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小説【約束のネバーランド ~ノーマンからの手紙~】感想レビュー ノーマンはあの時何をしていたのか。原作の設定を巧みに取り入れた最上のスピンオフ!

オススメ度 A
ジャンル ダークファンタジー、サスペンス
作者 七緒 先生
出版社 ジャンプ ジェイ ブックス
ストーリー
設定
世界観
感情移入

こんばんは。時文です。
TVアニメ『約束のネバーランド』1期は放送終了しましたが(まだ)興奮冷めやらぬ今日この頃。

手元にありましたが、アニメ(1期)を見終わるまで”封印”していた小説『ノーマンからの手紙』を読みました♪

原作者(白井カイウ先生)が書いた小説ではありません。
七緒さんが書かれてます。

ただ、表紙には原作(白井カイウ先生)、作画(出水ぽすか先生)の名前も記載されており、原作者のお墨付き

実際、読むと、全然違和感なく原作と同じ世界観、空気、そしてノーマンがいました♪

内容は、原作で描かれた話もありますが、殆ど、七緒先生オリジナル。
原作以外のエピソードが読めて、なんか得した気分♪

約束のネバーランド』好きは読んで損はないかと♪♪

小説『ノーマンからの手紙』は、時間軸で言うと、

  • アニメ第9話終盤
  • 原作コミック4巻29話

この時の、空白の時間の物語。

「空白の時間」と言っても、この瞬間をアニメで見た時、原作を読んだ時、違和感を持つことはないと思います。

その後のシーンで、ノーマンはあの時手紙を書いていたのだと判明。
カタルシスと感動を味わえる、名シーンに仕上がっています。

小説は、そのノーマンが手紙を書いていた時のことを膨らませてます。

原作本編に負けないくらい、憎いフォーカスの当て方!

描かれている時間軸の関係上、それ以前がネタバレされてます。
更に、少し先が読めるシーンがあるので、1部終了見て(読んで)から小説を手に取ることをオススメします。

小説『ノーマンからの手紙』を読むタイミングは?

1部を最後まで見た後!!

  • =アニメ1期12話(最終話)まで
  • =原作コミック5巻37話まで

 

ここから先、小説同様、それ以前のネタバレがあるので、未視聴(未読)の方はお気を付け下さい
#その先のネタバレはしてません。ご安心を。

では、小説『約束のネバーランド ~ノーマンからの手紙~』感想レビューをどうぞ。

はじめに (以降、ネタバレあり)

約束のネバーランド 第8話
あらすじ

突然ママから言い渡されたノーマンの出荷決定。
夜には出荷を控えた当日。

ノーマンは塀の外の下見を済ませた後、森の中でエマ達に託す脱獄計画を手紙に記していた。
書きながらGFハウスで過ごしたエマ達との楽しい出来事を思い出す。

子どもの頃の回想シーンがメインなので、原作を超えるサスペンスはありませんが、ほのぼのしたエピソードがたっぷり

その中で、エマ、ノーマン、レイが、今に通じる考え方やそれぞれ相手に対する想いが形作られる様子が垣間見え、ファンならニヤリとしてしまうシーンが盛り沢山。

それと、微笑ましいエピソードだけではありません。

当時はハウスの真実を知らない子ども達。
その状況下で、時折出てくる、不思議な出来事、少し引っかかる言動。

子ども達の中で、唯一真実を知っているレイ。
レイが主役の第3章がなんとも切なく、もどかしい。

第3章『鳥籠の中のNER(ネル)』は珠玉の一篇だと思います。
『約束のネバーランド』好きであれば、ぜひオススメします!

原作の設定を、とても巧みに絡ませ、ひと味もふた味も違うスピンオフになってます。

『約ネバ』ファンなら必読です!

