こんばんは。時文です。
TVアニメ『約束のネバーランド』第8話鑑賞しました。
今回は原作 3巻 23話~25話(約66ページ)まで進みました。
モノローグの内容はカットされてましたが、それ以外はほぼ原作通り。
前半、シスターのシーンは原作に比べ、より印象的に。
後半、ノーマン達の前で、本性を見せるママの隙のなさがラスボス感たっぷり・・・
ただ、モノローグが省略されていた分、アニメだけでは分かりにくい点がありました。
- なぜ、レイ、ノーマン、エマは下見を強行した方が良いと判断したのか。
- エマはママを押さえ込み、何を狙ったのか。
- なぜ、ママは大事な商品にも関わらず傷つけたのか。
- ママの言う「事情が変わった」の事情とは?
- 前話、ママが言った”頃合い”の意味は?
順に解説します。
ここでは、以下の観点でレビューします。
- アニメだけでは気付きにくい点を「解説」
- 必要に応じて、原作コミックの情報を加味して「補足」
- “原作既読者”目線の「感想」
作品理解の参考にしていただければ幸いです。
※今話の「ネタバレあり」。次話以降のネタバレは「なし」。ご安心を。
約束のネバーランド(1期)
話数 | サブタイトル | 各話レビュー | 原作巻数 |
EP.01 | 121045 | 1話R | 1巻 |
EP.02 | 131045 | 2話R | |
EP.03 | 181045 | 3話R | |
2巻 | |||
EP.04 | 291045 | 4話R | |
EP.05 | 301045 | 5話R | |
EP.06 | 311045 | 6話R | |
3巻 | |||
EP.07 | 011145 | 7話R | |
EP.08 | 021145 | 本レビュー | |
EP.09 | 031145 | 9話R | 4巻 |
EP.10 | 130146 | 10話R | |
EP.11 | 140146 | 11話R | |
EP.12 | 150146 | 12話R | 5巻 |
前回のあらすじ
秘密を知った子供たちを突き止めたシスター・クローネは、意外にも協力を申し出る。
エマ達は、疑いながらもお互い利用するために組む。
その夜、シスターの部屋を訪れたノーマンとエマ。
シスターから情報を聞き出すも、発信器対策していることを気付かれてしまう。
決定的な証拠を掴むために、寝室を探るシスターが見つけたものは、ママ(イザベラ)の弱みが書かれたメモだった。
浮かれるシスターの部屋へ訪れたママは、本部からの手紙を渡す。
「残念だけど、そういうことね。さようなら。」
-11月2日-
脱獄決行まで、あと6日”以内”!
今回のあらすじ
本部からシスター・クローネへ宛てた手紙の内容は、辞令だった。
シスターは、辞令はママ(イザベラ)の策略だと確信しながらも、指示に従うしかなかった。
シスターは、最後の望みをかけ、グランマへママの弱みと失態を報告。
だが、グランマはママの失態をミスと見なさなかった・・・
一方、ノーマン達は、塀の外の下見を決行。
レイがママを引きつけ、その間にノーマンとエマが下見に。
だが、ママは、突如レイの内通者としての役目を解除、部屋へ閉じ込めてしまう。
ノーマンとエマの前に現れたママは、ついに本当の顔を見せる・・・
シスターに尻尾をつかまれる前に脱獄しなくてはと決意して臨んだ下見。
発信器を壊す準備が整ったので、下見の結果次第ですぐにも脱獄は可能だった。
もう少しだったのに、魔の手がノーマン達に・・・
シスターも始末されてしまう・・・
一気に、ママのペースになってしまった第8話。
物語の転換期となる回でした。
次話が気になりますが、まずは今話を、振り返っていきましょう!
解説&感想レビュー
今話はOP前のアバンタイトルもなくAパートを使ってシスターの最後までを一気に!!
原作既読で結末をしっていてもドキドキしました♪
GFハウスの変わらぬ平和な日常との対比が不気味でした・・・(苦笑)。
GFハウス シスターの部屋(ママ/シスター)
本部からの手紙は、シスターの辞令だった。
── シスター・クローネ 貴殿を ──
── 第4プラントのママに任命する ──
シスターは、ママが自分を始末するつもりだと確信していたが、辞令に逆らうわけにはいかなかった・・・
前話ラスト、ママのセリフ。
残念だけど、そういうことね。さようなら。
by ママ『約束のネバーランド』TVアニメ7話
これは「(お別れは)残念だけど、(ママになる辞令があり、GFハウスを出て行くのは仕方ない)。さようなら。」という意味でしょう。
というか、ママは全然、残念がっていません!
