【文字数(本文):約1万1千文字(目安18分)】
こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『薬屋のひとりごと』第40話「巣食う悪意」を鑑賞しました。
本レビューではアニメ感想だけではなく、原作・コミカライズ情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。
皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
今回アニメ化されたのは──
- 原作
-
4巻 7話「巣くう悪意 前編」 ~ 9話「狐と狸の化かし合い」まで
- コミック
-
15巻 59話「羅門」 ~ 61話「狐と狸の化かし合い」中盤まで
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
今話で解決しなかった疑問
最下部「疑問点まとめ (Q&A一覧)」に記載
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレなし
『薬屋のひとりごと』は、小説投稿サイト「小説家になろう」連載。
ライトノベルと、月刊誌2誌で別の漫画家によるコミカライズ2作品があります。
私は、ライトノベル、コミカライズ共に未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成します。
アニメ鑑賞
+
コミカライズ、ライトノベルを読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」
よって、次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください。
なお、原作ライトノベル、コミカライズの情報は、「原作情報」として区別できるよう記載します。
- 「ヒーロー文庫」のライトノベルを ── 原作
- 「月刊サンデーGX」連載のコミカライズを ── コミック

こんな感じです
緑系の色を目印にしてね!
引用部分も次のように緑系をワンポイントに ──
宦官が驚いた表情で猫猫を見るが、そんなの関係なかった。
引出しの見出しを眺め、珍しい薬を見つけるなり踊るような奇妙な動きをしてしまう。喜びがあふれ出て、頭の中に納まりきれなかった。
「なんかの呪いか、なにかか?」四半時、そんなことを繰り返したところだった。
by 『薬屋のひとりごと』原作1巻
いつのまにか現れた壬氏が奇異の目で踊る猫猫を見ていた。
コミカライズは、別の漫画家による2作品が刊行されています。
- 「月刊ビッグガンガン」連載の「薬屋のひとりごと」
- 「月刊サンデーGX」連載の「薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜」
両方読んでいますが、本サイトでは、アニメの補完となると情報の多い➋を選択しました。
「コミック」として紹介する情報は基本➋です。
が、今後も両方読んでいくので、➊にしかない情報があれば、その時は注釈を付けて紹介します。

同じ内容なのに、2つも読むんだ・・・

その方が、理解が深まるんだよ
ちなみに、考察や疑問はオレンジ系。
補足や余談、参考情報はブルー系に色分けしているので、読む際に目安にして下さい。
2期 全24話 各話リスト
話数 | サブタイトル | コミック | 原作 |
第37話 | 湯殿 | 14巻 | 4巻 |
第38話 | 踊る幽霊 | ||
第39話 | 氷菓 | ||
15巻 | |||
第40話 | 巣食う悪意 | ||
第41話 | |||
第42話 | |||
第43話 | |||
第44話 | |||
第45話 | |||
第46話 | |||
第47話 | |||
第48話 |
※話数:リンクは各話レビューへ
※サブタイトル:ネタバレを避けるため次話以降はマスク
はじめに
オヤジこと羅門が臨時で後宮の医局にやってきた。
羅門は後宮の問題点を紙にまとめ、猫猫はその紙を量産するために手習い所を訪ねる。
手習い所の老宦官に昔も同じようなことをしたと聞き、猫猫はある違和感に気付く・・・。
猫にマタタビ、猫猫に蘇りの薬。
ダメだと知りつつ、手を伸ばす!?
好奇心は猫をも殺す?
猫猫は厄介事には深入りしないのが信条なのに、違和感持ったら確かめずにはいられない。
後宮内だからと安心したか、単身診療所へ行く猫猫。
長きにわたって巣くう悪意・・・。
そして、そこに現れたのは・・・。
始末ではなく連れ出す?
せっかく宦官と偽って後宮に入ってきただろうに、出る!?

