カビの原因を探り、正しい対処をしていれば、幽霊騒動は起きなかったのです

ココア

でも、魔鏡は残るんじゃ…

いいえ。
湯気でカーテンが揺れたから、その隙間から月明かりが入り魔鏡の顔が映し出されたのです

ココア

あっ、そうか!

その時、偶然魔鏡を覆っていた布が落ちていたことも加えて。

猫猫も言っているように ──
色々な偶然が重なって、踊る幽霊が現れたのです

しかし、そこに亡き母親を重ねるのが、齢15歳の里樹リーシュ妃なのです。

本作は数え年なので、満年齢だと13~14歳。日本だと中学1~2年生です。

そして、今回偶然が重なり幽霊が出現したことにより、魔鏡の像を知ることができました。

この銅鏡は、ますます里樹リーシュ妃にとって普通の鏡ではなくなったことでしょう・・・。

分かってみれば簡単なこと。
でも、仕掛けも展開もお見事でした。

魔鏡だけでなく、湯気でカーテンが揺れることを組み合わせ、”踊る幽霊”を演出
組み合わせの妙だけでなく、銅鏡を置いていた理由も、床に隙間ができるほど放置していた理由にも説得力ある理由を設定。

それらを合わせて幽霊騒動を起こしただけでなく、金剛宮の侍女問題と、里樹リーシュ妃の母への慕情の話を絡ませる

さすが日向夏先生、お見事としか言いようがないですね。

ココア

凄いだけじゃなく、面白かった!

分不相応

たとえ下賜されたものであっても、上級妃の紋が付いたものを、いち侍女風情が身に付けるとは、分不相応と思わなかったのですか?

by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話

『薬屋のひとりごと』の世界は、身分社会。
後宮の中では、女性は、上級妃の四夫人をトップとする構造です。

年が若かろうが、中身が幼くても、上級妃は上級妃。
帝が決めたのです、敬わなくてはなりません。

元侍女頭は、里樹リーシュ妃を舐めきっていたのです
(本当に下賜されたかも怪しいですが)カンザシを上級妃の紋章が付いたまま使い続けていたのです。

考察

ちなみに、玉葉ギョクヨウ妃の翡翠ひすい宮の侍女達は服ですら気を遣っています。

隊商キャラバンが来る前、衣替えをして、流行遅れの服を故郷に送っていました。(26話 )

これは、下賜された服とはいえ、上級妃が着ていたものと同じ物を侍女が着るわけにはいかないという考えだと思われます。

金剛宮の侍女達とは性根が違いますね。

それにしても、このシーンの壬氏ジンシ様、格好いい!

これまでなら、猫猫が先に動いていた流れでしたね(苦笑)。

元侍女頭の顔に手を伸ばした時、てっきり(冒頭猫猫にやったように)顔のどこかに触れるのかと思いましたが(爆)。

ココア

うんうん、ちょっと思った!
でも、違ったしスッキリした!

時文

スカッとしたね~~

噂の宦官

あらすじ

女官の間では、新しく入った宦官が噂になっていた。

麻酔薬

嬢ちゃん。
また麻酔になりそうな薬を調べてるのかい?

by やぶ医者『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話

猫猫マオマオが調べているのは麻酔薬の作り方
なぜそんな物を調べているのでしょうか・・・。

もう宦官は作られないんだから、調べなくていいのに

by やぶ医者『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話

やぶ医者も、もう麻酔薬は必要ないと言っています。
もう宦官は作られないのだからと・・・。

新たな宦官を作る事は、現帝になってから禁止されました。

考察

そう言えば、猫猫さん、あの時言っていましたね・・・。

薬屋のひとりごと 第36話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #36」より引用

壬氏ジンシ様が宦官かどうかなんてどうでもいい。

ただ牛黄ごおう分の恩はある。
もし秘密がバレて窮地に立たされたら、その時は、ちゃんと本物の宦官にしてあげよう

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第36話

その時に備え、麻酔薬を準備しているのでしょうか・・・

血族なわけない!?

