【文字数(本文):約8千文字(目安13分)】
こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『薬屋のひとりごと』第38話「踊る幽霊」を鑑賞しました。
本レビューではアニメ感想だけではなく、原作・コミカライズ情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。
皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
今回アニメ化されたのは──
- 原作
-
4巻 3話「踊る幽霊」 ~ 4話「噂の宦官」まで
- コミック
-
14巻 55話「赤羽」中盤 ~ 57話「噂の宦官」中盤まで
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
- 赤羽、なぜ今頃怒る?
原) 赤羽は、知らずにやっていた - 原) 猫猫は、自分に依頼されると分かっていた!?
- 原) 今回はあっさり終わったのに、また30分!?
- 原) 女官達は、なぜ宦官を好む?
- 猫猫、なぜ麻酔の薬草を調べている?
- 猫猫、壬氏が帝弟だとなぜ気付かない?
- 噂の宦官、誰かに似ているような・・・
※「(原作)」は、原作情報を根拠の中心にして考察しているトピック
今話で解決しなかった疑問
最下部「疑問点まとめ (Q&A一覧)」に記載
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレなし
『薬屋のひとりごと』は、小説投稿サイト「小説家になろう」連載。
ライトノベルと、月刊誌2誌で別の漫画家によるコミカライズ2作品があります。
私は、ライトノベル、コミカライズ共に未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成します。
アニメ鑑賞
+
コミカライズ、ライトノベルを読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」
よって、次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください。
なお、原作ライトノベル、コミカライズの情報は、「原作情報」として区別できるよう記載します。
- 「ヒーロー文庫」のライトノベルを ── 原作
- 「月刊サンデーGX」連載のコミカライズを ── コミック

こんな感じです
緑系の色を目印にしてね!
引用部分も次のように緑系をワンポイントに ──
宦官が驚いた表情で猫猫を見るが、そんなの関係なかった。
引出しの見出しを眺め、珍しい薬を見つけるなり踊るような奇妙な動きをしてしまう。喜びがあふれ出て、頭の中に納まりきれなかった。
「なんかの呪いか、なにかか?」四半時、そんなことを繰り返したところだった。
by 『薬屋のひとりごと』原作1巻
いつのまにか現れた壬氏が奇異の目で踊る猫猫を見ていた。
コミカライズは、別の漫画家による2作品が刊行されています。
- 「月刊ビッグガンガン」連載の「薬屋のひとりごと」
- 「月刊サンデーGX」連載の「薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜」
両方読んでいますが、本サイトでは、アニメの補完となると情報の多い➋を選択しました。
「コミック」として紹介する情報は基本➋です。
が、今後も両方読んでいくので、➊にしかない情報があれば、その時は注釈を付けて紹介します。

同じ内容なのに、2つも読むんだ・・・

その方が、理解が深まるんだよ
ちなみに、考察や疑問はオレンジ系。
補足や余談、参考情報はブルー系に色分けしているので、読む際に目安にして下さい。
2期 全24話 各話リスト
※話数:リンクは各話レビューへ
※サブタイトル:ネタバレを避けるため次話以降はマスク
はじめに
金剛宮の湯殿に出る幽霊の謎を解くよう壬氏から依頼された猫猫は、里樹妃の元へと向かう。
幽霊の正体見たり枯れ尾花。
元侍女頭の正体見たり簪で。
銅鏡の扱いで分かる、母への想い。
分不相応な装飾でバレる、主への思い。
名探偵・猫猫の名推理ぶりも然る事ながら、壬氏様の管理者として振る舞いもお見事な1話!
吹っ切れたのか、吹っ切ったのか(苦笑)。
猫猫を名前呼びすることと言い、これはもうそこそこな男ではないですよ!
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第38話「踊る幽霊」
踊る幽霊
里樹妃から湯殿に幽霊が出ると聞いた猫猫は、壬氏様に相談するよう伝えると、後日、その壬氏が猫猫に幽霊の謎を解くよう命令される。
原) 言われるがまま
信じられません!
by 赤羽『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話
玉葉様以外の上級妃の世話をするなんて。
赤羽が怒っているのは、脱毛&マッサージをしたことでしょうか、それとも壬氏様に相談するよう助言したことでしょうか。
まあ、両方でしょう。
でも、もし両方なら、前話マッサージする前に言うべきですね(苦笑)。
前話 ──
アニメでは、猫猫が引っ張ってきた女性が上級妃・里樹妃だと、赤羽はすぐに気付いて驚いていますが・・・。
原作では、赤羽は、里樹妃だと気付いていなかったようです。
考えてみれば、赤羽は後宮に来たばかりなので、他の上級妃の顔を知らなくて当然です。
「冷たい果実水でも」と言われたので、遠慮なくご馳走になることにした。小蘭は手放しで喜び、赤羽はよくわからないままとりあえずついてきている。
by 『薬屋のひとりごと』原作4巻
マッサージ後、湯冷まし場所へ移動する際も「よくわからないまま」という描写があります。
この時も、香油を塗った相手が上級妃・里樹妃だと知らず。
その後、猫猫が里樹妃や金剛宮の名を口にしたので、赤羽は気付いたのではないでしょうか。
アニメは、逆に大浴場に上級妃がいることを不思議に思いながらも、(そもそも肌を晒している恥ずかしさで)状況を把握できず言われるがままに行動。
宮に戻って落ち着いてくると、他の上級妃の世話なんてとんでもないことをしたと思い至ったという感じでしょうか。

