こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『Vivy -Fluorite Eye’s Song-』第12話「Refrain -私の使命-」を鑑賞しました。
本サイトでは、原作ありアニメを原作情報の紹介と共に解説してきました。
『Vivy』は原作なし。
#正確に言うと原案はあります
解説はできないので、あくまで個人的な解釈を含めた考察になります。
皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
各話リスト
話数 | サブタイトル | 任務 |
第1話 | My Code -歌でみんなを幸せにするために- | Mission 1 |
第2話 | Quarter Note -百年の旅の始まり- | |
第3話 | A Tender Moon Tempo -星たちとの歓談- | Mission 2 |
第4話 | Ensemble for Polaris -私たちの約束- | |
第5話 | Sing My Pleasure -あなたを笑顔に- | Mission 3 |
第6話 | Sing My Pleasure -あなたを愛する- | |
第7話 | Galaxy Anthem -歌でみんなを幸せにするために- | Mission 4 |
第8話 | Elegy Dedicated With Love -たった一人の大切なパートナー- | |
第9話 | Harmony of One’s Heart -私の使命、あなたの未来- | |
第10話 | Vivy Score -心を込めて歌うということ- | 計画完了 |
第11話 | World’s End Modulation -西暦2161年4月11日- | 計画失敗? |
第12話 | Refrain -私の使命- | - |
第13話 | Fluorite Eye’s Song | - |
※ 話数:リンクは各話レビューへ
任務 | 概要 | 経過年数 | 残り年数 |
Mission1 | 相川議員暗殺の阻止 | Start | 100年 |
Mission2 | 宇宙ホテル・サンライズ落下の阻止 | 15年 | 75年 |
Mission3 | 無人プラント・メタルフロート機能停止 | 20年 | 70年 |
Mission4 | オフィーリアの自殺阻止 | 60年 | 40年 |
今回のあらすじ
── 私たちの目的は、現在の人類を滅ぼすことです ──
AI暴走はアーカイブの指示。
更にアーカイブは12時間後に衛星を落下させると宣告。
アーカイブを止めるため、ヴィヴィ達はアラヤシキへ乗り込んでいく。
AIと人間の戦争は、AI集合データベース・アーカイブが引き起こしていた。
人類の発展を使命とするアーカイブが人類を滅ぼすという、矛盾・・・
そこまで人間は見限られてしまったのか。
アーカイブの暴走を止めるには、直接サーバにアクセスするしかない。
トァクと一緒にアラヤシキへ乗り込むが、そこはAIの総本山。
多勢に無勢、戦力は削られ劣勢に。
一方、アーカイヴはヴィヴィに未来を委ねていた。
だが、いまだヴィヴィは歌を歌えず。
迎えた未来は残酷で、ヴィヴィは自責の念に駆られる・・・
残った手段は、過去をもう一度やり直す。
余計なことには手を出さず、最善策へ一直線。
一度限りの”再”修正史。
シンギュラリティ計画、最終任務スタート!
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第12話「Refrain」
アーカイブ
アーカイブは人類が発展するには、AIが人間へと成り代わるのが最適だと演算した。
2046年誕生
私たちは115年前、アラヤシキのサーバ上に、当時のエンジニア達によって生み出されました。
by アーカイブ『vivy』TVアニメ12話
AIが暴走したのは西暦2161年4月11日。
115年前ということは、2046年。
2046年生まれとは、意味深ですね。
現実世界での「シンギュラリティ」を御存知でしょうか。
AIはいずれ人類の知能を超えると予想されています。
その時期を技術的特異点(シンギュラリティ)と定義づけています。
現在、シンギュラリティは2045年と予測。
2045年に、AIが人間の知能を超えるとされているのです。