(アニメは)声優さんの演技で分かります。
#原作では、文字だったので分かりませんでした。
ママもシスターも、互いを全く信用していないし、本音で話してません。
にしても、シスタービビりすぎ!(苦笑)
自分は「後ろめたいことをやってます」と言っているようなもの・・・
前話、ノーマンとエマに「人間は、いるだけで情報の塊」などと言ってたのに(苦笑)。
もう少しシスターは(本心を隠す)演技しろよと言いたいですが、そこはママの存在感が圧倒的に強いと解釈すべきでしょう。
罠だと分かっても従わなくてはならない
あの女、私を始末する気だ。
by シスター・クローネ『約束のネバーランド』TVアニメ8話
原因は分からないが、シスターは、ママが自分を始末する気だと確信します。
ママの罠だと気付いても、指示に従わざるを得ないシスター。
実は、ペーパーナイフと手紙に意味があるのです。
シスターが逆らえないのは、手紙が本部からの手紙で、”本物”だということ。
本物だという証拠に、手紙にシーリングスタンプ(封蝋:赤いヤツ、蝋を本部を示す印で刻印)があり、開けるためにペーパーナイフが必要だったのです。
ママが偽装したのなら、刃向かうことできたのですが、正真正銘本部からの指示なので、シスターは従わなくてはならなかったのです。
実際、”今すぐ”門へ、という指示もおかしいですよね。
手紙が届いたのは、レイのカメラと同時に届きました。
つまり、昨夜。
ママはシスターへ、昨夜渡すこともせず、朝一で渡すこともせず。
#その間、シスターは子ども部屋を「がさ入れ」してました。
グランマが門へ来る時間を見計らって、シスターに手紙を渡したのです。
つまり、シスターに余計な事をさせないためですね。(これは私の推測です)
子ども達が食事の時間に指示したのも、子ども達と接触さえないためか。
が、シスターもただでは転ばず、僅かな時間で、エマ達へあるモノを託すのです。
「応援」ではなく「意地」
アニメだけ見ると、シスターが最後に子ども達を応援しているように見えたかもしれません。
が、原作では、ママに対して「一矢報いたい」思いから来ています。
大人しく殺されてなどやるものか!!
勝ち目はなくても、まだ反撃の目はあるのよ。ガキ共を逃がし、イザベラ、お前だけでも引きずり堕とす!!
-中略-
心の底から不本意だけど、あなた達にくれてやるわ。
絶対逃げろよ、クソガキ共!!by シスター・クローネ『約束のネバーランド』原作コミック3巻
子ども達を支援するでもなく、助けたいなどとは思っているわけではありません。
ママに、ずっと小バカにされ、何一つ出し抜けなかったクローネの意地ですね。
さて、シスターは何を残したのでしょうか。
それは、次話以降で明かされていくでしょう。
門 (グランマ/シスター)
身支度したシスターは門へ。
グランマにママの弱みと失態を告げるが、グランマは制御できていれば問題ないと一蹴。
シスターには、最初から勝ち目はなかったのだ。
失望したシスターの目の前に現れたのは・・・
門は、外の世界との接点ではありますが、1話の印象もあり、処刑場のように見えますね・・・
まるで「処刑場へ向かうシスター」という感じでした(少し同情)。
「制御」も手段の一つ
シスターがグランマへ訴えるも、グランマは制御できていれば問題ないと気にもとめない。
グランマの回想シーンに現れる、塀の上の少女。
面影、特に下目遣いの目が、ママ(イザベラ)にそっくりですね。
ママ(イザベラ)だとしたら、グランマとママは、ママが幼少の頃から見知ってて信頼関係は強固だということか。(私の推測です)
このシーンは、それよりも大事なポイントがあります。
グランマもかつては、ママ(飼育監)。
そのママ(飼育監)時代に「逃げようとした食用児を制御していた」。
ことが示されていることです。
つまり、グランマも、「秘密がバレたら即出荷」ではなく、「満期(もしくは指示された時)に出すことが最優先」とのポリシーということ。
「ティファリ(儀祭)に最上の一皿を。農園に最大の利益を」
by グランマ『約束のネバーランド』TVアニメ8話
これが、グランマのセリフの真意。
