こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『王様ランキング』第19話「最後の砦」を鑑賞しました。
本レビューではアニメ感想だけではなく、原作コミック情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。
皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
今話の原作
原作コミック 10巻
今回アニメ化されたのは──
- 10巻120話中盤～127話
- 9巻114話 (ミランジョ過去)
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレはありません。
アニメ感想
＋
原作コミックを読んで分かった情報を加味して「解説・考察」
私は原作コミック未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成しています。
よって・・・次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください。
全23話 各話リスト
| 話数 | サブタイトル | 原作 |
| 第12話 | 戦いの足音 | 6巻 |
| 第13話 | 王国の乱れ | |
| 7巻 | ||
| 第14話 | 王子の帰還 | |
| 第15話 | 冥府騎士団 | |
| 8巻 | ||
| 第16話 | 王の威厳 | |
| 第17話 | 不死の呪い | 9巻 |
| 第18話 | 神々との争い | |
| 10巻 | ||
| 第19話 | 最後の砦 | |
| 第20話 | 不死身 対 無敵 | |
| 11巻 | ||
| 第21話 | 王の剣 | |
| 12巻 注1 | ||
| 第22話 | 魔神との約束 | |
| 第23話 | 王様と太陽 |
※ 話数：リンクは各話レビューへ
注1：22話は一部11巻の内容
今回のあらすじ
アニプレックス YouTube チャンネル
カゲの破れかぶれの突撃も虚しく、ボッジとカゲは瀕死の重傷を負ってしまう。
デスパーとボッジが目を覚ますと、そこは大きな川が流れる不思議な世界。
眼下には、カゲとカゲ母、そしてミランジョがいた・・・。
一方、外の世界では、ボッジの元に四天王が集結した。
幼き頃に、キチンと別れもできなかった母と再会するも。
その母を前に決意する。
現世で、守りたい人がいる。
俺でなくちゃダメな奴がいる。
やり残したことを、やり遂げるまで戻れない・・・。
我が子の成長を実感し、涙を堪え送り出す母。
片や、純粋なカゲを見て、鏡の人は何を思う。
一方、外では、最後の砦・四天王がオウケンを迎え撃つ。
が、オウケンはまだまだ強くなる！？
一体どう決着をつけるのか！？
盛り上がってきました！
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第19話「最後の砦」
カゲの口
カゲは激情に駆られオウケンを飲み込んだが、オウケンはカゲの中から剣を突き立て──
どこでもドアではなく、四次元ポケット
オレにできることはなんだ・・・オレに！
by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第18話
ボッジが自分を助けるために、オウケンにしがみ付き足を刺されてしまった。
ボッジを助けるにはどうすればよいか？自分に何ができるか！？
カゲが、思わず取った行動は──
オウケンを飲み込んだ！！！
カゲの口は、見た目以上(無限？)に収納可能。
これまでも何でも入れておいて、そのくせカゲ自身は大きくならない。
まるで四次元ポケット。
影一族については、ドーマス＆ホクロが冥府の門を破壊した時、ドーマスが語ってました。(17話 )
冥府の門の入口は影の一族が使われている──と。
カゲの口の中はどこか別の場所へ繋がっていて、そこへオウケンを放り込んだ！？