感想レビュー

プロローグ

約束のネバーランド 第9話

ノーマンは不思議と心は落ち着いていた。
今日の夜、”出荷”され、塀の向こうに絶望を見てきたにもかかわらず。

真っ白な画用紙に書き出す。

親愛なるエマへ。この先の計画をここに記す。

ノーマンが決意した経緯は原作本編で描かれています。
小説では、決意をした後として、ノーマンの想いが綴られます。

「心は落ち着いていた」という心情に、ノーマンの常人とは違う凄さを感じますよね。

プロローグでは、コニーがハウスを出て行った日のことが思い出されます。(アニメ第1話)

コニーの門出を祝福しながらも、実は「ホッとした」ノーマンの心情が小説では綴られます

この時点では、ノーマンはハウスの真実を知りません。

だから、コニーに新しい家族が見つかることは喜ばしいことと思いつつ、自分ではなかったことに「ホッとしている」のです。

その理由は、ノーマンは、エマとレイと離れる事、弟妹と別れたくないと思っているからです。
ハウスの真実を知らなければ、当たり前の感情ですが(笑)
こうして改めて聞くと、なんだか新鮮ですね♪

運動神経が良く、家族思いで、いつも明るいエマ。
物知りで現実主義、ちょっとひねくれ者のレイ。

全く違う性格の違う3人だけど、何をするにもぴたりと息が合っていた。
お互いにない部分を補える、そんな存在。

ノーマンが二人に対する想いはアニメや原作を見て分かってはいましたが、こうして言葉で表されると、改めて納得。
安心させられますね。

物心ついた頃から、互いの存在を認め合い、11歳になった今でも「ずっと一緒にいたい」と思っているのに、今この時点で、ノーマンは”(逃げて隠れることなく)出荷される道”を選択する。

小説には、その辺の心理描写が綴られており、ノーマンの決断が余計に重みを増してきます。

ノーマンは自分を”出荷”した後、イザベラがどう行動するかを考えていた。

イザベラは勝利を確信しているはずだ。最上物の三人を、完璧に出荷できると信じている。

-中略-

だからこそ、だ・・・

ノーマンは自分がママ・イザベラの思惑通りに出荷さえできれば、あとは問題ないと考えるだろうと踏んだ。

そこに付け入る隙がある。
だからこそ、ノーマンは自分が出荷されること自体も作戦に組み込んだわけですね。

現時点の状況は、ママに目を付けられ、エマは足を折られ、レイは内通者として契約破棄され絶望的。
“ノーマンが出荷されること”が脱獄計画を成功させるために必要だったわけです

なんとも悲しい現実が、綴られます。

小説では、レイの考えも甘いとノーマンは考えてます。

ぜひ、ご自身の目で確認して、ノーマンの覚悟を感じて下さい。

第1章:GFハウス幽霊騒動

あらすじ

ノーマンが覚えている、一番古い思い出と言える出来事。

ノーマン達が4歳の頃・・・

ハウスに幽霊が?
妹たちが怖がる幽霊を、エマは会ってみたいと探し出す。

もちろん、ノーマンとレイと一緒に!

エマ、ノーマン、レイの3人の性格、関係性、立ち位置は、どうやら4歳の頃からそのまま。

エマが何かを思いつき、ノーマンが驚きながらも付き合い、レイは(どちらかと言うと)巻き込まれる(笑)

エマの子どもっぽい行動に、ツッコミを入れて止めようとする現実主義なレイだが、一向に折れないエマに根負けする・・・。
レイは恨めしい目をノーマンに向けるが、ノーマンは笑ってごまかす。

4歳でもエマはエマだ~~(笑)
関係性も今と同じような3人。
ハウスの真実を知らず、平和で楽しく暮らす3人がとても微笑ましく、読んでいて楽しい。

そう!
こういう話を見たかった!!

七緒先生、いい所突いてます!

原作とアニメで『約束のネバーランド』にどっぷり使った私には、小説という媒体でも、文字を追いかけると、頭の中でアニメーションに変換されます♪
しかもカラーで音声付き!
これって特技?!(いや、病気か?)

いえいえ、描写がとても丁寧で、キャラクターの行動もセリフも違和感なく入ってきて、『約束のネバーランド』の空気感までもが表されているのが大きいですね!

エマは怖いもの知らずで家族思い

ノーマンとレイは4歳にしてはかなりしっかりしている。
#現在ではフィルが4歳だが、それ以上にしっかりしている感じ
#ちょっと出来過ぎな気がしなくもないが・・・

そして、エマも今のエマと変わらないのだが、4歳児にしっくり(笑)
描いているのは4歳児の女の子なのですが、ちゃんとエマなのです!

