アニメ【王様ランキング】16話感想&考察 ボッジの針剣は避雷針!?もう無能などとは言わせない!

王様ランキング 16話

こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『王様ランキング』第16話「王の威厳」を鑑賞しました。

本レビューではアニメ感想だけではなく、原作コミック情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。

皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。

今話の原作

原作コミック 8巻

今回アニメ化されたのは、原作コミック8巻97話~103話

今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)

本レビューの方針

本レビューは、次話以降のネタバレはありません。

アニメ感想

原作コミックを読んで分かった情報を加味して「解説・考察」

私は原作コミック未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成しています。

よって・・・次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください

全23話 各話リスト

前半クール (1~12話)
王様ランキング 各話リスト(前半クール)
話数サブタイトル 原作
第1話裸の王子1巻
第2話王子とカゲ
第3話新しい国王
2巻
第4話初めての旅
第5話からみあう陰謀
3・4巻
第6話冥府の王
第7話王子の弟子入り
第8話夢のいけにえ
第9話王妃と盾5巻
第10話王子の剣4巻
第11話兄と弟4・5・6巻

※ 話数:リンクは各話レビューへ

王様ランキング 各話リスト(後半クール)
話数サブタイトル 原作
第12話戦いの足音6巻
第13話王国の乱れ
7巻
第14話王子の帰還
第15話冥府騎士団
8巻
第16話王の威厳
第17話不死の呪い9巻
第18話神々との争い
10巻
第19話最後の砦
第20話不死身 対 無敵
11巻
第21話王の剣
12巻
注1
第22話魔神との約束
第23話王様と太陽

※ 話数:リンクは各話レビューへ
注1:22話は一部11巻の内容

目次

今回のあらすじ

TVアニメ「王様ランキング」WEB予告 第十六話 「王の威厳」
アニプレックス YouTube チャンネル
今話あらすじ

ボッジ達にギガンの過去を語るデスハー王
それでも、ギガンを連れていかないよう立ちはだかるボッジに、デスハー王はある決断をする。

ギガンテス族を雇った敵に対抗するには、更なる荒くれ者でなければ
たとえ由々しき者だとしても、大局的見地に立てば他に手立てはなく
虫唾が走ろうと、鼓舞するために残虐行為に手を染める・・・

忸怩じくじたる思い噛みしめ、デスハー王の口から語られる、陰惨な過去
そして、過去の過ちを認め、罪人を許す度量を見せる、王の資質

一方、ミランジョの名を聞き、亡き母の最期を思い出す。
ミランジョは、ボッジにも因縁の相手だった。

そこへ元師のドーマスとの事も浮上し・・・

ボッジは強くなったとは言え、心は未完。
デスハー王のような度量にはまだ到達していない。

だが、彼らとは違い、ボッジにはいさめてくれる仲間がいる。
正しい選択は応援し、間違った時は本気で叱ってくれる。

ボッジの戦いは、まだ始まったばかり。
ボッジの成長は、まだこれからなのです!

では、今話を振り返っていきましょう。

感想&考察レビュー 第16話「王の威厳」

シーナの最期

あらすじ

デスハー王からミランジョの名を聞き、ボッジは母シーナの最期を思い出す。

前王妃シーナ暗殺

いあんお・・・

by ボッジ『王様ランキング』TVアニメ第16話

「ミランジョ」という名を聞き、ボッジは母・シーナの最期の言葉を振り返る──。

ミランジョ、お願い、この子だけは
ミランジョ、ミランジョ、お願いよ

──(ボッジ:いあんお)

by 王妃シーナ『王様ランキング』TVアニメ第16話

ドラゴンに乗り、王妃シーナを仕留めようとするミランジョ。
ミランジョに、ボッジだけは助けて欲しいと懇願する王妃シーナ。

母シーナが必死に叫んでいた名前が「ミランジョ」

考察

ボッジは耳が聞こえません。
では、なぜミランジョと言っていると分かったのか?

