こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『王様ランキング』第14話「王子の帰還」を鑑賞しました。
本レビューではアニメ感想だけではなく、原作コミック情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。
皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
今話の原作
今回、アニメ化されたのは、コミック──
- 7巻82話中盤~89話
- 8巻99話の一部 (対オウケン戦)
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレはありません。
アニメ感想
+
原作コミックを読んで分かった情報を加味して「解説・考察」
私は原作コミック未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成しています。
よって・・・次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください。
全23話 各話リスト
話数 | サブタイトル | 原作 |
第12話 | 戦いの足音 | 6巻 |
第13話 | 王国の乱れ | |
7巻 | ||
第14話 | 王子の帰還 | |
第15話 | 冥府騎士団 | |
8巻 | ||
第16話 | 王の威厳 | |
第17話 | 不死の呪い | 9巻 |
第18話 | 神々との争い | |
10巻 | ||
第19話 | 最後の砦 | |
第20話 | 不死身 対 無敵 | |
11巻 | ||
第21話 | 王の剣 | |
12巻 注1 | ||
第22話 | 魔神との約束 | |
第23話 | 王様と太陽 |
※ 話数:リンクは各話レビューへ
注1:22話は一部11巻の内容
今回のあらすじ
ドルーシは奮闘するも多数の魔物達には敵わず・・・
劣勢となり力尽きかけたその時、ミツマタが現れる。
ミツマタ参戦も罪人ギガンに敗れてしまい、窮地に陥る一同の前に現れた救世主は・・・
ようやく、救世主ボッジ到着!
ボッジの技は、物質の結合の綻び突くが。
ボッジの絆は、家族と、仲間と強い繋がり。
ボッジ到着前に、絶体絶命の危機に先に現れたのは・・・そう来ましたか!
「情けは人の為ならず」
ドルーシの献身的奮闘が、王妃ヒリングの過去の善行が、巡り巡って時間を稼ぎ命を繋ぎ、真打ち登場に間に合わせる。
戦闘終了後、敵に対して寛大な判断をする優しきボッジ。
その選択を、信じる母の姿が、これまた良いですね♪
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第14話「王子の帰還」
ドルーシ奮闘
ドルーシは魔物たちに一斉に襲われ再び窮地に。せめて王妃ヒリングだけでも逃がそうとするが・・・
孤軍奮闘
ドルーシは魔物に一斉に襲いかかられ押さえ込まれてしまい、ついには左足を食いちぎられてしまう。
それなのに、この言葉──
おかげで・・・踏ん張りがきくように・・・なった!
by ドルーシ『王様ランキング』TVアニメ第14話
足を食いちぎられたのに「踏ん張りがきく」とは、どういう意味!?
原作では──
足を離してくれたおかげで、踏ん張りがきくようになった!
※太字部分はアニメではカット
by ドルーシ『王様ランキング』コミック7巻
前話終盤、ドルーシは両腕、両足を押さえられ。
足を引っ張られ、下半身が浮いた形になり踏ん張ることができなかった。
足首を食いちぎられたことにより、足が自由となり膝で踏ん張りがきくようになったのです。
いやいやいや!
ドルーシどこまで我慢強いのか、見上げた根性です!
それもこれも王妃ヒリング様のため!
私が倒れたらヒリング様は・・・
by ドルーシ『王様ランキング』TVアニメ第14話
ドルーシが襲われている間は、魔物は王妃ヒリングに向かわない。
自分が倒れたら、魔物は王妃ヒリングに向かってしまう──
ヒリング様を守るために、ドルーシは倒れるわけにはいかないのです──
思わず叫んだ名は・・・
助けて・・・ボッス様!