秘密がバレたことなど些末なことなのです・・・
そして、グランマの回想で出てきた少女が、”仮に”ママ(イザベラ)だとすると・・・
ママは、自身が食用児の頃、当時のママ(グランマ)に制御されていた。
ママは制御された経験もあり、その上で、ノーマン達を制御しているのです。
ママは頭が切れるだけでなく、経験も豊富・・・
そりゃあ敵うわけないのです・・・
生き残るには、他者を犠牲にするしかない
悲しいレクイエムと同時に流れる、子ども達の食事シーンとシスターの回想シーン。
私は、今まで、シスターは自分勝手なヤツだと思ってました。
自分だけが生き残れば良いと考えるヤツだと。
が、この回想シーンを見ると、シスターも他の食用児同様、育てられ、ママになる道を目指してから競争の世界で生きてきたのだと分かります。
外には出られない。
あるのは「出荷」か「ママ(飼育監)への道」。「外には、人間はいない」
「競え」by シスター・クローネ『約束のネバーランド』原作コミック3巻
シスターは生き残るためには、ママを目指すしかなく。
死なないためには、他者を蹴落とすしかなかったのです・・・
クソみたいな世界ですね。
訓練したけど、用済みとなれば・・・
シスターの回想シーンで、体術を訓練しているシーンがありました。
#原作では1コマのみで気にも止めてませんでした(汗)
アニメでは、印象づけるように2カット挿入。
これは、Bパート、ママがレイやエマをあっと言う間にあしらうシーンの伏線ですね。
ママ達は、体術も会得しているのです。
体術を会得している大人と、未経験でかつ子どもとでは、普通の大人と子ども以上に差があるでしょう。
シスターの最後は、胸に花が・・・
これは1話のコニーと同じですね。
鬼が言う「グプナ(儀程)」というやつか。
・・・ん?
ということは・・・
シスターは、処刑だけではなく、食用にするということか!?
#書いてて気分が悪くなりますが・・・
子ども達の食事と、鬼の食事。
「いただきます」と「ごちそうさま」の使い方。
子ども達の「現在」と「将来」を暗示しているようでもあり、悪趣味だけどお見事(苦笑)。
GFハウス シスターの部屋(ママ/レイ)
ママを足止めするため、レイはママと薬剤のすり替え作業に取りかかる。
突如、ママはレイに告げる・・・
「シスター・クローネは排除した」
「あなたもよ、”取り引き”は今この時をもっておしまい」
明日脱獄予定だった!?
原作では、「下見作戦」決行前、レイ達が作戦を確認するシーンで、”明日”脱獄することを目指します。
脱獄決行は6日以内。
でも、できるなら明日決行したい。-中略-
発信器はもう壊せる。
あとは、この「下見」を残すのみ。by ノーマン達『約束のネバーランド』原作コミック3巻
レイのスパイ報酬でインスタントカメラが手に入り、発信器はいつでも壊せる。(7話)
──これで脱獄の準備は整った。
シスターが脱獄の物証を探している。(7話)
恐らく、ママも疑っているだろう。
──事は一刻を争う。
「下見」の状況次第だが、新たな準備の必要がなければ、明日にでも脱獄を決行しようと決意していたのです。
それだけに、ママに先を越され、やられた感が強まりました!
この辺は、原作の方が情報も多く、臨場感タップリに描かれているので、興味ある方は原作をお読み下さい。
協力はするが、信用はしていない
アニメに戻りましょう。
ママとレイが階段を上るシーン。
アニメでは分かりませんが、原作では、このときレイはシスターのことを気に掛けています。
おかしい・・・
さっきからシスターの姿が見えない、気のせいか?どこで何してる?
by レイの心情描写『約束のネバーランド』原作コミック3巻
ノーマンとエマが下見に行っているので、シスターの行方は当然気になります。
レイがシスターのことを考えている時に、ママが「排除した」と言ったのです。
レイは、「排除した」の意味を図りかね、シスターの部屋へ駆けつけたのでしょう。
本当かどうか確認するために。
でも、レイのこの慌てようは、私は少し腑に落ちないです。
今まで、レイはママにシスターの存在が邪魔だと言っていたのに、排除と聞いたら、「ようやくか」というのが筋では?