母シーナの口の動きを見てボッジは分かったのです。

アニメは流れの中で描かれているので分かりにくいですが、原作はマンガなので一コマ使ってシーナの口のアップがしっかり描写され示しています。

アニメでも意識して見れば確認できます。

母親が何度も口にする言葉を、口の動きを覚えていたのです。
それが「いあんお」。

読唇術を教えたのはミツマタです。(10話 )

ミツマタと仲良くなったのは、王妃シーナが亡くなり、次の王妃、ヒリングが来た後です

つまり、この時ボッジは読唇術はできなかったはずなので、唇の動きをなんとなく読み取っていた感じなのでしょう。

一番安全な場所へ

ボッジ。
さあ、お母さんの懐に。
ここなら安全だからね

by 王妃シーナ『王様ランキング』TVアニメ第16話

空から降り注ぐ矢の雨から、我が子ボッジを守るために自ら盾となる王妃シーナ
自分のヒザとヒザの間の空間に小さな体のボッジを匿まう

原作では、王妃シーナのセリフはもっと長いです──。

原作情報

ボッジ。
さあお母さんの懐に。

ここなら隙間ができるから大丈夫
安全だし、私が死んでも押しつぶされることもないから

※太字部分はアニメではカット

by 王妃シーナ『王様ランキング』コミック8巻

例え自分の力が尽きようと、体の構造上、懐の部分には隙間ができる。
自分が死んでも・・・。

いいえ、死んだ後もボッジの防御壁となるような体勢を取ったのです

なぜ誰も助けない?

王様ランキング 1話
『王様ランキング』公式HP「STORY 第1話」より引用

ボッジの生みの母親シーナは、1話当初で既に亡くなっていました。
死因には触れられておらず、てっきり病死か事故死かと思ってました。

が、王妃ヒリング暗殺を目論むミランジョの存在が明らかになるにつれ、もしかして王妃シーナは暗殺されたのでは?と考察したときもありました。(9話 )

でも、こんなに堂々と殺していたとは、思いも寄りませんでした・・・

王様ランキング

ミランジョの指示で、シーナとボッジの二人に降り注ぐ矢の雨──

ここまであからさまで、かつそこそこの規模で攻撃をしていたのなら、誰か止めに入ってもおかしくないと思うのですが・・・

アピスとドルーシがミランジョと再会した時のセリフを振り返ってみましょう。

ミランジョ様、もう何年もお見かけせず

by アピス『王様ランキング』TVアニメ第6話

王様ランキング 13話
TVアニメ『王様ランキング』WEB予告 第十三話 「王国の乱れ」より引用

ミランジョ様!?
まさか、先の戦争で死んだとばかり・・・

by ドルーシ『王様ランキング』TVアニメ第12話

これらの言葉から、アピスとドルーシはミランジョが王妃シーナ暗殺した際に殺されたと知らない様子

それどころか戦死したと認識していたのです

補足

ミランジョから「この国を滅ぼしたい」と聞いたとき、ドルーシは前王妃シーナを殺したのもミランジョではないかと強く疑います。(13話 )

結局、その噂が真実だったということですね。

王妃シーナが暗殺されたのは──
風景からして、場所はボッス王国から離れた場所のよう。
矢を放っていた場所にいたのは、一人の男と魔族?。

考察

王妃シーナとボッジが、ミランジョに誘い出され無人の廃墟に行った所を、遠方射撃されたと言ったところか。

あれだけ離れていれば、魔族も何に向かって矢を放っているのか分かってない可能性もありますね

この計画は、ミランジョとドラゴン、魔族を指揮する男。
それだけ少人数に絞って実行することが可能なのです。

敵ながら天晴れです(苦笑)。

裏切り

王様ランキング

王妃シーナを仕留めた後、一本の矢がミランジョを貫く──。

(原作情報) 原作には、ミランジョが矢で射られるシーンはありません。僅かな隙間から近くの地面しか見えないボッジ視界の中に、突然ミランジョが落ちてきます。

原作には、ミランジョが射貫かれるシーンはなく、アニメオリジナル(アニオリ改変)

ミランジョは流れ弾(矢)に偶然当たってしまったのか?

否。
明らかに狙われたのでしょう。
あれだけの距離で、小柄なミランジョを矢で狙えるのかは疑問ですが、射貫いた後の男の表情を見ると明らか。

ミランジョは男に裏切られたのです

王妃シーナ暗殺を実行するのに、邪魔されないよう実行犯を少なくした結果、裏切りを防ぐこともできなかったのです。

ボッジも殺すつもりだったのか?