by 王妃ヒリング『王様ランキング』TVアニメ第14話
目の前で、ドルーシが魔物になぶり殺されていく。
自分の為に命をかけていると分かっているだけに、放っておけない。
自分の能力を使えば助けられるだけに、逃げる踏ん切りがつかない。
思わず叫んだ、夫の名前──
ダイダの体を奪ったボッス王。
王妃ヒリングはボッス王と戦ってでも、ダイダを取り戻すと誓った。
王妃ヒリングはボッス王を信じているのか。
今回の首謀者はミランジョだと分かったから、ボッス王を信じたのか・・・。
原作でも、この時点では王妃ヒリングの心情は分かりません。
王妃ヒリングは王妃ヒリングで純粋にボッス王を愛しているのかもしれません。
もう一つ、考えられるのは王妃ヒリングにとって、この場を治めることができるのは、ボッス王しか思い至らなかったのではないでしょうか。
アピスはミランジョ側に付き。
ドーマスとホクロがボッス王の命を受けて城に来ていることは知らない。
ベビンは行方不明。
ボッジも行方知らずで、そもそも戦いに巻き込みたくないと思ってます。
結果、王妃ヒリングが頼るのは、無駄だと分かっていてもボッス王しかいなかったのではないでしょうか。
◇◇◇◇◇
そう考えていくと、今回この戦力で城に乗り込んできたのも頷けます。
ダイダを取り戻すために、一度城を離れながら再び戻ってきたヒリング達。
頼る戦力はドルーシに加えて、戦士アンと兵士達しかいなかったのです。
頼れる強い仲間が他にいなかったと想像できますね。
ボッス王
ヒリングの声を聞き、反応を示すボッス王。
ロープを引きちぎり、鉄格子を難なくこじ開ける──。
やはり、ボッス王にとって、拘束ロープも鉄格子も無意味だったのです。
ボッス王は囚われの身となり、自らの意志で大人しくしていたのです。
運命に身を任せているのか、何かの時を待っているのか・・・。
元凶はミランジョにあるとしても、ミランジョはボッス王の為に動いているのであって、ミランジョを抑える事がことができるのはボッス王のみ。
正直、ボッス王の態度にイラッとしていたのですが(苦笑)。
王妃ヒリングの声を聞き、動揺を見せるボッス王。
それでも、ミランジョを思い出し動かない。
ボッス王は、王妃ヒリングを身を案じながらも、手を出してはいけないような・・・
それは、約束なのか、ミランジョへの思いか償いか・・・
まだまだはっきりしないですね。
一方ベビンはボッス王の意向を探りにでも行ったのでしょうか?
会話も心情描写もないので、分からないですね。
原) 声なき声
私は大丈夫・・・。
だから今のうちに、逃げて下さい・・・。
早く・・・行って下さい・・・。by ドルーシ『王様ランキング』TVアニメ第14話
片足を失い自由に動けないドルーシは、魔物に対抗するも徐々に劣勢となり・・・
もうダメだと悟ったドルーシは、せめて王妃ヒリングだけでも守りたいと、笑顔を作って「私は大丈夫だから逃げて下さい」と伝える──。
だが王妃ヒリングは、逃げるどころか助けようとする。
王妃ヒリングの性格なら、ドルーシを放っておけないのは当然です。
でも、王妃は特別な立場。
一般人とは命の重さは違うとも言えます。
ドルーシを置いて逃げるのが正解だと考える人もいらっしゃるでしょう。
実は原作は少し違います。
上記セリフは、王妃ヒリングに届いていません。
どういうことか?
ドルーシが瀕死状態、あるいは喉をやられ、声として発声できてないのです。
ドルーシは上記セリフのように発声しているつもりですが、王妃ヒリングには口をパクパク動かしているだけで声は聞こえてないのです。
それでも、王妃ヒリングの立場を考えれば逃げるべきとお考えですか?
王妃ヒリングに、ドルーシの言葉は届いてません。
ここまではよろしいですよね?
ここからは私の推測です。
王妃ヒリングは、ドルーシはまだ精神的に大丈夫(戦える)と思ったのではないでしょうか?
どういうことか?
