アニメ【薬屋のひとりごと】27話感想&考察 櫻の樹の下と言えば…では茸の下には何がある?そして美しい顔の裏には…

薬屋のひとりごと 第27話

【文字数(本文):約1万3千文字(目安21分)

こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『薬屋のひとりごと』第27話「冬人夏草」を鑑賞しました。

本レビューではアニメ感想だけではなく、原作・コミカライズ情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。

皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。

今話の原作

原作小説 3巻

コミック 9巻

今回アニメ化されたのは──

原作

3巻 5話「冬人夏草 前編」 ~ 6話「冬人夏草 後編」まで

コミック

9巻 34話「冬人夏草・前編」 ~ 35話「冬人夏草・後編」まで

今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)

今話で解決しなかった疑問

最下部「疑問点まとめ (Q&A一覧)」に記載

本レビューの方針

本レビューは、次話以降のネタバレなし

『薬屋のひとりごと』は、小説投稿サイト「小説家になろう」連載
ライトノベルと、月刊誌2誌で別の漫画家によるコミカライズ2作品があります

私は、ライトノベル、コミカライズ共に未読です。

アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成します。

アニメ鑑賞

コミカライズ、ライトノベルを読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」

よって、次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください

なお、原作ライトノベル、コミカライズの情報は、「原作情報」として区別できるよう記載します。

原作情報
  • 「ヒーロー文庫」のライトノベルを ── 原作
  • 「月刊サンデーGX」連載のコミカライズを ── コミック
ココア

こんな感じです
緑系の色を目印にしてね!

引用部分も次のように緑系をワンポイントに ──

 宦官が驚いた表情で猫猫を見るが、そんなの関係なかった。
 引出しの見出しを眺め、珍しい薬を見つけるなり踊るような奇妙な動きをしてしまう。喜びがあふれ出て、頭の中に納まりきれなかった。
「なんかの呪いか、なにかか?」

 四半時、そんなことを繰り返したところだった。
 いつのまにか現れた壬氏が奇異の目で踊る猫猫を見ていた。

by 『薬屋のひとりごと』原作1巻

コミカライズは、別の漫画家による2作品が刊行されています。

  • 「月刊ビッグガンガン」連載の「薬屋のひとりごと
  • 「月刊サンデーGX」連載の「薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜

両方読んでいますが、本サイトでは、アニメの補完となると情報の多いを選択しました。

「コミック」として紹介する情報は基本です。
が、今後も両方読んでいくので、にしかない情報があれば、その時は注釈を付けて紹介します。

ココア

同じ内容なのに、2つも読むんだ・・・

時文

その方が、理解が深まるんだよ


ちなみに、考察や疑問はオレンジ系。

考察

補足や余談、参考情報はブルー系に色分けしているので、読む際に目安にして下さい。

補足

2期 全24話 各話リスト

薬屋のひとりごと (2期 前半クール)各話リスト
話数サブタイトルコミック原作
第25話猫猫と毛毛8巻3巻
第26話隊商
第27話冬人夏草9巻
第28話
第29話
第30話
第31話
第32話
第33話
第34話
第35話
第36話

※話数:リンクは各話レビューへ
※サブタイトル:ネタバレを避けるため次話以降はマスク

目次

はじめに

『薬屋のひとりごと』第27話「冬人夏草」予告より
今話あらすじ

猫猫マオマオ壬氏ジンシから毒キノコの調査を命じられる。
壬氏の含みのある言動に引っかかりを覚えるものの、胸躍らせる猫猫

猫猫翡翠ひすい宮に戻ると、中級妃が亡くなったと聞かされる。
その死因は・・・。

クサい匂いは元から絶たなきゃダメ!?

さくらの樹の下には・・・。
では、キノコの下には?

でも一番恐ろしいのは、美しい顔の下・・・

一皮剥けば魑魅魍魎!?
ここは嫉妬、プライド、陰謀、様々な思いが交差する女の園・後宮。

たとえ信頼置いてる翡翠宮でも用心を・・・。

2期始まって平穏だった空気を引き締め、これから起きるだろう事件を予感させる1話。

上手い!

では、今話を振り返っていきましょう。

感想&考察レビュー 第27話「冬人夏草」

前編

あらすじ

壬氏ジンシから後宮に生えている毒キノコの調査と回収を命じられる。壬氏の含みのある言動に引っかかるものの、薬や毒の原材料になる毒キノコの調査に猫猫マオマオは胸を躍らせる。

容疑者

翡翠ひすい宮へ行く。

by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

(原作情報) 原作にはこのようなシーンはありません。アニメオリジナルです。

中級妃・ジン妃の訃報が伝えられた前話ラスト。(26話 )

── 中級妃であるジン妃が亡くなりました。

ジン妃が・・・毒!?

by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第26話

毒のことなら猫猫マオマオに聞け。
それに、先日隊商キャラバンが売っていた香油は(間違った使い方をすると)毒になると聞いたばかり。(26話 )

だから翡翠ひすい宮に行くのだと思いました・・・。

違いますね

ココア

えっ、違うの!?

