各話レビュー(2期)

【約束のネバーランド】2期4話 解説&感想レビュー もう一つの物語

約束のネバーランド2期 4話

こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『約束のネバーランド 2期』第4話を鑑賞。

1期はもちろんのこと、2期3話前半まで、カットしたシーンはあったものの、原作に忠実だったアニメ。

3話時点では、原作エピソードを大幅カットの可能性もあったのですが・・・
どうやら、アニメオリジナルストーリーになっていくようです(涙)。

尺の関係で原作を端折るのではなく。
これまでの話を踏まえてはいるが、”完全”アニメオリジナルの展開

エマ達の目的は変わってないので、向かう方向は変わらず、アプローチが違う。
農園側、ミネルヴァ側の状況も変わり行動も原作とは違います。

もう原作とは、別の物語と言って良いでしょう

本サイトはアニメ側にポジションを取っているので・・・

「アニメで描かれた」ストーリーを補足する形で、原作内容を紹介
原作情報は必要最低限にします

#時々、心の声がもれるかも・・・

今話の補足・疑問ポイント

  • なぜ、タイミングよく電話が鳴ったのか
  • 「HELP」の文字は誰が書いたのか
  • 日記の日付が1年経過!?
  • 襲撃してきたのは追っ手、それとも・・・

原作情報と私なりの解釈を含め、順に解説します。

約束のネバーランド(2期)

話数 各話レビュー 原作巻数
EP01 1話R 5・6巻
6巻
EP02 2話R
EP03 3話R
EP04 本レビュー アニオリ展開

※リンクは各話レビューへ

今回のあらすじ

あらすじ

突如鳴り響いた電話を取ると、聞こえてきたのはウィリアム・ミネルヴァの録音された声。

次の目的地が判明。
その前に、シェルターで足場を固め、GFハウスへ残してきたフィル達を救う準備をするのだった。

ミネルヴァは実在した
そして、信頼できる味方だった

安堵した子ども達。
残してきたフィルら4歳以下を救い人間の世界へ行くために、シェルターで足場固め。

束の間の平和を楽しむ子ども達──

だが、この世界では人間は食料。
食用児に安息はない。

突如、シェルターが襲撃!
襲ってきたのは人間!?

人間対人間が見せ場の一つになるはずなのですが・・・

では、振り返っていきましょう。

解説&感想レビュー 4話

ミネルヴァからのメッセージ

約束のネバーランド2期 4話

電話から聞こえてきたのはウィリアム・ミネルヴァの録音メッセージ。

電話が突如鳴ったのは?

エマ達が入ってすぐに電話が鳴りました。

タイミングよく電話が鳴ったのは、扉をペンで開けたのに反応したからだと思われます

ペンを使って扉を開けると電話がかかる、あるいは、メッセージが流れる仕組みになっていたのでしょう。

原作では、この隠し部屋が出てくるのは、かなり先。
見つけた時には、電話回線が故障して使えませんでした。

ミネルヴァは農園関係者

私の本名は、ジェイムズ・ラートリー。
かつて農園の関係者だった者です

by ウィリアム・ミネルヴァ『約束のネバーランド』アニメ2期4話

ミネルヴァは実在した
命を守るため、ミネルヴァという名前は偽名だったが存在。
そして味方だった

ミネルヴァは、農園関係者。
だから、ハウスに本を寄贈したり、本部でペンを落としたりすることができたのです

エマが持っているペン。

これは、GFハウス本部で外部の人間が落としていった物。
それを、シスター・クローネが見つけ拾ったのです。

この時、本部でクローネが見かけたのがミネルヴァかその関係者だったのです

これで、分かりました。
シスターが拾ったときのシーン、明らかに不自然でした(苦笑)。

その人は、”わざと”ペンを落としていったのです

原作では、ミネルヴァの録音メッセージを聞くのは、シェルターではなく別の場所で、まだ先の話です

部屋に残されたメッセージ

一方、イベット達はある部屋で、壁一面に書かれたメッセージを見つけた。

「HELP」!?

