【文字数(本文):約1万文字(目安16分)】
こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『薬屋のひとりごと』第28話「鏡」を鑑賞しました。
本レビューではアニメ感想だけではなく、原作・コミカライズ情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。
皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
今回アニメ化されたのは──
- 原作
-
3巻 7話「鏡」 ~ 8話「月精」中盤まで
- コミック
-
9巻 36話「鏡」 ~ 37話「月精・前編」中盤まで
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
今話で解決しなかった疑問
最下部「疑問点まとめ (Q&A一覧)」に記載
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレなし
『薬屋のひとりごと』は、小説投稿サイト「小説家になろう」連載。
ライトノベルと、月刊誌2誌で別の漫画家によるコミカライズ2作品があります。
私は、ライトノベル、コミカライズ共に未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成します。
アニメ鑑賞
+
コミカライズ、ライトノベルを読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」
よって、次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください。
なお、原作ライトノベル、コミカライズの情報は、「原作情報」として区別できるよう記載します。
- 「ヒーロー文庫」のライトノベルを ── 原作
- 「月刊サンデーGX」連載のコミカライズを ── コミック

こんな感じです
緑系の色を目印にしてね!
引用部分も次のように緑系をワンポイントに ──
宦官が驚いた表情で猫猫を見るが、そんなの関係なかった。
引出しの見出しを眺め、珍しい薬を見つけるなり踊るような奇妙な動きをしてしまう。喜びがあふれ出て、頭の中に納まりきれなかった。
「なんかの呪いか、なにかか?」四半時、そんなことを繰り返したところだった。
by 『薬屋のひとりごと』原作1巻
いつのまにか現れた壬氏が奇異の目で踊る猫猫を見ていた。
コミカライズは、別の漫画家による2作品が刊行されています。
- 「月刊ビッグガンガン」連載の「薬屋のひとりごと」
- 「月刊サンデーGX」連載の「薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜」
両方読んでいますが、本サイトでは、アニメの補完となると情報の多い➋を選択しました。
「コミック」として紹介する情報は基本➋です。
が、今後も両方読んでいくので、➊にしかない情報があれば、その時は注釈を付けて紹介します。

同じ内容なのに、2つも読むんだ・・・

その方が、理解が深まるんだよ
ちなみに、考察や疑問はオレンジ系。
補足や余談、参考情報はブルー系に色分けしているので、読む際に目安にして下さい。
2期 全24話 各話リスト
話数 | サブタイトル | コミック | 原作 |
第25話 | 猫猫と毛毛 | 8巻 | 3巻 |
第26話 | 隊商 | ||
第27話 | 冬人夏草 | 9巻 | |
第28話 | 鏡 | ||
第29話 | |||
第30話 | |||
第31話 | |||
第32話 | |||
第33話 | |||
第34話 | |||
第35話 | |||
第36話 |
※話数:リンクは各話レビューへ
※サブタイトル:ネタバレを避けるため次話以降はマスク
はじめに
猫猫は高順から相談を持ちかけられる。
監視下に置かれた娘が、子を身籠もることができるか?
一方、異国の特使は50年前に祖父が見た「月の精」に会いたい、と無理難題を言う。
鏡よ鏡よ鏡さん、アナタはなぜここに来た?
どこか怪しげな特使達。
特使を直接描かず第三者の印象から当人を浮かび上がらせるのが『薬屋』風。
特使は敵か味方か、ただの取越し苦労か・・・。
高順が相談した姉妹は、特使と関係あるのか~~。