ただ、一つ新たな疑問が湧いてきました。

王妃シーナを暗殺するのに、ボッジを巻き込んでいます。
ミランジョはボッジも殺すつもりだったのでしょうか?

考察

ミランジョがボッジを殺すつもりだったのかどうかを考察するには、一つ不明な点があります。

ボッス王は魔神との契約で、ボッジの力を得て強くなっています。
ボッジが死んだら、ボッス王の力も失われるのでしょうか?

私は、ボッジが死んでもボッス王の力は失われないと考えています

理由は、ボッス王が死んでもボッジに力が戻ってないからです

このことから、魔神との契約は、ボッジが成長した力を奪っているのではなく。
ボッジが持っているだろう潜在的な力を、生まれた時に奪ったのではないかと推測しています。
遺伝子レベルの能力、潜在能力といった感じでしょうか。

だからボッス王が亡くなり魔神との契約が切れた後でも、ボッジの力は戻らず、その後、幾ら鍛えても力は付かない。

ボッス王はダイダの体で復活したので、契約が継続している可能性もありますか?

だとしたら、ダイダを通じてボッジを殺そうとしたことと矛盾します

ミランジョがあのタイミングでボッジ暗殺を命じたことから2つの可能性が考えられます。

  1. ボッス王の生まれ変わりで魔神との契約は破棄され、ボッジの生死は関係なくなった
  2. ボッジが生まれた時点で力は奪われており、その後のボッジの生死は関係ない

私はだと思ってましたが、今回シーナ暗殺にボッジを巻き込んだことからも十分考えられるのではないかと思い至ったのです。

王妃シーナがボッジを絶対守るだろうと踏んでいた可能性も十分にありますね。でも、万が一ボッジを傷つけてはと考えるとあんな大胆な攻撃はできないのではないかと思うのです。

では、もし仮にだとすると・・・。

ミランジョはボッジも暗殺しようとしていて、それすらもボッス王は見逃していた・・・。

そして、ボッジがこのとき助かったのは、指揮をしていた男が裏切りミランジョを討ったからとも言えるのです・・・

ミランジョの死と魔神の出現

王様ランキング

体を巨大な矢で射貫かれたミランジョは、地面に落下し瀕死状態。そこへ、魔神が現れ──。

ミランジョは、王妃シーナ暗殺の時に殺されていたのです、裏切りによって・・・。

瀕死状態のミランジョの前に現れたのは・・・。
この特徴ある足は、魔神ですね

後に出てくる、デスハー王とデスパー師匠の会話──。

ボッスにはボッジ君をあてます。
無防備になったミランジョを殺し、魔神の首を取ります

by デスパー師匠『王様ランキング』TVアニメ第16話

前話、デスハー王の狙いはミランジョただ一人と言い切っているにもかかわらず、隊長に命じたのは「魔神の首」。(15話 )

この矛盾の正体が徐々に明らかに──。

デスハー王国に不法侵入し罪人を逃がしたとは言え「ミランジョの命で償ってもらう」のは少し大げさ、バランスが悪いと思ってました

罪を犯したから償ってもらう、というのはデスハー王の方便──。

考察

無防備になったミランジョを殺し、魔神の首を取ります」

このセリフと、これまでの出来事を総合的に考えると──

デスハー王達の目的は、あくまで魔神の首
そして、その魔神の首を取るためには、ミランジョを殺すしかない!?

ミランジョが死ぬと現れるとかいう類いでしょうか?
いや・・・ミランジョが瀕死状態になると魔神が現れる!?

と考えていくと、瀕死のミランジョの前に魔神が現れて何をしたのか逆算できます。

この時、ミランジョは魔神と何らかの契約をし、姿を(鏡に)変え命を繋いだのでしょう

理由は分かりませんが・・・
ミランジョが瀕死状態になると、魔神が現れる

だとしたら、デスハー王兄弟は、魔神をおびき寄せる為にミランジョを殺そうとしているのではないでしょうか?

ミランジョの犯した罪が、ミランジョ殺害の良い口実になってしまったのです・・・

罪人ギガンテス

あらすじ

ボッジ達にギガンの過去を語るデスハー王。

ギガンが罪人だと知らない!?

