【文字数(本文):約8千文字(目安13分)】
こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『薬屋のひとりごと』第35話「狩り」を鑑賞しました。
本レビューではアニメ感想だけではなく、原作・コミカライズ情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。
皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
今回アニメ化されたのは──
- 原作
-
3巻 16話「避暑地」 ~ 17話「狩り 前編」・19話「狩り 後編」前半
- コミック
-
12巻 49話「避暑地」 ~ 13巻 51話「壬氏の秘密」中盤まで
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
- 猫猫、なぜ壬氏の正体に疎い?
- 出産が終わるまでの特別処置とは?
- (原作) 毒味役、猫猫の代わりの侍女とは?
- 玉葉妃は、なぜすぐに許可しなかった?
- 指名されたと言うことは・・・
壬氏は、なぜ猫猫を遠征に同行させる? - 壬氏、なぜ顔を隠す?
- (原作) 壬氏、なぜ普通に逃げずに滝へ飛び込んだ?
- (原作) なぜ壬氏だけでも泳いで脱出させない?
※「(原作)」は、原作情報を根拠の中心にして考察しているトピック
今話で解決しなかった疑問
最下部「疑問点まとめ (Q&A一覧)」に記載
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレなし
『薬屋のひとりごと』は、小説投稿サイト「小説家になろう」連載。
ライトノベルと、月刊誌2誌で別の漫画家によるコミカライズ2作品があります。
私は、ライトノベル、コミカライズ共に未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成します。
アニメ鑑賞
+
コミカライズ、ライトノベルを読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」
よって、次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください。
なお、原作ライトノベル、コミカライズの情報は、「原作情報」として区別できるよう記載します。
- 「ヒーロー文庫」のライトノベルを ── 原作
- 「月刊サンデーGX」連載のコミカライズを ── コミック

こんな感じです
緑系の色を目印にしてね!
引用部分も次のように緑系をワンポイントに ──
宦官が驚いた表情で猫猫を見るが、そんなの関係なかった。
引出しの見出しを眺め、珍しい薬を見つけるなり踊るような奇妙な動きをしてしまう。喜びがあふれ出て、頭の中に納まりきれなかった。
「なんかの呪いか、なにかか?」四半時、そんなことを繰り返したところだった。
by 『薬屋のひとりごと』原作1巻
いつのまにか現れた壬氏が奇異の目で踊る猫猫を見ていた。
コミカライズは、別の漫画家による2作品が刊行されています。
- 「月刊ビッグガンガン」連載の「薬屋のひとりごと」
- 「月刊サンデーGX」連載の「薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜」
両方読んでいますが、本サイトでは、アニメの補完となると情報の多い➋を選択しました。
「コミック」として紹介する情報は基本➋です。
が、今後も両方読んでいくので、➊にしかない情報があれば、その時は注釈を付けて紹介します。

同じ内容なのに、2つも読むんだ・・・

その方が、理解が深まるんだよ
ちなみに、考察や疑問はオレンジ系。
補足や余談、参考情報はブルー系に色分けしているので、読む際に目安にして下さい。
2期 全24話 各話リスト
話数 | サブタイトル | コミック | 原作 |
第25話 | 猫猫と毛毛 | 8巻 | 3巻 |
第26話 | 隊商 | ||
第27話 | 冬人夏草 | 9巻 | |
第28話 | 鏡 | ||
第29話 | 月精 | ||
10巻 | |||
第30話 | みたび、水晶宮 | ||
第31話 | 選択の廟 | 11巻 | |
第32話 | 皇太后 | ||
第33話 | 先帝 | ||
12巻 | |||
第34話 | 怪談 | ||
第35話 | 狩り | ||
13巻 | |||
第36話 |
※話数:リンクは各話レビューへ
※サブタイトル:ネタバレを避けるため次話以降はマスク
はじめに
猫猫は、子昌から狩りに誘われた壬氏の付き添いで後宮を離れ北の避暑地へ。
そこでは、豪華な宴が催されるものの、常に警戒を怠らない壬氏達。
一方、その裏である陰謀が動き始めていた。
嵐の前の静けさから、風雲急を告げる展開。
なのに、暗殺の黒幕も、二人が無事に助かるかも気にならない(苦笑)。
暗殺など、どこ吹く風・・・。
決意男と、超鈍感女。
突然始まったのは、ラブコメの風・・・。
ある意味、何が起きても二人だけの世界なのが凄い(苦笑)。
でも、人の恋路を邪魔する奴は、犬に噛まれて死んじまえ!
それにしても・・・。
壬氏様、まるで告白するような流れだけど、話すのは身分だよね!?
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第35話「狩り」
避暑地
猫猫は、楼蘭妃の父・子昌から狩りに誘われた壬氏の付き添いで、後宮を離れることに。
触らぬ神に祟りなし
薬屋には今回の遠征中に自分の口から話すつもりだ、本当の身分をな。
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第35話
壬氏様が、遂に決心!?
どうやら、今話と次話は壬氏様の身分が重要なキーワード。
ここで一度、壬氏様の身分、そして猫猫の(壬氏の身分に対する)姿勢を整理しておきましょう。

