アニメ【薬屋のひとりごと】5話感想&考察 仕込み仕込まれ恋い焦がれ園遊会は戦場!?何も起きないわけがない!?

薬屋のひとりごと 第5話

【文字数(本文):約1万6千文字(目安26分)

こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『薬屋のひとりごと』第5話「暗躍」を鑑賞しました。

本レビューではアニメ感想だけではなく、原作・コミカライズ情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。

皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。

今話の原作

原作小説 1巻

コミック 2巻

今回アニメ化されたのは──

原作

1巻 14話「炎」~16話「園遊会 其の壱」

コミック

2巻 6話「園遊会」序盤~中盤まで
※マツタケ&木簡エピソードは1巻4話「勅命」収録

今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)

今話で解決しなかった疑問

最下部「疑問点まとめ (Q&A一覧)」に記載

本レビューの方針

本レビューは、次話以降のネタバレなし

『薬屋のひとりごと』は、小説投稿サイト「小説家になろう」連載
ライトノベルと、月刊誌2誌で別の漫画家によるコミカライズ2作品があります

私は、ライトノベル、コミカライズ共に未読です。

アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成します。
よって、次話以降のネタバレはなしなので、ご安心ください

アニメ鑑賞

コミカライズ、ライトノベルを読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」

原作情報

本レビューでは、ライトノベル、コミカライズの情報は、「原作情報」として区別できるよう表記します。

  • 「ヒーロー文庫」のライトノベルを ── 原作
  • 「月刊サンデーGX」連載のコミカライズを ── コミック
ココア

緑系の色を目印にしてね!

コミカライズは、別の漫画家による2作品が刊行されています。

  • 「月刊ビッグガンガン」連載の「薬屋のひとりごと
  • 「月刊サンデーGX」連載の「薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜

両方読みましたが、本サイトでは、アニメの補完となると情報の多いを選択しました。

「コミック」として紹介する情報は基本です。
が、今後も両方読んでいくので、にしかない情報があれば、その時は注釈を付けて紹介します。

ココア

同じ内容なのに、2つも読むんだ・・・

時文

その方が、理解が深まるんだよ

全24話 各話リスト

薬屋のひとりごと (前半クール)各話リスト
話数サブタイトルコミック原作
第1話猫猫1巻1巻
第2話無愛想な薬師
第3話幽霊騒動
第4話恫喝
第5話暗躍2巻
第6話
第7話
第8話
第9話
第10話3巻
第11話
第12話

※話数:リンクは各話レビューへ
※サブタイトル:ネタバレを避けるため次話以降はマスク

後半クール (13~24話)
薬屋のひとりごと (後半クール)各話リスト
話数サブタイトルコミック原作
第13話4巻2巻
第14話
第15話
5巻
第16話
第17話
第18話
第19話
6巻
第20話
第21話
第22話7巻
第23話
第24話
8巻

※話数:リンクは各話レビューへ
※サブタイトル:ネタバレを避けるため次話以降はマスク

目次

はじめに

今話あらすじ

猫猫が医局にいると、宦官が呪いを解いて欲しいと駆け込んできた。
呪いの正体をすぐに見抜いた猫猫だが、それを見ていた壬氏に呼び出され根掘り葉掘り聞かれる。

猫猫が翡翠宮に戻ると、侍女達は園遊会に向け準備をしていた。

薬と毒の知識だけでなく、頭も回り生活の知恵も、そのうえ化粧を取れば美人とな!?

前話で、無事に「帝の勅命」をやり遂げ、ようやく普通の生活に戻った猫猫。
まるで猫のような自由気ままな生活に戻ったと思いきや・・・。

医官にいれば調剤を頼まれ。
呪いの謎を解けば壬氏に呼び出され。
寒さを凌ぐ工夫をすれば侍女頭に皆の分もと頼まれ、帝直轄の侍女まで・・・。

困ったときの猫神様!?
仕事はできる人に集まる!?

一方、侍女達は園遊会へ向け臨戦態勢
揃いの衣に身を包み、印の翡翠ひすいを身につけて、いざ園遊会!

では、今話を振り返っていきましょう!

感想&考察レビュー 第5話「暗躍」

あらすじ

梨花妃は回復し、玉葉妃の宮でいつもの生活に戻った猫猫。ある日医局にいると、ひどく怯えた宦官が「呪いを解く薬がほしい」とやってくる。

文武両道

薬屋のひとりごと 第5話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #5」より引用

参りました。

by 馬閃『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

(原作情報) 冒頭の壬氏のシーンは、原作、コミック共にこのタイミングではありません。アニメオリジナルです。

壬氏は剣の腕も立つ!?

女性っぽい印象から、壬氏はてっきり文官の頭でっかち。
腕っ節の方はからっきしだと思っていました。

時文

失礼しました

稽古で、力こそ負けているようですが、ワザでは勝っているようです。

毒味役は太っている方が良い?

どうだ高順、薬屋の様子は?

── 「どう」とおっしゃいますと?

