各話レビュー(1期)

TVアニメ【約束のネバーランド】12話(最終回) 解説&感想レビュー 全員の脱出は成るか?!3ヶ月に及んだ対決に決着

約束のネバーランド 第12話

こんばんは。時文です。
TVアニメ『約束のネバーランド』第12話(最終話)鑑賞しました。

2期のレビューはこちらからどうぞ。

今回は原作 5巻 35話~37話(約65ページ)をアニメ化。

1部終了の原作5巻へ突入し、アニメもとうとう最終話。
最後まで展開は原作踏襲。

いいえ。
原作踏襲どころか、アニメ的な演出、挿入歌との見事なシンクロでカタルシスだけでなく、胸を締め付けるような感動的な最終回に。

これまで通りモノローグはカットされてますが、イザベラが時折口ずさんでいた歌も効果的に使われ、直接的に知らされなくても、登場人物の感情を感じました。

そんな作品に、私のような素人が、解説するのもおこがましいのですが。(←本気でそう思ってます)

皆さんと感動を共有したい、原作を読んでるとこういう解釈もできるんだよ、ということを伝えたい。
お節介極まりないですが、お許しを・・・

まずは、12話の補足、解説したいポイントを。

  • なぜフィルに判断を委ねたのか
  • フィルはなぜ残ると言ったのか
  • 崖を渡る際に使ったロープはどうやって手に入れた?
  • 「いいモノ見せてやる」”いいモノ”の本当の意味
  • 崖を渡るロープは、なぜ3本だった?
  • イザベラとレイは、似た者同士?
  • イザベラがロープを回収した理由は?

原作情報と私なりの解釈を含め、順に解説します。

さて、ここでは、以下の観点でレビューします。

  1. アニメだけでは気付きにくい点を「解説」
  2. 必要に応じて、原作コミックの情報を加味して「補足」
  3. “原作既読者”目線の「感想」

作品理解の参考にしていただければ幸いです。

今話の「ネタバレあり」。次話(2期)以降のネタバレは「なし」。ご安心を。

前回(11話)の解説&感想レビューはこちらをどうぞ
約束のネバーランド 第11話
TVアニメ【約束のネバーランド】11話 解説&感想レビュー 次はレイ!?捨て身の作戦でいよいよ計画が動き出す!TVアニメ『約束のネバーランド』第11話 解説&補足&感想レビュー。(次話以降のネタバレなしでわかりやすく解説) エマとレイは諦めたフリをしていた。では脱獄計画は?いよいよレイの出荷も翌日に迫った夜。ママとの最後の対決が始まる!...

約束のネバーランド(1期)

話数 サブタイトル 各話レビュー 原作巻数
EP.01 121045 1話R 1巻
EP.02 131045 2話R
EP.03 181045 3話R
2巻
EP.04 291045 4話R
EP.05 301045 5話R
EP.06 311045 6話R
3巻
EP.07 011145 7話R
EP.08 021145 8話R
EP.09 031145 9話R 4巻
EP.10 130146 10話R
EP.11 140146 11話R
EP.12 150146 本レビュー 5巻

前回のあらすじ

約束のネバーランド 第11話
あらすじ

エマは脱獄を諦めていなかった。
エマは諦めたフリをしてママの注意を引きつけ、年中者にも計画を打ち明け準備を進めていた。

レイが準備した火事を利用し、ママの気を逸らし、ハウスを抜け出した子ども達。
無事に塀まで辿り着くが、レイは、はたと気づく──

── これで全員? ──

今回のあらすじ

あらすじ

ノーマンの計画通り準備を進め、子ども達全員での脱獄を決行したエマ達。
だが、エマは連れて行く子ども達を5歳以上とし、4歳以下は残すことに。
2年以内に迎えに来ると約束して──

一方、ママは本部へ連絡。
GFハウス中に警報が鳴り響き、鬼達が警備を強化。
橋から逃げるのは困難と思われたが──

前話、ママの目を欺き塀まで辿り着いたエマ達。
これで安心かと思いきや、そうはいかないのが『約束のネバーランド』!!

