こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『王様ランキング』第21話「王の剣」を鑑賞しました。
本レビューではアニメ感想だけではなく、原作コミック情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。
皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
今話の原作
今回アニメ化されたのは、原作コミック11巻140~12巻145話。
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレはありません。
アニメ感想
+
原作コミックを読んで分かった情報を加味して「解説・考察」
私は原作コミック未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成しています。
よって・・・次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください。
全23話 各話リスト
話数 | サブタイトル | 原作 |
第12話 | 戦いの足音 | 6巻 |
第13話 | 王国の乱れ | |
7巻 | ||
第14話 | 王子の帰還 | |
第15話 | 冥府騎士団 | |
8巻 | ||
第16話 | 王の威厳 | |
第17話 | 不死の呪い | 9巻 |
第18話 | 神々との争い | |
10巻 | ||
第19話 | 最後の砦 | |
第20話 | 不死身 対 無敵 | |
11巻 | ||
第21話 | 王の剣 | |
12巻 注1 | ||
第22話 | 魔神との約束 | |
第23話 | 王様と太陽 |
※ 話数:リンクは各話レビューへ
注1:22話は一部11巻の内容
今回のあらすじ
オウケンを封じ込めたボッス王は、忠誠を誓わぬ者は殺すとボッジ達に宣言する。
しかし、四天王はボッジに付き、ボッジは弟ダイダの体を取り戻すべく、無敵の父・先代王に挑む。
ただただ、アナタと一緒にいたかった。
ミランジョの一途な願いが、自己犠牲と、周囲を巻き込んだ。
ただただ、オマエを幸せにしたかった。
ミランジョが望むというのなら、王妃暗殺、子を使っての復活も黙認。
ボッスは、一切言い訳せず突き進んできた。
前王ボッス VS 次期王ボッジ。
無敵 対 最強のガチ対決が熱い!!
二人の戦いは決着着くも、物語はまだ終結せず!?
誰(何)を倒し、誰を赦し、誰をどう救うのか・・・。
ボッジ、選択のとき迫る。
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第21話「王の剣」
ミランジョの告白
不死身のオウケンを圧倒的な力で封じ込めたボッス王。鏡に近づき、ミランジョに優しく語りかける。
ミランジョの胸中
ボッジとカゲの関係を見て、また、カゲと会話したことで心を取り戻したミランジョ。(20話 )
ボッス様。
私は取り返しのつかないことをしてしまいました。ボッス様を思う、その心だけに留めておけば良かったのに。
なのに・・・by ミランジョ『王様ランキング』TVアニメ第21話
ミランジョは、胸のうちをさらけ出す──。
「思う心」とは、ボッスを愛する気持ちでしょう。
「心だけに留めておけば良かったのに」とは、愛する気持ちを心の内だけにしまっておけば問題なかったのに、という意味か──
巨人族は一人しか子を産めない・・・。
ボッス様の寿命の終わりは近づいている。もう一人、お子を作らなければ。
by ミランジョ『王様ランキング』TVアニメ第21話
ボッスは、魔神に願い強さを得たが、代わりに寿命を失った。(8話 )
魔神との契約は絶対。
ボッスの寿命は尽きる。
ボッスの命を永らえるには、子を使った復活しかないというわけですね。
しかし、巨人族である王妃シーナは子供を一人しか産めない。
だから、殺すしかなかった・・・。
あれ?
一見、筋が通っているように聞こえますが、この論理展開少し違和感を感じませんか?
- ボッスへの思いを、心に留めておけば良かったのに・・・
- (思いが強くなり?)心に留めておけなかった
- ボッスの寿命が終わる
- (ボッスを復活させるために)器となる子が必要
- (子を一人しか産めない)王妃シーナを暗殺せねば
➊から➋は自然な流れなので理解できます。
➌から➍も手段がそれしかないようなのでOKです。
➋から➌(➍)、ここが繋がりません。
➍から➎も、他に方法あるのに短絡的です。
ボッス様を思う気持ちが強くて抑えきれなかったのは理解できます。
それだけ愛していたということでしょう。
ただ、だからといって、なぜボッスの寿命を永らえる話になるのでしょう?
「愛する気持ちが抑えられない」から「長生きして欲しい」は、飛躍してると思いませんか?
大切な人に長生きして欲しいのは分かります。
ボッスの寿命が近づいているのも分かります。
でも、普通、愛する気持ちが高じて真っ先に考えるのは──
「気持ちを打ち明ける」「相手を自分のものにしようとする」。
自分のものにできなければ「邪魔者を消す」とかではないでしょうか?
その次に、「生きて欲しい」があるのでは?
ここからは、私の推測です。
ミランジョはボッスを想う気持ちを、心の内に留めておけなかった。
その意味するところは──
王妃の存在を許せなくなっていたのではないでしょうか?
