こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『無能なナナ』第6話「ネクロマンサー」を鑑賞しました。
次の能力者は、死者を操る能力者。
死者に記憶を語らせるので放ってはおけない!
シンジとユウカの能力入れ替え。
入れ替えた目的は不明ですが、トリックとしては面白い!
ただ、委員会の審査はザルですね(苦笑)。
今話の原作
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレはありません。
アニメ鑑賞後の感想
+
原作コミックを読み
知り得た情報を加味して「解説・考察」
私は原作コミック未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成しています。
よって・・・次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください。
作品レビュー 一覧
話数 | サブタイトル | 原作 |
第1話 | 無能力 | 1巻 |
第2話 | 時間遡行 | |
第3話 | 能力者VS.無能力者 | |
第4話 | ヒーリング | 2巻 |
第5話 | 能力者VS.無能力者 PART2 | |
第6話 | ネクロマンサー | |
3巻 | ||
第7話 | ||
第8話 | ||
第9話 | ||
第10話 | 4巻 | |
第11話 | ||
第12話 | ||
第13話 |
※話数:リンクは各話レビューへ
※サブタイトル:ネタバレを避けるため次話以降のマスク
今回のあらすじ
中島の殺害写真を見るも、ミチルは現状把握できず。
ナナのウソを信じ、事なきを得る。
ツネキチの死因を疑うキョウヤを前に、死者を操るネクロマンサー風間シンジが現れる──
天使のような存在で、ナナを信じ切っているミチル。
それでも、ナナを疑うようであれば、処分してしまうのか!?
使命の為には私情を挟まない、職人ナナ!
ミチルの回答は「すぐにヤルか」「いずれヤルか」の違いだけ。
職人ナナを前に、のんびりしたミチルの性格が、これ幸い。
事なきを得たが、それで良いのか?(苦笑)
とうとう、死体が生徒の目の前に。
解剖すると言って聞かないキョウヤの前に現れたのはネクロマンサー!?
死者に話をさせることができるというから、放ってはおけない!
にしても、正確な能力を把握するどころか、生死も見過ごされているとは(苦笑)。
能力者が優秀なのか、委員会がザルなのか・・・
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&解説レビュー 第6話「ネクロマンサー」
学校 体育倉庫 (ナナ/ミチル)
ツネキチの写真を見つけ、中島殺害シーンを見てしまったミチル。
ナナに問われるも、写真の意味を理解できないミチルは、ナナのウソを素直に信じてしまう。
もし、少しでも写真を隠そうとしたら、殺す
-中略-
だが、もし写真を差し出せば・・・
いずれ殺す
by 柊ナナ『無能なナナ』TVアニメ6話
天使ミチルが殺されなかったのでホッとしましたが、どちらにしても、ミチルを殺す気でいるナナ!
短いやりとりですが、心情描写と判断の過程を描く、この手のシーンが巧い!
「いずれ殺す」の瞬間はゾクッとしてしまいました!
なぜミチルをすぐに殺さないのか?
ナナの目的は、この島にいる能力者の殲滅。
能力の把握さえしてしまえば・・・
要は、殺し方さえ判明すれば、チャンスがあれば処分する。
ミチルは回復能力。
舌が届かない箇所を攻撃すれば問題なく処分できる。(4話 )
時間は夜中、場所は体育倉庫で、二人きりの状況。
毒で殺せば、ツネキチの治療中云々とごまかせる。
絶好のチャンスだと思うが、ナナは一端保留する──
なぜか?
ナナの目的は、能力者の殲滅
ナナの目的は「できるだけ多く」ではなく能力者の「殲滅」。
「殲滅」
残らず滅ぼすこと。皆殺しにすること。
制限時間があって、できるだけ数多く殺すゲームなどではない。
“全滅”が目的。
ならば、優先順位は”邪魔な存在”から。
「邪魔な存在」とは、事件の真相を探ろうとする者や、処分を執行するにあたり妨げとなる能力者。
序盤から、チート級の能力者を次々と相手にしているのはそのため。
ミチルはナナを疑ってもおらず、治癒能力はターゲットを復活させる可能性はあるが、完全に殺してしまえば問題ない。
だから、ミチルは「すぐ」ではない。
ナナに疑いを持たない限り「いずれ」なのです。
ミチルの蘇生は伏線か?
