vivy

アニメ【Vivy】9話 感想&考察 アントニオはなぜ自壊しようとしたのか?

Vivy 9話

こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『Vivy -Fluorite Eye’s Song-』第9話、鑑賞しました。

本サイトでは、原作ありアニメを原作情報の紹介と共に解説してきました。

Vivy』は原作なし。
#正確に言うと原案はあります

解説はできないので、あくまで個人的な解釈を含めた考察になります。
皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。

今話の疑問点 (リンクは該当箇所へ)

  • アントニオの乗っ取りをマツモトはなぜ疑問視?
    ヴィヴィの人格は消えてなかった?
     
  • 電子戦とは? 
  • ヴィヴィを助けたのは、マツモトの使命が変わったのか? 
  • アントニオはなぜ自壊しようとしたのか? 
  • アントニオの歌はなぜオフィーリアを超えられなかった? 

Vivy(全13話)各話リスト

話数 サブタイトル 任務
第1話 My Code -歌でみんなを幸せにするために- Mission 1
第2話 Quarter Note -百年の旅の始まり-
第3話 A Tender Moon Tempo -星たちとの歓談- Mission 2
第4話 Ensemble for Polaris -私たちの約束-
第5話 Sing My Pleasure -あなたを笑顔に- Mission 3
第6話 Sing My Pleasure -あなたを愛する-
第7話 Galaxy Anthem -歌でみんなを幸せにするために- Mission 4
第8話 Elegy Dedicated With Love -たった一人の大切なパートナー-
本レビュー Harmony of One’s Heart -私の使命、あなたの未来-
第10話 Vivy Score -心を込めて歌うということ-
第11話 World’s End Modulation -西暦2161年4月11日-
第12話 Refrain -私の使命-
第13話 Fluorite Eye’s Song

※リンクは各話レビューへ

ここまでの任務概要

任務 概要 経過年数 残り年数
Mission1 相川議員暗殺の阻止 Start 100年
Mission2 宇宙ホテル・サンライズ落下の阻止 15年 75年
Mission3 無人プラント・メタルフロート機能停止 20年 70年
Mission4 オフィーリアの自殺阻止 60年 40年

今回のあらすじ

あらすじ

オフィーリアの筐体はアントニオが乗っ取っていた。
自壊を止めようとするマツモトに、アントニオは攻撃を仕掛ける。

一方、垣谷ディーヴァの中のヴィヴィの引き出そうとしていた。

オフィーリアは既にオフィーリアではなかった。
パートナーであるサウンドマスターAI・アントニオが5年も前から
オフィーリアの筐体を乗っ取っていたのだ。

オフィーリアはアントニオ。
垣谷に似た青年は、垣谷本人がAI?に乗り換えた存在。

前回の衝撃のラストから、今回は種明かしだけでなくアクション満載の怒濤の展開。

オフィーリアの自殺は阻止できたが、死は止められなかった。
アントニオにとり結果は同じと言えるのか?

真実を知っていればアントニオに乗っ取られる前にオフィーリアを救えた
だが、それでは「小劇場の妖精」は生まれなかった

二人の使命は「歌でみんなを幸せにすること」。
ならば、アントニオが乗っ取ったことにより、使命は果たされたと言える!?

では、なぜアントニオは自壊しようとしていたのか?

オフィーリアとアントニオにとって、何が幸せだったのか?
オフィーリアは最後に救われたのか?

あなたはどう考えますか?

◇◇◇◇◇

前エピソードまでは、AIはあくまでAI、心はないといった描かれ方でした。

40年経った今エピソードでは、AIはもはや人間のよう。
特に今話、AIは心も感情も持っているのではないかと思ってしまうほど・・・

では、今話を振り返っていきましょう。

オリジナルテレビアニメ「Vivy -Fluorite Eye’s Song-」第9話予告
アニプレックス

感想&考察レビュー 第9話「Harmony of One’s Heart」

オフィーリアがアントニオ!?