って、関係ないわけないよね

えっ、そうなの!?
全然分かんない

本編で解説します
一方、特使の「月の精」に会いたい要望、無理難題。
やり手婆にそんな過去が!?
時は残酷、全てを喰らう!?(苦笑)
いや、誰だって若い頃はあるし、年は取るんですよ・・・。
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第28話「鏡」
鏡
異国の特使から上級妃4人に姿見が献上され、珍しい玻璃製の鏡にはしゃぐ翡翠宮の面々。そんな折、高順が猫猫に相談を持ちかける。
玻璃製の姿見
立派な姿見でしょう?
by 玉葉妃『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
何でできているか分かるかしら。
珍しい鏡を手に入れ、猫猫を呼び出す玉葉妃。
この様子だと、玉葉妃は知っている様子 ──
この反射、玻璃製でしょうか。
── 当たりよ・・・。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
猫猫に簡単に答えられ、残念がる玉葉妃(笑)。
玻璃製の鏡は作るのが難しく、西方からの渡来品しかない。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
玉葉妃は西方の出。
だから、玻璃製の鏡を知っていたのでしょう。
というか後宮にも玻璃製の手鏡を持って来ていた様子。
ですが、桜花が割ってしまったので、今は玻璃製の鏡は翡翠宮にはない。
この口ぶりだと、恐らく西方以外から入手は困難なのでしょう。
ならば、他の妃は持っていない。
であれば ──
いくら物知りな猫猫でも西方の高級品は知らないだろう・・・。
と思い、たまには少し自慢してやろうとでも思い聞いたのでしょう(笑)。
が、あえなく撃沈。
恐らく猫猫は、西方に留学経験のあるオヤジから聞いていたのでしょう。
花より金儲け

猫猫も興味あるんだ?
by 桜花『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
前項でも書いたように ──
『薬屋のひとりごと』世界のこの時代、後宮では鏡と言えば銅鏡。
原作によると ──
銅鏡の場合、どうしても色がはっきり映らないが、この鏡だとそれはない。玻璃を薄く伸ばして作っているが、その表面に凹凸はなく、綺麗にそのままの姿を映し出している。
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
銅鏡は、どうしても色がはっきり映らないようです。

確かに中盤で猫猫が使った鏡は色がないね

あっ、ホントだ!
色味が出ない銅鏡に比べ、見たままの姿を映し出す玻璃製の鏡。
自分の姿を映す鏡に、キレイになりたい女子なら興味津々?
桜花がそう思ったか分かりませんが(苦笑)。
美に興味なかった猫猫が、鏡に興味を持った!?
侍女仲間の変化に期待を込めて聞いたのでしょう。
が ──
はい。
どういう構造になっているのでしょうか。
国内で量産できるようになれば儲けることが・・・。── うん、そうだね・・・。
by 桜花『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
猫猫は、やはり猫猫・・・。
興味を持っているのは別のことでした(苦笑)。
原作によると ──
なんと猫猫さん、桜花の期待に沿えなかったことを自覚しているようです!
「……うん、そだね」
猫猫の言葉に、桜花はぽんぽんと肩を叩いた。もっと違う観点から感想を述べたほうがよかったらしい。
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
ただ、どんな観点からの答えが桜花の期待に沿っていたかは分かっていないようです・・・(苦笑)。

本当にきれいですね、とかでいいのに…

そだね(笑)
にしても、これ程の高級品。
それも運搬が難しい姿見を、なぜ上級妃4人に献上したのでしょうか?
一体、特使の狙いは何なのでしょうか・・・。
異国の特使は、なぜ上級妃4人に鏡を献上した?
相談事
部屋の外にも下男を監視役に置き、夜は鍵をかけて出られないようにしたそうです。
もともと内向的な姉妹は、一日中部屋で刺繍をしていましたが、ある時・・・。
“父様、妹が・・・仙人の子を身籠もりました。”
by 高順『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
高順が猫猫の意見を聞きたい、と持って来た相談事。
猫猫の領域である、毒や(想像妊娠等の)医学系の相談ではありませんでした。
高順もはっきり言っています ──
── その妹が身籠もった事は確かなんですか?
by 高順『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
ええ、まあ。
そういう事にしておいて下さい。
問題は、監視を逃れて妹が抜け出すことができたかどうか、です。
夜は施錠、昼間は監視。
そのような状態で、部屋から抜け出すことができたかどうか、を知りたいのです。
牛黄
そういえば小猫。
by 高順『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
壬氏様からの言づてで、牛黄が遅れそうなので詫びの品だそうです。
牛黄とは ──
牛の胆のうに生じた胆石、様々な治療に使用される大変貴重なもの。
壬氏が、事件調査に興味なさそうだった猫猫に約束した報酬です。(19話 )

