各話レビュー(2期)

【約束のネバーランド】2期1話 解説&感想レビュー 鬼が出るか蛇が出るか 初めて見た外の世界は美しくも過酷だった

約束のネバーランド2期 1話

こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『約束のネバーランド 2期』第1話を鑑賞しました。

第1期の放送が開始されたのは2019年1月。
それからちょうど2年。

いよいよ2期が始まりました!

2期も各話レビューやりますよ~~
3ヶ月間よろしくお願い致します。

今回は原作 5巻 38話~6巻 45話(約160ページ)をアニメ化。

160ページは、1期のペースと比較しても、かなりのハイペース

1期平均は約60ページ、最多は83ページ(2話)。今話は相当ハイペースです。1期のページ数詳細はこちらをどうぞ。

「アニメ化された部分」は概ね原作どおり。
が、そもそもカットされた箇所が多い・・・(涙)

ただ、要所要所は押さえているので問題ないでしょう。

が、冷静に考えると疑問点が出てきます。
その辺を、原作情報を交え解説します。

今話の補足・疑問ポイント

  • エマは耳を切り落とす必要はあった?
  • エマの手のケガって??
  • レイはミネルヴァのペンを見たことないのでは?
  • なぜ図書室の本を持ってきているの?
  • 原作にはヘビも?
  • レイは木に何を彫っていた?
  • レイはなぜ追っ手に取り囲まれたか?

原作情報と私なりの解釈を含め、順に解説します。

ここでは、以下の観点でレビューします。

  1. アニメだけでは気付きにくい点を「解説」
  2. 必要に応じて、原作コミックの情報を加味して「補足」
    ※エピソード単位の原作情報には見出しを「原)」で開始
  3. “原作既読者”目線の「感想」

作品理解の参考にしていただければ幸いです。

次話以降のネタバレは「なし」なのでご安心を!

前話(1期最終12話)の解説&感想レビューはこちらからどうぞ
約束のネバーランド 第12話
TVアニメ【約束のネバーランド】12話(最終回) 解説&感想レビュー 全員の脱出は成るか?!3ヶ月に及んだ対決に決着TVアニメ『約束のネバーランド』第12話 解説&補足&感想レビュー。(次話以降のネタバレなしでわかりやすく解説) いよいよ決行した脱獄計画。ママの目は出し抜けた。が、フィルが?!崖は?鬼の警備は?最後まで目が離せない。そして感動のエンディングが・・・ママの本心は・・・...

約束のネバーランド(2期)

話数 各話レビュー 原作巻数
EP01 本レビュー 5・6巻
6巻
EP02 2話R
EP03 3話R
EP04 4話R アニオリ展開

※リンクは各話レビューへ

今回のあらすじ

約束のネバーランド2期 1話
あらすじ

GFハウス脱獄に成功した15人の子ども達。
初めてハウスの外へ足を踏み出した。
楽しむ余裕もなく、安息の地を目指して前へ進む──

目指すは、ウィリアム・ミネルヴァが残したメッセージに示された場所。

しかし、GFハウスからは追っ手が迫っていた──

知恵と努力に入念な計画と訓練、そしてGFハウスを去った人達の協力により、不可能だと思われたGFハウス脱獄を果たしたエマ達

しかし、脱獄成功はゴールではなかった

この世界では「人間は食料」──
弱肉強食、肉食動物が闊歩する世界で、草食動物だけで生きていけるのか。

いや、それでも、生き抜かねば。
生き抜き、人が安心して住める場所を見つけ、フィル達4歳以下を助けに、再びGFハウスへ戻ってこなくてはならないのだ。

── 自由って、なんて美しく、なんて過酷なんだろう ──

by エマ

さあ、新たな物語が始まりました!

では、振り返っていきましょう。

解説&感想レビュー 1話

初めて見る外の世界

GFハウスを脱獄した15人の子ども達。
見たことのない木々や植物に戸惑うが、外での初めての食事を取る。

そんな中、エマは警戒を解かなかった──

原) 農園から追っ手の指示が

アニメでは完全にカットされていますが、原作では、ママが本部で追及されるシーンが!