だからと言って、そんな理由で殺すのは自分でもいけないと分かっている。
「ボッス王の命を永らえるための犠牲」という、もっともらしい理由が、悪魔の囁きになったのではないでしょうか。
王妃ヒリングを殺す理由も同じレベルです──
ヒリング様は苦しむでしょう。
なにより・・・ダイダ様を取り戻そうと必死になるはずです。ならば、ひと思いに楽にしてあげましょう。
by ミランジョ『王様ランキング』TVアニメ第21話
ボッスの為に子が必要、そのためにヒリングを王妃に。
でも、王妃ヒリングの存在は、心の奥底では許せなかった。
だから、理由をこじつけでも消してしまいたかった。
単独で暗殺しても上手くいかず、ならば国ごと滅ぼしてしまおう・・・。
これまでずっと分からなかった、ミランジョの考え。
なぜ国を滅ぼしてでも、やり遂げたかったのか?
愛する人を独占するために、愛する人が大切にする国や人を奪う。
これだけの騒動、いや国家転覆を狙った動機は、こんなに単純で、でも強い想いだったのです。
そう、ミランジョは規格外の「こじらせ女子」だったのです(笑)。
あまり単純化してはいけないのかもしれません。
が、そう考えると筋が通り、これまでの行動がスッと理解できるのです。
仮に私の推測が正しいとしても、大きな疑問が。
- なぜ、ミランジョは王妃にならないのでしょうか?
- なぜ、ミランジョ自身はボッスと子を作らないのでしょうか?
ボッスとミランジョは歳が離れすぎていて、ボッスからみると彼女は子供扱いなのだと思ってました。
が、今話を見る限り、ボッスはミランジョともっと近しい関係に見えます。
王政にとって跡継ぎは重要。
故に、年老いた王が、若い王妃を娶るのはよくあること。
アニメ(マンガ含む)だと実年齢が分からないですが、そんなレベルじゃないほど二人の歳は離れているのでしょうか?➋については、ミランジョは子が作れない体になっている可能性が高いですね。
だとしても、王妃にしても良いと思うし。
それがミランジョを幸せにする道だったのではないでしょうか?
自分が子供を作れない体で、他の人に産んでもらうしかなかった・・・。
だとしたら、辛かったでしょうねミランジョは。
その辺をもっと知りたいですね。
前王妃シーナ暗殺
ボッス様の留守に、私の手引きで敵国に攻め込ませる。
そしてボッジ様をおとりにして、シーナ様を殺害する。by ミランジョ『王様ランキング』TVアニメ第21話
前王妃シーナ暗殺の全容がようやく明らかに。
ミランジョが目論んだことはボッジの回想で分かってましたが、いくつか疑問がありました。(16話 )
- 前王妃シーナ暗殺はどこで行われたのか?
- なぜ前王妃シーナの危機に誰も助けが来ないのか?
- ミランジョはなぜ戦争で死んだことになったのか?
- なぜボッジは巻き込まれたのか?
- ミランジョを裏切った男の正体は?
ミランジョの回想で、あらかた明らかになりました。
なんと、暗殺が行われたのはボッス王国だったのです。➊
ボッス王が留守の時を狙って、ミランジョが敵を手引きし、前王妃シーナを殺害。
ボッス王だけでなく四天王もいなかったということですね。
だから、誰も助けに来なかったのです。➋
敵国を導き、自国に戦争を仕掛けさせたのだから、ミランジョは戦争で死んだことに。➌
そして、ボッジはおとりにされたのです。➍
となると、ミランジョの手引きで前王妃シーナを殺害し、ミランジョをも裏切った男は・・・ただの敵ということですね。➎
敵にとっては、魔術師のミランジョも厄介な戦力だったのでしょうか。
ただ、敵国を手引き・・・となると新たな疑問が(笑)。
前王妃シーナもそこそこ強いです。
前王妃シーナが守りに入るしかないほどの戦力で攻め入られ、その後、敵国の攻撃は防げたのでしょうか?
原作では、ミランジョが前王妃シーナ殺害後、ミランジョが敵国を倒す予定でした。
しかし、ミランジョも裏切られ、命を失った・・・。
なのに、どうやって・・・。
あっ!