ならば一時的にでもオウケンをこの場から遠ざけることができた？
と期待したのですが・・・。
愚かなことを・・・
by ミランジョ『王様ランキング』TVアニメ第19話
ミランジョの言葉通り、オウケンは易々と剣で突き破りカゲの中から脱出。
カゲの口は、どこかへ繋がっているのではなく、中から破壊できる四次元空間だったのです。
ギャクザ国
ギャクザ国の人々はホウマ国を裏切り、神々の側に寝返った。路上に放置されていたミランジョを見て、ボッスは怒り狂う。
ギャクザの利用価値
ギャクザは放っておかれるので？
by 兵士『王様ランキング』TVアニメ第19話
この辺の会話、サラッと進んでいく深く考えずに流してしまいそうです(汗)。
が、神は、かなり危ないことを言ってます。
まず、この「ギャクザを放っておくのか？」というセリフ──
一度手に入れた豊かさを失うのを恐れたギャクザは、ホウマを裏切った。
人間目線で見ると、裏切り者のギャクザを放っておいて良いのか？と聞こえますが違いますね。
神々は人間を支配するために戦い、人間を奴隷にしていたのです。
人間同士、ギャクザがホウマに何をしようと、神にとっては関係なし。
ここで兵士が神に問うているのは──ギャクザを奴隷にしなくて良いのか？
と言っているのです。
だから答えが──
まあね、奴隷にしたいけど・・・今後寝返る奴がいなくなっちゃうしね。
by 神『王様ランキング』TVアニメ第19話
なわけですね。
次に、「今後寝返る奴がいなくなる」について──
上記セリフを言いながら、神はホウマ人の遺体が焼かれている炎を見つめています。
つまり神が言いたいことは──
ホウマ国を滅ぼせたのは、ギャクザ国の裏切りのお陰。
今後も、ギャクザがいると人間側の付けいる隙になるかも・・・。
人間を奴隷にして支配するのが神側のスタンス。
だけど、ギャクザ国はすぐに裏切るから、今後も使えると判断したのではないでしょうか。
これが──
まあね、奴隷にしたいけど・・・今後寝返る奴がいなくなっちゃうしね。
by 神『王様ランキング』TVアニメ第19話
の真意だと私は解釈しました。
神は人間をなんとも思ってないことが、このシーンだけで伺えますね・・・。
人間を支配する方法
神々も人間を支配する新たな方法を見つける時期に来ているんだよ。
by 神『王様ランキング』TVアニメ第19話
これまでは奴隷という形で、神は人間を支配してきました。
新たな方法とは何でしょうか？
このセリフは、過去に語られました。
現在は、人間は神の奴隷になってません。(という風に見えてます)
では既にもう、神は人間を新たな方法で支配しているのでしょうか？
普通に考えるなら、神を崇拝する信仰や宗教を広めるといったところ。
だけど、本作で描かれる現代でそのような傾向は見られません。
ここまでで神の存在が語られたのは2箇所しかありません。
一つは、デスハー兄弟の父、冥府の王サトゥン。(17話 )
神・サトゥンの振る舞いは、まさに人間を奴隷として扱っていましたね。
もう一つは、神の宝物庫。(4話 )
1位になった王は、神の宝物庫から好きな物を一つ頂戴できるとか。
歴代の王は皆同じ宝を選んぶんだが・・・そのうち行方不明になるか気が触れているらしいじゃないか。神から何を頂戴するんだ？
by アピス『王様ランキング』TVアニメ第4話
直接、神の事が語られたわけではありません。
神の存在を証明する物が語られたに過ぎません。
もしかすると、「神の宝物庫」と言うほど素晴らしい、との比喩表現かも。
まあ、そんな事を言い出すと切りがないので、ここでは本当に神の宝物庫であると仮定しましょう。
王様ランキングを運営しているのは、神。
なんて話もこれまで出てきてません。
なので王様ランキングは人間、どこかの国か、中立した組織がやっていると仮置きしておきましょう。
ん？待てよ・・・
そもそも、人間が「神の宝物庫」を管理できるのでしょうか？
ついこないだまで、人間は神の奴隷でした。
奴隷だった人間が「神の宝物庫」を持てるのでしょうか？