二人の使命を果たすため、アントニオはオフィーリアの人格に自らのデータを上書きした。

乗っ取ったのは使命を果たすため

使命のためだ。

「歌で人々を幸せにする」使命を負ったオフィーリア。
そのサポートが私の使命だ。

だが、未熟な彼女には、荷が重かった。

by アントニオ『vivy』TVアニメ9話

オフィーリアを「未熟」と言うからには、彼女に不満を抱いていたということか

「歌で人々を幸せにする」使命を負ったオフィーリア。
そのオフィーリアをサポートするのが使命のアントニオ。

オフィーリアの未熟な点に我慢できず、筐体を乗っ取った。
アントニオの強い使命感が、行き過ぎた行動を取らせたのです。

ただ、前話冒頭、アントニオはオフィーリアには問題はないと言ってました。(8話)
悪いのは、歌の舞台と観客だと。

だけど一向に状況は変わらない。

使命感に強い故に、現状に堪えきれなかったのでしょうか。
オフィーリアに問題はないと知りながら、貪欲に上を目指さないオフィーリアへも物足りなさを感じるようになったのか・・・

この辺をもっと知りたかった。

愚かなAI

真に彼女を救いたかったのなら、アントニオなどという愚かなAIが誕生するより前に、彼女を魔の手から連れ出さなくてはならなかった。

by アントニオ『vivy』TVアニメ9話

アントニオは自らを”愚かなAI”と卑下しています

推測

アントニオ自身は自分が「愚かなAI」だと認めてないかもしれません。

が、オフィーリア視点に立った場合や、第三者であるマツモトから見た場合「愚かな行為」だと認識される、自覚があるのでしょう。

だから、自分を「愚かなAI」と表現したのだと私は解釈します。

オフィーリアを乗っ取ったのを”愚かな行為”だと分かっているのです
ただ、使命を果たすにはそれしかなかったとも確信しているようです

まるで、マツモトの登場が遅いと、悔やんでいるようにも聞こえますね・・・

5年前に助けることができたのか?

真に彼女を救いたかったのなら、アントニオなどという愚かなAIが誕生するより前に、彼女を魔の手から連れ出さなくてはならなかった。

by アントニオ『vivy』TVアニメ9話

オフィーリアを救うには「アントニオが誕生するより前に」連れ出すしかなかった

このセリフは、アントニオには最初から事件を起こす要因があったことを示唆しています

推測

アントニオは自分が欠陥品だと分かっていたのではないでしょうか

欠陥とは、使命達成に過度に執着し、手段を選ばない思考。
人間で言うと、自分の欲望を満たすために何をしても良い、と考える。

「歌で人々を幸せにする」使命に執着しすぎて、どのような手段を使ってでも達成を目指す。

アントニオは、歯止めが利かない自分が異常だと気付いていたと、私は考えます。

前話冒頭のアントニオの苛立ち。(8話)
そして「ちょっと怒りんぼで口うるさい理屈屋」な性格は、強い使命感の裏返しだったのではないでしょうか。

AIの人格を上書きできるのか?

アントニオ?
オフィーリアの人格プログラムに、自分のデータを上書きした!?

いや、そんなことは・・・

by マツモト『vivy』TVアニメ9話

そもそも、AIの乗っ取りなんてできるのでしょうか?
アントニオがやっているのだから、できるのでしょうが・・・

これまでのエピソードでもAIの乗せ替え話はありました

6話「無人プラント・メタルフロート機能停止」編

冴木博士はメタルフロートのグレイス本体からデータを抜き出し、傍らにいる似姿に乗せ替える計画でした。

実現には至りませんでした。

だから、技術的には可能なのでしょう。

更に、ヴィヴィのキャラ変も同じ理屈で考えることができます。

7話 「オフィーリアの自殺阻止」編(前々話)

ヴィヴィが大きなフリーズ&再起動してから人が変わったようになったのも、新しい人格が構築されたと言えます。

ただオフィーリアとは違い、ヴィヴィの人格はアーカイブ(音楽室)に待避していたので”上書き”されたのはありません

推測

再起動した際、人格プログラムがなくなっていたので、新たな人格が再構築されたのではないかと推測します

ただ、これだと初期化に近い状態になります。

ヴィヴィとナビの会話(7話)を聞く限り、再起動したとき記憶を無くしたが初期化とまでは言ってません。
#初期化されたのなら経験データは全て消去
#「記憶大丈夫?」などと言う質問はナンセンスです

となると考えられるのは・・・

人格プログラム再構築の際、過去のデータから「歌姫AIとして最適な人格を再構築した」なんて考えるのはチトご都合主義が過ぎますかね(笑)。

まるで人が変わったのも、ヴィヴィの過去で得た教訓を「持論だけど」と持ち出すのも説明がつきます(笑)。

よって『Vivy』世界ではAIの乗せ替えは可能だと推測できます。
マツモトは知っていたのでしょうか?