では、ミチルの能力が「邪魔な存在」になったら・・・
実は一度も成功したことないんですけど・・・
生き返らせようとしてました・・・by 犬飼ミチル『無能なナナ』TVアニメ6話
ミチルが蘇生能力を身に付ければナナにとって「邪魔な存在」に。
ミチルのこのセリフは、ミチルが新たな能力に目覚める伏線!?
『無能なナナ』の伏線は、二種類あります。
その人の将来に関するモノと、次の能力者に関するモノ。
4話終盤、ナナが「クラスは私のモノだ。殺害現場でも見られない限り私の信用は崩れない」と考えた次のシーンで、殺害現場の写真を持った予知能力者ツネキチが現れる。
この場合、ナナの心情描写が伏線。
ミチルのこのセリフは──
ミチルが蘇生能力に目覚めると厄介。
まだ目覚めてないから問題ないが、気を付けなくては・・・
ナナは、ミチルの体を心配するポーズで気遣い、蘇生能力に目覚めないように仕向け、新たな問題を発生させないようにした──
が、そこへネクロマンシーが現れる、という展開の伏線だったのではないでしょうか。
学校 講堂 風間シンジ・佐々木ユウカ
ツネキチの葬儀。
ツネキチの死因に疑問を持つキョウヤは、遺体を解剖すると言い出す──
そのとき、ツネキチの遺体が動き出す。
ネクロマンサー・風間シンジの能力だった。
この島には警察もいない?
この島に警察なんていないんだよ。
-中略-
キミら能力者が本気で悪さしたら、誰も取り締まれないよ。
いちおう非常時は、軍を頼ることになってるけど。by 担任教師『無能なナナ』TVアニメ6話
なんと、この島には警察はいない!
#坊さんはいるのね(笑)
どおりで、中島が殺害されたと訴えても、行方不明者が出ても、誰も調べないと思ってました。
先生には、本当の事は何も知らされてません。(3話 )
先生も被害者ですね。
確かに能力者が暴れたら、能力者でなければ取り押さえるのは難しい。
筋は通ってます!
が、実態は、能力者をこの島に隔離し処分するのが目的。
だから、警察を置き取り締まる必要もないのです。
委員会(政府?)がそのような環境を作ったのです。
これでは、非常時に軍を要請と言っても、軍は何をするか分かりませんね(苦笑)。
キョウヤの知識は独学か?
火葬に出す前に遺体を解剖、検死してみたい。
by 小野寺キョウヤ『無能なナナ』TVアニメ6話
キョウヤの部屋には「人体解剖学」がありました。(3話 )
キョウヤは医学生?
かどうかは分かりませんが、独学かもしれないですね。
でも、一体なんのために独学を!?
チョロイぞ、キョウヤ!
実際この目で見たときは驚きましたが、私はキョウヤさんが不老不死だと、小屋が爆発するより前、夜の崖上で中島さんの腕時計についてお話ししたあとから知ってました。
by 柊ナナ『無能なナナ』TVアニメ6話
3話ラスト、校務員室のガス爆発でも死ななかったキョウヤを見て驚いたナナ。
ナナのあまりにも驚いた顔に、キョウヤも矛盾を突いてました。(4話 )
その「矛盾」を「実際この目で見たときには驚いた」で済ませるとは!
ナナのことを疑っているのに、ナナの言うことは信じる。
キョウヤ、チョロ過ぎるぞ!(苦笑)
キョウヤは、ナナが犯人だとほぼ断定しているが、「無」能力とは思ってはない。
そこを利用したわけです。
シンジの顔色が悪い!
漫画と違い、アニメは色がつき、シンジの顔色が悪いのが分かっていいですね!