と考察していくと「王様ランキング」を運営しているのは──
- 神々を滅ぼした誰かがいて、その誰かが運営
- 神々自身が運営している
➊については、それらしき事が語られてないので、あくまで私が考える可能性の一つ。
ホウマ国のような神に楯突く人間がいなかったとは限りません。
が、ホウマ国ですら倒せなかった神々を他の人間が倒せるかというと、そこまでの国があったとも思えません。
なぜなら、ホウマ国より強い国があれば、ボッスが武者修行に行ってますしね。
＃まあ今後語られる可能性はありますが
どちらかと言うと、良い神が悪い神を倒した、という可能性はあるかも。
他に考えられるのは、自然と滅びていった神の資産を誰かが受け継いだ可能性。
滅びゆく神々の資産と影響力とスキームを受け継いだ。
冥府の王サトゥンの最後を見ると、その可能性も十分あるかも。
ただ、現時点で「情報は全て開示されています」と言われれば、考えられるのは➋ですかね。
神々は、「王様ランキング」で順位付けすることにより、人間を”ある程度”思い通りに行動させている、と言ったところでしょうか。
原) 見世物？
それからホウマは・・・彼女たちはどうなったのですか？
by 神『王様ランキング』TVアニメ第19話
書くのが憚られるほど、ある意味、殺されるより酷いことをされたミランジョ。
実はこれでも・・・アニメは原作よりも幾分まろやかな表現がされています。
ミランジョはなぜ道端に繋がれていたと思いますか？
捕まえておくならどこかの部屋で良いはず。
わざわざ人目の付くところである必要はありません。
普通なら直視できない状態の子供を、なぜ人目の付く道端に放置していたのでしょうか？
アニメでは、ギャクザ国の人々が気味の悪い薄笑いを浮かべ見ていました。
その目は、一見、愕然としているボッスに向けられているようにも見えます。
違います。
ボッスを見ていたのではありません。
ギャクザ国の人々は、ミランジョを見て薄ら笑いを浮かべていたのです──
奴らは、彼女が餓死するのを楽しんで見ていた。
※アニメでは全文カット
by ボッス王『王様ランキング』コミック9巻
ボッス王が怒り狂った理由がお分かりでしょうか。
ミランジョ。
人の幸せの上に、自分の幸せを築きなさい。by ミランジョ母『王様ランキング』TVアニメ第18話
人の幸せの上に、自分の幸せを築くよう言われ育ったミランジョが、真逆のことをされていたのです。
アニメではカットされてますが、原作では映像を見ているダイダも歯ぎしりしながら怒りに震えてます。
ただ、最後の親子を潰すシーンでは、ダイダは我に返り目を背けてしまいます。
ボッスはまだまだ未熟で、怒りをコントロールできない、と言ったところか。
いや、それだけ、ミランジョ、ミランジョ母に思い入れがあったと見るべきでしょうか・・・。
ミランジョを殺そうとした？
私はミランジョと一緒に生きていくことに決めた。
彼女の笑顔を、ただ取り戻したかった。by ボッス『王様ランキング』TVアニメ第19話
鎖に繋がれたミランジョに、ボッスは大きな拳を振り上げます。
が、踏みとどまります。
アニメではカットされてますが、原作では、ボッスはここでミランジョとのやりとりを思い出します。
ミランジョの自分に向けられた無垢な笑顔がよみがえり、思いとどまるのです。
こんな・・・人ができることなのか・・・
by 医者『王様ランキング』TVアニメ第19話
医者に診せて驚かれるほどの、ミランジョの状態。
ボッスが「これで治してくれ」と言って渡したのは、ギャクザ国の女性の遺体。
当時の技術では、人工皮膚なんてない時代。
他人の皮膚を移植するしかなかったのでしょう。
反乱の目的は、いまだ不明
違う、違うんだ。
立ち直りつつあった彼女を裏切り、傷つけ、苦しめ、変えてしまったのは、この私なんだ。by ボッス王『王様ランキング』TVアニメ第19話
ミランジョの身に起きた残虐行為。
その体験が、優しいミランジョを変えてしまったのか、と思いきや。
ボッス王はそれを否定する。