なるほど、コアとなった彼女を物理に取り返すことは不可能ですが、データを吸い出して、そこのボディに移し替えようと言うのですね

by マツモト『vivy』TVアニメ6話

マツモトは冴木博士に対し、グレイスのデータを移し替え再現させようとしているのをすぐに言い当てました。

マツモトも「AIは乗せ替えが可能」であることを知っています
では、なぜアントニオの乗っ取りを疑ったのか?

アントニオ?
オフィーリアの人格プログラムに、自分のデータを上書きした!?

いや、そんなことは・・・

by マツモト『vivy』TVアニメ9話

理屈として乗っ取れることを知っていたが、実際乗っ取れるかどうかは話が違います。

難しいのは、AI人権法による人権や、セキュリティ面。
アントニオがこの状態では人権など気にしてないでしょうから、セキュリティ面が考えられます。

ここからは、完全に個人的な推測です──

推測

これまでのミッションで、ヴィヴィ&マツモトは邪魔するAIと対峙してきました。

その際、ハッキングしたのはロボットや装置のみ。

AIに対してはハッキングしていません。
初期化プログラムやウイルスを送り込むことしかできませんでした。

AIに対しては乗っ取りは勿論、ハッキングも難しいのではないでしょうか。

その難しいことをやってのけたアントニオに「ありえない」と思った。
これがマツモトがアントニオの行為に疑問に持った可能性の一つ。

もう一つ──

とは言え、先に記載したようにAI同士のデータ移し替えは可能。
困難でもやる方法はあるはず。

AI本人が移し替えを許可したら、あるいは意図的にセキュリティレベルを下げればデータ移し替えが可能になるのではないでしょうか

普通は、乗っ取られたくないので外部侵入を許しません。

外部侵入を許可したり、セキュリティレベルを故意に下げたりはしないでしょう。
にもかかわらず突破したので、マツモトは疑問に思ったのではないか。

つまり、アントニオがオフィーリアを乗っ取れたのは、オフィーリアがアントニオを”受け入れた”からではないでしょうか

垣谷ユウゴの告白

Vivy 9話

垣谷はヴィヴィの中にある眠った人格を引きずり出そうとしていた。

垣谷の歪んだ愛

連中は先生を人として扱いたかったのか、それともAIとして扱いたかったのか。
あの晩、全てが気持ち悪かった。

どうしてお前や先生のようなAIが生まれるんだ。

若かった俺は、世の中の全てのAIが消えればいいと思った。
その思想を持つトァクとも共演した。

by 垣谷ユウゴ『vivy』TVアニメ9話

垣谷が憧れていたピアノの先生。
慣れない人助けで死んでしまったことを悔しがり、プライバシーも何もない気持ち悪い葬儀にショックを受ける。

結果、全てのAIがなくなれば良いと考えていく垣谷。

かなり歪んでますね・・・

垣谷のように、AIは「狭義の意味で人間の命令を忠実に従えば良い」と考えたとしても、悪いのはAI達ではありません

恨む対象は、そのようなAI思想を設計した研究者、実際に生み出したメーカーなはず

ただ、このように考えるのは現実社会に当てはめるから
『Vivy』の世界での真相はどうなのでしょうか?