王妃ヒリングが見た、ドルーシは笑っていたのです。
あれだけの傷を負いながら、今も魔物に首を噛まれながらも笑顔なのです。
傷さえ治せば、ドルーシは復活する。
あの程度の魔物など、いつものドルーシであれば問題ない。
だから王妃ヒリングはドルーシに向かっていった。
反対に、ドルーシは自分を見捨てない、王妃ヒリングを魔物から守るために最後の力を振り絞ろうとしたのです。
いやまあ王妃ヒリングの優しさを考えると、単純にドルーシを放っておけなかったのかもしれませんが(笑)。
王妃ヒリングの性格が、後半のボッジとの会話に活きているのが面白いですね。(後述)
ミツマタ参戦
ドルーシの奮闘虚しく、一人では魔物を抑えきることができなかった。そこへ現れたのは──
情けは人の為ならず
怖がらないでヒリング様。
私は、昔あなたとボッジ様に救われたヘビです。by ドルーシ『王様ランキング』TVアニメ第14話
王妃ヒリング達の窮地を救ったのは、かつて彼女が救ったヘビ、ミツマタだった。
正直、このタイミングで来るのが、ミツマタとは予想もしてませんでした!
ボッジが間に合う展開は単純すぎるし、ボッス王も助けるとは思ってませんでした。
だからアピス、ドーマス、ベビン辺りか、はたまた罪人が変な取引を持ちかけるか(笑)。
・・・なんて予想をしていたのですが大外れ!
ここで、ミツマタを持ってくる。
王妃ヒリングに昔助けられた、恩を返す。
お見事な展開&サプライズです!
ボッジがまだ幼く、ヒリングが王妃として城へやってきた直後。(3話)
ボッジに噛みついたヘビ。
慌てた王妃ヒリングは、ヘビを思い切り蹴飛ばす。
ヘビは王妃ヒリングの蹴りで瀕死状態(苦笑)。
ボッジは自分に噛みついたヘビなのに、死にそうなのを見て泣き出してしまう・・・。
王妃ヒリングは、なんで!?と思いながらもヘビを治療する──。
これが、ボッジとミツマタとの出会いであり。
ボッジが王妃ヒリングに心を開いた瞬間です。
それだけでも感動のエピソードなのに、ミツマタが大きくなって(大きくなりすぎ!?)恩を返す。
情けは人の為ならず。
ボッジと王妃ヒリングの優しさが、自分たちの身を助けてくれたのです。
今話でも、終盤、罪人ギガン、魔物を助けました。
きっと、ボッジの助けになるのでしょう。
憎い展開ですね!
原) 魔物を、ひとのみ!?
地面から現れたのはミツマタ!
意外と強い(失礼っ)ミツマタ!
ドルーシが手こずった魔物らをものともしません!
原作では、ミツマタは巨体を活かして、いや・・・ヘビらしく魔物を一匹ひとのみ!?。
まるで、ネズミを食べるヘビのようです(笑)。
魔物をひとのみすることで、全魔物をビビらせます。
萎縮した魔物は動くことができず、そこへ巨大な尻尾でぶちのめしたのです。
傷は防げても再生はできない
パッワーー!
by 王妃ヒリング『王様ランキング』TVアニメ第14話
こんな掛け声があったのですね(笑)。
王妃ヒリングの治癒魔法は、対象のケガが大きければ大きいほどパワーを使います。
重傷のボッジを治したときも、魔法を使ってはポーションを飲み治療を続けました。
一気に、あるいは一刻を争うような重傷者には、ポーションを飲みながら治すことができたのです。
さながら、スマホで電池消費が激しいアプリを使うときに、充電しながら使う感じでしょうか(笑)。
冗談はさておき。
瀕死だったドルーシも回復。
でも、失った部位は取り戻せない様子。
王妃ヒリングの魔法は、治療であって、再生ではない。
傷を塞ぐことはできても、失ったものを取り戻すことはできないのです。
目の傷は塞がるが、目の機能が戻るわけではない。
(目を奪われた?)
食いちぎられた足は、傷口は塞がっても、元通りにはならないのです。
ボッジ到着
魔物は一掃するも、罪人ギガンに破れてしまったミツマタ。ミツマタの窮地を救ったのは・・・
真打ち登場!