壬氏ジンシ様の秘密を知ってしまった猫猫マオマオ
どうやら、壬氏に男性機能が残っている事は認めているようです。

宦官でなければ、後宮に入れるのは皇帝と、その血族のみ

とすれば壬氏様は・・・。
いや、なわけないか。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話

でも、皇帝の血族だとは結びつけない様子・・・。

考察

てっきり、後宮に入れる男性は「最も高貴な方(皇帝)とその血縁のみ」という事を、猫猫は知らないのだと思っていました。(36話 )

ちゃんと知っていたようです。

では、なぜ壬氏が帝弟だと気付かないのでしょうか?

原作情報

原作小説も同様です。
が、コミカライズは更に踏み込んで描かれていました。

宦官でなければ、後宮に入れるのは皇帝と、その血族のみ。

とすれば、帝弟 ──
でも壬氏様は25だし年齢が合わない・・・

by 猫猫『薬屋のひとりごと』コミック14巻

帝弟の弟の可能性を考えてはいるのです。

でも、宦官壬氏の年齢は25歳
年齢が違うので、その案は却下していたのです。

帝弟は19歳、壬氏は25歳。
なるほど、(コミカライズによると)年齢が違うので却下していたのです

実際は、壬氏の年齢を偽っています。(20話 )
コミカライズと年齢が違うのは、時期のズレだと思われます。

時折、壬氏が絶大な力を発揮すること。
帝ととても気さくに話していること。
壬氏のオモチャの中に先帝が持っていた雄黄ゆうおうがあったこと。

これらを合わせると、例え年齢が合わなくても壬氏=帝弟の考えに至ると思うのですが・・・

ちと、壬氏様相手だと名探偵の推理力が落ちますね(苦笑)。

いや、恐らく帝や皇族に対して、深く探ってはいけないという防衛本能が働くのでしょう(笑)。

もっと言うと ──
帝の血族が、後宮宦官長などと下界の仕事をやる必要などありません

この国の頂点に立つような御方が、いわゆる現場仕事をしているとは、猫猫には想像できないのではないでしょうか

疑問 36-01 (再掲)

猫猫は、なぜ壬氏が帝の血縁だと気付かない?

壬氏に男性機能が残っていると認めたものの。
それは何らかの不正な手段を使って隠し通していると考える猫猫

さて、そこまで気になるなら高順ガオシュンにでも聞けば良いのに・・・。
と思っていたら ──

高順ガオシュン様はどこまで知っているのだろうか?
それとも高順ガオシュン様も実は宦官ではないのだろうか。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話
原作情報

アニメでは描かれていませんが、原作によると ──

避暑地の一件以来、壬氏の様子がおかしいことは高順もわかっているだろう。ちょこちょこ猫猫に聞いてくるのだが、詳細をどこまで話せばいいかわからず、言葉を濁している
 壬氏が宦官ではないのであれば、高順はそれを知っているのだろうか。それとも高順もまた、本当は違うのだろうか。

by 『薬屋のひとりごと』原作4巻

猫猫マオマオは、高順ガオシュンからも壬氏ジンシ様と何かあったのか聞かれていたのです。

壬氏が宦官ではない(男性機能を失っていない)ことを、高順ガオシュンがどこまで知っているか分からなかったので、猫猫マオマオからは何も言えないでいたのです

原) 宦官を好む理由

若くてきれいどころが多いから、みんな浮かれちゃってね

by やぶ医者『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話

まるで、自分がいる会社か学校に、女子が大勢入ってきたおっさんのようなコメントをしていますが・・・。

逆です。
女官達(+やぶ医者)が、今回入ってきた宦官が「若くてきれいどころが多い」と浮かれているのです

原作情報

原作には、その理由も述べられていました。

 若い娘、特に生娘きむすめには潔癖な者が多い体毛がやたら濃かったり威圧するような男よりも、宦官のように中性的な者を好むこともある

by 『薬屋のひとりごと』原作4巻

後宮の女官は、男に慣れていない者が多い
そんな子にとっては、圧がある男よりも、中性的な宦官が好まれるというのです。

全員ではありません。

なるほど。
特に今回は、若い宦官が多く、中でもきれいな顔をした宦官がいたので噂になっていたのです。

噂の宦官

酷い折檻を受けたようで、体の左側が痺れているとのことです

by 高順『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話

前話冒頭、足を引きずっていた宦官が、やはり噂の宦官でした。
どうやら、足だけでなく左腕も使えないようです。

いや、気になるのはそこじゃないですね・・・。

考察

この宦官、私には ──

当たっているとネタバレになってしまうので隠しておきます。気にならない方だけご覧下さい。

続きを読む (クリックして下さい)

1期に出てきた、翠苓スイレイに見えます

薬屋のひとりごと 第13話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #13」より引用
ココア

でも、目が違うような…

時文

あっ、ホントだ…じゃあ別人?