おー、助かるかも
(ん?「身分に対する姿勢」って何??)

この辺、しっかり理解しておくと、話をより理解できますよ!
猫猫の前では、後宮を管理している宦官として振る舞っている壬氏。
(現時点で明かされている)その正体は、皇帝の弟。(31話 )
皇帝に男児がいない今、壬氏は茘国トップである皇帝の第一継承権を持っています。
一方、猫猫の認識はというと ──
壬氏は相当身分の高い人ではないか、と何となく気付いています。
ですが、それ以上は知ろうとしません。
あれだけ鋭い観察眼と推理力を持つ後宮探偵猫猫さんが、こと壬氏の身分になると思考停止しています。
なぜでしょうか?
あくまで私の解釈です
猫猫がその手の話に興味ないことが大きいですが・・・。
それよりも、知ることによるリスクが大きいから、猫猫は知ろうとしないのでしょう。
『薬屋のひとりごと』では、下女の命は軽い。
一つ判断や言葉を間違えると、命に関わってきます。
特に高貴な御方の秘密は一番デリケート。
壬氏が身分を周囲に隠しているということは、それだけ重要な証拠。
猫猫が生活や仕事をするにあたり、問題がなければ知る必要はなし。
むしろ、知ることによって、いらぬリスクを抱え込む方を猫猫は警戒しているのです。

そっか、だから壬氏様の正体には鈍いんだ

よく「余計な事に巻き込まないで欲しい」と猫猫は言ってるよね

面倒だからだと思ってた(笑)

まあ、それもあるだろうけど…
とは言いながら、猫猫は、興味があることは例え危険でも突っ込んでいきます(苦笑)。
薬や毒、そして不可解な謎。
あと忘れてはならないのが、誰かの命。
面倒事は嫌いで、興味のあること以外は極力やりたくないと公言している猫猫。
ですが、誰かの命に関わるような危険を知ると、放っておけない性分なのです。

では、壬氏は、なぜ猫猫に身分を明かしたいのでしょうか?

そりゃあ、好きな人に隠し事はしたくないから?

大切な人を危険な目に遭わせていいの?

あっ・・・
決心
遠征に同行させるのであれば、隠し通すのは難しいかと。
by 高順『薬屋のひとりごと』TVアニメ第35話
今回の遠征に猫猫を同行させると、流石に身分を隠すのは難しいという高順。
皆があからさまな接待をするから?
(本当の)名前を呼ぶ等して、猫猫の耳に入ってしまうから?
なぜそんな身分がバレるような遠征に、猫猫を同行させるのでしょうか?
何かおかしいですね・・・。
そもそも、なぜ猫猫を遠征に同行させるのでしょうか?

えっ!? 考えたこともなかった!
連れて行きたいから…いや告白、じゃなくて身分を明かしたいから!? あれ??

そっちが出てくるんだ(笑)
猫猫の仕事は毒味だよね

あっ、そうじゃん!
毒味役だよ、毒味役!
私も、最初、猫猫に毒味をさせる為に連れて行くのだと思っていました。
でもそれは、表向きの理由ですね。
なぜなら、今回、猫猫は毒味していませんよ?

