こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『王様ランキング』第5話「からみあう陰謀」を鑑賞しました。
本レビューではアニメ感想だけではなく、原作コミック情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。
皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
今話の原作
今回、アニメ化されたのは、コミック2巻26話中盤~3巻32話中盤まで。
今話も、構成は概ね原作通り。
セリフもカットされる数が少なくなり、段々原作忠実になってきました。
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレはありません。
アニメ感想
+
原作コミックを読んで分かった情報を加味して「解説・考察」
私は原作コミック未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成しています。
よって・・・次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください。
全23話 各話リスト
話数 | サブタイトル | 原作 |
第1話 | 裸の王子 | 1巻 |
第2話 | 王子とカゲ | |
第3話 | 新しい国王 | |
2巻 | ||
第4話 | 初めての旅 | |
第5話 | からみあう陰謀 | |
3・4巻 | ||
第6話 | 冥府の王 | |
第7話 | 王子の弟子入り | |
第8話 | 夢のいけにえ | |
第9話 | 王妃と盾 | 5巻 |
第10話 | 王子の剣 | 4巻 |
第11話 | 兄と弟 | 4・5・6巻 |
※ 話数:リンクは各話レビューへ
今回のあらすじ
ドーマスとホクロをお供に、ボッジの旅が始まった。
初めて見るモノに気を取られ、つい二人と離ればなれになってしまう・・・。
一方、王国には、王様ランキング協会の審査員が訪れていた。
ボッジとダイダ、二人は力を求め地下深くへ降りていく──
ダイダは鏡を、ドーマスはダイダもボッジのことも信じ切れず。
ボッジは、自分が殺されそうになった事より、カゲの無事な姿に涙する。
罪を犯した右手を捨てても、良心の呵責が消えるわけではない。
怪しげな術で強くなっても、己の力が認められるわけではない。
強い信念で行動しているはずなのに、後悔してしまう。
悪役側が、曲がったことや、悪事に葛藤するのが興味深い。
ここまで来ると、善悪と簡単に割り切れる話ではないのかも。
誰が王に相応しいのか、見極めていきたい。
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第5話「からみあう陰謀」
再会
ドーマスに突き落とされたボッジは、カゲの一手で一命を取り留めた。
カゲの提案により、穴の下を目指すボッジ。
何があっても味方
あ?
by ボッジ『王様ランキング』TVアニメ第5話
一瞬何が起きたのか分からないボッジ・・・
噴き上がる炎と頭上に残るロープを見て記憶が蘇る──
ドーマスに穴へ突き落とされたボッジ。
どうしようもないと諦めた瞬間、カバンの中から矢が放たれ、岩にロープが固定され炎への落下を免れたのです。
オレだーーっ!
by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第5話
助けてくれたのは、カゲ!
なんと、カバンの中に隠れていたのです。
オレは、これからどんなことがあっても、お前の味方になりたいんだ。
オレ、本気で言ってんだぜ。
オレ、本気だぜ、ボッジ。by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第2話
どんなことがあっても、ボッジの味方になりたいと言っていたカゲ。
ベビンに何か言われたとはいえ、簡単に姿を消してしまった。
悲しいことだけど、ボッジは命を狙われてたんだ。
オレはあいつから、その護衛を頼まれたのさ。by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第5話
実はカゲはいなくなったのではなく、ボッジを見守っていたのです。
前話途中 辺りで、ボッジを守っているのはカゲではないかと薄々感じてました。
が、どこに隠れているのか全く分かりませんでした。
単純に、物陰にずっと隠れて付いてきているのだろうと思ってました(笑)。
カバンの中に隠れていたのがお見事!
そう!カゲは影なのです!
体は薄っぺらく、カバンに入れてもかさばらない。
闇の中に紛れれば、誰にも見つけることができない。
カバンの中にも影がある。
カバンの中なら、誰にも見つからずボッジの近くにいられるのです。
護衛するには打って付けの場所だったのです。
影の一族の特長を活かした隠れ方です!