少しは肥えたか?

by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

肥えたか?(=太ったか)というのは、前話ラスト──

桜花:猫猫、大丈夫?
貴園:ああ、そんなにやつれて・・・
愛藍:よっぽど大変だったのね。

by 『薬屋のひとりごと』TVアニメ第4話

2ヶ月間、つきっきりで梨花リファ妃の看病をして、やつれた猫猫マオマオ
水晶宮でもストーカーのように(苦笑)時折見ていた壬氏も、痩せ細った猫猫を心配していたのです。

体調の確認をするために「肥えたか?」と聞いたのでしょう。

原作情報

原作によると ──
太らせるのは、体調を戻すためだけではないようです
少なくとも侍女達は。

 腕に虐待を受けた痕があり、身売りされたこと、そして現在、毒見専門で雇い入れられたことを聞くといたたまれなくなった。
 痩せた身体を太らせようと食事を増やしたり、傷痕をさらすのはかわいそうだと掃除をさせなかったり。他の二人の侍女も同じ考えらしく、結果、猫猫の仕事はほとんどなかった。
 それでいいと、桜花は思う。仕事は自分たちで回るのだから。

by 桜花『薬屋のひとりごと』原作1巻

今回やつれたからではなく、もともと猫猫マオマオの痩せた体を可哀想に思い、太らせようと食べ物を与えていたのです。

薬屋のひとりごと 第5話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #5」より引用

それが小蘭に流れて・・・いや、お裾分けされていたのです。

だから、小蘭に「先輩たちすごく優しいね」と言われ、猫猫マオマオは苦笑いしていたのです

猫猫マオマオ自身も毒味するなら痩せているより太っていた方が良いと認識しています

 毒見役をやるにあたり、猫猫に不適な点はもう一つある。
 猫猫はもともと痩せているので、毒に当たって痩せたとしてもわかりにくいからだ。
 それに致死量は体の大きさに比例する太ればそれだけ生き残る可能性が高くなる
 猫猫としては痩せるほどの毒がわからないわけがなく、多くの毒は致死量を超えても生き残る自信があるのだが、周りはそう思えないらしい。
 小柄で痩せぎすな猫猫は幼く見えるという。かわいそうな使い捨ての駒に侍女たちは同情しているようだ。
 お腹いっぱいでも粥はおかわりをつがれ、菜の具は他の者より一つ多い。

by 『薬屋のひとりごと』原作1巻

毒が体に及ぼす影響は、体の大きさに比例します
だから薬を飲む量は、大人と子供は違うのです。

ただ、猫猫マオマオは痩せるほどの毒は見分けが付くから、太る必要性を感じてなく(笑)。

かと言って、同僚の好意を無下にするわけもいかず・・・。
結果、小蘭に分けているのでしょう。

肩入れし過ぎ?

大丈夫ですか?

── ん?何がだ?

ずいぶんとお気にされて

by 高順『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

故意か無意識か、随分と猫猫マオマオのことを気に掛ける壬氏ジンシ

前話、水晶宮まで様子を見に行ったのは──
帝の勅命だからだと思っていましたが、これも気になっていたのは猫猫マオマオのよう・・・
少なくとも、ずっと傍にいる高順ガオシュンには、そのように見えていたのです

今話ラスト、猫猫マオマオかんざしを与えた事といい、どうやら壬氏ジンシにフラグが立ち始めたようですね(笑)。

それも、壬氏自身は気付いていない。
壬氏はどうやら、女をかどわかすのは得意(笑)ですが、自分事となると超鈍感なようです(爆)

宮中は、後宮ではない!?

そう言えば、知ってる?
宮中の女官が、女嫌いで有名な堅物武官を落としたらしいよ

by 小蘭『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

アニメ鑑賞時、宮中とは猫猫マオマオ達がいる後宮のことだと思っていましたが違うようです

原作で説明がありました。

 宮中とは、ここ以外の宮廷内のことをいう
 まともな男性がいる分、競争率の高い花形職業である。後宮の女官と違い、試験を受けて採用される優秀者だ。
 ちなみにここは、まともな男性がいない分、さびしい職場ということである。まぁ、どうでもよい。

by 『薬屋のひとりごと』原作1巻

宮中とは、ここ以外の宮廷内のこと
「ここ」とは、後宮のこと

後宮とは──

後宮は帝の子を成すための女の園だ
男子の立ち入りは一切禁止。
入れるのは国で最も高貴な方とその血縁、あとは大切なものを失った元男性である宦官だけ。

妃、女官、合わせて2,000人、宦官1,000人の大所帯だ。

by 『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

後宮は、宮廷内にある女の園。(猫猫マオマオ達がいるところ)
宮中は、後宮以外の宮廷内のことを指すようです

同じ宮廷内ですが、(物語上)一番大きな違いは ──
後宮のなので、(宦官ではない)まともな男性がいるのです!

「宮中」という言い方はこれまでにも出てきました。
宮中とは「後宮の外の宮廷内」で「男性がいる」と覚えておきましょう

宮中と後宮の違いが分かったところで──

媚薬が使われた!?

宮中の女官が、女嫌いで有名な堅物武官を落としたらしいよ。
どうやったと思う?
媚薬を使ったんだって!

by 小蘭『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

(後宮ではない)宮中の女官が、媚薬を使ったと言うのです

前々話で、「月下の芙蓉」芙蓉ふよう妃が下賜かしされた際──
コミックでは芙蓉ふよう妃が媚薬を使ったと噂されていました。(3話

ここでは──
「後宮」ではなく「宮中」。
「妃」ではなく「女官」。
になっているのです。

さて、どちらが正しいのでしょうか。

考察

原作通りなのは、アニメ。
コミックは独自解釈をしてコミックオリジナルとなっています。

どちらかが間違っているのではなく、どちらかがミスリードになっている気がします。

何せ、どちらもうわさ話

女官と(媚薬を頼んだ)壬氏との関係性からすると、芙蓉ふよう妃が使った噂の方が信憑性がありますね

今回出てきた噂は、後宮が宮中に、妃が女官と、対象が広く(ぼやけて)しまったのではないでしょうか。

何せ、後宮にいると(宦官ではなく本物の)男性と縁がないので、媚薬を使おうにも使う機会がありません(笑)。

媚薬を使うのなら、職場に男性がいる宮中と考えても不思議ではありません。
噂は信じやすい内容へ流れがちですからね。

よって、原作通りのアニメはミスリード。
コミックの方が正解ではないでしょうか。

時文

コミックは、分かりやすくしている気がします

疑問 02-03 (再掲)

結局、秘薬は何の為だったの?