鏡の中に移ったのだから、鏡の戦士となって!? ( 違うっ)
恐らく、鏡の中から魔獣を操って敵を追い払ったのだと思われます。
原作では、「敵はその後で、私が蹴散らしてくれる」とのセリフと共に、周囲の多くの魔獣の姿が描かれてます。
ボッスも・・・
全部、私を思ってのことだ。
私は、お前に他の道を示さず、頼りきっていた。ミランジョ、やはり、お前の苦しみは全て無に帰そう。
by ボッス王『王様ランキング』TVアニメ第21話
ミランジョの思いに応えるボッス。
私には、ボッス王もミランジョを愛しているように見えます──。
ボッス王は、王妃シーナも王妃ヒリングも愛しています。
#と思ってます(笑)。
当然、二人の子供も同じように愛し、四天王や部下も平等に好いてます。
でも、一番大切なのはミランジョ。
これが、地下牢で語った──
鏡の名はミランジョ。
私が誰よりも大切に思う人だ。by ボッス王『王様ランキング』TVアニメ第18話
このセリフは、言葉そのまま、ボッス王の本心だったのです。
シーナもヒリングも、好きになったから結婚したわけではありません。
シーナは、巨人族一強い女性だったから。(強い子を得たかった)
ヒリングは、ミランジョ推薦。
結婚を前提に知り合い、それから好きになったのです。
思うに、ボッス王は「惚れっぽい性格」なのではないでしょうか。
誰でも彼でも好きになるという意味ではなく。
基本、ボッスは異性に無頓着。
だけど、結婚相手となると、相手が良い人であれば気に入ってしまう。
いい意味での、良い人。
でも、ミランジョだけは特別だった。
特別だけに、願いは断れなかった、願うことは叶えてあげたかった。
ミランジョの願いは、ボッスと一緒になることなのに・・・。
そのことには気付かない鈍感で不器用。
今回の騒乱は、こじらせ女子と不器用男が巻き起こしたのです。
一緒には・・・行けない
そして、もし私が負けたら、一緒に行こう。
by ボッス王『王様ランキング』TVアニメ第21話
ここで、19~20話で三途の川を見せたのが効いてきます。
この(作品)世界では、死ぬと消滅するのではなく、死の世界がある。
ボッスは死の世界を知っているからこそ「一緒に」と言えたのです。
死の世界で、ミランジョと一緒に暮らせるのだと。
だけど、ボッスの言葉を聞いても、一緒にはいけないと謝るミランジョ。
これはもう意味お分かりですよね。
前話で明らかになりました──
鏡に魂を移してやろう。
だが、本当に死んだ時、お前の魂は喰らうぞ。by 魔神『王様ランキング』TVアニメ第20話
ミランジョは、生き延びるために魔神と契約、魂は鏡へ。
本当に死んだとき、魂は魔神に喰われてしまうのです。
だから、ミランジョは死んでも、ボッスと同じ死の世界へは行けない。
でも、それをボッスに知られると、ボッスは何が何でもミランジョを守ろうとする。
だから、隠す・・・。
もう、ミランジョには、以前の優しい心が戻っているのです。
Dead or Alive
圧倒的な強さを見せたボッス王は、ボッジ達に忠誠を誓わぬ者は殺すと宣言する。
ボッス王の覚悟
全部、私を思ってのことだ。
私は、お前に他の道を示さず、頼りきっていた。ミランジョ、やはり、お前の苦しみは全て無に帰そう。
by ボッス王『王様ランキング』TVアニメ第21話
ボッス王は、ミランジョのために憂いを全て取り除くと決意。
ミランジョの苦しみとは、ボッス王と一緒にいられなくなること。
ボッス王からダイダの体を取り戻そうとするなどもってのほか──
私からダイダの体を取り返そうとするならば、容赦はしない。
だが、私に忠誠を誓うというならば助けよう。
誓えないならば、死んでもらう。by ボッス王『王様ランキング』TVアニメ第21話
ボッス王がボッジ達に突き付けたのは、(ダイダを諦め)忠誠を誓うか死か。
ミランジョが大切なのは分かりますが、どうしてそこまで非情になれるのでしょうか?
原作に少しヒントがありました──
原作では、ボッジ達に上記セリフを投げかける前、ボッジとかつての部下を見て、ボッス王は辛そうな表情をします。
それでもミランジョを思い出し決意した表情に・・・。
ボッス王は、決して非情なわけではなく、苦渋の選択でミランジョの望みを叶えようとしているのです。
ボッス王は優しき人、ただその優しさがミランジョファーストなのです。
忠誠 or 死
さあ、決めろ!
私に忠誠を誓うか、ダイダのために死ぬか!道は二つに一つだ!
by ボッス王『王様ランキング』TVアニメ第21話
上記セリフは、原作にはありません。
アニメオリジナルです。
いいですね~~このセリフ!
啖呵を切るボッス王。
迫力あるセリフは、息子と部下を脅している見えます・・・。
が、私には「刃向かうな忠誠を誓え、私に殺させるな」と言っているように聞こえるのは気のせいでしょうか(笑)。
ボッス王の言葉が迫力あればあるほど、恐れることなく立ち向かうボッジ達の気概が盛り上がる演出となるのです。
上手い!
