各話レビュー(1期)

TVアニメ【約束のネバーランド】第2話 解説&感想レビュー 展開が早い!お互いの手の読み合い。実はこの時が一番のチャンスだった?!

約束のネバーランド 第2話

こんばんは。時文です。
TVアニメ『約束のネバーランド』第2話鑑賞しました。

2期2話のレビューはこちらをどうぞ。

ぐぬぬぬーー
原作既読の私から見て、アニメは展開が随分早い印象
原作未読の方が付いてこれるのか心配している今日のこの頃。

アニメ1話は原作1話(と言っても50ページですが)。
アニメ2話は原作で2~5話(約90ページ)も進みました・・・

カットされたシーンがありますし、
描かれているシーンはかなり駆け足。

普通の作品であれば、カットされても、後で回想シーンで出てくることもあるでしょう。
が、『約束のネバーランド』はチェスのような展開の運び方なので、後で挿入することができないと思われます。

区切りの良い1部終了まで描くため、このペースでいくのでしょう・・・

軸となる展開はシンプルなので、見続けて欲しいですね。
話が盛り上がるのは、まだまだこれからですから!

ここでは、以下の観点でレビューします。

  1. アニメだけでは気付きにくい点を「解説」
  2. 必要に応じて、原作コミックの情報を加味して「補足」
  3. “原作既読者”目線の「感想」

プラスして、私なりの解釈を説明します。
作品理解の参考にしていただければ幸いです。

今話の「ネタバレあり」。次話以降のネタバレは「なし」。ご安心を。

前回(1話)の解説&感想レビューはこちらをどうぞ
約束のネバーランド 第1話
アニメ【約束のネバーランド】第1話 解説&感想レビュー 衝撃のラスト、知らない方が幸せだったのか・・・2019年冬TVアニメ『約束のネバーランド(約ネバ)』第1話 ネタバレ感想レビュー。(次話以降のネタバレなしで分かりやすく解説) GFハウスは親のいない子ども達が住むところ。ママと38人の兄弟がずっといたいと思う程幸せだった。それなのに・・・...

約束のネバーランド(1期)

話数 サブタイトル 各話レビュー 原作巻数
EP.01 121045 1話R 1巻
EP.02 131045 本レビュー
EP.03 181045 3話R
2巻
EP.04 291045 4話R
EP.05 301045 5話R
EP.06 311045 6話R
3巻
EP.07 011145 7話R
EP.08 021145 8話R
EP.09 031145 9話R 4巻
EP.10 130146 10話R
EP.11 140146 11話R
EP.12 150146 12話R 5巻

前回のあらすじ

1話 あらすじ

孤児院「グレイス=フィールド(以降、GF)ハウス」。
ここには、親のいない子ども達38人が、ママ(シスター・イザベラ)と一緒に生活をしていた。

慎ましくも、幸せに過ごす子ども達。
里親が見つかり、施設を出ることになり、そのことを寂しがるほど。

ある夜、主人公エマノーマンは、近づくことさえ禁止されていた門へ進んでしまう。
そこで見たモノは・・・

今回のあらすじ

あらすじ

孤児院「GFハウス」の本当の目的を知ってしまったエマとノーマン
GFハウスを抜け出すための調査と準備に着手する。

2話は、かなり駆け足でした。
まさか、シスター・クローネ登場まで話が進むとは・・・

じっくりと考えながら読んでいるせいもあるのでしょうが、原作は、もっと丁寧に展開していきます。
#読むのに時間がかかるという意味で、似ているのが『HUNTER×HUNTER』
#この2作はジャンプ作品の中でそもそも読むのに時間かかります(笑)

展開は足早ですが、ノーマンの推理の才能の一端は見えたのではないでしょうか。
そして、レイが仲間になり目的を共にするシーンはジャンプらしい盛り上がり

ここで2話が終わってくれれば気持ちよかったのに・・・

そのあと、2人目の大人・シスター登場で落とされます。
アニメのラストは、毎話、絶望オチにするつもりなのでしょうか(汗)