考察

後に明らかにされたように ──
亡くなった中級妃・ジン妃は玉葉ギョクヨウ妃を狙った、と疑われている妃

玉葉妃や翡翠宮の侍女達にはジン妃を殺害する動機があるのです

だから、まず最初に翡翠宮へ来たのでしょう。
壬氏が「翡翠宮へ行く」と言ったのは容疑者の調査

となると、前話ラスト ──

── 中級妃であるジン妃が亡くなりました。

ジン妃が・・・毒!?
まさか・・・

by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第26話

翡翠宮を振り返って「まさか」と言ったのは ──
毒殺と聞いた瞬間、壬氏は翡翠宮の者達を疑ったのです

こんなに良い人を疑うなんて・・・これだけ仲が良いのに信じていないなんて・・・と思われる方もいるかもしれません。
が、猫猫も言っています。信じる信じないではなく、壬氏はあらゆる可能性を排除してはいけない立場であり、これはあるべき姿とも言えるのです。

その後、暗めの演出で侍女頭・紅娘ホンニャンを怪しく描いていたのも、その流れ。

視聴者に、紅娘ホンニャン何か企んでいるかのように見せたのです

原) 読み書き

邪魔しちゃ悪いな。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

(原作情報) このシーンも原作にはありません。アニメオリジナルです。

小蘭シャオランが、大衆小説読みたいから字を覚えたいと言った件。
前話では触れられませんでしたが、原作では(前話エピソード中も)勉強は続いています。(26話 )

今話では、小蘭の勉強を邪魔しないように声を掛けませんが・・・。

いつの間に小蘭以外の下女も!?
まさか小蘭が先生をしている!?

原作情報

それは原作に記載がありました。

 洗濯場で猫猫が小蘭に字を教えるのは日課になっていた。ほかにも字を読み書きしたいと思う下女はいたらしく、地面に書く文字をのぞき込んで真似する者も増えていた。それでも、小蘭を合わせて五人ほどで、残りはいつも通り噂話に花を咲かせていた。

by 『薬屋のひとりごと』原作3巻

小蘭以外も字を覚えたい下女はいて、いつの間にか猫猫マオマオは5人ほど字を教えていたのです。

猫猫抜きでやっているのは、復習か自分達で教え合っているのでしょう。

それと、小蘭は決して仕事をさぼって勉強しているのではありませんね。

小蘭達は、(恐らく)休憩時間に勉強しているのでしょう
上記引用部分から、休憩中、噂話しかしていなかったが、その時間を勉強に充てているのが伺えます。

時文

空き時間を全て勉強に充ててる、って感じかな

ココア

小蘭偉い!

時文

だから猫猫も邪魔してはいけないと思ったんだね

ココア

お~そういうことか

地面に書いて勉強しているのは、紙も筆記用具も高価で、下女には簡単には手に入らないからだと思われます。

行方不明の女官

女官が行方不明ですか。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

(原作情報) 小蘭が字の勉強に熱心なので、噂の供給源はやぶ医者になったようです。

タオって子で仕事熱心ないい子だったんだけどね。
せっかく年季も明けるし結婚も間近だったってのに。

by やぶ医者『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

※年季:後宮に勤める期間だと思われます

ここは後宮。
2,000人の女がうごめく花園。

どうやら女官がいなくなること自体は珍しくないようです・・・

(原作情報) 原作では、自殺や突如止めていく者もいると言われています。だから挨拶もなしにいなくなった人については深く追求してはならないという暗黙の了解まであるようです。

ですが、今回行方不明になった女官は、年季も明け結婚も間近
真面目で優秀な子が、何も言わずに行方不明になったので妙な憶測を呼んでいたのです

タオの行方は、今話最後までご覧になった方なら承知でしょう。
ジン妃の侍女達に(猫猫マオマオの推測だと)殺されてしまいました。

だから、突如行方不明になってしまったのです。

今回の事件については、後半で解説します。

ここで、認識しておいた方が良い事が、1つ。

タオが行方不明になったのは、数日前です

ココア

えっ、そうなの!?
1年前かと思った

時文

そう思うよね

入れ替わったのは1年前だから、その時から行方不明になったと思いがち

でも、実際行方不明になったのは数日前。
つまり、ジン妃が亡くなった時からです

よ~~く考えれば分かりますよ。
でも、猫猫の解決編が少し足早だったので、ちょっと混乱してしまいますよね。

後半で解説します。

面白い話に飢えている

今日は外で茶会か。
籠もりっきりでは、懐妊を疑われるもんな。

場所や服に気を遣っているが、そろそろ気付いている者もいるだろう

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話
原作情報

原作によると ──
体型を隠す衣を着ているだけでなく、周囲の植木でお腹部分が外から見えないような配置になっているそうです

時文

場所に気を遣ってる、ってそういうことか!

更に、移動の際は ──
玉葉ギョクヨウ妃の身体(のフォルム)を隠すような位置を侍女頭・紅娘ホンニャンが歩く様子も

つまり紅娘ホンニャンは、どの方向から玉葉ギョクヨウ妃が見えるのか把握しているのです

ココア

凄い!
紅娘すごっ!