ママは無線機を持ち出すことに成功し、エマ達の捕獲を諦めてない。
唯一の橋には鬼達が警備を固め、フィルは逃げ遅れたかに見え、塀の外は崖

まだ、脱獄計画は”初期”段階に過ぎないのです

今回は、脱獄計画の成功の爽快感だけでなく、敵であるママの半生も垣間見れ感動的なラストに。

順を追って見ていきましょう♪

解説&感想レビュー

塀 (回想シーン) (エマ/ギルダ/ドン/フィル)

約束のネバーランド 第12話

エマは子ども達全員連れて行くことを改めて考える。
全員連れて行きたいが・・・”全員”とは?

4歳以下を置いていくと決めたのは1ヶ月前

「4歳以下を残す」判断をしたのはいつなのか。
原作には回想シーンに入るときに時期が記されています。

──約1ヶ月前

by 『約束のネバーランド』原作コミック5巻

今から約1ヶ月前。
ドンやギルダ達により、上から順に5歳までの子ども達に真実を話し、引き入れています。

5歳まで、引き入れたことだけでも、かなり苦労したのが想像できます。

驚いてはいたけど、なんとかうまくやれそう。

by ギルダ『約束のネバーランド』TVアニメ12話

(原作情報)原作では、ギルダのセリフと共に、泣き出している子供が描かれています。

4歳以下を諦めた?いいえ、エマは諦めてません!

約束のネバーランド 第12話

次は4歳以下だが、さすがに、

  1. 信じてもらえるか
  2. 信じたとして──
    その後、ママに対して、知っていることを悟られないように隠し通せるか

も難しい上、脱獄計画の実行および外の状況が不明なので危険がある──
ギルダが懸念するのも当然です。

それでもエマは”家族全員”連れて行くことにこだわるが、ギルダの言葉が突き刺さります──

“全員”・・・他のプラントの子達は?

by ギルダ『約束のネバーランド』TVアニメ12話

ここで、エマが考えを改めます。
ただ、エマは”全員”で脱獄するのを諦めたわけではありません。

エマ達がいる第3プラントの子ども達だけでなく、GFハウス全5プラントの子ども達”全員”を連れ出すと目的を変更したのです

まだGFハウス脱獄が成功もしていないのに(笑)、エマは再度準備を整えGFハウスへ戻ってくるのを前提かのように考えてます

さすが、主人公!
真っ直ぐです!!

(原作情報)原作では、この考えを聞いたレイは「それって、この農園をぶっ潰すってことか!?」と驚いてます。

なぜ、フィルに判断を仰いだのか?

今、二つの道で迷ってる。
赤ちゃんまで皆連れていくか、4歳以下を置いていくか。

by エマ『約束のネバーランド』TVアニメ12話

先に書いたように、エマの計画は、2年以内に全5プラントの子ども達全員を連れ出すことに変わっています。

なので、フィル達4歳以下を連れて行くのは、「今回 or 次回」二つの選択肢があり。
今回連れて行かなくても、まだ次がある予定。

だから、フィルに判断を仰いだと、私は解釈してます

決して、エマが悩んでフィルに選ばせたのではないと思います。
エマは、今回一緒に行っても、GFハウスへ残っても、助けられると確信しているのです。
#根拠のない確信で、無謀ではあるのですが
#これが本作の主人公エマです(笑)

連れて行かないなら、フィルは「真実を知らない方が幸せ」なのでは?という考えもあるでしょう。

が、エマはこの時点で子ども達をかなり信頼しています。
中でもフィルは頭のいい子。

信じているからこそ、真実を話し、判断をするため意見を聞いたのだと思います。
残るにしても、フィルには真実を知っておいて欲しかったのでしょう。

フィルは変だと思ってた!?

エマが話すハウスの真実を、すぐに理解する4歳のフィル。
フィルは何か変だと思っていた──

シスターとの鬼ごっこ。
エマとフィルが岩陰に隠れていたとき──

もし、あの日あなたが”収穫“を見たのなら

by シスター・クローネ『約束のネバーランド』TVアニメ3話

この時から、フィルは「収穫」って何かと考えていたわけですね。

シスターが寝室で、発信器を壊す手掛かりを探している最中。
フィルが通りかかり声を掛けたとき──

ちょっと床のお掃除(汗)

