【文字数(本文):約1万4千文字(目安23分)】
こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『小市民シリーズ』第17話「ふたたびの秋」を鑑賞しました。
本レビューではアニメ感想だけではなく、原作情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。
皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
今回アニメ化されたのは──
- 小市民シリーズ第3弾『秋期限定栗きんとん事件』
-
(下巻)第五章「真夏の夜」の後半から第六章「ふたたびの秋」まで
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
- 小鳩が事件に興味を持ったのって・・・
- リスト逆順は偶然!?
- 氷谷が言ってた、記事のスタイルが変わったって・・・
- 連続放火犯の最有力容疑者
なぜ情報屋・吉口の力が必要だった? - 小佐内さんは、なぜ放火現場近くにいた?
- (原作) 小佐内さんは、今回の事件、小鳩には解けないと思ってた!?
- (原作) 瓜野は他愛ない、では仲丸さんは・・・
- 二人は今度こそ付き合い始めた?
(原作) 小市民になるのは諦めた? - 情報屋・吉口は、二人をどう解釈した?
- (原作) 小佐内さんが小鳩を誘った理由
和風喫茶「桜庵」は以前にも来た? - マロングラッセではなく栗きんとん
※「(原作)」は原作情報を根拠の中心にして考察しているトピック
今話で解決しなかった疑問
最下部「疑問点まとめ (Q&A一覧)」に記載
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレなし
アニメ『小市民シリーズ』の原作は、米澤穂信先生の小市民シリーズ第1弾『春期限定いちごタルト事件』、第2弾『夏期限定トロピカルパフェ事件』。
私は、2作とも未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成しています。
よって、次話以降のネタバレはなしなので、ご安心ください。
アニメ鑑賞
+
原作小説を読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」
原作小説の情報は、「原作情報」として区別できるよう表記します。

こんな感じです
緑系の色を目印にしてね!
引用部分も次のように緑系をワンポイントに ──
これは、推理の連鎖で片がつく。
by 小説『春期限定いちごタルト事件』
ちなみに、考察や解説、疑問はオレンジ系 ──
それ以外は、補足や余談、参考情報はブルー系 ──
読む際の目安にして下さい。
全10話 各話リスト
話数 | サブタイトル | 原作小説 |
第11話 | あたたかな冬(前編) | S3 (上) |
第12話 | あたたかな冬(後編) | |
第13話 | とまどう春 | |
第14話 | うたがわしい夏(前編) | S3 (下) |
第15話 | うたがわしい夏(後編) | |
第16話 | 真夏の夜 | |
第17話 | ふたたびの秋 | |
第18話 | ||
第19話 | ||
第20話 |
※話数:リンクは各話レビューへ
※サブタイトル、原作小説:ネタバレを避けるため次話以降はマスク
※原作小説:S3(シリーズ第3弾)「秋期限定栗きんとん事件」
はじめに
連続放火犯は捕まった。
小佐内さんは小鳩に、何をしたのか教えてほしいと言う・・・。
女子の唇は、地球よりも重い!?
人のふり見て元カレ(カノ)思い直せ!?
切れ味鋭い刀は、ちゃんとした鞘でなければ、かえって危険。
安全装置と共に、キチンと扱うのが一番!?
小鳩が小佐内さんとの互恵関係を解消したのが昨年の夏。
まともに話すのは1年ぶりなのに、事件の話から入るのがこの二人らしい(笑)。
1年経てば、星も元の位置に戻る。

「やるね! by吉口」じゃねえよ!(笑)

このシーン笑った!
吉口さん好きかも(笑)
小鳩と小佐内さんのコンビ復活に目を奪われがちですが、事件の方も犯人逮捕で無事決着!
では、小鳩の楽しそうな推理SHOWとともに、今回の話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第17話「ふたたびの秋」
8月(解決編)
連続放火犯は捕まった。小佐内さんは小鳩に、小鳩が何をしたのか教えてほしいと言う。小鳩は事件に興味を持ったキッカケから話し始める。
ライトバン
今年の2月、僕の家の近くで放火があった。
その車は、北条さんのだった。覚えてる?
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
去年の夏、小佐内さんを拉致したグループの1人。
去年の夏の拉致とは、1期7~8話の事件のこと。