考察

逆に、これだけ玉葉ギョクヨウ妃を大切に思っているからこそ、主を狙う輩には敵対心を燃やす。

その忠誠心の高さが、壬氏ジンシに疑われることになってしまっているのは皮肉ですね・・・。

薬屋のひとりごと 第27話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #27」より引用

── では場所を変えようか。

特に問題ないですよ。
ここでお話しをなさっては?

by 玉葉妃『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

以前から、玉葉ギョクヨウ妃は、壬氏ジンシ猫猫マオマオに持ってくる話に基本興味津々です

原作情報

原作では、今回も言及されています ──

 いつも通りそわそわ、わくわくした顔で猫猫を見ているのは玉葉妃で、その横で疲れた顔をしているのが紅娘だ。

by 『薬屋のひとりごと』原作3巻

今回は中級妃の訃報がありましたが、後宮は基本平穏で面白い話題がありません。
だから、壬氏が猫猫にもってくる厄介事は玉葉ギョクヨウ妃にとっては最高のエンターテインメントなのです(笑)

原作では、こんなことまで言われています ──

 玉葉妃が、少し幼い表情をする。二人目の子を妊娠している妃だが、まだ数え二十歳の娘でもある。異国の血が混じった大人びた容姿とどこか食えない性格から、いつも年上に見られるが、まだまだ好奇心旺盛だ

by 『薬屋のひとりごと』原作3巻

数えで20歳ということは ──
誕生日を迎えてなければ満年齢だと18歳、誕生日を迎えていても19歳

時文

すっかり忘れてた

まだまだ好奇心旺盛な年頃なのです。

そういや前話、苦情を受けても玉葉妃ニコニコでしたね(苦笑)。

「今度はちゃんと了解を取って嗅ぎます」/『薬屋のひとりごと』第 26 話より

どんな話題でも、面白いことに飢えている玉葉ギョクヨウ妃は壬氏の話を聞きたがりますが、タイミング良く(悪く?)鈴麗リンリー公主ひめの泣き声が・・・。

(原作情報) 原作によると、昼寝前の授乳時間。玉葉妃は母乳を与えています。

玉葉ギョクヨウ妃は、娘の泣き声に負けてしまい、壬氏の話を聞くのを諦めます。

が、逆に言うと、これで良かったかもしれません

ココア

どして?

今回、壬氏はジン妃殺害の容疑で翡翠ひすい宮を訪ねたのです

玉葉ギョクヨウ妃があまりしつこく話を聞きたがると、(妃にその気はなくても)疑われたのではないでしょうか。

ココア

あっ・・・

宮官長

それで、どのような御用でしょうか。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

(原作情報) ここは宮官長の部屋です。

アニメ鑑賞時、翡翠ひすい宮にこんな部屋あったっけ?と思いましたが・・・。
原作によると、ここは宮官長の部屋だそうです

流れからてっきり、翡翠ひすい宮の応接か、別の部屋だと思っていました。

どうやら、わざわざ翡翠ひすい宮を出て、宮官長の部屋まで移動したようです

時文

そりゃあ、猫猫も何かあると思うよね…

ココア

確かに

原作情報

ちなみに・・・。
いちいち移動させられた猫猫マオマオ

原作では ──

いっそ部屋作れよ
 そうだ、医局にある物置部屋を改装すればいい。そうしたら、自然とやぶ医者が気を利かせて茶でも持ってくるだろう。猫猫は落ち着くし、宮官長にも迷惑をかけない。一石三鳥くらいあるじゃないか。

by 『薬屋のひとりごと』原作3巻

何か頼む度に、宮官長の部屋に移動。
だったら、いっそのこと、翡翠ひすい宮に部屋を作れ、と。
いや、医局に作るのでもいい!と考えてます(笑)。

どれ位距離があるか分かりませんが、一々移動させられたら堪りませんね(苦笑)。

時文

そろそろ後宮内の地図が欲しい…

娯楽小説

最近、帝が妃達に娯楽小説を配っているのは知っているな。

by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

帝が配った娯楽小説とは ──
前々話(25話)、大衆小説が女官の間で流行った件のことです。(25話 )

薬屋のひとりごと 第25話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #25」より引用
補足

配った小説について猫猫マオマオ壬氏ジンシと話すのは、これが初めてです

これまで二人は小説について議論していません。
故に、当時は、壬氏の考えを想定して愛藍アイランに写本を提案します

この冊子本体を渡さずとも、書き写せばよろしいのではないですか?

- 中略 -

壬氏ジンシ様たちの考えに沿うなら、たぶんこれが正解だろう

後宮内に書物が出回れば、文字を読もうとする者達が増える。
それが流行りの大衆小説であればなおさら。

by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話

その経緯、そしてその結果を、猫猫は壬氏に報告したのです ──

妃達が読んだ後、侍女達が読み、更に他の女官達にも読み聞かせてるようです。
写本も出回り、字を覚えようとする者もおります。

── そうか。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

「そうか」と答える壬氏は、少し嬉しそう。

原作情報

アニメでははっきりと描かれていませんが、原作ではこう描写されています。

猫猫の返答に壬氏は少し頬を緩ませる。案の定、壬氏の思惑通りだったようだ。

by 『薬屋のひとりごと』原作3巻

猫猫は、壬氏の考えを読んで写本を勧めました。

その効果、女官達への影響を報告すると、少し満足そうな様子を見せる壬氏

写本は、壬氏の思惑通りだったのです。
猫猫は、壬氏の意図を読み取っていたのです。

さすが猫猫さん!