前話 に記載したので詳しくは書きませんが、今回の出来事でミランジョの性格が変わったとしても、ボッス王国を滅ぼす理由には繋がりません。
今回の反乱に至った理由は他にあり、ボッス王曰く、ミランジョを変えたのも別の理由、ボッス王だと言うのです。
ここで、ベビンがボッジの元へ向かうので、ミランジョが変わった理由は、またおあずけに・・・(苦笑)。
原) ボッス王はミランジョを信じてる
鏡については、状況によっては・・・斬ります。
by ベビン『王様ランキング』TVアニメ第19話
ベビンの言葉に、険しい顔をするボッス王。
原作ではもう少し、ベビンとのやりとりが続きます。
ベビン：鏡については、状況によっては・・・斬ります。
ボッス王：させん！・・・私は彼女を信じている。※太字部分はアニメではカット
by 『王様ランキング』コミック10巻
「ダメだ！」ではなく、ボッス王は「させん！」と言ってます。
つまり、鏡を斬ろうとすると止めに入るということですね。
そして、その次に続けた「彼女を信じている」。
それは、彼女はどこかで思いとどまるというのか？
それとも、やっていることが正しいとでもいうのか？
ボッス王の何がそこまで、国や家族や自分の子供よりも、ミランジョを優先させるのでしょうか？
その解も、おあずけですね。
気になる～～
でもボッジ側も気になる～～(苦笑)。
三途の川
オウケンとの戦いで重傷を負ったデスパー、ボッジ、カゲ。デスパーとボッジが目を覚ますと、そこは大きな川が流れる不思議な世界だった。
原) 意識を取り戻したデスパーと隊長
待て！
by デスパー師匠『王様ランキング』TVアニメ第19話
ボッジに向かうオウケンを止めようと声を出すデスパー師匠。
一体いつの間に、デスパー師匠と隊長は意識を取り戻したのしょうか？
尺の関係でしょうか？アニメではカットされていますが、原作にはそのタイミングがキチンと描かれています。
あーーっ！
※アニメでは全文カット
by ボッジ『王様ランキング』コミック10巻
オウケンによって無残に切り裂かれたカゲ。
足を刺され立てないボッジは、カゲの所まで這いずっていき、叫びます。
ボッジの悲痛の叫びで、デスパー師匠と隊長の意識が戻ったのです。
意識を取り戻したデスパー師匠が、声の主を確かめると、今まさにオウケンがボッジを刺そうとしていたので、止めようと声を出したのです。
隊長は隊長で、首と胸の傷に構うことなく立ち上がり、ボッジのところまで駆けていくのですが・・・間に合わなかったのです・・・
もう何度も出ているので、皆さん承知でしょうが、念のため。
オウケンに刺されても誰もすぐに死なないのは、オウケンはワザと急所を外して、弱っていく姿を見るのを楽しみとしているから。
カゲは完全に瀕死です。
カゲだけ三途の川が見えていたので即死レベルだったのかも。
カゲの場合は、オウケンも口の中から脱出するのを優先したため、急所云々は気にしていなかったのでしょう。
もしかすると、影一族は姿形が人と違うので、オウケンも急所が分からなかったのかもしれませんね。
カゲの場合は、ミランジョの治療がなかったら、絶命していたと思います。
そう考える理由は──
ミランジョが治癒を始めた途端に、カゲの心臓の音が「ドクン」と、まるで今再び動き出したかのような演出がされていました。
カゲは肉体的にもミランジョに救われたのです。
では、なぜミランジョはカゲを助けたのか？
それは・・・また後ほど。
デスパーの能力発動
待て！
何をする気だ！by デスパー師匠『王様ランキング』TVアニメ第19話
またしても、意図せずしてデスパー師匠の能力発動か。
ミランジョが赤髪の殺し屋レッドに乗り移り、カゲの治療をしようとする手を思わず掴んで思念に入り込んでしまう。
もう片方の手をボッジにあてていたので、同時にボッジも連れて・・・。
ミランジョは誰でも乗っ取れるのかと言うと、そうではありません。
ミランジョが操れる(操りやすい)のは理性がない魔物や、自我のないオウケン。(17話 )
赤髪の殺し屋レッドは、アピスにやられ気を失っていたので操れたというわけですね。