じゃあ、一体何しに来たんだ?
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第40話「巣食う悪意」
臨時医官・羅門
逆子の疑惑もある玉葉妃の出産に対応するため、猫猫の薬の師であり、養父の羅門が後宮の医局へとやってきた。羅門はすぐに今の後宮の問題点をまとめ、手習所に通う女官たちの練習も兼ねて、書き写せるようにと手本を作る。
もぐさ
玉葉様の灸につかうもぐさです。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第40話
逆子に効果がある灸をするために、もぐさを作る猫猫。
原作によると ──
もぐさを一から作るのはかなり手間がかかるようです。
ですが、猫猫は、材料は後宮内で取れるし、医局に来る口実にもなるので、自分で作っているようです。
それに ──
おやじが来たからといって猫猫の仕事は変わらない。
by 『薬屋のひとりごと』原作4巻
「基本の仕事は猫猫が今まで通りやること」
紅娘がそう提案したのだ。頭の固い侍女頭は、よほど罪人が苦手と見える。
前話、罪人は信頼できないと反対した紅娘は、猫猫には今まで通りの仕事をするよう条件を出したのです。
つまり、羅門の介入を最小限にしたのです。
紅娘は、かなり慎重ですね。
いや、そうでなくては侍女頭は務まりませんね。
やぶ医者・虞淵
猫猫、ちゃんと虞淵さんに断ってから使いなさい。
by 羅門『薬屋のひとりごと』TVアニメ第40話
虞淵とは、やぶ医者のことですね。
なるほど。
1期エンディングでは「やぶ医者」とクレジットされていました。
2期(25話)から「虞淵」と表記されており、誰も名前で呼んでいないのになぜ変えたのか不思議に思っていました。(25話 )
羅門が、その名で呼ぶからだったのです。

それとも、この名に意味が?
年齢はオヤジこと羅門の方が上でしょうが、臨時医官なので上司であるやぶ医者を敬っているのでしょう。
いや、ここは、猫猫に対して(仮にも)医官という立場の人に対して態度を改めるよう注意したのでしょう。
つまり、猫猫とやぶ医者の会話を聞いて、瞬時に猫猫の普段のやぶ医者の扱いを見抜いたのです(笑)。
猫猫は、ここで指摘をされたので ──
消毒用のアルコール貰っていきますね。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第40話
と断ったのです。
原作によると、やぶ医者は最初先輩面をして羅門に教えようとしたようですが、何も教えることがない(教えられることがない?)と悟ったやぶ医者は、ひたすら医学とは無関係なことばかりを教えているようです。
それが、冒頭の「この子は賢いから、小魚の頭と尾とはらわたは食べないんだよ」に繋がっています(笑)。
とまあ、今話は何気ない始まりですが、序盤から何度も引用するほど原作には情報が詰め込まれています。
それら全てアニメ化するのではなく、一部見ただけでも背景が想像できるような形で構成されています。
医官不足問題

── オヤジは今日は書き物?
ああ、特にお呼びがないからね。
by 羅門『薬屋のひとりごと』TVアニメ第40話
(猫猫曰く)壬氏様の配慮で、羅門は翡翠宮専属ではなく医局勤めになりました。
ご懐妊は、玉葉妃だけではないですからね。
29話、確かに壬氏は ──
これからのためにも、もっと違う形で医官を調達できればいいのだが・・・。
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第29話
と言っていました。
以前から、壬氏は後宮の医官に課題があると認識していたのです。
2人の御子の出産が控えている大事な時期、一時的とはいえ、羅門の話は渡りに船だったのでしょう。
原作によると ──
おやじはそういうわけで、悠々自適に医局で時間を潰しているのかと思いきやそうでもないらしい。時折、宦官からお呼びがかかって出ていく。おそらく、壬氏の計らいだと思う。
by 『薬屋のひとりごと』原作4巻
とのこと。
どうやら、既に羅門は何度かお呼びがかかって、どこかへ行っているようです。
つまり、前話ラストの直後なので、羅門が来た直後かと思いましたが・・・。
実は、羅門が後宮に来てからしばらく日が経っていたのです。
羅門が後宮に来て、既に時折呼び出されているということは ──
羅門は、既にもう信頼され始めていると言っていいのでしょう。

さすがオヤジ!