優しき弟
ボッス王に二択を迫られ、ボッジの頭に浮かんだのは──
優しき弟ダイダとの思い出。
無音がいいですね!
お分かりですか?
視点は、幼きボッジ目線。
無音は、耳が聞こえないボッジの世界。
町の子ども達が、ボッジに迫ってくる。
イジメられて困ると言うより、何を言われているのかも聞こえないから、どうしていいか分からないボッジ。
そこへ、間に割って入ってきた弟ダイダ。
悪ガキを追い払った後の、ダイダの得意顔・・・。
頼もしき弟ダイダ。
その兄が今、ボッスに乗っ取られている。
ボッジは、ダイダを思い出す前に、優しい父ボッスを思い出してます。
その直後、ボッジは剣を少し降ろします。
正直、ボッスと戦いたくはない。
でも、ダイダを放っておくこともできない。
ボッジも、ボッス王同様、自ら選択し決意したのです。
何が何でも、たとえ相手が誰であろうとも、弟ダイダを取り戻す──と。
ボッジに付く面々
ボッス王と戦えば殺されると思ったカゲは、逃げるよう手を引くも、ボッジの強い意志と決意を感じ、思わず手を離してしまう──
オレとお前は一心同体、これが正しい道だな。
死ぬ時は一緒だぜ!by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第21話
カゲも覚悟を決めたのです。
そうか、お前達はどちらに付く?
by ボッス王『王様ランキング』TVアニメ第21話
忠誠か死の選択を迫られた四天王──
真っ先にドーマスが──
ボッジ様です。
by ドーマス『王様ランキング』TVアニメ第21話
次々と前へ出る四天王──
ボッス様、あなたはボッジ様に王位を譲ったはず。
我ら四天王は、王に仕えます。by アピス『王様ランキング』TVアニメ第21話
ミランジョ推しだったアピスまでも、ボッジ側に!
思い起こせば、アピスは最初からボッジ推し。
3話で、ダイダかボッジのどちらを押すかと問われ、アピスはボッジを選びました。
ボッジ云々というより、前王ボッスが指名したボッジを選んだ。
アピスは、ボッス王の言葉に従うというスタンスなのです。
その後、魔法の鏡・ミランジョと再会し、ボッス王復活を知る。
敬愛するミランジョと前王ボッスに従うことにした。
が、アピスが言うように、ボッス王はボッジに王位を譲った。
ボッスは既に王ではなく、正しき王は前王が指名したボッジなのです。
それに、ボッス王の判断基準は、国でも民でもなくミランジョのため。
ボッスのエゴとも言えるのです。
王たるもの、国を私物化してはいけない。
ましてや、国や国民を、エゴで犠牲にして良いわけがない。
国に仕える者としては、ボッジに付くのは当然なのです。
そして・・・
いつの間にか、ボッジを王子ではなく王として扱っている流れが良いですね!
四天王の選択を聞き、失笑するボッス・・・。
いいえ。
私には失笑ではなく、嬉しさを読み取りました。
子供の成長を喜んでいるような・・・そんな表情を。
ボッジは何をしようとした?
四天王がボッジ側に付いたのを喜ぶのも束の間。
四天王は4人とも万全ではありません。
いや、万全であってもあのボッスに勝てるとは思えない──。
それでも、私はボッジ様を守ると誓ったんだ。
それがせめてもの私の罪滅ぼし。by ドーマス『王様ランキング』TVアニメ第21話
ボッスに斬りかかるドーマスを、気絶させるボッジ。
気絶させて止めるのは良いですが、倒れるドーマスの下敷きになるボッジ(苦笑)。
一体ボッジは何をしたかったのか、アニメ鑑賞時分かりませんでした
原作を読んでスッキリ!
原作では、ドーマスはボッスに斬りかかりません。
でも上記セリフを言ったドーマスを見て、デスパー師匠はボッジに指示します。
まるで活人剣を披露するかのように。
ボッジはただ立っているドーマス相手に、仕方なく活人剣をふるったのです。
何もしてないドーマス、それどころかボッジのためにボッスと戦おうとするドーマス相手に。
ボッジはドーマスに活人剣を使ったものの、ケガをさせたくないと思い、倒れるドーマスの体を支えようと真下に入ったのです。
ところが、小さい体のボッジ・・・
いや、力のないボッジでは、ドーマスの体重を支えきれず下敷きになってしまったのです。
無茶すんなよ。
by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第21話
カゲの「無茶するな」というセリフは、活人剣を放ったことかと思いましたが、力がないのに体格の良いドーマスを支えようとしたことに対してだったのです。
師匠失格
すみません、ボッジ君。
あなたにボッスの振りが見えていたとしても、おそらく避けられるものではない。だが、あなたには可能性を・・いや、私は・・・私の希望のためにあなたを・・・。
私は師匠失格だ。
by デスパー師匠『王様ランキング』TVアニメ第21話
この言葉から、デスパー師匠は、ボッジはボッスに圧倒どころか、勝てる確信も持ってません。
デスパー師匠の狙いはミランジョ。(20話 )
ならば、ボッジの命はどうでもよい!?