誤解なきよう記載しておきますが ──
だからと言って、猫猫がいなければ(写本を勧めなければ)上手くいなかったわけではありません

写本したのは愛藍アイランだけではありません。
写本を思いついたのも猫猫だけではありません。

なぜなら小蘭シャオランは別の女官から写本を受け取ったように描かれているからです

つまり、猫猫以外に写本を思いついた女官がいる、ということですね。
結果、後宮に写本が出回り、字を覚えようとする者が現れたのです。

手習所

あくまで構想段階だが、こういうものを作ってみてはと思っている。
庶民の間では、手習い所というのだろうか。

by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

識字率を上げるのに、妃経由で大衆小説を配る。
やはり目的は識字率の向上、学校を作る事まで考えていたのです。

原作情報

原作ではもっと言及されています ──

 猫猫はふむ、と顎を撫でる。発想としては悪くない。むしろ感心しているくらいだ。最初は帝を通じて後宮に小説を広めて反応を見ている。ちゃんと若い娘たちの興味を引くように話を選んでいるし、思いつきだけで行動しているのではないとわかる。

by 『薬屋のひとりごと』原作3巻

学校を作って識字率を上げたいが、女官達が興味を持つか、あるいは字に興味を持たせるために小説を配っていたのです。

上手い施策ですね!

考察

女官達の後宮で働く年季(期間)はそれほど長くはありません。
なのに、なぜ識字率を上げたいのか不思議でした。

後宮勤めを始める前なら分かりますが・・・。
2年程度の勤めが始まってからでは、識字率を上げても後宮ではあまり役に立ちません(間に合いません)。

でも、後宮勤めが終わってからは役に立ちます

壬氏ジンシは、女官達が後宮を離れてからのことを気に懸けているのでしょうか。
だとしたら素晴らしいことですね。

そういえば ──
1期13話、帝が壬氏を呼び出し、指示をしていました。(13話 )

薬屋のひとりごと 第13話
『薬屋のひとりごと』Web特別PV ‐壬氏編-より引用

── 本気ですか?

さあて、どうする?
朕の花園を手入れする庭師であろう、お前は

- 中略 -

── 御心のままに。

by 帝『薬屋のひとりごと』TVアニメ第13話

壬氏は、この時、帝に何を指示されたのでしょうか?
今回の学校は、帝の指示と関係あるのでしょうか?

疑問 13-01 (再掲)

壬氏は、帝に何を頼まれたのか?

表向きは職業訓練としてはいかがでしょう。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

アニメ鑑賞時、ここで言っている「職業」とは、てっきり年季を明けた後、後宮を出た後の仕事の為だと思っていました。

原作情報

原作を読むと、少し意味が違いました。

「表向きはやはり学校という形ではなく、新しい部署につくための職業訓練としてやってみてはいかがかと。学校というと勉強という印象が強いので、飯の種になるという餌で釣ったほうが、より人員が集まるのではないでしょうか」

※太字部分はアニメではカット

by 『薬屋のひとりごと』原作3巻

後宮内では仕事によって、お給金も違います
字の読み書きができれば、よい仕事に就けます。

薬屋のひとりごと 第1話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #1」より引用

文字が読めてお給金が上がったとしても、結局人さらいに間引かれる金額が増えるだけ。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第1話

字の読み書きができれば、給金の良い別の部署で働ける
そんな餌をチラつかせれば、より人員が集まる、と猫猫は助言したのです。

お見事!

毒キノコ対策

お前、キノコには詳しいか?

by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

壬氏ジンシの依頼は、ここからが本番。

この時期になると、勝手にキノコを採って食中毒になる女官が現れてな。

── 食い意地が張った者はどこにでもいますね。

by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

厳しい躾と管理をしている後宮なので、拾い食いするのは猫猫マオマオくらいだと思っていました(苦笑)

どうやら、そんなことはありませんでした。
他にも食い意地が張った女官がいたのです。

時文

ってこれ、猫猫、自分で自分の事を「食い意地が張った」と言ってるに等しいね

ココア

ホントだ!

原作情報

原作には、その背景が丁寧に説明されていました。

 猫猫は頷きながら言った。餓えることはない後宮の生活だが、やはり人によっては食堂で配膳される分だけでは物足りない点心を食べられる女官は、妃たちのお付や特別におすそ分けを貰った者だけだ

by 『薬屋のひとりごと』原作3巻

後宮での女官の食事は決まっています

(アニメでいうところの1期1話) 東宮が亡くなった際 ──

 東宮がみまかられたのを猫猫が知ったのは、夕餉の際に黒い帯が配られたときだった。
 喪に服す意味合いで七日間つけるのである。
 その際、食事にはただでさえ少ない肉類がまったくなかったので口を尖らす者もいた
 端女の食事は一日二回、雑穀と汁物、時折、菜が一品振る舞われる程度である痩せぎすの猫猫には十分な量であるが、足りないと思う者がほとんどだろう

by 『薬屋のひとりごと』原作1巻

女官、それも下級の女官は常に食事が足りていないのです。

原作によると、野生のキノコを食べてしまうのは食堂の食事が少ないから

ならば、女官が毒キノコを食べないようにするには、食事を増やすことが根本的解決方法な気がしますが・・・

壬氏の今回の目的は、ジン妃の死因である毒の特定なので、そこまで考えが及ばないのでしょう(苦笑)。

この辺も、詰めが甘いと言われる所以でしょうか(苦笑)。

まあ、実際今回対策したのは「キノコを食べさせない」ではなく、「間違って毒キノコを食べない」対策。

女官が、キノコを食べるのは目をつむるのでしょう。

── 翡翠ひすい宮の仕事は、毒味を除いて休んでもらうことになる

そういう話なら、玉葉ギョクヨウ様の前で説明したほうが良さそうだけど。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

