こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『無能なナナ』第2話「時間遡行」を鑑賞しました。
予想外の「ちゃぶ台返し」で終わった前話!
だけど同じ手は使えません。
力が試される、色んな意味で楽しみな2話!
「ネタバレ厳禁」系なので、未見の方はアニメ鑑賞後にどうぞ。
今話の原作
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレはありません。
アニメ鑑賞後の感想
+
原作コミックを読み
知り得た情報を加味して「解説・考察」
私は原作コミック未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成しています。
よって・・・次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください。
作品レビュー 一覧
※話数:リンクは各話レビューへ
※サブタイトル:ネタバレを避けるため次話以降のマスク
今回のあらすじ
「人類の敵」とは能力者たちのことだった。
柊ナナは秘密裏に能力者全員を抹殺する命を受けていた──
中島の無断欠席を心配するクラスメイト。
時間遡行能力を持った渋沢ヨウヘイが、ナナと共に、中島の行方を探し始める。
「異能力学園バトル物あるある」で始まった1話。
ラスト、衝撃の「ちゃぶ台返し」で驚かされました!
2話冒頭で、世界感と、ナナがこの学園へ来た経緯の説明。
ナナが置かれた状況は把握。
が、かなり無理ゲーでは・・・
と思っていた矢先に、チート能力者「時間遡行」登場!
では、今話を振り返っていきましょう!
感想&解説レビュー 第2話「時間遡行」
寮 ナナの部屋 (ナナ)
中島ナナオを始末した翌朝。
ナナは端末を眺める──
したがって、彼ら能力者と呼ばれる人間たちはすでに人間ではない。
いわば、人類の敵である。以下は、彼らが過去に起こした最大事件の一例である。
by 『無能なナナ』TVアニメ2話
「彼ら」とは「能力者」全般を指していて、この学園にいる生徒達のことではない。
ここにいる生徒達は、今の所、罪を犯してないし、事件も起こしてなさそう。
だけど、能力者を「既に人間ではない」と言い切っているのが、少し怖い。
ナナの端末を見る表情が、少し悲しげに見えるのは、気のせいでしょうか・・・
委員会 (ナナの回想)
アニメは原作とは少し構成が違います。
──能力者にまつわる歴史──
世界各地に能力者が現れ、事件を起こす者が現れた。
国家は能力者とも協調し安定を保とうとしたが叶わず。
──能力者と人類の戦争が始まり、人間側が勝利
現在は、能力者の存在を認め、訓練施設と称された学校に徴募。
だが、国家は能力者を秘密裏に処理しようとしていた。
能力者とは共存できない
人は、自分にない力を持つ者に恐怖する。
しかし、能力者が全て悪ではないでしょう。
かつての戦争も、どちらが悪いのか、この説明だけでは分かりません。
ですが──
人類(無能力者)は、能力者と共存できない
と国は結論づけた。
事件や反乱を起こしてからでは遅いということ。
けれども、能力者も”表向き”は人間。
危ないからと言って、何も起こしてない能力者を、処分できない。
そこで、秘密裏に処理しなくてはならないということか。
どうしてナナに!?と突っ込んではいけない
そこで、柊ナナに、能力者を始末するよう使命を与えた──
って、なぜナナなのか、説明は一切なし!?
失敗は許されない。
できるか?もし、事が露見し彼ら能力者が結託するようなことがあれば、我が国はおろか世界が滅びる。
我ら無能力者は、能力者に支配される。
すなわち人類の終焉だ。
by 『無能なナナ』TVアニメ2話
失敗すると、人類の終焉?
そんな重大ミッションを一介の女子高生に!?
ありえない・・・
いやいやいや、そんな突っ込みをしてはいけません!(笑)
能力者 VS 頭脳だけで戦う女子高生
この構図を狙っているのでしょうから!
様々な能力者に対して「能力なし」「力なし」「仲間なし」のヒロインが鋭い洞察力と柔軟な発想で、どう立ち向かうかが面白い!