ミツマタ強しと言えども、罪人ギガンには敵わなかった・・・
ギガンは今まで何していたのか・・・というのはさておき(苦笑)。
ミツマタは、ギガンのような巨漢に掴まれ振り回されると弱いか。
巻き付いて絞め殺すのを期待していたのですが(笑)。
ギガンがミツマタにトドメを指そうとした正にそのとき──
待ってました!
やっと到着、主人公!
到着したかと思ったら、もう倒した!?
ボッジの勇姿をじっくり見たかったのですが(笑)。
久しぶりの再会&王妃ヒリングの無事を喜ぶ間もなく、ミツマタを助けるよう願うボッジ。
それが、ポーションを使い果たしてしまって。
もう力を出せないの・・・。by 王妃ヒリング『王様ランキング』TVアニメ第14話
鎧の下に、あれだけ大量に仕込んでいたポーションも使い果たす。
ドルーシに使いすぎた?
いいえ、それも物語を盛り上げるのに一役買っているのです(笑)。
原) 大手柄!ではなく・・・
はい。(と言ってポーションを出す)
まだまだあるぜ。by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第14話
体力が尽き、ポーションもないので、力を使えないという王妃ヒリングに。
カゲは、惜しげもなくポーションを差し出す。
なぜカゲはこんなに大量のポーションを持っていたのでしょうか?
原作にその入手元が描かれていました──
こいつは金になりそうだ。
グヘヘ。※アニメでは全文カット
by カゲ『王様ランキング』コミック7巻
ボッジがダイダとの試合で大ケガをしたとき。
ベッドで寝ているボッジを、王妃ヒリングが治癒しました。(3話)
王妃ヒリングは大量のポーションを部屋へ持ち込み、ボッジに力を注ぎます。
その様子を見ていたカゲ。
余ったポーションをくすねていたのです(苦笑)。
だから、ボッジに感謝されても気まずかったので──
ボッジ、よせやい!
まだ早いぜ。
ミツマタを治してからだっ。by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第14話
などと格好を付けて、ごまかしたのです(苦笑)。
後に──
オレは疑われても仕方ねえ人間だ。
それだけのことをしてきたもの。by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第14話
と言ったのも、直前に色んなものを盗んだことを思い出していたからなのかもしれないですね。
ちなみにポーションは激マズ。(3話 )
王妃ヒリングは、それをがぶ飲みして、力を使っているのです。
何も言わないですが、きちんと自分の役割を認識しているのです。
意図して割った
偶然ではありませんよ?
by デスパー師匠『王様ランキング』TVアニメ第14話
デスパー師匠は、なぜここで「偶然ではありません」と言ったのでしょうか?
はい。
ダイヤモンドが割れたのは偶然ではない、という意味ですね。
デスパー師匠は、意図的にダイヤを割ったのです。
どうやって?
そう、床に落として割りました。
ダイヤの割れやすい箇所を見定め、その点に力が加わるよう落として割ったのです。
簡単なシーンですが、デスパー師匠、とんでもないことをしでかしているのです(笑)。
そのように理解して、アニメのシーンを見ると──
確かに、直前ダイヤを見定めてますね(笑)。
分かりにくいですが、アニメでもキチンと再現されていますよ。
一瞬で急所を突いた?
ボッジに向かってきた罪人ギガンを倒したボッジ。
巨大な石トンカチを砕いたのは、回想シーンでデスパー師匠が言っていた、繋がりの弱い所を突いたのでしょう。
では、罪人ギガンを倒したときは、どこを突いたのでしょうか?
実は、私は最初、足の裏を突いたのだと思ってました。
足の裏に急所があるのかと(苦笑)。
原作をよく読んで、アニメを見て確認しました。
実はどちらもはっきりとは描かれてません(苦笑)。
足裏ではないようにも取れます。
原作には擬音(オノマトペ)が描かれているので、罪人ギガンの動作が分かりやすくなってます。
罪人ギガンはボッジが針剣を構えるのを見て、「ゾッ」として、すぐさま後ろ方向へ飛び上がってボッジの突きを避けます。
原作を見る限り、完全にボッジの剣は罪人ギガンに届いていません。
が、次の瞬間倒れる。
ボッジが見えない速度で、罪人ギガンのどこかを刺したのだと想像できます。
ただ、どこを刺したのかは不明。
足裏にはツボがあるので、それのどこかを突いたのでしょうか?