続いて直ぐに指示が──

北東の対岸に足跡を確認した
直ちに追っ手を放て!!

by 『約束のネバーランド』原作コミック5巻

エマ達が崖を渡った後、ママ・イザベラが時間稼ぎのためにロープを回収しました。(1期12話)

最上級農園だけあって、鬼も優秀?

ロープの痕跡がなくても、対岸に足跡を見つけ、ハウスの「外」へ逃げたと特定。
すぐに追っ手を放ったのです。

(原作情報)エマは、時間稼ぎのために森の中にダミーの足跡を残しました。が、匂いを辿られ逃げた方向を突き止められます。

本部では、さらに指示が──

それから辺り一帯にも通知しろ。

逃げたのは特上、最上級農園の特上だ。
生け捕れば勿論・・・

── 死体でも褒美は惜しまんとな ──

by 鬼『約束のネバーランド』原作コミック5巻

ハウスで警報が鳴ったとき、本部からの指示は、特上以外は殺しても良いが、特上は生け捕り。

それが今回は、特上も”生死問わず”!

食用児を逃がした失態を隠そうともせず、他の鬼たちへ知らせる判断力。
本部の鬼は合理的です(苦笑)。

ただ「褒美は惜しまない」とは「捕まえたらGFハウスへ渡せ」という意味
そこに付け入る隙があるのでしょうか・・・

なお、このシーンには、ママ・イザベラとグランマも登場
二人の会話は、ぜひ原作をご覧下さい。

エマは耳を切り落とす必要があった?

ごめんなエマ。
俺が最初からグルだったら、お前の手や耳もケガさせずに済んだかもしれねぇ。

by レイ『約束のネバーランド』アニメ2期1話

耳のケガとは、発信器を取り出すために、耳を切り落としたこと。

発信器を取り出す必要があったので、レイのせいではないのでは?
と思うかもしれませんが、少し違います。

レイとエマ以外の発信器は、レイが作った装置で破壊。

発信器を壊すとママのコンパクト型モニターへ通知されます──

壊し方は知らないわ。
でも、壊すと通知される

そこ(コンパクト型モニター)にも本部にも。

by シスター・クローネ『約束のネバーランド』TVアニメ7話

だから、エマは騒ぎを起こす前に、発信器を壊すことができなかった

子ども達の発信器を壊してもママに気付かれなかったのは、あの火事騒ぎの中で壊したからです。

ママが発信器の位置を確認したのは、フィルに声を掛けられた後になってようやくです。よほど焦っていたのでしょう。

レイの発信器は、ママを引きつける”オトリ”にするために、火事の中へ置いておかなくてはならなかった

レイの発信器は、壊してはダメ、取り出さないといけない

エマの発信器は、取り出す必要はなく、壊せば良かった
が、装置は一つしかなく、先に逃がした子ども達が持っていた

エマの発信器は、「取り出す」しか選択肢がなかった

それでも、「耳」全部ではなく「耳たぶ」で良かったはず・・・

恐らく、自分で切り取らないといけない上、時間もなく、万が一失敗しては元も子もないので、思い切って「耳」全てを切り落としたのでしょう。

それが、後に倒れる原因に繋がります・・・

『約束のネバーランド』は、この手の理由付けに細かいところまで配慮が行き届いているのが素晴らしい。

オトリはレイの発信器だけでよく、エマの発信器までオトリにする必要はなかった。
エマの発信器は、追跡されないために取り出しただけなのです
#エマの切り取った耳が無造作に置いてあったのはそのため

だから、レイは、一緒に作戦を考えてたら「エマにケガさせない作戦があったかも」と言ったのです

エマは手にもケガ??