北条とは、拉致をした石和グループの一人。
北条さんの車とは、正確には北条さんの父親の車です。(8話 )
えっ、そこからだったの?
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
小佐内さんが驚いたのは、小鳩がもっと早い段階からこの事件に興味を持っていたと考えていたからでしょう。
原作では ──
ぼくは、この連続放火にたいして興味を持っていなかった。去年の小佐内さんはぼくのことを、謎を見かけるとふらふら引き寄せられる蛾みたいな性質の持ち主だと勘違いしていたらしい。だけどぼくだって、この世のすべてを面白がっているわけじゃない。放火が続いても、せいぜい、物騒だなあと眉をひそめるぐらいだった。
by 小説『秋期限定栗きんとん事件(下)』
あの燃えた車が北条さんのものでなかったら、そのままかかわらずに済ませていただろう。
謎を見つけると何でもかんでも首を突っ込むと思われていることに、小鳩は心外だったようです(笑)。
つまり、もし放火された車が北条の車でなければ、小鳩は事件に興味を持たなかったということです。
私も拉致に使用された車が放火されたことで、小佐内さんが関係しているのではないかと疑いました。(12話 )
でも、それは ──
あれはただのゴミだから狙われたんであって、持ち主は関係なかったみたいだね。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
知っている車が放火されたのは偶然。
拉致事件とは全く関係なかったのです。
すっかり引っかかってしまいました(苦笑)。
というのも・・・。
瓜野が、この2月の放火事件の記事を見せたとき ──
それがこの記事を見たときに限って、強い反応があった。さしずめ刃物でも突きつけられたように身をこわばらせると、じっと二つの記事に見入ったのだ。
by 小説『秋期限定栗きんとん事件(上)』
小佐内さんは、珍しく動揺していたのです。

おお、確かに珍しい!
この一文がずっと心に残っていて、きっと小佐内さんはこの放火事件に関係しているに違いないと思い込んでしまいました。
小佐内さんは放火事件には関係しておらず、単に拉致に使われた車が燃やされたことに驚いただけだったのです。
原作では ──
「あのときは、わたしもびっくりしたの。でも、びっくりしただけ。こういうこともあるんだなって」
by 小説『秋期限定栗きんとん事件(下)』
このように小佐内さんも返しています。
ライトバンが放火されたのは ──
単に、車が河川敷に放置されたゴミだったから。
昨年起きた小佐内ゆき拉致事件とは、全く関係ありませんでした。
でも、それが小鳩が事件に興味を持つきっかけになりました。
犯人は何の気なしに河川敷に放置してある車を燃やしただけなのに、小賢しい狐を引き寄せてしまったのです。
皮肉な話です。
本来、小鳩は連続放火事件には興味がなかったはずです。
でも、小佐内さんが拉致された事件の車が放火されたことで興味を持ち始めました。
では、去年の拉致が関係ないと分かれば興味を失ったのでしょうか?
いいえ、小佐内さんが新聞部に関わっていると知り、事件を追うことにしたのです。
つまり、小鳩は ──
小佐内さんが関係しているなら、そこには何かあるはずだと考えて興味を持ったのです。
小鳩は、この自分の思考パターンに気付いているのでしょうか・・・。
防災計画説
一連の連続放火は、そこに書かれた消防分署の逆順で起きてる。
その予想を元に記事を書いたら、その通りに事件が起きてしまった。
仮説が事実によって裏付けられたように感じただろうね。でも、僕はちょっと妙に思った。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
放火犯が、消防分署の管轄を意識しているだなんて・・・。
連続放火が起きているのは6年前の防災計画のみだと分かり、小鳩はここで判断します ──
ただでさえ無理っぽい仮定に、限定が加わった。
こうなれば、防災計画説は諦めた方がいい。むしろ、月報船戸説の方が自然だ。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
ただでさえこじつけのような仮説に、さらに6年前という厳しい条件が加わりました。
そんなのは仮説ではなく、ただのこじつけ。
それでもその通りに放火が起きたのは ──
月報船戸のコラムを読んで、実行していたからだと考えたのです。
なるほど。
14話 ──
── 分かってる。分かってるが、どういうことなんだ・・・。
つまり、瓜野くんの家にあった防災計画が、たまたま6年前のものだった。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ第14話
それだけだよ。
ここで言う「たまたま」とは ──
「連続放火犯が瓜野の近くにいて、たまたま目にした」という意味だと思っていました(苦笑)。
違いました。
単に連続放火の現場が、偶然6年前の分署リストの逆順と一致してしまっただけだったのです。
つまり、犯人は防災計画など見てもいない。
ただの偶然の一致 ── そういう意味での「たまたま」だったのです。
お見事!
私も、6年前の防災計画をなぞって何の意味があるのだろう?とは思いました(苦笑)。(14話 )
ただ、4回連続で当てているのだから、理由はともかく防災計画の分署リストの逆順なんだと確信していました・・・。

これが小市民と知恵働きの違いか…

まあまあ…
ちなみに、この辺りは、原作ではもう少し丁寧に説明されています。
「瓜野くんは、放火現場の共通点を探した。そして見つけた。見つけてしまったんだ。ぼくはその時点では瓜野くんのことを知らなかった。でもおそらくその下級生は、共通点を挙げるときの罠に気づかなかったんだろうなって思った」
頑張って探せば、予想通りの資料を探し出すこともできる。その瞬間、その予想が正しいのか疑う気持ちは消えてしまう。- 後略 -
by 小説『秋期限定栗きんとん事件(下)』
要は、電話帳、ハザードマップ、エリアが記載されている資料を片っ端から探せば ──
4箇所程度の共通点なら何かの資料に当てはまってしまう、と言っているのです。
確かに考えてみれば、最初に起きた放火は市の西側エリアに偏っていました。
エリアが固まっていれば、それに当てはまるリストがあっても不思議ではありません。
瓜野にとって不運だったのは、それが防災計画だったことでしょう。
火事に関係がありそうな資料なので、これだ!と信じ込んでしまったのかもしれません。
私も含めて、ですが・・・。