カゲは口の中に物を収納しています。
その分、かさばり(お腹が膨らみ)、重くなるのではないかという疑問は残りますが(苦笑)。
まあ、その辺は魔法のある世界ですから、問題ないのでしょう。
いや、もしかすると・・・
何をしても薄っぺらい影でしかない”呪い”なのかもしれないですね(笑)。
カゲがカバンの中に隠れていたのに驚きましたが、実はもっと驚いたのは・・・
ボッジのカバンの中にボーガンとハーケンのような矢が入っていたこと!!(苦笑)
いや、これもカゲが口から出したのでしょう(笑)。
最初からずっと一緒にいた
オレはさ、ずっとボッジのそばにいたんだぜ。
ボッジが塔から落ちた時も・・・by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第5話
なんとカゲは、旅に出てからではなく、それ以前からボッジを守っていたのです。
ボッジが、塔の窓から逃げ出し、落ちてしまったとき。(3話 )
確かにカバンの上へ落ち、ボッジは地面への直撃を免れました。
てっきり運が良かったと思っていたのですが、カゲがカバンをボッジの真下に移動していたのです。
あのとき、ボッジの命が助かったのは、カゲと王妃ヒリングのお陰だったのです。
カバン盗まれた時も・・・
毒肉食べさせられそうになった時も・・・全部オレが救ったんだぜっ!
by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第5話
カバンを取り戻せたのも、毒肉を落としたのもカゲだったのです。
ん?
ちょっと待って下さい・・・
ボッジの旅は、カゲを探すのが目的です。
カゲが、最初からボッジの傍にいたのなら、ボッジが旅に出た意味は!?
旅に出たのもベビンの策か?
悲しいことだけど、ボッジは命を狙われてたんだ。
オレはあいつから、その護衛を頼まれたのさ。ま、心の中では何を企んでいるのか知らぬが・・・
by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第5話
カゲはベビンに捕らえられ、誰かの暗殺を疑われ酷い目に遭いました。
が、ボッジの護衛を頼んだのはベビンだったのです。
ボッジが、カゲの居所を大きなヘビのミツマタに尋ねたとき──
その者は無事です。
ご心配いりません。ベビン様は、その者と取引し重大な任務を与えて旅に出しました。
これ以上お話しできません。by ミツマタ『王様ランキング』TVアニメ第3話
ミツマタが言っていたカゲに与えた「重大な任務」とは、ボッジの護衛だったのです。
それにしても、ミツマタのセリフ、今読むと違和感を感じませんか?
ベビンのセリフも同様です。
その者から言付けを預かっています。
その者は旅に出るので、ボッジ様とは二度と会えないとのことです。by 四天王「蛇使い」ベビン『王様ランキング』TVアニメ第3話
「重大な任務を与えて旅に出しました」
「その者は旅に出るので」
カゲは旅になど出てません、カゲはずっとボッジの傍にいたのです・・・。
ベビンがカゲに命じたのは、ボッジの護衛。
護衛をさせるのに、カゲに「旅に出ろ」などと言うわけがありません。
なのに、ボッジには「カゲは旅に出た」と伝えた・・・
この食い違いは、何でしょうか?
ボッジがカゲを探さないよう、旅に出たと嘘を付いた?
確かに、そうかもしれません。
でも、そんな嘘を付くと、返ってボッジはカゲを探しに城を出て、別の意味で危険な目に遭ってしまう。
私なら、カゲを探さないよう、カゲはボッジを見限った、嫌いになった、もしくは死んだ、と嘘をつきます。
#だませるか分かりませんが(苦笑)
何が言いたいか、お分かりですね?
ベビン(あるいはミツマタも)は、ボッジが旅に出るよう仕向けるために「カゲが旅に出た」などと嘘を言ったのではないでしょうか。
ボッジはこれから狙われます。
城にいると、成功するまで刺客が送られる。
ならば、城の外へ出た方が、死を偽装できると考えたのでしょう。
それとも裏切り者を炙り出すためか?
いずれにせよ、ボッジがこの国から出るように誘導するために、ベビンはカゲの事を利用したのです。
だからと言って、ベビンがボッジの味方だと考えるのは早計でしょう・・・
ベビンはダイダに忠誠を誓っているのも事実。
ボッジを助けるのはボッジ自身のためか。
それとも、最終的にダイダのためになるのが狙いか?