真っ直ぐで、興味を持ったら納得するまで知らなくては気が済まない。
他の子達が困っていれば助け、時折ノーマンやレイが驚くような視点で物を言う。

そう、4歳と言われても違和感ない、4歳らしい子どもですが、エマはエマ。
このころからエマのキャラクターがしっかりと出ています。

家族(兄弟)のためなら何だってやろうとする。
今に通じるエマのキャラクターが既に見て取れます。

そして、そんなエマを眩しそうに見るノーマンも健在(笑)

ノーマンも4歳の頃からノーマン

ノーマンも既に4歳の幼少時代から、今に通じるノーマンができあがっている。

冷静で、何をすべきか、論理的に物事を考えるのだ。
恐るべし・・・
取り組む課題は4歳児らしい「幽霊」ですが(笑)。

「幽霊」の謎を追う、ちょっとした謎解きになっていて、ノーマンの推理力が発揮される。

もちろん、エマの鋭い直感力、レイの物知りも役に立っていますよ♪

幽霊が3人の居所を知っている?!

幽霊の正体は?
#もしかすると”鬼”が出てくるのかと思いましたが、そんなことしたら本編に影響が出ますね(汗)

その謎は、3人がしっかり解明し、幽霊騒動は解決したわけですが、1点ノーマンでも不可解な点が残りました。

手紙の幽霊の謎だけは、解けないままだ。
(幽霊への手紙の返事に、3人の行動が書かれ、夜は寝るように書かれていた)

既に現代のハウスの真実を知っていれば、正体はすぐにわかります。

ママが発信器を使って、3人の居場所を把握していたわけです。

ママが言う

ここにいる幽霊は、ハウスの子達が大好きで、みんなを”見守っている“のよ

ハウスの真実を知っていると、“見守っている”が、“見張っている”に聞こえますね

実に上手い作りになっています。

そして、その手紙を見て、レイだけが深刻な顔に・・・
そこでは何も答えてませんが、何を知っていたのか、何に気付いたのか・・・

4歳の頃からレイは・・・という感じでしょうか。
興味深いですね♪

第2章:エマが泣いた日

あらすじ

ノーマン達が7歳のころ

雨の日、ノーマンがずぶ濡れになり寝込んでしまう。

原因を作ってしまったエマは、なんとかしたいと考え、薬草を採りに、夜に森へ行くことに。

小説『ノーマンからの手紙』の構成は、ノーマンが過去を振り返り、過去の話は三人称で描かれノーマン以外の人物の心情も描かれます。
過去エピソードの合間で、現在に戻ります。

現在に戻った時は、ノーマンの独白形式で書かれ、(現在の)ノーマンの心情が描かれてるのが魅力の一つ

結構、エマへの想いも書かれていて、エマに惹かれた理由なんかも綴られます。
あちこちで表現されているので(笑)、気になる方はぜひ小説をお読み下さい♪

エマが泣いた日

ノーマンは今でこそ風邪も引かなくなりましたが、小さい頃は体力がなく病気がちだったようです。

アニメ10話に出てきた幼少の頃のエピソードも、ノーマンが風邪を引いたときでしたね。
#てっきり、小説は「糸電話」エピソードを膨らませるのかと思いきや違いました(苦笑)
#でも、一瞬ですが、「糸電話」出てきますよ!

今回は、ノーマンが雨に濡れ、熱を出して寝込んでしまいます。

サブタイトル『エマが泣いた日』というのは、エマに何かがあって泣いたのではなく、誰かのために涙するエマを描いてます。
昔から、エマは自分ではなく、誰かのことでしか涙を流さないのです。