逆に、呼び出されないやぶ医者は頼りにされていない、と(苦笑)

そういうことだね…
後宮の問題点
後宮には若い女官が多いが、年配の女官は極端に少ない。
後宮は帝の子を産み、育てる場。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第40話
なのに、それが機能していない。
今の後宮は、帝の子を産む、つまり帝好みの女性が集められています。
先帝時代は幼女が、現在は年頃の女性が。
結果、出産の経験はもちろん子育ての経験もない若い女官ばかりになってしまっているです。
だから、後宮外では常識である毒おしろいや、もしかするとハチミツや香油の危険性を知る者がいなかったのでしょう。
この話の流れでいくと ──
今の帝の子が何人いるかを考えれば改善すべきだ。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第40話
この問題点にオヤジならもう気付いていると思うけど・・・。
一見すると、年配の女官が少なく、若い女官ばかりなので出産や子供に関する知識が足りないのが問題点のように思えますが・・・。
実は、原作にはもう少し踏み込んだ内容が書かれています。
が、後で明かされる内容なのかもしれないので、ここでは触れないでおきます。
とりあえず、ここは疑問点として残しておきましょう。
帝の子を産み育てる、という点に於いての後宮の問題点とは?
猫に・・・

あと、疲労回復に効くものを・・・。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第40話
最近、玉葉様が疲れやすいって言ってたからな。
猫猫が疲労回復の生薬を取り出すと、まとわりついてくる毛毛。
生薬の形、毛毛の反応。
猫猫が手に取ったのは、マタタビの実を乾燥させたものではないでしょうか。
マタタビは ──
長旅で疲れた時にマタタビの実を食べたら「また旅」ができたという名の由来(俗説)もあるほど、疲労回復に効果があると言われている生薬です。
そして「猫にマタタビ」という言葉があるように、マタタビは猫の大好物。
棚から出した途端、その香りでマタタビだと毛毛は気付いたのでしょう(笑)。
さてさて、猫猫はこのマタタビをどのように使うのでしょうか・・・。

ん?
玉葉様の疲労回復なんじゃないの??
老宦官の交友
昔、科挙の試験の時、あやつの字をまねると受かる、なんて言われて皆でまねしたからね。
文官としての才もあったのに、道端の浮浪児が病気で可哀想だからと言って医官になるんだから。
by 老宦官『薬屋のひとりごと』TVアニメ第40話
猫猫は、羅門のことを知っている老宦官に相談しに行きます。
羅門の字をまねると科挙に受かる!?
字が綺麗だったからでしょうか、それとも単なる験担ぎでしょうか・・・。
いずれにせよ、羅門は、文官を目指す者たちの中でも優秀だったのです。
── 実は今、後宮に戻ってきておりまして。
ほう、それは初耳だ。
by 老宦官『薬屋のひとりごと』TVアニメ第40話
今日は小蘭はいないのかね?
ちょっと違和感あるやり取りですね(苦笑)。
アニメ鑑賞時 ──
羅門は後宮に戻ってきたばかりなので、知らないのは当然だろう、と。
それに、なぜこの流れで小蘭が出てくる??、と(苦笑)。
原作を読んで、その違和感は解けました。
先にも書いたように、羅門が後宮に戻ってきてからしばらく日が経っています。
ある程度日が経ち、耳に入っていてもおかしくないのに知らなかったので「初耳」と言ったのでしょう。
アニメではカットされていますが、そのあと老宦官は「小蘭も教えてくれれば良いのに」と言葉を続けています。
だから、(そこで思い出したかのように)「今日は小蘭はいないのかね?」と尋ねたのでしょう。
ちなみに、小蘭が羅門のことを話さなかったのは ──
そういえば、小蘭もおやじを見たときにあまり反応していなかった。いくら噂好きの娘でも、美形の若い宦官たちがたくさん入ってきたあとで、しおれた爺が一人入ってきても興味はないだろう。
by 『薬屋のひとりごと』原作4巻
美形の宦官の噂で持ちきりだったので、老人の話を聞いても興味を持たなかったのです。
いずれにせよ、この老宦官は無償で手伝いをするほど羅門とは仲が良かったのです。
注意書き
── 以前にも、こうして文にして貼っていたのですか。
羅門が医官をしていた頃だから、20年以上前だね。
後宮のあちこちに貼られていたよ。“鉛入りのおしろいは使わない“
“強い香料は控える“
“後宮内の植物を勝手に採らない“うん、内容はそこまで変わらないな。
by 老宦官『薬屋のひとりごと』TVアニメ第40話
羅門が書き出したのは、これまで被害があった危険事項ですね。
確かに、こうして注意事項を書いてあちこちに張っていたら未然に防げたかもしれません。
ただ、それは ──
オヤジは良かれと思って注意書きを貼ったはずだ。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第40話
それは、逆に悪意ある者に害をなすものを教えることにもなる。
なるほど。
注意書きに危険なことを書いたが故に、「鉛入りのおしろい」「強い香料」は危険だと知らしめてしまったのです。
悪意ある者に、攻撃の手段を・・・。
違和感が解けました。