門地の「偶然だ、こんなもの」と言った感覚は正しかったんだね…

お~、確かに!
そして、コラムで予想記事を書くと、その通りに事件は起こり、ますます防災計画説を信じ込んでしまったのです。
仕掛けた罠
そこで作戦を立てた。
6月号のコラムを少し書き換えたんだ。犯行現場の予想で、もっと細かい場所を指定した。
それを何種類も作り、クラス毎に違うものを配った。放火が起きれば、その時点で犯人のクラスを特定できる。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
原作によると ──
船戸高校の生徒は約1,000人。
1年生を除外しても約660人いるようです。
1クラス約40人だとすると、全部で16、17クラスでしょうか。
五日市くんは、それだけの種類の場所を書き換え印刷して、間違えずに配っていたのです。
とんでもない作戦を実行したものです(笑)。

五日市くん、すごっ!
防災計画説ではなく、月報船戸説が正しければ、コラムの予想に細工をして犯人をあぶり出せるはずです。
ここでも私は思い込みに囚われていました。
犯人は防災計画を持っているはずだから、コラムに違う情報を書いても意味がない、と。(15話 )
でも違いました。
小鳩は、犯人は防災計画など持っておらず、月報船戸のコラムだけを参照していると考えたのです。
そして、事件が去年から起きていることから1年生を除外しました。
ここでも私は見事に読みを外しました。
「クラス単位でコラムを書き換えても新聞部員に見つかってしまう」と。
でも、新聞部員は瓜野と五日市を除けば全員が1年生。
2、3年生に配るコラムに仕掛けを施せば、瓜野は細かい所まで読まないので気付かない。
残る2年生の五日市が言わなければ、新聞部員は気付かないのです。

お~~、そういうことか~~
だからこそ、罠を仕掛けることができたのです。
しかも、違う地区を指定するのではなく、より詳細な場所を指定するという巧妙な手法で・・・。

あっ!

どした??
そういえば、氷谷が気になることを言っていましたね ──
そう言えば、読んだよ今月の「月報船戸」。
名調子は相変わらずだけど、ちょっと書き方が変わってたね。- 中略 -
記事のスタイルというか、書き方というか・・・。
by 氷谷優人『小市民シリーズ』TVアニメ第15話
これは、犯行現場の予想が細かくなっていたことを指摘していたのでしょう。
今までよりも予想が詳細になった。
瓜野は新たな情報を得たのか、あるいは新しい仮説を立てたのか?
そう考えた氷谷は、瓜野に探りを入れたのです。
ところが瓜野は罠のことを知らないので、まったく反応を示しません。
そのため氷谷も、自分の勘繰りすぎかと判断したのでしょう。
ある意味、氷谷も瓜野をバカにしていたのでしょう。
瓜野にそんな罠を張れるはずがない、と。

あっ、そうなんだ・・・
いや、そうだよね・・・
瓜野の友達を探せ!?
── 親しいっていうのはどうして?
最初に放火の記事が載った2月の時点で、月報船戸に注目してた人間は殆どいなかった。
なのに、犯人は記事に目を付けて、それを元に犯行に及んだ。
なぜか?
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
恐らく記事のことを事前に聞けるほど瓜野くんと親しい人物だからだ。
なるほど。
放火を取り上げた瓜野のコラムが「月報船戸」に初めて掲載されたのは、2月号(2月始めに発行)。
この頃は、殆どの生徒が「月報船戸」を読んでいません。
当然、最終面である八面のコラム新設など気付く人はほとんどいないでしょう。
そんな時期に読んでいた、あるいは気に掛けていたのは、新聞部員と親しい間柄の人物だと推測したのです。
なんと、「月報船戸」が読まれていないことも伏線だったのです。
まあ、ここは異論ありですけどね(苦笑)。
コラムが発行されてから犯行に及んだのです。
事前に記事の内容を知らなくても問題はありません。
それに、「月報船戸」に興味を持っているのは、瓜野の友達だけでなく、新聞部員の友達なら読んでいる可能性があります。
2年生であれば、五日市の仲の良い友達だって読んでいるはずです。
クラスを絞り込むまでは良いです。
ただ、瓜野の友達だけに絞り込んだのは、少し早計ですね。
小鳩くん、完全に犯人を炙り出すという罠を張る行為に酔っていますね(苦笑)。
さて、アニメではカットされていますが、原作では、ここで小佐内さんに(心の中で)言及しています。
「どうして小鳩くんがいまのポイントを飛ばそうとしたのかも、わかった」
やっぱりわかるかな。それとも、さすがと言うべきか。
そう。この一点があったからこそ、ぼくはかなり後まで、小佐内さんが放火犯である可能性を排除しきれなかった。- 後略 -
by 小説『秋期限定栗きんとん事件(下)』
瓜野と親しい人物、ということだと小佐内さんも容疑者です。
確かに、小佐内さんは昨年から瓜野と親しかったし、月報船戸も読んでいました。
現に、コラムができる前から、瓜野は小佐内さんに月報船戸を変えたいと言っていました。