アニメも全然違和感ないですね

うん、全然違和感感じなかったよ
原) 回ってくると分かっていた!?
案の定、お鉢が回ってきたか。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話
幽霊話なんて不可思議現象、壬氏の部下では対応できるわけもなく猫猫に回ってくることは想像できました。
では、なぜ猫猫は、わざわざ壬氏様に相談するよう里樹妃に助言したのでしょうか?

面倒事を断ったと思ってたけど…来ると分かっていれば…あれ?

だよね
来ると分かっていれば、直接受ければいいんだよ
この疑問に対しては、原作での猫猫の心情描写に答えがありました。
あのあと、風呂の幽霊については壬氏に相談するように猫猫が言ったのだ。直接、猫猫が里樹妃の相談を受けるわけにはいかず、赤羽の視線が許しそうにもなかった。しかし、壬氏を通せば十中八九、猫猫にお鉢が回ってくると思った。
by 『薬屋のひとりごと』原作4巻
なんと、猫猫は幽霊調査をしたかったが、直接受けるとまずいし、赤羽の視線も気になったので、壬氏様に相談するよう言ったのです。
そうすれば、必ず自分の所に相談が来るだろうと見越して。
つまり、猫猫は、里樹妃の相談を聞いた時から受ける気だったのです。
自分が堂々乗り出せるよう、壬氏への相談を持ちかけたのです。