by シスター・クローネ『約束のネバーランド』TVアニメ7話

ま、明らかに怪しいですよね(笑)。

でも、一切顔に出さなかったフィルも末恐ろしい・・・

フィルはなぜ「残る」と言ったのか

待てるよ、僕
だから置いてって

by フィル『約束のネバーランド』TVアニメ12話

このシーンは、原作本編に忠実です──
ただ、本編以外のオフシーンで、フィルはノーマンに最後に言われた言葉を思い出し、決意を新たにしています──

「フィル、どうか僕の代わりにエマを助けてあげて」

大丈夫だよ、エマ。
がんばるよ、ノーマン。

※心情描写なのでアニメではカット

by フィル『約束のネバーランド』原作コミック5巻

15人の兄姉がハウスを脱獄すると知り、それでも残る決意をしたフィル。
ぜひ原作で、決意の顔のフィルをご覧下さい。

フィルは、ノーマンから託されたエマのナイト役?

ノーマンがフィルに、なぜ「エマを助けて」と頼んだのか、エマに真実を聞いて初めて真意が分かったのでしょう。

フィルはエマが大好き。
だからこそ、甘えることなく、迎えに来ると言うエマを信じ。
(恐らく)足手まといにならないよう、また、残りの子ども達をまとめておくために残ることを選択したのではないでしょうか。

『約束のネバーランド』は、それまでに言った言葉が、後で別の意味になったり、大きな意味合いを持ったり、練りに練られた行動とセリフが作品に深みを与えてます

もう脱帽です!

GFハウス前 (ママ/フィル)

エマ達は逃げたが、フィルが残っていた。
ママはすぐさま状況を把握。

持ち出した無線機で本部へ連絡を取るのだった。

この時点でのハウスにいた子ども達の人数は37人。
脱獄した5歳以上は15人。

4歳以下は22人残ってます
小さな子ども達を、これだけの人数連れていくのは、確かに無謀だった気がします(苦笑)。

ママは何を根拠に状況を把握したか

ママはレイから、エマは全員を連れ出す計画だと聞いていた。
それに、エマの性格ならそう考えるだろうと踏んでいた──

が、フィルが残っていた。
フィルは逃げ遅れたのか?それとも・・・

ママはすぐに状況を把握します──

スリッパ・・・
それに発信器も異常ない・・・

なる程、逃げたのは5歳以上15人。
4歳以下は何も知らない。

※心情描写なのでアニメではカット

by フィル『約束のネバーランド』原作コミック5巻

エマやギルダは、突然起きた火事にもかかわらず、靴を履いていた。
#よく見ると分かりますが、履くのに時間かかる「革の紐靴」です

フィルはスリッパ。
近くにいた子ども達の発信器は正常。

これらのことから、状況を把握したのです。

隠し部屋への足止めは意味なかったのか?

約束のネバーランド 第11話

秘密部屋につながる扉を塞いでおけば、ママは通報できず本部は脱走じゃなく火事だと判断する。

by レイ『約束のネバーランド』TVアニメ11話

11話、レイが話した計画。
ノーマンは既に読んでいて、レイが計画を話しているとき、既に鍵穴には詰め物がされてました。

ママがハウスの外へ出たとき持っていたのは、無線機。
では、扉を塞いだのは無意味だったのか?

いいえ、効果はありました。
原作にはママの心情描写が──

ここまで思わぬタイムロス!!
ただでさえ無線機を取りに行くのに手間取ったのに・・・!!

※心情描写なのでアニメではカット

by ママ・イザベラ『約束のネバーランド』原作コミック5巻

鍵穴の詰め物を取ったのか、扉を壊したのか?
手段は原作にも描かれてませんが、何らかの方法で、隠し部屋へ入り無線機を持ち出したママ。

詰め物をしたことにより時間稼ぎはできたのです。

が、ここからの行動が早い!

「商品第一」

ママは迷うことなく本部へ連絡!

むこうは5歳6人を含めた15人。
動ける速さには限りがある!!
・・・・・
追える!!

まだ十分に!!
あの崖は降りられない。
・・・・・
向かう場所は一つ!

