こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『王様ランキング』第15話「冥府騎士団」を鑑賞しました。
本レビューではアニメ感想だけではなく、原作コミック情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。
皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
今話の原作
今回アニメ化されたのは、原作コミック7巻90話~8巻96話。
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレはありません。
アニメ感想
+
原作コミックを読んで分かった情報を加味して「解説・考察」
私は原作コミック未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成しています。
よって・・・次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください。
全23話 各話リスト
話数 | サブタイトル | 原作 |
第12話 | 戦いの足音 | 6巻 |
第13話 | 王国の乱れ | |
7巻 | ||
第14話 | 王子の帰還 | |
第15話 | 冥府騎士団 | |
8巻 | ||
第16話 | 王の威厳 | |
第17話 | 不死の呪い | 9巻 |
第18話 | 神々との争い | |
10巻 | ||
第19話 | 最後の砦 | |
第20話 | 不死身 対 無敵 | |
11巻 | ||
第21話 | 王の剣 | |
12巻 注1 | ||
第22話 | 魔神との約束 | |
第23話 | 王様と太陽 |
※ 話数:リンクは各話レビューへ
注1:22話は一部11巻の内容
今回のあらすじ
ヒリング達の窮地を救ったボッジとカゲは、正気に戻った魔物達を冥府に帰すために、罪人ギガンを仲間に加え、城の地下にある冥府の門へ向かう。
その頃、ドーマスとホクロは、冥府の門の入口で冥府騎士団と鉢合わせていた──
たとえ、自分に襲いかかってきた敵は許せても・・・。
たとえ、皆が付いていると言われても・・・。
師と仰いでいたドーマスの裏切りは、ボッジの善良な心では処理しきれない。
カゲの「恥を知れ!」の指摘に、迷いなく身を投げるドーマス。
確かに茶番だが、ドーマスがそれだけボッジに忠誠を誓っていた事の裏返し・・・。
ドーマスとの関係は早く元に戻って欲しいが、まだ時間が必要か・・・。
それよりもデスハー王の目的はただ一人、ミランジョのみ!?
ならば、ヒリング達と目的は同じ。
敵の敵は味方?
共通の敵ミランジョを討つために共闘するのか、あくまでデスハー王はボッス王国の敵認定か・・・。
ボッス王国を舞台とした内乱の、第二ラウンドがスタートです!
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第15話「冥府騎士団」
魔物を帰すべく
正気に戻った魔物達を冥府に帰すべく、ボッジとカゲは城の地下へ向かうという。
ドーマスは敵?
ドーマスも完全に敵なのね。
ボッス様は、どんな企みを・・・by 王妃ヒリング『王様ランキング』TVアニメ第15話
ドーマスは、ボッス王の命に従い冥府への入口を破壊しようしています。
では、王妃ヒリングの言うように、ドーマスは敵、つまりボッス王側に付いたのでしょうか?
違いますよね。
結論を先に述べましょう。
ドーマスは何も分かってません(苦笑)。
ボッス王国の現状を理解した上で判断しているわけではありません。
ドーマスは単純に、ボッス王の命令に従っているだけです(苦笑)。
はい、ダイダ王の命令でボッジを暗殺しようとしたときと、行動原理は同じです(苦笑)。
今回は誰かを暗殺するのではなく、ただ単に、入口の破壊という罪の意識を感じられない、あるいは「何かいいこと」っぽい命令だから深く考えてないだけです。
ドーマスはボッジ暗殺を後悔してますが、ある意味、何ら成長してないのです。
では、ドーマスは知らずにボッス王に加担している?