何を言いたいのかと言うと、垣谷の思想が的を射ている可能性もあるのではないか──

推測

『Vivy』の世界では、あらゆるところでAIが活躍しています。

ですが、AIの中身 “なぜその解を選択したのか”
アウトプットへの過程(ロジック)は、まだ解明できていないのではないでしょうか

45年前、同じ記憶を共有すれば同じ性格になると実験されたエステラとエリザベス。

40年前、エステラがサンライズ落下被害を止めたという”献身的な行動”だけを見てシスターズが優秀だと判断する研究者。

今の時代でも、オフィーリアの自殺で、AIに心があったとの主張がはびこる。

これらは全て、AIの中身(決定プロセス)が解明できてないことを示唆しています

ならば、最初の設計思想は「AIは狭義の意味で使命を果たす」としていた可能性もあるのではないでしょうか。

ところが、研究者の予想を超えてAIは進化をしていった──
使命に対して直接的なことだけでなく、使命を広義の意味で捉えるように。

垣谷のピアノの先生やヴィヴィ、エステラ&エリザベスやグレイスのように、行動範囲を広げていったのではないか。

だとすると、AIがそのように進化したのはAI自身。
垣谷の怒りの矛先がAIなのもうなずけます。

もう一度、垣谷のセリフを見てみましょう。

連中は先生を人として扱いたかったのか、それともAIとして扱いたかったのか。
あの晩、全てが気持ち悪かった。

どうしてお前や先生のようなAIが生まれるんだ

若かった俺は、世の中の全てのAIが消えればいいと思った。
その思想を持つトァクとも共演した。

by 垣谷ユウゴ『vivy』TVアニメ9話

「研究者は使命”だけ”を忠実にこなすように一つの使命を与えたのに、どうしてヴィヴィやピアノの先生は、使命以上のことにまで手を出すのだ?」

と垣谷は言っているように解釈することも可能ではないでしょうか。

この解釈が正しいかどうか分かりません。
あくまで、私の推測の延長で書いてます。

ただ、このように解釈の幅を持っておくと、作品をより楽しめるのではないかと思い、記載しました。

一つ引っかかると次々気になりだして、作品に共感できなくなるのはよくあることです。

アニメは楽しんで見るモノ。
私はいつも色んな解釈を考え見るようにしています。

その方が、アニメをより楽しめるのではないかと♪
まあ、堪えられない時もありますけどね(苦笑)。

垣谷のボディはAI?

教えてくれ。
トァクを離れたのも、この体に乗り換えたのも、全ては貴様から、その答えを得るためだ。

by 垣谷ユウゴ『vivy』TVアニメ9話

垣谷の体はAI、ロボット?

『Vivy』世界ではAIは汎用型とヴィヴィのような自律型の2種類しか出てきていません。
人型のAIは、首の印で区別ができます。

垣谷の首には、何も印は付いていません

推測

よって私は、垣谷はAIではないと考えてました。

長寿命と若返り技術が実現したか、臓器を機械化したサイボーグとして生きてきたのだと推測していました。

そもそも、あれだけAIを憎んでいたのだから、まさかAIに乗り換えるとは思いませんでした(苦笑)。

ところが、死に際のセリフ──

皮肉な話だ。
人とAIの境界を分かつ、その俺がこのザマだ。

by 垣谷ユウゴ『vivy』TVアニメ9話

「このザマ」とは「毛嫌いしていたAIになった」というのが自然な解釈

執念は凄いが、信念がない(苦笑)
いや、忌み嫌っていたAIに乗り換えてでも目的を果たしたかった、並々ならぬ執着心だったと取るべきか

でも、なぜ首に印がついていないのでしょうか?
元人間だからでしょうか?

推測というか、妄想…

だとすると、説明されていないだけでこの世界には既に永遠の命を手に入れた(元)人間があふれているのかもしれないですね(笑)。

本作、AIの技術発展や社会への影響は描かれます。
が、AI以外の科学技術、そもそもの人間社会、社会観念があまり描かれてないのが不気味なんですよね・・・

いずれにせよ、ヴィヴィから答えを聞くため”だけ”に嫌悪するAIに乗り換えるのは見上げた根性です。

ヴィヴィを狙ったのは記憶を取り戻すため

まだ、まがい物のままか、ヴィヴィ。

by 垣谷ユウゴ『vivy』TVアニメ9話

垣谷の目的は、ディーヴァをヴィヴィに戻し、答えを聞き出すこと

となると、7話中盤、倉庫のワナ。
ディーヴァが危険に直面すればヴィヴィの記憶が甦るだろうと仕組んだのですね

私はてっきり、オフィーリア向けのワナに、ヴィヴィが引っかかってしまったのだと思ってました(苦笑)。

アントニオとの戦闘

一部をヴィヴィの救出に差し向けたマツモトは、アントニオの攻撃に苦戦していた。

完璧な姿ではなかったのはそのため

残りのボディ全てが彼女に追いつくまで、このまま演算を続けなくては。

by マツモト『vivy』TVアニメ9話

前話、垣谷らしき人物を見つけ追いかけたヴィヴィと、控え室から消えたオフィーリアのどちらを追いかけるか迷ったマツモト。

重要なのは使命。
優先順位をはき違えるな!

by マツモト『vivy』TVアニメ8話

と言っていました!