ごめんなエマ。
俺が最初からグルだったら、お前の手や耳もケガさせずに済んだかもしれねぇ。

by レイ『約束のネバーランド』アニメ2期1話

エマの手のケガとは──
レイがオイルをまき火を点けようとした時、エマが手で消した際のケガのことを言っています。(11話)

これは確かにレイのせいかもしれないですね(笑)。
いや、エマも、もっと早くにレイに種明かしすればケガしなかったような・・・(苦笑)。

私の推測に過ぎませんが・・・

エマはあんなタイミングで、レイに話をするつもりはなかったが、ノーマンの写真に気を取られ、マッチに火を点けられたのです。

詳しくは11話のレビューをどうぞ。

原) レイはアンナにも謝罪

原作では、レイはエマだけでなく、アンナにも謝っています
※火事の時、レイの身代わりで燃やした髪の毛を提供してくれたのがアンナです。

さっき、アンナにも謝ったんだ。

「ごめん・・・髪・・・」

したら「そんなことより、お誕生日おめでとう」だとよ。

※アニメでは全てカット

by レイ『約束のネバーランド』原作コミック5巻

エマも、アンナも、それ以外の子ども達も、レイを信頼し、好いているのです

その続きが、重い──

俺は・・・
あいつらを見殺しにしようとしてきたのに

あいつらは俺を・・・
こんな俺なんかのために・・・

※アニメでは全てカット

by レイ『約束のネバーランド』原作コミック5巻

レイはずっと、脱獄するのはノーマン、エマ、レイの三人。
せいぜい、ドンとギルダを入れた5人だと言い続けてきました。

それ以外の子ども達は足手まといだから見捨てる考えだったのです。

そんな弟妹たちが、今回の脱獄の準備&実行して驚かされた上に、温かい言葉をかけられる・・・

だからこそ、レイは誓ったのです──

エマ、生きるよ、俺・・・

生きて家族を守る。
お前と同じ家族全員をだ。

今度は・・・
今度こそ誓う。

何があっても、もう二度と切り捨てたりしない

by レイ『約束のネバーランド』アニメ2期1話

「これから、どうする?」

脱獄は成功し、次にどこへ向かうのか。
エマは、ミネルヴァが残した座標を頼りに南東へ向かうと言う。

ミネルヴァのペンを、レイが見たのはここが初めて

ハウスにいたときから、エマが気になっていたミネルヴァの存在
外の世界に味方がいるかもしれないと言っていた唯一の手掛かり。(6話)

その本が、ペンと組み合わさり、道を示したのです

エマが取り出したミネルヴァのペンを、当たり前のように使うレイ──

(原作情報)原作では、レイがペンを見たのはここが初めて
このペンは、ノーマンが出荷された後、エマの手に渡り、レイとエマは脱出当日まで接触しなかったため。

ノーマン出荷後、レイとエマは距離を置いていたので、ミネルヴァのペンをレイが見たのは「この時が初めて」です

アニメでは尺の関係かやりとりがカットされました(涙)。

原作では──
ミネルヴァのペンを初めて見たレイは驚き、エマはドヤ顔(笑)。
でも、ペンに隠されたメッセージをすぐに理解し、エマが見つけられなかった先を、レイは”あっさり”見つけていく(苦笑)。

こんな時でも、ペンにまつわる、エマとレイの”らしい”やりとりが健在です!
ここは、アニメでも見たかった!

アニメで描写されたのは、レイとエマのやりとりを簡略化して”正解”を最短距離で見せてます。勿体ない・・・

持ってきたのは、手掛かりとなる2冊

レイの言葉に従い、ギルダが”当然のように”持っていた本を開く

逃走するのに、なぜ、荷物になる本を持ってきているのでしょう。

答えはアニメ1期6話まで遡ります──

外の情報を探している時、手掛かりになるかもと取り上げたミネルヴァ寄贈の本。
蔵書票にはモールス信号でメッセージが。

ミネルヴァが図書室へ寄贈した本は大量にあり、ジャンルも雑多。

その中から、エマは特殊な2冊を見つけ出します──

この2つだけモールスの意味が分からない。
(「唯一モールスがない本」と「約束と書かれた本」の2冊)
(中身はよくある冒険小説と神話)