1期最終回(24話)、牛黄をまだもらっていないことを思い出した猫猫が壬氏に問うと頭突きされました。
壬氏は、まだ牛黄を手に入れてなかったのです。
最近、壬氏様のもとに貴重な霊薬を贈る者が多いと聞きましたよ。
by 紅娘『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
やけに熱心に探していると噂ですから。
1期ラスト。
アニメではカットされましたが、原作によると、実はこんな噂が流れていました ──
大陸の中央に位置する、とある大国。どこから漏れたか、そこのやんごとなき貴人が霊薬ばかりかき集めると噂になる。
by 『薬屋のひとりごと』原作2巻
壬氏の執務室が、見舞いの花でいっぱいになり入れなくなったと知ったのは、午後の茶会のときであった。
霊薬ばかり集めていると噂になったのは、もちろん牛黄を探しているからですね。
その噂は、侍女頭・紅娘の耳にも届いていたのです。
って、壬氏様が求めている噂が流れれば需要が高まる!?
テレビのワイドショー並か、今で言うところの超有名インフルエンサー級!?

いや、ただ金の匂いがするからじゃ…

あっ…
まあでも、そんな噂が広がれば、霊薬が壬氏の元に集まり。
珍しい霊薬は猫猫への餌として使え(笑)、お互い良いと思いますけどね・・・。
熊胆

── なんですかこれ?
── 熊胆です。熊の胆のうを乾かしたもので苦みがありますが消化器系の病で重宝される貴重な生薬です。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
貴重な薬の原材料を見て、興奮し早口でまくし立てる猫猫。
やはり、花より団子・・・いや、鏡より薬の原材料(笑)。
猫猫の表情を見ただけで、牛黄に比べても遜色のないくらいの喜びよう・・・。
いや、違いますね・・・。
牛黄の時は、名前を聞いただけで興奮し、普段はあれ程接近されるのを避けているのに自分から迫っていったのです!
証拠映像!
では、牛黄を手に入れた時は、猫猫は一体どんな表情を見せてくれるのでしょうか(笑)。
ちなみに・・・。
喜んで頂けて何よりです。
by 高順『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
本当は、壬氏様が直接お渡ししたかったようですが。
アニメではカットされましたが、原作では猫猫の心情描写があります。
なにぶん、忙しいようだから仕方ない。猫猫としては貴重な生薬がいただければ誰からでも問題はない。
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
全然気にしている様子はありませんでした(爆)。

可哀想な壬氏様…
そして、牛黄の遅れの詫びとは言え、貴重なものをもらった猫猫。
今回の相談事に対しても、何か言わないといけない気になってきたのです。

現金な猫猫…
トリック
監視は2人、それぞれがいつも同じ場所で見張っていた。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
そこで、こんな風に鏡を置いてみたらどうでしょう。
監視下に置かれた娘が、監視役に気付かれずに外へ抜け出した方法 ──
それは、鏡を使ったトリック。
前段で ──
これ見よがしに全身が映る姿見(がここには存在する事)を見せ、侍女に「玉葉様が二人いるみたい」とまで言わせていたので、鏡を使ったトリックに繋がるのは自然な展開。

ってか、ヒント出し過ぎ
でも、考えてみると・・・。
これらは逆に ──
- 鍵がかかってる夜に抜け出した
- 抜け出したのではなく、男が忍び込んだ
等々、横道に逸らせず、簡単に解決(納得)させるためでしょう。
作品が見せたいのは、鏡を使ったトリックではありません。
この相談事は、誰の何のことを指しているのか。
その誰かが(孕んでないとしたら)何の目的で監視下から抜け出したのか。
今話で描きたいのはその辺。
いや、高順が猫猫の意見を聞きたかったのは、昼間に監視下の部屋を抜け出す手段。
だから、そこに論点をフォーカスし、鏡を使ったトリックもあっさりと解いたのではないでしょうか。
であれば、もっとストレートに相談すればいいのに・・・。
なぜ、こんな遠回しな相談の仕方をしたのでしょうか?
それは、国の重大事項を外部の人間に話すわけにいかないからでしょう。
だけど、この謎を解きたい、いや、解かなくてはならない。
苦肉の策として、「仙人の子を身籠もった」などという物語を作り出したのではないでしょうか。
でも、猫猫は察しが良いので見抜かれてしまったようです・・・。
それを見越して、熊胆は口止め料の意味もあったのかもしれません(笑)。

えっ、そうなの!?