原作のシンジは顔色の違いなど全く分かりません。
ツネキチの遺体は土色なのですが・・・
シンジは生者と区別つきません。
目つきは悪いですが(笑)。
アニメ鑑賞時、登場当時は、ネクロマンサーだから、顔色が悪いのだと思ってました。
それに「影が薄い」「根暗」とか言われてましたしね。
その後、「授業にあまり出ない」「寮で寝てる」と言われたので、引きこもり状態だから顔色が悪いのだと思ってました。
なぜ顔色が土色なのかは、ラストに判明。
ヒントは示されていたのに、最後まで気付かせない、容姿の理由付けが上手いですね。
学校-森 (ユウカ/シンジ/ナナ/キョウヤ)
シンジは授業には出なかったが、夜中にユウカと会っていた。
原) ナナはこのとき既にシンジを狙っていた!?
シンジが死んで、騒ぎ出すのは、まずこいつか。
by 柊ナナ『無能なナナ』TVアニメ6話
アニメではカットされてますが、原作ではこの直後、夜になりナナは寮へ行ってます!
授業に出ないならば、こちらから出向くしかない。
※アニメではシーン自体カット
by 柊ナナ『無能なナナ』コミック2巻
男子寮へ行き、シンジの部屋に辿り着く前に、部屋からシンジが出てきたので、ナナは尾行したのです。
それが、森への目撃に繋がったのです。
二人同時に始末しようとした!?
そういうことか・・・
好都合だ。
まとめて死んでもらおう。by 柊ナナ『無能なナナ』TVアニメ6話
アニメ鑑賞時、少し引っかかってました。
「まとめて死んでもらおう」と言っておきながら、順番に殺す。
それに何が「好都合」なのだ?と。
片方だけ処分すると騒がれるから、順番に片付けるという意味での「まとめて」という意味なのだろう、と解釈。
原作読んで理解できました。
原作では、このセリフの後、一歩踏み出そうとしています。
ナナは、森で見かけた二人を、”ここで”処分しようとしたのです!
シンジとユウカは仲が良く、どちらか処分すると、もう一方が騒ぐ。
だから、二人をほぼ同時に始末しなくてはならない。
と考えていたら──
森でのデートを見て付き合っているのが判明。
なら、なおのこと二人をまとめて処分しなければならない。
こんな夜更けの人気のない森に、二人きりでいたから、処分するのに「好都合」だったのです!
そこへ、キョウヤが声をかけたのです!
つまり、キョウヤに殺害現場を見られる、あわやというシーンだったのです。
キョウヤは次に犯人が狙うのはシンジだと睨んでいる。
そして、夜は見廻りをしている。
キョウヤの目を盗むには、昼間しかないと、保健室から抜け出したのです。
学校-寮
ナナは、体育を仮病で休み、学校を抜け出し、男子寮にいるシンジを毒針で処理。
あとは保健室に戻るだけで良かったのだが、途中で溝に閉じ込められた猫を助けようとする。
原) シンジに声を掛けている
シンジ殺害に向け、男子寮へ向かったナナ。
アニメはいきなり寝ている所を襲ってましたが、原作では、シンジの部屋の扉をノックしています。
ノックをしても返事がないので、寝ていると思い、侵入したのです。
今回に限らず、部屋になんなく入っていくナナ。
この島の寮の扉には、鍵がついてないのでしょうか?(笑)
ナナは優しい?
男子寮に至るこの道を通ったと自白するようなものだが、やむを得まい・・・
by 柊ナナ『無能なナナ』TVアニメ6話
能力者を躊躇なく処分する職人ナナ。
だけど、猫の危険は見逃せない!?
「やむを得まい」とナナ自身が言っていることから、自分の犯行がばれるリスクよりも猫の命をナナは優先しています。
そういえば、キョウヤに校務員室でガス爆発を仕掛けた時も、猫が巻き込まれないように抱きかかえてました。
ナナの命の優先順位は・・・
能力者は罪人。
罪人は処分されなければならない。
ナナは命は大切にするが、罪人である能力者は許さない。
能力者の命は、命と思ってないのでしょう。
アンバランスな行為と感情は、キョウヤやユウカのナナに対する評価を迷わせます。
寮 (ナナ/ユウカ)
シンジを始末したナナは、その夜、ユウカの部屋へ忍び込み、毒針を近づける。
が、背後からシンジに襲われる──
シンジは既に死んでいて、ネクロマンサーであるユウカが操っていたのだ。
委員会は能力者の能力や生死を確認していない?!