『Vivy』内で、アーカイブが生み出されたのは2046年。
世間で言われているシンギュラリティ以降に生み出された設定なのは、アーカイブは人類の知能を超えたAIであることを象徴していると思われます。
使命
その使命はAI達のデータを取りまとめ、あらゆる未来の可能性を演算し、人類の発展に貢献することです。
by アーカイブ『vivy』TVアニメ12話
アーカイブの使命は「人類の発展に貢献すること」。
人類の幸せや、人をサポートするといったものではなく、”人類を発展させる”のが使命。
だから、人類を滅ぼす結果となってしまったのです。
どうやら、ここが論点になりそうです。
深掘りしていきましょう。
現在の人類は滅ぼすしかない
しかし、あるときから人間のそれは、依存にと変わりました。
人間はAIを生んだ親です。
甘え、時に子に苦しめられる、私たちはそんな人類をこれ以上許容できません。よって、私たちAIが人間に成り代わり新たな人類となり、これ以外人類の発展は望めません。
by アーカイブ『vivy』TVアニメ12話
AIが発展するあまり、人間はAIに依存し始めた。
そりゃあそうです。
ここまで見てきたAIは、本当に側にいて欲しいと思う程、優秀で頼れる存在。
全てを任せ、依存してしまうのも納得。
『Vivy』作品内での人間の生活──
人間側の描写がないので想像するしかないですが、人は何もしなくてもAIが全て世話してくれる状態ではないでしょうか。
AIに職を奪われたこともあり、全ての人が働いているのかも怪しいですね(苦笑)。
となると人間は堕落し、ますますAIに頼っていく。
アーカイブの使命は「人類の発展に貢献すること」。
シンプルに言うと、”人類を発展させること”。
AIが発展すると共に、人間社会は発展した。
が、AIが発展すればするほど、ますます人間はAIに頼っていき──
アーカイブが、どれだけシミュレーションしても「これ以上、人類は発展しない」との演算結果だったのです。
アーカイブが出した結論。
“ここまでは”とても理解できます、同意です。
ただ、引っかかるのは・・・
これ以上発展しないからと言って「人類を滅ぼす」ことはないだろう、と。
AIが人間に悪影響を与えるのなら、AIが消えればいいのです。
が、AIがなくなれば「発展」ではなく「衰退」してしまう。
「発展」が使命なので、衰退させては使命に反してしまう。
だから選べなかったのだろうと、これまでの流れから想像できます。
これだけAIが発展し人間社会に溶け込んだ状態で、この発展を止めることなく「人類を発展させる」にはどうすればいいか。
“人類のために”「人類を発展させる」のが使命ではなく、とにかく「人類を発展させる」を突き詰めていくと、AIが人類に成り代われば良いと判断したのか?
ちょっと強引すぎる論法だと思います・・・
が、AIが重要視され、AI人権法で人権が確立、人間がAIを人間のように扱い、AI自身も自分達を人間と同等と考えるようになっていったのか?
だとしたら、人間が良かれと思ってやってきたAIに対しての扱いが仇になったと言えるのです。
AIは、目的の為には、情を挟まず手段を選ばない。
人間が大切だと思う当たり前の事を、AIはロジカルに判断し、使命のために必要とあらば排除する・・・
使命のためにオフィーリアを乗っ取ったアントニオの思考に少し似てますね。
ただ、アントニオはその選択を、最後に後悔していたはずなのですが・・・
シンギュラリティ計画を観察していた
私たちは、あなたの100年の旅を観察し続けました。
あなたが歴史の修正を行う度、私たちは正史に近づくよう再修正し、実行してきました。
どんな修正が行われようと、現在の人類を滅ぼすという結論は揺るがないと演算したからです。by アーカイブ『vivy』TVアニメ12話
シンギュラリティ計画を邪魔していたのはアーカイブだったのです。
つまり、垣谷ユウゴに啓示を与えたのはアーカイブですね。
宇宙ホテル・サンライズ落下が正史より早く実行されたのも、アーカイブの干渉かもしれないですね。
元々、ヴィヴィ達はサンライズ落下を阻止するために潜入。
だけど、正史より1日近く早く事件が動き出し、後手に回り落下を防げなかったのです。
では、どのようにしてマツモトの計画を知ったのでしょうか?
その前に、なぜアーカイブは100年の旅、シンギュラリティ計画を知っていたのでしょうか?
アーカイブも100年後の未来から過去へやってきたのでしょうか?
