こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『王様ランキング』第9話「王妃と盾」を鑑賞しました。
本レビューではアニメ感想だけではなく、原作コミック情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。
皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
今話の原作
今回、アニメ化されたのは、コミック──
- 5巻56~63話
原作では、ボッジ側の免許皆伝後の話が先にあって(4巻)、その後今回のダイダ側のヒリングエピソードが(5巻)が描かれます。
アニメは大きく構成を変え、先にダイダ側を描くようです。
ボッジの成長は、後のお楽しみってやつですね(笑)。
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレはありません。
アニメ感想
+
原作コミックを読んで分かった情報を加味して「解説・考察」
私は原作コミック未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成しています。
よって・・・次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください。
全23話 各話リスト
話数 | サブタイトル | 原作 |
第1話 | 裸の王子 | 1巻 |
第2話 | 王子とカゲ | |
第3話 | 新しい国王 | |
2巻 | ||
第4話 | 初めての旅 | |
第5話 | からみあう陰謀 | |
3・4巻 | ||
第6話 | 冥府の王 | |
第7話 | 王子の弟子入り | |
第8話 | 夢のいけにえ | |
第9話 | 王妃と盾 | 5巻 |
第10話 | 王子の剣 | 4巻 |
第11話 | 兄と弟 | 4・5・6巻 |
※ 話数:リンクは各話レビューへ
今回のあらすじ
ボッス王がダイダの体を乗っ取ったと知り、王妃ヒリングはショックで気を失ってしまう。
寝込んでいる王妃ヒリングに、ミランジョが調達した魔獣が放たれる。
魔獣の前に立ちはだかったのは、四天王ドルーシ。
ボッス王は暗殺を了承しておきながら、ドルーシに事前予告!?
一体、何を考えているのか・・・。
ドルーシは、王妃ヒリングの護衛役。
ボッス王は、まさかずっと以前から王妃ヒリングが襲われることを想定していた!?
護衛を任された当時、ドルーシが思ったことは──
ボッス王の影響下にある国内で、一体誰が王妃を襲うというのか・・・
大きな疑問を持ちつつ、始まる護衛役。
王妃ヒリングのキツい性格の中に、強い信念と、子供への愛情を見る。
「守る価値がない」人などいない。
生前のボッス王の命で、王妃ヒリングの護衛役。
復活したボッス王は、王妃ヒリングの暗殺を許可・・・
矛盾した指示に戸惑うドルーシ。
だが、ドルーシが取った選択は・・・
優しき盾となる──「王妃の盾」誕生秘話的エピソード。
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第9話「王妃と盾」
ボッス王 正体を明かす
ボッス王は、王妃ヒリングに、ダイダの体を乗っ取ったと伝える。
正体を明かした理由は?
ダイダの体を乗っ取ったボッス王。
幹部以外には秘密にするのかと思ってましたが、全く気にしてないですね(苦笑)。
兵士の前でも、ダイダとは圧倒的に違う力を発揮し、隠す様子なし。
王妃ヒリングには、あっさり言ってしまいます──
ヒリング。
お前には息子のダイダに見えてるんだろうが、私はボッスだ。by ボッス王『王様ランキング』TVアニメ第9話
凄まじいオーラや圧倒的な力を見て、ドーマスやドルーシは、すぐに本物のボッス王だと確信します。
が、普通の人である王妃ヒリングは、圧倒的な強さを見ても気付きません。
なのに・・・
ボッス王は、わざわざ王妃ヒリングに自分の正体をバラしました。
ダイダの体を乗っ取ったなど、王妃ヒリングの感情を逆なでするのは分かりきったこと。
進んで明かすことではない内容です。
この手の展開でよくあるのは、自分が生き返ったのを相手に喜んでもらうために明かす・・・
でも、ボッス王にそのような感情は伺えません。
ボッス王が王妃ヒリングを嫌っているという意味ではなく、ダイダの体を奪ってしまったのが問題。王妃ヒリングも、ボッス王復活よりも、ダイダがいなくなったのを気にかけています。
ボッス王は、王妃ヒリングは自分の事よりも当然ダイダの事を心配するだろうと予想していたでしょう。
ならば、尚のこと、王妃ヒリングには黙っておいた方が良かったのでは?