・・・あっ!
確かに!
今回、壬氏は出された食事に一切手を付けていません。
食べ物どころか、飲み物にすら。
精の付く物を食べさせられると予想をして、あらかじめ携帯食を用意していました。
今回の遠征に、毒味役は必要ないのです。

じゃあやっぱり、身分を明かすためじゃん!
旅先で告白するのはラブコメの鉄板イベントだからね!

ラブコメ・・・(苦笑)
さて、壬氏は、なぜ猫猫を遠征に同行させたのでしょうか。
大切な時期である玉葉妃に頼んでまでして・・・。
前話ラストに描かれた壬氏のシーン。
前話鑑賞時、てっきり私は、猫猫に身分を明かすことを決意したのだと思っていました。
が、今話見終わり、違うかな?と思うように。
なぜそう思ったのか?
それは追い追い書いていくとして・・・。
最初に知っておいて欲しいことは書いたので、そろそろ本編の感想&考察に入りましょう。

えっ、まだ前置きだったの!?
壬氏は、何の為に猫猫を同行させた?
特別処置
この者を数日、返して頂きたいと思いまして。
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第35話
「貸して」ではなく「返して」と表現する壬氏。
最近、何度も「壬氏の侍女」と(心情描写で)言っていたので、皆さんも認識されていると思いますが・・・。
そういえば、翡翠宮に戻ってきたのは、玉葉様の出産が終わるまでの特別処置だったっけ。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第35話
玉葉妃の侍女をしているのは特別処置です。
原) 代わりの侍女
── まあ困るわ。その間、毒味はどうするの?
うちの侍女を貸しましょう。
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第35話
猫猫の代わりができる人が他にいる!?
ならば、ずっとその人にお願いした方が・・・と思わなくもありませんが(苦笑)。
原作では、その侍女のことをもう少し説明しています ──
「その点は、ぬかりなく。代わりにうちの侍女を貸しましょう。この娘ほどでないにしろ、毒の類は慣れた人物ですから」
※太字部分はアニメではカット
by 壬氏『薬屋のひとりごと』原作3巻
壬氏様曰く、その侍女は毒に慣れているようです。
でも、やはり猫猫の方が優秀なのです。
だから、猫猫を派遣したのでしょう。
原作では、壬氏の言葉を聞いた猫猫、ある人物を思い浮かべます。

壬氏の侍女といえば、猫猫には一人しか思いつかない。初老の女官、水蓮だ。確かにあの人なら、猫猫の代わりくらいやってくれそうだ。したたかさはお墨付きである。
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
なんと、猫猫の代わりの侍女とは、(猫猫の推測が正しければ)水蓮のことだったのです。
確かに、水蓮ならば安心です。
と、同時に、普段は派遣できない侍女だと納得。
何せ、壬氏様のプライベートの世話を全てしているのですから。

原作では、猫猫も心配しています(苦笑)
遠征の間は、他の者が壬氏様の世話をするので、水蓮を貸しても問題ないのです。
さて、そう考えていくと、ますます不思議ですね・・・。

へっ、何が?
当たっているとネタバレになってしまうので隠しておきます。気にならない方だけご覧下さい。
続きを読む (クリックして下さい)
遠征で毒味をするなら、水蓮を同行させれば良いはず。
⇒ これはまあ、先にも書いたとおり、そもそも今回は毒味必要なし
遠征で壬氏の世話をするなら、これも水蓮で良いはず。
⇒ これも高順と馬閃がいるので必要なし
でも、同じ理由で猫猫を同行させる必要もありません・・・。
大体、猫猫に玉葉妃の毒味をさせているのは、玉葉妃とお腹の子、つまり帝の御子が狙われている可能性があるからです。
前項にも書いたとおり ──
玉葉妃が第一子である鈴麗公主妊娠時、毒殺未遂事件がありました。
その犯人はまだ見つかっていません。
結局、ここまで玉葉妃には何も起きてはいませんが・・・。
今回の遠征は、帝の御子を守ることよりも重要なのでしょうか?