-中略-

私、これ意味あると思うんだよね。

-中略-

私達にとって何か大切な道標になるような気がする──

by エマ『約束のネバーランド』アニメ1期6話

根拠はエマの勘ですが、ハウスの外での道標になると信じ持ってきたのです。

神話の本

神話の本:モールスが唯一なかった本

ミネルヴァのペンのメッセージを見るためのコードブック
※コードブック(暗号書):暗号を解くためのコードが書かれている

つまり、ミネルヴァのペンに映し出された「モールスがないフクロウ」は、大量の寄贈書の中から、同じマークの本を指し示していたのです。

(原作情報)原作では、ペンと神話の本の関係性に、この時気付きます。

アニメではさも知っていたかのように振る舞ってますが・・・

原作では、前項に記載した通り、レイがペンを見たのは、この時が初めて。
エマは、現在地と目的地の座標は読み解いたが、メッセージまでは開けなかった。

レイは、「モールスのないフクロウ」の絵を見て、すぐに気付いたのです

レイが、凄いように聞こえますが、コードブックと知らずに、本を持ってきたエマの勘も冴えていたのです!

ウーゴ冒険記

ウーゴ冒険記:「約束」と書かれた本

主人公「ウーゴ」が相棒のキツネザル「マーヴィン」と世界の秘境を旅する冒険の物語

by 『約束のネバーランド』原作コミック5巻

外の世界のガイドブック

ハウスにいたときに現実だと思っていた世界とは、かけ離れた世界の「ウーゴ冒険記」。
想像の世界の創作物だと思っていたら、外の世界のガイドブックになっていたのです。

こちらも、中身はただの冒険小説。
それを「約束」と、単独では意味の分からない所に引っかかり、エマは重要だと思ったのです。

(原作情報)原作では、この冒険小説がガイドブックと気付いたのはエマです。

アニメは、原作とは違い、イベットが気付きます。
原作よりも、子ども達の出番を増やしている演出が随所に見られますね。

「ノーマンに会いたい」はアニメオリジナル

エマ:ノーマンがこのペンを残してくれたおかげだね

子ども達:ノーマンに会いたい・・・

by 『約束のネバーランド』アニメ2期1話

頭が良く、大人顔負けの頭脳や度胸を発揮してきた子ども達。
子供らしい描写ですね。

ですが、このセリフはアニメオリジナル

原作では事実に触れるのみ──

ノーマンがシスター・クローネからもらったの

※アニメでは全てカット

by エマ『約束のネバーランド』原作コミック5巻

そうです。
このペンはノーマンがクローネから譲り受けた物。

ことペンに関しては、感謝すべきはノーマンではなく、クローネです
まあ、日頃の行いですかね(苦笑)。

推測

もう少し考察していくと・・・
では、シスター・クローネは、ペンをどこから入手したか?

クローネがまだ本部にいるとき。
外部の人間の姿を見かけ盗み見してた時、その人物が落としたペンを拾ったのです。

拾ったペンはただのペンではなかった。
何かを示す手掛かり──

そのような重要なペンを簡単に落としたりするでしょうか・・・

原) アルヴァピネラの蛇

エマ達が初めて見る外の世界。

鬼が出るか蛇が出るか」という言い回しがありますが、その言葉の通り、この後、鬼が出てきます。

そして、原作では「ヘビ」も出てきます

アルヴァピネラの蛇」──
エマ達は、自然に襲われ、そこで「ウーゴ冒険記」がガイドブックだと気づくのです

アニメでは一瞬だけ出てきました──

レイ:ワナだ!ウーゴ冒険記にあっただろ

エマ・ジェミマ:アルヴァピネラの蛇!

by 『約束のネバーランド』アニメ2期1話

レイが鬼を落とそうとした落とし穴。
あれが「アルヴァピネラの蛇」。

原作では、その穴に落ちてしまいます・・・
穴に落ちたからこそ、怖さを知っているので、鬼をそこへ落とそうと考えたのです

このエピソードが、アニメでは丸々カット

確かにこのエピソードはこれまでとは違い、少しテンポが・・・

だけど、これまでのハウスで見た世界と、まるで違う世界だと実感していくエピソード。

そして、入念に計画した脱獄とは違い、誰の手も借りず目の前の危機を見極め乗り越えた、初めてのシーン。

レイを始め、子ども達が様々な発見をし、団結していく展開になっているので、興味ある方は、ぜひ原作をお読み下さい

まあ、カットされたものは仕方ないですね(苦笑)。
根幹に関わる事だけピックアップします。

この世界は一体・・・

虫も植物も地上にも増して見たことのない生き物だらけ

俺が知らないだけなのか。
それとも、奴ら(鬼達)の影響で何か生態系が急激に変化したのか。

何にせよ、ハウスで得た知識や常識と差がありすぎる

何があった?
世界は今どうなっている?