原作によると ──
コラムに罠を仕込むには、本当は瓜野に頼むのが一番良かったのですが、小佐内さん犯人説を拭いきれなかったので、五日市に頼んだのです。
で、2年G組には、確かに瓜野くんの親しい人物がいた。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
小鳩はどうやって瓜野と親しい人を探したのでしょうか?
もうお分かりですよね。
とりあえず成果が出るまで1ヶ月。
その後、そうだな・・・もう一度吉口さんの力が借りられれば万全だね。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ第14話
クラスを特定して、あとは交友関係を探る。
ここで、情報屋・吉口さんの力を当てにしていたのです。
張り込み場所
その子を最有力容疑者に、もう一度、罠を張った。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
8月は針見町一丁目の貯水池付近が狙われるってね。
2年G組に配布する「月報船戸」に再度罠を仕掛け、貯水池付近が狙われると書いたのです。
それで小鳩は、ピンポイントで犯人が来る場所を特定できたのです。
あれ?
おそらく、8月の罠は2年G組だけに仕掛けたはずです。
なのに、なぜ小佐内さんは現場近くにいたのでしょうか・・・。

あっ、そうじゃん!
なんで!?

偶然?
いや、少し違いますね。
小佐内さんは、新聞部がカバーしていない所を狙って張り込んでいました。
今回は、小鳩と堂島で犯人を捕まえるため、五日市と協力して新聞部員が配置されない場所に罠を仕掛けたのでしょう。
その結果、小佐内さんが見張る場所の正解の確率が上がったのではないでしょうか。

おお~~そゆことか

小佐内さんが、どうやって新聞部の張り込み位置を知ったのかは分からないけど…
原) この手の事件は苦手?
見事ね、小鳩くん。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
原作では、このセリフの後に小佐内さんの興味深いセリフが続きます。
「さっき火事のそばで会ったとき、なんとなく予感したの。小鳩くんはもう放火魔を捕まえたも同然なんだって。今回みたいな、犯人かもしれないひとの数が何百何千人になる事件は、小鳩くんの得意じゃないってわかってた。それでも、きっと捕まえちゃうんだろうなって思った。なんでかな?」
by 小説『秋期限定栗きんとん事件(下)』
小佐内さんは、容疑者が大勢いるような事件は小鳩の得意分野ではないと考えていたのです。

えっ、そうなんだ!?

むしろ、なぜ苦手だと思っていたのか知りたい…
でも小佐内さんは、小鳩なら必ず犯人を捕まえるだろうとも確信していました。
それでも、きっと捕まえちゃうんだろうなって思った。なんでかな?」
by 小説『秋期限定栗きんとん事件(下)』
「さあ、ぼくにはわからない」
「わたし、小鳩くんのこと、こんなに信用してたかな?」
小佐内さんは、自分の中にある小鳩への強い信頼感に気付きます。
それに対して小鳩は ──
時間がかかってるし、被害も出てる。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
褒めてもらえる手際じゃない。
と、時間がかかりすぎたと謙遜、いや、自省するのです。
小鳩は、放火を1件見逃してしまったことを悔やんでいるのでしょう。
船戸高校関係者が犯人だと確信していながら、特定のために放火を1件見過ごしてしまった。
そんな対応は褒められることではないと言っているのです。
時間がかかったと言う小鳩に対し、小佐内さんは警察を含め他の誰も解決できなかったと言います。
でも小鳩は ──
確かに最初は乗り気じゃなかったけど、五日市くんを巻き込むあたりからぼくは楽しんでいた。面倒な資料調査も見返りがあると思えば苦じゃなかったし、犯人がまんまと罠にかかって正体を曝したときは、にやにや笑いが止まらなくて寝付けなかったぐらいだ。
by 小説『秋期限定栗きんとん事件(下)』
小鳩は事件を楽しんでしまったのです。
悪を許せない、困っている人を助けたい、そんな正義感からではなく。
純粋に楽しいから事件を解いていったのです。
アニメではこの心情を、一言のセリフに凝縮したのでしょう。
僕はただ、知恵働きを楽しんでただけだよ。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
どっちもどっち?

仲丸さんは、他にちゃんと恋人がいてね。
それを知ってもそれまで通りにしてたら、何だか人間失格みたいな勢いで怒られちゃった。── あ、うん。それは人間失格っぽい。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
仲丸さんに呼び出されたのは、先月の連続放火予想日。
今日はあれからちょうど1ヶ月。
小鳩は、仲丸さんとのことを自虐的に話せるようになっていたのです。
それにしても、人間失格とはヒドい表現ですね。
そして、それを否定しない小佐内さん(笑)。
では、小佐内さんはというと ──
知りたかったの、恋とはどんなものかしらって。
私、瓜野くんのために尽くしたのよ。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
行動が気持ちを育てると思ったの。
小佐内さんが瓜野の告白を即OKしたのが疑問でした。
なるほど。
小佐内さんが瓜野と付き合ったのは、恋を知りたかったから。
恋する乙女を演じれば、恋心が分かるかもしれない。
恋を知らない小佐内さんは、瓜野に恋してるわけではないのに、恋していると仮定して行動していたのです。
私、瓜野くんのために尽くしたのよ。
行動が気持ちを育てると思ったの。自分でも上手くやったと思うのに・・・。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
自分でも上手くやったと思うのに・・・って。
いや、全然上手くないから!