それとも、全く別の箇所を突いたのでしょうか?
原) それぞれに思う人あり
何を物思いにふけっているのかしら?
by 王妃ヒリング『王様ランキング』TVアニメ第14話
王妃ヒリングとボッジの再会を優しい目で見ているのに、辛辣な言葉(笑)。
ヒリング様それはないでしょうーと思っていたら、原作を読んで理由が分かりました。
アニメでは、ドルーシがボッジと前王妃シーナ、ボッジと王妃ヒリングを思い出しています。
が、原作では思い出しているのはドルーシだけではありませんでした。
カゲは自分の母との思い出。
ミツマタはベビンとの思い出(苦笑)。
それぞれが目をつむり頬を赤らめ思い出に浸っているものだから、王妃ヒリングは上記セリフを投げかけたのです。
禍々しさはカゲの呪いか
でも得体もしれないし、禍々しさも感じるわ。
by 王妃ヒリング『王様ランキング』TVアニメ第14話
さすが、魔法の鏡・ミランジョも、一目で見抜いた王妃ヒリング様!
禍々しいモノを見抜くのは優れています。
決して、カゲの姿を見て禍々しいと思ったのではないでしょう。
元僧侶として、魔法の鏡同様、何か感じ取ったのではないでしょうか。
デスハー王曰く、カゲは呪いにかかっています──(5話 )
ありゃりゃ、二人とも既に呪われてる。
呪いガスで死なないわけだ。一人は力を奪われた巨人。
黒いのは神に嫌われ姿を変えられた影一族だ。by デスハー『王様ランキング』TVアニメ第5話
カゲは「神に嫌われ姿を変えられた影一族」。
この呪いを、王妃ヒリングは「禍々しい」と感じたのではないでしょうか。
魔物も助ける
苦しそうだな。
by 影『王様ランキング』TVアニメ第14話
さっきまで二人に襲いかかってきた魔物達。
ボッジが悲しそうな目を向けていると、王妃ヒリングはためらうことなく治療する。
そう。
ミツマタを助けた時と同じですね。
王妃ヒリングは、ミツマタや魔物に愛着があるわけではありません。
ボッジの心を癒やしたいのです。
ボッジを傷つけるモノがあれば排除し、ボッジが悲しむような事があれば手を差し伸べる。
不器用な王妃ヒリングは、ずっとそうしてボッジに接してきたのです。
たとえ、さっきまでドルーシをかみ殺そうとし、隙あらば王妃ヒリングまでも狙った魔物らであったとしても。
ミツマタだって、最初はボッジを噛んだが治療後はずっと仲良く。
ずっと時が経ち、こうして助けてくれた。
ボッジが選んだ選択を、母として、王妃として信じているのです。
治療された魔物が、王妃ヒリングの所へ近づいていきました。
ドルーシが前に立ちはだかり、魔物を王妃ヒリングに寄せ付けません。
原作には、魔物が何をやろうとしていたのか描かれています。
魔物は、王妃ヒリングに助けられたと理解し、好意を持ってすり寄ろうとしたのです。
原作では”あの”魔物が、犬のように喉をゴロゴロ言わせながらすり寄ろうとしているシーンが描かれています。
悲しいかな人間達は誰も気付いてないので、王妃ヒリングに近づくことは許してもらえませんでしたが(苦笑)。
心温まるシーンなので、ぜひ原作をご覧下さい。
強い者に従う習性か?
お前の強さを!
ボッジを認めたんだっ。by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第14話
2度もボッジに倒された、罪人ギガン。
ギガンから見ると、小人にしか見えないボッジに、頭を下げます。
これはどういうことなのか?