図書室のラインナップ

小説では、時折、原作本編では描かれてない情報が出てきます

本章では、ハウス内の図書室蔵書のラインナップに関する描写が。

ハウスの蔵書は膨大だが、一部かたよりがある。
例えば武術や武器について。
紹介する程度の書籍はあるが、それを習得できるよう細かく解説した本はない。

一方、学問書や小説は多い。
数学や化学、工学についてなどだ。

-中略-

武術や武器など、子ども達に必要なく(鬼達にとって)習得させたくない知識に関する書籍は、置いてないのです。
ハウスの真実を知っていると、納得ですよね。

それでも、頭の良い脳は、鬼にとって美味。
だから、学問書や小説など、脳を発達させる書籍は多いというわけですか。

ところが・・・
数学は、ノーマンが塀の外の崖を越える計算に繋がり。
工学は、レイが発信器を壊す装置への開発へ繋がった。

などと考えると・・・
本当に上手く考えられてますよね。設定が。

原作やアニメでは触れられなかった情報が、描かれているのがスピンオフの魅力
その情報が、カチッと原作やアニメのピースにハマると、事実と事実が繋がり合点がいく

もう堪らないですね♪

レイは既に”真実”を知っている

約束のネバーランド 第5話

本章は、ノーマン達が7歳の頃の話。
この時点で、レイはママと内通者として契約をしています。
#レイは6歳でママと契約。(アニメ第9話)

子ども達をコントロールする羊飼い役をやっているからこその、注意の仕方、ママとの会話が面白い

ここがこの章の一番の醍醐味♪

レイの目的はいずれハウスを脱獄すること。
なので、この時点で、計画の支障になるようなことは避ける判断をしているのもこれまた興味深い。

エマがノーマンの病気をなんとかしたいという優しいエピソードの中に、レイの合理的で現実的な心情が語られ、レイのジレンマが感じ取れます。

レイが、11歳になりタイムリミットが近づいてきたから脱獄計画を考え出したのではなく、本当に6歳から考え続けているのが実感できる内容になっています

原作(アニメ)では、レイが内通者であることが判明したときにはノーマン達も”ハウスの真実”を知っていた。

確かに原作(アニメ)では、レイだけが真実を知っていて、他の子ども達が知らないと言う時期で、(真実を知る)レイ主観が描かれてないのです。

目の付け所がいい!七緒先生!!
この瞬間の、レイ視点の心情描写は、スピンオフならでは!!
#この時期の話は、原作でも読んでみたいものですが(笑)

ノーマンのエマに対する想いも

兎にも角にも、ノーマンは無事に回復。

ノーマンはノーマンで、「僕のせいでエマに何かあったら、僕は自分を許せない」と現在(出荷当日)の行動に繋がるような考えをしているのもニヤリとしてしまう。

本当に上手いですね。

第3章:鳥籠の中のNER(ネル)

第2章までで、既にノーマンとレイの心情が知れ、ほっこりして、これ以上良いエピソードはないだろうと思っていたら・・・

第3章は、それ以上に、心を揺さぶられるエピソード!

ハウスの真実を知っていたレイが、普段どのように考え過ごしていたか、が語られます!
レイに対するノーマンの想いも描かれていて、この章だけでも読んで欲しいほど!!

あらすじ

ノーマン達が9歳のころ

姉のスーザンは面倒見が良く皆からも慕われている。
スーザンは弟妹たちをよく見ていて、変化があるとすぐに気付くのだった。

そんなある日のこと、彼女はレイの変化に気付く・・・

アニメでは(原作でも)描かれてない11歳のスーザンという少女が登場。
(当時のハウスの最年長)

このスーザンがとても魅力的。
彼女は弟妹たちをよく観察し、不調や悩みがあるとすぐ気がつき、元気づけようとする。

その少女がレイの変化に気付く展開。

レイは9歳なので、”ハウスの真実”を知ってます。
もちろん、誰にも話すことはできません。

そんなレイを、スーザンから見ると・・・
兄弟がハウスを出たあと、決まってレイは少し元気がないように見えたのです。

少女はどのようにレイに接するのか。
果たして、(本当の事を話せない)レイはどのように対応するのか。
そして、その心情は・・・

とても、切ない物語・・・

スピンオフならではの秀逸エピソード

これは秀逸エピソード。
アニメでは(原作本編でも)ハウスの真実を知ってから誰かが出荷されるというシチュエーションは(ノーマン以外)ありませんでした。
#だからこそノーマン出荷が最大の盛り上がりを見せたとも言えます