気遣ったのではなく巻き込んだ…

おおっ!
初物のマツタケじゃないか。

by やぶ医者『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

採ったマツタケを独り占めすることなく、やぶ医者に分ける猫猫マオマオ
甲斐甲斐しく猫猫マオマオが焼き、味付けして、やぶ医者に先に召し上がって頂く。

なんと、猫猫マオマオはできた子か!
と思ったあなたは、猫猫マオマオにまんまと騙されています(笑)。

ココア

え!?そうなの?
私もそう思ってた!

原作情報

原作では、心の声がダダ漏れです(笑)。

(おっちゃんのとこで食べようか、それとも台所で食べようか)
  翡翠宮で食べるとなると、食材の出所を聞かれるかもしれない。林で採りましたとか、ちょいと女官としてはやってはいけないことかもしれない
 なので、猫猫は人はいいが仕事がだめなお人よし医官のもとに向かう。好きだったらそれでよし、嫌いでも見逃してくれるだろう。猫猫は、どじょう髭のやぶ医者とすっかり仲良くなっていた。

by 『薬屋のひとりごと』原作1巻

後宮内で勝手に採ったマツタケを食べるのはいけないことだと、完全に認識
その上で、「人はいいが仕事はダメ」と散々な評価をしておきながら、人の良いやぶ医者を巻き込むこもうと企みます。

しかも、確実に巻き込むために──

二人のおっさんともに、口に入っているので共犯者決定であるちゃんと二人が口に入れるまで猫猫は食べるのを待っていた

by 『薬屋のひとりごと』原作1巻

(原作情報) 原作ではかぶれた宦官が先にいて、同様に巻き込んで…失礼、マツタケをお裾分けしています。

やぶ医者が、完全にマツタケを口に入れるのを確認するまで待っていたのです(笑)

後宮の林にあるものを勝手に採って、勝手に食べる。
確認するまでもなくマズいことなので、医局へ持っていき人の良いやぶ医者を巻き込む。

そして、やぶ医者に先に食べさせ、確実に共犯者に仕立て上げたのです

これが──

これで共犯

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

のセリフの意味ですね。

ココア

猫猫ってずるい?

時文

ずるいけど上手いね(苦笑)
世渡り上手

原) 花火職人が情報源

薬屋のひとりごと 第5話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #5」より引用

花火の仕組みと同じです。
火にかけると色が変わるものがあるんです

by 『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

呪いだと怯える宦官に、事象を科学で説明する。
薬だけでなく、花火の炎色反応にも詳しい猫猫マオマオ

猫猫マオマオは、なぜそんなことまで知っているのでしょうか?

原作情報

情報源は、原作によると──

「色つきの花火と同じです。燃えるものによって、色が変わるだけです」
 楼閣の客に花火職人がいたのだ門外不出の秘伝の技も、ねやの中では世間話に変わる。隣で子どもが寝起きしていることも知らないで。

by 『薬屋のひとりごと』原作1巻

楼閣とは緑青館のことでしょう。
ねやとは、寝室のことです。

(恐らく)事を済ませた花火職人が秘伝技の話をしていたのを、猫猫マオマオは聞いていたのです。

原作によると、情報源は妓楼に来ていた花火職人

とは言え、教え込まれたわけでも会話したわけでもありません。
ただ隣の部屋で聞いていただけ。

そんな話を覚えているなんて、猫猫マオマオは相当知識欲が高いですね。

余談

猫猫マオマオは緑青館に住んでいた?
花街外にある親父の家ではなかったのでしょうか?

ああ、でも、猫猫マオマオの妙に異性に対する冷めた態度は、このような環境で培われたのかもしれないですね。

暗躍

あらすじ

宦官の話から彼の言う呪いの正体を見抜き、軟膏を処方する猫猫。すると今度はそれを見ていた壬氏に呼び出されてしまう。

色の種類

壬氏ジンシに一部始終を見られていた医局での「呪い」の謎解き
場所を移し、調査を手伝わされてしまいます。

── 何色くらいあるんだ?
具体的な数は分かりません

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

原作によると──

 壬氏は、医局から持ち出した粉を並べる。猫猫の記憶にある限りの薬なので、もっと他にあるのかもしれない。

by 『薬屋のひとりごと』原作1巻

並べられていたのは、医局から持ち出した粉だったのです。
猫猫マオマオの知っている燃やすと色が付く粉を持ってきていたのです。

原作情報

原作では、具体的に色まで伝えています。

赤、黄色、青、紫、緑、細かく分ければもっとあります。具体的な数はわかりません」

by 『薬屋のひとりごと』原作1巻
余談

医局でのやり取りを、一部始終見られていたので──

待て!
── 何でしょうか。
土瓶蒸しが好きだ。
頼んだぞ、薬屋。

by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

壬氏ジンシは、マツタケのことも知っていたのです(笑)。

マツタケを採って食べていた猫猫マオマオ
生えていたとは言え、林は当然後宮の資産
良くないことと分かっているだけに、壬氏ジンシの要望を断れないのです(笑)。

これが暗号!?

色つきの木簡は、たぶん暗号
わざわざそんなものを使うのは、公にできない内容だから?
一体どんな・・・。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

木簡とは、文字を書き記す木の札。
まだまだ紙が貴重な時代、紙の代わりに木を使っているのです。

その木簡に、花火の原料になる粉を水等に溶かして染み込ませる
これがなぜ暗号に結びつくのでしょうか?

