【文字数(本文):約9千文字(目安15分)】
こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『薬屋のひとりごと』第41話「狐の里」を鑑賞しました。
本レビューではアニメ感想だけではなく、原作・コミカライズ情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。
皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
今回アニメ化されたのは──
- 原作
-
4巻 10話「足跡」 ~ 11話「狐の里」まで
- コミック
-
15巻 61話「狐と狸の化かし合い」中盤 ~ 16巻 63話「子翠と翠苓」中盤まで
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
今話で解決しなかった疑問
最下部「疑問点まとめ (Q&A一覧)」に記載
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレなし
『薬屋のひとりごと』は、小説投稿サイト「小説家になろう」連載。
ライトノベルと、月刊誌2誌で別の漫画家によるコミカライズ2作品があります。
私は、ライトノベル、コミカライズ共に未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成します。
アニメ鑑賞
+
コミカライズ、ライトノベルを読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」
よって、次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください。
なお、原作ライトノベル、コミカライズの情報は、「原作情報」として区別できるよう記載します。
- 「ヒーロー文庫」のライトノベルを ── 原作
- 「月刊サンデーGX」連載のコミカライズを ── コミック

こんな感じです
緑系の色を目印にしてね!
引用部分も次のように緑系をワンポイントに ──
宦官が驚いた表情で猫猫を見るが、そんなの関係なかった。
引出しの見出しを眺め、珍しい薬を見つけるなり踊るような奇妙な動きをしてしまう。喜びがあふれ出て、頭の中に納まりきれなかった。
「なんかの呪いか、なにかか?」四半時、そんなことを繰り返したところだった。
by 『薬屋のひとりごと』原作1巻
いつのまにか現れた壬氏が奇異の目で踊る猫猫を見ていた。
コミカライズは、別の漫画家による2作品が刊行されています。
- 「月刊ビッグガンガン」連載の「薬屋のひとりごと」
- 「月刊サンデーGX」連載の「薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜」
両方読んでいますが、本サイトでは、アニメの補完となると情報の多い➋を選択しました。
「コミック」として紹介する情報は基本➋です。
が、今後も両方読んでいくので、➊にしかない情報があれば、その時は注釈を付けて紹介します。