ギガンが罪人?
何をしたって言うんだ?

by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第16話

ボッジとカゲは、ドルーシ、王妃ヒリングと再会したのに、何も知らされてないのですね(苦笑)

今回の混乱の首謀者がミランジョであること。
どこからか罪人が現れ、ボッス王を捕らえ、暴れていること。

王妃ヒリングとドルーシはこれらを知っているのに、ボッジ達に伝えてないのです。

仮に、知らなかったとしても、ドルーシや王妃ヒリング、ミツマタを殺そうとしていた相手。

少しは相手の素性を疑った方が良いと思うのですが、純粋な二人には関係ない。
この辺は、まだまだ子供ですね。

デスハー王が語ったのは結果のみ

当時、私は、父と冥府の覇権を争っていた
ギガンは私が雇った傭兵の一人だった

戦力になると思っていたが、敵が悪かった
父が雇った傭兵は、ギガンの同族であるギガンテス軍だったのだ

by デスハー王『王様ランキング』TVアニメ第16話

ギガンが裏切り、罪人となった過去エピソード。

原作では、デスハー王がボッジ達に語ったのは、上記セリフのみ。
それ以降は、ギガンの回想です

デスハー王の言葉を聞いて、ギガンが当時を思い出していたのです
それで怒りがこみ上げてきて、デスハー王に襲いかかったのです。

アニメではデスハー王が語っているように見えますね。

大事なのは、誰が話したのかではなく、ギガンの過去エピソードをボッジ達が聞いたのかどうか。

原作通りだと、ギガンの回想なので、ボッジ達には聞こえておらず。
アニメのように、デスハー王が説明したのなら、ボッジ達にも聞かされたのです。

個人的には、ギガンが罪人となってしまった・・・いいえ。
ボッジは、ギガンが罪人となった理由を知った上で、ギガンを守ったと信じたいですね

仲間になれば、あるいは今はいい奴だから過去の罪を許してくれ、というのはあまりに子供っぽいです

汚い手でも勝ちは勝ち

ギガンテスって怪物は子を思う習性が強いんだと
いてもたってもいられなくなって、無策に正面から向かってくるらしい

by 傭兵『王様ランキング』TVアニメ第16話

敵に雇われたギガンテス軍の習性を突き、子供をいたぶり呼び寄せる傭兵達。

噂通り、無策で突っ込んできたギガンテス軍を穴に落とし足止めし、火攻め、矢攻め・・・。

(原作情報) 原作では無抵抗のギガンテスの首を落としているシーンも描かれています。

アニメではカットされていますが、原作には負けを認めたギガンテスの首を切り落としているシーンも。

それも子供の前で。
傭兵達は、ギガンテス軍を、徹底的に虐殺したのです

ギガンが憤るのも当然ですし、デスパー師匠が軽蔑するのも当たり前ですね・・・。

でも・・・

お前の怒りは理解できる
だが、それが戦争だ

by デスハー王『王様ランキング』TVアニメ第16話

自軍の被害を最小限に抑え、相手を叩きのめすのは、結果だけ見れば是とされるのです

もう一つ、ある見方を付け加えておきましょう。

ギガンはこの時、傭兵を殺したと思われます。
でも、その場で処刑はされませんでした。

血の気の多い、傭兵共
きっとギガンの処刑を望んだはず

ギガンを殺させないために罪人にした、というのは深読みしすぎでしょうか・・・

立ちはだかるボッジ

あらすじ

ギガンを連れていかれないよう、デスハー王の前に立ちはだかるボッジ。ボッジがデスパーの弟子と聞き、デスハー王は念話でデスパーに確認する。

ボッジの針剣は避雷針!?

雷をはらった!

by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第16話

デスハー王が放った雷攻撃に、ひるむことなく向かい、雷を払うボッジ!

ボッジの針剣は、避雷針!?
そういや形も似ている(笑)

ボッジお見事!

と言えるシーンで、スカッとして最高なのですが
このシーンに限って言うと、原作はもっと格好いいです!