あっ、え??
いや、重要だからこそ、玉葉妃の元を数日離れてでも猫猫を連れ出したのでしょう。
この辺に、今回猫猫を遠征に同行させた理由がありそうですね。(続きは後述)

壬氏と玉葉妃のやり取りが軽いのは、その事実に気付かせない為じゃないかな?

お~~、わざと軽い感じにしてるのか!
壬氏は、何の為に猫猫を同行させた?
その娘じゃ分からない
あなたは猫猫のことを何て呼んでるの?
by 玉葉妃『薬屋のひとりごと』TVアニメ第35話
いつもより、しつこい玉葉妃(笑)。
猫猫を連れて行かれるのに不満なのか、代わりの侍女に不安があるのでしょうか・・・。
では、ありませんね。
玉葉妃は、壬氏も、壬氏お墨付きの侍女のことも信用しています。
壬氏が下した判断。
恐らく、何の心配もしていないでしょう。
では、なぜ許可するのに30分もかかったのでしょうか・・・。
それは、壬氏をイジる、かっこうのネタだったからですね。
はい、玉葉妃は面白がっているのです(笑)。
高順が小猫と呼ぶのは、猫猫が敬称は止めてくれと言ったからです。
高順:猫猫様。
by 『薬屋のひとりごと』TVアニメ第3話
猫猫:敬称はいりません。高順様のほうが位はずっと上です。
高順:では、小猫?
猫猫:シャオって・・・いきなり”ちゃん”付けですか。
「小猫」とは、日本で言うと「マオちゃん」という感じです。
猫猫が指摘したら、「様」付けから、いきなり「ちゃん」呼ばわりになったのです(笑)。
茘国
茘という国名は、そのひと文字で建国の物語を表している。
草の下に3つの刀。
草は”華”、帝の先祖である王母を指し、その下の3つの刀は王母を助けた3人の武人を示す。3つの刀の内、下2つに比べて大きい刀は、北の大地・子北州を指す。
- 中略 -
壬氏様を狩りに誘った子昌殿が治めている土地だ。
by 馬閃『薬屋のひとりごと』TVアニメ第35話
国名「茘」は、そのひと文字で建国を表していると言う。
国母(草冠)を支える3人の武人(刀)。
刀の大きさにも意味があって、一番大きな上の刀が子北州を表し、イコール、力も強いということ。
その子北州を治めているのが、今回の狩りの主催者・子昌。
謎が多い上級妃・楼蘭妃の父親ですね。

子昌一族は、建国時代から力を持っているので、帝でも無下にできないのです。

帝も無視できないから、弟の壬氏に代理をさせたかも

ありえそう…
そんな子昌一族が治める地・子北州へ向かっているのです。
狩り
子昌一族が治める地・子北州。豪華にもてなされるも警戒を怠らない壬氏達。その裏ではある陰謀が動き始めていた。
ご指名
── ちょっとご指名があったもので。
そうか。
by 李白『薬屋のひとりごと』TVアニメ第35話
実は、俺もよ、ご指名で護衛に入ったんだけど。
馬閃が久しぶりに出てきたと思ったら、こちらも久しぶり、李白。
李白を指名したのは、もちろん壬氏でしょう。
1期21話、李白が白鈴の身請け金で悩んでいた際、壬氏が金を出すと言い出しました。
ですが、李白はそれをきっぱり拒否! (21話 )
猫猫が信頼していたように見えることに加え、目の前のお金に惑わされることなく自分の意志を貫く強さに、壬氏は李白を認めたのです。
なるほど、それは失礼した。
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
今後、話をしたいことがあるかもしれないが、よろしいかな。
壬氏は、身分を隠していることもあり大っぴらに部下を集めることもできず、本当の意味で信頼できる人は限られています。
そんな中、李白は数少ない信頼の置ける官なのです。
そう考えていくと、今回の狩り。
あることが見えてきますね・・・。
当たっているとネタバレになってしまうので隠しておきます。気にならない方だけご覧下さい。
続きを読む (クリックして下さい)
高順や馬閃は当然として、猫猫に李白。
今回の狩り、壬氏は、信頼できる人物で固めているのです。
それは、何故か?
今回、壬氏の命が狙われると、事前に分かっていたのではないでしょうか。
事前に情報を掴んでいたか、あるいは怪しい動きをキャッチしていたか・・・。
そこで、万全の体制を取るために、妙に勘の良い猫猫を一時返却してもらったのでしょう。
ある意味、帝と玉葉妃の御子よりも大ごとと捉えたのです。
そう考えると ──
狙撃されても動揺することなく、冷静に犯人は複数犯いると見込み滝に飛び込んだのも、心構えができていたからかもしれませんね。
高順親子のやりとり ──
小猫は例のことは何一つ知らない。
いずれ壬氏様が直接お伝えする。
それまでは、この件には触れるな。── いや、しかし、いくら何でも・・・。
by 高順『薬屋のひとりごと』TVアニメ第35話
このセリフは、壬氏様の身分のことだけでなく、暗殺の件も含んでいたのかもしれないですね・・・。

