各話レビュー(2期)

【約束のネバーランド】2期6話 解説&感想レビュー 解決策なくても理想に突き進む主人公!それがエマ!

約束のネバーランド2期 6話

こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『約束のネバーランド 2期』第6話を鑑賞。

2期3話前半まで、原作準拠だったアニメ『約束のネバーランド』。
2期3話後半から、アニメオリジナルストーリーとなりました。

本サイトはアニメ側にポジションを取っているので・・・

アニメの感想を書きつつ──
「アニメで描かれた」ストーリーを補足する形で、原作内容を紹介
原作情報は必要最低限にします

#時々、心の声がもれるのは、ご了承を

今話の補足・疑問ポイント

  • ノーマンが1期最後のシーンで「え?」と言った理由
  • ノーマンが言う「ネバーランドはもう終わり」とは?
  • 「優しさ」だけでノーマンに直談判?
    いいえムジカの存在を知らせる必要があったのです
  • ラムダ出身の3人はノーマン大好き!

原作情報と私なりの解釈を含め、順に解説します。

約束のネバーランド(2期)

話数 各話レビュー 原作巻数
EP01 1話R 5・6巻
6巻
EP02 2話R
EP03 3話R
EP04 4話R アニメオリジナル
EP05 5話R
EP06 本レビュー

※リンクは各話レビューへ

今回のあらすじ

約束のネバーランド2期 6話
あらすじ

出荷されたはずのノーマンが生きていた。
思いも寄らなかったノーマンとの再会を喜ぶ子ども達。

ノーマンは、移送された試験農園Λ(ラムダ)を脱走し、鬼を絶滅させる作戦まで進めていた。
この世界に、人間が安心して住める世界を作るために・・・

鬼は人間を食べないと自我を維持できない

ならば、食用児か農園を少し残しておくか?

エマ達にそんな選択はあり得ない。
今いる食用児は全て救い、今後食用児を生み出さないよう農園を潰す。

すると、鬼は人間を求め、どこまでも追いかけてくる

たとえ人間の世界へ逃げられたとしても、追いかけてくるだろう。
命がかかれば約束など関係ない。
いや、下手をすると再び鬼と人間の戦争が始まってしまう。

全ての食用児を救い農園を潰す。
それでも、鬼が人間に危害を加えない道は・・・

鬼を絶滅させるしかないのです

ノーマンは、エマの夢「ないなら作ろうよ、変えようよ世界」を実現することを考えてきた

ノーマンの判断は正しい。
この世界で”全”食用児を救い安全に暮らすには、鬼を抹殺するしかない。

が、エマは決断できない。
鬼を殺すことを・・・ムジカ、ソンジュの同族を絶滅させるなんて・・・

◇◇◇◇◇

話が一気に進みました。

それもそのはず。
前話ラスト、ノーマンに会うまではアニメオリジナル。

ノーマンと出会ってから、ラムダ出身者3人と話すシーンまでで原作14巻6話相当分を一気に描いています

原作準拠で描かれたのは6巻まで。(2期3話前半まで)
その後、シェルター脱出の12巻内容が描かれ、今話は14巻が元ネタ。
#退化させる薬品はもっと先です

ただでさえ、情報量の多い『約束のネバーランド』。
飛び飛びに描いては理解できないこともあろうかと思います。

少しでも、本サイトでフォローできれば幸いです。

では、振り返っていきましょう。

解説&感想レビュー 6話

ノーマンとの再会

約束のネバーランド2期 6話

ノーマンは生きていた。
再会を喜ぶ3人。

原作に戻った!?

ミネルヴァが用意したシェルターに着いてから、アニメはオリジナルと言っていい展開に。

ノーマンの再登場は原作にもあります。(原作コミック14巻)
ですが、ノーマンと出会う展開、場所、状況はアニメオリジナル
原作とは全く違います。

ただ、今話のキャラクター行動とセリフはおおむね原作通り

2期3話後半~今6話。
アニメと原作は、展開も違い、場所も変え、なんなら登場人物もばっさり減らして・・・

にも関わらず、今話は原作通りのストーリー

なかなか器用なことをしています(苦笑)。

原) ノーマンは●●●●●だった!?