なぜなら──
ボッス王は、ミランジョの「王妃ヒリング暗殺計画」を許可。
暗殺計画を確実に遂行するなら、いらぬ波風は立てない方がいい。
それなのに、なぜ明かしたのか?
私には、ボッス王が”ダイダの体を使って”復活したのは、ボッス王の想定外だったと感じます。
だから「ダイダの体を乗っ取り申し訳ない」という意味を込めて、王妃ヒリングに正体を明かしたのではないでしょうか。
その事実を知り王妃ヒリングがどのような行動を取ろうと、構わないと覚悟をして・・・
王妃ヒリングへの申し訳ない気持ち。
暗殺計画に支障を与えるような、ドルーシへの囁きと、王妃ヒリングへの正体バラし。
これらから、ボッス王は、王妃ヒリング暗殺を許可はしたが本意ではない、と読み取れますね。
過去編:ドルーシ
ドルーシは王妃ヒリングの護衛を任された頃を思い出す。
キツい性格?不器用な性格?
不器用なお方だ。
by ドルーシ『王様ランキング』TVアニメ第9話
ドルーシが護衛についても近寄るな、と言う王妃ヒリング。
理由は、大きなドルーシが近寄ると、ボッジが警戒するから。
だけど実際は、ヒリング自身が、ドアを乱暴に開けボッジに対して威圧的(笑)。
逃げれば追いかけ、押しの一方。
そのくせ、実母シーナを忘れられないボッジに、手話を覚え寄り添おうとする。
性格は激しいが、誤りはすぐに認める。
「不器用なお方だ」は、アニメオリジナル。
原作は、ボッジに手話が通じず世話係に文句を言った時、ドルーシは王妃ヒリングを「キツい性格のお方だ」と評価し、その後はセリフなしで綴られます。
ヒリングを「キツい性格」と見なしていながら、ボッス王の前で「守る価値はある」と断言する展開が、意表を突く形になってます。
ドルーシだから王の命令を無視して王妃を守った
宰相ソリー:あなたは優しすぎる。王のそばには、感情を殺し冷静沈着に任務をこなせるアピスが適任なのです。
ボッス王:ヒリングに守る価値はあるか?
宰相ソリー:王妃に対して、ひどい言い方ですな。ボッス王:どうだ、ドルーシ?
ドルーシ:私にそんなことは決められませんが・・・あります。誰だってそうでは?ボッス王:適材適所だな。
by 『王様ランキング』TVアニメ第9話
王の傍には、冷静沈着に任務をこなすアピスが適任。
逆に、王妃の傍には、物事を感情で判断する者が適任ということか。
そこで、ドルーシに白羽の矢が立ったのです。
確かに、今回の「王妃ヒリング暗殺計画」。
ボッス王はこんなことを囁きました──
ヒリングを狙う魔物が放たれた。
私がそれを許した。ヒリングか私、お前はどちらに付くのか?
by ボッス王『王様ランキング』TVアニメ第9話
ボッス王のセリフは、王の命として「王妃ヒリング暗殺計画」を実行したと同義。
その上で、王の命令に従うのか?
王の命令を無視して、王妃ヒリングを守るのか?
と問うたのです。
感情を殺し冷静沈着なアピスなら、王妃ヒリングを守らなかったかも・・・
冷静沈着ではありませんが、上の命令に従う、ドーマスも守らなかった可能性が高いですね。
アピスとの違いは、感情を殺すことができないので、王妃ヒリングが殺された後、大いに後悔したでしょう(苦笑)。
ドルーシだから、ボッス王の忠告を無視して王妃を守ったのです。
そう解釈している私にとっては──
もちろん。
私はあなたを守れますよ。by ドルーシ『王様ランキング』TVアニメ第9話
ドルーシのセリフは、何倍もの強い決意を持っているように聞こえるのです。
ボッジは、いつの間にヒリングに懐いた?