※セリフは一部抜粋
※心情描写なのでアニメではカット

by ママ・イザベラ『約束のネバーランド』原作コミック5巻

子ども達の脱走を許せば、飼育監としては大失態

子ども達を捕らえれば、予定通りレイを出荷。
仕事(出荷)をきっちりこなせば、事故(火事)など些細な事。

自己保身しか考えない敵なら、本部へ連絡せず、自ら追いかけ取り繕うパターン
#そして大抵逃げられる(苦笑)

が、ママは躊躇せず本部へ事実を報告!

ママは自分の評価や取り繕いを考えることなく、商品を取り戻すことを最優先。
恥や外聞もなく本部へ連絡し、橋を塞ぐよう要請する。

実に優秀な飼育監です!

そして、ママは、まだ充分間に合うと踏んでいるのです。

本部 (鬼)

GFハウス中に鳴り響く警報

警報は本部と第3プラントだけでなく、GFハウス全プラント中に鳴り響きます。

(原作情報)原作には、警報に気付く他プラントの飼育監や、驚く子ども達が描かれてます。

初めて描かれる本部側の様子!
今まで少数の鬼は描かれましたが、これほど大量にいるとは!!

(原作情報)原作では、化け物のような大型の鬼も描かれ、人間と連携しているような様子が描かれてます。

原作は、巨大な化け物も描かれ、より絶望感を感じられます。
原作を読んだとき、どうやって逃げるの??と思ってました。
年長は大丈夫でも年中に犠牲が出るのでは??などと心配してました(苦笑)。

特上以外は殺してもかまわん
ただし、全て頭部は傷つけるな
姿を現したら即時、捕獲しろ。

by アナウンス『約束のネバーランド』TVアニメ12話

鬼達も判断が早い!

GFハウスの食用児は高級品なはず
にも関わらず、特上(エマとレイ)以外は殺してもいいと指示。
脳さえ無事であれば問題ないと言う。

逆に言うとこんな状況でも、特上は特別。

私はてっきり、この「特上の特別扱い」を逆手に取って切り抜けるのだと思ってました(苦笑)。

塀-対岸

警報が鳴り響き、脱走がバレた。
橋の警備が強化されるが、エマ達に慌てる様子はない。

これはノーマンの計画通り。
橋ではなく、崖を飛び越えるというのだ。

視聴者へのミスリード

レイは勿論、ママも思いつかなかった橋を使わない逃走経路。
崖を渡る。

エマはレイに隠していたのではなく、伝える機会がなかっただけです。
ノーマンがレイに話すタイミングがありましたが、遮られています──

ここが本部。
この区画にだけ橋があった

周囲が絶壁である以上、逃げるなら、ここからだ

by ノーマン『約束のネバーランド』TVアニメ10話

と話し、その続きが──

逃げるなら橋からだ。

って、誰だってそう考える。
「崖からなんてあり得ない」って。

だからこそ、橋へは行かない
崖から逃げる

by ノーマン『約束のネバーランド』TVアニメ12話

10話時点では、フィルが入ってきて話しが途中で終わり。
ノーマンの真意を、エマは手紙で知ったのです。

ノーマンがその後出荷され、エマは落ち込み、何もしてないフリをしなくてはならないので、レイとも作戦会議できなかった。

だから、レイは真の作戦を聞くタイミングがなかったのです。

とまあ、レイと共に視聴者驚かせる、上手い展開ですね!

(原作情報)原作では、レイは、警報を聞き、このままでは橋に着く頃には警備が万全となり、どう対処するか、かなり焦ってます。

崖を渡る手段もノーマン案

ノーマンが出荷された当日。
ノーマンは、崖の存在を見て絶望もせず、橋の場所まで確認・・・

それだけではなく──

対岸までの距離と地形を見てきた
危険だけど、渡れそうな場所はある。

by ノーマン『約束のネバーランド』TVアニメ12話

対岸までの距離と角度を考慮し、必要なロープの長さを計算。
ドン、ギルダと子ども達は森の中で本番を想定した練習を1ヶ月以上続けていたのです。

(原作情報)原作では、渡るポイントも描かれてます。GFハウス全体を上から見て第3プラントから反時計回りに一つ隣のプラントがある場所です。

序盤、医務室でドンがエマに報告していた──

次の訓練も進めてる。

by ドン『約束のネバーランド』TVアニメ12話

「次の訓練」とは、このロープを伝って渡る訓練だったのです。

工夫を積み重ね実行したのは子ども達!