なんだ、やる気満々だったんだ!
原作によると、幽霊調査を受ける気で里樹妃に助言した猫猫。
ところが、カエルの事を忘れていたのです。

そして、壬氏様にとって、幽霊相談は猫猫を連れ出す絶好の機会になったのです。
興味津々
── とある妃の部屋で幽霊が出るようで。
あら、まあ、おいたわしいわ。
by 玉葉妃『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話
どの妃かしら、お見舞いに行かなければ。
話を聞いて、すぐに心配する玉葉様。
さすがお優しい玉葉様。
他の上級妃を世話しただけで怒る赤羽とは格が違います。
ではありませんね(苦笑)。
皆さん、お分かりだと思いますが、原作でしっかり描かれていて皆さんにも知って欲しいので紹介します。
「とある妃の部屋で、幽霊が出るようで」
by 『薬屋のひとりごと』原作4巻
「あら、まあ」
途端、赤毛の妃の目が爛々と輝く。隣で紅娘が、「まただわ」と言わんばかりに額を押さえていた。
好奇心旺盛な玉葉妃は、幽霊が出ると聞いて興味を示したのです。
それで、また始まったと侍女頭・紅娘は頭を抱えたのです(苦笑)。
原) それでも30分!?
── また返して頂けますか?
── 貸して、ならあげるわよ。また、このやり取りかぁ・・・。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話
また、執拗な・・・いや、玉葉妃のイタズラ心を満足させるまで不毛な戦いが始まるのでしょうか・・・。
と思った矢先 ──
いえ、”返して”ですよ、この・・・猫猫を。
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話
前回(狩りに同行させる時)、壬氏はあれほど猫猫の名を呼ぶのに躊躇していたのに・・・。(35話 )
今回は、あっさり。
いや、ズバッと言い切りました!
これは、そこそことはいえ男を示したからか。
それとも、何かが吹っ切れたか、吹っ切ったか!?
恐らく、どちらでもないでしょう(苦笑)。
アニメ鑑賞時、正直、壬氏は覚悟を決めたのだと思っていました。
が、身分については結局何も言いません、それどころか今回触れてもいません。
逆に、玉葉妃や他の侍女の前で、猫猫の唇に手を触れています。
これが、高順が今話終盤に言っていた ──
態度があからさま過ぎて、逆におかしくなっていますよ。
by 高順『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話
ということなのでしょう。
いつもの壬氏様らしくないどころか、おかしくなっていたのです。
猫猫呼びだけじゃなく、そのあと唇に触れた事も含めて。
玉葉妃と紅娘しかいなかったので良かったですね(苦笑)。
あなた達、狩りで何かあったの?
── カエルのせいです。
by 玉葉妃『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話
カエル?
アニメ勢の皆さん。
今回の壬氏様と玉葉様の対決。
壬氏様の直球ど真ん中(ただし投げ方が変)で勝負が決まったとお思いでしょう。

ってか、私がそう思ってました

えっ、違うの?
はい、原作を読むと、それで終わりではなかったようです・・・。
その後、四半時は玉葉妃から追及を受けることになった。猫猫は「蛙のせいです」と、それ以上言えなかった。
by 『薬屋のひとりごと』原作4巻
墓まで持っていく秘密の代償ならば、牛黄は安かったかもしれないと少し反省した。
その後、30分も玉葉妃から執拗に聞かれていたのです(笑)。
それでも、猫猫はカエルとしか返せず・・・。
だから、「牛黄は安かったかもしれない」と感想を述べたのです。
魔鏡
魔鏡というそうです。
- 中略 -
透光鑑と呼ばれることもある、跳ね返した光が絵や文字になる摩訶不思議な鏡です。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話
作る際に、鏡面に凹凸を施して絵や文字を写すそうです。
魔鏡は中国大陸の漢の時代、最も古いものだと紀元前から存在していたとみられています。
原理は、猫猫が説明している通りで ──
鏡面に僅かな凹凸を作って、光を屈折させ像を映し出しています。

普通に使ってて違和感ないの?
そうですね。
光を屈折させているなら、使っているときに気付きそうですよね。
魔鏡と分かってじっくり見れば、何を表しているかは分からないまでも、微妙な凹凸があることは分かったようです。
ただ、普通に使う分には問題なし。
なぜなら凹凸の焦点は近距離ではなく、少し離れたところに焦点を当てているから。
結果、普段使いのように近くで見る分には違和感も問題もなく、光を当てて遠くに反射させると微細な凹凸(正確に言うと凹部分)の焦点が合い像が映し出されるのです。
まあ、そもそも銅鏡自体が私たちが知っている鏡とは違い、少しぼんやりとしか映らないので、問題なかったのでしょう。
魔鏡と言えば、隠れキリシタンが有名です。
キリスト教禁止令下で、隠れて祈りを捧げるためにイエス・キリストや聖母マリアの像を魔鏡に施していました。
里樹妃の銅鏡が映し出したのは、マリア像でしょうか。
それとも、里樹妃が言うように母親でしょうか・・・。
それはまた、別の話ですね。
幽霊の正体

湯気がこの隙間から上がって風を起こし、カーテンを揺らしたのです。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話
踊る幽霊の正体は ──
- カーテンが揺らいでいたのは、床下の水路から湯気が漏れていた
- 加えて、風呂の栓を抜いてしまった
- 顔が映し出されたのは、魔鏡の像
- 加えて、その時たまたま布が落ちていた
もっと言うと、偶然月明かりが差し込み、それがちょうど良い角度で魔鏡に反射したのです。
そもそもの原因は、水路の破損、あるいは欠陥と言えますね。
猫猫が言うように、翡翠宮や水晶宮であれば、侍女たちが徹底的に原因追及していたでしょう。
カビの原因を探り、正しい対処をしていれば、幽霊騒動は起きなかったのです。

