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こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『チ。-地球の運動について-』第7話「真理のためなら」を鑑賞しました。
本レビューではアニメ感想だけではなく、原作コミック情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。
皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
今回アニメ化されたのは──
- 原作コミック『チ。-地球の運動について-』第3集
-
第13話~第15話まで
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
今話で解決しなかった疑問
最下部「疑問点まとめ (Q&A一覧)」に記載
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレなし
アニメ『チ。-地球の運動について-』の原作は、魚豊先生による同名漫画。
私は原作未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成しています。
アニメ鑑賞
+
原作コミックを読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」
よって、次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください。
なお、原作コミックの情報は、「原作情報」として区別できるよう記載します。
こんな感じです
緑系の色を目印にしてね!
引用部分も次のように緑系をワンポイントに ──
燃やす理屈、なんかより!!
by ラファウ『チ。-地球の運動について-』コミック1巻
僕の直感は、地動説を信じたい!!
ちなみに、考察や疑問はオレンジ系 ──
補足や余談、参考情報はブルー系 ──
と色分けしているので、読む際の目安にして下さい。
全25話 各話リスト
話数 | サブタイトル | 原作漫画 |
第1話 | 『地動説』、とでも呼ぼうか | 第1集 |
第2話 | 今から、地球を動かす | |
第3話 | 僕は、地動説を信じてます | |
第4話 | この地球は、天国なんかよりも美しい | 第2集 |
第5話 | 私が死んでもこの世界は続く | |
第6話 | 世界を、動かせ | |
第7話 | 真理のためなら | 第3集 |
第8話 | ||
第9話 | ||
第10話 | ||
第11話 | ||
第12話 |
※話数:リンクは各話レビューへ
※サブタイトル、原作漫画:ネタバレを避けるため次話以降はマスク
はじめに
天文研究助手のヨレンタは、女というだけで研究員として扱われず雑用係に甘んじていた。
良い論文を書いても名前は出せず絶望していた折、掲示板である難問を見つける・・・。
名を残したい者と名を出せない者。
意識的な蔑視と無自覚な差別。
何が間違っている?
自分が悪い?
いや、そんなことはないはず・・・ならばあの人?
否、一体誰が悪い?
理不尽で生きづらい世界。
それでも生きていかねばならぬ。
ましてや女が天文学など。
どうするのが一番賢い生き方か・・・。
いや、ヨレンタは賢く生きたいのか、それとも・・・。
禁断の果実が一番甘い?
人生詰むと言われても、知的探究心を抑えられない者がまた一人。
目の前に垂らされた蜘蛛の糸(掲示板の難問)は、天界行きか地獄行きか・・・。
なんか、怖い…
ところで、バデーニさん。
それだけ大口叩いておいて、お前が証明するじゃないんか~~い!(笑)
ホント、それ!
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第7話「真理のためなら」
天文研究助手ヨレンタ
街の天文研究所で働くヨレンタは、優秀だが女というだけで研究員として扱われず、雑用ばかりさせられていた。
ピャスト伯研究所
冒頭に写った立派で美しい建物。
最初、大学かと思いましたが違いました。
公式HPのStory によると、この施設は天文研究所。
更に、原作によると、どうやらここはピャスト伯の施設のようです。
ヨレンタは学生ではなく、ピャスト伯の天文研究所で働いているようです。
研究員を目指していますが今は雑用係しかさせてもらっていない、といった感じでしょうか。
ピャスト伯は、「伯」と呼ばれているので貴族階級でしょうか。
あるいは、学者として名を馳せているのかもしれません。
となると、冒頭一瞬写った銅像はピャスト伯か、あるいは先祖でしょう。
いずれにせよ、ピャスト伯は施設内で絶大な権力を持っているようです。
手抜き
── いや、今日も気が重いですな。
by 所員『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
── また、どなられるよ。
アニメではカットされていますが、原作にはもう一言セリフがあります ──
── いや、今日も気が重いですな。
── また、どなられるよ。
── 今回ちょっと調査甘かったからなァ。アレはバレるよ・・・。※太字部分はアニメではカット
by 所員『チ。-地球の運動について-』コミック第3集
所員は、手抜き調査をしていたのです。
ということは ──
挨拶などいい!
by ピャスト伯『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
貴様のつまらん論文のせいで私の寿命を無駄にした!
調査が甘かったので、ピャスト伯に叱られたのかもしれませんね・・・。
このことから読み取れるのは ──
(男性)所員は、こんなに恵まれた環境にいながら、情熱を注いで研究していないのです。
もしそうだとすると ──
ピャスト伯は、横暴でも乱暴でもなく。
いい加減な仕事をしている所員側に問題がある可能性がありますね。
にもかかわらず、本気で研究したがっているヨレンタを蔑んでいるのです。
度し難いですね・・・。
一言も聞き逃さない
ま、間に合った。
by ヨレンタ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
先輩?所員達が外へ出て行くと同時に、ダッシュで井戸へ飛び込み研究会を盗み聞きするヨレンタ。
そんなに慌てたら、かえって目立って見つかる恐れがあるような気がしますが(苦笑)。
確かに(苦笑)
恐らく、ヨレンタは、ピャスト伯の言葉を一言も聞き逃したくないのでしょう。
アニメではカットされていますが ──
── おい、君は参加できないぞ、ヨレンタ君。
は、はい。勿論わかってます!