壬氏や高順がそこまで考えてたか分からないけど、猫猫はそう捉えている節があるね
姉妹とは誰のこと?
高順様は、良家の子女が家を抜け出し子を孕んだと言ったが、どこまで本当なのか疑わしい。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
猫猫は、今回の相談事、裏に何かあると気付いている様子。
まず、姉妹とは誰のことでしょうか。

姉妹の正体は、上記考察で多分正解だと思います。
が、作品では明かされていないので、備忘のために疑問点として残しておきます。
高順が相談した姉妹とは誰のこと?
妊娠は何の比喩?
実際に孕んだのは、もっと違う秘密なのかもしれない。
密偵の疑いがある者を客人として扱うこともあるだろう。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
「実際に孕んだのは、もっと違う秘密」?
「密偵の疑い」?
猫猫さん、最後に意味深なことを言いましたね。

「密偵」と聞いて、私は全てが繋がりました
当たっているとネタバレになってしまうので隠しておきます。気にならない方だけご覧下さい。
続きを読む (クリックして下さい)
少し入り組んでくるので、順番にいきましょう。
まずは「妊娠」について。
特使が妊娠したこと、が問題なのでしょうか?
違いますね。
大体、男と逢い引きして妊娠が分かる程長く滞在していません。

にしても、長い期間いるけどね(苦笑)
「部屋を出た」という謎事実を作れれば何でもよかった。
「妊娠」にしたのは、特使に縁遠く、少しでも特使の事だと悟られないようにする為でしょう。

猫猫には「孕む」という言葉から連想されてしまいますが…

猫猫スゴッ
重要なのは、なぜこんな鏡トリックを使ってまでして、特使は部屋を抜け出したのか?ということ。
特使は、子供ではなく何を孕んだのでしょうか?
猫猫は言っています ──
実際に孕んだのは、もっと違う秘密なのかもしれない。
密偵の疑いがある者を客人として扱うこともあるだろう。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
孕んだのは秘密。
つまり、この国の、あるいは誰かの秘密を手に入れたのではないでしょうか。
明らかに、部屋から外に出なければ得られない情報か物を入手したのでしょう。
(あるいは入手しようとしている?)
その事実を突き付ける為か、疑惑を確実にする為かは分かりません。
が、厳重な監視下のもと抜け出すことが可能かどうか猫猫に意見を求めたのです。
では一体、特使は何を得たのでしょう。
それは、アニメ冒頭にヒントがありました。
今話冒頭、(先に引用した)特使二人の映像直後、特使一人が誰かと会っています。
これこそが、部屋を抜け出して誰かと密会しているシーンではないでしょうか。
正直遠目で、確実とは言えませんが・・・。
特使が一人で会っているのは楼蘭妃の父・子昌に見えます。


えっ、あっ! ホントだ!