罪人ギガンは、登場時、鎖を付けられキングボに従っていました。
自分より強い者に忠誠誓う習性があるのかもしれないですね。
キングボがいなくなった今、主を失った。
主を探していたのかもしれません。
そこへボッジが現れた。
ボッジは、ギガンに傷一つ付けることなく気絶させた。
そんな行為は、強さの差が相当ないとできないこと。
なので、ギガンはボッジの強さを認めたのではないでしょうか。
自覚がないのは王妃ヒリングも同じ
あの子には、自覚がなさ過ぎよ!
by 王妃ヒリング『王様ランキング』TVアニメ第14話
カゲを友達扱いするボッジを見て、王妃ヒリングは心配する。
王子ともあろう者が、どこの馬の骨かも分からないカゲを信用しすぎだと。
が、ミツマタの言うように、カゲは既にボッジの命を何度も救っています。(5話 )
- 塔から落ちた時、クッションとなり
- 毒入り肉を食べさせられそうになったとき、邪魔をする
- 冥府の崖へ突き落とされたとき、ロープを使って助ける
誰がなんと言おうと、ボッジにとってカゲは親友なのです。
それに王妃ヒリングがボッジに言う資格はありません。
なぜなら、王妃ヒリングも危険を顧みずドルーシや戦士アンを助けているのです。
本来なら、王妃たるもの、部下を犠牲にしてでも生き残らなければならない立場。
なんだかんだといいながら非情に徹しきれない王妃ヒリング。
王妃ヒリングとボッジ王子。
二人は血は繋がってないですが、実は、二人とも優しさという所では似たもの同士なのです。
オウケン捕獲
オウケンと戦っていた冥府騎士団も次々とやられ苦戦していた。建物の影から見守っていた人物は──。
原) 首まで切り取っていた
一体、どうすれば・・・
by 冥府騎士団 隊長『王様ランキング』TVアニメ第14話
腕を切り落とし、胸を切りつけても復活するオウケン。
隊長は、どうすればオウケンを倒せるのか悩みます。
原作では、隊長は、オウケンの腕だけでなく首も切り落としています。
それでも、切り飛ばされた部位が本体に引き寄せられすぐに復活。
だから、隊長は「一体、どうすれば」と途方に暮れたのです。
オウケンの弱点は雷!?
これは!?
デスハー様の雷だ!by 冥府騎士団 隊長『王様ランキング』TVアニメ第14話
不老不死のオウケンを捕らえることができない冥府騎士団。
デスパーがボッス王国へ到着、デスハー王と連携し、オウケンに雷を食らわし動きを止める。
オウケンは、不老不死だが雷で一時的に動きを止めることが可能なようです。
前話、王妃ヒリングの目くらましでオウケンは逃げました。(13話 )
ホーリーライト!
── (逃げ出すオウケン)
ただの目くらましだったのに・・・by 王妃ヒリング『王様ランキング』TVアニメ第13話
オウケンが恐れていたのは、デスハー王の雷攻撃。
王妃ヒリングのホーリーライトを雷だと思って逃げた・・・
いや、そんなの何も体に変化がないのだから、違うと分かるはず。
つまりオウケンは、そんな判断もできない。
王妃ヒリングの目くらましで、ただ単に雷を思い出し、恐怖を覚え逃げ出した。
オウケンの思考能力は、動物並み、本能で動いているのではないでしょうか。
もはや、自我すら失われている。
もう人間ではないのですよ。by デスパー師匠『王様ランキング』TVアニメ第14話
自我が失われている、人間ではないとは、そういう意味だったのです。
アピスが、オウケンを見ても強さを感じなかった。
確かにオウケンは特別強いわけではない。
なぜなら、他者の攻撃はことごとく当たっているのです。
ただ、すぐに復活するだけ。
強いのではなく、倒せない殺せない。
それがオウケンの強さだったのです。
優しく最強の騎士団を作りたい。
by オウケン『王様ランキング』TVアニメ第14話
騎士団を作ろうとしていたオウケン。
正常な頃はもっと強かったのでしょう。
自我を失い頭を使った戦い方ができなくなったから、戦い自体は弱くなってしまった。
いや、攻撃されても不死の力で復活するから防御する必要もなく。
ただただ単調な攻撃をするスタイルになったという感じでしょう。
間に合わなかった!?