さて、毒キノコの調査。
毒味以外の仕事は休んで対応して欲しい、とのこと

猫猫は現在、玉葉ギョクヨウ妃のいる翡翠ひすい宮の侍女として終日働いています。

にもかかわらず、壬氏は毒味以外の仕事は休んで良い、と言う。

ならば、主の断りを得なくてはなりません。
だったら、玉葉ギョクヨウ妃と一緒に話を聞いた方が良かったのに、と猫猫は考えたわけです。

玉葉ギョクヨウ妃に聞かれないよう、わざわざ翡翠ひすい宮から離れた宮官長の部屋まで移動して人払いまでして話す

理由は、玉葉妃を始めとする翡翠宮の侍女達は容疑者だからです。(後述)

なぜだろうと思いながらも、興味のある毒キノコ調査に心躍らせる猫猫なのでした。

原作情報

一点、アニメは誤解を招く点があったので注意を。

アニメ鑑賞時、毒キノコ調査に手習所の資料を渡すのは変だな?と思っていました

が、原作によると ──

 こんなことなら場所を変える必要はなかったのでは、と猫猫は思った。退室してもいいだろうかと壬氏の様子を窺っていると、次に高順が違う資料を取り出した
「もう一つ用がある。おまえは茸に詳しいか?」

- 中略 -

(さて、どこから行こうかな)
 猫猫は壬氏から貰った見取り図を見ながら、うきうきとしていた

by 『薬屋のひとりごと』原作3巻

毒キノコ調査の為に高順ガオシュンから受け取った資料は見取り図。
手習所とは違う資料です

アニメだと、手習所の資料を渡したように見えますね。確かに後宮の地図ではありましたが・・・。

中級妃・静妃

中級妃・ジン妃の葬儀に向かう紅娘ホンニャン猫猫マオマオ

(原作情報) 葬儀なので紅娘は地味な服装。猫猫は服はそのままで良いが、髪の飾り紐は外すよう指示されます。

ここ1年、体調を崩して部屋に籠もりきりだったのだけど、食中毒を起こしたらしくてそのまま・・・。

by 紅娘『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話
考察

ジン妃の死因は、(侍女の証言だと)服毒自殺

食中毒になっているのは、壬氏がジン妃に気を遣って別の死因にしたのでしょう。
あるいは、犯人をあぶり出すために、事実と違う死因を広めたか・・・。

帝が通われることもなかったのだから、実家に帰れば良かったのに。

by 紅娘『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

真実は、実家に帰りたくても帰れなかったのです。本物のジン妃はとっくに亡くなっていたのですから。

普段は他の人が他人の悪口を言うと、たしなめる側の紅娘ホンニャン
ましてや、既に亡くなった人に対し、珍しく毒を吐きます

ジン妃はちょっと性格に難がある方だったの。
他の妃や女官への嫉妬が激しくて、中傷したり立場の低い者には暴力まで。

そんな折よ、公主ひめを身籠もった玉葉ギョクヨウ様が毒を盛られたのは

by 紅娘『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

なるほど。
玉葉ギョクヨウ妃に毒を盛ったのはジン妃ではないかと疑っていたのです

これが逆に、壬氏ジンシジン妃殺害の疑惑をかけられてしまいます。

性格が粗暴で周囲に迷惑をかけているだけではなく、主の命を狙った犯人かもしれない女。

さすがの紅娘ホンニャンも嫌悪感を隠さなかったのです。

下級妃・宋妃

薬屋のひとりごと 第27話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #27」より引用

アハハハハッ!
自業自得だな。

by 宋妃『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

(原作情報) 原作では、宋妃は「私よりずっと、ずっと醜いわあ」とまで言っています。

厳かな葬儀に突如やってきて遺体にかけられていた布を剥ぎ取る女。

その結果、猫猫マオマオは食中毒で亡くなったというジン妃の症状を見ることができます

ジン妃と、包帯女・ソン妃の症状。
そして ──

ジン妃の侍女だよな。
何かにかぶれたのか?

でも、今の傷は・・・。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

3つの見覚えのある症状を見て、猫猫マオマオはある仮説に思い至ります。

原作情報

原作は、猫猫一人称で描かれるので、もっとハッキリ書かれています。

まず侍女の手で ──

(なにかにかぶれたのだろうか?)
 それにしては、ぷっくりと赤く腫れている。猫猫は自分の左腕を見たそこにある傷痕とよく似ている

by 『薬屋のひとりごと』原作3巻

続いて、二人の妃の症状で ──

 猫猫はそれをじっと眺め、死体と、さらしからはみ出た女の顔を交互に観察していた。その火傷のような痕に、覚えがあった

by 『薬屋のひとりごと』原作3巻

侍女のかぶれを見て、何か引っかかり
ジン妃とソン妃の症状を見て、確信したのです

3人の症状は、自分にも跡が残っている猛毒キノコが原因だと

だから ──

あの顔のただれ。

なるほど、見えてきた。
壬氏様の探したかったものが。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

このセリフの後、猫猫は自分の左腕に触れていたのでしょう

考察

毒々しい猛毒キノコに思い至ったのは、もう1つ ──

一昨年前のソン妃。

しかし、一昨年のちょうど今頃・・・。
謎の病にかかり妃から降ろされるという話が出た。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