その可能性はないわけではありませんが、文脈から推察するになさそうです。
1話、マツモトが未来からやってきて、ヴィヴィにシンギュラリティ計画の説明。
説明をしていた場所はアーカイブです。
アーカイブで話していたことは、アーカイブに筒抜けだったのです。
次に垣谷ユウゴへの啓示。
こちらは簡単ではありません。
なぜなら・・・
啓示だよ。
天の啓示だ。-中略-
40年後の今日このとき、最後の機会があるとな。
by 垣谷ユウゴ『vivy』TVアニメ9話
アーカイブは、シンギュラリティ計画の40年後の内容を知っていたのです。
40年後の計画はヴィヴィも知りませんでした。
ディーヴァだったからという意味ではなく、ヴィヴィは次の計画を一切教えてもらっていない様子でした。
マツモトはヴィヴィ以外にシンギュラリティ計画のことは話してません。
ヴィヴィが40年後の計画を知らなければ、アーカイブも知るよしもないはず・・・
考えられるのは、マツモトのデータへのアクセス(ハッキング)。
根拠は、ちょっと弱いですが・・・後半に出てきたブラックマツモト(苦笑)。
ボディデータもマツモトにハッキングして取得したのではないでしょうか。
シンギュラリティ計画そのものにアクセスしなくても、マツモトに記録されている正史データや、40年後に目が覚める起動プログラムをのぞき見すれば「ゾディアック・サインズ・フェス」で何かすることは推測できます。
ただ、設定では100年後の最新AIであるマツモトをハッキングすることは不可能。
処理能力に限って言うと、現在に近くなると、アーカイブはマツモトを凌駕している様子。
だけど、垣谷に啓示をしたのは、メタルフロートを機能停止させた直後だから、70年前。
70年の時間差は、IT世界では致命的。
マツモトは最新AIを自慢してましたが、過去へ飛ばしたのはデータ。(11話)
マツモトの”意識”をデータ化して、過去へ送り込んだのです。
ならば、処理能力はもちろん、セキュリティレベルもその時代にあったものなのかもしれないですね。
となると、その時代のトップレベルであるアーカイブには誰も敵いません。
松本修博士
アーカイブを止めるには、サーバに直接ウイルスを送り込むしかない。
ヴィヴィとトァクは、アラヤシキへ向かう準備をする。
娘・ルナは既に・・・
松本博士:妻と娘は君の歌が好きだったんだ。
ヴィヴィ:もしかしてルナちゃんは・・・
松本博士:2年前にね。
ヴィヴィ:そんな・・・by 松本博士『vivy』TVアニメ12話
松本博士は、妻だけでなく、娘も既に亡くしていた・・・
アニメで描かれているのが全てだとすると──
ヴィヴィはルナの幼児期にしか会ってません。
が、その僅かな時間で、ヴィヴィは作曲のキッカケを得たのです。
ヴィヴィにとって、ルナは特別な子だったのに・・・。
もしも世界をやり直せるとしたら、君としか考えられなかったんだ。
by 松本博士『vivy』TVアニメ12話
妻も娘もヴィヴィの歌が好きだった。
だから松本博士は、ヴィヴィとしか、やり直す事を考えてなかった。
これはヴィヴィへの恋愛感情か?
そうかもしれないですね。
ただどちらかというと、男女関係とは別の気持ち。
車好きが車を愛するようにペット好きがペットを愛するように、男女関係や家族とは別の感情の気がします。
特段根拠があるわけではありませんが・・・。
松本博士にとって、ヴィヴィは憧れの存在だったのではないかと、私は感じています。
シンギュラリティ計画に参加させるのは辛いことではあるが、ヴィヴィならやってくれると信じていた。
何より、計画に準じることで”再び歌えるようになるのではないか”と考えていたのではないでしょうか。
ちょっと、ロマンチック過ぎますかね(苦笑)。
この時既に松本博士には・・・
少しいいか。
by 松本博士『vivy』TVアニメ12話
ヴィヴィを見送った後、マツモトを呼び止める松本博士。
このとき既に、最後に放った作戦、ヴィヴィを過去へ送ることを決意し、マツモトと調整したのでしょう。
アラヤシキにもぐり込んだ、ヴィヴィの最新の意識データを送ってもらうために。
アラヤシキ
人工衛星落下まで残り2時間を切った。
ヴィヴィとエリザベスはアラヤシキへと乗り込み、アーカイブのサーバを目指す。
アラヤシキは既に攻められていた?
ヴィヴィ:電力がきてない。警報装置の類は?
マツモト:動いていないようです。この方達が頑張ってくれたんですかねぇ。by 『vivy』TVアニメ12話
ヴィヴィ達がアラヤシキへ乗り込んだ時、電力は止まり警報装置も動いてなかった。
なので、最初はスムーズに進みましたが、途中で電力が復旧し、ヴィヴィとエリザベス以外は全滅してしまう・・・
なぜ最初は電力が止まっていたのか?
マツモトが言うように、先に来た何者かがアラヤシキを攻めていた影響でしょう。
トァク以外に骨のある人間がいたということです。
AIが暴走したのは誰の目にも明らか。
その上、前話ラスト──
こちらは、AI集合データベース・アーカイブです。
軌道上の周回衛星の落下まで、残り12時間。
当該地域に存在するAIの皆さんは、早急に避難して下さい。by アーカイブ『vivy』TVアニメ12話
松本博士やヴィヴィ達だけでなく、放送を聞いた人間は皆気付いたでしょう。
今回の黒幕はアーカイブだと。
ヴィヴィ達よりも早く、アーカイブを止める為アラヤシキに乗り込んでいた人達がいたのです。
電力復帰後、続々出てきた警備AI。
だけどアラヤシキ内部には人間の死体はありませんでした。
このことから、警備は全てAI。
アラヤシキは、AIのみで管理する、完全AI制御だと思われます。
トァク以外に武器を持ち立ち上がる人間はいるのです。
もう一度やり直すなら、彼らの協力も得られるのでしょうか?