いつの間に!?
by ドルーシ『王様ランキング』TVアニメ第9話
原作では、王妃ヒリングがボッス王へ謁見、ドルーシは護衛として付き添います。
謁見が終わり王妃ヒリングは退出しますが、ドルーシだけ呼び止められ先の質問がされました。
この僅かなやりとりの間に、ボッジがヒリングに懐いていたのでドルーシは驚いたのです(笑)。
王妃ヒリングが、ボッジが懐いてくれないと悩んでいましたが・・・
ドルーシがちょっと離れていた間に、二人の距離は縮まっていた。
ボッジが王妃ヒリングに心を開いたのは、ヒリングが治癒魔法でミツマタを助けたのがキッカケです。(3話)
つまり、ドルーシがボッス王と話している間に、このやりとりがあったということですね。
ちなみに、ヒリングとボッジが走り出しドルーシが追いかけるシーンは、原作では別の日です。
だから、ヒリングの服が違うのです。
王妃ヒリング暗殺計画
ボッス王がダイダの体を乗っ取ったと知り、王妃ヒリングはショックで気を失ってしまう。寝込んでいる王妃ヒリングに、ミランジョが調達した魔獣が放たれる。
ボッス王の助言で備えるドルーシ
ヒリング様を絶対に外に出してはいかんぞ、分かったか。
by ドルーシ『王様ランキング』TVアニメ第9話
昼間に、ボッス王から警告?助言?を受け、王妃ヒリングの傍らから一時も離れないドルーシ。
それにしても──
襲撃されると分かっているのなら、もっと護衛を増やせばいいのに・・・
「王妃ヒリング暗殺計画」なんて公にできないから、動けなかった?
いや、ボッス王が許可をしたのだから、それを防ぐために兵を動かすのは不可能か。
下手に兵を起こすと、内乱になってしまいます。
いや、王妃ヒリング側に、兵を起こす勢力なんてなし、か・・・
大体、ボッス王国は、ボッス王が圧倒的な強さを誇り、反対勢力など起こりえない。
兵を起こしても、ボッス王に刃向かうことは不可能だと思われます。
だから、ドルーシ一人で対抗しなくてはならなかったのでしょう。
もしくは、一人で守れると思ったのかもしれないですね。
もう一つ考えられるのは──
ヒリングを狙う魔物が放たれた。
私がそれを許した。ヒリングか私、お前はどちらに付くのか?
by ボッス王『王様ランキング』TVアニメ第9話
ボッス王が「王妃ヒリング暗殺計画」を許可。
王妃ヒリングとボッス王、どちらに付くのか選択を迫られ、”この時”はドルーシも迷っていたのかもしれないですね。
アニメでは、魔獣の気配を感じてドルーシは王妃ヒリングの部屋を出ました。
が、原作では、魔獣の気配を感じる前に部屋を出て扉の前で待機します。
魔獣が近寄ってきた頃には、ヒリングは目を覚ましています。
恐らく、ドルーシが部屋の外で戦っていたのを音と振動で感じていたでしょう。
だから、戦い終わった瀕死のドルーシをすぐに治癒できたのだと思われます。
原) 四匹しかいなかった
敏捷でなおかつ攻撃力に優れているこいつらは、ギガンテスすら群れで倒すという。
by ミランジョ『王様ランキング』TVアニメ第9話
ミランジョが王妃ヒリング暗殺に用意した魔獣は四匹。
ボッス王に一匹倒されたので、三匹でドルーシと対峙することになり計画は失敗。
魔獣なんて、予備としてもっと連れてくれば良いと思ったのですが、四匹が限界だったのでしょうか?
群れをなして戦う魔獣。
元々群れで行動している魔獣を探していたようです。
元々同じ群れで動いている魔獣らの方が、既に連携を取っているからでしょうか?