せめて、直前まではと・・・。── ふん、そうか。
※太字部分はアニメではカット
by ヨレンタ『チ。-地球の運動について-』コミック第3集
研究会には参加できないが所員達が出る直前までは、と健気なことを言っていたのです。
だから、所員は「そうか」と言ったんだね
あっ、そうか
研究会終了後は、出迎えるように玄関に立っているヨレンタ・・・。
健気なのか、それとも研究会に出られない事に対する嫌味でしょうか(苦笑)。
違いますね。
考えられるのは二つでしょうか。
一つ目は ──
所員に対し、研究会の間、ヨレンタは建物の中にいたと印象付けるため。
二つ目は ──
所員が全員出たことを確認すると同時に、出た瞬間に少しでも早く移動する為でしょう。
だとしても、あんなに急いで行く必要はありません。
何ごと!?と思うような走りをしていたら、かえって不審に思われます。
コルベは建物内にいるような…
急いでいたのは別理由 ──
研究会での会話を一言も聞き逃したくないのでしょう。
万全の対策
手袋は汚れないように。
by ヨレンタ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
手袋を汚さないよう外しているのは、大切にしているからだと思っていましたが・・・。
えっ、違うの!?
大切にしているのもあるんだろうけど…
素手で縄を伝って井戸を降り、地面を腹ばいで這っていったら、手は当然汚れます。
それどころか手には包帯があったので擦り剥け血が出ているかも。
そんな手で、戻った直後に手袋をしたら、手袋の内側が汚れてしまいます・・・。
手を洗えば泥は取れるかもしれませんが血は簡単には止まりません。
つまり、手袋を外したのは大切にしているから(だけ)ではありませんね。
手袋を外したのは、証拠を残さない為でしょう。
直前にコートを羽織ったのは、地面を這う際、服に土が付かないように。
手袋も擦り傷や土が付いてしまうと、怪しまれるので外したのでしょう。
それもこれも、誰にも見つかる事も怪しまれる事もなく、可能な限り素早く移動する為に考えついた方法なのでしょう。
すごっ!
(中盤で判明したように)この手袋は、父親からもらったもの。
大切な手袋を傷付けたくない、汚したくない、という気持ちもあるでしょうが・・・。
一番の目的は、他の所員達に盗み聞きしている事がバレないよう、僅かな痕跡も残さないようにしているのではないでしょうか。
女性蔑視
── 私も研究会に参加させて下さい。
それはダメだ。
まだ君がこの仕事に向いてるか判断しかねる。何とは言わんが、君は我々とは明らかに違うからね。
by 所員『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
女性というだけで研究会に参加する資格がないと決めつける所員達。
そこへ仲裁するかのような形で現れたコルベ。
てっきり、コルベが他の所員を諫めるのかと思いましたが・・・。
そうではありませんでした。
それどころか、コルベはヨレンタにこの世界での生き方を説きます ──
これから先の人生、君の本質と無関係なところで君の全てを否定する輩と出会うかもしれない。
by コルベ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
「君の本質と無関係なところ」とは、ヨレンタが女性であること。
ここでは、ヨレンタが女性というだけで全てを否定されているのです。
現実世界ではどうだったのでしょう。
アイリーン・パウアー著『中世の女たち』によると ──
この頃の女性観を先導していたのは教会(聖職者)と貴族階級。
貴族階級は教会の教えを受け継いでいるので、結果、教会の女性観が一般的であった。
教会では女性は劣っていると見做していた。
が、「女性は劣っている」という見解は、禁欲的な修道生活に端を発し、そもそも女性に対して「最高の誘惑者」「障害の中で最大のもの」という観念が支配的だった。
そこへ「聖職者だけが思想を表現できる唯一の階級」という事情が影響。
聖職者は基本男性。
教育を受けていない女性は、おのずと思想研究から遠ざけられていた。
結果、「女は劣っている」との固定概念が作られていった。
現代に生きる皆さんは、もうお分かりですよね?
性別に頭の善し悪しは関係ありません。
中世時代、女性が劣っていたのではありません。
中世の女性は教育を受けられなかったので、知識を得られなかったのです。
それが「女は(知識がなく)劣っている」結果を作り上げていたのです。
だけど君は自分のやってることを信じて進むんだ。
いざって時、引いたら終わりだ。私も可能な限り支援するよ。
by コルベ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
「女性は劣っている」という固定概念を気にせず、ヨレンタを評価するコルベ。
コルベが言っていることは正しいですが・・・。
さて、ヨレンタは、コルベを信じて良いのでしょうか・・・。
作為的か天然か
ちょっと査読をするから、その間、君は休暇だ。
by コルベ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
そうだな・・・この機に実家にでも顔を出すといい。
「査読」とは ──
論文の誤りや内容の妥当性をチェックして、掲載するか(本作の場合、ピャスト伯に見せるか)否かを検証すること。
論文の一字一句をチェックし、内容の妥当性を検証するのに、確かに時間はかかります。
だから、ヨレンタに休暇を与えたのでしょうか。
それとも、自分の名前で出すのに本人は邪魔だから遠ざけたのでしょうか?