同じ髪型髪色で、顔の形と目の色が似ていれば、(アニメの)美人さんは全て同じに見えてしまいます(苦笑)。

言いたいのは、そこでもなくて・・・。
いや、この宦官の正体は気になりますが・・・。

この宦官は女性に見える、ということです

ココア

えっ、あっ、確かにそう見えるけど
じゃあ、どうやって宦官に?

それは、やぶ医者のセリフにヒントがありますね。

昔は証明書があれば入れたけど、色々不正があってねえ。

今は触診だよ

by やぶ医者『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話

(原作情報) 以前は目視での確認もしていたそうですが、今は無しになったようです。

宦官であるかどうかは、昔は証明書があれば良かったが、今は触診
それも出入りする度に(不正ができないよう)部署の違う3人の官による触診。

触るだけであれば ──
女性は当然、男性ではないのでクリアできます

そこへ ──

酷い折檻を受けたようで、体の左側が痺れているとのことです。

体中に傷があって、肌を見せたがらないとか

by 高順『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話

体中に傷があるとのことで、肌を見せない理由まで・・・

これは、ますます女性が宦官に紛れ込んでますよ、というフリではないでしょうか。

ココア

おお~~なんだか怪しく見えてきた!

いずれにせよ、この噂の宦官は何かありそうですね。

疑問 38-01

噂の宦官の正体は? 何の目的で宦官に?

おわりに (『薬屋のひとりごと』38話とは)

原作小説 4巻

コミック 14巻

赤羽セキウが驚き怒るのも仕方ない。
ここは後宮・女の園、女達が帝の子種を狙う戦いの場。

猫猫マオマオは興味本位かもしれませんが、結果的に他の上級妃である里樹リーシュ妃の幽霊騒動にケリをつけただけでなく、侍女問題も釘を刺すキッカケを作ってしまいました。

こんなことが知れたら、赤羽セキウ翡翠ひすい宮の侍女達に何を言われるやら・・・。

壬氏ジンシ様に口止めされなくても、話せない案件になってしまいましたね。

壬氏は、後宮を管理する立場。
壬氏様の命に従う限り、猫猫は後宮が良くなる方向の行動になってしまうのです。

そこへやってきたのが、今話ラスト。
問題を起こしたのは下女・小蘭シャオラン!?

傍らにいるのは猫猫。
小蘭シャオランの為に、また一肌脱ぐことになりそうですが、目撃していた壬氏はどう動くのでしょうか。

以上、TVアニメ『薬屋のひとりごと』第38話の感想&考察レビューでした。
長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。

次話のレビューも書く予定です。
良かったらまたお越し下さい。
最新情報はX(@toki23_a)にて!

ではでは。

きょうのひとことそろそろ羅漢ラカン登場かと匂わせておいて、次回予告は羅門ルォメン!?

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よろしくお願い致します。

ココア

これで毎日ケーキ食べられるかな!?

時文

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疑問点 まとめ(Q&A一覧)

この章では、疑問点をまとめていきます。

「疑問点まとめ(Q&A一覧)」運用ルール
  • 今話で発生し解決した疑問は、本文で解説して本章(ここ)でまとめ
  • 今話で解決しなかった疑問を、疑問XX-XX(話数-通し番号)として記録
    ⇒ 本章(ここ)でまとめ
  • 答えは、推測ではなくできるだけ(原作含む)作品内で明らかになった事実を記載
    ※推測が入る場合は、断りを入れる
    解決した疑問は、次話で削除
今話で解決した疑問 (クリックすると答えが表示されます)
踊る幽霊の正体は?