暗殺されると分かっていれば、心の準備もできるし、やることも違うからね

おお、確かに
まあ、そうなると、なぜ護衛も付けず壬氏を一人外に出したのだと言いたくなりますが(苦笑)。
覆面

こんな暑苦しいのに、ずっと覆面を付けて、料理にも手を付けないつもりか?
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第35話
食事中も覆面を取らない壬氏。
それどころか、水分もとっていない様子。
そりゃあ、熱中症(or脱水症状)になるはずです。
食事を摂らないのは分かります。
昨夕のように、精が付くものが入っている可能性があるからでしょう。
だとしても、水ぐらいは飲んでも良さそうなものですが・・・。
もしかすると顔を隠すことが重要なのかもしれません。

うん、猫猫も言ってたね

いや、そうじゃなくて…
確かに、猫猫も ──
あれは頭巾?
美しすぎるから遠出をする際に覆面が必要なのか。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第35話
美しすぎる容貌は、歩くだけで迷惑をかけてしまうと評しているのです。
でも、それだけが理由ではない?
と思うのです。
当たっているとネタバレになってしまうので隠しておきます。気にならない方だけご覧下さい。
続きを読む (クリックして下さい)
推測の推測になってしまうので、話半分で聞いて欲しいのですが・・・。
今回、子昌が狩りに招待したのは、恐らく、帝の弟である壬氏でしょう。
もしかすると、子昌は、帝の弟の顔を知らない・・・。
力を持っている子昌ですら、帝の弟の素顔を見たことがないのではないでしょうか。
何が言いたいのかと言うと ──
子昌は、後宮の宦官である壬氏が帝の弟だと気付いていないという可能性です。
なぜなら、(後宮宦官の)壬氏が帝弟だと知っていれば ──
子北州にまで招待してあれこれ策を練らなくても、後宮にいる娘・楼蘭妃や侍女を使って宦官壬氏を直接狙えば良いのです。
楼蘭妃が狙っているのは、あくまで帝のように見えます。
逆に言うと、子昌親子は、壬氏の正体を知らない証拠ではないでしょうか。

子昌に誘われたことを玉葉妃に話したということは、玉葉妃は壬氏の正体知ってる!?

おお、そういうこと!?

いや、招待されたのは帝の弟だけじゃないか…高順だって招待されているんだから…

ああ、そうか…

厄介なのは、何を考えているのか分からない目だ。
子昌、楼蘭妃の実父で女帝の寵愛を受けた男。
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第22話
今なお、帝は頭が上がらない。
後宮宦官の壬氏が、実は帝の弟。
これは、絶対にバレてはいけないこと。
壬氏は、特に子昌を警戒しています。(22話 )
いや、子昌だけではありません。
ここには、暗殺を目論む輩もいるのです。
暗殺を企てる者が、後宮宦官の壬氏が帝弟だと知れば・・・。
壬氏は、もっと狙われやすくなってしまうでしょう。
そう考えると、ここで壬氏の素顔をさらすわけにはいかないのです。
だから、部屋でも窓を閉め切って完全ガードしていたのではないでしょうか。
ただまあ、覆面をしても目だけで十分壬氏様だと分かりますが(爆)。

それな!