侍女頭・杏は、なぜ香油が堕胎剤になると知っていたか。
でも、後宮に生えているオシロイバナでも堕胎剤を作れる事を知りませんでした。
もちろん犯人が誰かは気になっていましたが、この違和感も引っかかっていました。(30話 )
なるほど。
堕胎剤の原料を薬の勉強で得たのではなく、注意書きから「強い香料が危険」という情報を得ていただけなのです。
だから、ピンポイントで特定の知識だけを持っていたのです。
だとしても、注意書きは抑止効果の方が大きかったはずです。
では、なぜ、この注意書きは消えていったのでしょうか・・・。
誰かが意図的に剥がしたのでしょうか・・・。
それと、老宦官は、羅門を手伝いはしたものの、後宮の安全には全く興味がないと見えますね(苦笑)。

えっ、そうなの?
だから、注意書きである貼り紙がなくなってもフォローも何もしなかったのでしょう。

あっ、確かに…

もちろん、老宦官の責任ではないですよ
所掌範囲外ですから
そういえば、注意書きに、羅門自身が追放されるキッカケになった、ハチミツがありませんね。(11話 )

これは羅門が追放された後のことですし、というより猫猫が最近になって突き止めたことなので、羅門も知らなかったのでしょうか・・・。

そんなことはないと思うけどなぁ…
乳児に食べさせなければ良いだけの話なので、直接説明する形を取り、余計な風評被害を避けたのでしょう、きっと。
巣くう悪意
猫猫は羅門が後宮を追放される前にも同様のことをしていたと手習い所の老宦官から聞く。ふと猫猫の頭の中に浮き上がる違和感。その違和感の真相を知るために、猫猫は診療所の深緑を訪ねる・・・。
悪意はどこまで…
ああ、そうか。
後宮に、帝に、そして帝から寵を得る妃達に巣くっていた悪意はここにあった。── 私たちは誰も迎えに来てくれないから。今も、これからもずっと・・・。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第40話
遂に真相が明らかに!?
(少なくとも)梨花妃の侍女頭・杏に堕胎剤になる香油を教えたのは診療所の深緑!?
それも、下女を使って遠回しに。
堕胎剤の作り方を教えるのではなく、妊婦に悪い香油があるとアドバイスを装う手の込みよう!

このやり口は1期の翠苓に似ている

あっ、確かに!
杏に香油から堕胎剤の作り方を、誰が教えた?
確かに辻褄は合いますが、スッキリしない部分が残りますね。
3つの疑問が浮かび上がります。
1つ目は ──
ではなぜ、深緑は猫猫に下女を診てほしいと頼んだのでしょうか?

これは何となく理解できます。
深緑の憎しみの矛先は、帝や、これから子を成して幸せになろうとする妃。
だから、御子を身籠もったと思われる梨花妃に対して悪意を持ちましたが、下女は助けたかった。
それで、猫猫に頼んだのでしょう。
後宮は、帝の子を作り育てる場所。
よって、女官たちは帝の子を作るための存在とも言えます。
深緑は、後宮というシステムを恨みながらも、そのパーツである女官は守っている・・・。
とても複雑で、いびつとも言える感情を持っているのです。
2つ目は ──
猫猫の推理によると、侍女頭・杏が堕胎剤になる香油を知ったのは診療所の深緑からのアドバイスによるもの。
ならば、なぜ杏は取り調べでそのことを話していないのでしょうか?
深緑は善意で教えてくれたのだから、疑いがかかっては申し訳ないと思い黙っていたのでしょうか?
杏は、そんな気を遣うような人には見えませんが・・・。
もしかすると、杏は妃にクビにされたので、取り調べを受けていないかもしれませんね。
そうなると ──
問いただしたところで口を割るかどうか分からんが・・・。
薬屋、ひとつ聞いてもいいか?
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第30話
この後宮の中に、香油が堕胎剤となることを吹き込んだ人物がいると?
壬氏様は、ここまで言っておきながら取り調べをしなかったことになりますね・・・。
問題は3つ目 ──
診療所は、皇太后が作ったとされています。(32話 )