おお、びっくりした(笑)
恋を知るために、瓜野に尽くす。
その結果が、新聞部に校外のネタを書くためのスペースを作るために裏で動くこと!?
いやいやいや。
恋を知りたいのなら、交友範囲を広げて、気になる人がいたら親しくなって、一緒にいる時間を増やす。
その時に感じた自分の気持ちを大切にすることが大事です。
応援するのは良いとして。
恋を知るために暗躍するのは、少なくとも違います。

確かに・・・
そもそも、尽くすというのが間違いだったのかもしれませんね(笑)。
好きになってから尽くすのなら、まだ分かりますが・・・。
つまり、この二人は恋を知らないので、誰かと付き合っても形だけの、教科書をなぞったような関係しか築けないのです。

しかも小佐内さんは教科書が、裏稼業になってるし…

・・・
原) 反応なし
私は瓜野くんと付き合ってこう思った。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
この子、他愛ないなって。
「他愛ない」とは、取るに足りない、手応えがない、張り合いがない、という感じでしょうか。
小佐内さんは、瓜野をこんな風に思っていたのです。
その気持ちは、これまでの態度からも滲み出ていましたね(笑)。
ヒドい言い方ですが、実際そうだったのでしょう。
アニメではカットされましたが、原作では小鳩が仲丸さんに感じていたことも描かれています。
- 前略 -
ぼくがどんなに知恵を働かせても、嬉しいことに、そのこと自体に気づかなかったんだ」
仲丸さんとの楽しい日々については、三文字で要約できる。- 中略 -
「糠に釘、かな」
by 小説『秋期限定栗きんとん事件(下)』
「糠に釘」。
これも手応えがない、という意味ですね。
- 前略 -
でも、褒め称えられることは嬉しく、嫌われることは悲しいとしても。
……気づいてももらえないというのはどうだろう。ぼくは仲丸さんに、「いやちょっと待って。いまぼくは謎を解いたんだけど、それについて感想は?」と言いたい衝動を抱えていた。結局、口にはしなかったけれど、そのもどかしさは時間と共に積もっていく。- 後略 -
by 小説『秋期限定栗きんとん事件(下)』
それでも、小鳩は仲丸さんに(心の中では)期待していたのです。
仲丸さんに直接伝えた方が良かったのかもしれません。
でも、小鳩の期待する反応が返ってくる可能性は低かったでしょうね・・・。
それが分かっていたからこそ、小鳩は黙っていたのでしょう。
小佐内さんのアニメのセリフは、小鳩の仲丸さんへの思いを聞いてから返したのです。
私は瓜野くんと付き合ってこう思った。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
この子、他愛ないなって。
「糠に釘」と「他愛ない」。
同じような意味合いですが、「他愛ない」の方が、より見下したニュアンスを感じますね(笑)。
事実、原作では小鳩も「そこまでは思わなかったかな」と心の中で突っ込んでいます(笑)。

この辺、原作は心情描写が本当に面白いので、ぜひ原作を手に取って下さい
互恵関係復活
喋らせてくれてありがとう。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
やっぱりこっちの方が・・・体温が上がるよ。
小鳩はこの1年間、自分が考えたこと、謎を解き明かしたことを誰かに話すこともできなかったのです。
小鳩と小佐内さん。
二人でいるときが、お互い素でいられる時間なのでしょう。
それは、小市民になることを諦め、二人で生きていこうということなのでしょうか。
その点について、原作では以下のように描かれています。
「小市民」とは、まわりと折り合いをつけるためのスローガン。もう二度と孤立しないための建前。ぼくは使い物になりませんから放っておいてください、という白旗。
- 中略 -
そうじゃない。必要なのは、「小市民」の着ぐるみじゃない。
by 小説『秋期限定栗きんとん事件(下)』
たったひとり、わかってくれるひとがそばにいれば充分なのだ、と。
自分たちに必要なのは小市民ではないことに気付いたのです。
自分のことを理解してくれる人がいれば孤立しない。
たった一人、分かってくれる人がそばにいてくれれば良い。
つまり、小市民になるのを諦めたのではありません。
小市民になる必要がないと分かったのです。
小鳩くん、また一緒にいようね。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
コンビ復活!
では、二人の関係は、今度こそ付き合う(恋人)ことになるのでしょうか!?
私はそうは思いません。
二人は「(互いに相手が必要な)互恵関係」に戻っただけだと解釈します。
ただ・・・。
以前から思っていますが、原作の小鳩の心情描写を読んでいると、少なくとも小鳩には小佐内さんに対して特別な感情があるように感じるんですよね・・・。
皆さん、どう思います?
小鳩は、この1年間、何かあると小佐内さんのことを思い出していました。
仲丸さんと付き合っている時も、仲丸さんが二股三股していると聞いても、何かキッカケがあると事件のことを・・・。
いや、小佐内さんのことを考えているのです。
確かに、解きたがりな小鳩のことだから、小佐内さんが関係していると謎の匂いを感じるのでしょう(笑)。
でも、こういう見方もできませんか?
それって恋・・・に限りなく近い感情ではないかと。

おお~~~恋?