いやはや、危ないところでしたね。
・・・いや、遅かったか。by デスパー師匠『王様ランキング』TVアニメ第14話
何が遅かったのか?
なんとなく分かりますよね。
既に大勢の住民や冥府騎士団が殺されて?しまいました。
決して間に合ってないのです。
原作では、デスパー師匠は、倒れた部下(騎士団員)を見て「遅かったか」と言ってます。
ギリギリのところで隊長を助けることはできたが、それ以外に騎士団はやられてしまったのです・・・。
ただ、朗報もあります。
原作で描写されている冥府騎士団は、倒れてはいますが「う~ん、う~ん」と唸っています。
苦しんではいますが、まだ死んではいないのです。
オウケンを元に戻すカギはミランジョ!?
デスパー:でも見捨てませんよ。
隊長:それが、デスハー様のミランジョ討伐の真の目的ですか?
デスパー:そうです。by 『王様ランキング』TVアニメ第14話
デスハー王は、オウケンを助けるために、ミランジョを討伐する!?
なぜオウケンに対して今まで何もしなかったのか?(できなかった?)
なぜミランジョが出てきてオウケンを戻す望みが出てきたのか?
考えられるのは、ミランジョが持っている力。
デスハー王は、オウケンがいなくなったとき、こんなことを言ってました──
お前の責任ではない。
これは外部の何者かが手引きしているぞ。失われたはずの力を使ってな・・・
by デスハー王『王様ランキング』TVアニメ第11話
ミランジョが使っているのは「失われたはずの力」。
失われたはずの力に、オウケンを元に戻すヒントがあるのでしょうか?
そして、目指すは「冥府の門」。
ボッス王国側の冥府の門には確かドーマスとホクロ達が。
ボッス王の狙いは、このことを見越していたのか!?
ならば「冥府の門の破壊」は、デスハー王の進軍を防ぐため!?
やはり、ボッス王はミランジョ推しなのか・・・
そして、その地下へはミランジョが!?
いや、ミランジョは罪人らに拉致され、どこへ行ったのか分からない!?
内乱の第二ラウンドは、地下か、冥府の門か?
うーん、次話も楽しみです!
おわりに (『王様ランキング』14話とは)
ボッジは本来虫も殺せぬ優しい心の持ち主。
だから王妃ヒリングは、ボッジを強くあらねばならない王にしたくなかった。
だが、ボッジは強くなって戻ってきた。
それも、人を傷つけずに倒す技術を身につけて・・・。
そう考えると、デスパー奥義は、ボッジにとってピッタリの技。
いや、優しいボッジだから、殺戮せずに使いこなせるのか。
相手を傷つけずに倒し慈悲を与え、あるいは圧倒的な強さを示し従わせる。
優しさと強さを兼ね備える、私には理想の強さに見えます。
そして、気付くとボッジの傍らには、命を賭けて守ってくれる仲間がいる。
もうボッジは一人ではないのです。
ボッジが王になるのは、まだ先でしょう。
でも、このスタイルで強くなれるなら、ボッス王を超えるランキングを目指せるのではないか。
物語が向かう方向性がちょっと見えてきた今話でした。
以上、TVアニメ『王様ランキング』第14話の感想&考察レビューでした。
超長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。
15話のレビューも書いています。
良かったらご覧ください。
ではでは。
ボッジさん、針剣は折れるから投げちゃダメ!
今週の感想ツイート
#王様ランキング 14話
— 時文@ここアニ(ブログテーマ移行中) (@toki23_a) January 21, 2022
ボッジの技は綻び突くが
ボッジの絆は強い繋がり
絶体絶命の危機に現れたのは…そう来たか😆
ドルーシの献身的奮闘が
ヒリングの過去の善行が
巡り巡って命を繋ぎ、真打ち登場間に合わせる❗️
戦闘後、優しき王子が取った選択は…
その選択を信じる母がこれまた良き👍
関連記事
アニメ『王様ランキング』第15話のレビューはこちら!