コルベの本心は分かりません。
が、結果は ──
名義は私の名前に替えたけど、君の論文なんだから誇りに思ってよ。
- 中略 -
女性の論文なんて、誰が読むの?
by コルベ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
論文は、コルベが自分の名前で提出。
名前を書き換えるのを悟られないよう、ピャスト伯に見せる際近づけないよう、遠ざけたようにしか見えません。
作為的と言われても仕方ありませんが、ヨレンタはコルベを信じている様子 ──
彼は善人だ。
by ヨレンタ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
本当に私をかばったんだ。
コルベが善人!?
アニメでは気付きませんでしたが、原作では ──
コルベに声をかけれらた最初のシーンで、ヨレンタは頬を少し赤らめています。
ヨレンタは、コルベに好意を寄せているのではないでしょうか。
あ~~、そんな気がする(苦笑)
職場で唯一の味方で、面倒見が良さそうな先輩です。
イケメンですし、好意を持っても不思議ではないですね・・・。
もしかすると、コルベに対しての好意が、ヨレンタの正常な判断を狂わせているのかもしれませんね。
でも実際は ──
女性の論文なんて、誰が読むの?
by コルベ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
コルベも、ヨレンタを蔑視していたのです。
意識して差別しているのか無自覚なのかは分かりません。
意図的にヨレンタを騙そうとするなら、もっと慎重に言葉を選ぶはずです。
ごく自然に差別発言をしているので、コルベはヨレンタを差別している意識はないかもしれません。
つまり、自覚なくヨレンタを蔑視しているのです。
さらに ──
君には才能がある。
だから君が書いて私が発表する。それで私が評価されれば、助手の君を安全に天文台へ引き抜けるかもしれない。
by コルベ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
ヨレンタを引き抜くとは言ってますが ──
天文台勤務するのは、コルベが先。
コルベは、ヨレンタの力で自分が天文台勤務しようと目論んでいるのです。
自分が昇進すれば、ヨレンタを天文台へ引き抜けるという理屈を付けて・・・。
この点を見る限り、コルベは自分勝手、とても善人には思えません。
まさに「オー・マイ・ゴッド!」
「ブルータス、お前もか」ではなく「コルベ、お前もか・・・」
なんか今日はツイてない気がする。
by ヨレンタ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
「ツイてない」のは、盗み聞きではなく、論文の方だったのです。
直感を信じて止めるべきは、論文をコルベに渡すことだったのです・・・。
まあ、論文渡した直後に嫌な予感したけどね(苦笑)
あーー、ね
コルベのヨレンタに対する態度は本心か、それとも・・・
危うい立場
久々の家族団らんはいいものだな。
by ヨレンタの父『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
元気のない娘の様子を、父親は気遣います。
しょうがないことさ。
お前はまだ14歳だ。
by ヨレンタの父『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
それにあそこで働く、ただ一人の女だ。
ヨレンタは天文研究所で働く唯一の女性で、かつまだ14歳だったのです。
しかもお前は優秀ときた。
by ヨレンタの父『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
これがどれほど周囲の不安をあおるか分かるか?
アニメではカットされていますが、原作ではもっと言及しています。
しかもお前は優秀ときた。
これがどれほど周囲の不安をあおるか分かるか?学者とは恐ろしい生き物だ。
足の引っ張り合いなど日常茶飯事・・・お前がいる場所は、お前が思うより危険なんだ。万が一、お前が異端の魔女扱いでもされたら・・・考えたくもない。
そうならない為に、お前が職場ですべきことは一つだ ──
※太字部分はアニメではカット
by 『チ。-地球の運動について-』コミック第3集
足の引っ張り合い・・・。
研究所の所員は、ただでさえヨレンタを見下しています。
そんな奴らが、ヨレンタが自分より優秀だと知ったら・・・。
確かに、足の引っ張り合いどころか、平気で(優秀なのはおかしいと)魔女扱いしそうです。
コルベが言っていたことと同じような内容を、父親からも聞いていたのです。
ずっと寄り添ってくれた父親。
研究所で唯一普通に接してくれる(と思っている)コルベ。
数少ない親身にしてくれる二人の男性の言葉。
だから、ヨレンタは軽んじることができなかったのでしょう。
何もするな
お前が職場ですべきことは1つだ。
“何もするな“
by ヨレンタの父『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
“目立つな“
“栄光を目指すな“
1つちゃうやん!
まあまあ
まあ「何もするな」ということですね(笑)。
父親は、プライドに凝り固まった学者風情が集まった職場で、娘が貶められないか心配しているのです。
そんなに心配なら、なぜ働かせた!?