ハッキリとは書いてないんだよねー
心情描写なのに(苦笑)
これが残り数話でどう表に出てくるのでしょうか。
そして、小佐内さんは小鳩のことをどう思っているのでしょうか・・・。
9月(エピローグ)
季節は秋。小鳩は小佐内さんに、放火事件で疑問に思っていたことを尋ねる。
月報船戸9月号
新聞によると犯人は「むしゃくしゃしていてやった。友達が大騒ぎするのが面白かった」。
大騒ぎした側にも、少し責任があるかもしれません。
by 五日市公也『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
この欄にも反省しなければならないことがあると思っています。
アニメでは「月報船戸」9月号が9月1日付けですが、原作によると9月号が配られたのはずいぶん経ってから ──
二学期始業式の日に配られず、それからもしばらく音沙汰がなかったので、九月号は出さないのかと思った『月報船戸』。ずいぶん経ってから、思い出したように配られた。ぼくは遅れた理由に見当がついたので、そんなものかと思っていた。クラスの他の連中は……、学内新聞なんてものには、最初から興味がないようだった。
by 小説『秋期限定栗きんとん事件(下)』
原作に掲載されたコラムの日付によると9月16日に発行されたようです。
原作によると、夏休み明けの「月報船戸」9月号が発行されたのは、9月16日。
連続放火犯が船戸高校の生徒で、新聞部部長の瓜野の友達だったことが判明。
さらに、瓜野がコラムで取り上げて騒ぐのを犯人が面白がっていたとなれば、新聞部はショックだったはずです(苦笑)。
気になるのは、このコラムの執筆者が五日市になっていること。
瓜野は部長を辞めて、五日市が新しい部長になったのでしょうか・・・。

えっ、そういうこと!?
瓜野はどうなった?
氷谷優人
── 人間関係が希薄になる中で、こういう形でしか繋がりを求められない。
別にそこまで考えてなかったと思うよ、氷谷くんは。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
月に一度のささやかな気晴らし。
堂島が読んでいる新聞は、小鳩が持っているものより大きいですね。
つまり、堂島が持っているのは「月報船戸」ではなく一般紙でしょう。

なるほど、そういうことか
連続放火犯は氷谷。
氷谷は、瓜野が連続放火の法則を見つけ予想が当たっていたと喜んでいるのを面白がって見ていたのです。
ハンマーの痕跡も瓜野くんのためにわざわざ作り上げた可能性が高いね。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
最初の放火現場で、少し離れた電柱の痕跡を見つけたのも氷谷でした。(11話 )
氷谷は、瓜野にこの放火が関連性のある連続放火だと気付かせたかったのでしょう。
瓜野が防災計画を持ち出してきたときは、内心さぞ嬉しかったでしょうね・・・(苦笑)。

瓜野くん、さすがに可哀想かも…

氷谷こそ人間失格
また、原作では、小鳩はこんな情報を得て推理しています。
金曜の深夜だったのは、要するに金曜は深夜まで塾があるからだったらしい。そんなことだろうと思っていた。思っていたのに、「八月は夏休みだから塾のシフトが変わって、深夜じゃなくなるかもしれない」ということに気づかなかった。これはぼくの失敗だ。
by 小説『秋期限定栗きんとん事件(下)』
第二金曜の深夜から翌日にかけての放火は、金曜深夜まで塾があるからでした。
8月は夏休みなので塾のシフトが変わり、いつもより早い時間に実行できたのです。
情報屋・吉口
やるねっ!
by 吉口『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
廊下ですれ違い様、呟く吉口。
この二人。
何度か話しているのに、廊下ですれ違っても目も合わせないのでしょうか(笑)。
小鳩が仲丸さんと別れたのは7月の放火予想日である第二金曜。
小鳩と小佐内さんが復縁したのは8月の放火予想日である第二金曜日。
この日は夏休みが明けた9月。
アニメでは9月初旬になっていますが、原作では9月16日以降です。
吉口は、小鳩が仲丸さんと別れ小佐内さんと復縁した情報を得ているのでしょう。

吉口さんの中では、きっと小鳩が元カノ取り戻したことになっているに違いない

ああ!そゆこと!?
現に原作では ──
彼女からすればぼくは、小佐内さんを瓜野くんから奪い取った勝利者のように見えるのだろう。
by 小説『秋期限定栗きんとん事件(下)』
小鳩は、勝者になっているのです(笑)。
小鳩が、瓜野から小佐内さんを奪い取った。
だから、情報屋・吉口は「やるねっ!」と言ったのです。
桜庵