※心情描写なのでアニメではカット

by レイの心情描写『約束のネバーランド』原作コミック5巻

アニメでは地上シーンで描かれていた、空に浮いていた緑色の透明な生物。
原作では、地下空間にいた生き物として描かれます。

アニメではスルーしてましたが(苦笑)、原作では、レイは驚いています。

「ハウスで得た知識」との違いに驚いたのです

ハウスで得た知識とは、図書室の本の内容。
図書室には小説だけでなく、学術書があります。(1期1話)
本に描かれた外の世界は、私達が住む現実世界のような文明社会。

レイは、私達が知っている世界、もしくは、せいぜい滅んだ人間社会、人が入った形跡のある森を想像していたのではないでしょうか

そこへ、巨大な原生林、(アニメではカットされましたが)地下空間での更に見たことがない植物と生物。

これほど動植物の生態系が違う世界を見て、本で知り得た世界とのギャップに驚いたのです。

(原作情報)エマは、想定外の自然があることに驚きながらも、早い段階で知れて良かったと前向きに捉え、一刻も早くミネルヴァさんの元へ行かなくてはならないと、さらに強く思うのです。
レイとエマの性格の違いが面白い!

読者もここで、『約束のネバーランド』の舞台が地球なのかどうか分からなくなってきます

これまで描かれたのは、「鬼を除けば」地球が舞台でもおかしくない。

むしろ中世ヨーロッパの時代背景と文化。
ただ2045年と、西暦と現実風景がマッチしてないのは謎でした。

それでも、耳に埋め込まれた、現代技術では作れない小さな発信器。
#一度埋め込めば、10年以上使い続けられる、超小型発信器

はるか未来に、ハウスは人間が住みやすいよう中世時代の箱庭として作っていた。
きっと、外は2045年という時代に即しているのだろう、と私も思っていたのですが・・・

ますます謎が膨らみました!

未知だろうと、すべきことは同じ!

外の世界は、鬼だけでなく、自然も驚異だと愕然とするレイ。
だけど、エマが見つけた冒険小説というガイドブック。

ガイドブックにヒントを得て「アルヴァピネラの蛇」攻略法を見つけ出す──

なんだ冷静になれば、未知だろうとすべきことは同じ
観察・分析・敵の策を読む。

-中略-

知らなければ知っていけばいい。
俺達にはそれができるのだから。

※心情描写なのでアニメではカット

by レイの心情描写『約束のネバーランド』原作コミック5巻

レイはこの世界でも、やるべきことは同じだと気付き、立ち向かっていくのです。

戦い方は地味ですけど、少年漫画らしい立ち直り方が気持ちいい!

野良鬼襲来

約束のネバーランド2期 1話

突如、目の前に化け物が現れる──
姿形は違うが、紛うことなき鬼!

ドンとギルダは子ども達を二手に分け鬼を引きつける。

ここで出てきたのは、野良の鬼!

原作では、鬼の会話で出てきます──

遅かったか。

この下は、吸血樹の群生地。
昨今、野良の下等種もうろついていると聞く

※アニメでは全てカット

by 鬼『約束のネバーランド』原作コミック5巻

子ども達が鬼を見たのは初めて

子ども達の中で、鬼を見たことがあるのは、レイ、ノーマン、エマの3人のみ。

他の子ども達は、鬼を見たことがありません
エマ達に見聞きしただけです。

ここで、初めて鬼に遭遇したのです。

でも、この鬼はハウスにいた鬼とは違う。
エマとレイは気づきます──

私とノーマンが見たのは人型の怪物で言葉喋ってた!

尻尾なんてなかったし、角の生えた・・・目のおぞましいお面かぶってた。
服だって着てた!

でも、今目の前にいるのは、まるで獣。
あれ”も”鬼・・・

※アニメでは全てカット

by エマ『約束のネバーランド』原作コミック5巻

こいつは、ハウスにいた「知能のある鬼」ではありません。
言葉を理解しない、理性すらあるかどうか分からない、野良鬼!