分かった。
お前ももう立派に自立してるもんな。心配で、つい出過ぎたマネをしたよ。
by ヨレンタの父『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
すまなかった。
娘の気持ちを優先したのでしょう。
優しく、それでいて子供の自主性を重んじる。
とても、良い父親ですね。
それにしても・・・。
ヨレンタの父親、なぜか顔が写っていません。
なぜ父親の顔を見せないのでしょうか?
一体誰なのでしょうか?
それにどこかで聞いたことがあるような声な気が・・・。
白々しい…
ってか、エンディングのキャストに今話登場してないキャラ名が載っているのでバレバレですね(苦笑)
ヨレンタの父親は誰?
優しさか詐欺師か
── 当然って、なんで?
いや、そりゃだって・・・。
by コルベ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
女性の論文なんて、誰が読むの?
何の悪気もなく、女の論文なんて誰も読まない、と当然のことだと言わんばかりのコルベ。
そもそも女性の名前で発表なんて危険すぎる。
by コルベ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
内容に不適切な箇所でもあったら一大事だ。
すぐ魔女扱いされて、最悪異端として殺されるよ?
コルベは、ヨレンタに現実を叩き付けます。
「女性の名前で発表なんて危険すぎる」
これが、この世界での常識!?
父親が言っていたことは正しかったのでしょうか・・・。
父親は注意はしつつも、最後にはもう自立しているのだからとヨレンタの考えを尊重しました。
ですが、コルベは危険だと断言しています。
もし、本当に「女性の名前で発表することが危険」だとしたら ──
コルベは、本心からヨレンタの身を案じているとも言えます。
ある意味、ヨレンタを助けているとも見えなくもありません。
少なくとも本人はそう思っているかもしれないですね・・・。
え~~、コルベは善人ということ??
でも下心(彼女の論文で自分が評価されたい)があるから大げさに言ってるかも…
えっ、どっち!?
現時点、まだ分からないね
── でもその世界に私の名前は・・・。
ないよ。
もう諦めて、この世はそういうもんだから。名前が残らなくても、自分の書いたものを発表できるだけマシだろ?
by コルベ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
いずれにせよ、今回の論文はコルベの名前で出されてしまいました。
「論文が評価されたら天文台」の夢が、潰えたかに見えたその時 ──
運命の分かれ道
おい、君。
by ピャスト伯『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
今、この前の論文を君が書いたと言ったか?
研究の仕事をさせてもらえないヨレンタは、ピャスト伯と話せる機会なんてこれまでなかったでしょう。
この先もずっとないかもしれません。
ヨレンタの論文は評価されたのです。
ここでピャスト伯に、その論文を書いたのは自分だと言えば・・・。
大きな選択を迫られるヨレンタ。
ですが、コルベの言葉、父親の言葉を思い出し ──
私のものではないです。
by ヨレンタ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
ヨレンタは退いてしまいます・・・。
さて、ヨレンタの選択は正しかったのでしょうか?
それは、ピャスト伯が女性をどう見ているかによるでしょう。
ピャスト伯が性別関係なく評価する人であれば、自分が書いたとカミングアウトした方が良かったでしょう。
ですが、ピャスト伯も(所員同様)女性差別する人であれば・・・ヨレンタの研究所勤めは速攻で終わっていたかもしれません。
ピャスト伯の女性観は、分かりません。
なにせ、この施設の女性はヨレンタただ1人。
ピャスト伯が女性に対してどのように接しているのか、誰も分からないのです・・・。
ただ、総合的に考えて、否定したのが正解と言えそうです。
えっ、そうなの!?
ピャスト伯が女性蔑視なら、即終了。
仮に性別関係なく平等に評価してくれたとしても・・・。
周囲の所員達が敵意をむき出しにしてくるでしょう。
あっ、そうか…
ピャスト伯の力で一時は守られるかもしれませんが、ずっと保護することはできません。
どこかで貶められるでしょう。
つまり、世界が、あるいはこの研究所内が変わらないと、ヨレンタは安全を確保できないのです。
結果、父親の「何もするな」は確信突いているんだよね
確かに…
とは言え、ピャスト伯はヨレンタの言葉を額面通り受け取ったのでしょうか・・・。
成功への作戦
地動説を証明するには、もっと多くの観測記録が必要。バデーニとオクジーは”持てる者”に接触を図る。
限界
- 惑星の中心は太陽である。
- 軌道は真円である。
- 惑星は一定の速度で運行する。
まとめると、それがこの書類の主張であり、独創的な発想であり ── 限界だ。
- 中略 -
もはや、先の3つの発想でやれることは達成していると言っていい。
だが、それでも率直に言って、とても発表できる完成度には達していない。
by バデーニ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
ラファウ達の研究資料が限界、とはどういう意味でしょうか?
その前に復習です ──
そもそも、フベルトやラファウは何をしていたのでしょうか?