皇太后は深緑と同世代で、先帝の御子(現帝)を産み(認められた)唯一で一番の成功者。
それこそ、深緑たちが一番憎いのは皇太后ではないのでしょうか?
そんな方が作った診療所で働けるものでしょうか?
まさか ──
当たっているとネタバレになってしまうので隠しておきます。気にならない方だけご覧下さい。
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皇太后は、自分達と同じ先帝の被害者だと認識しているのでしょうか・・・。
それとも、皇太后も深緑たち側の人間なのでしょうか・・・。

えっ、皇太后はいい人じゃないの!?

そうだよね…
はい、皇太后が黒幕とは思えない(思いたくない)ですね。
そんな方が作った診療所で働けるものでしょうか?。
そんな方が作った診療所で働けるものでしょうか?。
翠苓は、中祀を執り行う壬氏の命を狙いました。

だとしたら、皇太后が壬氏の命を狙っている(あるいは狙うことを認めている)ということになってしまいます・・・。

訳が分からない…

まだまだ謎だね…
深緑たちが恨む一番の対象は皇太后では?
悪意致し方なし!?
証拠も証言もないし、曖昧なことは言いたくない。
ここは病にかかった女官たちが頼れる唯一の場所だ。
なくなるのは避けたい。私にできるのは、診療所に巣くう悪意が他に及ぶ前に摘み取るくらいか。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第40話
確かに深緑犯人説は、証拠も証言なく、猫猫の推測に過ぎません。
でも、これまで命を粗末にする者に対して毅然と立ち向かってきた猫猫の姿勢と、まったく違いますよね。
それだけ診療所が大事だと思っているのでしょうか?
原作には、それ以外の点も記載されていました。
興味深いのが、猫猫が深緑を完全な悪人として捉えていないことです。
後宮という存在が憎く、なにより皇帝の寵を得て幸せになろうとする者が憎い。そうなってもおかしくない。年端もいかぬ時分に後宮に連れてこられて、そして、先帝の毒牙にかかった。それがもとで、もう外壁の外を見ることが叶わなくなった女官たちの心はどうなるだろうか。
by 『薬屋のひとりごと』原作4巻
荒まずまっすぐに生きることができるほど、器用な人間ばかりじゃない。
後宮の存在。
特に先帝時代、右も左も分からない年端もいかない子たちが後宮に放り込まれ、自由を奪われる。
それがどれだけ辛いことか思いを馳せると、とてもじゃないけど、深緑を悪人と断言できないのではないでしょうか。
だから ──
殺意とまでいかない悪意が、少しずつ後宮内を蝕み巣くっていたのだろう。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第40話
「殺意とまでいかない悪意」と解釈したのではないでしょうか。
禁止されている毒おしろいを使っていた水晶宮の女官を叩いた頃とは違い、猫猫も成長したのかもしれませんね。

翠苓の目的
この娘がどうなってもいいのか?
by 翠苓『薬屋のひとりごと』TVアニメ第40話
やはり出てきました翠苓!
噂の宦官の正体は翠苓だったのです。
女性だから、宦官に成りすますことができたのです。
後宮を一緒に出てもらいたい。
by 翠苓『薬屋のひとりごと』TVアニメ第40話
猫猫への要求は、後宮を一緒に出ること!?
バレたら罰を与えられる危険を冒してまで宦官のフリをして後宮に入ってきたのに、出る!?
翠苓の狙いがよく分かりません。
ですが、いくつか推測はできます。
- 後宮内での目的は既に果たしたので、脱出したい
- 誰かを連れて出ることが目的
➊だとしたら、まだ何も描かれていないので分かりません。
既に伏線が描かれているとしたら、翠苓の目的は➋ですね。
➋の方向で深掘りしてみましょう。
当たっているとネタバレになってしまうので隠しておきます。気にならない方だけご覧下さい。
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では、翠苓は誰を何の目的で連れて出るのでしょうか?
この場にいる誰かを連れて行くというのが自然な流れですね。
- 深緑
- 子翠
- 猫猫
3人とも可能性はありますね。
深緑は、後宮の外に出たくても出られません。
そんな彼女の願いを叶えるために連れ出すのでしょうか・・・。