温かい目で楽しみましょう♪(笑)
戦争から100年経過
アニメ鑑賞時、生徒達は、かつて能力者と無能力者が戦争したのを知らないのか?と不思議に思ってました。
原作には、戦争の時期が記載──
(さらに百年の)年月が流れ、人々の考えも国の在り方も変わった。
※()内がアニメではカット
by 『無能なナナ』原作コミック1巻
能力者との戦争は、100年前。
100年前なら、戦争経験者はもう生きてないでしょうから、恨みや恐れがなくなっていても不思議ではありません。
が、担任教師は能力者の対応に困ってはいるが、それほど恐れてはない。
前話(1話)の中島ナナオの回想シーンでも、能力者を畏怖する様子はなし。
かつて戦争があったことは、国が情報統制して歴史からも削除しているのかもしれませんね。
#あるいは逆とか・・・(笑)
池
水辺での戦闘を想定した訓練。
推進4メートルの池の上で、丸太を渡る生徒達。
訓練中、セイヤが一瞬で凍らせてしまう──
罪悪感を持っている?
モグオが中島を認める言葉を聞き、ナナは中島の背を押した手を眺め、一瞬思い詰めた表情に・・・
委員会から命じられ、能力者は”人類の敵”だと言われても、中島は犯罪など何もしていない。
さすがに心が痛むのか──
「未熟な子供が未熟な精神のまま能力など持てば、この世はどうなるか」
やはり、委員会は正しい。
by 柊ナナ『無能なナナ』TVアニメ2話
このセリフは、ナナが自分自身に言い聞かせ、奮い立たせている気がします・・・
ナナが仲裁に入ったわけ
セイヤとモグオがケンカを始めた。
担任教師はナナに仲裁を頼むが──
アニメ鑑賞時、なぜナナに仲裁を頼むのか不思議でした。
原作にはその理由が──
柊くん!キミ人の心読めるんでしょ
ケンカの仲裁して!※太字部分はアニメではカット
by 担任教師『無能なナナ』原作コミック1巻
ナナは心が読めるから、先生は仲裁を頼んだのです。
心が読めても、仲裁は難しいと思いますが・・・
先生は面倒なので、理由を付けて、ナナに押しつけたのでしょう(笑)。
学園 教室 渋沢ヨウヘイ
昼休み。
モグオが乱暴しようとすると、突然、モグオ自身が殴られた。
渋沢ヨウヘイは時間を止められると言うのだ。
渋沢はどうして学級委員長選出に出なかった?
渋沢ヨウヘイは時間を止めることができる。
能力バトル物ではチート級の能力「時間停止」!
プライドの高いセイヤも認める──
認めたくないけど、彼が学園で最強かもね。
by 郡セイヤ『無能なナナ』TVアニメ2話
時間を止めれば、攻撃される前に、避けることも相手を倒すこともできる。
敵になればやっかいな力!
では、前話(1話)、学級委員長選出に出なかったは、なぜ?
モグオ曰く、人類の敵と戦うのだから「クラスで一番強いヤツ」と言ってたのに。(1話 )
理由は、渋沢本人のセリフにありました──
誰がリーダーだとか、そんなことどうでもいいじゃないですか。
-中略-
私は、ご飯を食べるのが遅い人と、ご飯どきにうるさい人が大嫌いなのも分かってますよね。
by 渋沢ヨウヘイ『無能なナナ』TVアニメ2話
渋沢は、リーダー云々には、全く興味がない。
が、ご飯どき、うるさいのが許せないのです!
今は昼休みで、昼ご飯どき。
モグオは昼ご飯どきに、騒いでいたので、渋沢に止められたのです。
ご飯どきじゃなかったら、無視していたのでしょう(笑)。
食堂 (渋沢/ナナ/キョウヤ)
渋沢の能力に探りを入れるナナ。
渋沢の能力は「時間停止」ではなく「時間遡行」。
渋沢は、自分の能力を初めて見破ったナナを気に入り、仲間と呼ぶ。
そこへキョウヤがやってきて、時間遡行を使って中島の失踪を調べて欲しいと言い出す──
時間停止ではなく「過去に戻れる」
渋沢の能力は「時間を止める」ではなく「過去に戻る」だと見破ったのはお見事!