➊➋➌で、地動説を一通り説明しています。
ですが、これらはあくまで仮説です。
彼らがやろうとしていたのは、地動説が正しいと証明することです。
仮説はあくまで仮定であって、科学的根拠を示し証明しなくては、事実として認められません。
特に、地動説のような(実感が伴わない事象は尚のこと)証拠が必要です。
その為に必要なのは、物的証拠となるデータ。
地動説の場合、観測データです。
「とても発表できる完成度には達していない」とは ──
観測データが➊➋➌を指し示していない、あるいはデータが不足しているということでしょう。
だから、バデーニは「限界」、「何か見落としている」と考えたのです。
アニメではカットされていますが、原作では ──
きっと何かを見落としてるんだ。
このままでは反論の余地はかなりある。
例えば「地球軌道がかなり複雑」とか「使用してる記録が作為的」とか・・・。※太字部分はアニメではカット
by バデーニ『チ。-地球の運動について-』コミック第3集
「使用してる記録が作為的」とは ──
地動説に都合良いデータを選りすぐっているように見える、ということ。
だから、もっと観測データが必要なのでしょう。
それで「(観測データを)持てる者」を探すことにしたのです。
ところで・・・。
➊➋➌は正しいのでしょうか?
現代人である私たちは、地動説は正しいと分かっています。
なので、➊➋➌は一見問題ないように見えます。
それならば、矛盾も限界などもなく証明できるはず。
バデーニが言うように間違っている、あるいは何か見落としているのでしょうか?
周知の事実ですが、作品内ではネタバレになってしまうので隠しておきます。気にならない方だけご覧下さい。
続きを読む (クリックして下さい)
3つの主張、実は1つしか正解していません。
正解は、「①惑星の中心は太陽である」。
これだけです。
残りの2つは間違っています。
- 軌道は真円である
⇒ 惑星の軌道は楕円形です - 惑星は一定の速度で運行する
⇒ (軌道は楕円形で)太陽から近いほど速度が速く、遠いほど遅くなります。
2つの仮説が間違っているので、どこか無理が出てくるのです。
3話 ──
地動説・・・やはり一筋縄ではいかないな。
まだ軌道が完璧な真円には程遠い。これじゃあ、まだ天動説の方が正確・・・。
by ラファウ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第3話
ラファウ自身も今の説はまだ正確さに欠けると自覚していました。
むしろ、宇宙は美しいと信じ、惑星の軌道は真円に違いない、と思い込んでいたのかもしれないですね・・・。
バデーニの言う「幼稚なほどの純粋さ」も、この辺のことかもしれませんね。
お~~、そういうことか
提示されてる情報からの推測だけどね
オクジーの目的
というわけで、正式に引き受けよう。
── ん? 引き受ける?ん?君はそれを頼みに来たんじゃなかったか?
── あ・・・そうでしたっけ・・・そうかも。
by バデーニ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
よしもと新喜劇風のボケをかますオクジー(笑)。
オクジーが腑に落ちなかったのは、ここへ来るまで、そもそも石箱の中身が何かすら分かっていなかったからですね。
バデーニが引き受けると言ったのは ── 「地動説の証明」です。
では、元々オクジーはバデーニに何を頼みたかったのでしょうか?
我々の今後についてだが、私のせいで君は街にも組合にも戻れないだろう。
しかし自己弁護するなら、今の状況を利用して全てを逆転できるかもしれん。- 中略 -
見せるべき人に見せれば大手柄をくれるやもしれん。
by グラス『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第6話
そして、この箱の内容も知れる。
教会から頼まれた異端者護送を放棄し、その異端者を逃がそうとした。
その結果、オクジーまで街にも組合にも戻れなくなってしまいました。
ですが、石箱の中身いかんでは大逆転できるやもしれない、とグラスは考えていたのです。
つまり、石箱を然るべき人に見せ、大金か安全の保証(保護される、あるいは教会に反論する?)を得る事がグラスの考えた最初の目的だったのでしょう。
ところが、オクジーが川に落ち観測データとネックレスをオクジーに託します。
オクジーは、頼まれたからぐらいの気持ちで教会のバデーニを訪ねます。
えっ、思いを託されたんじゃないの?
この時はまだ実感なかったんじゃないかな?
なぜなら、バデーニから「そんな得体の知れないものに時間は割けない。帰ってくれ」と言われた時、オクジーは簡単に引き下がりました。
あっ、確かに!
その後、気が変わったバデーニに書類は見るが火星を観測するように言われ、オクジーが夜空を見た時に我に返ったのです ──
いや、こんなことしなきゃいけない理由なんてないぞ?
by オクジー『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第6話
その後、思いを巡らせ ──
彼らだけが死ぬその瞬間・・・満足そうな顔をしてた。
by オクジー『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第6話
異端者とグラスの二人に特別な何かを感じていた事に、改めて考え直したのです。
二人をそこまでさせる程の何か ──
期待なんてやめろ!