普通ビビるだろ、できねぇだろ。
なのに、この手際、この自信、この落ち着き

積み重ねた「準備」と「訓練」
この2ヶ月、こいつら本気で──

※心情描写なのでアニメではカット

by レイ『約束のネバーランド』原作コミック5巻

単に渡るだけではありません!
万が一手を離してはいけないので、ハンガーと手を縛ってます。
それらを「静かに」「素早く」それでいて「確実に」渡る訓練を続けてきたのです。

原作を読むと、ノーマンは崖を渡る場所と手段を伝えてはいますが、実際に試すことができなかったので、細かい箇所までは指示できてないことが分かります。

子ども達自ら、訓練の中で、改良を重ねたのです
原作では、セリフやモノローグはなくても、絵で色々な事が表現されてます。

  • ドンが投げたロープの先に付けた石
    石は一つより3つの方が成功率が上がる(アニメでは1個)
  • 渡る時に使うのは真っ直ぐな棒ではバランスが悪い
    ハンガーを使うとバランスが取りやすい
  • ロープに結び目があると、ハンガーが引っかかってしまう
    手縫いで引っかかりのないロープを用意

目の前で繰り広げられる結果だけではなく、その裏に見える、積み重ねた努力と苦労が見て取れたので、レイは感心したのです

「いいモノ見せてやる」の”いいモノ”とは?

レイは「(年長5人を除く)子ども達は足手まといになる」と考えていた。
「全員で逃げるなんて有り得ない」と。

決して、レイは冷淡なわけではありません。
本心は全員助けたいが、現実的に考えて無理だと判断していたのです。

ノーマンも実はレイと同じように「全員なんて有り得ない」と考えていました。

が、エマの逃げるのは全員以外考えられない、(無謀だけど)真っ直ぐな気持ちがあったからこそ、子ども達はどんな方法でも付いてきてくれると信じ、ノーマンは折れ、そして実現したのです。

だから、ノーマンはレイに囁いたのです。
#ノーマンはいないので、レイの想像の世界ですが。

諦めなくても”いい”んだよ、レイ

by ノーマン『約束のネバーランド』TVアニメ12話

11話、ノーマンがエマに託した、レイへの伝言──

いいモノ見せてやるから黙ってこい

by エマ『約束のネバーランド』TVアニメ11話

分かりづらいですが・・・

いいモノ = 面白いこと、驚くようなこと

と理解してしまいがちですが。
いえ、間違いではないです(汗)。

絶対不可能、あり得ないと思われていた「全員での脱獄」。
見事逃げ出す爽快な光景を”いいモノ”と言っているのでしょう。

が、それ以外に、「(諦めなくても)”いい”」を意味しているのだと思います。

レイはいくつか諦めてました。

  • ママの目を欺くには自分が犠牲になるしかない
  • GFハウスから逃げ出すには全員は無理

レイは、今まで何かを犠牲にして何かを為してきた。
もちろん最善を目指すが故にです。

なんたって、失敗すると全てが台無しになってしまうのですから・・・

レイが諦めていたことを覆し、エマの性格とこの子ども達なら「諦めなくてもいい」ということをレイに伝えたかったのではないでしょうか

レイ復活!

5歳のジェミマは崖を意識し、渡るのが怖くなる。

ずっと、前だけを見てきた子ども達。
明るい雰囲気で、どちらかと言うと遊びのような雰囲気にしたのは緊張させずに訓練通り行動させるため。
#まあ、それにしても少し騒ぎすぎな気もしないではないですが(笑)

(原作情報)原作では、最初に渡ったドンに静かにするよう言ったり音に気遣ってます。アニメはシーンを盛り上げるためにある程度仕方ないですね。

しょせんは5歳の女の子。
実際に、足下に広がる崖を意識すると、怖くなるのは当然。
頭で分かってはいても、体が恐がるのだ。
ここまで保っていたのが不思議な程。

が、この時には、(ようやく)復活した(吹っ切れた?)レイがすぐさまサポート。
こうなるとレイは心強い!

この辺のレイの復活。
原作ではもっと丁寧に描かれているので、ぜひ原作をご一読下さい♪

ママが追いついたのはアニメオリジナル!