ノーマンとの再会シーンは、あっさり。
全然感動できませんでした(苦笑)。
私が、原作既読だからでしょう

原作の再会シーンはとても印象的に描かれており、見せ場になっています

このシーンがアニメで再現されなかったのが残念。

ぜひ、原作を読んで欲しいのですが、魅力を知ってもらうために一端を紹介。
#知りたくない方は飛ばしてください

原作14巻のネタバレあり

数々の困難を乗り越えてきたエマ達。
いつの間にか大所帯になり、エマはそのリーダーに。

13巻

シェルターが襲撃され、居住を失ってしまった。

襲撃直前、食用児に呼びかけるミネルヴァの声明が。
エマ達は指示された場所へ向かう。

14巻

ようやく辿り着いたアジトには何百人もの子ども達が・・・

エマはアジトのボスに呼び出され、二人きりで面会することに。
ようやく会える恩人・ミネルヴァ。

高まる気持ちでドアを開けると、そこにいたのは──

コミック14巻の表紙。
男性の顔がフクロウで隠されているのはそういう意味だったのです。

ノーマンの出荷後

ノーマンは食用ではなく、食用児の実験場Λ(ラムダ)7214に送られていた。

ノーマン1期ラストで「え?」と言ったわけ

あの夜、ママに連れられて門へ行った。
そこでラムダの研究員に引き渡されたんだ。

by ノーマン『約束のネバーランド』アニメ2期6話

『約束のネバーランド』1期1話で出荷されたコニー。
そして、邪魔者として排除されたシスター・クローネ。

いずれも、狩った獲物を食用とする吸血植物「ヴィダ」を刺す儀式・儀程(グプナ)まで描かれました

が、ノーマンだけは描かれません。(1期10話)
ノーマン最後のシーンは門にある部屋の中を見て「え?」というカットで終わってます。

これは、ノーマンが研究員を見て驚いたのです。
つまり、鬼がいると思っていたのに、人間がいたから驚き「え?」と発したのです

このときのノーマンは、大人はママとシスター・クローネしか見たことがありません。

初めて大人の男性を見たのです。

(原作情報)原作では、ノーマンを迎えにきたのはただの研究員ではなく、ミネルヴァの行為を阻止するピーター・ラートリー。

ノーマンはラムダから、どのようにして脱出したのか

ミネルヴァの支援者の力を借りてラムダを破壊し、食用児達と一緒に脱出したんだ。

by ノーマン『約束のネバーランド』アニメ2期6話

ノーマンがどのようにラムダを脱出したのかは、原作でも描かれてません。
#知りたい!!

ノーマンが説明しているように、ラムダには支援者がいて助けてもらった。

原作にはもう少し説明が──

でも最後の一人(スミー)が死ぬ前に、僕は彼の情報とネットワークを受け継いだんだ。

by ノーマン『約束のネバーランド』原作コミック14巻

支援者スミーが得た情報と、ネットワークを活用して、短い時間でラムダの食用児をまとめ脱獄したのです

原作にも描かれているのはこれだけ(涙)。

ラムダ脱獄エピソードを見たいですね!

退化させる薬品はまだ先

でも、もう心配いらない。
ラムダの実験データを使って、僕は鬼を退化させる薬品を作り出した。

by ノーマン『約束のネバーランド』アニメ2期6話

このタイミングで「鬼を退化させる薬品」が出るのはアニメオリジナル
原作では、もっと先で出てきます。

原作では、この時ノーマンが話す作戦は「農園を潰し、鬼の自然消滅を狙う」

最近、金のない鬼達は、粗悪な量産肉を食べ続け、形質保持能力が弱まっている。
#アニメ5話でも描かれていましたね

だから農園を潰せば、早い個体なら半年程で野に返ると見込んでいます。

能動的に鬼を抹殺するのではなく、農園を潰せば、放っておいても鬼が自我を失い全滅するだろうという作戦。

それでも、エマは賛同できなかったのです。

鬼絶滅は「人間が安心して暮らせる世界」のため

ハウスの真実を知った時、エマ言ったよね?

「ないなら作ろう、人間の世界を」って。
「変えようよ世界」って。
「これは、そういう脱獄なんだ」って。

僕も作りたい。
家族も仲間も全食用児が笑って暮らせる未来。

エマやレイやみんなと今度こそ一緒に生きたいんだ。

by ノーマン『約束のネバーランド』アニメ2期6話

1期2話。
ノーマンとエマがハウスの真実を知り、レイに教えたシーン。
#実はレイは既に知ってましたが

レイは、食用児の農園があることから、この世界に人間が安心して暮らせる場所がない可能性が高いことを想定

それでも、エマが食い下がったときセリフ──

無理でも私は全員で逃げたい!
なんとかしよう!