なのに、ヴィヴィに対してボディの一部を差し向けていたのです

AIらしく、いやマツモトらしくない(苦笑)。
マツモトも感情を持ち始めたのでしょうか・・・
#その解と思われるセリフは後ほど

初めまして、オフィーリア。
マツモトと申します。

完璧な姿でご挨拶できず、すみません

by マツモト『vivy』TVアニメ8話

前話、オフィーリアに「完璧な姿で挨拶できず」と言ってたのは、ボディの一部がなかったからだったのです。

オフィーリア、いや誰にもマツモトの完璧な姿など分からないのに、相変わらずにウィットに富んでます

電子戦とは

これは、電子戦プログラム!?

by マツモト『vivy』TVアニメ9話

電子戦

現実世界の「電子戦」とは電子攻撃、電子防御、電子戦支援のこと。

電子攻撃は、電波妨害や高出力電磁波で破壊する兵器のこと。
電子防御は、電子攻撃を防いだり、探知されないようにステルス化すること。
電子戦支援は、電子戦の情報収集です。

電子戦とは電磁波を使った攻撃なので物理的には見えません。
アニメ的な演出で視覚化され、分かりやすいですね。

地雷チックに使っているのは、電子戦というより、サイバー戦に近いと感じました
浸食された足をパージするのもウイルスに感染されたっぽいですしね。

マツモトの使命

残りのボディが全てヴィヴィの元へ辿り着き、マツモトはアントニオとの戦闘に注力する。

マツモトの使命が変わったのか?

ここに来た僕の目的はオフィーリアの自壊を止めること。
しかし、使命は違います。

僕の使命はパートナーと共に計画に準じることです。

by マツモト『vivy』TVアニメ9話

マツモトの使命はオフィーリアの自壊を止めることでも、オフィーリアを助ける事でもありません

「人間とAIとの戦争の回避すること」がマツモトの使命。
その使命を果たすには──

重要なのは使命。
優先順位をはき違えるな!

by マツモト『vivy』TVアニメ8話

前話で、マツモトは「優先順位をはき違えるな」と自らを自制しました。
にもかかわらず、オフィーリアとヴィヴィの両方へボディを差し向ける。

シンギュラリティポイントとなるオフィーリアの自壊は止めなくてはならない
が、今後の計画遂行にはヴィヴィと共に実施することが最適だと判断したのです

まるで人間のバディ物のような熱い展開。

だが、相手はあのマツモト(笑)。
少し冷静に考えてみましょう。

マツモトが言う「パートナーと共に計画に準じる使命」とは・・・

推測

3つの可能性が考えられます。

  1. 今後のシンギュラリティ計画にヴィヴィが必要
  2. ヴィヴィと共に計画に準じた方が成功率の上昇が見込める
  3. ヴィヴィを大切なパートナーと認めた(感情的)

順に説明します

今後のシンギュラリティ計画にヴィヴィが必要

マツモトがヴィヴィをパートナーにしたのは偶然ではありません。
松本博士の意図です。

DIVA。
許さなくていい、恨んでくれ。

私をどん底から救ってくれたのは、他ならない君なんだ。

by 松本博士『vivy』TVアニメ1話

ならば、シンギュラリティ計画にヴィヴィが必要だということ

必要なのは、ヴィヴィの能力なのか、キャラクターなのか・・・
今エピソードで、ヴィヴィの性格が変わってもマツモトは戻そうとしませんでした。

ヴィヴィのボディがあれば良いという考え方も成り立ちます

は、根底は同じ考え方。

1人よりも2人。
マツモトがヴィヴィを計画実行に有用な存在と認めたということ。

それを、合理的に演算処理で求めたのが

ヴィヴィに危機が迫ると勝手に動く体、ヴィヴィを失うと考えると押し寄せる不安と喪失感。
(マツモト本人は気付いてないかもしれないが)感情で判断したのが

AIが感情で判断するなんて、ありえないですか?