子ども達は、初めて鬼を見かけたのに、冷静に対処。
鬼に出会うことは想定して訓練済みだったのです。

それでも、中身はまだ子供。
逃げてばかりだと鬼に背中を向け姿が見えない。

原作では、怖いと思いながら鬼が気になります──

なんだアレ、なんだアレ、なんだアレ・・・

来てる?

ダメ振り返っちゃダメ・・・でも!ちょっと・・・うう゛わぁあっ!!

※心情描写なのでアニメではカット

by 子ども達の心情描写『約束のネバーランド』原作コミック5巻

初めて鬼を見かけたのに。

大丈夫。
ただの鬼ごっこだよ。

by エマ『約束のネバーランド』アニメ2期1話

いい根性しています!

このセリフはアニメオリジナル
エマらしい表現ですね。

ちなみに・・・

ガイドブックには、鬼のことは書かれてないようです。

ねぇ、コレ何!?
コレも本に書いてあるの!?

※アニメでは全てカット

by ギルダ『約束のネバーランド』原作コミック5巻

鬼に追われることは想定内

エマ:見た?ギルダが運動の苦手な子たちをまとめて連れてった。

レイ:合図したのはドンだ。

by 『約束のネバーランド』アニメ2期1話

エマもレイも必死に逃げている中、ドンが冷静に子ども達に指示し、子ども達は指示に従い動く。

アニメではサラッと流されましたが、原作ではじっくり説明が──

2ヶ月前より格段に動きが良くなっている
運動が苦手な数人をギルダがいち早く離脱させた。

頭使って動けてる。
焦らず、敵や地形を見て・・・的確に集団で。

※心情描写なのでアニメではカット

by レイの心情描写『約束のネバーランド』原作コミック5巻

ドンやギルダ、子ども達も逃げながら冷静に分析──

あの鬼・・・多分頭は良くない。

ノーマンの方が怖い、シスターの方が怖い。
体の大きさ強さで負けを決めつけるな。

パニクるもんか!!

鬼に追われることは想定内

隊列を組んで逃げる訓練だって2ヶ月ずっと続けてきたのよ

※心情描写なのでアニメではカット

by 子ども達の心情描写『約束のネバーランド』原作コミック5巻

初めて見た鬼に驚いてましたが、子ども達は、外へ出てから鬼に追われるのは想定済み

ドンとギルダは、この2ヶ月間、鬼に追われることを想定して、逃げる訓練をしてきたのです

この手の作品は、どうしても小さな子ども達が足を引っ張り、もたつく展開になったりするのが玉にきず。

だけど『約束のネバーランド』の子ども達は、努力を怠りません。

レイやエマに頼り切る子ども達ではないのです。

本部からの追っ手

約束のネバーランド2期 1話

レイが、野良鬼をワナに落としてやろうとしたその時──

ハウスからの追っ手が、とうとう追いついてきた。

レイはエマ達の無事を確信したからオトリに

このシーン。
尺の関係か、レイの心情描写がカットされたので、少し分かりにくかったかも。

レイが追っ手に気付き、まず心配したのはエマ達のこと。

エマ達が追っ手に見つかってないか?
見つかったのならすぐにそっちへ駆けつけなくてはならない。

君一人かい?
他の子はどうした?

by 鬼『約束のネバーランド』アニメ2期1話

他の子供たちの「探りを入れる」鬼!

レイは、エマ達の無事を確認できた。

ならば、自分の役目は、この追っ手をエマ達から引き離すこと!

奴らの注意を全て俺に引きつける!!
とにかく俺だけを追わせるんだ!!

エマ達の元へはもう戻れない。
逆方向へ逃げて、できる限り引き離す。

※心情描写なのでアニメではカット

by レイの心情描写『約束のネバーランド』原作コミック5巻

野良鬼を一撃で一刀両断にした、追っ手の鬼。
野良鬼とはまるで次元の違う、鬼達。

この鬼が子ども達へ向かえば、さすがに逃げ切れない──

レイは、この鬼達をエマ達に近づけない策を取ることを決意!

オトリになるために、鬼の前に姿を現し、自身が特上だと認識番号を見せたのです

レイは木に何を彫っていたのか?