── 絶望は希望に転化しうるのだ。
by オクジー『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第6話
── この世界に期待することだ。
オクジーも、この世界に期待したくなってきたのではないでしょうか・・・。
そう言えば、異端者はあんな事を言っていました ──
この地球は、天国なんかよりも美しいということに。
- 中略 -
すべての証拠は、あの中腹に置かれた石箱の中だ ──
by 異端者『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第4話
異端者は、地球は天国よりも美しいと言いました。
その証拠が石箱の中にある、と。
オクジーが、最初にバデーニに頼みたかった事は、単に石箱を見せて中身を知りたかっただけかもしれません。
が、今やオクジーの目的は進化し、この世が天国よりも美しいことを確かめたくなったのではないでしょうか。
だから ──
というわけで、正式に引き受けよう。
── ん? 引き受ける?ん?君はそれを頼みに来たんじゃなかったか?
── あ・・・そうでしたっけ・・・そうかも。
by バデーニ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
オクジーの返事は変化していったのです。
(最初の目的ではなかったが、真の目的であった)
おお、なるほど~~
自分ファースト
後進は作らない。
死ぬまでに私が証明できなかったら、私の関わった書物全てを燃やす。あくまで重要なのは、私がこれを完成発表することだ。
by バデーニ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
他の誰かに踏み台にされるのはごめんだからな。
「後進は作らない」「関わった書物全てを燃やす」。
バデーニは、自分の功績は誰にも渡したくない、と言っています。
自分は他人の研究成果を利用しても、自分の成果は使わせたくないのです。
バデーニの悪いところが出てきました・・・。
前話、教会正統派が崩れると言った際も、気にしているのはバデーニ自身の格でした。(6話 )
バデーニが重要視しているのは、自分のことなのです・・・。
後はどうでも良いように思えるな…
ひどっ!
そのくせ、足りないデータを集めるのに、”持てる者”に頼る。
恐らくヨレンタが協力者になるのでしょう。
ヨレンタがバデーニより優秀で、研究への貢献度も大きい場合・・・、それでもバデーニは自分の成果だと言い張るのでしょうか。
なんだか、イヤ~な予感がするのは私だけでしょうか・・・。
託された想い
全てが首尾よく運んで利益が生じた場合、分け前は9対1だ。
by バデーニ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
もちろん私が9。
どうやら、功績だけでなく金にも熱心なバデーニ修道士(苦笑)。
修道士は副収入OKなのか?
ですが、オクジーはそれだけは譲りません。
多分、あの手紙を残した人は、箱を開けて読む人のことを信じて、ああ書いた気がするんです。
今ここにいない人の思いを無視したら、何かが決定的に失われる気がして・・・。
── 何かって何だ?
歴史、というか・・・。
by オクジー『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
失われるのは、バデーニの人間性だと思うけど…
ホント、それ!
恐らくオクジーは ──
私が死んでもこの世界は続く。
by グラス『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第5話
だったらそこに何かを託せる。
それが、喪失まみれのこの世界から生まれたある種の、希望だ。
自分が亡くなっても誰かに託すことで希望を持てる。
少なくともグラスは、オクジーに託したことで死に際満足そうな顔をしていた。
思いを託すとはそれだけの物だと感じたので、バデーニに抵抗したのでしょう。
手紙の主が、ポトツキに感謝している気持ち。
手紙の主が、石箱を見つけた人を信じている気持ち。
それらを感じ取り、無視してはならないと考えたのでしょう。
それを「歴史」と表現するのは、オクジーなかなかのセンスですね。
さて、そう考えていくと ──
ラファウがポトツキの名を手紙に残した理由も見えてきますね。
これにより利益が生じた場合、その1割をポトツキに贈与すること。
by ラファウ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第5話
彼の協力は心強かった。
最初私は、ラファウが地動説研究しているのをポトツキが見逃したので感謝しているのかと思いました。(5話 )
オクジーの捉え方からすると、もっと大きな感謝な気がします。
もしかするとラファウは、ポトツキも地動説の研究をしていたのに気付いたのかもしれないですね。
ポトツキは元異端研究者です。(3話 )
恐らくフベルトは、勝手にあなたの過去の研究を見たんでしょう。
by 異端審問官ノヴァク『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第3話
ノヴァクの見立てだと、フベルトはポトツキの過去の資料を元に研究を進めていた。
そのフベルトの研究資料を元に、ラファウは地動説研究を続けた。
いや、そもそもラファウが天文学に興味を持ったのもポトツキの家に資料が多くあったからなのかもしれません。
そう考えていくと ──
ラファウが地動説を研究できたのは、(分かっている範囲で)ポトツキの研究が出発点。
ポトツキのお陰で、地動説研究が始まり、ラファウは真理を知り感動を味わえたことに感謝して利益贈与を記したのかもしれないですね・・・。
となると…ポトツキも後進に想いを託したとも…
あっ、そうじゃん!
入口に立つ
── 聖職者として、あれに触れた今の我々は、地獄の入り口に立ったと思いますか?