そうは私は思いません。
デスパー師匠はボッジを大切に思ってます。
だからずっとオウケンと戦わせないようにし。
オウケンがボッジを狙ったときも、命を張ってでもボッジを助けようとした。(18話 )
でも、弟オウケンの呪いを解くにはミランジョを倒さなければならない。
ミランジョを倒すためには、その前にボッスを取り除かねばならない。
ボッスは無敵。
兄デスハー王ですらボッスには敵わない。
ボッスに唯一対抗できる可能性があるのがボッジ。
その可能性に賭けたのです。
デスパー師匠も、大切な人々の中から、弟オウケンを選ぶ決断をしたのです。
無敵 VS 最強
ボッジは、四天王らを制し、ダイダの体を取り戻すため、自ら父ボッスに挑む。
原) 一瞬で終わる!?
いよいよボッス対ボッジの戦いが始まった!
大きなこん棒を振るうボッスの攻撃は巨人の攻撃そのもの。
ボッスと対峙したボッジには、このように見えているのかと体感できるアニメ描写!
巨人を前に、小さな王は、自分の遊び場のように、縦横無尽に飛び跳ね走り回る!
その躍動感は、まるでジェットコースター!
活き活きと動き回るその姿、グリグリと追いかけるカメラワーク、まさにThe ANIMATION!
たまりません!
では、原作はどうなっているのかというと・・・
実は、ボッスは巨人として描かれるわけでもなく、戦いも一撃で決着が着きます。
決着とは、こん棒を破壊すること。
アニメでは、こん棒に少しずつヒビを入れていく形で描かれてます。
原作では、一発でこん棒を破壊します。
ボッジはボッス相手に手こずることもなく、一瞬で勝負を決めるのです。
無敵対最強のクライマックスなのに、あっさり過ぎるとお思いですか?
むしろ、それだけボッジが強くなったことを表しているのだと私は捉えました。
そんな原作シーンも、アニメにとっては動きのある見せ場。
ボッスの巨大描写然り、巨大武器を少しずつ傷付けていく描写然り、ケレンミたっぷり、アニメーションらしい描写で魅せてくれたのです。
いや~~画面に目が釘付けになってしまいました♪
お見事!
ボッスは本気だった?
ボッスは本気でボッジを殺すつもりだったのでしょうか?
・・・はい、残念ですがボッスは本気で、ボッジを殺すつもりでした。
ボッスは戦い前に──
ダメだ、はっきり見える・・・。
私はボッジの剣はくらわない。
ならばせめて・・・苦しませずに・・・。by ボッス『王様ランキング』TVアニメ第21話
ボッスにとって、ダイダの体を取り戻そうとするボッジは殺すしかない。
が、せめて苦しませずに殺してあげるのが、精一杯できること。
オウケンへの攻撃も一瞬でした──
こんな攻撃を、普通の人間にくらわしたら・・・
そりゃあ、痛みを感じる間もなく死を迎えます(苦笑)。
原作コミックでは、巨大化描写されないので、シンプルに戦いが描かれます。
ボッジが一直線にボッスへ向かう──
遅い。
痛みすら感じないうちに・・・※アニメでは全文カット
by ボッス『王様ランキング』コミック11巻
向かってくるボッジに向かって、ボッスは躊躇なく巨大こん棒を振り下ろす──
自分の頭めがけて振り下ろされたこん棒を、ボッジは一撃で砕いたのです。
砕けなければ、こん棒はボッジの頭を直撃してました。
つまり、ボッスは本気で、それも一撃でボッジを殺すつもりだったのです。
デスパー師匠はなぜ見誤った?
あーーぁ!?
by デスパー師匠『王様ランキング』TVアニメ第21話
アニメでは、ボッジは易々と何度もボッスの攻撃を避けていました。
正確に言うと、アニメでもボッジはボッスの攻撃を避けてません。
遠い攻撃は避けてますが、身体をとらえた攻撃は、はじき返しています。
アニメ鑑賞時、デスパー師匠は、ボッジの素早さを見誤ったのだと思ってました。
が、原作では、ボッジはボッスの攻撃を避けていません。
ボッスが振り下ろしたこん棒を受け、一撃で破壊しているのです。
となると、デスパー師匠の「ボッジにボッスの攻撃は見えても避けられない」見立ては正しいのかもしれないですね。
王の剣
ボッスの攻撃を避けられないのに、なぜ勝てたか?