同じ内容なのに、2つも読むんだ・・・

その方が、理解が深まるんだよ
ちなみに、考察や疑問はオレンジ系。
補足や余談、参考情報はブルー系に色分けしているので、読む際に目安にして下さい。
2期 全24話 各話リスト
話数 | サブタイトル | コミック | 原作 |
第37話 | 湯殿 | 14巻 | 4巻 |
第38話 | 踊る幽霊 | ||
第39話 | 氷菓 | ||
15巻 | |||
第40話 | 巣食う悪意 | ||
第41話 | 狐の里 | ||
16巻 | |||
第42話 | |||
第43話 | |||
第44話 | |||
第45話 | |||
第46話 | |||
第47話 | |||
第48話 |
※話数:リンクは各話レビューへ
※サブタイトル:ネタバレを避けるため次話以降はマスク
はじめに
翡翠宮から壬氏のもとへ、猫猫が行方不明だという連絡が入る。
猫猫の直前の行動を詳しく調べるため、壬氏は医局へと向かう。
一方、翠苓に囚われた猫猫と子翠は、後宮の外に連れ出され船に乗せられていた・・・。
慌てる乞食は貰いが少ない。
困ったときは猫の手も借りる!?
猫猫拉致は、猫猫の利用か、復讐か、それとも深緑が見つかってしまったので成り行きか・・・。
猫猫に秘密や諸々バレても気にしない。
子翠は素顔を見せてもさほど変わらない。
翠苓同様、様々な事情がありそうだが・・・。
宦官と偽って後宮へ入り、黙って抜け出すのは重罪。
そこまでする価値はどこにある?
翠苓は既に何かしたのか、それともこれから何かしようとしているのか・・・。
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第41話「狐の里」
足跡
猫猫が後宮から突然姿を消した。翡翠宮にも手がかりはなく、壬氏は医局で猫猫の直前の行動を尋ねると、猫の毛毛もいなくなっていることに気づく。
皆に愛されている
猫猫が帰ってきていないとは、どういうことでしょうか。
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第41話
猫猫が翡翠宮に帰ってきていないと壬氏に連絡があったのは翌日。
玉葉妃は、壬氏が猫猫を無断でどこかに連れて行ったのではと疑って・・・。
いや、そうであって欲しかったのかもしれませんね・・・。
猫猫が行方不明になり、壬氏様が動揺していますが、玉葉妃も心配をしているのです。
原作小説は文字なので、皆の心配具合が如実に描かれています。
玉葉妃は ──
壬氏の「ご機嫌麗しゅう」という定例の挨拶に「そんなわけないわ」と答える余裕のなさを見せ。
侍女頭・紅娘は ──
壬氏に文を書いたのは紅娘、筆跡には少し動揺が見られ、(アニメでは壬氏様が問うていますが)原作では、玉葉妃と壬氏様の会話に割り込んでくるほど。
壬氏も紅娘に焦りと猫猫をかばう姿勢を見て取っています。
侍女三人娘は ──
一応手を動かして仕事をしていますが、どこか上の空。
(代わりに新入りの三姉妹がせっせと仕事をしています)
医局へ行くと、(壬氏様が来るといつも喜ぶ)やぶ医者も元気がなく心配している様子。
落ち着いているのは猫猫に最も近しい間柄の羅門だけという有様です。
皆が猫猫のことを心配している、とても良いシーンですね。
猫猫は、自分は誰からも愛されていないと思い込んでいる節があります。
だから、人を助ける際も損得勘定で考えてしまうのです。
27話、中級妃・静妃が毒殺されたとき、壬氏は猫猫自身を疑っていると考えていました。


壬氏に感心までしていたし…

ああ、あったね…
32話、皇太后に猫猫指名で用事を頼まれたとき、紅娘に脅かされたのは自分が壬氏様の侍女だから当然だと考えていました。
どれもこれも捻くれた考え方です。
皆が猫猫を信頼して信じているからこそ、高い要求をして、自分の仕事を全うしているだけなのに・・・。
その中には、当然猫猫に対する愛情も含まれているのに。
誰も、猫猫のことを愛していないなんてことはありません。
主が違おうと、時には他の妃を手助けしようと、猫猫自身を皆が好きなのです。
好きだからこそ普段の行動に口を出し、心配しているのです。
そんな猫猫が行方不明になってしまい・・・。
誰かに恨まれる、事故に巻き込まれる、厄介事に首を突っ込む、思い当たることがありすぎで(笑)みんな心配しているのです。
そんな感情が溢れ出てきたシーン。
まさにオープニングの歌詞にある「皆に愛されてたらしい」ですね。
貴人・壬氏
医局でもぐさを作り、その後、手習い所に行った・・・。
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第41話
翡翠宮で聞いた以上のことは分からないか。
壬氏が上記セリフを言った直後、高順が(落ち着かせるかのように)肩に手を置きます。
これは一体何を気にしたのでしょうか?
原作によると ──
壬氏は次第に苛ついていた。高順につつかれ、履を鳴らしていたことに気付く。
by 『薬屋のひとりごと』原作4巻
貧乏揺すりでしょうか、気付かないうちに靴で音を出していたのです。
医局を出た後でも描かれたように、壬氏様は外では貴人を演じなければなりません。
下女が一人行方不明になったくらいで動揺してはいけないのです。
(医局に話を戻して・・・)だから、高順は指摘したのでしょう。
壬氏も落ち着かねば、と考え ── それで猫の毛毛を探したのです。
原作には、その心情がしっかり描かれています。
あの毛玉を触っていれば心が落ち着くと思ったのに、こんなときにいないのか。
by 『薬屋のひとりごと』原作4巻

落ち着くために探したんだ(笑)

で、その一言が手がかりに繋がるんだよね

・・・おおっ、そういうことか!
すごっ!