でも、魔鏡は残るんじゃ…
いいえ。
湯気でカーテンが揺れたから、その隙間から月明かりが入り魔鏡の顔が映し出されたのです。

あっ、そうか!
猫猫も言っているように ──
色々な偶然が重なって、踊る幽霊が現れたのです。
しかし、そこに亡き母親を重ねるのが、齢15歳の里樹妃なのです。
そして、今回偶然が重なり幽霊が出現したことにより、魔鏡の像を知ることができました。
この銅鏡は、ますます里樹妃にとって普通の鏡ではなくなったことでしょう・・・。
分かってみれば簡単なこと。
でも、仕掛けも展開もお見事でした。
魔鏡だけでなく、湯気でカーテンが揺れることを組み合わせ、”踊る幽霊”を演出。
組み合わせの妙だけでなく、銅鏡を置いていた理由も、床に隙間ができるほど放置していた理由にも説得力ある理由を設定。
それらを合わせて幽霊騒動を起こしただけでなく、金剛宮の侍女問題と、里樹妃の母への慕情の話を絡ませる。
さすが日向夏先生、お見事としか言いようがないですね。

凄いだけじゃなく、面白かった!
分不相応
たとえ下賜されたものであっても、上級妃の紋が付いたものを、いち侍女風情が身に付けるとは、分不相応と思わなかったのですか?
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話
『薬屋のひとりごと』の世界は、身分社会。
後宮の中では、女性は、上級妃の四夫人をトップとする構造です。
年が若かろうが、中身が幼くても、上級妃は上級妃。
帝が決めたのです、敬わなくてはなりません。
元侍女頭は、里樹妃を舐めきっていたのです。
(本当に下賜されたかも怪しいですが)カンザシを上級妃の紋章が付いたまま使い続けていたのです。
ちなみに、玉葉妃の翡翠宮の侍女達は服ですら気を遣っています。
隊商が来る前、衣替えをして、流行遅れの服を故郷に送っていました。(26話 )
これは、下賜された服とはいえ、上級妃が着ていたものと同じ物を侍女が着るわけにはいかないという考えだと思われます。
金剛宮の侍女達とは性根が違いますね。
それにしても、このシーンの壬氏様、格好いい!
元侍女頭の顔に手を伸ばした時、てっきり(冒頭猫猫にやったように)顔のどこかに触れるのかと思いましたが(爆)。

うんうん、ちょっと思った!
でも、違ったしスッキリした!

スカッとしたね~~
噂の宦官
女官の間では、新しく入った宦官が噂になっていた。
麻酔薬
嬢ちゃん。
by やぶ医者『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話
また麻酔になりそうな薬を調べてるのかい?
猫猫が調べているのは麻酔薬の作り方。
なぜそんな物を調べているのでしょうか・・・。
もう宦官は作られないんだから、調べなくていいのに。
by やぶ医者『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話
やぶ医者も、もう麻酔薬は必要ないと言っています。
もう宦官は作られないのだからと・・・。
そう言えば、猫猫さん、あの時言っていましたね・・・。