アニメでは雷を針剣で受け、しばらくすると雷は収まります。

原作では、雷を針剣で一旦受け止め、地面へ放電しています

実際の避雷針の役目もそうですね。

参考

避雷針

落雷の際、近くに落ちるであろう雷を避雷針に呼び寄せ、地面へと電流を逃がすことで被害を防ぐ。

避雷針そのものは、雷を受け取っても電流そのものを除去できるわけではなく。
どこかへ逃がさなければなりません。

アニメは、しばらく放置して放電させた感じ。

原作では、ちゃんと地面へ向かって(地面へ近づけ)放電しています
その際、ボッジ自身が感電しないよう、空中に飛び上がっていて、放電させた後くるっと回って着地します。

だからこそ、”あの”デスハー王が口をあんぐりしたのです(笑)
もう無能なんて呼ばせない!

王様ランキング 16話
『王様ランキング』公式HP「STORY#16」より引用

ところで、一つ不思議に思いませんでしたか?
針剣で受けたのは良いのですが、なぜボッジは感電しなかったのでしょうか?

その理由も分かりました。
後ほど解説します。

針剣が折れない理由が判明!

ボッジは、あんたと争う気はないんだ
ギガンを連れていかないでって言ってる。

by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第16話

針剣を手放し、戦う意思がないことを伝えるボッジ。

私は以前から言ってきました。
ボッジ君、針剣は剣身が細くて折れやすそうだから、投げちゃダメ!と(笑)

14話、ギガンとの戦い後に投げ、今話でも戦う意思がないと投げ捨てる・・・。

デスパー師匠に道具を大事にするよう言われたでしょ!

(原作情報) アニメではカットされてますが、デスパー師匠から道具を大事するよう言われ、針剣を磨いているボッジが原作には描かれています。

でも投げても折れない理由が分かりました──。
今回投げ捨てた時の原作に描かれていました。

ポイッ、ボイン、コロコロ

※全て擬音

by 『王様ランキング』コミック8巻

絵は載せられないので、音だけ(苦笑)。

2つめの擬音に注目──
「ボイン」・・・そうです、針剣が跳ねているのです
取っ手の部分が地面に着くと、跳ね返っているのです。

はい、恐らくガード(日本刀で言うつば)がゴム製なのです。

かつ、針剣の針と取っ手部分で言うと、手元の方が重くできています。
結果、針剣を放り投げても、針の方ではなく、手元の方が先に落ち、ガードがゴムなので衝撃を和らげていたのです。

実は、針剣を収める鞘が細長い楕円形だったので、ガードがゴムではないかという推測はしていました。(10話 )

でも、ゴムなのは鞘に収める為であって、落としても折れないようにする為とは・・・。

やっと謎が解けました(苦笑)。←大げさ(汗)
『王様ランキング』は、こういう細かい所が凝っているのも面白いですね。

そしてそして、もう一つ謎が解明しましたね。

ガードがゴムになっているので、デスハー王の雷を針剣で受け止めても、ボッジ自身は感電しなかったのです

疑問

でも、このシーンで新たな疑問が(笑)。

デスハー王は、針剣を見て弟デスパーの武器だと気づきました
デスパー師匠の武器は、この手の仕掛けがあるのでしょうか?
それとも何か特徴があるのでしょうか?

なぜデスハー王が見破ったのか、理由が分かるのが楽しみです。

デスハー王はボッジの強さを認めた?

あなたでは、ボッジ君にはかないませんよ
そして、ボッスにも。

by デスパー師匠『王様ランキング』TVアニメ第16話

弟デスパーから妙案を得、体力を消耗させたくないとは言え、随分素直に引き下がったデスハー王。

弟デスパーに言われたボッジの方が強いという言葉を素直に信じたのでしょうか?
ボッジの強さを認めたのでしょうか?

そうは思えませんね。
苦戦することはあっても負けるとは考えてないと思います。

ただ、弟デスパーの師としての腕を信じ、ボッジが腕力ではない力を持ったことを確信したのでしょう

アニメではカットされていますが、原作ではデスハー王はこんなことを言ってます──

私はボッスとの対決に備え、こんなところで体力を消耗したくない。
お前のこざかしい技にな!