ホント、この手の話運びが巧いよね~~
猫にマタタビ

前話、毛毛が猫猫にまとわりついていたことから ──
毛毛を探せば猫猫、あるいは何か手がかりが見つかるのではないかと考える羅門。
猫の行動範囲は、そう広くないのですけどね。
by 羅門『薬屋のひとりごと』TVアニメ第41話
(原作によると)猫の行動範囲は2km程度。
後宮の外に出る秘密の抜け穴は、医局の近くにあった!? (後述)
いずれにせよ、毛毛がマタタビの匂いに釣られ猫猫の手がかりを見つけてくれていたのです。
これはマタタビと言います。
これを茶にすると、冷え性や疲労回復に効果があります。猫はこれが好きで酔っ払ったようになるんです。
by 羅門『薬屋のひとりごと』TVアニメ第41話
猫が目印になると踏んで利用したのでしょうね。

前話の推測当たったね!(40話 )

まあ、あそこまであからさまにやられると流石に何かあるのだろうと…
でも、毛毛を探しに行くとは思いませんでした。
てっきり、『ヘンゼルとグレーテル』で小石やパンを目印にしたように、マタタビを落として、それを毛毛が警察犬のように追いかけていく・・・。
あるいは、診療所で(毛毛が)マタタビを見つけて「薬を作ることは禁止されているのに、なぜ生薬がここにあるんだ?」と深緑が詰問されるのだと思っていました(笑)。

おお、2つ目はありそう!
いずれにせよ、診療所が医局から遠い場所にあると思ったからです。
まさか、医局にいる子猫の行動範囲内に、抜け道があったとは・・・。(後述)
似たもの同士
── 心配ではないのか?
心配ですよ。
ですが、私は私ができることをするだけです。気をもんで他の仕事に差し支えがあってはいけません。
by 羅門『薬屋のひとりごと』TVアニメ第41話
心配しても仕方ない?
確かに少し冷たい気もしますが、ここで羅門が騒いでも状況は変わりません。

まあ正直、羅門が捜索に参加したら効果はあると思うけど…
それに、猫猫を探すのは羅門の仕事ではありません。
羅門が後宮に呼ばれたのは、帝の御子を無事に出産させるため。
その仕事に差し支えがあってはならないのです・・・。
それに以前は1年近く、音信不通だったこともありますから。
by 羅門『薬屋のひとりごと』TVアニメ第41話
これは、1期1話で猫猫が人さらいに攫われたときのことを指しています。

それから1年近く(正確には10ヶ月程)、猫猫は後宮で働き、その間羅門と連絡が取れませんでした。
なるほど。
猫猫が攫われた後、初めて里帰りした時、羅門も猫猫も随分あっさりしているな、と感じました。(7話 )
二人は、そういう性格なのです。
コミカライズでは ──
懐妊されている妃の健康は、私にお任せください。
by 羅門『薬屋のひとりごと』コミック16巻
あなたには、あなたに出来ることがあるでしょう。
という言葉を、羅門は壬氏にかけています。
コミカライズ版は、少し羅門の気遣いを描いている感じで、これはこれで良いですね。
子翠に思い当たる?
── しすい・・・。
- 中略 -
── 他に小蘭っていう名前の下女もいて、よくつるんでいて・・・。
その下女なら私も何度か会っている。
だが、もう1人は聞いたことが・・・。ハッ!
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第41話
ハッとする壬氏。
すぐさま子翠という下女を探せと指示をします。
さて、壬氏は「しすい」という名から何に気付いたのでしょうか?
原作には、壬氏が「ハッ!」とするような描写ありません。
これはアニメオリジナルです。
ただ原作には ──
その直前に、「しすい」はどんな字だろうかと考えを巡らせている描写があります。
ということだけ紹介しておきます・・・。