昨年は、ジン妃。
そして、今回。

どれも今頃 ──

今はどんどん生えてくる季節だし。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

キノコは年がら年中採れるわけではありません。

秋に比べると少ないですが、実はキノコは年中見ることができます。猫猫が思い描いた毒キノコはこの季節だったのでしょう。

少し温かくなって来た今頃

これも見覚えのある毒キノコが原因である可能性に思い至った要因の一つだと付け加えておきます。

興味深いのが、この下級妃・ソン妃のこれまで。

しかし、一昨年のちょうど今頃・・・。
謎の病にかかり妃から降ろされるという話が出た

だが実家に戻ったところで嫁に行くこともできない。
後宮に起き続けたのは帝なりの気遣いだろう

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

謎の病にかかって妃から降ろされかけたが、残っているということは下級妃のままでいられたのでしょう

帝の気遣いは分かりますが、それが本人にとって良い事なのか今一つ腑に落ちませんでした。

が、原作を読んでスッキリ。

原作情報

原作では明確に記載されていました。

 下級妃のまま、きゅうりょうを与え続けたのは、皇帝なりの気遣いだ

by 『薬屋のひとりごと』原作3巻

なんと、下級妃として残れば給料が頂けるのです

実家に帰っても、この症状では嫁にもいけない。
働くのも難しいのでしょう。

つまり、実家に帰ると生きていけない?

後宮に下級妃として残ることで、それなりのお金を頂け、生活できているのです

帝の気遣いで生きていれたのです・・・。
帝は、一度気を許した相手を(お手つきしただけでも)大切にしている気がします

冷たく見えますが、とても優しく思いやりのある人に見えるのは気のせいでしょうか。

それにしても、この包帯女。

謎の病にかかっても下級妃として後宮に留まれた
この症状では、嫌味や蔑み、噂話好きな女官がいる後宮では出歩けないでしょう
(給料は頂けるので、生活には困らない)

結果、部屋に引きこもっていたと想像できます

あれ?
そう言えば、1期1話に引きこもりの下級妃がいましたね・・・。

次は引きこもりの下級妃様か・・・

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第1話

この時言っていた「引きこもりの下級妃」ってソン妃!?

ココア

おおっ!すごっ!

時文

まあ、本当にソン妃なのか分からないけどね
言いたいのは、前話の侍女頭・杏 といい、1期から何かと仕込まれてるってこと

後編

あらすじ

中級妃・ジン妃の葬儀に参列する猫猫マオマオジン妃の遺体の状態から毒キノコ調査の目的に気付く。

矛盾から導かれる仮説

一見、辻褄は合う。
だが・・・。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

(原作情報) 壬氏を呼び出したのは医局。やぶ医者はお茶を出したい様子でしたが、毒キノコの隣に茶菓子を並べかねないので追い出します。

この辺りから、少し足早ですね。
というか、少し入り組んでいるので分かりにくいですね。

ジン妃は毒キノコを口にして死んだのですよね?
── そうだ。
だとするとおかしいです

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

このやり取り部分だけを捉えると ──
毒キノコを口にして死んだことがおかしいと言っているように聞こえます

猫猫マオマオが指摘しているのは、そこではありません。

おかしいのは、上記セリフの少し後に言った、こっちです。

遺体の顔の腫れは、まだ新しいものに見えました
直接、毒キノコをこすりつけたような・・・。

(引き換え、手はキレイなままだった)

※()内は心情描写

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

直前、ジン妃について聞きました。

1年前、ジン妃にもソン妃と同じ症状が現れた
同じ毒を誰かに盛ろうとして誤って触れてしまったんだろう。

by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

1年前ソン妃と同じかぶれが現れたはずなのに、遺体のかぶれは新しかったのです
そして、誤って触れた割にはジン妃の手はキレイだった

つまり、ジン妃は、つい最近までかぶれていなかった
なのに、1年前にかぶれたと言って、顔には包帯を巻き人が変わったように気落ちして、ろくに話もできない状態だった・・・。

壬氏が実際に見たこと以外は、侍女の証言
手がかぶれていたのも侍女

(原作情報) 原作によると、侍女は全部で5人。皆同じ証言をしたとのこと。

そこで、猫猫はある仮説に辿り着いたのです。
あとは、証拠を見つけるだけ。

静妃はもう死んでいた

薬屋のひとりごと 第27話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #27」より引用

これが証拠というわけですか。

by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

(原作情報) この場所は、例の毒キノコを見つけた林とは違う場所です。また、猫猫はここを含め3箇所を候補としていました。

(原作情報) 猫猫も穴掘りを手伝おうと思いましたが、高順が足の傷を気遣って断ります。

── あの遺体、ジン妃で間違いなさそうだ。装飾品にジン妃の紋が入っていた。

殺害か事故かは分かりませんが、1年前に死んでいたのでしょう

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

ジン妃は既に死んでいた。
しかも1年も前に!?

さあ、解説しましょう。

ココア

よっ!
待ってました!

時文

ここまで読んで頂いた方なら、もう理解できているでしょうが…

考察

猫猫マオマオの憶測も交えて、解説します。

ジン妃は自分に似た女官が求愛されたことが気に食わなかったのだ
自分は帝が来てくださることもないのに、と。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