※太字部分はアニメではカット

by デスハー王『王様ランキング』コミック8巻

そうです。
ボッジがいくら強くなったとは言え、腕力が強くなったわけではない。
体も小人のように小さい。

デスハー王は、力勝負に持ち込めばボッジに勝てると踏んでいるでしょう。

(原作情報)原作では「ボッジに敵わない」と言われた瞬間、デスハー王は怒った表情をしています。

ただ、弟デスパーから伝授されたであろう「こざかしい技」を警戒しているのです
弟デスパーがそこまで言うからには、負けないにしても勝つのは面倒な相手になったのだろうと予想したのです。

この辺は流石、戦闘経験が違うデスハー王といった所か。
それとも、それだけ弟デスパーを信じているのでしょうか(笑)。

いずれにせよ、なんだかデスハー王がボッジに期待しているように見えたのは私だけでしょうか(笑)

傭兵がしたことはもっと残虐

ゲーゲー

by デスパー師匠『王様ランキング』TVアニメ第16話

傭兵が勝利を味わっているのを見て、吐く弟デスパー

アニメは配慮されていて、残虐シーンが正確に描かれていません。
原作では、ギガンテス軍の巨体の首を切り落とし、足の指も切り落とし・・・。
頭はダーツの的にされ、既に死んでいるのにまだ四肢を切り刻む・・・。

傭兵達は、死してなお遺体を痛めつけ、それを肴にして酒を酌み交わして嬉々としていたのです

それを見て、弟デスパーは吐き気を催した。

父の軍に対抗するには、勝ち方を知っている、この傭兵達の経験と策が必要だ。
こいつらの士気を下げるわけにはいかん。

by デスハー王『王様ランキング』TVアニメ第16話

原作では、もう少しセリフがあります──

父の軍に対抗するには、勝ち方を知っている、この傭兵達の経験と策が必要だ。
即席に規律をつけ、士気を下げるわけにはいかん。

※太字部分はアニメではカット

by デスハー王『王様ランキング』コミック8巻

勝利のために、傭兵の士気を下げないために、過度な殺戮、残虐行為、遺体への侮辱を止めさせることができなかったのです

弟デスパーは卑怯?

私が卑怯なのはわかってます

by デスパー師匠『王様ランキング』TVアニメ第16話

弟デスパーの何が卑怯なのでしょうか?

今話では経過が描かれてないので、結果から推測するしかありません。

考察

デスハー達は父の非道を止めるために、立ち上がり勝たなくてはならなかった。

アニメではワンカット、原作でも一コマしか描かれてませんが、デスハー兄弟の父は、人間の首つり死体に囲まれ、人間の遺体の上に居座っている。今回、傭兵がギガンテス軍にやったことと同じようなことをしていると思われます。

だけど、父の軍に勝つ有効な手段はなく、傭兵達に頼るしかなかった

つまり、弟デスパーは、父の非道の被害を増やさないためにも、なるべく早く父を討たないといけないが、有効な手立てがなかった。

デスハー王は決断して非人道的でも、傭兵達の戦いを許容。
それにより勝利を得た。

弟デスパーは代替案を出せなかったのに、結果を出したデスハー王を軽蔑すると言ったのです

デスハー王も、傭兵の戦い方は許せない。
でもそのやり方しか今すぐ勝つ方法がなかった。
苦渋の選択をしたのに、弟デスパーに責められ、怒ったのです。

兄は苦渋の選択をしたことを分かっているのに、責め立てる。
だから卑怯、ズルいというわけです。

オウケンの正体

優しく、最強の騎士団を作りたい。

by オウケン『王様ランキング』TVアニメ第14話

オウケンの正体は、デスハー王、デスパー師匠の弟だとハッキリ描かれました

ギガンが裏切り暴れたとき、倒した冥府騎士団員がオウケン。
デスパー師匠とデスハー王と一緒にいたのが、弟オウケンですね。

そして、オウケンが掲げていた「優しく最強の騎士団」。
これは、単に理想を述べていたのではありません。

ギガン過去エピソードで描かれた、傭兵の行いを嘆いて

いいえ。
傭兵に頼るしか手段がなかった悔しさから、「優しく最強の騎士団」を作る決意をしたのです

なぜギガンを冥府騎士団に?

ギガンよ、私を許せとは言わん。
責任は全て私にあるからな。

だが、冥府騎士団入りをイヤとは言わせん!
引きずってでも連れ帰る

by デスハー王『王様ランキング』TVアニメ第16話

罪人ギガンを冥府騎士団に!?
デスハー王の唐突に思える提案。

なぜ、こんな判断をしたのでしょう?