だとしたら、診療所の他の女官も?
子翠は、直前に猫猫が気付いたように ──
この図説、子翠が持って来たのか?
でも、こんな貴重な本、下女の身で持てるだろうか。
子翠が虫の絵を描いていた時、紙の帳面を使っていた。
それに字も読める。なんで下女をやってるんだ?
by 『薬屋のひとりごと』TVアニメ第40話
どうやら、下女をやっているような身分ではなく高貴な方のようです。
その辺を出歩き回っている、あるいは診療所に出入りしているのを待ち伏せて捕らえられたのかもしれませんね。

子翠の正体は?
猫猫は・・・翠苓にとっては1期での壬氏暗殺事件を邪魔した張本人。
それに、死んで姿をくらまそうとしたら偽装だと見抜かれました。
猫猫を恨んでも恨みきれないでしょう。
でも、猫猫が診療所に来たのは偶然です。
最優先事項ではなかったが、たまたま猫猫が飛び込んできただけなのでしょうか。
単に、深緑の悪事がバレたので口封じのために連れて行くのでしょうか。
それとも、わざわざ外へ連れ出すのは、猫猫に用がありちょうど良かったのでしょうか・・・。
いずれにせよ ──
── お前は絶対私についてくる。
蘇りの薬、作り方を知りたくないか?
なんてこと言いやがる・・・やはり翠苓は侮れない。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第40話
まさか猫猫さん、「蘇りの薬」の作り方を知りたいがために付いていくのでしょうか。
許可なく出れば罰を受けるのに、従うのでしょうか。
さすがに真剣な顔をしているので、違うと思いますが・・・。
きっと子翠が人質に取られているので、仕方なく付いていくのだと思いますが・・・。
ミニアニメを見ると、どうやら蘇りの薬は猫猫に刺さったようです・・・。
(原作でも触れられていますが)翠苓が手に持っている針の毒にも興味があるようです・・・。
いやいやいや、あなたは秘薬のためなら誰であろうと言うことを聞くのですか!?
猫猫さんチョロすぎます(爆)。

猫猫ーー!
狐と狸の化かし合い
羅漢は、子昌と、1ヶ月ぶりに朝議に姿を現した帝弟をお茶に誘う。
標的は子昌?
ついでにブドウのジュースもいかがです?
玻璃の杯に注ぐと赤が映えますぞ。── 確かに美しいですな。
by 羅漢『薬屋のひとりごと』TVアニメ第40話
狐と狸の化かし合い!?
この茶会での羅漢の狙いは、阿多妃が身代わりをしている帝弟ではなく、子昌。
飛発の出所を探るのが狙いと見せかけ、のろけ話で早くこの場を去りたい気持ちにさせたところで仕掛ける!
緑色のブドウジュースで「赤が映える」と言い、何の違和感もなく「確かに美しい」と応えてしまったのです。
子昌の従者も気付かなかったのは不思議ですが・・・。
緑色なのに赤だと言われても気付かない・・・。
色の区別が付かない。
こんな話は以前にもありましたよね。
はい。
“選択の廟“でのことです。

この国では珍しいのですが、西方には赤と緑の判別ができない男性が10人に1人の割合でいたそうです。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第31話
ここでいう西方とは、国母の血筋を指すのでしょう。
子昌は、国母の血筋である可能性が出てきました。
ああ、叔父貴の言ったとおりだ。
by 羅漢『薬屋のひとりごと』TVアニメ第40話
羅漢が言う叔父貴とは ── 羅門のことです。
(羅漢は後宮に入れませんが)後宮臨時医官となった羅門と、早速連携をしていたのです。

もしかしてオヤジが時折呼び出されていたのは羅漢と会っていた!?