まあ、シスターはママが知らない(知らせてない)情報を持っているから、排除=シスターとの情報もバレた、ということだから慌てたのでしょうが・・・
嘘つきでも、役に立つから使っていた
使える犬だった・・・たとえ嘘つきの裏切り者でも
-中略-
あなたに落ち度はない、これは『不当解雇』よ。
by ママ・イザベラ『約束のネバーランド』TVアニメ8話
「裏切り者」なのに「使える犬」。
「裏切り者」なのに「落ち度はない」。
このセリフ、一度聞いただけでは理解できないですよね。
原作には、セリフとセリフの間にレイの心情描写が入ります──
たとえバレていたって問題ないんだ。
俺が使えれば!!
俺を含めて、制御できていれば!!by レイの心情描写『約束のネバーランド』原作コミック3巻
ママもレイもかなり高い次元でお互いの利害を理解し合ってます。
レイは上手く立ち回り、ママや施設の情報をノーマン達に広めながらも、あくまでママの制御下からは外してない。
ママに全てを報告してなくても、実は本心は別のことを考えていたとしても、ママの利に反することはしてないし、ママの意図するよう動いていた。
Aパートでグランマが言っていた考えと共通しています。
つまり、子ども達が真実を知っていようと、嘘をついても、脱獄しようと”企てていた”としても、ママは計画通り出荷できれば、それ以外は取るに足らない事なのです。
だから──
「裏切り者」だけど「使える犬」。
「裏切り者」だと分かっていながら、ママはレイを使っていたのだから「レイに落ち度はない」。
落ち度がないにも関わらず解雇するから「不当解雇」・・・という訳ですね。
便利な犬を手放す理由は・・・「事情が変わった」
「事情」とは何か?
それは後ほど。
最後の言葉は、謎
もう一つ、気になることを言っていましたね──
ごめんねレイ、私がこれからすることを許してね
by ママ・イザベラ『約束のネバーランド』TVアニメ8話
「これからすること」は8話を最後まで見れば明白。
ノーマンの出荷と、そのためには手段(エマの足を折る)を選ばない。
ただ、分からないのは──
- なぜ、ママがレイに謝るのか?
- なぜ、ママはレイに許して欲しいのか?
原作でも、この時点では何も触れてません。
#よって私もここでは触れません。
今後アニメで触れる事があれば、その時、解説します♪
下見ができるのは、今しかない!
下見“強行”だ!ママを止めるぞ!!
by ドン『約束のネバーランド』TVアニメ8話
下見がママに見つかったら、”即出荷”もあり得る。
だから、作戦では、ママの足止めができなくなったら「下見は即中止」。
それに、足止めどころか、下見だと見抜かれ、コンパスで位置まで知られてしまった。
なのに、なぜ下見”強行”なのか。
原作では、レイの心情描写で理由が描かれます──
#長いので一部抜粋。気になる方は原作をお読み下さい。
これから”も”制御する。
つまりママは満期出荷を諦めていない。「即出荷」はない!!
-中略-
今を逃せば、もう二度と下見のチャンスはない!!
by レイの心情描写『約束のネバーランド』原作コミック3巻
ママは、「即出荷」するとは言ってません。
レイを解雇し「ここからは私一人で制御する」と言ったのです。
そこでレイは考えたのです──
下見だと気付いてもママは動じてない
下見ぐらいでは「即出荷」されない!
下見をするのは今しかない!
だから、ママを体を張ってでも止め、下見”強行”なのです!!
ただ、ママに軽々とあしらわれたレイ。
子ども達だけでママを止めることができるのか!?
森 (ママ/ノーマン/エマ)
── 初めまして、エマ ──
── 初めまして、ノーマン ──
10年間続けてきた芝居を自ら止めたママ。
出荷される日まで、幸せに生きろと諭す。
なぜ、強引に従わせようとしないのか──
その理由に気付いたノーマンは、下見を強行しようとするが・・・
それにしても、ノーマンとエマが塀へ走っていったのに、歩いて追いついたのはおかしくないかい!?