さらに、ミランジョは鏡から出て、殺し屋レッドの体を乗っ取りました。
単に操るのだったら鏡から抜け出す必要はありません。
体を乗っ取ったのは、細かい作業をするためか。(カゲに接触する等)
もしくは、ミランジョの能力(治癒)を使うだと思われます。
ちなみに、鏡を抜け出して対象を乗っ取るのは、ボッス王と踊ったとき人形にも使ってましたね。
三途の川
待て。
渡れば、もうこちらには戻って来れないぞ。by ミランジョ『王様ランキング』TVアニメ第19話
デスパー師匠が「生と死の境目」と言う世界。
意図的に覗いているミランジョも「渡ると戻れない」と言っているので、この川は、いわゆる「三途の川」でしょう。
クライマックスが近づいているせいかドンドン話しが進むので、所々説明が簡略化されていますね(苦笑)。
下手に説明を入れると、テンポが悪くなるので致し方なし。
皆さん、お分かりのことだと思いますが、お節介がてら補足説明を。
舟になぜロープが付いていたのでしょうか？
呼び止めるためではないですよ(笑)。
三途の川は一方通行だからです。
ミランジョが言うように、渡ったら最後、戻ることはできません。
ロープは、舟を止めておくためのものではありません。
舟をこちら側に引き寄せるためのロープです。
向こうに渡ったら、戻ってくる人はいないので、舟が向こう岸に行きっぱなしになります。
だから、こちら側から舟に乗るには、ロープで引っ張って引き寄せるのです。
そのためのロープです。
なのでほどいてはいけません。
ミランジョは、そのロープを掴んで引き止めたのです。
ご都合主義ではありません。
一度渡ってしまったら戻れない川だからこその仕掛け。
上手い使い方です。
尺に余裕があれば、向こう岸にある舟をたぐり寄せてから乗れば自然と理解できたのでしょうが、流れが悪くなるので難しいところですね。
顔が見えなかったのは・・・
そう！
ちゃんとやり切ってきなさい！by カゲ母『王様ランキング』TVアニメ第19話
やっと会えた最愛の息子。
幼い頃に、一人ぼっちにしてしまった息子。
どれだけ抱きしめたかったことでしょう。
でも、成長したカゲが言うのです、真剣な顔で「やり残したことがある」と・・・。
カゲ母は、生前カゲにこんなことを言ってました──
でもいい？
私たちは自分を必要としてくれた、その人のために尽くすの。
それが私たちの明かりなのよ。by カゲ母『王様ランキング』TVアニメ第2話
カゲ母は口に出してはいませんが、カゲの言葉で悟ったのでしょう。
息子は自分を必要としてくれる人を見つけ、尽くしたいと決意したのだと。
それが暗殺家業を生業にしてきた影一族にとって、どれだけ幸せなことか・・・。(2話 )
そんな息子を、止めるわけにはいきません。
カゲ母は、母親らしく気丈に振る舞い、カゲを送り出したのです。
でも──
カゲちゃん、顔をもっとよく見せて。
by カゲ母『王様ランキング』TVアニメ第19話
カゲ母が、顔を見せてと言ったのは、カゲが遠いからでも舟の影に隠れたからでもありません・・・
カゲちゃん、もっとよく見せて・・・にじんで・・・うぐ。
※太字部分はアニメではカット
by カゲ母『王様ランキング』コミック10巻
カゲ母は、涙でカゲの姿が見えなかったのです。
でも、そんなことを言ったり、これ以上涙を見せては、カゲの決意を鈍らせてしまう。
原作では、その場にいるのが辛くなり、カゲ母は三途の川の奥へと走って行きます。
十分離れ、カゲに聞こえない場所まで行ってから・・・泣き叫びます。
そんなカゲ母を、ボッジとデスパー師匠はジッと見ています。
カゲとカゲ母との再会を望むのは、カゲの死を望むことと同意。
一緒に生きたいボッジにとってはそれは叶わぬ願い。
でも、こんなのを見せられると・・・。
ボッジとデスパー師匠は何を思っているでしょうか・・・。
原) とっさとターゲット
お前が戻ったところで、誰も救えないぞ。
by ミランジョ『王様ランキング』TVアニメ第19話
ミランジョさん、自分でカゲを引き止めておきながら、その言い草はないでしょう(笑)。