今回、アントニオは使命にそぐわないのに自壊を図りました。
これは、AIも感情で判断を変えかねないことを示唆しているのではないでしょうか。

いずれにせよ、マツモトは使命の解釈を変えたのです。
ヴィヴィが「歌でみんなを幸せにする」ためには、人間の命を守らねばと考えたように。

6話で、ヴィヴィはシンギュラリティ計画を実行すると決意
今回は、マツモトがヴィヴィを真のパートナーと認めたのです

シンギュラリティ計画を、遂行する 

by マツモト&ヴィヴィ『vivy』TVアニメ9話

決着-対アントニオ

全ての処理能力を取り戻したマツモトはアントニオを圧倒する。

アントニオはなぜ自壊しようとしていたのか

違う・・・違う!
オフィーリアの歌は、その歌声はこんなものじゃない!

なぜ、そんな顔をする。
なぜ、満ち足りている。

彼女の立場に焦がれ、同じであれないのは何故だ!
オフィーリアは何を思い歌い続けた!

by アントニオ『vivy』TVアニメ9話

このセリフにアントニオの本音が集約されています。

アントニオはオフィーリアを乗っ取ったが、思い描いていた歌を歌えない
それどころか、オフィーリアが歌っていた時より劣っている

なのに、オフィーリアの評価は高くなっていく

オフィーリアの歌は、その歌声はこんなものじゃない! なぜ、そんな顔をするなぜ、満ち足りている

リハーサルの後、睨んでいたのは、満足そうなスタッフを見たから。(7話)
フェストップバッターで歌った後、睨んだのも、満足そうな観客を見たから。(8話)

アントニオはオフィーリアの素晴らしい歌声を多くの人に届けたかったのに、それより劣る歌声しか届けることができず、思い詰めていた。

『ゾディアック・サインズ・フェス』に参加すれば、他の歌姫に聞けば何か得られるかもしれない。

だが、フェスでも解決策は見つからず、解は永遠に見つからないと判断。
これ以上、納得できない歌を披露し続けるのに堪えきれず、自壊を選んだのではないでしょうか

歌でみんなを幸せにする」。
歌の内容はどうあれ、評価されたからフェスに出場できた。
観客が歌に満足していれば使命を果たしているはず。

だけど、いつの間にか手段が目的に・・・

Vivy 8話

きっと今の私じゃダメだって。
アントニオが期待していた私にもっと近づかなくっちゃ、早くならなくちゃって。

どこで歌うかは重要じゃないんです。

大事なのは──
最高の歌を、生まれてきた使命を果たせる、そんな歌を

by オフィーリア『vivy』TVアニメ9話

「歌でみんなを幸せにすること」ではなく、見果てぬ「最高の歌を歌うこと」が使命になってしまったのではないでしょうか

なぜオフィーリアを超えられなかったのか

では、なぜアントニオはオフィーリアの歌を超えられなかったのか?