原作を読むと、はっきり読み取れるのですが──
ミランジョは、群れをなす魔獣を探しており、見つけた魔獣の群れがたまたま四匹だったのです。
四匹か・・・まあ良い。
お前たちを連れていこう。※アニメでは全文カット
by ミランジョ『王様ランキング』コミック5巻
アニメでも、他に魔獣の影がチラリと映りましたが、どうやらメス?と子供達のよう。
闘争本能を持っているのはオスのみだと思われます。
王妃ヒリングに護衛を付けたことが証拠か
「ヒリングを狙う魔物が放たれた。
私がそれを許した。ヒリングか私、お前はどちらに付くのか?」
ある時は守れと、そして今は・・・
ボッス様、あなたは何をお考えか・・・by ドルーシ『王様ランキング』TVアニメ第9話
数年前は、ドルーシに王妃の護衛をするよう命じたにも関わらず。
今回は暗殺を計画しているので、邪魔をするなと暗に釘を刺すような言葉。
一体ボッス王のどちらの言葉が本心なのか、それとも心変わりでもしたのか・・・
深掘りしましょう♪
私はドルーシが護衛に付いた時を基軸に考えました──
なぜ私は「王の槍」を降ろされ、新しい王妃様の護衛に・・・
それにボッス様の威光が届くこの平和な国で、一体何から守るのです。by ドルーシ『王様ランキング』TVアニメ第9話
ボッス王の強さは世界一。
そのボッス王が治める国は平和そのもの。
ドルーシのセリフにあるように、国外ならいざ知らず。
ボッス王の威光が届く、国内、それもほとんど城内にいる王妃ヒリングになぜ”四六時中”護衛が必要なのか?
ボッス王とドルーシのやりとりの中では、「王妃ヒリングの守るべき価値」は議論していますが、「誰から守るのか」は触れていません。
そう考えていくと、思い付くのは・・・
ミランジョはもっと以前から、王妃ヒリング暗殺を企てていたのではないか?
もしくは、その懸念があった。
だから、ボッス王はドルーシに王妃ヒリングの護衛を命じた。
でも、ドルーシにミランジョのことを明かしてないことから、当時からミランジョには逆らえない?頭が上がらない状況だったのか。
ヒリングが王妃になった頃からミランジョが暗殺を企てていたのなら、もっと恐ろしい事実に繋がります。
ドルーシが王妃ヒリングの護衛に付いたのは、ヒリングが城に来た直後です。
だからボッジにもまだ心を開いてもらえてなかったのです。
この頃から、ミランジョの暗殺が予想されていたということは・・・
ボッジの実母、王妃シーナの死が気になります・・・。
王妃シーナが暗殺されたので、王妃ヒリングの身を案じた。
なんて考えは、荒唐無稽でしょうか?
でも、そうだとすると、なぜそこまでされて、ボッス王はミランジョを許しているのでしょうか?
一体、二人の間に何があるのでしょうか・・・
ボッス王の狙いは、もしかして・・・
私はお前が望むことを実現したい。
by ミランジョ『王様ランキング』TVアニメ第9話
ミランジョの「王妃ヒリング暗殺計画」を許可しながら、暗殺が失敗するように手を回す・・・
ボッス王の狙いはどこにあるのでしょうか?
その前に──
ボッス王は、暗殺が失敗するよう”本気”で手を尽くしたのでしょうか?
答えは断言できます──「否」ですね。
意外ですか?
確かにボッス王は事前に魔獣の強さを把握し、ドルーシなら大丈夫と確信したかもしれません。
#詳細は前話のレビュー をどうぞ
もしかすると、魔獣一匹倒したのは、四匹ではキツいので一匹減らしたのかも。
事実、ドルーシは三匹相手にギリギリの戦いでした。
では、問います──
なぜ、ボッス王はドルーシに脅すようなことを言ったのでしょうか?
ヒリングを狙う魔物が放たれた。
私がそれを許した。ヒリングか私、お前はどちらに付くのか?
by ボッス王『王様ランキング』TVアニメ第9話
王妃ヒリングを助けたいのであれば、ドルーシに「ヒリングを頼む」と言えばいい。
ドルーシの性格なら、ボッス王の一言で奮起したでしょう。
そもそも、助けたいのであれば、暗殺を許可しなければいい。
ミランジョに逆らえないのであれば、暗殺計画を話すことも不可能。
暗殺計画を話したということは、裏では反抗できるという証拠。
ミランジョに聞こえないよう小声で話せばOKなら、小声でもっと明確な指示を出せば良いのです。
なぜ、ミランジョから見えない所でまで、今回の暗殺を本気で阻止しようとしなかったのか。
ここが今話の最大の矛盾点で、かつボッス王の狙いが読めない理由です。
ここからは想像も入った推測です。
あまり根拠が示されてないので、ボッス王の行動から逆算して導き出した結論です。
話半分くらいで聞いて下さいね(苦笑)。
ボッス王は、ドルーシを試したのではないでしょうか?