まだ、判断つきかねますね。
いや~~面白い!
ボッジが何を言っているのか分かる
ああ、そうだ。
カゲだよ。by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第5話
一瞬、カゲが何を言い出したのか分かりませんでした(笑)。
カゲは、ボッジの言葉を確認しているのです。
ボッジ:あえ、あえー。
カゲ:ああ、そうだ。カゲだよ。by 『王様ランキング』TVアニメ第5話
ボッジは「カゲ、カゲー」と言っているのです。
どうやら、ボッジは母音(あいうえお)しか発声できない様子。
そう思って前後の会話を聞くと、ボッジが何を言っているのか分かります。
カゲ:ボッジ、なんだその変な顔!
ボッジ:あえあっえ!(カゲだって)by 『王様ランキング』TVアニメ第5話
カゲ:王冠を模した帽子だ。やっぱ、お前にはこれがないとな。
ボッジ:あいあおー(ありがと)。by 『王様ランキング』TVアニメ第5話
ボッジの言葉が、翻訳なしで分かると、なんだかうれしくなりますね♪
上ではなく下?
さて、行くか。
上じゃなくて下に行くぞ。by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第5話
アニメ鑑賞時、少し意味が分かりませんでした。
「上じゃなくて下」?
どこから「上」が出てきたのでしょうか?
もちろん、上から落ちてきたのだから、上へ戻ろうとするのが筋です。
でも、会話が噛み合ってません。
「上」の選択肢が出てくるには、「上へ行く手段」があって初めて成り立ちます。
原作を読んでスッキリ。
原作では、上へ通じる階段が描かれており、ボッジは上へ戻ろうとします。
ボッジが上り階段へ向かったので、カゲは「上じゃない」と言ったのです。
ボッジは耳が聞こえないので、前を歩いているボッジに声をかけても伝わりません。
この時、原作ではカゲがボッジに小石をぶつけて呼び止めます。
細かいことですが、こういう所が丁寧に描かれているのは好感が持てますね。
密命
ダイダはドーマスにある使命を与えた。
ダイダの巧みな人心掌握
お前と試合をしたあの日、信頼できる者に出会ったと、そう思ったんだ。
しかしそれは裏切られたわけだ。by ダイダ王『王様ランキング』TVアニメ第5話
さてさて、ダイダは実は忠義に熱く、部下の信頼を重んじる王なのでしょうか?
ダイダは王になり、変わったのかもしれませんが・・・
私は、ダイダの過去の行いから判断するに、ドーマスへの態度は全て演技だと思ってます。
ダイダは、王を決める話し合いで、ボッジに入れた者には暗殺命令。
ダイダに入れた者を手駒にしようとしているだけ。
ボッジ暗殺を促したのは魔法の鏡です。
将来の憂いをなくすために決断することは王の使命です。
いつ誰がボッジ様を担ぎ上げ、この国に混乱が起こらないとは限らないのですから。そうすれば戦乱が起き、多くの人の命が失われます。
王であるあなたは、それを防がなければいけない。ボッジ様暗殺の命は既に下されたのです。
by ダイダ王『王様ランキング』TVアニメ第4話
その命令をドーマスに託したのでしょう・・・。
ボッジを暗殺するには、傍らにいる四天王「ソードマスター」ドーマスが最大の壁。
ならばドーマスを抱き込めば良い・・・魔法の鏡が考えそうな汚い手です(笑)。
よって、ダイダは、ドーマスを味方にするため・・・いいえ。
ダイダ(魔法の鏡)は、ボッジ暗殺のため”だけ”にドーマスを抱き込んだのではないでしょうか。
ドーマスが、自分の命令に”絶対”に従うよう、追い込んでいったのです。
王を決める場で、ドーマスがダイダに入れたという、たった一つの”裏切り”の綻びを突いて・・・
ボッジとダイダ、どちらが王に相応しいか7人の投票で決めた時。(3話)
例えドーマスがボッジに入れても、4対3でダイダに決定。
ドーマスの票は、結果に影響しなかったのです。
が、ボッジを裏切ったことで、ドーマスの信念に綻びが生じダイダ(魔法の鏡)に足元をすくわれたのです。
見事な脚本ですね。
ドーマスは、上に認められることを誇りとし、故に上からの命令に忠実です。
ダイダは、ドーマスの心の隙を突き、自分はドーマスを買っていたと、残念がってみせる・・・
私は国のため、民のため、ある決断を下した。
しかしそれは、本当に信頼できる者にしか命じることはできん。by ダイダ王『王様ランキング』TVアニメ第5話
ドーマスは、ぜひ、その命を自分にと申し出る。
原作では、もう少しダイダとドーマスのやりとりは続きます──
ドーマス:ならば、このドーマスに!