ごめん、待たせちゃって。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
学校帰りにスイーツを食べに行く二人。
以前のような関係に戻れたよう。
情報屋でなくたって、学内でこんな風に待ち合わせしていたら二人の関係はバレバレですね(笑)。
原作では、小鳩は行き先も分からないまま呼び出されています。
「それで、今日はなんだっけ」
メールで呼び出されたけど、どんな用事か知らない。- 中略 -
「あのね。〈桜庵〉で、秋期限定の栗きんとんが始まったの。でもあのお店、一人で行くとカウンターに通されるでしょう? わたし、ボックスでゆっくりしたいから……」
by 小説『秋期限定栗きんとん事件(下)』
お前は数あわせだ、と言われてしまった。
小佐内さんは、小鳩と一緒に食べたいわけではなく、ただボックス席を使いたいがために声をかけたのです(苦笑)。

小佐内さん~~、そういうとこだよ!

正直者、それが小佐内ゆき
このお店の名前は、前話でも登場しましたね。
そのあと生徒指導部から横やりが入ったりもした。
あの先生が転勤になったことを教えてくれたのは、お前だった。あの店で・・・。
── 桜庵ね。アイスクリーム二種盛り合わせがお勧め。
by 瓜野高彦『小市民シリーズ』TVアニメ第16話
そして「アイスクリーム二種盛り合わせ」といえば ──
桜庵は<小佐内スイーツセレクション・夏>で4位に選ばれたお店です。

この店は、瓜野も小鳩も来たことがあるのです。
復讐の動機
電車の音は、何らかの理由で、瓜野くんにあなたが犯人だと言わせるための誘導の一つだったと考えられる。
- 中略 -
その頃から小佐内さんは瓜野くんへの復讐を始めた。
by 小鳩常悟朗『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
いつか間違った告発をさせるという、ね。
小佐内さんは「瓜野くんを応援したい」と言っていたはずなのに、前話でケチョンケチョンにした理由が明らかになりました。
瓜野は5月から、小佐内さんの復讐対象になっていたのです。

理由は書かなくてもお分かりですよね?

女の子にとってキスは重要なの!
復讐対象になった瓜野を完膚なきまでに叩きのめす。
5月以降の小佐内さんの不可解な行動は、全て瓜野に誤った認識をさせるための布石だったのです。
前話で見せた小佐内さんの笑顔は、復讐を果たしている時の満足げな表情だったのです・・・。


こうして並べると凄すぎる…

だよね
全てが間違った告発をさせるためだったとは…
生活指導部
私、高校に入ってから初めて本当に復讐したの。
1年の春はせいぜい仕返しだったし、2年の夏は自分を守るためだった。私にとって復讐はあんなものじゃない。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
相手に敗北感を植え付けて、行動が愚かだったって思わせて、自分の無力を心から信じるようにすることなの。
小佐内さんにとっての復讐とは・・・。
なんと、『春期限定いちごタルト事件』のサカガミに対しても、『夏期限定トロピカルパフェ事件』の拉致グループに対しても復讐ではなかったのです!(爆)
あれ?
復讐かどうかは置いておいて ──
小佐内さんが高校に入ってから手を出したのは、1年の春と2年の夏だと言っていますね。
では、生活指導部の教師・新田が異動した件は、小佐内さんは関与していないのでしょうか?

偶然なのか?
それとも、氷谷が何かしたのか?
氷谷の可能性も十分考えられます。
生活指導部からの横やりにより、コラムで連続放火犯を書けなくなりそうだと聞くと、氷谷は強く憤っていました。
月報船戸で連続放火犯を取り上げなくなったら、氷谷の楽しみが減ってしまう・・・。
生活指導部のせいで、月報船戸で連続放火事件を取り扱えなくなってしまう・・・。
そう考えると、氷谷が何かした可能性は十分にありそうですね。

こわっ!
生徒指導教師・新田高義は、なぜこのタイミングで異動になった?
栗きんとんとマロングラッセ
小鳩くんは、どっちが好き?
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
最後に、(尺を取って)意味深に説明された栗きんとんとマロングラッセを取り上げて締めましょう。
以前、マロングラッセの作り方は、小佐内さんと瓜野の関係に例えられました。(12話 )