そこはアニメ的演出(苦笑)
目を描いているのは、覆面で完全に顔を隠してしまっては、視聴者も本当に誰だか分からなくなってしまうからでしょう(笑)。
飛んで火に入る夏の虫
── これを外して下さい。
ダメだ。── 周りには誰もいません。
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第35話
誰か来るかもしれない。
調子が悪くても周囲の目を気にして、何が何でも覆面を外さない壬氏。
わざわざ、人気のないところに来ただろうに、それでも頑なに覆面を外さない・・・。
そんなに人目が気になるなら、見えない所へ行けばいいでしょ。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第35話
イライラすると同時に、壬氏の体を心配する猫猫。
もっと人気のない所へ連れて行くことに・・・。
それは、暗殺を企んでいる連中にとって好都合では?

あっ、そうじゃん!
はい、暗殺が実行されたのは、猫猫が人気のない所に連れて行ったので実行された可能性があるのです・・・。
原) 複数犯だと確信
── 飛発?
戦で使う火薬を使った武器だ。
1回撃つごとに準備が必要になる。
それが間を置かずに、2発撃たれた。── 犯人は複数いたということですか?
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第35話
ああ、少なくとも2人。
他にもいたかもしれない。
飛発とは、現代で言うところの拳銃のこと。
この時代の銃は、1発1発、火薬と弾をこめて着火しなくてはなりません。
だから、続けて撃てません。
なのに連続で2発撃たれたので、壬氏は犯人は複数いると見立てたのです。
その説明を聞いて、猫猫は納得します。
「飛発だな。それほど間をおかず撃たれたので、複数犯の可能性が高い」
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
飛発、戦に使われる武器だが、一回撃つごとに火薬と弾を詰め、火をつけねばならない。
だからだろう、壬氏が森に隠れずに崖から飛び降りたのは。森に入れば相手の懐に入るのにも等しい。何人いるかわからない相手だと、なおのことだ。
2発撃たれて、すぐに人心は、犯人は少なくとも2人だと判断した。
いや、それ以上いる可能性があるので、すぐに追っ手を振り切れるよう崖から滝へ飛び降りたのです。
思い切りの良い判断ですね。
原) 泳いでは逃げられない
ここから出る方法はご存じですか?
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第35話
泳ぐ以外で、ですが。
猫猫は泳ぐのがあまり得意ではなさそう。
いや、50メートルもの高さから水が落下している所です。
水流が凄い勢いでしょうから、少し泳げる程度では溺れてしまいます。
だから、泳いで脱出する手段は無理だと思ったのでしょう。
でも・・・。
壬氏だけ脱出させることは考えなかったのでしょうか?
壬氏は、拒むでしょう。
猫猫一人を置いていくことになるのですから。
でも、後で助けを寄越せば良いわけであって・・・。

あっ、そうじゃん!
なんで!?
その答えは原作にありました。
おそらくさっき壬氏を狙って撃った者たちは、滝壺の近くを探しているだろう。壬氏の体力なら泳いで渡れないこともないだろうが危険がある。
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
まだ、先ほどの暗殺者が、滝つぼ近くを探している可能性があるので、壬氏だけでも泳いで脱出する方法を選ばなかったのです。
納得!
犯人は…
一体、誰に何を恨まれているんだ?
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第35話
今回の狩りの主催者・子昌と考えるのが一番単純です。
でも、今回壬氏が暗殺されてしまうと、責任を問われるのは子昌です。
招待側の警備不行き届きになってしまいますからね。
当たっているとネタバレになってしまうので隠しておきます。気にならない方だけご覧下さい。
続きを読む (クリックして下さい)
大体、なぜ狩りをしている時ではなく、たまたま気分が悪くなって出てきたところを、たまたま猫猫が川まで連れ出した時に狙われたのでしょうか・・・。
子昌が黒幕なら、もっと上手いタイミングでできたと思いますが・・・。
いや、まさか壬氏が食事も水分もとらないことを見越して、体調が悪くなって途中で抜け出すと睨んでいたのでしょうか・・・。
いや、それはかなり無理があるというか、運に頼り過ぎですね(苦笑)。
狩りの時には襲えなかった。
あるいは、子昌には迷惑をかけたくなかった・・・。
ああ、逆を思いつきました ──
子昌一族に失敗させたかった・・・なんてのもありますね。