ボッジには、相手の攻撃が見えさえすれば、避けなくても破壊することができるのです。
ボッジが、デスパー奥義・活人剣を手に入れる前。
攻撃はできなくても避けるのは得意でした。
ダイダの攻撃を全て避け、冥府騎士団・隊長の攻撃も当たらなかった。
でも、ドーマスにはボッジの戦い方は「王の剣」ではないと切り捨てられ・・・(2話 )
それが今や、目の良さで活人剣を会得し、素早さは攻撃手段のために。
無敵のボッス相手に、逃げる事なく、武器を破壊する──
これぞ、まさしく王の剣!
by デスパー師匠『王様ランキング』TVアニメ第21話
ボッジは、父のせいで力を奪われながらも、諦めることなく鍛錬を続けた。
デスパー師匠の導きは大きいものの。
目の良さは素質で、素早さは鍛錬の賜。
父ボッスは、自身のために力を欲した。
子ボッジは、誰かを守る為に力を欲した。
志が違うのか、素質が違ったのか。
何がこれほどの、力の差となって現れたのか?
一つ言えるのは──
ボッスは、ミランジョの為に力を振るい、迷いと罪悪感があった。
対するボッジは、国のため、仲間のため、いや、弟ダイダを救いたいと心に迷いがなかったこと。
強い思いは迷いをなくし、たとえ肉親相手でも動揺しない──。
ボッジは、父の教えを愚直に守り、今ここに、先代王ボッスを超えたのです。
今から思えば、ボッジの方が強いことは8話で既に予告されていました。
鏡よ、鏡!
世界で一番強い者は誰だ?by ボッス王『王様ランキング』TVアニメ第8話
ミランジョが鏡で見せるのは予知なのか、彼女の恣意的なものなのかは分かりません。
が、ダイダ王誕生など、それまで次々と未来を的中させていた魔法の鏡。
ミランジョには、最初からこの勝負の決着は分かっていたのかもしれないですね。
倒れないボッス
だが、ボッジの活人剣をくらっても倒れないボッス。
普通なら一発で倒れるボッジの活人剣。
それをボッスは気力で持ちこたえているのです。
いや、違うか──
なんだ、この感情は──
迷い、罪悪感、愛しさ、そして・・・嬉しさ。by ボッス『王様ランキング』TVアニメ第21話
今自分がしている事への迷いと罪悪感を感じながら、ミランジョへの愛しさ故に守りたい気持ちで持ちこたえていたのです。
でも、実子ボッジの強さを感じ、嬉しさと同時に、勝てないことを思い知らされ、約束通り二人で一緒に死の世界へ行こうとしたのです。
ミランジョを・・・救いたい?
ミランジョ、すまん・・・。
by ボッス『王様ランキング』TVアニメ第21話
ボッスは、鏡を割れば、ミランジョと二人で死の世界へ行けると信じています。
だけど、ボッジはデスパー師匠から見せられた映像で、ミランジョは死んでも魂は魔神に喰われることを知ってます。
原作では、このときボッジは、ミランジョが殺され魔神と契約するシーンを思い出しています。
鏡に魂を移してやろう。
だが、本当に死んだ時、お前の魂は喰らうぞ。by 魔神『王様ランキング』TVアニメ第20話
ボッジは、ミランジョが三途の川へいけないことを心配しているのです。
一方カゲは、原作では、三途の川でミランジョに助けられたことを思い出しています。
今度は、自分がミランジョを助ける番!?
だから、カゲはボッジの背を押したのです。
王様ランキング1位
デスハー王の元へ、王様ランキング協会の審査員がやってきて1位の座の確認をする。
辞退するデスハー王
1位の座を辞退するのですか?
オウケン様を救う方法も、宝物庫にあるかもしれませんよ。by 王様ランキング協会 審査員『王様ランキング』TVアニメ第21話
いつの間にかに、デスハー王が王様ランキング1位候補に!?
しかし、デスハー王は辞退。
悔しがる審査員・・・。
悔しがる!?
あーあ、ヤダヤダ。
by デスハー王『王様ランキング』TVアニメ第21話
なぜ、審査員は悔しがるのでしょうか?
まるで、1位の座に誰かいないとマズいような・・・。
あるいは、早くデスハー王を1位に据えたいような・・・。
19話で出てきた神々の新しい支配と関係あるのでしょうか?(19話 )
神の宝物庫をエサに、王様ランキング協会は何を考えているのでしょうか?
この辺も早く知りたいですね!
なぜデスハー王は1位の座を断ったのでしょうか?
オウケンを元に戻す件はデスパーに任せておくとしても、1位になるのはありがたい話では?