だけど、カゲも、そんなイヤミは気にもしません。
お前、ミランジョだろ、声が同じだ。
なんでオレを助けるんだ？by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第19話
カゲさん、よくぞ聞いてくれました！
カゲを助けた理由も聞きたいですが、なぜカゲだけを助けたのか？も知りたい！
言っている意味、分かりますか？
重傷を負ったのは、最初に刺された隊長、デスパー師匠、そしてボッジとカゲ。
でも、ミランジョは、先の三人をスルーして一目散にカゲを助けたのです！
なぜ、最初にカゲを助けたのか？
そして他の人たちを助ける気はあるのか？
アニメでは、ミランジョは答えません。
でも・・・実は原作では答えてます。
更にそのセリフから深掘りができるといった類いの回答。
大事なセリフだと思うのですが、なぜかアニメではカット。
ネタバレになるかもしれないので、一応伏せておきます。
ネタバレは嫌だという方は飛ばして下さい。
ネタバレになるかもしれないので伏せておきます。気にならない方だけご覧下さい。
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ミランジョはなぜカゲを助けたのか？
原作では、ミランジョは2つの理由を述べています。
まず一つ目──
カゲ：なんでオレを助けるんだ？
ミランジョ：お前はなぜ、あんな無謀なことをした？
カゲ：えっ、とっさのことさ。
ミランジョ：そうか。私も同じだ。※太字部分はアニメではカット
by 『王様ランキング』コミック10巻
カゲの「無謀なこと」とは、オウケンを飲み込んだことですね。
カゲはボッジを助ける為に、後先考えずオウケンを飲み込んだ。
とっさに体が動いたという意味ですね。
ミランジョも同じだと言うのです。
でも不思議ですよね。
カゲはなんとしてでもボッジを守りたいと思っていたから、とっさに体が動いたのです。
ミランジョはカゲを守りたいと思っていた？
そんなことはないですよね。
でも・・・もしかすると二つ目の理由に繋がるかもしれません──
カゲ：えっ、とっさのことさ。
ミランジョ：そうか。私も同じだ。第一、お前は関係ないしな。
カゲ：関係なくはねえっ！ でも礼は言っとくぞ。※太字部分はアニメではカット
by 『王様ランキング』コミック10巻
ミランジョはカゲは関係がないと言ったのです。
それって・・・
カゲは、ミランジョの反乱の目的ではないから、殺したくない！？
ミランジョの企みは、王妃ヒリングの暗殺であり、ボッス王国の崩壊。
カゲはボッス王国の民ではないから、関係ない。
だから、カゲを助けたと言うのです。
このセリフ、逆に言うと「ボッス王国以外の民は死なせたくない」と解釈することもできます。
ボッス王国以外の人が傷付けられたので、とっさに体が動いて助けてしまった！？
なんだか、ミランジョがただの殺戮者には見えなくなってきました・・・。
自分で書いておきながら申し訳ないですが「ボッス王国民以外を死なせたくない」のは、まだ穴があります。
もしそうならば、デスパーも隊長も助けるべきです。
二人とも、ボッス王国民ではないのですから。
デスパー師匠、隊長、ボッジ、カゲと倒れていたのに、ミランジョはカゲを真っ先に助けたのです。
カゲが一番重症だったので放っておけなかった可能性もありますが・・・。
それとも、ミランジョは冥府にも恨みがあるのでしょうか？
素直なカゲに何思う？
まっ、いいや。
ありがとう！by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第19話
この騒動の首謀者はミランジョ。
ボッジが狙われたのもミランジョの指示。
カゲを斬ったオウケンを、牢屋から連れ出したのもミランジョ。
全てがミランジョの仕業です。
カゲはどこまで理解しているのか不明ですが、(恐らくそこまで深く考えず)助けられた事実に、素直に礼を言う。
ミランジョは、驚いた表情をして、そして頬を赤らめる──