-中略-

ないなら作ろうよ、外に
人間の生きる場所

変えようよ、世界

レイのおかげで今分かった。
これはそういう脱獄なんだ。

by エマ『約束のネバーランド』アニメ1期2話

ノーマンはこの時のエマのセリフを言ってます。
この時のエマの願いを叶えようとしているのです。

実に合理的に・・・

ネバーランドはもう終わり!

鬼は絶滅させる。

ネバーランドはもう終わり。
この世界に僕達みんなの楽園を築こう。

by ノーマン『約束のネバーランド』アニメ2期6話

アニメだけだと「ネバーランドはもう終わり」の意味がよく分からないですよね。

原文を読むと意味が分かります。

鬼は滅ぼす。
絶滅させる。

大人になれない世界 ネバー  ランドはもう終わり

この世界に全食用児ぼくたちみんなの楽園を築こう

by ノーマン『約束のネバーランド』原作コミック14巻

農園は、最長でも12歳で出荷され食用に。
鬼の世界で子供は大人になれなかった。

だから「大人になれない世界」=「ネバーランド」

ネバーランド

ネバーランドとは『ピーターパン』に登場する架空の国。
そこでは年を取らなくなった子ども達が妖精と共に暮らしています。

作中で「ネバーランド」という単語が出てきたのは初めて

『約束のネバーランド』というタイトルの意味が、ここで回収されたのです

ちなみに、「約束」は鬼と人間が交わした約束のことですね。
アニメでは2期2話で説明されています。(2期2話)

鬼を殺したくない

約束のネバーランド2期 6話

この世界に人間が住めるようになる!?
ノーマンは鬼を絶滅させる作戦を計画していた。

レイがエマに寄り添う構図に

諦めきれないんだろ

納得してねぇなら、とことん向き合った方がいい

by レイ『約束のネバーランド』アニメ2期6話

エマの非現実的な願い

1期でも、エマは無茶苦茶な要求をしていました。

  • 外の世界が危険でも全員連れていく
  • 裏切り者でも、誰一人残さず、全員連れて脱獄する
  • 誰一人、犠牲になるのは許さない
  • 外の世界に人間が安心して暮らせる場所がなければ作ればいい

そんなワガママな主人公をサポートしてきたのノーマン
レイは冷静に、見極めてきた

ノーマンとは別れ、その後はレイがエマと一緒に。
ついには、超現実主義者のレイがエマの非現実的な考えを応援するのです

ムジカとソンジュは例外?

俺たちとしちゃ、アレも気になるだろ。

by レイ『約束のネバーランド』アニメ2期6話

鬼は「人間を食べ続けないと、人型も知能も保てない」

なのに、ソンジュとムジカは人型で知能も高かった。

原作では、レイがもっと言及しています──

それに”食べたものの形質を受け継ぐ”のに、あの二人、鳥を食べても魚を食べても姿・形何も変化なかったよな。

by レイ『約束のネバーランド』原作コミック14巻

鬼が魚を食べれば、すぐに魚に変化するのもどうかと思いますが・・・(苦笑)

ソンジュとムジカは、ずっと人間を食べずに、森にいる鳥や魚を食べていた。
にも関わらず、人型と知能を保っていた。

「その言葉を信じるなら」という条件付きだが、ソンジュとムジカは鬼の特性から外れているのです

ムジカのことを知らせないとノーマンの計画が!?

エマがムジカとソンジュを殺したくない気持ちは分かるが、優しさだけでノーマンと話ができるのか?