教室で、モグオに殴られかけた男のネクタイが元通りなのが気に掛かり、ナナは”ワザとコップを倒し”試したのです。
少し分かりにくいですが、ナナはかなり勢い良く水をこぼしたようです。
にも関わらず、水を一滴残らず拾い集めた。
時間をかければ、水を一滴残らず拾い集めることは不可能ではないが、考えにくい。
なぜなら、時間停止できるなら、時間かけて水を集めるより、席を立って避けた方が簡単。
それをしなかったのは「時間を停止して自由に動ける」のではない。
「過去に戻り自由に動いて(コップを掴み)、元の時間(位置)に戻った」ということ。
後に、戻った先で誰かに存在を認識されると、元の時間に戻ることが判明します。
ここでは、目の前にナナがいたので、一瞬しか戻れなかったのでしょう。
一瞬で、コップを掴む渋沢も大したものです。
まあ、時間停止をしても、時間を動かすときには元の位置に戻る制限がある可能性もありますが・・・
分かり安すぎるナナの反応
突然現れたキョウヤ。
その能力で、中島の失踪を調べてくれないか。
by 小野寺キョウヤ『無能なナナ』TVアニメ2話
アニメは、分かりやすいほど、ナナの表情に緊張が走ってました(苦笑)。
原作では、どちらかと言うとポーカーフェイスです。
笑顔は消えてましたが。
まあ、夕べ一緒にいたのだから、物騒なことを言われ動揺したと言い逃れできそうですが。
それよりも、キョウヤの存在が怪しくて緊張したと言えますね。
いきなり髪を触ってくるし・・・
キョウヤの能力が不明なので迂闊なことを言えない
キョウヤは、中島は休みではなく「失踪」と断言する。
昨夕、ナナが中島と一緒だったことも知っている。
そのナナに、中島と何をしていたのか、質問をする。
明らかにキョウヤはナナを疑っている様子──
下手にごまかしていいものか。
なにか能力で探りを入れているのかも・・・by 柊ナナ『無能なナナ』TVアニメ2話
表情は硬いが、ナナは冷静です。
キョウヤの能力は不明。
「心が読める」はないにしても、ウソが分かるとかの類かもしれない。
#髪の毛を触るのは、その条件?
なにかと尻尾はつかみたくなるんだ。
by 小野寺キョウヤ『無能なナナ』TVアニメ2話
そこでナナは、方向性を決めるために、まず「髪の毛を触る理由」を確認。
が、髪の毛を触る理由は大したことなし・・・
しかし、キョウヤが真実を言っているとは限らない──
そこで「人類の敵」を持ち出し矛先を逸らしたのです。
なんか、コメディっぽいシーンですが、冷静なナナさん、お見事です!
尞-崖 (渋沢/ナナ)
渋沢の時間遡行を使い、中島の行方を捜すことに。
過去へ戻り、寮から森を通り海へ行く二人を観察する渋沢。
徐々に、中島の殺害現場に近づいていく──
渋沢ヨウヘイの能力
「時間停止」も面倒ですが、「時間遡行」はナナにとり、もっと厄介・・・
ナナの使命は、秘密裏に能力者を暗殺すること。
過去を変えることができるなら、暗殺が成功しても、無かったことにされる可能性も。
対処は簡単ではないが、早々に手を打たなくてはならない能力だと判断。
「時間遡行」能力に、何か制限(弱点)があるはずだと、ナナは探りを入れる──
- 心で念じるだけで過去の同じ場所に戻れる
- 時間を遡れるのは24時間以内
- 戻った先で、他人に認識されると現在へ戻ってしまう
- 時間を遡れば遡るほど、体力を消耗する
──数秒戻るだけでも息切れ
──12時間以上戻ると、戻った先でも吐くほど
世界を作り直すのは難しい・・・
戻れる時間は24時間で、他人に認識されると強制終了。
他人に認識されずに、影響を与えるのは、意外と難しい。
確かに、人を殴ったり、コップを持ったりと一瞬の出来事のみ。
そんな制限付き能力で「世界を作り直しましょう」と宣言!
お花畑な、渋沢ヨウヘイ!
いや、だからこそ、ナナは、その自信過剰な性格を突いたのです。
他人に認識されなければ良いのですから、むしろ、調査能力、誰かに何かを知らせる使い方に特化すれば強力に。あとは、大事な物を守るとかにも能力発揮できそうですね。盗まれても、破壊されても、24時間以内なら取り戻せる!
調査、他人に何かを知らせる使い道なら、渋沢の「時間遡行」は強力。
中島の場合は、助けに行くのではなく、事前に知らせる方法が有効でしょう。
ナナは、それをさせないために夜まで待ち、24時間ギリギリだと伝え、それ以前に戻る選択肢を消したのです。
森-池 (渋沢/ナナ)
ナナは渋沢に「中島は”人類の敵”に襲われた」と言い、現場へ連れて行く。
過去に戻り、中島に逃げるよう声をかけて欲しいと──
その場所は、ナナが土を被せただけの、池の上だった・・・
このタイミングで出すか「人類の敵」!