その前に、もっと本質的なことを考えましょう。
ヒリングが言う敵はボッス王ではありません、真の敵はミランジョです。
ボッス王はミランジョの暴挙を許容しているが、全面的に協力しているわけではありません。
9話、王妃ヒリング暗殺時、ボッス王はミランジョの計画を少し邪魔をしています。
ボッス王が魔物を一匹倒してなかったら、ドルーシに情報を流してなかったら、暗殺は成功していたと思われます。
その後、ドルーシに国を離れよと忠告しています。
戻ってきたのはヒリング達の意思です。
ミランジョの計画を直接邪魔しないものの、警告あるいはチャンスを与えているのです。
ボッス王は、時折ミランジョの作戦を邪魔する行為をしているのです。
では、ドーマスに出した「冥府の門への入口の破壊」はどちらでしょうか?
私は、てっきりミランジョの邪魔をする側の指示だと思ってました。
なぜなら、ボッス王はミランジョに内緒でドーマスに指示したからです。(8話 )
王妃ヒリング暗殺の事をドルーシに伝えたのと同じですね。
実際、ミランジョは、ドーマスが冥府の門を破壊しようとしているのを知らないから、地下の様子が気になり地下へ行こうとしていたのですから。
次に別の観点、目的から考察していきましょう。
「冥府の門」を破壊することが、ミランジョに利するのか害するのか?
すいません、正直分かりません(苦笑)。
ボッス王の指示で、冥府の門を破壊するタイミングは「何か事が起きる時」。(11話 )
今回ボッス王国で騒ぎが起きた。
つまり、ミランジョが冥府から罪人(or魔物)を連れてきて、ボッス王国で暴れさせたこと。
これが「何か事が起きる時」だったのでしょう。
ミランジョが罪人を連れてくることを防ぐ目的ではなかったのです。
何か事が起きた後に冥府の門を破壊する意図は・・・
やはり、今回のように、冥府の門を通ってデスハー王国が攻めてくるのを防ぐため?
となると、門の破壊は、ミランジョのため。
それが単に、デスハー王の進軍が早すぎて間に合わなかった?
なんか少し短絡的過ぎる気もします(苦笑)。
冥府の入口を破壊して侵入者を防ぐのではなく、冥府の入口を破壊することそのものに何か意味があると思うのは、深読みしすぎでしょうか?
ボッジはもう弱くもなければ、ボッチでもない!
大丈夫、お前は強くなったんだ。
もうあの時のお前じゃないさ。それに・・・オレが、オレ達がついてる。
by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第15話
ボッジは既に以前のボッジではない。
デスパー奥義を修得して強くなり、カゲ達、一緒に戦う仲間がいる。
ミツマタや、忠義を誓ったギガンが同意するのは当然の流れですが。
魔物や、王妃ヒリング達が、力強く頷くのが温かい。
ボッジは、もう一人ぼっちではないのです。
原作では、カゲはもっと踏み込んだ発言をしています──
お前にはオレがついてる。
大丈夫だ。ついでにあんな奴、ぶっ飛ばしてしまえ。
※太字部分はアニメではカット
by カゲ『王様ランキング』コミック7巻
「あんな奴」とはドーマスのこと。
原作では、カゲは、裏切り者のドーマスをぶっ飛ばせとまで言っているのです(笑)。
ところが、ボッジは複雑な表情。
顔を青ざめ、首を横に振ります・・・。
この時のやりとりから、ボッジはドーマスを憎むと言うより、裏切られたことにまだまだ落ち込んでいる様子が窺えます。
留まるのはヒリングの為だけではない
ボッジ様。
我らはヒリング様達の体力回復のため、ここに留まります。by ドルーシ『王様ランキング』TVアニメ第15話
ドルーシは病み上がり状態で片目、片足を失ったので致し方ないにしても、ヒリングの治癒魔法は貴重なので連れていくのもありだと思うのですが、なぜ連れていかなかったのでしょう?