── アニメはここまで、以下はアニメではカット ──
ダイダ:やめろ。その場しのぎの返事をするな!
ドーマス:そ、そのような!
ダイダ:本当に、私のためなら、どんなことでもできるか?ドーマス!
ダーマス:はいっ!その覚悟です!by 『王様ランキング』コミック3巻
ここまで巧妙にドーマスは追い込まれていったのです。
前話、ドーマスがホクロに問いかけていた──
君は、上からのどんな命令にも従う覚悟はあるか?
- 中略 -
私は従うつもりだ。
上にいる方は計り知れない重圧と責任を背負っている。
その方の下した命令が間違っているなんて、私達ごときが判断できるものではない。by ドーマス『王様ランキング』TVアニメ第4話
ここで言っていたのが、ダイダの命令。
つまり、ダイダが下した「ボッジ暗殺命令」が正しいかどうかなんて、ドーマスには分からない。
王であるダイダは、きっとドーマスには想像し得ない高尚な考えがあり決断されたのであろう。
それを、自分ごときが覆せようか、というわけですね。
原) 後悔している?
ただ、原作では・・・
ダイダとのやりとりの回想から戻ったドーマスは、後悔をしているようにも見えます──
私は・・・
いいようにコントロールされた感はある・・・しかし!
私は自分のしたことに誇りを持つべきだ。※太字部分はアニメではカット
by ドーマス『王様ランキング』コミック3巻
ドーマスは、ボッジを突き落としても尚、正しい事をしたと思ってません。
ただ、ダイダの判断を信じて、その命を、王の命を忠実に実行したことを是とせねば、自分を保てなかったのです。
呪いガス
ボッジとカゲは、強くなるために穴の下へ向かう途中、呪いガスに巻き込まれる。
冥府騎士団
ガスだ!
by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第5話
ガスを吸ってしまい、意識を失うボッジとカゲ。
白骨体の正体は、ガスを吸い死んでいった人たちだったのです。
そこに現れた、鎧の男達。
彼らは、前話、ドーマスが説明していた──
町が平和なのは、史上最強の騎士団、冥府騎士団のおかげだ。
by ドーマス『王様ランキング』TVアニメ第4話
ボッジを助けたのは、冥府騎士団。
ドーマスの会話で、冥府騎士団は町を守っているのだから、当然”町”にいるのだと思ってました。
まさか、冥府に続く穴にいたとは・・・。
なかなかに不思議な世界ですね(笑)。
原) 冥府騎士団でも呪いガスはNG
ガスが充満している中、冥府騎士団が現れます。
原作では、ボッジが動かず、”死んだ”と思いその場を去ろうとすると、ボッジが動き出しガスから逃げようとする。
ボッジが動き出したので、ガスは問題ないのかとカブトを取ると、少し残っていたガスを吸い血を吐いてしまう・・・
自分たちは一瞬でも耐えきれないのに、この子供は苦しんではいるが吐血してない・・・
不思議に思った冥府騎士団は、ボッジを連れて帰ることにしたのです。
これが──
呪いガスで死ななかったの?
by デスハー『王様ランキング』TVアニメ第5話
と、不思議がられるわけです。
城の地下
ダイダは魔法の鏡の助言に従い、城の地下に入り、ボッス王の力を手に入れようとしていた。
一体誰が裏で糸を引いているのか・・・
死の直後より氷漬けにしております。
この時のために。by 魔法の鏡『王様ランキング』TVアニメ第5話
王が没後どうされるか、この国の風習は分かりません。
が、次期王ダイダですら知らなかった、ボッス前王の遺体。
様子から見て、隠密に動いている様子・・・
魔法の鏡が、単独でここまでできるのか?