だとしたら、とばっちりもいいところ…

そうじゃん、大迷惑!
さて、一体誰が狙撃したのでしょうか?
壬氏を撃ったのは誰?
おわりに (『薬屋のひとりごと』35話とは)
目と目で通じ合う・・・ようで(本当の意味で)通じ合っていない二人(爆)。
でも、二人の関係は今話で一気に進んだ!?
お姫様抱っこ。(← 実はこれ、何度も実施済み)
キス。(人工呼吸だからノーカウント!?(笑))
体を重ねる。(ただのラッキースケベ?)
あれ?
実は、進んでいない??(笑)
それに、本文で書いたように、よく見ると伏線たっぷり!?
こうして落ち着いて振り返ると、ラブコメ展開自体が伏線から目を逸らすミスリードになっているのではないかという疑惑が(笑)。

ああ、完全に頭がミステリー脳

振り回されてるね~
日向夏先生、上手いもんね!
はい。
壬氏の正体を誰がどこまで知っているのか。
今回の暗殺を誰が企み、壬氏側は誰がどこまで予想(想定)していたのか。
猫猫視点で見せることにより、(視聴者への)情報を限定し、ミステリー感を演出。
そこに、壬氏の正体を猫猫に明かす(かも)という、一大イベントを持ってくる。
その塩梅が絶妙なのです、本作は。
兎にも角にも、次話は前半クールの締め。
どんな決着を見せてくれるのか、楽しみです!
以上、TVアニメ『薬屋のひとりごと』第35話の感想&考察レビューでした。
長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。
次話のレビューも書く予定です。
良かったらまたお越し下さい。
最新情報はX(@toki23_a)にて!
ではでは。
応援(投げ銭)
本レビューを面白いと思って下さった方、気に入って下さった方、サポートして頂けるとブログ作成の励みとなります。
Amazonギフト券の贈り方
次の4点(金額、受取人)を記入願います。
- 金額:一番右に自由記入欄があるので、1記事100円を目安に、お好きな金額ご記入下さい。もちろん100円以上でも大歓迎です♪
- 「宛先」or「受取人」:メールアドレス「gift2toki23@gmail.com」
- 贈り主:ご自身のお名前をご記入下さい(匿名でも可)
- メッセージ:好きなメッセージをご記入下さい(デフォルトでもOK)。
全て記入終えましたら、「カートに入れる」or「今すぐ購入」を押して決済に進んで下さい。(ここからは、普段お使いのAmazonでの商品購入時と同様です。)
よろしくお願い致します。

これで毎日ケーキ食べられるかな!?