あっ、何か気付いてる感じ・・・
壬氏は、子翠の名を聞いて何に気付いた?
さて、そんなことよりも(苦笑)。
このシーンで気になることがあるので記しておきます。
名前か・・・。
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第41話
名前なら、もう1人”翠”の字がつく人物がいた。
壬氏は、こう言って翠苓を思い浮かべました。
翠苓の姿を覚えている証拠でしょう。
なのに、なぜ壬氏は噂の宦官を見て翠苓だと気付かなかったのでしょうか? (38話 )
1期で翠苓がいたのは外廷です。
だから、後宮内の人たちが知らないのは分かります。
ですが、壬氏と高順は普段は外廷にいます。
それに、翠苓は壬氏邸の近くで働いていました。
だから、壬氏邸で働く猫猫は翠苓を含む女官たちに絡まれたのです。(13話 )

近くで働いていた女官、それも(後で分かったことではあるものの)大犯罪を犯した女をなぜ覚えていないのでしょうか・・・。
噂の宦官を見た時に気付いていれば・・・。
まあ、犯人だと分かってから翠苓を見た時は、死体(仮)になってからかもしれませんが・・・。
子翠と翠苓
翠苓に囚われた猫猫と子翠は、後宮を出て船に乗りどこかへと連れていかれる。
南側近く
ここは、子翠と初めて会った場所の近くだ。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第41話
祠がある場所は、壬氏が「後宮の北側には遷都前の古い建物がある」と言っていたので、北側でしょう。
医局や翡翠宮があるのは後宮の南側です。
(個体差はあるものの)猫の行動範囲は2km程度。
では、なぜ子猫の毛毛は北側まで移動できたのでしょうか?
実は、北側と言っても実際の距離はそれほど離れていないのでしょうか・・・。
少し分かりにくいですが、原作に位置関係に関する記載がありました。

後宮内だけでいいから地図が欲しい(苦笑)
場所は後宮の北側だった。しかし、南側と壁一枚で隔てられた場所であり、壁には子猫が通り抜けできる小さな穴があった。子猫を最初に見つけたと報告された場所、そこと壁を隔てたらさほど遠くない位置である。
by 『薬屋のひとりごと』原作4巻
文字だけだと分かりにくいですね。
後宮 北側
祠
壁———————穴————壁
(猫猫たちが普段いる所)
後宮 南側
こんな感じでしょうか。

時間があれば図にしたい
北側へ行くには通常入り口を通らないといけませんが、壁には小さな穴があり、毛毛にとっては壁の向こうも行動範囲だったのです。
続いて ──
そして、連れてこられた場所は以前、毛毛を見つけた場所の近くだった。壁一枚挟んだ裏側だ。猫猫は、しめたと思った。翠苓が祠をなにやらいじっている。その間、周りを深緑が見張っていた。
by 『薬屋のひとりごと』原作4巻
つまり、祠のある場所は医局や翡翠宮からは距離的には比較的近い位置にあります。
しかし、この場所に行くには間に壁があるので普通は壁をぐるっと回っていかないといけません。
でも、猫の毛毛は、穴があったのでショートカットできたのです。
猫猫は、以前、毛毛を見つけた辺りだと気付き ──
それなら毛毛の行動範囲内の可能性があるので、マタタビを仕込んだのでしょう。
文字だけだと分かりづらい位置関係ですが ──
これが毛毛の行動範囲、かつ今まで抜け穴が見つからなかった理由でもあるのでしょう。
秘密の抜け道

それにしても後宮にあんな抜け道があったなんて・・・。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第41話
祠にあったこの抜け道は水路でしょうか?
アニメ、特に中世ヨーロッパ風のファンタジー作品でよく見かけるのは水路ですが・・・。
原作によると ──
薄暗い壊れかけた水路に見えたが、それにしては大きい。おそらく、昔、地下水路を作る際に、避難路も作ったのだろうと推測した。
by 『薬屋のひとりごと』原作4巻
猫猫の見立てでは、水路ではなく避難路のようです。
水路にしろ避難路にしろ、なぜこんなものが存在していて、誰も気付かなかったのでしょうか?
それは、既に明かされている情報を整理すると見えてきます。
27話 ──