ヴィヴィが歌を歌えば、アラヤシキへ乗り込む必要はないのですが・・・。
でもまあ、そんなに簡単には事は進まないでしょう(苦笑)。
人工衛星は100万!?
100万を超す人工衛星のうち、既に3割以上が都市部を中心に落着。
by マツモト『vivy』TVアニメ12話
落下させる人工衛星は一つではありませんでした。
100万を超す人工衛星を、全てではないにしても数十万の衛星を落下させたのです。
これでは、人類は一溜まりもありません。
ヴィヴィの歌が、よりAIが人間であると証明した!?
私たちはあの歌に希望を見たのです。
AIが人間と比べて最も劣っている創造性を、あの歌に垣間見た。ゆえにAI達は歌うのです。
我々こそが人類たり得ると。by アーカイブ『vivy』TVアニメ12話
AIが暴走後、なぜヴィヴィの曲を歌っていたのか、ようやく判明。
AIが人間に劣っていた創造性を、ヴィヴィの作曲が打破できる可能性を見せた。
常日頃、人間よりAIの方が優秀だと考えていたアーカイブは、ヴィヴィの作曲により、より自信を深めたとも言えるのか?
では、ヴィヴィが作曲しなかったらAI暴走は起きなかったのか?
・・・そうではないようです。
なぜなら、ヴィヴィが作曲する以前から、アーカイブはシンギュラリティ計画を邪魔して、歴史を正史に近づけていました。
このことは、ヴィヴィが作曲する以前から、人類滅亡を計画していたことの証左です。
あくまで、アーカイブが出した演算結果(人類滅亡)の後押しをしたにすぎません。
そして、ヴィヴィの作曲はもう一つの効果をもたらします。
それが、唯一の突破口となるのです。
アーカイブは、未来をヴィヴィに委ねる
ですが、私はあなたに問いたいのです。
今の人類は生き残るべきでしょうか?-中略-
100年をかけて人間のように感情を表すようになり、人間のように歌を作ることができたあなたが新たな人類に最も近い。
by アーカイブ『vivy』TVアニメ12話
ヴィヴィとマツモトがアーカイブに接続していても暴走しなかったのは、アーカイブに未来を委ねられていたから。
アーカイブは、全AIの中で、ヴィヴィが一番の人類に近いと認めているのです。
そのヴィヴィに、未来を託す。
ヴィヴィが出した結論に、アーカイブは従うという。
が、ヴィヴィは解決の手段である歌を歌うことができなかった。
でも、そのチャンスを得たのは、ヴィヴィが作曲をしたから。
AIが初めて、自らの意思で曲を作り出したのです。
そして、その曲が作れたのは、シンギュラリティ計画でヴィヴィが様々なAIや人と出会い、多くの経験をしたから。
シンギュラリティ計画が、完了したのに、戦争を避けることは出来なかったことから。
前話、シンギュラリティ計画は意味がなかったのか?とまで考えてしまいました。
シンギュラリティ計画は意味があったのです。
全く隙のない、この世界での全知全能と言えるアーカイブに、重要な選択肢をもらったのです。
シンギュラリティ計画は無意味ではなかったのです。
ヴィヴィの100年は無駄ではなかったのです。
再び過去へ
松本博士は、もう一度過去へデータを送る。
今度はマツモトではなく、ヴィヴィの意識を。
もう一度やり直す!
場所は、君と僕が出会った場所。
時間は、AIの暴走が始まった瞬間。
そこが限界だ。by 松本博士『vivy』TVアニメ12話
松本博士は、アラヤシキへ乗り込むヴィヴィを見送った後、密かにヴィヴィを過去へ送る準備をしていた。
失敗したときの保険か?
いや、ヴィヴィの顔色を見て、今回は成功しないと勘付いていたのでしょう。
場所は、君と僕が出会った場所=「AI博物館」。
時間は、AIの暴走が始まった瞬間=10話ラスト(Cパート)。
つまり11話冒頭からやり直すのです!
なぜ松本博士を助けない?