前話、イベットが見つけた、部屋に書かれたメッセージ「HELP」は何を意味するのか。

(原作情報)アニメでは完全カットされていますが、原作では、エマ達より先に農園を脱出し、シェルターに辿り着いた元食用児が一人・・・壁には別のメッセージが書かれていました。
  • 壁のメッセージが「HELP」
  • 残されたノートのメッセージ

以上2つは、アニメオリジナル

「HELP」の意味は、残されたノートのメッセージから読み解くしかなさそうです

Everybody’s gone.
I’m all alone.

I can’t stand is any longer.
I’m also going to head for the human world.
To anybody who’s reading this,

don’t give up!

by 『約束のネバーランド』アニメ2期4話

訳すと・・・

みんないなくなった。
一人になってしまった。

もう我慢できない。
これから、人間の世界を目指すつもりだ。
これを読んだ者がいたら・・・あきらめるな!

※私の意訳です

こんな感じでしょうか。

つまり「HELP」は、一人で耐えきれない、(自分を)「助けてくれ」
あるいは、仲間を助けてくれ・・・という意味でしょうか

原作情報を加味すると──
原作では残っていた彼が、アニメでは単独、先へ向かったという展開でしょうか

だから──

たどり着けたのかな・・・ここにいた人達。

そうだといいね。

by 『約束のネバーランド』アニメ2期4話

と言ったのでしょう。

エマ達も同じ地点を目指していくでしょうから、どこかで会えるといいのですが・・・

次の目的地を目指す

このシェルターへとどまるのではなく、次を目指すなら「人間の世界」。
次の目的地は、西の外れ「Dの100」。

このシェルターには水と電気が備わっており、隠れ家としては安全。
だけど、エマ達はここで安住する気は毛頭ありません。

約束したんだから、ノーマンと
あきらめない、誰一人死なせない、家族全員連れて出る

それが、私達が守るべき約束なんだから

by エマ『約束のネバーランド』アニメ2期4話

フィル達と、GFハウスの第3プラント以外の子ども達をも救い出し、人間の世界へ行こうと決意。

シェルターを拠点にするため、生活基盤を固めるために動き始めるのです。

(原作情報)原作では、ミネルヴァが示した次の目的地は「人間の世界」ではなく、もう一つ用意した「人間が住める場所」。そこを目指し、視察組が編成されます。

シェルターでの生活基盤を高める

約束のネバーランド2期 4話

フィル達を救い、人間の世界へ行くためにも、まずはシェルターの生活基盤を整える。

2047年1月・・・1年経過!?

アンナが朝に書いている日記の日付が「”2047年”1月22日」

GFハウスから脱獄したのは「”2046年”1月15日」
シェルターに辿り着いたのが、その7日後。

2047年1月って、いつの間にか1年経過?

その割りには、弓矢は覚えたて、畑に植えた苗はまだ芽を出したばかり。

苗の芽が出る?

1~2日にしては「早すぎる」が、1年はあまりに「長すぎる」

最初は「2046年」を「2047年」と書き間違えた単純ミスだと思ってました。
が・・・

(原作情報)原作でシェルターが襲撃されたのは2年近く経過してから。フィル世代が出荷されるまで残り「2ヶ月」という時期まで経過しています。

原作では、襲撃されたのは、シェルターに住んで2年近く経ってから
生活基盤を整え、馴染んだシェルター
さすがに子ども達は手放すのに躊躇します

だから──

捨てるの?このシェルターを!?