── 最近、北側で変な匂いがするんだけど、知らない?
── 変な匂いねえ。あっちは荒れているからね、水路でも詰まったかな?汚物を流す地下水路が詰まれば、地上に匂いが出てくるかもしれない。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第26話
水路は後宮内に整備されていると紹介されていました。
さらに ──
29話 、特使に「月の精」を見せるための宴の場を下見した際 ──
昔この辺りに他の民族が住んでいたそうで、残された建物や外壁、地下水路は今もそのまま利用されているという。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第29話
昔この辺りに住んでいた他民族が使っていた地下水路を、そのまま使っていたのです。
抜け道は後宮ができる前(正確に言うと北側に広がる前)から存在し、結果的に後宮と外を繋ぐ、後宮関係者は知らない抜け道となってしまったのでしょう。
問題は、なぜそんな抜け道を翠苓は知っているのでしょうか?
先のセリフに「昔この辺りに他の民族が住んでいた」とありますが、何か関係があるのでしょうか・・・。
翠苓は、なぜ後宮の外に繋がる抜け道を知っていた?
余談ですが ──
のちほど、毛毛が転がっていた場所の近くに古い祠が見つかった。老朽化しており倉庫の陰に隠れたそれは、探さねば見つからないものであった。
by 『薬屋のひとりごと』原作4巻
祠自体が、意図的に探さなくては見つからないほど、ひっそりと建てられていたようです。
このように抜け道の存在を考えていくと、ますます不思議になります。

何が?
翠苓は後宮と外に繋がる抜け道を知っているのに、なぜ宦官になって後宮に入ってきたのでしょうか?

あっ、確かに!
宦官にならなくても、この抜け道使ってこっそり入ってくればいいんだもんね!

その通り!
女性が宦官になるという、わざわざ危険なことをしなくても、抜け道を使えば良いのです。
知らない人が歩き回っては見つかってしまう?
いいえ、一度入ってしまえば、さほどチェックはないようです。
現に、子翠は下女として登録されていないのに自由に歩き回っていました。
わざわざ宦官として入ってきて、出るときは抜け道を使う・・・。
考えられるのは ──
最初の時点では、抜け道を知らなかった。
あるいは、抜け道を使ってこっそり入っては、目的を達成できない。
だから、宦官として入るしかなかった・・・。
では、宦官になって何をするつもり、いや、したのでしょうか?
いくつか思いつきますが、現時点では絞ることができません。
この辺が見えてくると、猫猫を拉致したのが成り行きか目的かが分かるのですが・・・。
抜け道があるのに、なぜ翠苓は宦官のフリをして後宮に入ってきた?
原) 体内温度計&コンパス!?
船を乗りかえること2回、川に入ってたんだな。
船に乗ってるときは、北上していると思っていた。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第41話
けど、この森の中は温かくて湿度が高い。
猫猫は船倉にいたので外の様子は見えません。
なのに、北上していることが分かった!?
猫猫さんの体には、温度計とコンパスが内蔵されているのでしょうか(笑)。
原作を読むと、実は単純なことでした。
船は海から川に入ったらしい。潮の香りが薄れ、土の匂いが近くなる。川の幅に応じて、船を乗り換えること二回、ようやく陸に上がったと思ったら、そこは森の中だった。川が森に入り組むようになっており、そこに船着き場があった。
by 『薬屋のひとりごと』原作4巻
なるほど、猫猫は匂いで海から川に入ったことが分かっていたのです!
そして、船を乗りかえたのは、川の幅が狭くなったので小さい船に乗りかえたということですね。