味方だったギャクザ国の人々には、礼どころから母を殺され自身は悲惨な目に。
だけど、仲間を殺そうとしている敵から、ちょっと助けただけで礼を言われる。
思わず感じる、温かい気持ち。
ふと思い出したのではないでしょうか──
ミランジョ。
人の幸せの上に、自分の幸せを築きなさい。by ミランジョ母『王様ランキング』TVアニメ第18話
母の言葉を。
今回の騒ぎを起こしたのはミランジョですが、彼女の根底にある優しさ。
ボッス王は、ミランジョの優しさを一番良く知っているから、信じている・・・いや信じたいのかもしれないですね・・・。
最後の砦
ミツマタに斬りかかるオウケン。その窮地にボッス王国四天王が駆けつける。
オウケンはミツマタを・・・食べる！？
グーー
by オウケン『王様ランキング』TVアニメ第19話
ボッジ達が弱っていくのを眺めるオウケン。
そこへミツマタがやってきてボッジを囲む。
ヘビ達がボッジの危機を見つけ、先にミツマタが到着したという感じでしょうか。
アニメは、ミツマタはオウケンの方を向いてますが、原作では、オウケンからボッジを守るように、オウケンを背にしてボッジの盾となっています。
ミツマタはオウケンがボッジらがじわじわ死ぬのを楽しんでいる事など知りません。
オウケンが向かってくれば、これ以上ボッジを傷つけてはならないと考え、盾となります。
頭側は常にボッジを懐に置き守っているから、オウケンへの攻撃は尻尾のみとなったのです。
ところが、オウケンの狙いはボッジではなくミツマタ！？
アニメでは一瞬しか描かれないので見落としてしまいそうですが・・・
オウケンはミツマタを見て、よだれを垂らし、お腹を鳴らしていたのです。
不老不死だけど食欲はあるのでしょうか？
そういえば、牢屋ではネズミを食べていましたね(苦笑)。
アニメでは、お腹がいっぱいになると、ミツマタの頭を狙いにいきました。
が、原作ではあくまで血をすすっていただけです。
血を飲むために、傷を付けまくっていたのです。
治癒魔法は誰のこと？
四天王＋ホクロらがようやく到着。
ボッジは刺され、血が止まらない。
頼みのヒリングは、もう力が残ってない──
ドルーシ：いや、もう一人いる。
ベビン：そうだ。治療できるお方はもう一人いる。
ドーマス：あ・・・でも。
ドルーシ：我らの頑張り次第だな。by 『王様ランキング』TVアニメ第19話
王妃ヒリング以外に治癒魔法が使える人がいる？
この流れで思い浮かぶのは、先ほどカゲを治療したミランジョ。
でも、ちょっと待って下さい。
鏡になる前のミランジョをよく知っているアピスやドルーシは分かりますが、ドーマスはミランジョを知りません。(15話 )
それにミランジョであれば「我ら(四天王)の頑張り次第」ではなくミランジョの心次第になります。
ミランジョではない可能性もありますね。
様子見
オウケンを前に、単独で戦おうとするドーマス──
私にやらせてくれ。
by ドーマス『王様ランキング』TVアニメ第19話
この手の展開でよくあるのが、最初から全戦力でかかっていれば、犠牲を払わず倒せたのにーー！ってありがちパターン(笑)。
でも『王様ランキング』はその辺しっかりしています♪
アニメではカットしてますが、原作では、ドーマスが一人で行こうとした際、ドルーシが止めようとします。
が、それをベビンが制止しているのです──
ドーマス：私にやらせてくれ。
ドルーシ：待・・・。
──ベビンがドルーシの言葉を制止する
ドルーシ：なんだベビン？
ベビン：(ボソッと)まずは観察を。※太字部分はアニメではカット
by 『王様ランキング』コミック10巻
ベビンから指示されたので、ドルーシとアピスは、ドーマスとオウケンの戦いを冷静に観察していたのです。
ドルーシ：知ってたのかベビン・・・教えてくれよ。
ベビン：百聞は一見にしかず、後ろの二人にも見せておきたかったしな。by 『王様ランキング』TVアニメ第19話
誰が強いだの、誰が倒すなど関係ありません。
オウケンをどうやって仕留めるか、この一点にのみ集中。
そのためには、誰が倒そうと、どう倒そうと関係ないのです。