鬼の前に姿を現す前に、レイは木に何かを彫ってました。
原作では、何を掘っていたのか描かれます。

アニメではなぜカットしたのか意図はよく分かりません。

カットしたことでなんだか意味深なシーンに・・・

終盤、レイはエマ達と合流できたので、このメッセージは意味をなくします。
なので、ネタバレにはならないと思うので記載します。

レイはオトリになり、鬼達をエマ達から引き離す策を選択。
エマ達とは逆方向へ逃げる作戦。

エマ達と合流できなくなりそうなので、メッセージを残したのです──

俺を探しに来たらコレを見つけてくれ

── GO 06-32 PURSUER ──

※心情描写なのでアニメではカット

by レイの心情描写『約束のネバーランド』原作コミック5巻

「GO 06-32 PURSUER」(B06-32へ行け、追跡者)。

追跡者が来たので(引きつけて)逃げる、B06-32で会おう

というメッセージを残したのです。

頭巾の少女

約束のネバーランド2期 1話

エマの耳の傷が悪化。
エマが倒れ、レイも不在、どうするか悩んでいると、そこへ一人の少女が現れる──

ギルダが慎重になるのは当然

救世主のようなタイミングで現れた謎の少女。

ドンは、クローネの言葉を思い出し、味方だと考え安堵する──

クローネが言ってた。
外に人間はいる

by ドン『約束のネバーランド』アニメ2期1話

確かに見た目は少女。
追いかけてきた野良鬼とは大違い。

ドンが安心するのも分かります(笑)。

だが「少女姿」には騙されない!?ギルダが割って入る!

いや・・・別に”ありうる”かもしれない・・・
私の思い過ごしかも・・・

でも、おかしくはない?
こんな危険な森に、こんな女の子一人・・・

しかも追っ手が現れたのなら・・・それと同じタイミングで・・・

※心情描写なのでアニメではカット

by ギルダの心情描写『約束のネバーランド』原作コミック5巻

そうです、あまりに違和感が。

(原作情報)原作では、「ズズズ」という音と共に姿を現します。

明らかに、普通ではないのです・・・

追っ手からの逃走

レイは追っ手をエマ達から引き離すために、自らオトリとなり、逆方向へ逃げる。
だが、遂に追い詰められてしまう・・・

アニメだけだと分かりませんでしたが、追っ手は全て集まり、レイを追う。

(原作情報)原作では最終的に6匹の四足歩行の鬼に囲まれます。

レイを傷つけないよう、生け捕りするために、疲れさせるように追います。

まるで逃げた羊を捕まえる訓練された牧羊犬のように・・・

原) 追っ手は訓練された鬼

レイはすぐに先の野良鬼と格が違うと気付きます──

さっきまでのヤツとは違う・・・!!

無駄がない・・・
計算された・・・

訓練を重ねて鍛えられた動き。

-中略-

奴らは俺が疲れるのを待っている
止まったら負け、その時点でその場で捕まる

※心情描写なのでアニメではカット

by レイの心情描写『約束のネバーランド』原作コミック6巻

そこで、レイはずっと走り続けたのです。

ただ単に逃げるだけではなく、知略を尽くして。

鬼の目を逸らし、その隙に方向転換をして視界から消える。

レイがマフラーを投げたのは、鬼の目を逸らすためです!
#アニメは、まるで暑いから投げたようでしたね(苦笑)

原) 相手の方が上手

鬼達もレイのしぶとさを認めます──

しぶといな・・・
もう随分と走っているぞ

ああ、だが、じきバテる。
問題ない。

※アニメではカット

by 鬼たち『約束のネバーランド』原作コミック6巻

更に、鬼は、レイの疲れ具合を見計らって、号令を掛けます──

そろそろだ。
そのまま、群狼の陣で追い込め

※アニメではカット

by 鬼たち『約束のネバーランド』原作コミック6巻

レイも気付きます──

どんどん道を奪われていく・・・
抜け道を何度つくっても、すぐ封じられる・・・

まるでママとチェスを指している感覚

※アニメではカット

by 鬼たち『約束のネバーランド』原作コミック6巻

レイは単純に体力だけではなく、戦略的に、逃げ道を防がれたのです

「ママとのチェス」と同等。
これは、鬼達の知能が相当高いということ。

グロテスクな姿、人間を食べる粗暴さ──
つい、鬼は、力一辺倒で、知能は低いだろうと思いがちですがそうではないようです

ママにも匹敵する頭脳を持っていると言っているのです!