コイツと繋がってると思うだけで怪しさ満点(苦笑)
これが猫猫の言う ──
実際に孕んだのは、もっと違う秘密なのかもしれない。
密偵の疑いがある者を客人として扱うこともあるだろう。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
「密偵の疑い」に繋がるのではないでしょうか。
さて、真相や如何に!
さて、ここからは考察というより想像になります。
その辺加味してお読み下さい。
特使なんですから、誰であろうと堂々と会えば良いのです。
なぜ、こんなまどろっこしいことをするのでしょうか。
考えられるのは、繋がりを知られたくないから、でしょうか。
だから、鏡を使った大胆で大げさなトリックまで使った。
猫猫が言うように、玻璃製鏡は高価、そもそもこれだけ大きな姿見を遠路はるばる持ってくるのは大変だったでしょう。
鏡が割れてはトリックも使えず、元も子もありません。
私だったら、万が一のことを考えて複数の鏡を予備として持ち込みます。
もしかすると、上級妃4人に高級な鏡を献上したのは、鏡を複数枚持ち込むのをカモフラージュするためかもしれませんね。
こんな立派な姿見を4枚も持ってくるなんて、砂漠を越えるにしても海を越えるにしても大変だったろう。
妃達にここまで気を遣うとは、この国に大きな商談でも持ちかけているのかもしれないな。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
妃達に気を遣ったのではなく、妃達への献上品を隠れ蓑にして、トリックに使う姿見を持ち込んだ・・・。
なんて言うのは考えすぎでしょうか。

おお~~なんだかそんな気がしてきた!

まあ最後の部分は話半分に聞いておいて
月精
壬氏は、異国の特使から50年前に祖父が見た月の精に会いたい、と言われ困っていた。
真珠の涙を流す絶世の美女
薬屋、真珠の涙を流す絶世の美女の話を聞いたことはないか?
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
「真珠の涙を流す絶世の美女」を探す壬氏。
花街の妓女らしいので、花街育ちの猫猫に尋ねたのでしょう。
猫猫には、すぐに思い当たりました。
絶世の美女の正体は、緑青館のやり手婆。
やり手婆も50年前は美女だったのです(苦笑)。
さすが猫猫さん、超スピード解決!
これで壬氏様のお悩みも解決!!
とはいきません・・・。
原作では ──
「金子さえ積めば、すぐ参じると思いますけど、どうしますか」
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
「……いや、それはちょっと」
夢を壊すどころのものではない。むしろ、外交問題に発展する危険性がある。相手は美女が見たいのであって、干物を出すわけにはいかない。
猫猫も分かっているのです(苦笑)。
やり手婆を出してはいけないと・・・。

ってか、ヒドい言いよう!

干物を出したら外交問題に発展って…
それにしても ──
先方も50年前の人物だと分かってるのでしょう?
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
代わりの美女ではダメなのですか?
お望みの対象は、物や場所ではなく、人間。
50年もの前の人が今もその当時の状態のままではないことは、特使も分かっているはず・・・。
一体何が目的なのでしょうか?
単に困らせているだけのようにも見えますが・・・。
純粋に憧れの気持ちからか、それともこれも何かの作戦の一部でしょうか。

作戦の一部?

交渉の材料とか考えられるね
無理難題言って良い条件を引き出す、あとは時間稼ぎ

お~~なるほど
原作では ──
同性の目線になると嫌でも判定基準が厳しくなる。
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
と説明されています。
西方は美男美女揃い。
遠方の国では、他国との婚姻が進み、そこら中に美男美女がいると聞いたことがあります。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
その上、女性が女性を見る目は厳しい。
もしかすると、特使達は、祖父がそれほど褒め称えた美女を自分達の目で確かめたい、なんて可能性も考えられますね。

それ、なんか可愛いかも(笑)
特使は、50年前に「月の精」と呼ばれた女性をなぜ見たい?
面会室
── ハッ、随分シケたとこだねえ。茶の1杯も出ないのかい?
ここ、面会室みたいなもんだから。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
緑青館に行くと思ったら、やり手婆に後宮に来てもらったようです。
ここは面会室。
原作によると ──
数日後、後宮に壬氏の配下の宦官とともにやり手婆がやってきた。たとえ女であろうと、部外者である婆は後宮内に入れない。仕方なく、いつも武官の李白と会うときに使う部屋を貸してもらう。
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
女性であってもやり手婆は部外者だから後宮には入れません。
仕方なく、李白と会う時にいつも使っている部屋に呼んだのです。
李白と会う時に使う部屋とは・・・。
李白を花見に誘ったり (7話 ) ──