ああ、入り口には立ってる。
by バデーニ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
だが、天界のだ。
この辺も言葉のレトリックが面白いですね。
異端者が残した石箱の書類。
それに触れたのだから、オクジーは自分も地獄行きだと不安に思っています。
それで「地獄の入り口に立ったと思うか?」と聖職者であるバデーニに質問をぶつけたのです。
こんな質問をぶつけたのは、オクジーはバデーニを聖職者として信じている証拠ですね。
グラスから問題がある修道士と聞かされ、自信家で傲慢な修道士らしからぬ言動を見ても、オクジーは信じているのです。
ある意味、オクジーは純粋なんだろうね
あー、ね
だけど、聞いた相手がアウトローな修道士だったから、飛びっ切りな答えが返ってきます。
二人が立っているのは ── 地獄の入り口ではなく、天界の入り口。
オクジーは、死後に行くであろう(と信じている)天国と地獄の話をしています。
が、バデーニが答えたのはこの世の話です。
アリストテレスが唱えた「天動説」では ──
月より下を地上界、月より上を天上界と呼んでいます。(4話 )
地上界では、重い物は(地球の中心に向かって)下に落ちる。
天上界は、別の理があるから、星は落ちてこない。
人類が天界について今以上に知れることはない。
by 修道院長『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第6話
天と地は階級が違うんだ。
天上界(天界)を人が立ち入ってはいけない不可侵領域にしていたのです。
ところが地動説は、月を境にすることなく、宇宙を一つとして捉えています。
地動説を研究することは、これまで立ち入れなかった天界を知ること。
だから ──
ああ、入り口には立ってる。
by バデーニ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
だが、天界のだ。
天界の入り口に立っていると、バデーニは言ったのです。
それにしても面白いですね。
どこまでも死後(あの世)を気にするオクジー。
この世どころか、自分の功績で頭が一杯のバデーニ(苦笑)。
これで会話が成り立っているのだから、面白い組み合わせです(笑)。
ぜひ、バデーニに死後の世界を聞いて欲しい
確かに!
何て答えるんだろう??
持てる者との接触
あの箱の中の記録だけでは、あの箱の中の結論を超えられない。
by バデーニ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
もっと多くの記録を持つ者に会わなければ。
バデーニは、多くの記録を持つ者を探します。
そこで、掲示板を使って、観測データとそれを読み解く力を持った者を釣ろうとしたのです。
暇な上級市民が、出題者になったり回答者になったりして腕を競ってるんだ。
by バデーニ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
彼らは掲示板に難問を求めてる。
でも、地動説は(この世界では)危険な思想です。
万が一、教会に目を付けられると厄介です。
もちろん、掲示板に貼りだした問題は、普通の天文学で解ける内容でしょう。
が、協力を仰ぐには、地動説のことを話さなくては意味がありません。
仮に”持つ者”を見つけたとしても・・・。
見ず知らずの人に、地動説の話をして大丈夫なのでしょうか?
その疑問に対する答えは原作にありました。
アニメではカットされていますが、同じような疑問を原作ではオクジーが投げかけています。
オクジー:回答者に「あの箱」の話をするのは危険じゃ・・・。
バデーニ:そこは運だ。理解ある安全な人物に出会えるまで待つしかない。※アニメでは全文カット
by 『チ。-地球の運動について-』コミック第3集
地動説の話をしても問題ない(教会へ漏らさない)人に出会えるまで、待ち続ける算段だったのです。
随分、運任せな計画ですが・・・実際、早々にヨレンタが見つかりそうです(苦笑)。
ヨレンタは、(バデーニから見て)安全な人でしょうか・・・。
結論を先に書くと、ヨレンタは秘密を漏らさず安全でしょう。
なぜなら、掲示板の問題を解くのもこっそり隠れてやる程です。
(仕事でもない)天文関連の研究をしていることは周囲には明かさないでしょう。
ましてや、禁忌(地動説)となれば・・・。
コルベに論文を見せるかもしれませんが、禁忌は流石に見せないでしょう。
・・・と思いたい
怖いこと言わないで!
ところで・・・。
原作によると、街へ来たのはバデーニに石箱を見せた翌日です。
バデーニは、一晩で難問を作ったどころか、(複写機はないでしょうから)何枚も書いたのです。
どんだけ優秀なんだ・・・。
てか、修道士の仕事は良いのか?
あっ・・・
知的探究心
なんか私、平然と今、あんまよくないことしてない?
いやしてるから!普通に考えてもダメ過ぎるから・・・。- 中略 -
うん、やっぱり悪いことだ。
by ヨレンタ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
これはよくないやめよう。
コルベが不在なのを良いことに、許可なく資料を見るヨレンタ。
最終的には、良くないことだと我に返り、資料を元に戻しますが・・・。
でも・・・悪いとかどうでもいいからあれの答えが気になる・・・。
いいや、解いてから考えよう。
by ヨレンタ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
難問の答えが気になって、悪いことだと分かっていてもルールを破ったのです。
資料を使って解くこと自体が問題なのに ──
「これ惑星の記録がないと解けない」問題を「解いてから(後で)考えよう」と判断してしまったのです。
ヨレンタは、好奇心、知的探究心に抗えない性格のようです(笑)。
考えてみれば当然ですね。
なにせヨレンタは、14歳です。
現代と比較しても意味ないけど…
14歳だと中学2~3年生だよね
中二!?