ナナは「人類の敵」で渋沢を誘い出す。
すぐに時間遡行を使わないと間に合わない、と焦らせるのは詐欺の常套手段!
ナナはやはり普通の女子高生ではない!?
渋沢が過去で、中島が帰る姿は見てない。
が、何度も戻ったのだから、ナナが寮へ帰る姿は見たのでは??などと言う突っ込みはやめましょう(笑)。
“きっと”ナナは、自分が帰る姿を見られてないのを渋沢に確認した上で、作戦を実行しているのです!
きっと・・・
仕掛けと作戦がお見事!
あまりに一瞬だったので、ナナが何を仕掛けたのか分かりませんでした(苦笑)。
今話(2話)序盤の池での出来事をナナは利用したのです。
- 渋沢は泳げない
- 池はセイヤが氷漬けにした
凍った池の上に、土を被せ「地面に見せかけ」そこへ渋沢を連れていく。
セイヤが凍らせたのは今朝──
24時間前に戻ると、そこは”凍ってない”池の上──
⇒ 渋沢は同じ場所にしか戻れません
渋沢は泳げない──
さらに、12時間以上前に戻ると、戻った先で吐くほど体力を消耗。
⇒ 今回は能力限界の24時間前に戻らせた
結果──
過去へ戻った渋沢は、凍ってない池の真上に出現し、そのまま池に落下。
泳げない渋沢。
吐くほど体力を消耗していたこともあり、そのまま溺れ死ぬ──
これが、渋沢に仕掛けた作戦。
氷使いセイヤの能力で、池を一瞬にして凍らせたことにより、24時間前と現在とでの環境の差を利用した”仕掛け”!
「人類の敵」から中島を救うには”今すぐ”、”24時間前”に戻らなくてはならない!
渋沢の正義感を突いた”ウソの設定”!
そして、もう一つ。
渋沢の時間遡行には大きな弱点が・・・
渋沢は時間遡行で過去へ戻り、”誰かに見られる”と現在へ戻る。
これは逆に言うと──
「誰にも見られないと、現在へ戻れない」
渋沢は自分の意志で過去へは行けても、元の時間に戻ることはできないのです。
ナナの作戦はそこを突いたのです。
“仕掛け”と”作戦”が天晴れ!!
報告
- 名前
-
渋沢ヨウヘイ
- 能力
-
時間遡行
- 推定殺害人数
-
80万人以上
── 処理完了 ──
アニメと原作との違い
アニメ2話は、原作 1巻2話「時間遡行」(66ページ)をアニメ化。
違いは、本編でも書いたように、冒頭、委員会の回想シーンの構成が変わり、ナレーションで時代がカットされていた程度。
完璧と言っていいほど、原作に忠実なアニメでした。
アニメは、終盤少し駆け足かな?と思って見てましたが、原作も同じようにハイテンポ。
もう少しゆっくり見せて欲しいと贅沢な悩みが浮かぶほど(苦笑)。
おわりに (『無能なナナ』2話とは)
いや~~
前話(1話)は、ナナが何を考えているのか分からず、空気の読めないズケズケ言う女子くらいにしか思ってませんでした。
今話(2話)では、ナナの心の声がダダ漏れ所か、思考を全て描写してくれるので分かりやすい!
とはいえ終盤に見せたように、仕掛けの内容には触れず。
心情描写があるからと言って、”全て”話しているとは限らない!
心情描写は誰にも聞こえない。
だから”本音を話しているだろう”と、つい引っかかってしまう。
『無能なナナ』は、視聴者(読者)に対しての心情描写の使い方が巧い!
ちなみに、私は白ナナより、黒(赤?)ナナの方が人間くさくて好きです♪(苦笑)
◇◇◇◇◇
明らかになる世界感、能力者にまつわる歴史。
そしてナナに与えられた使命!
能力者同士がぶつかる作品は数あれど、無能力者との対決をメインにするのが面白い!
次回も楽しみです!
以上、TVアニメ『無能なナナ』第2話の感想&解説レビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
3話のレビューも書いているので良かったご覧下さい。
ではでは。
念じれば過去へ戻れるが、
念じても現在へ戻れないのが最大の弱点!
関連記事
アニメ『無能なナナ』第3話のレビューはこちら!