壬氏様が宦官かどうかなんてどうでもいい。
ただ牛黄分の恩はある。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第36話
もし秘密がバレて窮地に立たされたら、その時は、ちゃんと本物の宦官にしてあげよう。
その時に備え、麻酔薬を準備しているのでしょうか・・・。
血族なわけない!?
壬氏様の秘密を知ってしまった猫猫。
どうやら、壬氏に男性機能が残っている事は認めているようです。
宦官でなければ、後宮に入れるのは皇帝と、その血族のみ。
とすれば壬氏様は・・・。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話
いや、なわけないか。
でも、皇帝の血族だとは結びつけない様子・・・。
てっきり、後宮に入れる男性は「最も高貴な方(皇帝)とその血縁のみ」という事を、猫猫は知らないのだと思っていました。(36話 )
ちゃんと知っていたようです。
では、なぜ壬氏が帝弟だと気付かないのでしょうか?
原作小説も同様です。
が、コミカライズは更に踏み込んで描かれていました。
宦官でなければ、後宮に入れるのは皇帝と、その血族のみ。
とすれば、帝弟 ──
by 猫猫『薬屋のひとりごと』コミック14巻
でも壬氏様は25だし年齢が合わない・・・。
帝弟の弟の可能性を考えてはいるのです。
でも、宦官壬氏の年齢は25歳。
年齢が違うので、その案は却下していたのです。
帝弟は19歳、壬氏は25歳。
なるほど、(コミカライズによると)年齢が違うので却下していたのです。
時折、壬氏が絶大な力を発揮すること。
帝ととても気さくに話していること。
壬氏のオモチャの中に先帝が持っていた雄黄があったこと。
これらを合わせると、例え年齢が合わなくても壬氏=帝弟の考えに至ると思うのですが・・・。
ちと、壬氏様相手だと名探偵の推理力が落ちますね(苦笑)。
いや、恐らく帝や皇族に対して、深く探ってはいけないという防衛本能が働くのでしょう(笑)。
もっと言うと ──
帝の血族が、後宮宦官長などと下界の仕事をやる必要などありません。
この国の頂点に立つような御方が、いわゆる現場仕事をしているとは、猫猫には想像できないのではないでしょうか。
猫猫は、なぜ壬氏が帝の血縁だと気付かない?
壬氏に男性機能が残っていると認めたものの。
それは何らかの不正な手段を使って隠し通していると考える猫猫。
さて、そこまで気になるなら高順にでも聞けば良いのに・・・。
と思っていたら ──
高順様はどこまで知っているのだろうか?
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話
それとも高順様も実は宦官ではないのだろうか。
アニメでは描かれていませんが、原作によると ──
避暑地の一件以来、壬氏の様子がおかしいことは高順もわかっているだろう。ちょこちょこ猫猫に聞いてくるのだが、詳細をどこまで話せばいいかわからず、言葉を濁している。
by 『薬屋のひとりごと』原作4巻
壬氏が宦官ではないのであれば、高順はそれを知っているのだろうか。それとも高順もまた、本当は違うのだろうか。
猫猫は、高順からも壬氏様と何かあったのか聞かれていたのです。
壬氏が宦官ではない(男性機能を失っていない)ことを、高順がどこまで知っているか分からなかったので、猫猫からは何も言えないでいたのです。
原) 宦官を好む理由
若くてきれいどころが多いから、みんな浮かれちゃってね。
by やぶ医者『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話
まるで、自分がいる会社か学校に、女子が大勢入ってきたおっさんのようなコメントをしていますが・・・。
逆です。
女官達(+やぶ医者)が、今回入ってきた宦官が「若くてきれいどころが多い」と浮かれているのです。
原作には、その理由も述べられていました。
若い娘、特に生娘には潔癖な者が多い。体毛がやたら濃かったり威圧するような男よりも、宦官のように中性的な者を好むこともある。
by 『薬屋のひとりごと』原作4巻
後宮の女官は、男に慣れていない者が多い。
そんな子にとっては、圧がある男よりも、中性的な宦官が好まれるというのです。
なるほど。
特に今回は、若い宦官が多く、中でもきれいな顔をした宦官がいたので噂になっていたのです。
噂の宦官
酷い折檻を受けたようで、体の左側が痺れているとのことです。
by 高順『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話
前話冒頭、足を引きずっていた宦官が、やはり噂の宦官でした。
どうやら、足だけでなく左腕も使えないようです。
いや、気になるのはそこじゃないですね・・・。
この宦官、私には ──
当たっているとネタバレになってしまうので隠しておきます。気にならない方だけご覧下さい。
続きを読む (クリックして下さい)
1期に出てきた、翠苓に見えます。


でも、目が違うような…

あっ、ホントだ…じゃあ別人?
同じ髪型髪色で、顔の形と目の色が似ていれば、(アニメの)美人さんは全て同じに見えてしまいます(苦笑)。
言いたいのは、そこでもなくて・・・。
いや、この宦官の正体は気になりますが・・・。
この宦官は女性に見える、ということです。