前項をお読みの方ならお気づきですね。
はい、デスハー王はオウケンが目指した理想の騎士団を作ろうとしているのです

アニメでは一部カットされてますが、原作ではオウケンはこんなことを言ってます──

私はきっと、兄者の要望に応えられるような・・・
規律があり、優しくて、それでいて最強の騎士団を作り上げてみせます!

彼(ギガン)も最適だ
いつか私の騎士団に入れます。

※太字部分はアニメではカット

by オウケン『王様ランキング』コミック8巻

ギガンを騎士団に入れると言った意味は──

ギガンは単に裏切ったのではありません
子供をいたぶって敵を呼び込む残忍な手口に我慢できなかったのです。

裏切り、仲間を傷つけたのは罪だが、その怒りは正しい感情のです
ギガンは、他の傭兵とは違うのです。

だから原作では、むしろギガンを冥府騎士団に”最適”とまで言っているのです

裏切りの罪はもう償った。
その優しい心こそ、冥府騎士団に相応しい。

だから、デスハー王はギガンを冥府騎士団に引き入れたのではないでしょうか。

もっと言うと──
既に隊長が率いる冥府騎士団は最強と謳われています。
でも、隊長がいなければ「烏合の衆」ともデスハー王は言ってます。(15話)

冥府騎士団が理想の騎士団になるために、まだまだ優秀な騎士が必要。
そこにギガンは必要だったのです。

オウケンが復活したその時に備えて・・・。

心の整理がつかないボッジ

あらすじ

デスハー王と冥府騎士団は冥府へ戻っていった。ドーマスとホクロは、ボッジに詫びるが・・・。

刻み込まれた恐怖

カゲ:おまえがボッジを穴に落としたとき、命を助けたのもオレだ!

ドーマス:ボッジ様、すみませんでしたーー!
ホクロ:ありがとう、ありがとう、ありがとう

by 『王様ランキング』TVアニメ第16話

ボッジは、自分を傷つけようとしたギガンは恨みもせず、ドーマスは許せない

この違いは何なのか?
ボッジは、ドーマス元師匠と付き合いは長く、信頼し尊敬していた。
ならば、ギガンよりドーマスの方が信じられるのではないか?と思えますよね。

考察

『王様ランキング』ではボッジの心情描写がないので、カゲが代弁者となっています

ボッジの考えを全て話しているわけではないのが、憎い作りなのですが(苦笑)。

そこから、読み解いていきましょう──。

ボッジのグチャグチャな気持ちが伝わってくる

今までボッジから感じたことない気持ち──

これは・・・恨み、憎しみ
ボッジにはオレみたいになって欲しくない!

by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第15話

前話(15話 )で、ドーマスとあの時以来に再会したボッジ。

カゲ曰く、ボッジは恨み、憎しみの感情で溢れていた。

逆に言うと、ギガンには恨みや憎しみを抱いてなかったと言えます
だから、簡単に許せた。

ドーマスとギガンの差・・・、それは──
ボッジはあのとき、死の恐怖を味わったからではないでしょうか?

ギガン相手の戦いでは、死の恐怖どころかケガをする恐れすらなかった。

だが、崖から突き落とされた時は、死を実感してしまった。
その恐怖がボッジの体に刻み込まれてしまったのではないでしょうか

だから、ドーマスを見ると、感情を押さえ込もうとしても心と体が恐怖する。

それで、ボッジは堪えきれず逃げ出してしまったのではないでしょうか。

ボッジの心はまだ子供?

お前ら、謝って済むと思ってんのか!
一生、許されなくても文句言える立場じゃないんだかんな!

バーカ!

by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第16話

許してやってもいいじゃないかと言いながら、逃げ出したボッジを見て、一転意見を変えるカゲ(笑)

子供っぽい表現ですが、ボッジの代弁者的立場なら、今のボッジの心情を表しているのでしょう。

と思うところもあるのですが、違う気もします(苦笑)。

実は原作では、ここでボッジは「デスハー王が魔物に噛まれても悠然としている姿」を思い返しています

考察

ボッジは、自分の感情を許せないのではないでしょうか?