ただ、マウント取って安心してしまったのか、隙を作ってしまう。
早々に拘束すれば良かったのですが・・・。
まさか、ここでオウケンが覚醒するとは──
オウケンは徐々に強さを取り戻しつつある？
ドルーシにマウントを取られているとき、オウケンの中で過去の記憶が蘇ります──
鍛錬は裏切りません。ピンチの時こそ、その真価が発揮される。➊
ピンチは最大の好機ですよ、オウケン。by デスパー『王様ランキング』TVアニメ第19話
オウケンもこれまでかと思ったのに、皮肉にも過去にデスパー師匠にもらったアドバイスで復活する。
あなたは覚醒できる。
その感覚です、オウケン、冥府の剣王。➋by デスパー『王様ランキング』TVアニメ第19話
アニメだと分かりにくい！！
この二つのセリフの間で、オウケンのある過去を示しています。
アニメを見れる方は、セリフの箇所の映像を見直して下さい。
- セリフ➊：オウケンは周囲を大勢の兵士に囲まれ、押されています
- セリフ➋：オウケンの周りの兵は全て倒れています・・・
オウケンは➊と➋の間に覚醒し、強くなったのです。
それが、デスパーのいう「その感覚です、オウケン・・・」。
つまり、オウケンは自我があった時(生前？)、既に覚醒をしていたのではないでしょうか？
自我を失ったオウケンは、まだ生前の強さではなかったのです。
オウケンは覚醒したのではなく、以前の強さを取り戻しつつあるのです。
登場当初は、獣のようなオウケンも、前話では雷と避雷針の関係に気付くなど徐々に頭を使った戦い方をするように。
今回は更にピンチな状況になり、返って過去の記憶を呼び覚まし、以前の戦い方を思い出す。
「冥府の剣王」と呼ばれていた強さを・・・
原作では、覚醒した(覚醒状態を思い出した)オウケンを見て、四天王らはかつての戦いを思い出します。
ドルーシ、アピス、ベビンは、オウケンにボッス王級の強さを。
ドーマスは、デスハー王級の強さをオウケンに重ね合わせます。
臆するドーマスに、先に我に返ったアピスが声を掛けたのが、ドーマスの肩に手を置いたシーン──
オレ達は四天王だ。
ああ、そうだった。
── オレ達が最後の砦だ ──
by ボッス王国 四天王『王様ランキング』TVアニメ第19話
これが、四天王、ボッス王国の最後の砦！
おわりに (『王様ランキング』19話とは)
原作コミック 10巻
熱いですね～～
ダレないですね～～
過去エピソードの残虐な描写はちょっと引いてしまうものの。
ボッス王の怒りはご尤もだと共感はできます。
過激展開はボッジに対しても容赦なし。
容赦がないから、感情移入してしまい。
容赦がないから、展開の予測が難しい。
一見、作風は童話でありながら、登場人物の性格は少年漫画、展開は青年漫画も入っている！？
童話でも少年漫画でも描けない内容。
これが、原作が連載されている投稿サービスプラットフォームの強みでしょうか。
酷いですが、盛り上がってきました！ (←表現っ！)
この先も楽しみですね。
アニメ残り話数は5話を切り、残り4話！
心して見ていきましょう！
以上、TVアニメ『王様ランキング』第19話の感想&考察レビューでした。
超長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。
20話のレビューも書いています。
良かったらご覧ください。
ではでは。
ボッスさん
あの時、その場にいなかったことを悔やもうよ・・・
今週の感想ツイート
#王様ランキング 19話
— 時文＠ここアニ(ブログテーマ移行中) (@toki23_a) February 25, 2022
母よりも守りたい人がいる
俺でなきゃダメな奴がいる
別れもできなかった母に決意する
残した事やり遂げるまで戻れない
我が子の成長実感し涙堪え送り出す母👍
片や、純粋なカゲ見て鏡の人は何思う
外では最後の砦が迎え撃つも
オウケンはまだ強くなる😱
どうなるのこれ⁉️😆
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