本章では、ハウスの真実を知る唯一のレイ視点で、兄弟が出荷される状況を描いてます
寂しい気持ちもありながら、里親が見つかり、祝う気持ちで送り出す。

そんな中、レイだけが本当の事を知っている。
門をくぐるとその身に何が起きるかを。

ノーマンが出荷されたときは、一部の仲間が真実を知っていて悲しみを共有できました。
が、本章の時間軸では、レイ以外、子ども達は誰も真実を知らないのです。

そのレイの視点の物語。
なんて切なくも歯がゆい物語・・・

だから1話で真実が明らかに!?

約束のネバーランド 第11話

このエピソードを読んで、私はある確信しました。

なぜ、アニメ(原作)1話で、コニーが出荷され”ハウスの真実”が判明したか。
1話で衝撃の展開を狙ったと思ってましたし、もちろんそういう側面もあるのでしょう。

が、出荷される兄弟を最小限にしたかったのではないでしょうか
作品内の登場人物にとっては、今まで出荷された兄姉は沢山いるでしょうが、我々視聴者にとって、ちゃんと見せられたのは、コニーとノーマンの二人。

(あとは過去の回想シーンで、ママイザベラの幼馴染みレスリー)

本章を読むと、とてもじゃないけど、辛くて読んでいられない。
原作が連載されているのは「週刊少年ジャンプ」。
辛くなるようなシーンを最小限にするために、一人目の出荷で真実を白日の下にさらしたのではないでしょうか。

それだけ、辛くも悲しいエピソード。

そして、その経験をずっと、ずっと。
ママと契約をした6歳からだけでも6年近く、レイは堪えてきたのです。
#違和感を感じた幼少時代から数えるともっと長い?!
#1、2歳では理解できないでしょうが

時にうれしそうに、時に寂しそうに、ハウスを出て行く兄弟達を見送る。
レイは、ハウスの真実を知っており、ハウスを出た後のことも、”自分だけが”知っている。
(何もできずに)見送ることがどれだけ歯がゆかったか。

これだけ辛い思いをして、よくもまあ心が壊れなかったと思います。
#壊れなかった理由も本章で描かれます。
#ここ必読ですよ!

いや、壊れないにしても、兄弟を見過ごしたことに堪え続けることはできず。
だからこそ、最後、レイ自身の計画では、あのような結論になったのではないでしょうか。(第11話)
アニメで見せた狂気の表情だったのもうなずけます。

何もできない悔しさ、(ノーマンとエマを助ける為に)何もしてはいけない辛さ
この辺りの痛いほど良く分かるレイの心情描写がお見事です!

この3章は珠玉の一篇だと思います。
『約束のネバーランド』好きであれば、ぜひオススメします!

他の子ども達との絡みも良い!

繰り返しになりますが(当時は)レイ以外の子ども達は真実を知りません。
#ノーマンやエマもです。

いつも冷静なレイが、周囲に説明できない感情になる。
周りの子ども達もレイの本心が分からず心配する。
これまたいじらしいシーンに仕上がってます。

そして、ここでもエマが主人公してます。

小説を読んで欲しいので、多くは書きません。

「たとえそこが安全で、何もしなくてもたっぷりご飯がもらえる場所だったとしても、自由に空を飛び回りたい」

-中略-

(どんなに外が危険でも)自由は何物にも代えがたい

今に続くエマの信条。
さすが主人公!

七緒先生も、こんなに上手く原作要素を取り入れて、最高です!!

第4章:39人目の女の子からの贈り物

ノーマン達が11歳の頃。

ある時、ノーマンは見覚えのない女の子の姿を見かける。

以降、その女の子の行方を捜すのだが、なかなか見つからない。
さて真実は?

ノーマン達が11歳の頃。
つまり、現在から約1年以内のエピソード

一番直近の話がラストを飾るエピソード。

この章は、ラストに相応しく、ほのぼの幸せ、楽しいハウス生活が語られる
そして、ノーマンのエマに対する想いも・・・

なるほど、ラストはこう来ましたか!