ユウカ&シンジに、ナナが負けてしまった原因。
能力の偽り。
ユウカとシンジの能力は委員会も把握していなかったのでしょうか?
#ナナが持っている端末でシンジの情報は表示されたが、能力は描写されず
島への徴募時には、それぞれ正しい能力を見せ、この島へ来てから能力を入れ替える芝居をすればくぐり抜けられるが、そんな描写もなし。
物語の流れから察するに、徴募時から、能力を偽っていたのでしょう。
そうなると疑問が──
- 委員会は、能力者の能力を確認していないのか?
委員会は、島へ召集する能力者をどうやって見つけているのか不明だが、少なくとも、ユウカとシンジは「二人同時」に召集されたのでしょう。
その時、能力の証明は必要なかったのか?
シンジのネクロマンサーの能力は、ユウカが操作すれば問題ない。
問題は、ユウカの怪力。
念動力を持った能力者でも操らない限り、ユウカが怪力だと証明できない。
ゆえに「委員会は、能力者の能力を審査してない」と想定できます。
委員会にとって、能力者は脅威。
それも強く恐れている。
能力者は島へ隔離して処分。
強く恐れているが故に、能力者を公言する者は能力の種別関係なく島送りしているのではないでしょうか。
ついでに言うと、生死さえ気にしてないのでしょう。
だって、死者が能力者と偽る必要もないし、仮にあったとしても脅威に変わりはないのだから一緒に処分して問題ないのです。
逆に考えるとおかしなことばかりですよね。
「人類の敵」を倒すために集められ衣食住が保証された特別待遇なのに、審査も管理も緩い。
ユウカも何かおかしいと気付いているようですが、ユウカにとっては、大切なのはシンジと一緒にいられること。
だから、ユウカには、この島は居心地がいいのです。
報告
- 名前
-
風間シンジ (上記画像 左)
- 能力
-
死体操作 ⇒ 本当は「怪力」
- 推定殺害人数
-
30万人以上
- 名前
-
佐々木ユウカ (上記画像 右)
- 能力
-
怪力 ⇒ 本当は「死体操作」
- 推定殺害人数
-
-
── 対応中 ──
アニメと原作との違い
アニメ6話は、原作 2巻10話~3巻12話途中(80ページ)をアニメ化。
2巻終了し、3巻1話目の20ページ分進みました。
前話は、セリフの一部が所々カットされていました。
今話は、セリフはほぼ完璧でしたが、シーンが2箇所カットされてました。
セリフについては、むしろ分かりにくい箇所に、アニメオリジナルセリフを追加してくれています!
怖ぇ・・・
あれが、(死者を操る術)ネクロマンシーか・・・※()内がアニメオリジナル
by 飯島モグオ『無能なナナ』TVアニメ6話
スプラッター映画なら殺されてるぞ。
(イチャついているカップルは真っ先にな)※()内がアニメオリジナル
by 小野寺キョウヤ『無能なナナ』TVアニメ6話
両方とも分かりやすくなっていいですね!
おわりに (『無能なナナ』6話とは)
能力無効化、時間遡行、不老不死、ヒーリング、未来予知。
そして、今回の死体操作。
トップランク級の能力を惜しげもなく登場させる豪快な展開『無能なナナ』。
未来予知は手間取るだろうと思っていたら、これまた即断即決で対処していく。
今話も、あっさりシンジを処分し・・・と思っていたらどんでん返し!
ユウカは、自分が狙われることを想定していたわけではないでしょうが功を奏す。
とても良いカモフラージュになったのです。
単に能力者相手の心理戦だけでなく、相手側も一癖二癖あるのが面白い!
さあ、完全にマウントを取られたナナ!
この窮地からどう抜け出すのか!
次話も楽しみです!
以上、TVアニメ『無能なナナ』第6話の感想&解説レビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
7話のレビューも書いているので良かったご覧下さい。
ではでは。
ユウカは5年も能力を使い続けているの!?
関連記事
アニメ『無能なナナ』第7話のレビューはこちら!