冒頭、やぶ医者が言っていましたね。
女官・タオは園遊会で出世が期待されている文官からかんざしを贈られました。

(紅娘ホンニャンも言っていたように)妃だけではなく女官にまで嫉妬していたジン妃。
特に自分に似たタオがモテることが許せなかったのでしょう。

それでイジメをしていたのでしょう。
そこで事件か事故か分かりませんが、ジン妃の方が亡くなってしまったのです

タオは犯人ではないでしょう。
むしろ被害者。

でも、ジン妃の死に関わってしまった。
自分がいなければ、こんな事故は起きなかったかもしれない。

責任を感じたタオに、ジン妃の侍女達がつけ込んだのではないでしょうか

ここから、女官・タオと侍女による、ジン妃身代わり作戦が始まるのです

身代わり作戦は意外と簡単。
なぜなら、顔がかぶれたからと言って、外部の人とは会わなければ良い
来客があっても、侍女が対応すれば良いのです。

気を付けなくてはいけないのは、1ヶ月に1度の後宮管理職・壬氏ジンシの訪問

タオは、その時だけ身代わりをすれば良いのです

顔はかぶれているからと包帯を巻き。
気落ちしているから、あまり話さない。

壬氏の証言と一致しますね。

(原作情報) 原作では、妃の寝床に長居できないことを逆手に取ってるとも書かれています。なかなか強かですね。

逆に、包帯を巻くから、本当にかぶれる必要はありません。
だから、タオは普段は問題なく女官として過ごしていたのです

これがレビュー序盤に書いた、「行方不明になったのは数日前」の根拠です。

そんなわけで、ジン妃(本当はタオ)の遺体の顔は、最近かぶれていたのです。

いや、1年前にかぶれ引きこもっていた、という証言に矛盾しないよう、毒キノコを擦りつけかぶれさせたのです・・・

ココア

この侍女達ヒドい…

時文

うん
血も涙もないね…

冬人夏草

あの辺りに生えていたキノコは、動物の死体や糞尿の近くを好んで生えるんです。
どおりで独特な腐臭がしていたはずです。

まさか死体の上で、キノコ観察を楽しんでいたとは・・・。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

好きなことを話す時は早口になる、オタクあるある(爆)

素直な気持ちを言っただけですが、猫猫マオマオの変態・・・失礼、独特な趣味は一般人には理解できません(笑)。

時文

一番マズったのは「死体の上で~楽しんでいた」か

ココア

あ~~、ねっ
完全にヤバい人だよ

大変面白いキノコが沢山あるんです。

── 死体に生えるキノコがか?

そんな冬虫夏草のようなキノコは見つかっていません

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

つい興奮して、本音で話してしまったが後の祭り・・・。
決して死体から生えたキノコではありませんが、キノコは全て没収・・・。

猫猫さん、残念でした(苦笑)。

今話サブタイトルでもある「冬人夏草」

気を付けて漢字を見て下さい。
「冬夏草」ではなく「冬夏草」

余談

「冬夏草」は1期に出てきましたね。

1期12話、猫猫が後宮を首になった後。
壬氏が身請けするために、持って来たのが「冬虫夏草」。

薬屋のひとりごと 第12話
『薬屋のひとりごと』Web特別PV‐猫の日スペシャルPVより引用

虫でも草でもない、キノコの一種。
昆虫に寄生して、その体から生える菌類のことです。

『薬屋のひとりごと』ミニアニメ「猫猫のひとりごと」第12話

壬氏が「死体に生えるキノコ」と言ったので、虫に生える「冬虫夏草」に例えたのです。

実際、今回のキノコも死体から直接生えていたのではありません。
死体の養分を吸った土から生えていたのです。

「冬虫夏草」でも、ましてや「冬人夏草」でもありません

だから ──

死体から生えるキノコか・・・
あるとすれば、どんな姿で、どんな効用があるのだろう

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第27話

猫猫さん、本気で冬夏草に興味がありそうです。

時文

それを見透かされたから、没収されたのかも…

ココア

あっ・・・

あのぉ・・・。
くれぐれも言っておきますが、猫猫さんは、マッドサイエンティストではありません。
決して冬夏草が欲しいからと言って、実験したりはしないでしょう。

何せ、オヤジから「死体には触れるな」と厳しく言われていますから(苦笑)。(9話 )

ココア

えっ、それが根拠!?

まあ、猫猫が冬夏草に興味があるのは、ただの好奇心。
自ら作ろうなんて発想はありません。

必要にならなければ・・・。

ココア

そんな、怖いこと言わないで!

おわりに (『薬屋のひとりごと』27話とは)

原作小説 3巻

コミック 9巻

いや~~面白かった!
何だかんだ言って、2期に入って3話目ですが、初めての事件と言えます。

時文

その結果、またまた1万文字超となってしまいました…

振り返ると前話、前々話と(伏線はありましたが)事件らしい事件は起きていません。
でも、全然気にならないのが『薬屋のひとりごと』の厚み、強さ、上手さ!

ただ本作はミステリー。
何か起きる、起きてしまうのです。

すっかり忘れていましたが、猫猫がいる後宮は2,000人もの女官がいる女の園。
それも、選りすぐりの女達が集まって一人の帝を求める戦場ともいえる場。

何が起きても不思議ではない、そんなことを思い出させてくれる1話でした。


それにしても、2期は原作にない部分のアニメオリジナルの作り方が上手いですね。

今話に限らず25話、26話も原作どおりにアニメ化すると尺が余ります。
区切り良いところで終わらせるために上手くアニメオリジナルシーンを挿入しています。

今話は、猫猫が林を調査する最初のシーンが完全アニオリ、中級妃・ジン妃の説明が猫猫のナレーションレベルを紅娘とのやりとりにしています。

1期は正直、明らかに間延びしており尺稼ぎしているんだな~~と思う部分がありました。(すみません・・・)

ですが、2期はとても自然!
私はアニメ鑑賞後、原作を読んでいるので、アニメ鑑賞時は原作未読状態。
それだと、どこがアニメオリジナルか殆ど分かりません。

ココア

殆ど?