王妃ヒリングの命を使って・・・
その先には、ドルーシの命だけではなく、国の命運のことも考えて。
そう考えていくと、ボッス王の言動、行動に筋が通るのです。
では、ボッス王が、ドルーシの何を試したのか?
- ボッス王の命令に背いてまで、王妃ヒリングを守ろうとするか?
⇒ ドルーシの信念を試した
ここで、ドルーシを王妃ヒリングの護衛に付けた適材適所な配置が活きてくるのです。
ボッス王がドルーシを護衛役にしたのは、誰が相手であろうと、例え王が相手でも王妃ヒリングを守れという願いを込めたのです。
もう少し掘り下げてみましょう。
ボッス王が、このようなことを試したということは──
ボッス王がドルーシ達の、完全な敵になる展開が予想できます。
あるいは、ボッス王よりも手強い奴が、立ちはだかる。
だから、この程度で敗れてしまっては、この先未来はない。
もっと強くならなければいずれ滅びてしまう。
ボッス王のことです、この程度のことを考えていたのではないでしょうか。
これが──
私はゆがんだ存在だな。
by ボッス王『王様ランキング』TVアニメ第9話
時を待て。
私も流れに身を任せるだけだ。by ボッス王『王様ランキング』TVアニメ第9話
の真意なのではないでしょうか。
ボッス王と対峙
ヒリングはボッス王に、ダイダの体を返すよう直談判する。
ヒリングは最初からダイダのためだけ
ドルーシ:ヒリング様を狙ったのが、ボッス様だと断言はできません。
ヒリング:何か関わっていることは確かよ。堂々と正面から問いただします。by 『王様ランキング』TVアニメ第9話
アニメ鑑賞時、このセリフと、この先の展開との繋がりが、意味が分かりませんでした(苦笑)。
アニメ鑑賞時、このセリフから──
王妃ヒリングは、自分を暗殺しようとしたことをボッス王に問いただすのだと思ってました。
が、結果はダイダのことばかり・・・。
いや、いいんですよ((笑)。
息子ダイダのことを気にかける、健気な母親像は素晴らしかったです。
でも、先のセリフとの繋がりが不明でした。
が、原作を読んですっきり。
このセリフ、アニメは原作とは違います──
ドルーシ:ヒリング様を狙ったのがボッス様だと断言はできませんが、しかしなんらかの関与はしています。
ヒリング:なら私は堂々と正面から行くまでよ。
by 『王様ランキング』コミック5巻
原作では、ボッス王が暗殺に絡んでいると言っているのはドルーシです。
つまり、ヒリングは、ボッス王に暗殺のことを問いだそうとしているのではありません。
やはり、ダイダのことを問いただそうとしていたのです。
ダイダのことを問いただそうと、ボッス王に直談判する直前──
ドルーシは、ボッス王はヒリング暗殺に関与してるから”むやみに近づいてはいけない”と警告しているのです。
それに対し、王妃ヒリングは「なら堂々と正面から」と答えた意味は──
暗殺という裏の手段でしか手を出せないのなら、表だって殺すことは避けたいはず。
だから、堂々と正面切って直談判したのです。
ここまで理解すると、王妃ヒリングがナイフを持ってボッス王に斬りかかったことが如何に無謀で、かつ思い切ったかが分かりますね・・・
逆に言うと、王妃ヒリングはそこまで切羽詰まっていたということです。
ボッス王は意図的に聞かせた?
母上っ、母上ーーっ!
by ダイダ『王様ランキング』TVアニメ第9話
突然、王妃ヒリングに聞こえた、息子ダイダの声──
ヒリングの声が届いたのでしょうか?
いいえ、私は違うと思います。
ダイダの声が聞こえる直前、ボッス王は目を閉じ集中しています。
ボッス王の力か、念力か?
ボッス王の意思を弱めれば、体内のダイダの声が外に漏れるのか?