デスハー王自身にも1位になりたくない理由があったのでしょうか?
◇◇◇◇◇
一つ思い当たるのは、現時点でデスハーは世界一強い王ではありません。
弟デスパーに、小さくなったボッスどころか、ボッジにも敵わないと言われました。
現に決して弱くはないボッスにボッジが圧勝。
自分より強い奴がこの世に存在するのに、王様ランキング1位に君臨するなど、デスハー王のプライドが許さない。
だから、デスハー王は1位の座を辞退した。
と考えるのは、裏読みしすぎでしょうか?
決着
ミランジョはボッジに、自らを破壊すれば、ダイダの体は元に戻ると言う。
ダイダを取り戻すためなら・・・
ボッジはミランジョを救いたいと思い、鏡を破壊しようとしたボッスを止めた。
なのに、なぜ鏡を破壊したのでしょうか?
ボッジは、ダイダの体を取り戻す方法を知らなかったからですね。
いきなり鏡を割ってミランジョを殺そうとした、ボッスを止めてしまった。
が、ボッスの言葉を聞き状況を理解するボッジ──
せめて・・・この身体をダイダに返してあげたい・・・
by ボッス『王様ランキング』TVアニメ第21話
ボッスはダイダの為にも鏡を割ろうとしたのです。
ミランジョは、ボッジに説明します──
ボッジ様、私を破壊して下さい。
呪いは消え、ダイダ様が戻るでしょう。あなたは王様になるのでしょ?
自ら決断し、実行しなくてはいけません。by ミランジョ『王様ランキング』TVアニメ第21話
王たるもの、自ら辛い選択をしなくてはいけないこともある。
ましてや、今回は、ボッスがミランジョを殺そうとしたのに、ボッジが止めてしまったのです。
その始末は、自分で決着をつけなければなりません。
ボッスを気遣うミランジョ
ボッス:ミランジョ、一緒に行こう。
ミランジョ:はい、ボッス様。by 『王様ランキング』TVアニメ第21話
ボッスはあくまで死の世界で、ミランジョと一緒になれると信じています。
せめてそこでミランジョを幸せに・・・
でもミランジョは今度死ぬと魔神に魂を喰われ、死の世界へは行けません。
それでもボッスの言葉に「はい」と答えるミランジョ。
それは、ボッスを安心させるためであり、ボッスが一緒に行こうと思ってくれる気持ちが嬉しかったのではないでしょうか。
ミランジョにとっては、ボッスが最後に自分を選んでくれた。
他の誰よりも、自分を一緒に行くことを選んでくれた、と。
そして──
ボッス様は復活なんてしたくなかったんだ・・・
ずうっと、私の独りよがりだったんだ・・・by ミランジョ『王様ランキング』TVアニメ第21話
ミランジョは自身のボッスを想う気持ちが、ボッスを苦しめていたのだと気付いたのです・・・。
ボッジが選んだ選択は──
魔神から助ける?
ハハッ、ハッ・・・。by ミランジョ『王様ランキング』TVアニメ第21話
この場で取捨選択をしなければならないのは、ボッス、ミランジョ、ダイダの身体。
ボッジが選んだのは、ダイダの身体を取り戻し、ミランジョも救う。
これが、ボッジが出した結論。
ボッジは、魔神を倒すつもりなのです。
現れた魔神
ボッジが鏡を割ると、ミランジョとボッスの魂が・・・。
と同時にどこからともなく現れた魔神!
出た!隊長!
by デスパー師匠『王様ランキング』TVアニメ第21話
隊長が素早く襲いかかるも、間一髪空へ逃げられる。
ボッジはミランジョにかっこいいこと言っておきながら何もしてないのでは!?
と思ってたのですが、原作にはしっかり描かれてました(苦笑)。
ボッジのセリフはないので、擬音でごめんなさい。
キッ
ヒュッ(ハッ)ピタッ
by 『王様ランキング』コミック11巻
ボッジは、魔神にすぐさま襲いかかります。
#キッとした表情で、ヒュッと飛びかかります
ところが、魔神の目には涙が・・・
#ボッジがハッとして、足を止めます
ボッジから見えない角度で、魔神がニヤリ。
つまり、ボッジに攻撃させないために魔神が演技したと思われます。
その後、隊長が襲いかかりましたが、魔神は飛んでいったのです。
ボッジは、ミランジョに宣言したとおり魔神を倒すつもりでした。
が、魔神はミランジョに追いつき、まんまと魂を喰らった。
人の良いボッジは、魔神に一本取られたのです。
ならば、ボッジが次に何をするかお分かりですね?