炎色反応を起こす物質は、パッと見、色は分かりません。
燃やさないと色が分からないのです

補足

例えば──
食塩の色は白、燃やすと黄色の炎になります。

木簡を見ただけでは色は分からず。
燃やすと色が分かる。

一手間かけないと色が分からないようになっているのです

こんな手の込んだことをするのは、公にできない内容だから。
つまり、堂々と記せない内容を色に意味づけして連絡手段に使っていると推測したのです

壬氏ジンシも同様の結論に辿り着いたのでしょう。
何か、裏で動いていると。

呪い話を持ち込んだ宦官曰く──

女ものの衣?
袖口が焦げてる
それに木簡?

by 宦官『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

木簡が包まれていた衣は、女物で袖口が焦げていた
だから壬氏ジンシは──

ここ最近、腕にヤケドを負った者を探せ

by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

と指示したのです。

一体全体、誰が、何を企んでいるのでしょう。
まさに「暗躍」が始まっているのです。

疑問 05-01

粉を染み込ませた木簡は、誰が何に使っているのか?

園遊会

猫猫マオマオが翡翠宮に戻ると、なんだか忙しない様子。
その理由は──

薬屋のひとりごと 第5話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「special-Keywords」より引用

── 園遊会?
桜花:年に2回、宮廷の庭園に帝とお偉い方が集まって、出し物や食事が振る舞われるの。
紅娘:帝はまだ結婚されていないから皇后がいないでしょ。その場合、正一品しょういっぽんの妃をお連れすることになっているの。

by 『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

年に2回の大イベント、園遊会。

帝は結婚していないので皇后こうごう(配偶者)はいません
皇后がいない場合は、有力候補である上級妃(正一品しょういっぽん)が参加する習わし。

前回(原作によると春)の園遊会は、出産直後で玉葉ギョクヨウ妃と梨花リファ妃は欠席。
それで今回は4人とも勢揃いすることになったのです

それとアニメでははっきり述べられていませんが──

 桜花の鼻息が荒くなるわけである。
 ただでさえ、後宮の外に出る滅多にない機会である上、鈴麗公主のお披露目、上級妃の揃い踏みと行事満載なのだ

by 『薬屋のひとりごと』原作1巻

「宮廷の庭園」とは「後宮の外」
後宮の外に出られるのです。

園遊会とは
  • 年に2回、庭園に帝と幹部が集まり、出し物を楽しむ会
  • 後宮のでのイベント
    ⇒後宮の外には男性がいます!

その上、今回は──

今回の園遊会
  • 上級妃4人が勢揃い
  • 玉葉ギョクヨウ妃の子・鈴麗リンリー公主ひめのお披露目

いつもの園遊会でも気合いが入るのに、今回は特に気合いが入っていたのです!

上級妃の戦いは、侍女達も戦い!?
そりゃあ、侍女が少ない玉葉ギョクヨウ妃の体裁を整えるためにも猫猫マオマオは出席せねばならないのです。

時文

まあ、玉葉妃は侍女が少ない事、気にしてなさそうだけどね

ココア

確かに・・・

上流階級限定

園遊会?

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

侍女達がこれだけ気合いを入れている園遊会を、なぜ猫猫マオマオは知らなかったのでしょうか?
小蘭の情報網にも引っかからなかった!?

その答えは原作にありました。

 先輩侍女たちの好意に完全に甘えていた猫猫は、毎日毒見と薬作り以外は、外を駆け回り薬草を採ったり、小蘭とおしゃべりしたり、医局で茶をいただいたりしていた。ゆえに、上流階級の話題はほとんど耳に入らなかった。
 正直、こんな楽な仕事でいいのかと思うくらいである。
 首を傾げる猫猫に桜花が呆れた顔で教えてくれる。

by 『薬屋のひとりごと』原作1巻

現在、翡翠宮で猫猫マオマオが任されている仕事は毒味と洗濯係。
それ以外は自由なので、薬を作っている時以外は、外へ出ていたのです。

それが今話前半で描かれていたのです。

ココア

あーーなるほど!

基本、猫猫マオマオは無口で、好んでお喋りをしません
翡翠宮の侍女からすると、問うと返事はしてくれるが猫猫マオマオからは声をかけられない感じ。

猫猫マオマオが積極的に声をかけるのは、小蘭くらいだけではないかと思うほど(苦笑)。
その上、上記のような生活をしていると同僚との接点も少なくなり、侍女達から話を聞く機会がなくなってしまうのです。

結果、上級妃とその侍女しか知らないような事柄は、猫猫マオマオの耳には入ってこなかったのです。

余談

小蘭のうわさ話で園遊会が話題にならなかったのは、限られた人たち(上級妃とその侍女のみ)の行事で後宮の外で行われるので、事前にネタが得られなかったのでしょう。

園遊会が終わった後に、話題になるかもしれないですね。

ふくよかさが美徳

やっぱり胸元は、詰め物をしたほうがいいわね。
腰回りもかさ増しするけど大丈夫?

by 桜花『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

胸元が大きく開いた服を着ると痩せ型の猫猫マオマオはどうしても貧弱に見えてしまい、桜花インファに詰め物を勧められてしまいます。

ただ、胸は分かりますが腰回りも!?
腰は、細い方が良いと思いますが、価値観が違うのでしょうか?

その答えは原作にありました。

「少し、胸元は詰め物をしたほうがいいわね。おしりの周りもかさ増しするけど大丈夫?