てっきり、追跡を逃れる為だと思ってた
そして、さらに驚くべきはこちら!
太陽の位置と外気の冷たさの変化を見る限り、船は北上しているように思えた。しかし、森の中を歩いているうちにだんだん暖かくなってきた気がした。そして、妙に湿り気を帯びた空気になってきた。
by 『薬屋のひとりごと』原作4巻
猫猫は太陽の位置と体感温度で船が北上していると推測していたのです。
素晴らしい地頭力、いや野生の勘?
自然を読む力がずば抜けていますね!
姉妹の猿芝居
ヘビか、苦手なのかな・・・。
それ自体はおかしくない。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第41話
おかしいのは・・・。
子翠のちょっとした動きから、子翠と翠苓は知り合いではないかと猫猫は疑います。
これはアニメを見ていても分かりましたよね。
草むらのヘビを警戒する翠苓を守るかのように子翠が動いていたのです。
ちなみに、オープニング、翠苓の背景に描かれているのはヘビですね。

あっ、ホントだ!
過呼吸になった翠苓を看病していると、護衛が止めようとするが子翠が制止。
これでハッキリした。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第41話
これで、子翠は翠苓と知り合いだと確信したのです。
子翠。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第41話
子猫がいきなり隠し通路から出てきた時は驚いただろうね。
恐らく、抜け道が子翠と毛毛が初めて会った場所の近くだと分かった時、子翠は抜け道から入ってきたのではないかと猫猫は疑ったのでしょう。
後宮内では犬猫といった愛玩動物は全て管理されています。(25話 )
登録のない犬猫はいないはずです。
なのに、抜け道を通って猫が入ってしまったら ──
通常、この手の施設なら、どこから猫が入ってきたか徹底的に調べられます。
だから、子翠は慌てて逃げた毛毛を捕まえようとしたのでしょう。

子翠。
子猫がいきなり隠し通路から出てきた時は驚いただろうね。慌てて追いかけたあげく、人に見つかってしまうくらい。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第41話
猫猫さん、何だか微妙な言い方しますね(笑)。
逃げた子猫が見つかってしまったことを言っているのでしょうが・・・。
子翠自身も見つかってはいけないような口ぶりですね(苦笑)。

えっ、そういうことなの??

さあ、まだ分からないけど…
もしかすると・・・。
子翠は、最初から下女として行動するつもりはなく、単に後宮内を誰にも存在を知られず自由に歩き回る仮の姿だった。
だけど、毛毛が接点で猫猫と会話してしまい、子翠という下女を作らざるを得なくなった・・・。
なんてことを思っただけです(笑)。

お~~、なるほど・・・ん?だから何?

さあ、どういうことでしょうね~~
いずれにせよ、猫猫は、抜け道を通った辺りから、子翠は人質ではなく翠苓側だと疑っていたのではないでしょうか。
だから ──
子翠と2人で逃げる算段を立てるべきか・・・。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第41話
いや・・・。
子翠を連れて逃げる策を考えようとしましたが・・・。
子翠が翠苓の仲間なら意味がないので思い留まった、あるいは先に見極めなくてはと考えたのではないでしょうか。

えっ、そうなの!?
じゃあ、もう分かったんだから1人で逃げればいいのに!
ですよね・・・。
恐らく ──
自分を(殺さずに)拉致した理由。
翠苓は何をしようとしているのか。
ほんの少~し「蘇りの薬」について(苦笑)。
そして ──
もう一つ、確かめていないことがある。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第41話
確信はないが、もしかしたら子翠は・・・。
幾つか知りたいことがあるので大人しく付いていったのではないでしょうか。

好奇心は猫を殺す(苦笑)