湯気でカーテンが揺れ、隙間から入った月明かりが魔鏡の像を映し出した

薬屋のひとりごと 第38話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #38」より引用
今話で新たに発生し、解決しなかった疑問
  • 疑問 38-01 噂の宦官の正体は? 何の目的で宦官に?
残っている疑問 (クリックすると表示されます)
  • 疑問 02-01 壬氏は、後宮管理者なのに、なぜ後宮の外まで判断を求められている?
  • 疑問 02-02 水差しの弁償、仕送りから引いたのは期間限定?
  • 疑問 02-03 結局、秘薬は何の為だったの?
  • 疑問 03-01 西都の玉葉妃が、異国の姫とは?
  • 疑問 05-01 粉を染み込ませた木簡は、誰が何に使っているのか?
  • 疑問 05-01 簪(かんざし)を渡す意味は?
  • 疑問 06-01 園遊会で、なぜ壬氏は違うカンザシを挿し、襟が乱れていたのか?
  • 疑問 09-01 壬氏と亡くなった武人・浩然との関係は?
  • 疑問 10-01 後宮内の事件に最終判断を下しているのは誰?
  • 疑問 10-03 現帝の東宮時代、妃はなぜ一人しかいなかったのか?
  • 疑問 11-01 阿多妃を南の離宮に住ませるのは、帝の愛着か、それとも・・・
  • 疑問 11-02 阿多妃の子は生きているのか?
  • 疑問 12-01 やり手婆は、なぜ猫猫を妓女にしたい?
  • 疑問 13-01 壬氏は、帝に何を頼まれたのか?
  • 疑問 14-02 爆発現場にあった上等なキセルは、倉庫番のもの?
  • 疑問 15-01 馬閃は、なぜ猫猫を嫌っている?
  • 疑問 17-01 壬氏は、なぜ変装しなくてはならない?
  • 疑問 17-02 壬氏は宦官なのに、なぜ武官のような野営を知っている?
  • 疑問 18-02 使い物にならない妓女を、やり手婆はなぜ離れに住まわせている?
  • 疑問 19-03 「何か起こったあとでは遅い」猫猫は、過去にどんな経験をしたのか?
  • 疑問 19-04 羅漢は、猫猫を抱きかかえる壬氏を見て、なぜあれほど驚いた?
  • 疑問 20-01 なぜ翠苓のことを秘密裏に終わらせた?
  • 疑問 20-02 壬氏は、なぜ身分を隠し、後宮管理者として生活している?
  • 疑問 20-03 楼蘭妃は、なぜ訪れる度に雰囲気が変わる?
  • 疑問 21-01 やぶ医者より先に後宮へ来た姉は、今どこにいる?
  • 疑問 21-02 先の皇太后は、なぜ木の伐採に制限をかけた?
  • 疑問 22-01 猫猫は、なぜ爪紅を流行らせた?
  • 疑問 23-01 賭け対象にした「妓女の身請け」の狙いは?
  • 疑問 23-02 羅漢に届いた文と巾着、誰が開いたのか?
  • 疑問 25-01 楼蘭妃は、なぜそこまで侍女を増やす?
  • 疑問 25-02 子猫はどこから来た?
  • 疑問 26-02 キャラバンは、なぜ妊婦に影響のある香油と香辛料ばかり売っていた?
  • 疑問 27-01 結局、玉葉妃に毒を盛ったのは誰?
  • 疑問 28-01 異国の特使は、なぜ上級妃4人に鏡を献上した?
  • 疑問 29-01 異国の特使は何を企んでいる?
  • 疑問 30-01 杏に香油から堕胎剤の作り方を、誰が教えた?
  • 疑問 31-02 先帝が壬氏に渡そうとした石は何?
  • 疑問 31-03 国母が来たのはいつ頃?
  • 疑問 31-04 帝は、なぜ”選択の廟”を解いておきたかった?
  • 疑問 31-05 壬氏は、なぜ”選択の廟”で真剣な顔をしていた?
  • 疑問 32-01 皇太后は、なぜ診療所に?
  • 疑問 33-01 後宮を追放された医官と女児は誰? 今どこに?
  • 疑問 34-01 子翠の正体は?
  • 疑問 36-01 猫猫は、なぜ壬氏が帝の血縁だと気付かない?
時文

1期の残が多いので、時間あるときに整理します

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アニメ【薬屋のひとりごと】39話感想&考察 氷菓は心の処方箋、冷たさに宿る優しさが友の笑顔を連れ戻す 第39話「氷菓」小蘭の不注意により、楼蘭妃に献上されるはずの氷を台無しにしてしまう。猫猫は割れた氷を使って代わりの物を準備する。
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