お~~、その連携は楽しみ!
元上級妃・阿多
ようやく覆面を外せる。
by 帝弟『薬屋のひとりごと』TVアニメ第40話
原作によると ──
子昌が退席した後、羅漢は帝弟相手に碁の解説を再開し、1時間も続いたそうです・・・
だから、早く覆面を外したかったのでしょう(苦笑)。
何、東宮の身代わりなど、そうできることではない。
by 阿多『薬屋のひとりごと』TVアニメ第40話
なんと、壬氏様だと思われた帝弟は、実は阿多が扮していたのです!
いや、こんなことができるということは ──
阿多と壬氏様の関係を(限定されているでしょうが)理解している証しですね!

あっ、そういうことか!
というのも、子が取り違えられたという話は、皇太后の心情描写でしか語られていませんでした。(33話 )
皇太后以外の人物がこの事実を認知しているかどうかは不明でした。
こうして代役を頼めるということは、一部の人間ではありますが、阿多と壬氏の関係を理解しているからこそできることなのでしょう。

だんだんピースが見えてきました~~
行方不明者の対応
── 娘にも甘いそうです。
その娘の件で、対応に追われているのだろう。
宦官壬氏殿は。まさか行方不明になるとはな・・・。
by 阿多『薬屋のひとりごと』TVアニメ第40話
壬氏様は、猫猫が行方不明になったと知り、その対応に追われていたため、帝弟の仕事を代役してもらったのです。
頼りになりますね!壬氏様!
でも、相手はあの翠苓。
1期で、あともう少しで暗殺成功というところまで実行し、まんまと逃げおおせた人物です。
猫猫抜きで、どこまで追跡できるのでしょうか・・・。
いや、拉致されたのは猫猫ですから、何か証跡を残しているはずです・・・。
それに、オヤジこと羅門がいます。
(本物の)親父である羅漢もいます(笑)。
きっと問題ない・・・ですよね?
おわりに (『薬屋のひとりごと』40話とは)
とうとうTVアニメ『薬屋のひとりごと』も40話に!

そっか、40本もレビュー書いたんだ…

遠い目してる…
いや、言いたいことはそういうことではなくて(笑)。
遂にアニメも40話の大台に乗り、2期も残り8話となりました。
残り8話もあるのに、主人公であり名探偵役の猫猫が拉致されるという大イベントが発生。
何せ後半クールのPVでも前振りしていたくらいですから・・・。
もしかして簡単には解決しない!?
なんて、メタ的な視点で考えてしまうのは深読みし過ぎでしょうか・・・?
2期に入ってからレビューで散々書いてきましたが、2期は1期を含めた『薬屋のひとりごと』の集大成として描かれています。
だとしたら、じっくりとたっぷり描かれるのかもしれませんね。

えっ、しばらく猫猫帰って来れないってこと!?

でも、きっと最後は…

無事に解決するよね!
カンザシ持っていったし、壬氏様が助け出してそこで告白するんだよ!