みんなの家が・・・
お野菜楽しみにしていたのに。

by 子ども達『約束のネバーランド』アニメ2期4話

このセリフは原作にもあり。
だけど、シェルターに2年近く住んでいたからこそ、響くセリフ

数日で、そこまで言われても・・・
ましてや、アニメでは1話にも満たない時間で言われても響かないですね。

アニメでの2047年1月。
シェルターで1年経過したのを描写したかったのかもしれません。

ところが、無線傍受のシーンでは──

定時連絡。
こちら29584、第五プラント。

2月26日、異常なし

by 無線傍受『約束のネバーランド』アニメ2期4話

何年の2月26日かは言ってません。
が、”2046年”の2月であれば、シェルターへ到着してから約1ヶ月後

翌日でも1年後ではなく、むしろ約1ヶ月後が一番しっくりきます

日記の日付は「2047年1月22日/23日」となっていますが。
おそらく「2046年2月22日/23日」の誤りだと思われます

1ヶ月近く、ずっと鶏肉ばかりを食べていたのなら、他の物を食べたいと言うのも仕方ないですね(笑)。

約束のネバーランド2期 4話

奇妙な生き物を食べるのも、森へ食べ物を調達しに行くのもアニメオリジナルです。
#というか、この辺は全てアニメオリジナルと言った方がいいかも

原作では、シェルター到着後約1週間。

晩ゴハン・・・今日は鳥がいいなぁ・・・
虫やトカゲはいやだなぁ・・・

by ナット『約束のネバーランド』原作コミック11巻

シェルターはエマとレイが不在。
他の子ども達は、まだまだ弓の熟練度が上がってないので、鳥を狩るのも一苦労。

この様子だと、虫やトカゲを食べているようです。

GFハウス本部 ママ・イザベラ!?

約束のネバーランド2期 4話

GFハウス本部では、食用児脱走の責任を問われ、ママ・イザベラが収監されていた。

このタイミングで、ママが登場したり、収監されたりするのも、原作にはありません。
アニメ完全オリジナルです。

シェルターが襲撃!?

突如、シェルターの入口が爆破され、人間の大人が侵入してきた。

シェルターの場所がバレている!?

シェルターに侵入してきたのは人間。
鬼ではありません。

冒頭、ミネルヴァの録音メッセージにあった──

私の一連の裏切り行為が農園に知られ、私は反逆者として追われる身となってしまった

君に、いや君達にか、会えなくて残念だ。

by ウィリアム・ミネルヴァ『約束のネバーランド』アニメ2期4話

(原作情報)原作では、ミネルヴァの裏切りは「農園」ではなく「ラートリー家」に知られ、追われます。

原作のセリフにある「一族」を、わざわざ「農園」と変更しているので、アニメではラートリー家に襲われることもないのでしょう・・・

ミネルヴァが秘密裏に子ども達にメッセージを送り、シェルターに導いていることが農園にバレたのでしょう。

子ども達が隠れている場所を突き止めたので、グランマは自信ありげに子ども達を連れ帰ると言い切ったのです

見張りのドンは見落とした?

見張りをしていたにも関わらず、入口を破壊されるまで気付かなかった・・・

見張りのドンが寝てましたが、ドンが敵の侵入を見落としたのでしょうか?