(君のケーキの為にサポートお願いしているんじゃないだけどね…) 皆に応援してもらえるよう頑張ろう!
疑問点 まとめ(Q&A一覧)
この章では、疑問点をまとめていきます。
- 今話で発生し解決した疑問は、本文で解説して本章(ここ)でまとめ
- 今話で解決しなかった疑問を、疑問XX-XX(話数-通し番号)として記録
⇒ 本章(ここ)でまとめ - 答えは、推測ではなくできるだけ(原作含む)作品内で明らかになった事実を記載
※推測が入る場合は、断りを入れる
⇒ 解決した疑問は、次話で削除
今話で解決した疑問 (クリックすると答えが表示されます)
今話で新たに発生し、解決しなかった疑問
- 疑問 35-01 壬氏は、何の為に猫猫を同行させた?
- 疑問 35-02 壬氏を撃ったのは誰?
残っている疑問 (クリックすると表示されます)
- 疑問 02-01 壬氏は、後宮管理者なのに、なぜ後宮の外まで判断を求められている?
- 疑問 02-02 水差しの弁償、仕送りから引いたのは期間限定?
- 疑問 02-03 結局、秘薬は何の為だったの?
- 疑問 03-01 西都の玉葉妃が、異国の姫とは?
- 疑問 05-01 粉を染み込ませた木簡は、誰が何に使っているのか?
- 疑問 05-01 簪(かんざし)を渡す意味は?
- 疑問 06-01 園遊会で、なぜ壬氏は違うカンザシを挿し、襟が乱れていたのか?
- 疑問 09-01 壬氏と亡くなった武人・浩然との関係は?
- 疑問 10-01 後宮内の事件に最終判断を下しているのは誰?
- 疑問 10-03 現帝の東宮時代、妃はなぜ一人しかいなかったのか?
- 疑問 11-01 阿多妃を南の離宮に住ませるのは、帝の愛着か、それとも・・・
- 疑問 11-02 阿多妃の子は生きているのか?
- 疑問 12-01 やり手婆は、なぜ猫猫を妓女にしたい?
- 疑問 13-01 壬氏は、帝に何を頼まれたのか?
- 疑問 14-02 爆発現場にあった上等なキセルは、倉庫番のもの?
- 疑問 15-01 馬閃は、なぜ猫猫を嫌っている?
- 疑問 17-01 壬氏は、なぜ変装しなくてはならない?
- 疑問 17-02 壬氏は宦官なのに、なぜ武官のような野営を知っている?
- 疑問 18-02 使い物にならない妓女を、やり手婆はなぜ離れに住まわせている?
- 疑問 19-03 「何か起こったあとでは遅い」猫猫は、過去にどんな経験をしたのか?
- 疑問 19-04 羅漢は、猫猫を抱きかかえる壬氏を見て、なぜあれほど驚いた?
- 疑問 20-01 なぜ翠苓のことを秘密裏に終わらせた?
- 疑問 20-02 壬氏は、なぜ身分を隠し、後宮管理者として生活している?
- 疑問 20-03 楼蘭妃は、なぜ訪れる度に雰囲気が変わる?
- 疑問 21-01 やぶ医者より先に後宮へ来た姉は、今どこにいる?
- 疑問 21-02 先の皇太后は、なぜ木の伐採に制限をかけた?
- 疑問 22-01 猫猫は、なぜ爪紅を流行らせた?
- 疑問 23-01 賭け対象にした「妓女の身請け」の狙いは?
- 疑問 23-02 羅漢に届いた文と巾着、誰が開いたのか?
- 疑問 25-01 楼蘭妃は、なぜそこまで侍女を増やす?
- 疑問 25-02 子猫はどこから来た?
- 疑問 26-02 キャラバンは、なぜ妊婦に影響のある香油と香辛料ばかり売っていた?
- 疑問 27-01 結局、玉葉妃に毒を盛ったのは誰?
- 疑問 28-01 異国の特使は、なぜ上級妃4人に鏡を献上した?
- 疑問 28-02 高順が相談した姉妹とは誰のこと?
- 疑問 29-01 異国の特使は何を企んでいる?
- 疑問 30-01 杏に香油から堕胎剤の作り方を、誰が教えた?
- 疑問 31-02 先帝が壬氏に渡そうとした石は何?
- 疑問 31-03 国母が来たのはいつ頃?
- 疑問 31-04 帝は、なぜ”選択の廟”を解いておきたかった?
- 疑問 31-05 壬氏は、なぜ”選択の廟”で真剣な顔をしていた?
- 疑問 32-01 皇太后は、なぜ診療所に?
- 疑問 33-01 後宮を追放された医官と女児は誰? 今どこに?
- 疑問 34-01 子翠の正体は?

1期の残が多いので、時間あるときに整理します
今週のX感想ポスト
#薬屋のひとりごと 35話
— 時文@ここアニ(『チ。』『薬屋』レビュー中) (@toki23_a) March 22, 2025
嵐の前の静けさから、風雲急を告げる展開
なのに黒幕も無事助かるかも気にならない😓
決意男と鈍感女
突然始まるラブコメの風…ある意味何が起きても2人だけの世界なのが凄い🤣でも人の恋路を邪魔する奴は犬に噛まれて死んじまえ!
告白する流れだけど話すのは身分だよね!?
関連記事
アニメ『薬屋のひとりごと』次話のレビューはこちら!