「お任せします」

 ふくよかさが美徳とされる中で、猫猫の体型は貧弱というほかない

by 『薬屋のひとりごと』原作1巻

「腰回り」とは「おしり」のことだったのです
胸とおしりを詰め物でかさ増した方が良いと提案されたのです。

作品世界内では「ふくよかさが美徳」。
ガリガリに痩せているより、ふっくらしていた方が、美徳とされたのです。

考察

恐らく、猫猫マオマオは見た目など気にしてないでしょう。

が、園遊会は上級妃の戦い。
その戦いには侍女も含まれています。

侍女がみすぼらしいと、主である玉葉ギョクヨウ妃に恥を掻かせるのです

だから、猫猫マオマオは素直に従ったのではないでしょうか。

寒さ対策

冬の園遊会。
寒さ対策にと、血行をよくする飴と、カイロを身につけられるよう肌着を改良する猫猫マオマオ

(原作情報) 庭園は無駄に広く、トイレまで30分かかるようです(苦笑)。

生姜とミカンの飴の作り方はミニアニメでも紹介されています

『薬屋のひとりごと』ミニアニメ「猫猫のひとりごと」第5話

感動した侍女頭・紅娘ホンニャンに全員分作って欲しいと頼まれてしまう。

慣例に慣れると、ちょっとしたことも思いつかなくなるんだな。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

作っている最中に、壬氏ジンシからも依頼が(笑)。
どこから聞きつけたのか皇帝直属のお針子と食事係まで!

原作情報

猫猫マオマオの寒さ対策。
どうやら、皇帝の耳に入ったようです。

 また、夜の御通りの際、玉葉妃が皇帝に話したらしく、翌日、皇帝直属のお針子と食事係が来たので作り方を教えてあげた
 なるほど、よほどの苦行らしい。

by 『薬屋のひとりごと』原作1巻

玉葉ギョクヨウ妃が皇帝に話したのです。
お針子と食餌係が猫猫マオマオの所に教えを請いに来たのは、これまた皇帝の勅命だったのです(笑)

おかげ園遊会の前日まで猫猫マオマオは、内職に追われてしまいます。

玉葉ギョクヨウ様と侍女4人分、壬氏ジンシ高順ガオシュンの分、計7人分。(自分の分は既に完成)
鈴麗リンリー公主ひめは傍らに置くので必要なし
ポケットを一つ縫い付けるくらい簡単だろうと思っていました(笑)。

が、実際には──

 そこで、猫猫は肌着に衣嚢ポケットをいくつもつけ、中に温石カイロを入れるようにした。また、生姜とみかんの皮を細かく削り、砂糖と果汁で煮て飴にした。

by 『薬屋のひとりごと』原作1巻

アニメでは一つしか見えませんでしたが、実際は肌着一着にポケットをいくつも付けていたのです

ココア

お腹だけじゃ寒いもん!

そりゃあ、時間かかるはずです。
それに、飴作りは材料集めもあって時間かかったでしょうね。

前話に続いてよく働いた猫猫マオマオでした。

玉葉妃の印

あなた達には、これを。
変な虫がつかないように、印を付けておかないとね。

by 玉葉妃『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

4人の侍女に与えられる装飾物。
これらには翡翠ひすいが付いています。

翡翠ひすいは翡翠色の瞳を持つ玉葉ギョクヨウ妃のシンボル
翡翠ひすいを身につけることで、玉葉ギョクヨウ妃の侍女である事を示しているのです。

猫猫マオマオには首飾りが与えられました。

園遊会 其の壱

あらすじ

年に二回の園遊会。今回は四夫人が出席。侍女達は気合いを入れて準備をし、猫猫も化粧を施され参加することに。

すっぴんではなく化粧顔!?

お揃いの衣装を着て、首飾りを付ければ、あとは化粧だけ!
とばかりに侍女3人組に化粧を施される猫猫マオマオ

あ~あ、バレちゃったか。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

侍女が汚れを拭き取ったつもりが、落ちたのは・・・。

猫猫マオマオは、すっぴんではなくメイクをしていたのです
化粧を嫌がっていたのは、化粧をしたくないのではなくソバカス化粧を取りたくなかった?

原作情報

原作によると、猫猫マオマオは化粧は得意とまで言ってます。

 猫猫が化粧を嫌がった理由は、化粧が嫌いだからではない。苦手というわけでもない。
 むしろ、得手不得手なら得意といえる
 ならば、なにかといえば、すでに化粧をすませた顔だったからである。
 濡れた布には薄茶の汚れがついていた。
 皆がすっぴんだと思っていた顔は、実は化粧後の顔だったわけである。

by 『薬屋のひとりごと』原作1巻

壬氏ジンシに語ったように、花街にいた頃からソバカス化粧をしていたのなら、猫猫マオマオはすっぴんどころか幼い頃からずっと化粧メイクをしていたのです。

だから手慣れているのです。

薬屋のひとりごと 第5話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #5」より引用

ごきげんよう、壬氏様。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

壬氏ジンシも一瞬見とれた?猫猫マオマオの化粧顔。
いや、猫猫マオマオは化粧していないと言う──

壬氏:化粧をしているのか?
猫猫:いいえ、していません

by 『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

明らかに目と唇の色が違うので化粧をしていると思うのですが、きっぱり化粧してないと言い切る猫猫マオマオ

原作情報

原作によると──
猫猫マオマオに言わすと、どうやらこの程度は化粧ではないようです(苦笑)。

「いいえ、していませんけど」
 唇とまなじりに紅を入れているだけであとはすっぴんだ化粧のうちに入らないだろう

by 『薬屋のひとりごと』原作1巻

毎日、乾いた粘土でソバカスの化粧をしていました
今まで壬氏様が見ていたものが化粧をした顔です。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

普段から、醜くなる化粧をしていたのです。

原作情報

原作では、化粧どころか──

 残っているのは、昔、自分で針を刺して入れたいれずみである。深く刺さず、薄い染料でつけたそれは一年ほどで消えてなくなる。

- 中略 -

 乾いた粘土と染料を溶いたものを、猫猫は毎日鼻の周りにつけていたいれずみのそばかすをぼやかすと、うまい具合にしみのようになる。まさか、そんなことをやっているとは思わず、誰も気が付かなかっただけだ。

by 『薬屋のひとりごと』原作1巻

入れ墨まで入れていたと説明されています。
入れ墨を入れて、その上(周辺)を粘土でソバカスやシミやに見えるよう化粧していたのです

ここまでいくと、もう化粧ではなく、特殊メイクですね(笑)

考察というより想像

アニメはもちろん、コミックも原作でも触れられていませんが──

猫猫マオマオは身を守るために醜女メイクをしていますが、この世界は、治安が悪いのでしょうか?