就職したばかりで、この世界の常識を聞いても、腹落ちしていません。
その上、天文の研究ができず、論文を書いても名前を改変され提出される始末。
こんなモヤモヤしている精神状態の時に、地動説なんて題材を与えてしまっては・・・。
ああ、ヨレンタが悪の道に引きずり込まれそうな流れで父親のように心配してしまいます。
でも真理に近づけるならそれも本望!?
うん。
なんか、ヨレンタはチョロい気がするのは気のせいでしょうか。
オクジーのようなお人好しであれば問題ないですが・・・。
コルベや、ましてやバデーニのような食わせ物からしたら・・・。
これってカモネギ状態では??
持てる者
バデーニさんの問題の前に人がいます。
by オクジー『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
あれって、もしかして解答者?
原作では、上記セリフの前に二人でやりとりがあります。
そう言えば君、目はどれくらい利くんだ?
by バデーニ『チ。-地球の運動について-』コミック第3集
観測の際に重要な情報だ。
観測を任せるからには目がよくないといけません。(1話 )
グラスから目は良いと言われていたオクジー。
その事を伝えると、バデーニから掲示板の問題文が読めるか質問されます。
そこで、ヨレンタを見つけたのです。
はあ? もう?
by バデーニ『チ。-地球の運動について-』TVアニメ第7話
今朝貼ったばかりだぞ。
何日かかるか分からないと思っていた、持てる者探し。
わずか半日ほどで候補者が現れたのです。
さて、この出会いはヨレンタにとって地獄行きの切符となるのか。
それとも天界(真理)への一歩となるのでしょうか。
ああ、次話が楽しみと同時に心配になってきました(苦笑)。
おわりに (『チ。-地球の運動について-』7話とは)
『チ。-地球の運動について-』は、女っ気がないと思っていましたが、ようやく女性キャラ登場!
でも、この世界では差別対象!?
溢れんばかりの才能を持っているのに、その力を存分に発揮できないヨレンタ。
地動説研究が教会から異端として抑圧されるているだけで困難なのに、そこに女性差別まで絡んできたのです。
ただ真理を追究したいだけなのに。
ただ宇宙は美しいと証明したいだけなのに。
なぜ、教会は、世界は、邪魔をする・・・。
(本作での)異端者の末路は分かりきっています。
そこへ年若き少女が加わっていく。
その意味は分かっているのか、分かっていても突き進んでしまうのか・・・。
そうじゃん!
やだよ、見たくないよー
一抹の不安を抱きながら、今後の展開を見守りたいと思います。
以上、TVアニメ『チ。-地球の運動について-』第7話の感想&考察レビューでした。
長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。
次話のレビューも書く予定です。
良かったらまたお越し下さい。
最新情報はX(@toki23_a)にて!
ではでは。
知的探究心の「ち」
疑問点 まとめ(Q&A一覧)
この章では、疑問点をまとめていきます。
- 今話で発生し解決した疑問は、本文で解説して本章(ここ)でまとめ
- 今話で解決しなかった疑問を、疑問XX-XX(話数-通し番号)として記録
⇒ 本章(ここ)でまとめ - 答えは、推測ではなくできるだけ(原作含む)作品内で明らかになった事実を記載
※推測が入る場合は、断りを入れる
⇒ 解決した疑問は、次話で削除
今話で解決した疑問 (クリックすると答えが表示されます)
今話で新たに発生し、解決しなかった疑問
- 疑問 07-01 コルベのヨレンタに対する態度は本心か、それとも・・・
- 疑問 07-02 ヨレンタの父親は誰?
残っている疑問 (クリックすると表示されます)
- 疑問 02-02 異端審問官ノヴァクの娘の手紙に何がある?
- 疑問 04-01 なぜ地球が宇宙の中心から底辺へ教会の教えは変わった?
- 疑問 05-01 ラファウの手紙、ポトツキ贈与に込めた意図は?
- 疑問 06-01 異端者護送中に裏切ったのに、オクジーは教会から手配されていない?
- 疑問 06-02 なぜ太陽の大きさが、禁書にされている?
- 疑問 06-03 バデーニは、なぜオクジーに観測を頼んだ?
今週の感想X
#チ。 #チ球の運動について 7話
— 時文@ここアニ(『チ。』レビュー中) (@toki23_a) November 10, 2024
名残したい者と名出せない者
意識的な蔑視と無自覚な差別
何が間違ってる?誰が悪い?
それでも生きていかねばならぬ..ましてや学問など..詰むと言われても抑えられない者がまた1人。蜘蛛の糸は天国か地獄行きか
それだけ大口叩きながら1人でやるんじゃないんか~い🤣
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