えっ、あっ、確かにそう見えるけど
じゃあ、どうやって宦官に?
それは、やぶ医者のセリフにヒントがありますね。
昔は証明書があれば入れたけど、色々不正があってねえ。
今は触診だよ。
by やぶ医者『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話
宦官であるかどうかは、昔は証明書があれば良かったが、今は触診。
それも出入りする度に(不正ができないよう)部署の違う3人の官による触診。
触るだけであれば ──
女性は当然、男性ではないのでクリアできます。
そこへ ──
酷い折檻を受けたようで、体の左側が痺れているとのことです。
体中に傷があって、肌を見せたがらないとか。
by 高順『薬屋のひとりごと』TVアニメ第38話
体中に傷があるとのことで、肌を見せない理由まで・・・。
これは、ますます女性が宦官に紛れ込んでますよ、というフリではないでしょうか。

おお~~なんだか怪しく見えてきた!
いずれにせよ、この噂の宦官は何かありそうですね。
噂の宦官の正体は? 何の目的で宦官に?
おわりに (『薬屋のひとりごと』38話とは)
赤羽が驚き怒るのも仕方ない。
ここは後宮・女の園、女達が帝の子種を狙う戦いの場。
猫猫は興味本位かもしれませんが、結果的に他の上級妃である里樹妃の幽霊騒動にケリをつけただけでなく、侍女問題も釘を刺すキッカケを作ってしまいました。
こんなことが知れたら、赤羽や翡翠宮の侍女達に何を言われるやら・・・。
壬氏様に口止めされなくても、話せない案件になってしまいましたね。
壬氏は、後宮を管理する立場。
壬氏様の命に従う限り、猫猫は後宮が良くなる方向の行動になってしまうのです。
そこへやってきたのが、今話ラスト。
問題を起こしたのは下女・小蘭!?
傍らにいるのは猫猫。
小蘭の為に、また一肌脱ぐことになりそうですが、目撃していた壬氏はどう動くのでしょうか。
以上、TVアニメ『薬屋のひとりごと』第38話の感想&考察レビューでした。
長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。
次話のレビューも書く予定です。
良かったらまたお越し下さい。
最新情報はX(@toki23_a)にて!
ではでは。
応援(投げ銭)
本レビューを面白いと思って下さった方、気に入って下さった方、サポートして頂けるとブログ作成の励みとなります。
Amazonギフト券の贈り方
次の4点(金額、受取人)を記入願います。
- 金額:一番右に自由記入欄があるので、1記事100円を目安に、お好きな金額ご記入下さい。もちろん100円以上でも大歓迎です♪
- 「宛先」or「受取人」:メールアドレス「gift2toki23@gmail.com」
- 贈り主:ご自身のお名前をご記入下さい(匿名でも可)
- メッセージ:好きなメッセージをご記入下さい(デフォルトでもOK)。
全て記入終えましたら、「カートに入れる」or「今すぐ購入」を押して決済に進んで下さい。(ここからは、普段お使いのAmazonでの商品購入時と同様です。)
よろしくお願い致します。

これで毎日ケーキ食べられるかな!?