私、マロングラッセって大好き。
だって、ほら何だかカワイイでしょ。そしてね。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ第12話
あなたが私のシロップなのよ。
では、栗きんとんも何かに例えているのでしょうか?
もちろん例えているはずです。
この場合、栗が甘くなることを ──
人が尖った人格ではなく、普通になることに置き換えているのでしょう。
マロングラッセは、シロップ(小市民)を何回も何回もまとうことで、栗を甘く(小市民に)します。(12話 )
栗きんとんの作り方は ──
煮た栗をね、よく裏ごしして、砂糖と合わせて、弱火にかけて、栗から出た水分だけをつなぎにして、茶巾絞りにするの。
ね、簡単でしょ。
by 小佐内ゆき『小市民シリーズ』TVアニメ第17話
栗をよく裏ごしして、不要なものを取り除くことで甘い栗きんとんができあがるのです。
さすが小鳩くん。
瓜野と違って、ちゃんと理解しています。
よくわかった。そのままではえぐい自称小市民を、誰からも疎まれないようにする方法論。
by 小説『秋期限定栗きんとん事件(下)』
シロップのように甘い恋人といっしょにいて、砂糖の衣を重ね着するうちに自分も甘くなろうとするのも、一つの方法。小佐内さんはそれを期待していたとはっきり言ったし。
だけど結局、それでは上手くいかなかった。マロングラッセ方式は失敗だった。
ぼくたちは煮られて潰されないと、ちゃんとアクが抜けないのだろう。何度も叩き潰されたはずなのに、どうやら裏ごしが足りなかったらしい。
マロングラッセ方式では、小鳩と小佐内さんは美味しくならないのです(笑)。
二人が小市民になるには、栗きんとん方式が必要。
実際問題、二人からアクを取り除くには、どんな方法が適切なのでしょうか・・・。
『秋期限定栗きんとん事件』なのに、マロングラッセは印象的に語られましたが、栗きんとんが出てきませんでした。
狼と狐を普通にするには、マロングラッセではなく栗きんとん方式。
なるほど。
そういう意味を込めての『秋期限定栗きんとん事件』だったのです。
おわりに (『小市民シリーズ』17話とは)
1期最終10話後半から始まった『秋期限定栗きんとん事件』がついに完結!
長かったですね。
(誘拐も重い犯罪ですが)段々エスカレートしていく連続放火は、これまでの学内や登場人物の周囲で起きていた事件を超えて大きな事件に感じられました。
でも、事件自体は意外とあっさり解決(苦笑)。
そうでした。
『小市民シリーズ』の事件は奇抜さやトリックが売りではなく、シンプルが基本。
事件を通して描かれる人間模様と、それに巻き込まれる主役の二人の対処の仕方が見所なのです。
事件を、文化祭や体育祭のようなイベントとして扱う話運びが見事でした。
さて、次から新エピソード『冬期限定ボンボンショコラ事件』。
冬期は『小市民シリーズ』の完結編となります。
気になるのはアニメの残り話数。
1期と同じなら全10話で、残り3話!?
(アニメ鑑賞後に原作を読んでいるので)冬期のボリュームは分かりませんが、3話ではさすがに厳しいと思います。
なにせ、最終エピソードですからね。
ただ、2期の話数は未発表。
通常、Blu-ray発売情報などに記載があるのですが、そういった情報も現時点ではありません。
秋期をここまで丁寧に描いてくれたアニメスタッフですから、冬期も大丈夫だと思いますが・・・。

信じてます!

うん、大丈夫だよ、きっと!
とりあえず、次話で原作小説『冬期限定ボンボンショコラ事件』がどこまで進むのか見てみましょう。
兎にも角にも、次話から新エピソード。
季節は、高校3年生の秋。
残り少なくなった高校生活の中で、どんな物語が待っているのでしょうか。
楽しみです!
以上、TVアニメ『小市民シリーズ』第17話の感想&考察レビューでした。
長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。
次話のレビューも書く予定です。
良かったらまたお越し下さい。
最新情報はX(@toki23_a)にて!
ではでは。
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疑問点 まとめ(Q&A一覧)
この章では、疑問点をまとめていきます。
- 今話で生まれ解決した疑問は、本文で解説して本章でまとめ
- 今話で解決しなかった疑問を、疑問XX-XX(話数-通し番号)として記録
⇒ 本章「疑問点まとめ(Q&A一覧)」でまとめ - 答えは、推測ではなくできるだけ(原作含む)作品内で明らかになった事実を記載
※推測が入る場合は、断りを入れる
⇒ 解決した疑問は、次話で削除
今話で解決した疑問 (クリックすると答えが表示されます)
今話で新たに発生し、解決しなかった疑問
- 疑問 17-01 瓜野はどうなった?
残っている疑問
- 疑問 04-01 小佐内は、なぜ警察と関わりたくない?
- 疑問 09-01 中学生時代、小佐内は石和と何があった?
- 疑問 10-01 小佐内さんが石和を怖がっていたのは本当?
- 疑問 10-02 小佐内さん、中学時代の宿題はまだ残っている?
- 疑問 12-03 生徒指導教師・新田高義は、なぜこのタイミングで異動になった?
今週のX感想ポスト
#小市民シリーズ #小市民 17話
— 時文@ここアニ(『薬屋』『小市民』レビュー中) (@toki23_a) May 18, 2025
1年経てば星も元に戻る
女子の唇は地球より重い!?
人のふり見て元カレ(カノ)思い直せ
離すな危険キス厳禁。切れ味鋭い刀はちゃんとした鞘でなければかえって危険。安全装置と共に扱うのが一番!?1年ぶりの会話が事件なのが"らしい"😆
「やるね!by吉口」じゃねえよ!🤣
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