恐らくですが──花街の治安が特に悪いのではないでしょうか
花街という性格上、女に興味を持ったどうしようもない男が集まってきているのです

国中、女性が一人で歩けないほど治安が悪いのであれば、もっと荒んだ世界になっているでしょうし、壬氏ジンシも知っているのではないでしょうか。

女性が襲われないようそこまで対策しているのを壬氏ジンシ知らなかったのは、普通はそこまでしなくても問題ないからではないでしょうか

花街という場所が例外なのです。

身を守るメイク

化粧は、きれいにするだけのものではありません

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

後宮は、着飾り、少しでも綺麗に見せたいと考えている女性ばかり
なぜわざわざソバカスメイクをするのか不思議でならない壬氏ジンシ

猫猫マオマオは、その理由を語ります──

裏路地に連れ込まれないようにするためです
花街とはいえ、女に飢えた奴もいます。
金も持たず暴力的で性病持ちも多い。

チビで痩せぎすの醜女しこめなら、そうそう狙われることはないですから

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

花街で男に襲われないために、わざと醜く見えるメイクをしていたです

猫猫マオマオは、寒さ対策で血行をよくする生姜を飴にしたり、肌着を改良してカイロを入れるポケットを作ったり応用力に長けています。

そんな猫猫マオマオにかかれば、化粧は男除けの特殊メイクの道具となるのです!

アニメは可愛く描かれているので全然区別つきませんでした。
猫猫マオマオはシミとソバカスがある醜い顔設定だったのです

考察

なるほど、1話でいくつか引っかかっていた点がありましたが、これで合点がいきました。

人さらいを警戒していない

親父に「女狩り」が多いから気を付けろと言われたのに、猫猫マオマオは全然気にしていませんでした。(1話 )

なるほど、醜女メイクをしていたので、大丈夫だと考えていたのです

ところがそのメイクが落ちかけていて、ギリギリ売り物になると判断されてしまったのです。

(原作情報) ちょうど入れ墨の染料を採るために薬草を取りに行った時に、人さらいにあってしまったようです。

醜女なのになぜ妓女に勧誘する?

猫猫マオマオは醜女設定なのに、緑青館のやり手婆に誘われていました。

やり手婆:うちで妓女として働くかい?

- 中略 -

猫猫:やり手婆め、隙あらば妓女になれって言ってくる

by 『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

「やり手婆」と呼ばれている位です。
女を見る目がなくては、やり手にはなれません。

やり手婆は、猫猫マオマオに妓女の才能があると見込んでいたから、誘っていたのでしょう

だから、猫猫マオマオ醜女といってもそれほど酷くないと思っていました
にもかかわらず、ときどきみにくい女扱いされているので、一体どちらが正しいのか相反する評価が引っかかっていました。

ソバカスがメイクだったことで、その矛盾が解けました

やり手婆は、猫猫マオマオの素顔を知っているから(問題ないと)妓女に誘い
普段は醜女メイクをしているので、猫猫マオマオをよく知らない人は蔑んでいたのです

なるほど、どちらも正解なのです。

つまり、アニメでは普通に可愛く描かれていますが、ソバカスとシミのある猫猫マオマオ醜女なのです

余談

もう一つ言っておくと──

月刊サンデーGX版コミック 猫猫マオマオは、あまり可愛く描かれていません。(すみません)

今話を見て思ったのは、ソバカスメイクの猫猫マオマオは醜女。
だから、敢えて可愛くしていないのではないでしょうか

その証拠に、ソバカスメイクを取った猫猫マオマオはスッキリ美人に描かれています。
と言っても、メチャクチャ美人かと言うと・・・。

その辺は原作準拠なのか、私の好みの問題か(笑)。

気になる方はぜひコミックをご覧下さい。

余談2

余談ついでにもう一つ──

1話のミニアニメのラスト、壬氏ジンシは気になる事を言いかけてました。

『薬屋のひとりごと』ミニアニメ「猫猫のひとりごと」第1話

そう言えば、お前の顔のソバカ・・・。

by 壬氏『薬屋のひとりごと』ミニアニメ「猫猫のひとりごと」第1話

何か引っかかる言い方だったので、気になっていました。
この時、(ミニアニメでの)壬氏ジンシ猫猫マオマオのソバカスの違和感に気付いていたのです

まあ、(本編では気付いていないので)関係ありませんが(笑)。

原) 平均的な顔立ち

では、ソバカスメイクを落とし、化粧をした猫猫マオマオは超絶美人になったのでしょうか?

どうやらそうではないようです(笑)。

この辺、アニメやコミックは難しいところですね。
アニメの場合、どうしても女性は元々整った顔で描かれていますし、皆きれいに見えます。

ここは原作を「基準」としましょう

原作情報

 そばかすとしみを持った、特徴のない顔の女。
 だから醜女と呼ばれていた。
 逆をいえば、そばかすもしみもなければ、ただの特徴のない、つまり平均的な顔立ちであることがいえる

by 『薬屋のひとりごと』原作1巻

猫猫マオマオは平均的な顔立ち

注意しなくてはならないのは──
原作小説は、猫猫マオマオ一人称視点で描かれているということ

猫猫マオマオの自己評価であると認識しておかなければなりません。
それでも他に客観的な評価がないので、現時点では(本サイトに於いては)この描写を基準とします

原作では、猫猫マオマオは、美人でも不細工でもなく、平均的だと言うのです

では、平均的な顔立ちの猫猫マオマオが、なぜ壬氏ジンシをドキッとさせたのでしょうか。
それも原作に描かれていました。

 逆をいえば、そばかすもしみもなければ、ただの特徴のない、つまり平均的な顔立ちであることがいえる。
 それはほんの少しの紅でも雰囲気が変わり、普段の猫猫とはまったく違う顔ができていた