でもそうなると、そんなシーンって最終話じゃ…

あっ・・・
以上、TVアニメ『薬屋のひとりごと』第40話の感想&考察レビューでした。
長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。
次話のレビューも書く予定です。
良かったらまたお越し下さい。
最新情報はX(@toki23_a)にて!
ではでは。
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疑問点 まとめ(Q&A一覧)
この章では、疑問点をまとめていきます。
- 今話で発生し解決した疑問は、本文で解説して本章(ここ)でまとめ
- 今話で解決しなかった疑問を、疑問XX-XX(話数-通し番号)として記録
⇒ 本章(ここ)でまとめ - 答えは、推測ではなくできるだけ(原作含む)作品内で明らかになった事実を記載
※推測が入る場合は、断りを入れる
⇒ 解決した疑問は、次話で削除
今話で解決した疑問 (クリックすると答えが表示されます)
今話で新たに発生し、解決しなかった疑問
- 疑問 40-01 帝の子を産み育てる、という点に於いての後宮の問題点とは?
- 疑問 40-02 深緑たちが恨む一番の対象は皇太后では?
残っている疑問 (クリックすると表示されます)
- 疑問 02-01 壬氏は、後宮管理者なのに、なぜ後宮の外まで判断を求められている?
- 疑問 02-02 水差しの弁償、仕送りから引いたのは期間限定?
- 疑問 02-03 結局、秘薬は何の為だったの?
- 疑問 03-01 西都の玉葉妃が、異国の姫とは?
- 疑問 05-01 粉を染み込ませた木簡は、誰が何に使っているのか?
- 疑問 05-01 簪(かんざし)を渡す意味は?
- 疑問 06-01 園遊会で、なぜ壬氏は違うカンザシを挿し、襟が乱れていたのか?
- 疑問 09-01 壬氏と亡くなった武人・浩然との関係は?
- 疑問 10-01 後宮内の事件に最終判断を下しているのは誰?
- 疑問 10-03 現帝の東宮時代、妃はなぜ一人しかいなかったのか?
- 疑問 11-01 阿多妃を南の離宮に住ませるのは、帝の愛着か、それとも・・・
- 疑問 11-02 阿多妃の子は生きているのか?
- 疑問 12-01 やり手婆は、なぜ猫猫を妓女にしたい?
- 疑問 13-01 壬氏は、帝に何を頼まれたのか?
- 疑問 14-02 爆発現場にあった上等なキセルは、倉庫番のもの?
- 疑問 15-01 馬閃は、なぜ猫猫を嫌っている?
- 疑問 17-01 壬氏は、なぜ変装しなくてはならない?
- 疑問 17-02 壬氏は宦官なのに、なぜ武官のような野営を知っている?
- 疑問 18-02 使い物にならない妓女を、やり手婆はなぜ離れに住まわせている?
- 疑問 19-03 「何か起こったあとでは遅い」猫猫は、過去にどんな経験をしたのか?
- 疑問 19-04 羅漢は、猫猫を抱きかかえる壬氏を見て、なぜあれほど驚いた?
- 疑問 20-01 なぜ翠苓のことを秘密裏に終わらせた?
- 疑問 20-02 壬氏は、なぜ身分を隠し、後宮管理者として生活している?
- 疑問 20-03 楼蘭妃は、なぜ訪れる度に雰囲気が変わる?
- 疑問 21-01 やぶ医者より先に後宮へ来た姉は、今どこにいる?
- 疑問 21-02 先の皇太后は、なぜ木の伐採に制限をかけた?
- 疑問 22-01 猫猫は、なぜ爪紅を流行らせた?
- 疑問 23-01 賭け対象にした「妓女の身請け」の狙いは?
- 疑問 23-02 羅漢に届いた文と巾着、誰が開いたのか?
- 疑問 25-01 楼蘭妃は、なぜそこまで侍女を増やす?
- 疑問 25-02 子猫はどこから来た?
- 疑問 26-02 キャラバンは、なぜ妊婦に影響のある香油と香辛料ばかり売っていた?
- 疑問 27-01 結局、玉葉妃に毒を盛ったのは誰?
- 疑問 28-01 異国の特使は、なぜ上級妃4人に鏡を献上した?
- 疑問 29-01 異国の特使は何を企んでいる?
- 疑問 30-01 杏に香油から堕胎剤の作り方を、誰が教えた?
- 疑問 31-02 先帝が壬氏に渡そうとした石は何?
- 疑問 31-03 国母が来たのはいつ頃?
- 疑問 31-04 帝は、なぜ”選択の廟”を解いておきたかった?
- 疑問 31-05 壬氏は、なぜ”選択の廟”で真剣な顔をしていた?
- 疑問 32-01 皇太后は、なぜ診療所に?
- 疑問 33-01 後宮を追放された医官と女児は誰? 今どこに?
- 疑問 34-01 子翠の正体は?
- 疑問 36-01 猫猫は、なぜ壬氏が帝の血縁だと気付かない?
- 疑問 38-01 噂の宦官の正体は? 何の目的で宦官に?
- 疑問 39-01 氷の代わりにアイスを献上して、楼蘭妃は問題なかったか?

1期の残が多いので、時間あるときに整理します
今週のX感想ポスト
#薬屋のひとりごと 40話
— 時文@ここアニ(『薬屋』『小市民』レビュー中) (@toki23_a) April 26, 2025
猫にマタタビ、猫猫に秘薬
ダメと知りつつ手を伸ばす!?😱
好奇心は猫をも殺す?
厄介事には深入りしないのが信条なのに、違和感あれば確かめずにはいられない。長きに渡って巣くう悪意…そして現れた人物は..
始末ではなく連れ出す?
"入ってきた"のに出る!? その目的は?🤔
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アニメ『薬屋のひとりごと』次話のレビューはこちら!
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