なぜ自分は、デスハー王のようにドーマスを許せない、のかと・・・。
自分は、やはり王の器ではないのか、と・・・

「やはり」の意味は、以前、王妃ヒリングに「あなたは王の器じゃない」と言われたからです。

次に──
とは言え、簡単に気持ちを切り替えた(ように見える)ボッジ・・・

こんなに早く登れるなんて、やっぱボッジはスゲえなあ!
テッペンまで競争だ
オレに追いつけるか?

by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第16話

子供っぽい表現ですが、カゲはノリで言ったのではありませんね。

ボッジがずっとあいつを憎んで、縛られるのはイヤだ。
オレが守らなきゃ!

by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第16話

(原作情報) 原作では、カゲはこの後、「でもどうすればいいんだろオレわかんないよ」と言ってます。

憎しみにとらわれてしまいそうになるボッジの感情をらすために、ワザと話の流れとは関係のない、競争などと言い出したのではないでしょうか

ボッジも、カゲの気持ちを分かっているから、それに乗ったのです。

私には、そのように見えました。
カゲは、本当にボッジの良き理解者ですね

それにしても、ボッジの体は小さいですが、一体、年齢はいくつなのでしょうか?(笑)

まだその命令有効なの?

いつか、ボッジ様に許されるような生き方をしましょう
さあ、我らは冥府の門をぶっ壊しに行きましょう!

by ホクロ『王様ランキング』TVアニメ第16話

デスハー王と冥府騎士団は撤退。
ボッジには許してもらえなかったが、無事を確認し、友達がいることも知った。

ボッジなら大丈夫。

ドーマスとホクロは、再び冥府の門への入口を破壊しよう意気込むが・・・
まだその命令、生きていたんですね(苦笑)。

今回の内紛を起こしているのがミランジョだと知り、ボッス王はそのミランジョを庇っているのをデスハー王から聞いた。

そのボッス王の命令に愚直に従うのはどうかと思うのですが・・・
ドーマスの上の命令を疑うことなく従うのは、変わってませんね(苦笑)。

いまだボッス王の思惑が分からないので、冥府の門への入口を破壊することの意図が不明。

果たして、無事に冥府の門への入口を破壊できるのか?
その辺も楽しみですね。

おわりに (『王様ランキング』16話とは)

原作コミック 8巻

あのデスハー王の雷攻撃を受け流したボッジ!

もっとボッジVSデスハー王戦を見たかったのですが・・・。
そこは王様ランキング2位のデスハー王、無駄な戦いはしない。

今回は、無能呼ばわりしていたデスハー王を唖然とさせた事で良しとしましょう(笑)。

王様ランキング 16話
『王様ランキング』公式HP「STORY#16」より引用

デスパー師匠の妙案があったとは言え、結果的に、ボッジの強さがデスハー王の進軍を止めました。

ボッジの強さは本物なのです!

ただ、ボッジの心はまだまだ未完。
ドーマスを目の前にすると動揺してしまう。

さげすまれることにも、敵対されることにも動じなかったボッジ。
だけど、信頼していたドーマスに殺されそうになったことだけは、自分の心では理解ができない。

そこへ、母の仇ミランジョの影もチラついてくる。

ボッジの強さは無敵かもしれないが、精神的には未熟。
ドーマスやミランジョと言った、本能的に恨み憎しみを抱いてしまう相手に、ボッジはどう立ち向かうのか?

その辺りが、今後のポイントかも。

ひとまずギガンは元鞘に収まってしまいましたが(笑)。
魔物を冥福に帰す目的を達成し、ついでにデスハー王と冥府騎士団を撤退させた。

見事な結果で第二ラウンド終了です!

さて、次は誰とぶつかるのか?
デスハー王が一時?退場したので、外的危機は一旦回避。
親子対決の構図に戻るも・・・いいえ、まだ罪人が残っています。

オウケンは復活、キングボもまだ息がありそう。
ゾックはブラック&レッドを引き連れ、ミランジョと行動を共にする。

結局、片が付いたのは、まだギガンだけなのです(苦笑)。

それに本作は油断がならないですからね。
どんな展開が待っているのか、これまた楽しみです。

以上、TVアニメ『王様ランキング』第16話の感想&考察レビューでした。
超長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。

17話のレビューも書いています。
良かったらご覧ください。

ではでは。

きょうのひとこと

もしかしてミランジョって裏切りだらけの人生?

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