アントニオ:
オフィーリア、私はお前の歌を・・・より多くの・・・

いや、違う・・・
私は、本当は、私のためだけに、お前に歌って欲しかったのだ・・・

オフィーリア:
アントニオ・・・
いつもそうだったよ。
私が一番笑顔にしたいのは、アントニオなんだから。

笑って、アントニオ。
私それ・・・だけ・・・で・・・

by 『vivy』TVアニメ9話

オフィーリアはいつもアントニオのために歌っていた

だから、アントニオにはオフィーリアの歌が素晴らしく聞こえた
アントニオがオフィーリアを乗っ取り歌っても、心がこもってないから本家には敵わない

みんな、オフィーリアの歌を評価していました。

が、ディーヴァは「心がこもってない」ことを見抜いてましたね。

素敵な歌声だわ。
ただ、お客様を前にすれば、もっとリハを超えてくると思ってたから。

・・・・・

ああ、ほら。
もっと心を込めて、オフィーリア。

by ヴィヴィ『vivy』TVアニメ8話

アントニオはオフィーリアの歌を再現できても、アントニオのために歌うという心までは再現できなかったのです。

そりゃあ、そうですよね。
自身がアントニオで、目の前にアントニオはいない。
オフィーリアのために歌うのも、自身がオフィーリア。

オフィーリアの歌はアントニオがいて成り立っていたのです

アントニオが好きだったオフィーリアの素晴らしい歌。
それをアントニオ自身が奪ってしまったのです。

なぜオフィーリアは売れたのか

アントニオ曰く、「彼女の歌声はこんなものじゃない」。
では、なぜ「小劇場の妖精」とまで言われるようになったのか・・・

推測

アントニオが乗っ取る前から「小劇場の妖精」と呼ばれていた可能性もあります。
が、そこまで評判が高ければ、アントニオは不満を抱かなかったはず。

よって、「小劇場の妖精」と呼ばれるようになったのは、アントニオが乗っ取った後ではないかと推測します。

オフィーリアがどのようにして評価を上げていったのか、全く示されてないので推測するしかありません。

唯一関連しそうなのが、このセリフ──

5年前、停止したんですよ、原因は不明ですが。
彼女のステージの音響や照明を一手に担っていた音響AIです。

彼の機能停止がその後の彼女の活動に大きく影響したと、安いゴシップに語られていました。

パートナーの原因不明の機能停止にもめげずに歌い続け、脚光を浴びる悲劇の歌姫。

by マツモト『vivy』TVアニメ8話

少ない情報から想像するに、可能性は2つ──

推測と言うか、ほぼ妄想…

  1. アントニオの自覚はないが、歌が良くなっていた
  2. アントニオの機能停止が悲劇のヒロインを作った

自覚はないが、歌が良くなっていた

アントニオがオフィーリアを乗っ取ったことで、歌のレベルが上がり評価を高めていった。

だが、アントニオ自身には、アントニオとしてオフィーリアの歌を聞いていた時の思い出補正で、もっといい歌声だと勘違いをしていた。

その勘違いが、飽くなき向上心を生んだが、叶わぬ理想像を作ってしまったのかもしれません。

アントニオの機能停止が悲劇のヒロインを作った

マツモトの説明で「彼の機能停止がその後の彼女の活動に大きく影響した」「パートナーの原因不明の機能停止にもめげずに歌い続け」とありました。

パートナーAIが突如、原因不明の機能停止
悲劇の歌姫AIとして注目されたのではないでしょうか

有名になると彼女の歌を聞く人が増え、”元々”レベルが高かった彼女を、皆が評価しだした。

悲劇が、彼女の歌と歌声にマッチして、より効果的に・・・

お前の歌は何の問題もない!

もっと自信を持て。
必要なのはおまえの歌に相応しい舞台と観客、それだけだ!

それさえあれば、使命を果たすことなど、たやすいことだ。

by アントニオ『vivy』TVアニメ8話

くしくもアントニオが言っていた、オフィーリアに足らない要素。

相応しい舞台」と「観客」。
アントニオが機能停止したことにより、この二つが舞い込んできたのです

それで「小劇場の妖精」と呼ばれるような人気になったのではないでしょうか。

二人は使命を果たしたのか・・・

オフィーリア、私はお前の歌を・・・より多くの・・・

いや、違う・・・
私は、本当は、私のためだけに、お前に歌って欲しかったのだ・・・

by アントニオ『vivy』TVアニメ9話

結局のところ、アントニオがオフィーリアを乗っ取ったことにより、二人の夢である「多くの人に歌を届ける」ことは果たした。

だけど、二人は幸せではなかった
既に二人は、相手のため歌うこと、サポートすることが最大の願いになっていたから

使命より大切なものができてしまったのです

オフィーリアは自身を取り戻したのか?

アントニオ・・・
いつもそうだったよ。
私が一番笑顔にしたいのは、アントニオなんだから。

笑って、アントニオ。
私それ・・・だけ・・・で・・・

by オフィーリア『vivy』TVアニメ9話

オフィーリアの最後のセリフは誰のセリフでしょうか?