では、ないと思います。
多分・・・

原作では、ラートリー家を警戒し、厳重に警備および見張りをしています。
そんな中、アニメ同様、突如入口を爆破されます。

敵は、シェルターの位置だけでなく、シェルターの構造、監視カメラの死角まで把握していたのです。

そこまで情報が敵側に入手されていたのです。

ここは原作同様、シェルターの情報が農園に漏れ、カメラの死角から接近されたのだと思います

だとしても、ドンは居眠りをして、緊張感なさ過ぎですね(苦笑)。

原作では、見張りもきっちり交代制で。できるだけシェルターから外へ出たりはしてませんし、出入りするときは細心の注意を払っています。

それでいて、食用児ではない「自由な時間」を楽しんでいます

すぐに逃げ出せたのは、備えていたから

入口が爆破、すぐシェルターへ侵入されましたが、部屋へ辿り着くまでに子ども達は既に避難

アニメではカットされていますが、原作ではラートリー家を警戒し備えています──

もし襲われたら──

持ち出す荷物はあらかじめ、まとめておく。
武器は各部屋にも隠しておこう。

by 『約束のネバーランド』原作コミック12巻

(原作情報)原作には3つの出入り口の他に、非常口(地下道)へ抜ける7つの入口まで紹介されてます。出入り口までのルートは”全員”頭に入れてます。

シェルターには個室があるのに、みんなが大部屋で雑魚寝していたのも、もしもの時に備えてです。

彼らは、シェルターにいても、決して気を許してはなかったのです。

もう少しこの辺を見せて欲しかったですね。

人間側がゆるく、甘い

GFハウスからの追っ手と見られる大人は、食用児を捕らえるのが目的か
食用児が抵抗しても、傷つけようとはしません

1話で鬼が追ってきたときは、食用児の生死は問わなかったので、大きな違い。

ここにエマ達の勝機がありました。

原作では、シェルターを襲うのはミネルヴァの一族ラートリー家。
食用児を逃がしていたことを隠蔽するために、食用児を”殺処分”しに来ます。

人間VS人間の戦い、殺さなければ殺される。
そんな選択を迫られる、緊迫したエピソード。

ぜひ、原作(12~13巻)をご覧下さい。

よって、森直前で、子ども達が捕らえられるのはアニメオリジナル
その後の、野良鬼に襲われるのも原作にはありません

兵士?傭兵?の大人達が野良鬼にあっさり食われ。
レイは、原始的な弓矢で一撃・・・

これは、ソンジュに教えてもらった鬼の弱点のおかげ。(3話)
と解釈しておけば良いのでしょうか。

傭兵の上司は鬼。
野良鬼がいる森を越えてきたのだから、対策を考えてないのはお粗末な気がしますが・・・

それより衝撃的だったのは、子ども達が「人間」に対して、ためらうことなく弓を放ち、崖へ突き落としたこと・・・

なんて言えばいいんでしょうか。

「助かるためなら仕方ない」と考えるでもなく、人間であっても敵である農園側だから「当然のように」傷つける。

この描写にとても寂しい物を感じてしまいました・・・

原作情報

アニメで描かれた部分が、原作ではどのような話になっているのか、簡単に紹介します。
詳しくは原作をご覧下さい。

アニメは前話(3話)後半から、アニメオリジナル展開になりました。
それでも、無理やり原作に照らし合わせると・・・

今回、進んだのは「シェルター到着直後」~「シェルター襲撃」
原作7巻~13巻と言ったところでしょうか。

シェルターからGP(ゴールディ・ポンド)へ

シェルターに入ると、そこには先客が。
13年前に、GFハウスとは違う高級農園から逃げてきたユウゴ。

エマとレイは、ユウゴの力を借り、次の目的地GPへ。

次の目的地はミネルヴァの手紙に書かれていました。

GP(ゴールディ・ポンド):A08-63

ミネルヴァが示した、シェルターよりも「安息な地」であるGPは、貴族の鬼が人狩りをする「秘密の狩り場」だった。

が、地下には隠し部屋があり、ミネルヴァからメッセージと新たな情報が残されていた。

ここでアニメ4話冒頭のミネルヴァの録音メッセージを聞きます。

シェルター

命からがらシェルターへ戻ったエマ達。

ミネルヴァからの新しい情報を得て、エマは全食用児を救うために、「七つの壁」を目指し新たな約束を結ぶことを決意する。

クヴィティダラ:D528-143

「七つの壁」の手掛かりを得る為に、クヴィティダラ遺跡へ。

ムジカからもらったペンダントを持っていたエマだけが、幻を見ます。

ここまでで、GFハウス脱獄から3ヶ月半。
その後、シェルターに戻り、計半年。

寺院探索

これまで得た情報を総合して、幻の中で見た寺院を探す。

寺院の候補地はいくつもあり、約1年かかってしまう。

シェルターへ戻ったところで、ラードリー家の襲撃に遭う。
この時、GFハウス脱獄から2年近く経過しています。

ここまでが原作13巻の内容です。

おわりに (『約束のネバーランド』2期4話とは)

原作に登場したエピソードだけでなく登場人物もカットされたアニメ。

アニメではカットされた、シェルターの先客。
もし、彼がシェルターに留まらず、先へ進んでいたら・・・
という「if」設定なら、それはそれで楽しめたのかもしれませんが。

どうも変更はそれだけでなく、中間目的地を削除、敵側も変更。
GFハウス側の動きも変えてきました。

原作では、ミネルヴァさんの一族が立ちはだかるのですが、どうやらそこもカット。

あくまでGFハウス VS 子ども達というシンプルな構図でいくようですね。

ママ・イザベラも再登場し、原作では見ることの出来なかったGFハウス外での対決が見れるのか!?

アニメは原作と切り離して、楽しみましょう。

ではでは。

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