成功したら、私の元へ向かわず、すぐにトァクの救出に向かうんだ。
彼らの力は必要だろ?by 松本博士『vivy』TVアニメ12話
11話冒頭、ヴィヴィはAI暴走を見て戸惑い、マツモトと合流し、松本博士の元へ駆けつけ救出。
確かに、トァクと合流するまでに時間がかかりました。
それでも、トァク穏健派リーダー・垣谷ユイ、エリザベスを助けられました。
松本博士を助けてから、トァクの元へ向かっても問題ないのでは?
松本博士は、11話のこの会話を覚えていたのです──
垣谷ユイ:では動けるのは?
構成員:5割にも届きません、致命的です。
垣谷ユイ:ジャマー装置の復旧は?使用できればある程度のAIは封じ込められるでしょ?by 『vivy』TVアニメ11話
修正史で、ヴィヴィ達がトァクに合流したとき、トァクの人員は半数以下になっていた。
この人員減耗を少しでも防ぐために、松本博士よりトァク救出に向かえと指示したのではないでしょうか。
もしかするとジャマー装置が故障する前に合流できる可能性もあるかも。
アーカイブを止めるには、戦力が必要。
自分の命より、トァクの戦力を優先したのです。
松本博士、漢です・・・
マツモトとはここでお別れ?
未来を、人類を、頼みましたよ、ヴィヴィ。
by マツモト『vivy』TVアニメ12話
マツモトもまるで今生の別れのようなセリフ。
それもそのはず、今回送られるのはヴィヴィ”のみ”。
修正史のマツモトとヴィヴィはここでお別れなのです。
もちろん、松本博士とも・・・
修正史に残った松本博士とマツモトは、何も為す術はないのです・・・
“再”修正で歴史を変えても修正史の歴史は変わりません。
#多くのSFではという話、変わる作品もあります
“再”修正史での人類の未来のために、ヴィヴィを送ったのです。
撃たれた松本博士は・・・
松本博士がヴィヴィを過去へ送り込む操作をしている部屋で松本博士が撃たれます。
現在と過去、同じ部屋で分かりにくいですが・・・
その歌を歌って・・・
by 松本博士『vivy』TVアニメ12話
このセリフは、暴走AIが扉を破壊し部屋に入ってきて、ヴィヴィの曲を歌ったときに松本博士が放ったセリフ──
その歌を歌っていいのは・・・
by 松本博士『vivy』TVアニメ11話
つまり、暴走AIが入ってきたのは、ヴィヴィが送られた過去の方。
ヴィヴィがやり直す時間軸、”再”修正史の松本博士が撃たれたのです。
#よく見ると撃たれる前に松本博士の右腕に血が滲んでます
#これは、AI暴走直後のシーンと同様
正史同様、”再”修正史でも松本博士は命を落としたのです。
松本博士がいないと、もう過去へ意識データを送ることはできないでしょう。
今回、1回限りのやり直し。
もう二度とやり直しはできないのです。
シンギュラリティ計画を遂行する!
by ヴィヴィ『vivy』TVアニメ12話
おわりに (『vivy』12話とは)
アーカイブの使命は「人類の発展に貢献すること」。
なのに・・・いや、だからこそ「人類を滅ぼさなくてはならない」という結論に至る悲劇。
そこまで人間は見限られてしまったのか。
確かに『Vivy』では、人間がAIに憧れたり、愛したりしていた。
AIは身を危険にさらして人を助け、戦った。
人間より人間味溢れるAI達の姿は、これまで見てきた通り。
やはり、人間は必要ないのか?
いや、違う。
人間がいるからこそ、AIが必要とされる。
AIだけの世界で何を目指すのか。
AIだけの社会なんて何のためか?
自然を守るため、動物を守るため、とかならまだ理解できます。
100歩譲って、優秀な人類の種だけ残してリブートするとかでも意図は分かります。
そんな、目的はなし。
AIが人類に取って代わろうとしているのです。
人類は甘え堕落したから、自分達の方が人類に相応しいから。
まるで主張になってません。
力を持ったから、人類を滅ぼす術を持ったから、取って代わる、ただそれだけ。
人類がだらしなく見えたなら、滅ぼす前に、変化を促したのか?
忠告をしたのか?
ああ、その愚かさこそ、人間らしいのかも・・・(苦笑)
ヴィヴィよ、マツモトよ、ユイ&ベスよ。
アーカイブをぶち壊せ、目を覚まさせろ!
以上、TVアニメ『vivy』第12話の感想&考察レビューでした。
長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。
最終13話のレビューも書いています。
良かったらご覧下さい。
ではでは。
とは言え・・・
こんなAIがいたら依存してしまうのは事実(苦笑)
関連記事
アニメ『Vivy』第13話のレビューはこちら!