ホンワカしつつ、皆の仲の良さを堪能して下さい

ノーマンはあのとき何をしたかったか?そして大人になったら・・・

私がオススメするのは、本章の本題に入る前のノーマンの心情描写。
(出荷されるまでの)残されたわずかな時間で何をしたいのかが語られます

これは叶えてあげたかった・・・

そして、「大人になったら何していたか?

ノーマンの解が、これまた心が和む。
が、出荷を控えたノーマンにとっては叶わぬ夢・・・

悲しい物語ですが、必読です。

うん、きっと小説の作者である七緒先生は、エマ、ノーマン、レイの3人は、5年後、10年後も一緒にいたいと思うのではないか?
そう思ってこのエピソードを作ったのではないでしょうか。

とても素敵なエピソードでした。

楽しい頃のGFハウスがまぶしい

約束のネバーランド 第1話

それと1年前だから、現在の主要メンバーが勢揃いです。
コニー(リトルバーニーも!!)もいます!
#未来を知っているので悲しくなりますが・・・

そうそう。

ドンの手先の器用さも披露されますよ♪

そして、外で食事をする子ども達。
ママも粋な計らいをする。

本当に仲の良い子ども達の姿がまぶしく、残酷な真実など存在しないかのよう・・・

最後のモノローグ

約束のネバーランド 第10話

そして、現代に戻って、最後はノーマンのモノローグ。
ノーマンが出荷を甘んじて受ける決意をした”きっかけ”が語られます。

なんとも皮肉で、でもノーマンらしい、そして、この3人だからと言う理由。

その思いへ繋がる各エピソード。
それらの終幕を飾るに相応しいモノローグ。

もっと生きたいとの思いはあるが、決意に迷いはない。

ノーマンとエマとレイの3人だったからこそ、できた絆に、選んだ道。

残酷な運命を呪いつつも、幸せだったハウスの生活を振り返る。

後悔などない。
今考えるのは、みんなの未来。

願わくは、再び君の姿を見たい・・・

約束のネバーランド 第10話

おわりに (『約束のネバーランド ~ノーマンからの手紙~』とは)

いや~~原作とは作者が違うし、正直、これほどハマるとは思いませんでした。
#失礼な言い方ですいません

小説『ノーマンからの手紙』は、3人の絆、特にノーマンとレイが、他の二人を時に憧れ、時に感心し、信頼していく様子が描かれます

確かに、アニメでは(原作でも)3人が優秀なのは分かりました。
が、(アニメ・原作では)どうしてそこまで3人は信頼し合っているのか、描かれてはいませんでした。

なんとなく、同年代同士での絆が強い。
#エマ達3人や、ドンとギルダも絆が強い。
と思ってました。

それと、全ての章が、現在に繋がるエピソードになってます。

ノーマンが自分を犠牲にしてでも、エマ、レイや子ども達を助けたかった理由。
ノーマンがレイには生きて欲しいと思った理由。
レイが二人に真実を知らせようと思った理由。
エマが兄弟を信じる理由。

それぞれのエピソードが今に続いているのです。

原作ではなく、スピンオフ小説という形ではありますが、3人のそれまでの出来事を見て、3人の絆が実感できる。
読んで良かったです!

そして、最後に言いたいのは、やはりノーマンが出荷当日という状況での、行動、想い、決意。
(原作ではないのに)ここまで書いて良いのだろうかと思うような踏み込んだ心情描写!

でも、違和感などありません
やはりそうか!そこまで考えていたのか!という共感が湧く、素晴らしいスピンオフ作品

ノーマンがGFハウスを去るエピソード、アニメ第10話は原作を超える感動を味わえる演出&構成でした。
鑑賞後、その気分で小説を読むと、更に味わい深くなります。

最高の3人。
いえ、最高の3人に”なっていく過程”を小説で見ることができます

『約束のネバーランド』好きな方、作品を味わい尽くしたい方、必読です。
超オススメです!

「ジャンプジェイブックス」の公式HPで試し読みもできますよ♪

小説第2弾の『ママたちの追想曲』も読みたいと思います!!
いや~~楽しかった♪♪

きょうのひとこと

小説のエピソードもアニメで見たい♪

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