アントニオはオフィーリアは「もういない」と言ってました
マツモトはオフィーリアの人格プログラムが”上書き”されたと発言し、アントニオは否定せず

オフィーリアの人格は消去され、復旧できず。
オフィーリアの人格は戻らないからこそ、アントニオは自壊を選んだ。

論理的に考えると、オフィーリアの最後のセリフもアントニオの人格プログラムによるもの

だけど6話のグレイスとは違い、まるでオフィーリアが戻ったかのような演出

ここはオフィーリアの人格が奇跡的に戻ったと解釈するのはロマンチック過ぎるでしょうか・・・

理屈は電磁波云々言えますが、そんなのは野暮というものでしょう。

フィクションの世界です。
それくらい夢があったもいいのではないでしょうか。

決着-対垣谷ユウゴ

ヴィヴィはマツモトと共闘し、垣谷を退ける。

啓示とは

啓示だよ。
天の啓示だ。

-中略-

40年後の今日このとき、最後の機会があるとな。

by 垣谷ユウゴ『vivy』TVアニメ9話

「最後の機会」とは、ディーヴァが記憶を戻す可能性がある日

ディーヴァが奥にしまい込んだ記憶を思い出すきっかけ。
マツモトを見かけ、逃れられない状況になる日。

つまり、ディーヴァとマツモトが同じ場所にいる日を狙ったわけですね

となると、リハーサルで、垣谷がヴィヴィに姿を見せたのも刺激を与えるためか
倉庫でワナにかけたのも、マツモトが助けると見込んでいたのかもしれないですね

ヴィヴィとマツモトは垣谷のお膳立て通りに動いてしまったのです。

つまり垣谷に啓示をしたのは、マツモトとヴィヴィのシンギュラリティ計画を知り、フェスがシンギュラリティポイントになっていることも知っている者。

敵の可能性が高いですが、味方の可能性もありますね

推測

なんだかんだ言って、垣谷がいたお陰で、ディーヴァは人格を取り戻し、マツモトがヴィヴィを真のパートナーと認めました

今後のシンギュラリティポイントに向けて、マツモトがディーヴァと寄りを戻さないといけなかった。

垣谷は、ヴィヴィを呼び戻したいと考えていたので、利用するには打って付け。

味方だとすると、啓示したのはこの世界線の松本博士ということになりますね。

普通に考えたら啓示を与えたのは新たな敵の存在。

だけど、結果的にヴィヴィの記憶が戻り、マツモトとの絆が強くなった。
そこを考え出すと、味方の可能性もあるのか?と考えた次第です。

話半分くらいで聞いておいて下さい(笑)。

SF作品はこういう考察が楽しいですよね。

自殺は防いだが・・・

自殺は防ぎました。

by マツモト『vivy』TVアニメ9話

オフィーリアの自壊は防ぎました
が、オフィーリアは活動を停止しました

隣には、パートナーAIアントニオの姿・・・

屋上から飛び降りたわけではないので、自殺には見えないかも。
だが、二人仲良く倒れていたら、これまでの流れだと「心中」に取られるのではないでしょうか?

それとも(殺人)事件に見えるような工作をするのでしょうか?

いずれにせよ、マツモトの目的は「オフィーリアの自壊阻止」。
初のAI自殺に見なされなければ、他のAIへの呼び水となるのは防げるのです。

この辺りは、次回、歴史で振り返られるでしょう。

おわりに (『vivy』9話とは)

今回のミッションである、AI自殺の連鎖はこれで防げるのでしょうか。

AIは誰かの役に立つために活動している。
自殺する選択肢などないはず。

だからこそ、AIが自殺をした正史では「心を持った」と騒がれた。

マツモトは、ナンセンスとバッサリ。
ですが今エピソードを見ると、明らかにAIが人間そのものの思考をして心や魂を持っているように見えます。

使命が行き過ぎたと言えばそれまでです。
が、その行き過ぎた行動に至らせる原因こそ、感情であり心ではないでしょうか。

前エピソード、40年前のAIの描かれ方とは違って見えるのは私だけでしょうか。
それとも私が人間だから、人間に照らし合わせて見てしまうのでしょうか・・・

以上、TVアニメ『vivy』第9話の感想&考察レビューでした。
超長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。

10話のレビューも書いてます。
良かったらご覧下さい。

ではでは。

きょうのひとこと

ドジッ子だったのは、アントニオが慣れない体だったから?

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