原作では、エマが崖を「渡りきった後」ママが到着。
エマだけママの存在に気付きますが、会話は一切ありません。

エマのセリフは、原作ではほぼ心情描写です
ママが追いつき、エマに声をかけるのはアニメオリジナル

行かないで、エマ。
私のかわいい子供たち。

by ママ・イザベラ『約束のネバーランド』TVアニメ12話

この後に続くエピソードもあり、アニメは少しママへの描写に重点を置いたのでしょう。

3本のロープは、まるで・・・

エマが崖を渡り、3本のロープは切り離される。
風に舞う3本のロープ──

原作読んでたとき全く気付きませんでしたが・・・
これって『約束のネバーランド』のタイトルに使われている、デザイン意識してますよね?

約束のネバーランド

原作でも、アニメでも、公式HPでも、タイトルから右上へ伸びる3本の線。
強く真っ直ぐ上へ向かう印象的な実線。

ノーマン、レイ、エマの3人をイメージしているのだと思ってました。

が、このシーンでママを中心に、風に舞う3本のロープ。
このシーンをイメージしたタイトルデザインだったのでしょうか!?

確かに、誰もが成し遂げられなかった、不可能だと思われた、全員での脱出が成功した瞬間!

だから、ロープは3本だったのか!?
なんてのは、深読みし過ぎでしょうか(笑)

塀 (回想シーン) (イザベラ/レスリー)

エマ達は自分の手から離れていってしまった。
呆然とするママの目に、自分が昔、塀に登った時のことを思い出す。

ハウスにいたレスリーとの思い出を・・・

ここへ来て、ママの過去回。
グランマの回想に出てきたママらしき少女が塀の上にいる伏線(7話)の回収です!

原作も、このタイミングで回想。
内容もほぼ同様です。

原作と違うのは、素敵な旋律の『イザベラの唄』の歌い方
原作ではレスリーは鼻歌で歌ってます。
アニメでは楽器「マンドリン」を使い、より味わいある曲に仕上がってますね。

1話、コニーを門へ連れていく時。
11話、レイ出荷前夜、赤ちゃんの様子をみていた時。
ママが歌っていた鼻歌が、この『イザベラの唄』です。

漫画ではメロディーも分からないので、アニメらしい演出ですね。

大好きなレスリー

ねえ!
木登りしてたら、素敵な曲が聞こえたから、つい・・・

レスリーが作ったの?
素敵な旋律ね、なんて曲?

by ママ・イザベラ『約束のネバーランド』TVアニメ12話

このセリフから始まる、『イザベラの唄』。

唄と共に描かれるイザベラの少女時代。
唄の盛り上がりと共に描かれるイザベラの感情。

曲の間は、セリフも説明もなしに、唄で表現する演出がお見事!!

(原作情報)原作では、心情描写ではっきり「大好きなレスリー」と描かれてます。

イザベラはレスリーに会いたかったのでは?

原作では気付きませんでしたが、アニメの素晴らしい演出で気付いた事が・・・

イザベラが塀に登ったのは脱獄するためでしょう。
が、殺されないために脱獄しようとしたのではない気がしました──

私の推測です

エマ達が、ハウスから脱獄したのは、鬼に食べられないため──

イザベラがハウスを出ようとしたのは「レスリーに会いたかったから」ではないでしょうか

大好きだったレスリー、里親が見つかりハウスを出て行った。
その後、ハウスを出たレスリーからは何の便りもない──

悲しみにくれるイザベラ。
我慢できなくなったイザベラは、ハウスの外に出てレスリーに会いに行こうとしたのではないでしょうか

脱走などと大それたことではなく、単に会って戻ろうとしたのかも・・・

ところが、塀の外は崖。

頭の良いイザベラのことです。
崖を見て、ハウスの真実(異常性)に気付いたのではないでしょうか。

イザベラは、子ども達を長生きさせたかった

真実を知ったイザベラにママへの道が示され、その道を選択。
子どもを身ごもったイザベラは、『イザベラの唄』を歌いながら過ごす。

(原作情報)原作ではママ・イザベラのモノローグが9ページに渡って描かれます。全ては記載できないので、ぜひ原作をどうぞ。
イザベラの強い信念が描かれてます。

少しだけ触れておくと──

イザベラは、自身がママの道を選ばなかったとしても、この世界は何も変わらない。
であれば、ママ(飼育監)として、子ども達が”少しでも長く生きられるよう”指導し、その間、”愛情を注ぎたい”と考えたのです

レスリーの代わりに・・・

「イザベラの唄」は逆の意味!?