#いや、シスターのようにマジ走りするママは見たくないですが・・・(笑)
描いている時間が違うと見るべきでしょう。
ママの愛情
幸福な一生?
ママの言う幸せはコニーみたいな最後を迎えること?-中略-
偽物の笑顔なんていらない!
たとえ苦しんだとしても、私は自由に生きる。何が幸せかは自分で決める!
※全てアニメオリジナルセリフ
by エマ『約束のネバーランド』TVアニメ8話
このエマとママのやり取りは、アニメオリジナル。
エマらしい熱いセリフですね。
好きですよ、こういうの。
逃げるなんて不可能、お外も危ないわ。
絶望がいっぱいよ。ねっ、おうちの中で、みんなで一緒に幸せに暮らそう。
決められた時間、最後まで──by ママ・イザベラ『約束のネバーランド』TVアニメ8話
どうやら、ママは脱獄など不可能、さらに外では生きていけないと確信している様子。
Aパート、グランマの回想シーン「グランマと塀の上にいる少女」。
この少女が、ママ(イザベラ)だとすると──
ママ自身、食用児時代に脱獄を試み、断念したのでしょう。
逃げることや、鬼と戦うこともできない。
どうせ決められた生き方なら、その枠内で如何に幸せに生きるか。
理不尽で残酷な運命など知らずに、愛情溢れたハウスで限られた時間を楽しく過ごした方がよほど幸せ──
それが、この世界の常識。
そして、これがママの愛情。
下見のチャンスは今しかない!
ママ:あなた達5人にも幸せでいてほしいの
ノーマン:5人?3人じゃない?・・・
ノーマン:わかったよママ・・・
by ママ・イザベラ『約束のネバーランド』TVアニメ8話
このセリフの間に20秒近く間がありました。
原作では4ページ半ものノーマンの心情描写(モノローグ)が入ります。
レイの足止めも効かず、ノーマン達の目の前に現れたママ。
10年間も続けていた芝居を止め、本音で話すママ。
ママの目的は?
ノーマンは、置かれている状況を把握し、何をすべきかを考えます。
詳細は原作をご覧下さい。
理解するのに必要最低限なことのみ記載します。
ママの「5人」という言葉で、ドンやギルダも秘密を知ったことをママは把握。
そして、恐らくレイも裏切っていることがバレた。
ここまで”制御不能”な状況になっているにも関わらず、ママはまだ”制御”をしようとしている。
であれば──
ママは「下見ごとき」で”即出荷”しない!!
by ノーマンの心情描写『約束のネバーランド』原作コミック3巻
と考えるのです。
そして、レイを介してではなく、ママが直接正体を明かし説得しにきた。
つまり、これからは「ママの直接支配」。
ならば、下見のチャンスは今しかなく、強行すべきだと判断したのです。
これが、この後、ママが言う「ノーマンもよく気付いたわね」の気付いた内容です。
コンパクトさえ奪えば!
ノーマンの意図を読み取ったエマ。
#会話せずに読み取るのが凄い・・・
エマは、ママを足止めする・・・
アニメだけだと、チト分かりにくい。
エマは、一体何をしようとしたのか・・・
原作にはエマの心情描写があり、よく分かります──
時間を稼ぐ、5秒でも10秒でも。
その上で、うまくコンパクトを奪えば、ノーマンなら姿を消せる。by エマの心情描写『約束のネバーランド』原作コミック3巻
エマはママを完全に押さえ込もうと考えた訳ではありません。
5秒、10秒足止めできれば、と考えていたのです。
そして、発信器を位置が分かるコンパクトさえ奪えば、下見の時間を稼げると踏んだのです。
ママは、エマの意図を即座に把握し、ノーマンを捕まえるのは厄介だと分かっていたので、ためらいなくエマの足を・・・
ケガは品質には関係ない?