それとも、どこかにいるダイダと意識だけでも繋がっているのか?
ただ、明らかにボッス王はダイダの声を王妃ヒリングに意図して聞かせています。
だから、王妃ヒリングがダイダの声が聞こえたと言っても、ボッス王は眉一つ動かさず・・・
周囲が、王妃ヒリングが幻聴でも聞いておかしくなったと思っている中、ボッス王は平然としていました。
そして、挙げ句の果てに、ナイフを振りかざした王妃ヒリングに対しても無抵抗・・・
ボッス王は、この時も、流れに身を任せるつもりだったのでしょうか・・・
それとも、単にダイダに意識を預け、動けなかっただけでしょうか・・・
頼みはボッジ?
死にたくなければ国から離れよ。
そして時を待て。私も流れに身を任せるだけだ。
by ボッス王『王様ランキング』TVアニメ第9話
「死にたくなければ」の意味は、ミランジョが冥府から更に強い刺客を連れてくるからでしょう。
ただ、同時にボッス王はドーマスに「冥府に繋がる入り口を壊せ」と指示。(8話 )
更に混沌が予想されるボッス王国。
ボッス王は何をしようとしているのか?
うーーん、楽しみです。
一方、暗闇に閉じ込められたダイダは──
何も見えず、何も聞こえない。
押し寄せてくる不安との戦い。兄上の世界もこんな感じなのか・・・
by ダイダ『王様ランキング』TVアニメ第9話
母親ヒリングやボッジを卑下していたダイダ。
無の世界に閉じ込められ、本当の孤独を知るダイダは、ボッジの気持ちに寄り添う。
EDの「一人ぼっちには、させないでよ」が、今はダイダのことのように聞こえます・・・
おわりに (『王様ランキング』9話とは)
最強の盾、王妃の盾・ドルーシ誕生秘話。
そして、王妃ヒリングの子供への愛情。
前話まではボッジに対して深い愛情を見せていましたが、今話はダイダに対して無償の愛を注ぎます。
母は強し。
例え相手が最高権力者でも、子供のためなら関係ない。
主人公ボッジの出番はないのに、なんですか、この充実感(笑)。
本作は脇役も素晴らしい。
悪役が段々絞られてきました。
敵はミランジョか。
でも、ボッス王もミランジョを放っておけない様子。
それに、本作のことですからミランジョにも深い理由があるのでしょう(苦笑)。
ボッス王は、魔神との契約でボッジを非力にしたが、ボッジのために国を作る。
ドーマスは、ボッジを暗殺しようとしたが未遂に終わり改心。
ダイダは、王となり天狗状態だったが、貶められ目下反省中。
本作は、失敗をしても、立ち直りの機会を与えてます。
いや、取り返しの付かないことをしても、やり直しているのです。
きっとこれからも力強い物語を見せてくれるでしょう。
一方、ボッジの免許皆伝後と、選択した武器が気になりますが、今回は全く進展なし。
原作では、先にボッジ側が描かれています(4巻)。
アニメは構成を変えて、5巻の内容をアニメ化。
でも、実は時系列で言うと正しいのです。
原作でボッジが免許皆伝したのは、修行を始めてから3ヶ月後。(7話 )
今回描かれた内容は、それよりも前の出来事です。
アニメは、正しい時系列で見せているとも言えるのです。
以上、TVアニメ『王様ランキング』第9話の感想&考察レビューでした。
長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。
10話のレビューも書いています。
良かったらご覧ください。
ではでは。
ドルーシさん
鎧は普通に脱いだ方が良いのでは(笑)
今週の感想ツイート
#王様ランキング 9話
— 時文@ここアニ(ブログテーマ移行中) (@toki23_a) December 10, 2021
ボッス王はこの展開を予想してた❓
ボッス王影響下で一体誰が襲うのか
大きな疑問を持ちつつ始まる護衛役
キツい性格の中に強い信念を見る…
守る価値がない人などいない👏
守れと言いながら、暗殺を許可
矛盾した指示に戸惑うドルーシ
だが結果は…
優しき盾の誕生秘話👍
関連記事
アニメ『王様ランキング』第10話のレビューはこちら!