原作にはハッキリとその理由が──
我らは、アン殿たちの介抱と、ヒリング様の体力回復のため、ここに留まります。
※太字部分はアニメではカット
by ドルーシ『王様ランキング』コミック7巻
すっかり忘れてました(苦笑)。
戦士アンや、他の兵士がまだ倒れたままだったのです。
治療のため、王妃ヒリングは留まざるを得なかったのです。
それにしても、魔物達はせっかく懐いてくれたのに帰してしまうのですね・・・。
この後の戦いに役立つと思うのですが(苦笑)。
いや、優しいボッジのことだから、傷つけたくないのでしょう(笑)。
自分の子だから立派!?
ドルーシ:この短期間で、本当にご立派に。
ヒリング:ええ。あの子は私の子ですもの。当たり前じゃない。by 『王様ランキング』TVアニメ第15話
王妃ヒリングは義母。
ボッジと血が繋がっているわけではありません。
それでも「我が子」と言い切り、信じる姿が温かいですね。
いいシーンです!
と、アニメ鑑賞時、感動していたのですが・・・
原作は、ちと意味合いが違いました。
原作では、二人の会話はこうなっています──
ドルーシ:この短期間で本当にご立派に・・・いえ、もしかしたらずっと気づかなかっただけでしょうか・・・。
ヒリング:私は気づいてました。あの子は私の子ですもの。当たり前じゃない。
※太字部分はアニメではカット
by 『王様ランキング』コミック7巻
アニメは──
「ボッジが立派になったのは、私の子だから当たり前」
原作では──
「ボッジが立派なのは昔から。自分の子だから当然気づいていた」
違いが分かるでしょうか?
アニメはまるで「自分の遺伝子を継いでいるような当たり前さ」。
原作では「自分の子として接してきたので、ボッジの資質に母親が気づくのは当たり前」。
と言っているのです。
アニメはアニメで良いシーンになっているので、決してケチを付けているわけではありません(苦笑)。
今の王妃ヒリングのイメージではどちらも胸に響くものがあり、アニメの描写でも問題ないと思いますが、原作との違いを知っておいてもらうために記載しておきます。
というか、大事な部分をカットしても意味が通じるどころか、意外と感動できるものだなと、妙なところで感心してしまいました(笑)。
冥府騎士団現る
冥府への入口を破壊するために、地下へ入ったドーマスとホクロの前に現れたのは、逃げた罪人を追ってボッス王国に攻め入ってきた冥府騎士団だった。
原) 冥府騎士団はミランジョの想定外!?
大きな門まで辿り着く、ドーマスとホクロ。
原作では、門が少し開いていて、ゴーレム人形が慌てて出てきます。
急いで扉を閉め、開かないよう押さえます。
そこへ、冥府騎士団が無理矢理押し開けて入ってきたのです。
ドーマスが冥府騎士団を阻止しようと構えると、ゴーレム人形も背後から冥府騎士団に襲いかかります。
明示されていませんが、ゴーレムはミランジョの指示で地下の様子を見に来たのでしょう。
もしかすると、地下にいたゴーレムからの報告で、ミランジョは地下に侵入者がいると分かったのかもしれません。
これらの、ゴーレムの行動から──
冥府騎士団が冥府の門を通ってボッス王国へ攻め込んできたのは、ミランジョの想定外だったと言うことです。
もし仮に、ミランジョの目的がボッス王国崩壊なら、相手はデスハー王でも良いはず。
罪人よりずっと可能性が高いです。
ところが、ゴーレムに様子を見に行かせ、冥府騎士団の姿を見つけると、侵入しないよう扉を塞ぐ。
これは明らかに、冥府騎士団、あるいはデスハー王の侵入は許したくない、ミランジョの意思が感じられます。
逆に言うと、だからこそボッス王はドーマスに命じて、先んじて冥府の門への入口を破壊したかったのでしょうか?