緑青館で花見はいかがかと。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第7話

懐かしい~~
李白を審査したり (21話 ) ──

では、最後の1枚も脱いでください!
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
李白との思い出が詰まった部屋ですね(笑)。
遷都
50年以上前だったかねえ。
前の前の主上様の時代さ。もとは遺跡を利用して作られた町があって、物見遊山の人がたくさん来てたんだ。
人の往来の多いところだったから、急に都になると決まってひと悶着あったらしいけどね。
by やり手婆『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
月の精は50年以上前の出来事で、前々帝時代の話。
つまり、やり手婆は現在70歳超。
老けて見えてたのは誇張、実際は50歳超程度だと思ってました(苦笑)。
1期時代に推測した鳳仙との関係は外れですね。(25話 )
失礼しました。

その上の可能性もあるか…
いや、このメリハリは違う血筋か(苦笑)
驚きだったのは、ここは以前から都ではなく遷都してきたのです。
それも僅か50年程前。
「まだ遷都したてで立派な城もなく」
「元はなにかの祭儀場」
急に決まった遷都に「ひと悶着」
遷都する前、ここはどういう場所だったのでしょうか?
遺跡というくらいだから、先祖代々遡れば何かありそうですね・・・。

ミステリー脳がアラームを上げている!

おおっ!
これも伏線ってこと!?
高身長
一番の理由は体格だろうね。
by 『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
あたしは背も高くて体にメリハリもあったから。
やり手婆は、自分が一番背が高かったから選ばれたと言います。
高順も後のシーンで言っています。
特使達もそれくらいの背丈ですし、あまり小さいと童のように見えるのでは?
by 高順『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
これは、日本人と欧米人に置き換えるとよく分かりますね。
同じ年齢で比較すると日本人は小さく、顔も幼く見えます。
特に若い頃は。
背が高くメリハリがあった方が、大人の女性っぽく見えるのでしょう。
でないと西方には通じなかったのです。
客観視
なんでそんなに気に入られてたの?
── そんなのあたしも知らないよ。やり手婆は物事を客観視できる人間だ。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
誇張はないだろう。
ここ何気に重要ですね。
「やり手婆は物事を客観視できる人間」
自分に対する評価も客観視しているということ。
つまり、やり手婆の証言は、自分を美化したり盛ったりはしていないということです。
やり手婆が選ばれた理由は ──
舞や美しさが飛び抜けていたのではなく、一番背が高くメリハリがあったから。
でも、やり手婆は普通に舞を舞っただけ。
特別なことなどしてない。
だから、特使に女神とまで言われる理由は分かっていなかったのです。
原作では ──
婆は物事を客観視できる人間だ。売れっ子妓女であったことは確かだが、相手がそんなふうに自分を持ち上げるほどだったかということには疑問を持っている。
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
明確に描写されています。
でも、進めなければなりません。
とりあえず、見た目上、当時を再現するために、175cm以上の女性を探すしかなかったのです。
大柄な美女
やはり背丈が175cmを超える、美女を黙らせる程の美貌の持ち主を・・・。
あっ・・・。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
猫猫は、妙案を思いつきます。
見つけました、大変適役な人物。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
背丈が175cmを超える美人でしょ?
猫猫が見つけたのは、大柄の美女ではなく、美人。
さあ~~て、一体誰のことでしょうか~~(笑)。

壬氏様!
復習です。
1期、壬氏から変装したいと頼まれた猫猫は、誘惑に駆られて一度女の化粧をしました。(17話 )

女の化粧をすれば、どんなに・・・。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第17話

この3人だけで良かった。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第17話
もし誰か別の者がいたら、大惨事だった。
別の誰かがいれば大惨事!?
口紅を塗っただけで、この破壊力。
顔全体に本気で女の化粧して、髪型、服装を整えれば・・・。
高順もこの時、壬氏の化粧顔を見ています。
だから、猫猫が言わんとすることが分かったのです。
まだ足りない
さて、大柄な美人も目星が付きました。
これで万事準備が整ったのでしょうか?
いいえ、実はまだまだです。