アニメではカットされていますが、原作では『イザベラの唄』についてママは──

あの歌があったから私は強くいられた

※心情描写なのでアニメではカット

by ママ・イザベラ『約束のネバーランド』原作コミック5巻

『イザベラの唄』を歌うことにより、ママの心は折れることなく強くいられた

ということは、あの時、歌っていた鼻歌!
意味が変わってきます──

1話、コニーを門へ連れて行くとき。
11話、レイの出荷前夜。

どちらも私は「”出荷”できる”喜び”から鼻歌を」と書きました。
が、逆だったのです。

“強くいるため”・・・
つまり、辛いことを乗り越えるために『イザベラの唄』を歌っていたのです!

子ども達を出荷することをママも悲しんでいたのです。
でも、(出荷を止める等)何もできないことも分かっていたので、せめてハウスにいる間は優しく愛情たっぷりに育てていた。

これがママ・イザベラの素顔

だとすると、ずっと一緒にいたエマ達に真実を悟られなかったのも分かります。

優しいママは、演技ではなく本心だったのです

イザベラなりの鬼への抵抗

『イザベラの唄』を聞かせたことがないレイが、唄を口ずさんでいた。
レイが自分の子どもだと分かり驚愕の表情を浮かべるイザベラ。

レイは幼児期健忘がなく、胎児の頃の記憶がある。
イザベラのお腹の中にいたときに聞かされた歌を覚えていたのです。

このことでママはレイが自分の子どもだと知る。
そこで、レイは尋ねます──

ねえママ(お母さん)、どうして俺を産んだの?

by レイ『約束のネバーランド』TVアニメ12話

この質問、レイはいずれ収穫されてしまうことを知っているからこその問いかけですね。

ママは答えます──

生き延びるためよ。誰よりも長く。

by ママ・イザベラ『約束のネバーランド』TVアニメ12話

一見、自分勝手な考えに解釈してしまいがち。
例え我が子であろうと、他人を犠牲にしてでも自分の命を長らえる。

アニメではカットされてますが、原作には重要な一言が──

せめて生き続けてやりたかった
食べられない人間として!!

※心情描写なのでアニメではカット

by ママ・イザベラ『約束のネバーランド』原作コミック5巻

ママは、レスリーが鬼に収穫されたと知り、鬼を恨んでいた。
でも、鬼に対して何もできないことも分かっていた。

そこで、最高級品である自身を食べられないよう、生き続け、鬼に「おあずけ」を食らわせたかった。

「ママなりの鬼への抵抗」だったのではないでしょうか
と私は解釈しています。

やはり、イザベラとレイは似た者同士?

イザベラの「ママなりの鬼への抵抗」。
この考え、聞き覚えありませんか?

そうです、レイです!

レイは、エマ達を逃がすために自ら犠牲になろうとしました
が、同時に”満期出荷”の特上を鬼から取り上げることにより「鬼への抵抗」しようとした
のです。

はい、分かりましたね。

レイはイザベラの子供。
さすが親子!

同じようなことを考えていたのです♪

レイは自ら命を絶つことで、鬼から特上を「取り上げる」
イザベラは生き続け、鬼に特上を「おあずけ」させる

面白いこと考えつきますね-
原作者に感服です!

ロープを回収した意図は?