だとすると、ミランジョの天敵はデスハー王。
ボッス王も、デスハー王だけは自国に入れたくないのかもしれません。
今話終盤、デスハー王の目的はミランジョただ一人と言い放ちます。
あの魔法の鏡に守られた?ミランジョを殺せるのは、デスハー王だけなのかもしれないですね。
騎士団は命令に従っているだけ
とぼけるな。
我が国の城に侵入し、囚人達を連れ出したのはお前達だろ。大人しく渡さないと戦争も辞さんぞ。
by 冥府騎士団 小隊長『王様ランキング』TVアニメ第15話
原作では、小隊長に「侵略されたので報復に来た」とはっきり言い切られています。
ミランジョはデスハー王国に侵入し、罪人を逃がした。
どのようにして、ミランジョが犯人だと特定したのかは不明ですが、確信を持って冥府騎士団、つまり軍を動かしているので”国王”の判断です。
ゆえに──
我らに話しても無駄なこと。
by 冥府騎士団 小隊長『王様ランキング』TVアニメ第15話
デスハー王の命を受けて動いているので、兵隊に話をしても引き下がることはないのです。
なので、ドーマスも──
仕方ないだろ。
私もそういう立場だ。by ドーマス『王様ランキング』TVアニメ第15話
立場上、他国の侵入をみすみす見逃すわけにはいかないと、返したのです。
ホクロの身を案じるドーマス
原作で描かれる、ゴーレム人形の登場。
結局、冥府騎士団に呆気なくやられてしまうのですが・・・
その状況を見て、ホクロに牽制するために──
お前らなど私一人で十分!
by ドーマス『王様ランキング』TVアニメ第15話
と言ったのです。
ゴーレム人形の強さはよく分かりません。
が、察するにホクロと同等程度か、ホクロはもっと弱いのでしょう・・・。
そのゴーレム人形が簡単に切り刻まれたので、ドーマスはホクロでは太刀打ちできないと判断し、出てくるなと忠告したように見えます。
念のため、補足しておきますが。
冥府騎士団は、人間ではなくゴーレム”人形”だと分かったので、動けないよう切り刻んでいます。
今話終盤、デスハー王が言うように「誰も殺すつもりはない」は本当で、兵士までその命令は行き届いているのだと思われます。
が、そんな事を知らないドーマスは、ゴーレム人形をバラバラにした冥府騎士団を見て、ホクロの身を案じたのです。
ここに来て、怖じ気づくかっ。
by ホクロ『王様ランキング』TVアニメ第15話
ホクロが、言ったこのセリフも──
バラバラに切り刻まれたゴーレム人形を見て、自分の身を重ねたのです。
それでも、ホクロは尻をツネり気合いを入れ直して、冥府騎士団に対峙しようとするのです。
尺の関係で削除したのでしょうが、ここは原作の方が説得力がありますね。
デスハー王到着
冥府騎士団だけでなく、デスハー王もボッス王国に攻め込んできた。
もはやボッス王は敵ではない!?
小さくなったボッスなど、私の敵ではないぞ。
by デスハー王『王様ランキング』TVアニメ第15話
ボッス王国に内偵を送り、ボッス王崩御や内乱のことだけでなく、ダイダの体を使って復活したことも知っているデスハー王。
ボッス王が復活したのを知っていて、乗り込んできたのだから、ボッス王に勝つつもりなのは本気で言っているのでしょう。
というか、やはりボッス王は以前の強さではないのです。
ボッス王は元々強かったが、最強になれたのは、魔神との契約でボッジの力を上乗せしていたから。
が、生まれ変わったことにより魔神との契約が切れたか、ダイダという幼い体ではボッス王の力はフルに発揮できないか。
理由は分かりませんが、以前の強さではないのです。
そのことについては、かつて魔法の鏡・ミランジョも言ってました──
ミランジョ:ボッス様。今、世界で誰が一番強いか知りたくはないですか?
ボッス王:私ではないのか?