えっ、そうなの!?
壬氏の魅力で全然OKじゃあ…
いいえ。
猫猫自身も言っていましたよね ──

いくら当時の婆さんが美人だったとしても、女神とまで言わしめたのは何だったのか・・・。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第28話
どれだけ背が高く、舞が上手いとしても、月女神とまで言わしめるには、まだ何か足りないと感じているのです。
50年前と違い、今回の特使は女性。
それもとびきりの美女で、美に対する基準は更に高くなっている可能性があります。
つまり、前回に比べ、よりハードルが上がっているのです。
ただ、美人を揃えれば良いわけではない。
当時も、きっと何かあった(した?)はず・・・。
絵に手がかりがあるのでしょうか。
それとも、やり手婆の話に何か隠されているのでしょうか。
『薬屋のひとりごと』のことです。
やり手婆の衣装に擦りつけられた虫の死体も伏線に見えてきますね・・・。
虫と言えば、子翠。
そういえば、ラスト子翠が出てきたような・・・。

あ、何か分かってる顔!

これ以上、何も言わないよ(自主規制)
難しくないので、自分で考えましょう!
さて、遠く異国で語られた昔話は、尾ひれはひれが付いたのでしょうか。
あの絵は、美化されているのでしょうか・・・。
おわりに (『薬屋のひとりごと』28話とは)
遂にやってきた特使。
なのに、考えてみれば特使たち一言も言葉を発していませんね(笑)。

あっ、ホントだ!