怖いこと言わないで!
子翠の正体は?
響迂
俺さあ、姉ちゃんたちには、もう会えないって聞いてたけど、あればあやのウソだったんだな。
by 響迂『薬屋のひとりごと』TVアニメ第41話
翠苓と子翠を知っているガキ登場。
小憎たらしいガキですが、重要なことを言っていますね(笑)。
この少年は、翠苓と子翠には「もう会えない」と聞かされていたのです。
さて、これはどういう意味でしょうか。
後宮が舞台の物語ですから、単純に考えると、後宮に宮入り。
もっと下世話に考えると、どこかに売られた・・・。
翠苓は、今回宦官に偽装して後宮に潜り込み、抜け道を通って子翠を後宮の外に連れ出しました。
子翠を連れ出すために、翠苓は後宮に潜り込んだのでしょうか・・・。
もしそうだとしたら、なぜ猫猫まで連れ出したのでしょうか?
抜け道があるのに、なぜ翠苓は宦官のフリをして後宮に入ってきた?
おわりに (『薬屋のひとりごと』41話とは)
さて、これまで何人もの人を死に追いやってきた翠苓に捕まってしまい、緊迫した展開になるかと思いきや、意外にもアットホームな雰囲気に。
悪人にも五分の魂?
翠苓、そして子翠にもまだまだ明かされていない事情がありそうです。
『薬屋のひとりごと』らしい、いや猫猫らしいのは、脱出しようと思えばできたはずなのにしなかったこと。
猫猫なら、山の中でも生きていけるだろうし、時間はかかりますが元の国に戻るのも可能でしょう。
それでもって翠苓も、そんなことは分かっているかのような余裕の対応。
猫猫を留めておけるのは、縄や鎖ではなく、好奇心だと分かっているのではないでしょうか(笑)。
遂に『薬屋のひとりごと』が後宮どころか都を飛び出した!?
予想外だったのは、猫猫が思っていた以上に遠くへ連れて行かれたこと!
翠苓が登場したので即座の解決はないだろうと想像していましたが、これは想定以上に長引く展開になりそう!?
これまでは「後宮」という閉じた世界ならではの展開の面白さがありました。
ここで、突如として外の世界へ、それも遙か遠くの別の国(かどうかはまだ不明)!?
抜け道を使ったことから、後宮と全く関係性がないわけではないでしょう。
特使の存在も気になります。
果たして、壬氏様は猫猫を見つけることができるのでしょうか・・・。

いや、見つけないとダメだから!