ミランジョ:呪文を、ボッス様。by 『王様ランキング』TVアニメ第8話
原作では、ボッス王は「生まれ変わったので一番強くはない」という意味合いのことを言われています。(詳細は8話レビュー をどうぞ)
デスハー王は、ボッス王の強さの秘密(魔神との契約)を知っているのかは分かりません。
単に、巨人ではないボッス王は取るに足らないと思っているのかも(笑)。
ただ、今なら勝てると見込み、踏み込んできたのです。
ちなみに・・・
原作ではこのタイミングで、デスパーから思念波?が来てオウケンに雷魔法を放ちます。
この時のデスハー王と言ったら、冷や汗をかき慌てた様子でその場を離れ対処します。
まるで、少しでも早く隊長を助けなくては、というような慌てぶり・・・
デスハー王はイヤらしい性格ですが、根は優しいのかもしれないですね。
デスハー王が慌てるシーンは貴重なので、ぜひ原作をご覧下さい。
ドーマスは何をしようとした?
あのデカい金棒を受け止めることはできないだろう。
下手をすれば剣が砕かれる。by ドーマス『王様ランキング』TVアニメ第15話
上記は、原作セリフの一部がカットされています。
原作では──
あのデカい金棒を受け止めることはできないだろう。
下手をすれば剣が砕かれる。トゲトゲで受け流すのも難しい・・・
※太字部分はアニメではカット
by ドーマス『王様ランキング』コミック8巻
ドーマスの得意技は、相手の攻撃を受け流しすこと。
8話で、ダイダの体に復活したボッス王と戦ったとき。
ドーマスは、ボッス王の攻撃をいなしました。
あのワザです。
ボッス王の攻撃ですらいなせるドーマス。
が、デスハー王の金棒には、トゲトゲがついているので、受け止めても流すことができないのです。
だから、力で叩き落とそうとしたのです。
ところが、叩き落とすどころかデスハー王の攻撃に反応すらできなかったのです。
圧倒的な力の差ですね・・・。
どこまでもふざけているデスハー王
子鹿だ。
まるで生まれたての子鹿のようだ。
ヒヒヒヒ。by ドーマス『王様ランキング』TVアニメ第15話
圧倒的な強さを見せ、ここまで力の差があるなら、デスハー王はドーマスをどのようにも料理できたでしょう。
そんな状況で放った攻撃は・・・金的(笑)。
どこまでも、ふざけているデスハー王。
ただ、ケガをさせずに戦意を喪失されるには一番効果的かも(苦笑)。
それでも、立ち上がるドーマス──
立ち向かう!
by ドーマス『王様ランキング』TVアニメ第15話
圧倒的な強さを見せるデスハー王を前に、ひるまないドーマス。
ドーマスの強い意志に、ホクロは心を揺さぶられます。
原作では、ドーマスの姿に冥府騎士団の連中も感動しています。
敵ながら天晴れという感じでしょうか。
悪い人達には見えないですね(笑)。
そもそも、前話のドルーシの戦いに比べて緊迫感がありません。
それも仕方ない・・・
なぜなら、両者とも本気ではないから。
冥府騎士団は、誰も殺すなと命じられ。
ドーマスは、状況がよく分からないから、戦争に発展するので真っ向ぶつかりたくない。
結局、相手をケガさせずに、退かせる戦いになっているので危機感が弱いのです。
ドーマスVS魔物&ギガンは、死に直面していましたからね。
迫力が全く違うのは仕方がないのです。
ボッジ乱入!?
魔物を冥府へ帰すため地下に向かっていたボッジとカゲ。突如、ギガンが二人を抱え地下深くへ飛び降りる。その先には──
心の整理ができないボッジ
ボッジのグチャグチャな気持ちが伝わってくる。
今までボッジから感じたことない気持ち──
これは・・・恨み、憎しみ。
ボッジにはオレみたいになって欲しくない!by カゲ『王様ランキング』TVアニメ第15話
なぜ、ボッジの心はグチャグチャなのか。
カゲがボッジの感情を正確に読み取っているのかは分かりません。
が、カゲの読みが正しいのなら・・・
ボッジは、珍しく人に対して恨みを抱いたのです。
ボッジを崖へ突き落としたドーマスを恨むのは当たり前?