なのに、すごい存在感!
今話は、次話に繋がる幕間の位置付けでしょう。
色んな意味で、本番は次話?
次話に向けて、あれこれ考えを巡らすのが今話の楽しみ方。
そう考えると ──
アニメは、(謎解きに対して)易しい作りになっていますね。
原作小説やコミカライズに比べ、謎を解くヒントが多く散りばめられています。
例えば、特使が瓜二つの二人の女性という点。
原作小説やコミカライズでは、女性であることすら壬氏が「月の精」の話をする頃まで明かされていません。
が、アニメは特使を描くだけで・・・というか、25話ラストに女性二人だと描かれてましたし、なんならOPに登場しています。
そして今話では、冒頭シーンで女性ということだけでなく二人はそっくりだと明かしています。
となると、先に書いたように、高順の相談を聞いた瞬間に、特使と関連付けて考えてしまいます。
メディアの違いだと言われればそうかもしれませんが、たとえ映像化しても隠せなくはないと思いますが・・・。
故に、アニメは謎解きに対して少し易しくしているのではないかと思ったまでです。
だからと言って『薬屋のひとりごと』の魅力が損なわれる、と言っているのではありません。
鏡のトリックは(視聴者でも)解けるのが前提。
なんだ今回は簡単じゃん、と感じさせること自体がミスリードでしょうから(笑)。
重要なのは、その先 ──
その姉妹は誰のこと?
(姉妹が特使なら)妊娠は何を意味している?
(抜け出したのが特使なら)特使は一体何をした?何をしようとしている?
これらの謎は、まだ残しているのですから。
さて、次話は作画で見せる?壬氏が魅せる!?
猫猫(と子翠?)が見せる演出にも期待できそうな1話になりそうです!
以上、TVアニメ『薬屋のひとりごと』第28話の感想&考察レビューでした。
長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。
次話のレビューも書く予定です。
良かったらまたお越し下さい。
最新情報はX(@toki23_a)にて!
ではでは。
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疑問点 まとめ(Q&A一覧)
この章では、疑問点をまとめていきます。
- 今話で発生し解決した疑問は、本文で解説して本章(ここ)でまとめ
- 今話で解決しなかった疑問を、疑問XX-XX(話数-通し番号)として記録
⇒ 本章(ここ)でまとめ - 答えは、推測ではなくできるだけ(原作含む)作品内で明らかになった事実を記載
※推測が入る場合は、断りを入れる
⇒ 解決した疑問は、次話で削除
今話で解決した疑問 (クリックすると答えが表示されます)
今話で新たに発生し、解決しなかった疑問
- 疑問 28-01 異国の特使は、なぜ上級妃4人に鏡を献上した?
- 疑問 28-02 高順が相談した姉妹とは誰のこと?
- 疑問 28-03 特使は、50年前に「月の精」と呼ばれた女性をなぜ見たい?
残っている疑問 (クリックすると表示されます)
- 疑問 02-01 壬氏は、後宮管理者なのに、なぜ後宮の外まで判断を求められている?
- 疑問 02-02 水差しの弁償、仕送りから引いたのは期間限定?
- 疑問 02-03 結局、秘薬は何の為だったの?
- 疑問 03-01 西都の玉葉妃が、異国の姫とは?
- 疑問 05-01 粉を染み込ませた木簡は、誰が何に使っているのか?
- 疑問 05-01 簪(かんざし)を渡す意味は?
- 疑問 06-01 園遊会で、なぜ壬氏は違うカンザシを挿し、襟が乱れていたのか?
- 疑問 09-01 壬氏と亡くなった武人・浩然との関係は?
- 疑問 10-01 後宮内の事件に最終判断を下しているのは誰?
- 疑問 10-03 現帝の東宮時代、妃はなぜ一人しかいなかったのか?
- 疑問 11-01 阿多妃を南の離宮に住ませるのは、帝の愛着か、それとも・・・
- 疑問 11-02 阿多妃の子は生きているのか?
- 疑問 12-01 やり手婆は、なぜ猫猫を妓女にしたい?
- 疑問 13-01 壬氏は、帝に何を頼まれたのか?
- 疑問 14-02 爆発現場にあった上等なキセルは、倉庫番のもの?
- 疑問 15-01 馬閃は、なぜ猫猫を嫌っている?
- 疑問 17-01 壬氏は、なぜ変装しなくてはならない?
- 疑問 17-02 壬氏は宦官なのに、なぜ武官のような野営を知っている?
- 疑問 18-02 使い物にならない妓女を、やり手婆はなぜ離れに住まわせている?
- 疑問 19-03 「何か起こったあとでは遅い」猫猫は、過去にどんな経験をしたのか?
- 疑問 19-04 羅漢は、猫猫を抱きかかえる壬氏を見て、なぜあれほど驚いた?
- 疑問 20-01 なぜ翠苓のことを秘密裏に終わらせた?
- 疑問 20-02 壬氏は、なぜ身分を隠し、後宮管理者として生活している?
- 疑問 20-03 楼蘭妃は、なぜ訪れる度に雰囲気が変わる?
- 疑問 21-01 やぶ医者より先に後宮へ来た姉は、今どこにいる?
- 疑問 21-02 先の皇太后は、なぜ木の伐採に制限をかけた?
- 疑問 22-01 猫猫は、なぜ爪紅を流行らせた?
- 疑問 23-01 賭け対象にした「妓女の身請け」の狙いは?
- 疑問 23-02 羅漢に届いた文と巾着、誰が開いたのか?
- 疑問 25-01 楼蘭妃は、なぜそこまで侍女を増やす?
- 疑問 25-02 子猫はどこから来た?
- 疑問 26-01 水晶宮侍女頭・杏が受け取った言づてには何と書いてあった?
- 疑問 26-02 キャラバンは、なぜ妊婦に影響のある香油と香辛料ばかり売っていた?
- 疑問 27-01 結局、玉葉妃に毒を盛ったのは誰?

1期の残が多いので、時間あるときに整理します
今週の感想ツイート
#薬屋のひとりごと 28話
— 時文@ここアニ(『チ。』『薬屋』レビュー中) (@toki23_a) February 1, 2025
鏡よ鏡よ鏡さん、アナタはなぜここに来た?
どこか怪しげな特使達、特使を直接描かず第三者の印象で当人を浮き上がらせるのが薬屋風。敵か味方か勘ぐりか、高順が相談した姉妹は特使と関係があるのか~😆
やり手婆にそんな過去が!?
時は全てを喰らう😂壬氏は性別を超える!?🤣
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アニメ『薬屋のひとりごと』次話のレビューはこちら!
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