それとも、別の誰かの指示で動いているのか?
最初、第三国の存在を疑ってましたが、城の地下をこれほど使いこなし、入念に今回の準備を進めていた事から考えると──
ボッス王国の内部犯・・・
あるいはずっと以前から、はびこっていた勢力なのかもしれないですね・・・
秘薬の製造過程
鏡っ!なんてことを!
by ダイダ王『王様ランキング』TVアニメ第5話
亡くなっているとは言え、父親である前王を巨大ミキサーにかける魔法の鏡。
ダイダの反応は至極当然。
いや、冷徹なダイダに人間らしい部分があって安心しました(苦笑)。
人間らしいどころか、漢らしい部分も──
ダイダ様。
何ごとにも決して楽な道などありませぬ。この時間こそが、あなたを作る。
周りにも、そして何より己自身にだまされないように!by ベビン『王様ランキング』TVアニメ第5話
ボッス王の力を手に入れられる秘薬を飲めと言われても、拒否するダイダ。
ベビンと鍛錬をしたことを思い出す。
努力した分だけ成長する。
血反吐を吐いた分だけ強くなる。
ダイダは、楽してここまで来たわけではありません。
努力して、今の力を手に入れたのです。
逆に、ここで秘薬に頼ってしまっては、これまでの努力も無になってしまいかねないのです。
ダイダは、他人に厳しく・・・自分にも厳しいのです。
原) アピスの過去
ダイダを追って、城の地下へ降りるアピス。
アピスの過去が描かれますが、セリフもナレーションも一切ないので、よく分かりません(苦笑)。
原作も、少し分かりにくいです。(すいません、私の読解力がないだけかも)
ただ、Before、Afterだけは分かります。
若い頃のアピスは才能に溢れていた。
しかし・・・臆病な彼は全く才能が開花しなかった。※アニメでは全文カット
by ナレーション『王様ランキング』コミック2巻
これが、回想シーンの最初。
アニメの、アピスが苦戦しているシーンに相当します。
ボッス王は、そんなアピスを抜擢し、自身のそばに仕えさせた。
それからの彼はいつも傷だらけだった。王自らが訓練していると思われたが、その傷は明らかに人がつけたものとは別物だった・・・
※アニメでは全文カット
by ナレーション『王様ランキング』コミック2巻
アニメの、ボッス王が出てきて、魔物と戦うシーンに繋がります。
そして、アピスは表情を表に出さなくなった。
その頃から異様な迫力が出はじめ、彼の後ろに二人の死神を見た人までいた。※アニメでは全文カット
by ナレーション『王様ランキング』コミック2巻
上記セリフが、魔物を担ぎボッス王の前へ差し出すシーンとなります。
原作には描かれてない、フード男と総合すると──
アピスも何らかの力か、あるいは取引で、感情を失う代わりに臆病でなくなり力を発揮できるようになったのでしょうか?
ボッス王への忠義は、弱い自分を認めてくれた恩か、強くしてくれた恩か・・・
女性?
氷漬けの部屋を、アピスが通るとき、意味ありげに写る、女性とおぼしき人は・・・
最初は、ボッジの母親かと思いましたが、巨人ではないので違うでしょう。
魔物ばかりが納められている中、人間が一人だけいるのも不思議ですね・・・。
冥府
冥府騎士団は、ボッジとカゲを王の下へと連れていく。
二人は既に呪われている?
ふーん、呪いガスで死ななかったの?
by デスハー『王様ランキング』TVアニメ第5話
ボッジとカゲが連れて行かれた先には、一人の男。
王冠を被っているのは王である証拠。
エンドロールを見ると名はデスハー。
ありゃりゃ、二人とも既に呪われてる。
呪いガスで死なないわけだ。一人は力を奪われた巨人。
黒いのは神に嫌われ姿を変えられた影一族だ。by デスハー『王様ランキング』TVアニメ第5話
二人とも既に呪われている!?
ボッジは、「力を奪われた巨人」!?
カゲは、「神に姿を変えられた一族」!?
逆にこの言葉から連想できるのは、ボッジは巨人族!?