by 『薬屋のひとりごと』原作1巻

平均的な顔立ちだが、ちょっとした化粧で普段と雰囲気が変わり違う印象を与えたのです
それであの壬氏ジンシをドキッとさせたのです

男相手なら分かる気もしますが・・・(笑)。
女目線、玉葉ギョクヨウ妃や侍女達も猫猫マオマオを見直した感じですが、それでも平均的なのでしょうか・・・

ココア

確かに・・・
女性は同性見る目は厳しいからね!

さて、ソバカス化粧を落とした猫猫マオマオは美人に見えますが、それは本当なのか、それともアニメ的表現故の美しさなのでしょうか・・・

視聴者である我々は、登場人物の反応で見極めていくしかないですね。

簪を分割!?

薬屋のひとりごと 第5話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #5」より引用

痛いのですが。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

猫猫マオマオの素顔に心奪われたのか。
花街での、か弱き女性の生き方に心が痛んだのか。
それとも、後宮を取り仕切る管理者として、人さらいに責任を感じたのか・・・。

壬氏ジンシは少し照れながら、猫猫マオマオの髪にかんざしを挿す。

桜花:いいなあ。
貴園:羨ましい。
愛藍:私も欲しいわ。

by 『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

侍女に羨ましがられた猫猫マオマオは、もらったかんざしをあげようとします。

あげてもいいけど、どう分けよう・・・。

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

人からの贈り物をあげようと考えるのに驚きですが。
それどころか、猫猫マオマオ分けようとします・・・。

このシーン、原作ではこのように描写されています。

「あー、いいなあ」
 桜花がもの欲しそうに見ていたのであげようと思ったが、他の二人も同じ顔をしていたので猫猫はどうしようかと考える
 紅娘は苦笑して、差し出そうとした猫猫の手を押さえ、首を振った。人からもらったものをほいほい渡すなということらしい。

by 『薬屋のひとりごと』原作1巻

アニメをよ~~く見て下さい。
猫猫マオマオかんざし折ろうとしているのが分かりますか?

ココア

え!?

猫猫マオマオは、3人にあげるために1本のかんざしを分割しようと考えたのです!
それを、侍女頭・紅娘ホンニャン猫猫マオマオの手を押さえ止めたのです

ココア

あ!ホントだ~~!

紅娘ホンニャンは、やんわり「そんなことをしてはいけない」と猫猫マオマオを諭したのです。
素晴らしい先輩ですね。

余談

大体、皆がかんざしを欲しがっているのは、そういう意味ではありません

ココア

そうそれ!

もらったお菓子を分けるのとは訳が違います(笑)。

かんざしという装飾品が欲しいのではなく、男性から送られたかんざしがただの簪以上の意味を持っていることを知っており、その行為そのものを羨ましがっているのです

だから、かんざしを分けても何も嬉しくないし、やってはいけませんね(笑)。

大体、かんざしを折ってしまったら装飾品ですらない、ただの銀の棒です(爆)。

私だけの侍女じゃなくなったじゃない

by 玉葉妃『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

かんざしをもらっただけで「私だけの侍女じゃなくなった」とはどういう意味でしょうか?

受け取ってはならなかったのか・・・いや侍女の反応を見るとそうではなさそう。
玉葉ギョクヨウ妃もねてはいるが、本気で怒ってはいない。

園遊会が行われる宮廷の庭園は、後宮の外
つまり、宦官ではない普通の男性がいるのです。

園遊会は上級妃のぶつかり合いだけかと思ったら、侍女達の戦いでもある!?
それも男の争奪戦!?

普通に考えたら、バレンタインチョコのような愛の告白のように取れますね。

だとすると・・・。
これだけの美女が集まりゃ何も起きないわけがない。
寒い冬に吹くのは空っ風だけかと思いきや、愛の嵐も吹きすさぶ(笑)。

何が起きるのか、次話も楽しみです!

疑問 05-02

かんざしを渡す意味は?

もっと深掘り!

注意点

この中項目では、本編よりもっと深く考察を進めます
根拠が曖昧で考察というより想像に近くなったり、時には(私の)妄想が入ることもあるので、その辺はご了承を(汗)。

ただ、当たっていると、ネタバレと同義になってしまうかも知れません
少しでもネタバレの可能性があるなら読みたくない、という方は次項「おわりに」まで飛んでください。

ではでは、始めていきますよ~~。

猫猫はもしかして・・・

度々ネタになる、ガリガリというほど痩せている猫猫マオマオの体型。

なぜ、猫猫マオマオは痩せているのでしょうか?

花街で薬屋をやっている時は、貧しかったのかもしれません(笑)。
後宮に来てからも侍女になる前は、食事が少なかったので太れなかったのかもしれません。

ですが、先にも書いたとおり、玉葉ギョクヨウ妃の侍女になってからは、食事やおやつを多めのに与えられています

薬屋のひとりごと 第5話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #5」より引用

なのに、なぜ太らないのでしょうか?

まだ、期間が短い?
子供の頃から痩せていたので、食べても太りにくい体質なのかもしれません。

ただ、必要以上に食べていないとも取れますね
食べてないから処分に困ってしまい、小蘭に分けているのです(笑)

そんなの、子供の頃から食べていなければ小食なのは当然。
仰るとおり、反論できません(笑)。

ただ反対に、こう考える事もできるのではないでしょうか ──

猫猫マオマオ意識して太らないようにしているのではないか

現代なら、痩せた体型を好み、そう考える女性多いでしょう。
でも、作品内の世界では「ふくよかさが美徳」。

ふくよかな方が美しいとされる世界で、なぜ意識して痩せたままでいる必要があるのでしょうか?