(君のケーキの為にサポートお願いしているんじゃないだけどね…) 皆に応援してもらえるよう頑張ろう!
疑問点 まとめ(Q&A一覧)
この章では、疑問点をまとめていきます。
- 今話で発生し解決した疑問は、本文で解説して本章(ここ)でまとめ
- 今話で解決しなかった疑問を、疑問XX-XX(話数-通し番号)として記録
⇒ 本章(ここ)でまとめ - 答えは、推測ではなくできるだけ(原作含む)作品内で明らかになった事実を記載
※推測が入る場合は、断りを入れる
⇒ 解決した疑問は、次話で削除
今話で解決した疑問 (クリックすると答えが表示されます)
今話で新たに発生し、解決しなかった疑問
- 疑問 38-01 噂の宦官の正体は? 何の目的で宦官に?
残っている疑問 (クリックすると表示されます)
- 疑問 02-01 壬氏は、後宮管理者なのに、なぜ後宮の外まで判断を求められている?
- 疑問 02-02 水差しの弁償、仕送りから引いたのは期間限定?
- 疑問 02-03 結局、秘薬は何の為だったの?
- 疑問 03-01 西都の玉葉妃が、異国の姫とは?
- 疑問 05-01 粉を染み込ませた木簡は、誰が何に使っているのか?
- 疑問 05-01 簪(かんざし)を渡す意味は?
- 疑問 06-01 園遊会で、なぜ壬氏は違うカンザシを挿し、襟が乱れていたのか?
- 疑問 09-01 壬氏と亡くなった武人・浩然との関係は?
- 疑問 10-01 後宮内の事件に最終判断を下しているのは誰?
- 疑問 10-03 現帝の東宮時代、妃はなぜ一人しかいなかったのか?
- 疑問 11-01 阿多妃を南の離宮に住ませるのは、帝の愛着か、それとも・・・
- 疑問 11-02 阿多妃の子は生きているのか?
- 疑問 12-01 やり手婆は、なぜ猫猫を妓女にしたい?
- 疑問 13-01 壬氏は、帝に何を頼まれたのか?
- 疑問 14-02 爆発現場にあった上等なキセルは、倉庫番のもの?
- 疑問 15-01 馬閃は、なぜ猫猫を嫌っている?
- 疑問 17-01 壬氏は、なぜ変装しなくてはならない?
- 疑問 17-02 壬氏は宦官なのに、なぜ武官のような野営を知っている?
- 疑問 18-02 使い物にならない妓女を、やり手婆はなぜ離れに住まわせている?
- 疑問 19-03 「何か起こったあとでは遅い」猫猫は、過去にどんな経験をしたのか?
- 疑問 19-04 羅漢は、猫猫を抱きかかえる壬氏を見て、なぜあれほど驚いた?
- 疑問 20-01 なぜ翠苓のことを秘密裏に終わらせた?
- 疑問 20-02 壬氏は、なぜ身分を隠し、後宮管理者として生活している?
- 疑問 20-03 楼蘭妃は、なぜ訪れる度に雰囲気が変わる?
- 疑問 21-01 やぶ医者より先に後宮へ来た姉は、今どこにいる?
- 疑問 21-02 先の皇太后は、なぜ木の伐採に制限をかけた?
- 疑問 22-01 猫猫は、なぜ爪紅を流行らせた?
- 疑問 23-01 賭け対象にした「妓女の身請け」の狙いは?
- 疑問 23-02 羅漢に届いた文と巾着、誰が開いたのか?
- 疑問 25-01 楼蘭妃は、なぜそこまで侍女を増やす?
- 疑問 25-02 子猫はどこから来た?
- 疑問 26-02 キャラバンは、なぜ妊婦に影響のある香油と香辛料ばかり売っていた?
- 疑問 27-01 結局、玉葉妃に毒を盛ったのは誰?
- 疑問 28-01 異国の特使は、なぜ上級妃4人に鏡を献上した?
- 疑問 29-01 異国の特使は何を企んでいる?
- 疑問 30-01 杏に香油から堕胎剤の作り方を、誰が教えた?
- 疑問 31-02 先帝が壬氏に渡そうとした石は何?
- 疑問 31-03 国母が来たのはいつ頃?
- 疑問 31-04 帝は、なぜ”選択の廟”を解いておきたかった?
- 疑問 31-05 壬氏は、なぜ”選択の廟”で真剣な顔をしていた?
- 疑問 32-01 皇太后は、なぜ診療所に?
- 疑問 33-01 後宮を追放された医官と女児は誰? 今どこに?
- 疑問 34-01 子翠の正体は?
- 疑問 36-01 猫猫は、なぜ壬氏が帝の血縁だと気付かない?

1期の残が多いので、時間あるときに整理します
今週のX感想ポスト
#薬屋のひとりごと 38話
— 時文@ここアニ(『薬屋』『小市民』レビュー中) (@toki23_a) April 12, 2025
幽霊の正体見たり枯れ尾花
元侍女頭の正体見たり簪で
銅鏡の扱いで分かる母への想い
不相応装飾でバレる主への思い
猫猫の名推理ぶりはもちろん壬氏様の管理者としての振る舞いがお見事!
吹っ切れたのか、名前呼びといい、これはもう"そこそこ"男じゃないですよ🤣
関連記事
アニメ『薬屋のひとりごと』次話のレビューはこちら!