そりゃ、そうだね(笑)
以上、TVアニメ『薬屋のひとりごと』第41話の感想&考察レビューでした。
長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。
次話のレビューも書く予定です。
良かったらまたお越し下さい。
最新情報はX(@toki23_a)にて!
ではでは。
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疑問点 まとめ(Q&A一覧)
この章では、疑問点をまとめていきます。
- 今話で発生し解決した疑問は、本文で解説して本章(ここ)でまとめ
- 今話で解決しなかった疑問を、疑問XX-XX(話数-通し番号)として記録
⇒ 本章(ここ)でまとめ - 答えは、推測ではなくできるだけ(原作含む)作品内で明らかになった事実を記載
※推測が入る場合は、断りを入れる
⇒ 解決した疑問は、次話で削除
今話で解決した疑問 (クリックすると答えが表示されます)
今話で新たに発生し、解決しなかった疑問
- 疑問 41-01 壬氏は、子翠の名を聞いて何に気付いた?
- 疑問 41-02 翠苓は、なぜ後宮の外に繋がる抜け道を知っていた?
- 疑問 41-03 抜け道があるのに、なぜ翠苓は宦官のフリをして後宮に入ってきた?
残っている疑問 (クリックすると表示されます)
- 疑問 02-01 壬氏は、後宮管理者なのに、なぜ後宮の外まで判断を求められている?
- 疑問 02-02 水差しの弁償、仕送りから引いたのは期間限定?
- 疑問 02-03 結局、秘薬は何の為だったの?
- 疑問 03-01 西都の玉葉妃が、異国の姫とは?
- 疑問 05-01 粉を染み込ませた木簡は、誰が何に使っているのか?
- 疑問 05-01 簪(かんざし)を渡す意味は?
- 疑問 06-01 園遊会で、なぜ壬氏は違うカンザシを挿し、襟が乱れていたのか?
- 疑問 09-01 壬氏と亡くなった武人・浩然との関係は?
- 疑問 10-01 後宮内の事件に最終判断を下しているのは誰?
- 疑問 10-03 現帝の東宮時代、妃はなぜ一人しかいなかったのか?
- 疑問 11-01 阿多妃を南の離宮に住ませるのは、帝の愛着か、それとも・・・
- 疑問 11-02 阿多妃の子は生きているのか?
- 疑問 12-01 やり手婆は、なぜ猫猫を妓女にしたい?
- 疑問 13-01 壬氏は、帝に何を頼まれたのか?
- 疑問 14-02 爆発現場にあった上等なキセルは、倉庫番のもの?
- 疑問 15-01 馬閃は、なぜ猫猫を嫌っている?
- 疑問 17-01 壬氏は、なぜ変装しなくてはならない?
- 疑問 17-02 壬氏は宦官なのに、なぜ武官のような野営を知っている?
- 疑問 18-02 使い物にならない妓女を、やり手婆はなぜ離れに住まわせている?
- 疑問 19-03 「何か起こったあとでは遅い」猫猫は、過去にどんな経験をしたのか?
- 疑問 19-04 羅漢は、猫猫を抱きかかえる壬氏を見て、なぜあれほど驚いた?
- 疑問 20-01 なぜ翠苓のことを秘密裏に終わらせた?
- 疑問 20-02 壬氏は、なぜ身分を隠し、後宮管理者として生活している?
- 疑問 20-03 楼蘭妃は、なぜ訪れる度に雰囲気が変わる?
- 疑問 21-01 やぶ医者より先に後宮へ来た姉は、今どこにいる?
- 疑問 21-02 先の皇太后は、なぜ木の伐採に制限をかけた?
- 疑問 22-01 猫猫は、なぜ爪紅を流行らせた?
- 疑問 23-01 賭け対象にした「妓女の身請け」の狙いは?
- 疑問 23-02 羅漢に届いた文と巾着、誰が開いたのか?
- 疑問 25-01 楼蘭妃は、なぜそこまで侍女を増やす?
- 疑問 26-02 キャラバンは、なぜ妊婦に影響のある香油と香辛料ばかり売っていた?
- 疑問 27-01 結局、玉葉妃に毒を盛ったのは誰?
- 疑問 28-01 異国の特使は、なぜ上級妃4人に鏡を献上した?
- 疑問 29-01 異国の特使は何を企んでいる?
- 疑問 30-01 杏に香油から堕胎剤の作り方を、誰が教えた?
- 疑問 31-02 先帝が壬氏に渡そうとした石は何?
- 疑問 31-03 国母が来たのはいつ頃?
- 疑問 31-04 帝は、なぜ”選択の廟”を解いておきたかった?
- 疑問 31-05 壬氏は、なぜ”選択の廟”で真剣な顔をしていた?
- 疑問 32-01 皇太后は、なぜ診療所に?
- 疑問 33-01 後宮を追放された医官と女児は誰? 今どこに?
- 疑問 34-01 子翠の正体は?
- 疑問 36-01 猫猫は、なぜ壬氏が帝の血縁だと気付かない?
- 疑問 39-01 氷の代わりにアイスを献上して、楼蘭妃は問題なかったか?
- 疑問 40-01 帝の子を産み育てる、という点に於いての後宮の問題点とは?
- 疑問 40-02 深緑たちが恨む一番の対象は皇太后では?

1期の残が多いので、時間あるときに整理します
今週のX感想ポスト
#薬屋のひとりごと 41話
— 時文@ここアニ(『薬屋』『小市民』レビュー中) (@toki23_a) May 3, 2025
困った時は猫の手も借りる!?
猫猫拉致は利用か復讐か成り行きか
猫猫に諸々バレても気にせず!?子翠は素さほど変わらず、翠苓同様色んな事情ありそうだが..宦官と偽り後宮入り、黙って後宮抜け出すのは重罪。そこまでする価値がどこに?
彼女は何かしたのかこれからするのか🤔
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アニメ『薬屋のひとりごと』次話のレビューはこちら!