こんなに小さい体なのに巨人?
いいえ。
ボッス王もボッジの母も、巨人のように体は巨大でした。
ボッジが小さいのが異例なのです。
呪いによって、ボッジは力=巨体な体を失っていたと推測できます。
カゲは、もっと重く、カゲ本人だけではなく、影の一族が呪いだというのです。
普通の作品であれば、「神に嫌われ」と聞くと、もうどうしようもない運命に聞こえます。
が、『王様ランキング』では、前話「神の宝物庫」に「生命を司る存在」まで現れました。
神が干渉していても不思議ではない世界ですね。
一体どこまで広がっていくのでしょう(笑)。
後悔
ドーマスがボッジを殺したことを知り、ホクロはドーマスに斬りかかる。
原) 何をしていたんだ
オレは・・・オレは、何をしていたんだっ
by ホクロ『王様ランキング』TVアニメ第5話
アニメ鑑賞時、ホクロはボッジの身を守るために一緒に旅に出たのに死なせてしまい、一体何をしていたのだと悔やんでいるのだと思ってました。
が、原作を読んで、全く違うことに気付きました。
アニメでは、ホクロはボッジとの出来事と思い出します。
が、そこが原作とは違います。
ボッジ様は、幸せだったんだろうか・・・
※アニメでは全文カット
by ホクロ『王様ランキング』コミック2巻
原作では、ホクロはこのように振り返り──ボッジが蔑まれていた過去を思い出します。
ボッジが、ダイダとの試合でボロボロにされたこと。
ボッジの前で、弟ダイダが王に決定したこと。
ボッジが周囲から冷たい目で見られていたこと。
これらを思い出し、ホクロは「ボッジ様は幸せだったのか」と自身に問うたのです。
そうしたホクロの思いを知った上で──
オレは・・・オレは、何をしていたんだっ
by ホクロ『王様ランキング』TVアニメ第5話
と、このセリフを聞くと・・・
ホクロは、今回の旅のことではなく、これまで何もしてこなかったのを悔いているように聞こえます。
ホクロは、ボッジを影で応援していながら、これまで何もしてこなかった・・・
ボッジに何も手を差し伸べず、行動にも移さなかった。
ボッジを蔑んだ目で見たりはしてないが、何もしてないのは結果的には他の人と同じ。
そういう意味で、「オレは何をしていたんだ」と言ったのではないでしょうか・・・
ドーマスは、ホクロのその強い思いに当てられ、せめてもの償いに、ボッジを突き落とした右手でワザと受ける・・・
そんなことをしても、罪は勿論、良心の呵責すら消えるわけではありません。
分かってはいても・・・
それだけ、ドーマスもやりきれなかったのです。
おわりに (『王様ランキング』5話とは)
誰が正しく、誰が間違っているのか。
皆、良かれと思い決断し、行動してから後悔する。
どこで間違ったのか、気付いても過去は取り戻せない。
決断した者は前へ進むしかないのです。
童話のような絵柄と相反し、強烈な映像だった今話。
ドーマスも深く考えることを諦め、可愛い弟子に手をかけるも。
やってしまった後、ただただ震え、結果、手を切り落とした鮮烈シーンに心が震えました。
キャラの深掘りで、それぞれドラマが発生し。
ボッジだけでなく、各キャラクターが気になる存在に。
今後がますます楽しみになってきました!
以上、TVアニメ『王様ランキング』第5話の感想&考察レビューでした。
超長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。
6話のレビューも書いています。
良かったらご覧ください。
ではでは。
私は牛肉大好きです
でも、製造行程を見たらきっと食べられません
ましてや・・・
今週の感想ツイート
#王様ランキング 5話
— 時文@ここアニ(ブログテーマ移行中) (@toki23_a) November 12, 2021
強き者は他者を信じ切れず
弱き者は他者の無事に涙する
罪を犯した右手を捨てても
良心の呵責が消える訳ではない
怪しげな術で強くなっても
己の力で成したとは言えない
強い信念で行動したはずなのに
悪役側の苦悩を見せるのが面白い
善悪ではない
誰が王に相応しいのか😆
関連記事
アニメ『王様ランキング』第6話のレビューはこちら!