猫猫マオマオには、一つ理由が思い浮かびます。

化粧は、きれいにするだけのものではありません

- 中略 -

裏路地に連れ込まれないようにするためです
花街とはいえ、女に飢えた奴もいます。
金も持たず暴力的で性病持ちも多い。

チビで痩せぎすの醜女しこめなら、そうそう狙われることはないですから

by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

ソバカスメイクと同じ理由ですね
「ふくよかさが美徳」なら、花街で狙われないよう「痩せすぎ」でいる必要があるのです

などと言うのは、考えすぎでしょうか(笑)。

ソバカスだと思っていた醜女は、ただのメイクでした
これで、猫猫マオマオソバカス、絶壁、無愛想の三拍子が一つ崩れたのです

ならば、絶壁も意図的に作り出している可能性も・・・。
と考えるのも、それほど荒唐無稽ではない気がしますが・・・。

ココア

え!?
猫猫、実は胸も大きいってこと!?

時文

というか、大きくなる可能性があるということ

真実かどうかは分かりません。
ただ、胸を大きくしたくない理由が、猫猫マオマオにはあるな、と思っただけです(笑)

ココア

可愛いだけじゃなく胸まで大きくなったら無敵!

時文

確かにそうだね・・・

おわりに (『薬屋のひとりごと』5話とは)

原作小説 1巻

コミック 2巻

いや~~なんだか急に壬氏ジンシにラブコメのフラグが立ちましたね~~(笑)。

ラストの照れながらかんざしを挿すのは原作通り。
あまりに急にデレて、壬氏ジンシが軟弱になった気がしましたが、これも原作通り。

ただ、原作を読んで分かったのは、「急」だと思わせないようジャブを打っているのはアニメオリジナルなのです。

冒頭の壬氏ジンシ高順ガオシュンのやりとり ──

大丈夫ですか?

── ん?何がだ?

ずいぶんとお気にされて

by 高順『薬屋のひとりごと』TVアニメ第5話

アニメオリジナルを入れて、壬氏ジンシの中で猫猫マオマオの存在が大きくなっているのを頭出ししているのです。

と考えていくと、冒頭の剣稽古シーンは、壬氏ジンシの男らしさを示していると言えますね。

薬屋のひとりごと 第5話
『薬屋のひとりごと』公式サイト「EPISODE #5」より引用

決して軽い男ではない、という一面を見せたのではないでしょうか。

(原作情報) 剣稽古(がここで描かれるの)もアニメオリジナルです。

一方で、原作では文字だけだった園遊会。
コミックでは白黒の園遊会。

アニメは色という強みを使って、呪いの不気味さを表現する一方で、妃や侍女達の華やかさをも演出。

さらに、先にも書いたとおり、セリフには出てこない考えを動きで表現。
本当に見事なアニメ化で嬉しい限りです。

以上、TVアニメ『薬屋のひとりごと』第5話の感想&考察レビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。

6話のレビューも書いています。
良かったらご覧ください。

ではでは。

きょうのひとことそういや、(前話)猫猫がいなかった2ヶ月間、誰が毒味役してたの?

疑問点 まとめ(Q&A一覧)

この章では、疑問点をまとめていきます。

「疑問点まとめ(Q&A一覧)」運用ルール
  • 今話で生まれ解決した疑問は、本文で解説して本章でまとめ
  • 今話で解決しなかった疑問を、疑問XX-XX(話数-通し番号)として記録
    ⇒ 本章「疑問点まとめ(Q&A一覧)」でまとめ
  • 答えは、推測ではなくできるだけ(原作含む)作品内で明らかになった事実を記載
    ※推測が入る場合は、断りを入れる
    解決した疑問は、次話で削除
今話で解決した疑問 (クリックすると答えが表示されます)
皆は、なぜ猫猫を太らせようとしている?

梨花妃の看病でやつれていたから

作品世界では「ふくよかさが美徳」とされている。(原作より)
なので、元々痩せている猫猫を常々太らせようとしている。

宮中は、後宮のことではない?

宮中とは、後宮以外の宮廷内のこと (原作より)

つまり、宮中とは「後宮の外」のことである。
よって、男性もいる。

猫猫は、なぜ花火の原理を知っていた?

楼閣の客に花火職人がいた

子供の頃、寝起きしている部屋の隣で、花火職人が話しているのを聞いた。(原作より)

胸元をかさ増しするのは分かるが、なぜ腰回りまで?

桜花がかさ増ししようと言ったのは「おしり」のこと (原作より)

作品世界では「ふくよかさが美徳」とされている。
胸元とおしりはふくよかな方が良い。

血行をよくする飴とカイロを入れるポケット
なぜ皇帝直属のお針子と食事係まで聞きに来た?

玉葉妃が皇帝に話したから (原作より)

今話で新たに発生し、解決しなかった疑問
  • 疑問 05-01 粉を染み込ませた木簡は、誰が何に使っているのか?
  • 疑問 05-01 かんざしを渡す意味は?
残っている疑問
  • 疑問 02-01 後宮管理者の壬氏が、なぜ後宮の外まで判断を求められる?
  • 疑問 02-02 水差しの弁償、仕送りから引いたのは期間限定?
  • 疑問 02-03 結局、秘薬は何の為だったの?
  • 疑問 03-01 西都の玉葉妃が、異国の姫とは?
  • 疑問 03-02 時折、猫猫が左手を見ているのはなぜか?
  • 疑問 03-03 芙蓉妃は、どうやって城壁に登ったのか?

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