いいえ、それだけではないでしょう。
ドーマスを信じていたからこそ、より強い恨みが湧いてきたのではないでしょうか。
人間として当然の感情です。
でも、ボッジは、その恨みがよくない感情だと分かっている・・・。
ドーマスに対して敵意を向けないのは──
ボッジはドーマスを信じたいのではないでしょうか。
ドーマスは、ボッジにとって幼い頃からの数少ない味方。
ドーマスを信じられなかったら、もう誰も信じることができない。
信じたいが、信じられない。
どうしても裏切られた事実が頭をよぎり、信じることができない。
ボッジは恨みや憎しみと言った感情を抑えようとしているが、抑えられない。
これが、カゲの言う「グチャグチャな気持ち」ではないでしょうか。
デスハー王の狙いはミランジョただ一人
我が国の罪人を逃がし、この計画を企てた首謀者、ミランジョだ。
ミランジョには、死をもって償ってもらう。by デスハー王『王様ランキング』TVアニメ第15話
デスハー王の狙いはミランジョの首、ただ一つ──
アニメでは一部セリフがカットされていますが、原作ではデスハー王はミランジョの首さえ取れば、国もいらないと言ってます。
デスハー王の表明は、これまで示された情報と矛盾します。
一つ一つ検証していきましょう。
11話で──
逃げた罪人どもはボッス王国に入ったようだ。
早急に捕まえねばならん。そして、あの国は今、実質内戦状態にある。
そこでだ・・・この混乱に紛れて、ボッス王国を奪ってしまおう。
by デスハー王『王様ランキング』TVアニメ第11話
デスハー王は「ボッス王国を奪う」と言ってました・・・。
これは、今回真っ向否定しているので、(物語を盛り上げるための)比喩表現ですね。
次に引っかかるのは13話の隊長のセリフ──
すいません、デスハー様。
魔神の首を取ることは・・・by 冥府騎士団 隊長『王様ランキング』TVアニメ第13話
魔神と言えば、ボッス王が契約した奴です。
デスハー王の目的はミランジョただ一人なのに、隊長の目的は魔神!?
この違いはどう解釈すれば良いのでしょうか?
ここで、私の頭に一つの可能性が浮かびました・・・。
完全に思いつきなので話半分で聞いて下さい(笑)。
ミランジョと魔神は同一人物?
いや、それは言い過ぎか・・・。
ミランジョは魔神に乗っ取られている?
ミランジョは魔神に操られている?
ミランジョも魔神と契約して、実質一心同体?
ミランジョと魔神との間に何かあるのではないでしょうか?
根拠は、デスハー王の目的と、隊長のセリフだけではありません。
メタ的な根拠で申し訳ないのですが・・・OPです。
OPに幼いミランジョが出てきます。
あどけない表情をしたミランジョが、冷たい表情に変化する瞬間──
魔神のような手が、ミランジョを覆うのです。
ミランジョは確かに、今回の首謀者です。
でも、デスハー王の本当の狙いは魔神ではないでしょうか。
魔神がオウケンを元に戻す可能性を秘めている。
つまり、今回のミランジョのデスハー王国への侵略(侵入)行為は、デスハー王にミランジョを討つ(魔神を手に入れる)都合の良い理由を与えてしまったのです。
原) なぜドルーシはミランジョを知らない?
ミランジョ?誰だ?
by ドーマス『王様ランキング』TVアニメ第15話
アピスとベビンはもちろんのこと、ドルーシも知っていたミランジョ。
なのに、なぜドーマスは知らないのでしょう?
忘れているのでしょうか?