時文

原作の作風を知ってるとなんとなく分かるんだよ
前話、今話だと壬氏様視点だね

とても上手く、原作を補完し、原作はほぼ猫猫視点なのを、上手く別の視点を入れて、それをストーリーの補完にしたり、将又ミスリードに使ったりと巧みです。

本当に上手いアニメ化ですね。

以上、TVアニメ『薬屋のひとりごと』第27話の感想&考察レビューでした。
長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。

次話のレビューも書く予定です。
良かったらまたお越し下さい。
最新情報はX(@toki23_a)にて!

ではでは。

きょうのひとことそもそも荒れた林が原因だけど、根本解決する気はないのね(苦笑)

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よろしくお願い致します。

ココア

これで毎日ケーキ食べられるかな!?

時文

(君のケーキの為にサポートお願いしているんじゃないだけどね…) 皆に応援してもらえるよう頑張ろう!

疑問点 まとめ(Q&A一覧)

この章では、疑問点をまとめていきます。

「疑問点まとめ(Q&A一覧)」運用ルール
  • 今話で発生し解決した疑問は、本文で解説して本章(ここ)でまとめ
  • 今話で解決しなかった疑問を、疑問XX-XX(話数-通し番号)として記録
    ⇒ 本章(ここ)でまとめ
  • 答えは、推測ではなくできるだけ(原作含む)作品内で明らかになった事実を記載
    ※推測が入る場合は、断りを入れる
    解決した疑問は、次話で削除
今話で解決した疑問 (クリックすると答えが表示されます)
女官はいつ行方不明になった?

数日前

1年前から静妃が生きているアリバイ作りに協力していたが、身代わりになったのは壬氏が訪れる月に1回程度。それ以外は女官として行動していた。つまり、行方踏めになったのは、静妃の身代わりとして殺された時から。

玉葉妃と別れ、壬氏と話した部屋は?

宮官長の部屋 (原作情報)

壬氏は、なぜ玉葉妃の前で毒キノコ調査依頼を話さなかった?

玉葉妃、あるいは翡翠宮の侍女が毒を盛った容疑者かもしれないから

今話で新たに発生し、解決しなかった疑問
  • 疑問 27-01 結局、玉葉妃に毒を盛ったのは誰?
残っている疑問 (クリックすると表示されます)
  • 疑問 02-01 壬氏は、後宮管理者なのに、なぜ後宮の外まで判断を求められている?
  • 疑問 02-02 水差しの弁償、仕送りから引いたのは期間限定?
  • 疑問 02-03 結局、秘薬は何の為だったの?
  • 疑問 03-01 西都の玉葉妃が、異国の姫とは?
  • 疑問 05-01 粉を染み込ませた木簡は、誰が何に使っているのか?
  • 疑問 05-01 簪(かんざし)を渡す意味は?
  • 疑問 06-01 園遊会で、なぜ壬氏は違うカンザシを挿し、襟が乱れていたのか?
  • 疑問 09-01 壬氏と亡くなった武人・浩然との関係は?
  • 疑問 10-01 後宮内の事件に最終判断を下しているのは誰?
  • 疑問 10-03 現帝の東宮時代、妃はなぜ一人しかいなかったのか?
  • 疑問 11-01 阿多妃を南の離宮に住ませるのは、帝の愛着か、それとも・・・
  • 疑問 11-02 阿多妃の子は生きているのか?
  • 疑問 12-01 やり手婆は、なぜ猫猫を妓女にしたい?
  • 疑問 13-01 壬氏は、帝に何を頼まれたのか?
  • 疑問 14-02 爆発現場にあった上等なキセルは、倉庫番のもの?
  • 疑問 15-01 馬閃は、なぜ猫猫を嫌っている?
  • 疑問 17-01 壬氏は、なぜ変装しなくてはならない?
  • 疑問 17-02 壬氏は宦官なのに、なぜ武官のような野営を知っている?
  • 疑問 18-02 使い物にならない妓女を、やり手婆はなぜ離れに住まわせている?
  • 疑問 19-03 「何か起こったあとでは遅い」猫猫は、過去にどんな経験をしたのか?
  • 疑問 19-04 羅漢は、猫猫を抱きかかえる壬氏を見て、なぜあれほど驚いた?
  • 疑問 20-01 なぜ翠苓のことを秘密裏に終わらせた?
  • 疑問 20-02 壬氏は、なぜ身分を隠し、後宮管理者として生活している?
  • 疑問 20-03 楼蘭妃は、なぜ訪れる度に雰囲気が変わる?
  • 疑問 21-01 やぶ医者より先に後宮へ来た姉は、今どこにいる?
  • 疑問 21-02 先の皇太后は、なぜ木の伐採に制限をかけた?
  • 疑問 22-01 猫猫は、なぜ爪紅を流行らせた?
  • 疑問 23-01 賭け対象にした「妓女の身請け」の狙いは?
  • 疑問 23-02 羅漢に届いた文と巾着、誰が開いたのか?
  • 疑問 24-01 壬氏は、なぜ霊薬を集めている?
  • 疑問 25-01 楼蘭妃は、なぜそこまで侍女を増やす?
  • 疑問 25-02 子猫はどこから来た?
  • 疑問 26-01 水晶宮侍女頭・杏が受け取った言づてには何と書いてあった?
  • 疑問 26-02 キャラバンは、なぜ妊婦に影響のある香油と香辛料ばかり売っていた?
時文

1期の残が多いので、時間あるときに整理します

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