エマは迷い、ノーマンに話すのを諦めてましたが、レイが説き伏せます──

知らなかったらヤバいよな

だってそうだろ。
そういう例外の鬼に、ノーマンが作った薬品が効くのか。

by レイ『約束のネバーランド』アニメ2期6話

ソンジュとムジカは人間を食べなくても知能と人型を保持している。
ならば「鬼を退化」させる薬が効くかも怪しい

原作では、ヤバい理由の説明が──

その仮定・・・
ムジカ達が形質を保持できる”例外”だって仮定が正しいとして。
そういう”例外”の鬼がどのくらいいるのか

もしたくさんいて、そいつらが人間を食いたい鬼だったら

農園を潰しても、そいつらは退化しない。
人間の脅威のままだ。

by レイ『約束のネバーランド』原作コミック14巻

ムジカやソンジュのように人間を食べなくても平気な例外の鬼が沢山いて、薬品で退化させることができなければ鬼の全滅は狙えない。

残った鬼が人間を襲えば、こちらにも被害が出てしまう。

ノーマンの作戦が崩れてしまう。
だから、ノーマンにこの事実を知らせなくては、とレイは考えたのです。

反対に、ムジカのような存在を、ノーマンは既に折り込み済みならば・・・

なぜ、ムジカやソンジュのような例外がいるのか理由を知っているはず。
そこに、鬼と人間が共存できるヒントがあるかもしれないと考えたのです。

レイ、お見事!

ラムダ出身者は鬼を心から憎む

約束のネバーランド2期 6話

鬼と共存できる方法がないかノーマンへ相談へ行く。
ノーマンは外出中で、そこにはラムダ出身の食用児がいた。

原) 3人はノーマンが大好き!

一緒に育った兄弟なんだろ?
どんなんだったんだよ。
おまえらの言う、その「ノーマン」ってさ。

by バーバラ『約束のネバーランド』アニメ2期6話

圧のある、危険な香りがするラムダ出身の3人。
でも、ノーマンのことは尊敬しています。

それどこか、原作では「大好き」とまで言ってます──

ヴィンセント:そう・・・何を隠そう、こいつらはボスが大好き
シスロ・バーバラ:うるせーてめーも奴のこと大好きだろーが!!
ヴィンセント:君達がボスの昔の仲間だからソワソワが止まらないのだ。私もね☆

by 『約束のネバーランド』原作コミック14巻

ノーマンが、ボスとして振る舞う言動は、エマ達の前で見せる姿とは別人のようです。

原作ではエマがノーマンと再会し、変わらないノーマンとの会話を楽しみます。
が、今一緒にいる子ども達は別人のようなノーマンを見て小騒ぎが起きる程。

なので原作勢にとっては──
今話冒頭、ノーマンがエマ達と再会して抱き合っていたシーン。
後ろのヴィンセント達が静かにしていたのは違和感ありまくりなのです(苦笑)。

約束のネバーランド2期 6話

原) 3人の実力

原作では、3人との時間がもう少し描かれ、ノーマンの話で盛り上がります。

(原作情報)ヴィンセントは涙まで・・・詳しくは原作をどうぞ。

続いてラムダ出身の3人の話も──

俺たち3人、あのラムダのクソみてぇな実験で”力”を得た。

-中略-

あいつが策を立て、ザジを含めたオレ達4人が実行する。
今まで潰した農園は全部オレ達5人で解放してきた。

by 『約束のネバーランド』原作コミック14巻

ヴィンセント、シスロ、バーバラはラムダの人体実験で鬼と戦える力を得た。

原作では、既にいくつもの農園を解放し、アジトにいる子ども達は何百人にもなっています。

それらは、全てノーマンが計画を立て4人が実行。
たった5人で、それらを成し遂げてきたのです。

ノーマンがボスと崇められるわけです。

ノーマンとの交渉

約束のネバーランド2期 6話

エマはノーマンにムジカ達のことを話す──

邪血の少女はまだ生きていたのか

by ノーマン『約束のネバーランド』アニメ2期6話

ムジカ達のことを聞き、血相を変えるノーマン。

「少女」と言うからにはムジカのことか。

「邪血」と言えば前話「邪血の神殿」。(2期5話)
あれも少女のような姿でした。

祀られていた御神体はムジカと関係があるのか?
ムジカの存在は、鬼との共存のヒントとなるのか?

おわりに (『約束のネバーランド』2期6話とは)

ノーマンとの再会に喜ぶも。
ノーマンは、食用児のためとは言え少し冷徹になってしまったのか。

確かにノーマンが出した結論は、人間を主体に考えると、筋が通っている。
鬼に仲間を食われ、憎んでいる食用児にとっては当然の選択。

だけど、鬼の立場から見るとどうなのか?
エマは、ムジカとソンジュという分かり合える鬼の友を得、鬼の社会を見知ってしまった。

全ての食用児を救いたい。
鬼にこれ以上、人間を食べられるのは見ていられない!

でも、鬼を殺したくはない!

この面倒くさい性格・・・失礼っ。

これが、主人公エマなのです!

ではでは。

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