まあ、その可能性も否定できませんが(苦笑)。
ヒントは、7巻巻末にあるオマケ(描き下ろし漫画)にありました。
オマケの内容は、ホクロが主人公。
ボッジ様を守りたいという思いを胸に、ホクロが兵士になったエピソードが描かれます。
ボッジと共に、アピス、ベビン、ドルーシが紹介されます。
そうです、この時点ではドーマスはいないのです。
その後、時間が経過し──
それからダイダ様がお生まれになり。
ソードマスターのドーマス様が四天王になられた。by ホクロ『王様ランキング』コミック8巻
ドーマスは最後に王直属となり、四天王となったのです。
重要なのは、ドーマスが四天王になったのは、ダイダが生まれた後。
つまり、王妃ヒリングが城に来た後。
王妃ヒリングが城へ嫁いできたとき、既にミランジョは魔法の鏡になってました。
自分の部屋に飾ってある魔法の鏡を「禍々しい」と取り除きましたね。(13話 )
ドーマスがミランジョを知らないのは、ドーマスが四天王になる前に、彼女は退場──魔法の鏡になってしまったからです。
おわりに (『王様ランキング』15話とは)
それにしても、デスハー王、ボッジのことを「無能」呼ばわりして腹が立ちます!
あれ?
デスパーに弟子入りしていた事は、師匠も隊長もデスハー王に報告してないのでしょうか?
意外と関係性が悪い?
いや、前話そんなことはなかったですよね。
はい。
おそらくデスハー王は、ボッジに全く感心がないのだと思います(涙)。
だから、気にもしてなかったのが本当のところでしょう。
でも、ボッジはもうあの頃のボッジではありません。
無能呼ばわりするデスハー王に、目にもの見せて欲しい!
でも、ミランジョを排除しようとしているデスハー王は、ある意味、王妃ヒリングとは、目的が合致するのです。
デスハー王や冥府騎士団が味方になってくれればこれほど心強いことはない。
ならば、ボッジはデスハー王に従うのでしょうか?
そんな簡単に事は進まないですね(苦笑)。
なぜなら、ボッジはギガンを仲間にしたのです。
ボッジの仲間である、ギガンは、カゲの制止も聞かず冥府騎士団に攻撃を仕掛ける。
ただでさえギガンは罪人、捕らえるべき対象です。
そのギガンが、冥府騎士団に手を出してしまったのです。
心変わりしたとか言っても通じないでしょう・・・
でも、ボッジとカゲ達も、みすみすギガンを確保させないでしょう。
対ミランジョに対しては目的は同じでも・・・いや、ボッジはミランジョのことを知らないのです。
デスハー王がミランジョの首を取ると言っても判断は変わらない。
ボッジが守るべきは、仲間のギガン。
ボッジとデスハー王の衝突は避けられないのではないでしょうか?
と、ボッジを無能と蔑むデスハー王に一泡吹かせて欲しい思うからこそ、戦いを望んでしまいます(笑)。
今話は、少し緊迫感がなかったですが、第二ラウンド開始だから仕方なし。
次話で、痺れる戦い(雷のことではない)、心に響く展開を期待しています!
以上、TVアニメ『王様ランキング』第15話の感想&考察レビューでした。
超長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。
16話のレビューも書いています。
良かったらご覧ください。
ではでは。
あれ?
ドーマスと一緒にいた兵士はどこへ行ったの?
今週の感想ツイート
#王様ランキング 15話
— 時文@ここアニ(ブログテーマ移行中) (@toki23_a) January 28, 2022
戦った相手を許しても皆がついてくれても
元師匠の裏切りは心の整理が追いつかない
カゲの指摘に迷いなく身を投げるドーマス
確かに茶番だが忠誠誓っていた事の裏返し
元の関係に戻って欲しいがまだ先か
それよりデスハー目的はただ一人⁉️
ボッジがどちらに付くのか楽しみ😆
関連記事
アニメ『王様ランキング』第16話のレビューはこちら!