そうです。
空に上がった魔神を・・・
そのための手段がないか、周囲を探していたのです。
あっ!
by ボッジ『王様ランキング』TVアニメ第21話
さて、ボッジは何を見つけたのでしょうか?
答え合わせは・・・次話で!(笑)
ミランジョと魔神?
魔神に魂を喰われたミランジョは、幼き頃に出会った魔神と再会する。
魔神との出会い
何食べてるの?
by ミランジョ『王様ランキング』TVアニメ第21話
やっと出てきた、第二クールのOPで描かれていた幼少魔神!
原作によると、ミランジョが1歳の時──
動物と遊んでいると、動物達が何かに恐れ皆逃げていきました。
その時に、幼少魔神を見つけたのです。
明らかに、獣の死骸を食べている、幼少魔神。
ミランジョは分かってないのか、純粋な興味からか・・・声を掛けます。
ミランジョを警戒する幼少魔神は、逃げてしまう。
幼少魔神を追いかけるうちに、帰り道が分からなくなったミランジョ。
ミランジョは、迷子になったので泣いていたのです。
一人泣いていると、幼少魔神が幼少ミランジョに手を差し出す。
魔神の手を取る、ミランジョ──
この出会いは、新しい仲間との出会いか、それとも不幸の始まりなのでしょうか?
原作11巻に収録された巻末オマケは、14ページに渡るエピソード。
かわいらしい幼少のミランジョが、動物と会話してるかのように遊ぶシーンや、大きなクマに襲われ──なシーンまで。
ここでは全てを紹介しきれないので、気になる方は原作をご覧下さい。
永遠に続く痛みと苦しみの世界・・・
ごめんね!
約束を破って。by ミランジョ『王様ランキング』TVアニメ第21話
幼少魔神の姿を見つけたミランジョは、謝る。
前王妃シーナ暗殺時、魔神はミランジョが裏切ったのは今回で二度目と言ってました──
鏡に魂を移してやろう。
だが、本当に死んだ時、お前の魂は喰らうぞ。二度目だ・・・お前が私を裏切るのは・・・
by 魔神『王様ランキング』TVアニメ第20話
一度目の約束を謝っているのでしょうか?
そもそも、幼少魔神と、この成人?魔神は同一人物(魔神)なのでしょうか?
でも、はっきりと「お前が私を裏切ったのは二度目」と言っているのです。
一見大人しそうな幼少魔神と幼少ミランジョとの間に何があったのでしょうか?
なぜ、成人魔神の中に幼少魔神がいるのでしょうか?
ようこそ。
永遠に続く、痛みと苦しみの世界に。by 幼少魔神『王様ランキング』TVアニメ第21話
これも、抽象的な描きなのでしょうか?
さあ、物語も終盤。
ミランジョの魂は救われるのでしょうか?
ボッジの王の剣は、魔神をも打ち砕くのでしょうか?
おわりに (『王様ランキング』21話とは)
今回は、なんと言ってもアニメーション映像が素晴らしい!
アバンからカメラ構図が良く。
グリグリ動いていくカメラワークがたまらない♪
まさに、ジ・アニメショーン!
ボッス王の比喩描写も面白く。
巨人対小人!?のような戦いが迫力満点でした。
物語も、それぞれが選択し、決着。
ボッスは、ミランジョを選び。
ボッジは、ダイダを選び。
四天王は、ボッジを選び。
デスパーは、弟オウケンを選ぶ。
そして、ミランジョだけは、ボッスの思いを組んだ。
当然の結末と言えば当然ですが、それでも圧倒的な強さを見せたボッスを前に、各々が自身の信念を貫いたシーンは熱かった!
アニメは原作にはない演出やセリフで補完。
アクションだけでなく、視覚で訴えかけてくるシーンが多々あり見応え十分でした!
原作はいよいよ最新刊(12巻)へ。
アニメも残り話数2話。
どんな着地を見せてくれるのか楽しみです。
以上、TVアニメ『王様ランキング』第21話の感想&考察レビューでした。
超長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。
#アバンだけで5000文字を超えてしまいました(苦笑)
#今話こそ短くしようと思ったのですが(←本当です!)
#最長だった前話以上の1万6000文字超に・・・
22話のレビューも書いています。
良かったらご覧ください。
ではでは。
他の罪人はどこへ!?
今週の感想ツイート
#王様ランキング 21話
— 時文@ここアニ(ブログテーマ移行中) (@toki23_a) March 11, 2022
ただただアナタと一緒にいたかった
強い願いが自己犠牲と周囲巻き込む
ただオマエを幸せにしたかった
暗殺も復活も望むなら苦渋選択
言い訳せず自らの信念貫き通す
前王VS次期王、無敵対最強のガチ対決が熱い
決着着くも物語は終結せず⁉️
誰を倒し誰を赦し誰を救う❓
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