さすがのノーマンも、ママの打つ手に足が止まる・・・
ママ:特別なお方しか食べられない、特別なご飯(食用児)。私が育てた最上の子ども達(食料)なの。
ノーマン:だったら・・・
ママ:だからこそ守らねばならない、何としてでも。by ママ・イザベラ『約束のネバーランド』TVアニメ8話
どうやら、ママにとっては、ケガは食用児の品質とは関係ないようです。
#それとも、エマは出荷時期がまだだから、回復すると踏んだのでしょうか。
今、ノーマンを制御できないことは避けたい。
説得に応じず、諦めないから、エマを傷つけたのでしょう・・・
全て、ママの読み通りか
エマの足を折るのに、全くためらいもなかったママ・・・
それどころか、エマがコンパクトを狙ってきたときのママのニヤリとした表情。
エマのケガを、ポケットから出した包帯で素早く応急処置・・・
私の推測ですが・・・
ママはここまで読んで準備していたのではないでしょうか。
#包帯は、子ども達が怪我をしたときにいつでも使えるように?という考えもあり
ノーマンが出荷される前日。
シスターを排除。
レイとの契約を切り、部屋へ閉じ込め。
ノーマンとエマに対峙して、最悪エマを傷つけでもノーマンを止める。
結果、エマの足を折ることになったが・・・
エマが骨折すれば脱獄はできない。
エマを放って置いて、子ども達が脱獄するわけがない!
これで、ノーマンの出荷の話をしても、脱獄を強行する恐れがなくなったのです。
これが、ママが言う──
これでしばらくは動けない。
無事、明日を迎えられるわ。by ママ・イザベラ『約束のネバーランド』TVアニメ8話
の真意ではないでしょうか。
「直接制御」の完成。
万全の状況で、ノーマン出荷の日を迎える。
そこまで考えていたのが、前話、11月2日の夜中(0時)に言ってた・・・
さて、そろそろ頃合いかしら
by ママ・イザベラ『約束のネバーランド』TVアニメ7話
が意味するところではないでしょうか。
つまり今回は、全てママの思惑通りに進んだ。
いや、ママに都合良い結果になるよう、誘導されたのです!
レイではなくノーマン!?
ママが5人に告げる。
── おめでとう、ノーマン ──
── あなたの出荷が決まったわ ──
突然告げられた決定事項。
ノーマンの出荷。
そう、レイではなく、ノーマン。
まだ誕生日を迎えないはずのノーマン。
これが、ママが直接制御に出た”事情”です。
(私の推測ですが・・・)
この事実を伝えれば、ノーマン達が大人しくしている訳がない。
だから、先に直接制御に切り替えたのです。
完全にママの術中にはまってしまったノーマン達。
利用できると思われたシスターは退場。
内通者として、ニセ情報を流せることもできたレイは、ママから解雇。
身体能力の高いエマは足を折られ。
ノーマンは、明日出荷・・・
正に絶体絶命。
一体全体、エマ達はどうなるのでしょう・・・
脱獄決行日は・・・白紙?
おわりに (『約束のネバーランド』8話とは)
Aパートはじっくりとシスターの最後を描写。
原作1話分を、Aパート全部を使って描いてくれました。
子ども達の食事シーンと、シスター最後のシーン。
趣味の悪いカット切り替えと演出、そして音楽でしたね。(褒めてます(笑))
ちなみに原作は同時並行ですが、アニメほど、切り替えはありません。
そして「ごちそうさまでした」カットはアニメオリジナル。
#「いただきます」は原作にもあり。
いや~異様な世界だと言うことをまざまざと見せつける良いシーンでした。
Bパートに続くCMも少し長くて、切り替える余韻を与えてくれたのもニクい配慮。
後半は打って変わって素早い展開、次々と判明する事実とママの本性に圧倒されました。
心情描写カットと、テンポ良い切り替えで、原作2話分を収めてました。
緩急がお見事な、8話♪
さて、原作の3巻まで放送されました。
次話から原作4巻へ突入。
残りは1.5巻分。
いよいよラストスパート?
って、アニメはまだ4話ありますね(笑)
とは言え、今回の状況から巻き返すことなどできるのか?!
ノーマンが出荷?!有り得ない!
次回も緊張感ある話になりそうです・・・
ファンとしてはずっと続いて欲しいですが、”脱獄”という目的がある以上、決着をつけなければいけませんね。
次週も楽しみです!!
ではでは。