約束のネバーランド 第12話

ママは残ったロープを回収──

いってらっしゃい。気を付けてね。
願わくば、その先に光がありますように。

by ママ・イザベラ『約束のネバーランド』TVアニメ12話

このセリフからも分かるように、ママは、GFハウスの外も危険だと考えています
もしかすると、ハウスにいるよりも、早死にするのではないかと──

だから「願わくは、その先に光がありますように」と言っているのです。

ただ、ママができることします。
ロープを回収し、追っ手がすぐに行かないよう時間稼ぎをする。

原作には、エマ達を応援する気持ちが、はっきりと描かれています──

追っ手はすぐにはかからない。
まさか崖から逃げるなど考えない。

ロープは回収しておいた
当分は、農園も血眼で園内を探すでしょう

私にできるのは、これまでよ
がんばって逃げなさい

※心情描写なのでアニメではカット

by ママ・イザベラ『約束のネバーランド』原作コミック5巻

エマ達が脱走したからと言って、ママはここで折れたりはしないでしょう。

今回の失敗は失敗として認めながらも、(レスリーのため、鬼に抵抗するため)生き延びる選択をしていくと信じてます、私は。

GFハウスの外へ・・・

エマ達の脱獄は成功。
15人の子ども達は、生まれて初めてGFハウスの外へ出る。

GFハウスへ残した子ども達を、必ず連れに戻ると決心して・・・

(原作情報)原作では走りながらエマのモノローグが4ページ続きます。
「でも、これでゴールじゃない。」-中略-「自由ってなんて美しく苛酷なんだろう」

このセリフが第2期放送決定の告知にも使われます♪

TVアニメ「約束のネバーランド」第2期2020年放送決定!
アニプレックス

脱獄はゴールではない!

そうです、GFハウスから脱獄できました、まだ”脱獄”しかできてないのです。

6話の各話レビューで、5話時点での計脱獄計画の全容を説明しました。
脱獄計画 進捗状況(第5話)
  1. 脱獄:塀を越えて脱獄する
  2. 逃走:農園から無事に離れる
  3. 自立:外で安定した生活を築く

まだ第1段階の脱獄が成功しただけなのです。
ここからは完全に未知の世界。

どんな世界が待っているのか・・・

そこは2期へのお楽しみ!ということで♪

待てない方は原作をどうぞ。

何にせよ、長い長い戦いに決着が。
次から次へと立ちはだかる困難を乗り越えていったエマ達。

ノーマンはいませんが・・・
いえ、ノーマンが出荷されたからこそ成功したとも言えます。

いずれにせよ、今後のエマ達に何が待ち受けるのか。
まずは脱獄できたことの喜びを味わって欲しい。
願わくは幸せに過ごして欲しい・・・いつかは。

-2046年1月15日-

グレイス=フィールド農園より
15名脱走!

おわりに

いや~ついに終わってしまいました。
2期放送が決定したとは言え、放送は来年!

寂しいですねーー

各話レビューも(1期は)最後かと思うと、書き切りたくなくて、手を付けるのが遅くなりました(笑)

私にとって初めての各話レビュー。
途中で書き直したり、特集サイトとして別サイトを構築し移行したりと試行錯誤の連続。
結構時間かかってしまいました(涙)

でも、楽しかったーー
原作だけでなく、アニメとしてのレベルも高かったので、言いたい事が溢れてきました。

結果、最終話は1万2000文字オーバーになりました(苦笑)。
超長文にもかかわらず、最後まで読んで頂き本当にありがとうございます。

まだまだ、原作はもちろんアニメも続きます。
私も追いかけていきたいと思います。

それでは、2期でお目にかかりましょう。

ここまで見ればアニメ『約束のネバーランド』はもっと面白い!

関連記事

約束のネバーランド(1期)
※リンクから各話レビューへどうぞ

話数 サブタイトル 原作巻数
EP.01 121045 1巻
EP.02 131045
EP.03 181045
2巻
EP.04 291045
EP.05 301045
EP.06 311045
3巻
EP.07 011145
EP.08 021145
EP.09 031145 4巻
EP.10 130146
EP.11 140146
EP.12 150146 5巻

2期や小説のレビューはトップページからどうぞ

POSTED COMMENT

  1. なり より:

    12話分全部読ませていただきました。
    このブログを読む読者への配慮が随所に感じられ、内容も非常に充実しており本当に本当に素晴らしいレビューだと思いました、
    アニメを1話見終わるごとに整理のために読ませていただいていましたが、ここまで約束のネバーランドのアニメを楽しめたのもこのブログのおかげだと思っています。
    本当にありがとうございました!!

    • 時文 より:

      うれしいお言葉ありがとうございます!
      大好きな作品なので、多くの方により深く理解して頂き楽しんで頂ければと思いブログを立ち上げました。
      なので、なりさんのように楽しんで頂けたと聞くと感謝感激です。

      来年2期放送も追いかけていくつもりなので、一緒に約ネバを楽しんでいきましょう!

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