実はこの事実の方が重要です!

洞窟にて・・・

約束のネバーランド2期 1話

謎の男に救出されたレイが気付くと、そこは洞窟。
エマも目を覚まし、二人は無事を喜び合う。

が、頭巾の少女は一体何者なのか──

少女は本気で心配をしていた

よかった!
(目を覚ましたのね、気分はどう?)

※()内はアニメではカット

by 頭巾の少女『約束のネバーランド』原作コミック6巻

原作では、頭巾の少女はもっと明るく、エマの無事を確認すると、エマの腕に触れ自分事のように喜びます!
#とても悪い子には見えない!

警戒するレイが、距離を取ろうとすると・・・
少女は、レイの手をそっと握り──

よく逃げてきたわね、あの農園から。
ここにいれば安全よ。

by ドン『約束のネバーランド』アニメ2期1話

と言ったのです。

その少女の対応を見て、レイも味方だと考え始めます。
少女の足を見るまでは──

少女は鬼?

少女の頭巾の下に見える、顔の下半分は人間に見えます
が、足は明らかに人間ではない!

少女たちは、鬼?
鬼がなぜ食料である人間を助けたのか?

まさか食べるため??

エマが、他の子ども達がどこへいるのか尋ねたとき──

向こうにいるわ。
ちょうど食事の支度ができたの

by 頭巾の少女『約束のネバーランド』アニメ2期1話

食事の支度とは、鬼の食事!?
まさか、宮澤賢治『注文の多い料理店』状態!?

2期になっても、相変わらず引きが上手い!
次回が気になります!

おわりに

この世界での人間は「食料」。
ハウスの外へ出ても、その図式は変わらず。

エマ達は、自然界にでは肉食動物に狙われる草食動物的な立ち位置。

1期は「GFハウス内からの脱出」というクローズドな世界感と脱出劇が魅力。
2期はオープンフィールドになったので目的が明確じゃないのが弱いが、圧倒的不利な立場からのスタート構図は変わらない。

ここからどのように自由を勝ち取っていくのか見届けたい!

◇◇◇◇◇

にしても、アニメのクオリティが半端ない!
コミックの描写も細かいですが、アニメは森の描き方、この世であって、この世ではない、私達の現実世界とは違う世界観を映像だけで醸し出しています。

この世界は、地球が舞台の未来ではないのか?

まだまだ謎が多いですね!

さらにアニメは、エマ、レイ以外の子ども達の出番が多いのが、嬉しい改変。

ノーマン、レイ、エマ。
この3人があまりに優秀なだけに、他の子ども達がモブになってしまうのが難点な『約束のネバーランド』。

この手の作品は、小さな子ども達が足を引っ張り、展開がもたつくのが痛いところ。

が、『約束のネバーランド』は違う。
#ないわけではありませんが・・・

ここにいる子ども達は並の子ではありません。
そもそも優秀な母親の遺伝子を受け継ぎ、その中で出荷されずに生き残った子達なのです。

これから、もっと活躍のシーンを見たいです!

◇◇◇◇◇

原作エピソードが大幅カットされたのは残念。
子ども達が誰の手も借りずに困難を乗り切る「アルヴァピネラの蛇」エピソードが丸々カット。

これにより、すぐにムジカ達に助けられ、運が良かっただけに見えてしまいそう・・・

ですが、テンポ良く走りきったのも確か。

原作既読の私では、純粋な目線ではないかもしれませんが、スピード感と緊張感だけの観点で言うと、1期と同等ではないでしょうか。

◇◇◇◇◇

さあ、始まりました約ネバアニメ2期!
今期も各話レビューを書いていきます。

同クール放送の他作品も各話レビューも書いているので時間捻出に苦労しますが、大好きな作品なので追いかけたいと思います。

お付き合いの程よろしくお願い致します。

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