では、順を追って振り返っていきましょう。

解説&感想レビュー

GFハウス 食堂-教室

GFハウス。
いつもの朝、いつもと変わらぬ朝食の準備。

ノーマンはエマに、ママ(イザベラ)に気付かれないよう、いつも通りに振る舞うように、と言う。
が、エマは明らかに動揺していた──

(原作情報)原作では、昨夜の内に、ノーマンはエマに普段通り振る舞うよう言ってます
朝言うのは遅いですよね。アニメは緊張感を高めるための演出でしょうか。
(原作情報)ノーマンとエマはこの日もテストはフルスコア(満点)。流石です。

エマとノーマンにとって、昨日までの幸せな生活は一変

快適な生活は品質を保つため

  • 規則正しい生活 ⇒ 健康体を保つ
  • おいしい食事 ⇒ 健やかに育成するため
  • 白い服 ⇒ 清潔さを保ち変化(ケガや病気)が直ぐに分かるように

これらは、食用としての品質を保つためだったのだ。

(原作情報)原作では、ハウスの格子窓についても触れてます。格子は内側から届かない位置で固定され、”外側にある”ねじ穴は潰されています。つまり、外からの侵入を防ぐのではなく、中から出られないようにしているのですエマはハウスを「檻」だと表現
アニメはこの時、格子窓のアップから入り、「檻」を印象付けてますね。

ノーマンとエマは、昨夜の鬼達の会話と、これまで施設を出て行った子供達の状況から、農園としてのGFハウスを分析する

GFハウスのシステム(ノーマン達の推測)

出荷条件

  • 6歳以降、成績の低い順に出荷
  • 12歳になれば無条件で出荷

補足情報

  • 年齢=肉のランク
    (年齢高い=ランク高い/6~12歳:並~最上物)
  • テストのスコア(成績)は、出荷順
  • 次の出荷は、最短で2ヶ月後と予想

この仕組みにより、年齢が上がるほどスコアが良い肉が生き残り結果となり、年齢=ランク(品質)となる

(原作情報)人間の脳は6歳までに90%、12歳までに100%成長する。だから6歳から12歳までが出荷対象なのではないかとノーマンは推測してます。

エマは子ども達を始め、ママも大好きだった。
孤児院であるGFハウスに、ずっといたいと思っていた程。

それが、一瞬にして崩れ、大好きな家族が、大好き”だった”ママに管理され、食用として出荷されていることを知る

GFハウスの子供たち”全員”を連れて逃げることを決意したエマ

脱獄を成功させるためには、ママに悟られないよう、準備を進めなくてはならない。
そのためには、普段と変わらない生活をしていかなくては。

最年長とは言いながらも感受性豊かな11歳の女の子・エマ。

コニーの事を思い出さずにはいられない・・・
ママの顔を見ると、昨夜の恐ろしい光景が目に浮かぶ・・・

ただ、この時点では、彼らは、まだママに対して一途の望みを抱いています
それだけ、ママは子供たちに優しく、今まで全くそんな(子どもを食用として出荷している)素振りなど見せなかったのです。

同時に、鉄壁のママに、ノーマンは恐ろしさを感じるのでした。
10年近く一緒に、家族同然、母親のように慕って一緒に生活してきた。
にも関わらず、子ども達の末路を知っている様子は”一度も”顔に出してない。
ママは、ずっと穏やかな笑顔だったのです。

恐ろしや・・・

森の奥の塀

ママから禁じられていた近づいてはいけない「森の奥の柵」。
柵を飛び越え、その奥を探索するエマとノーマン。

そこには、GFハウスの敷地を取り囲むようにしてコンクリートで造られた高く分厚い塀だった。

ロープがあれば、塀を超えることができると判断。

普通の人なら、越えられないだろう高い塀。
だけど、身体能力の高いエマなら乗り越えられる。

ロープがあれば、脱出は可能!

随分簡単に脱出方法が見つかりました──

(原作情報)原作では、ノーマンはこんな簡単に脱出法が見つかるのか不信に思います。が、そもそも出荷がバレることがないので、逃亡を前提には造られてないと結論づけてます

自由時間の終わりを告げる、ハンドベルの音。

(原作情報)急に呼び出されたわけではありません。二人は探索に夢中で時間を忘れていたのです。原作には集合地点で「二人足りない?」という言葉でエマとノーマンが間に合わなかったのでは?と少しドキッとさせる演出あり。

GFハウス 庭

森ではぐれてしまった小さい子供を、すぐに見つけるママ。
子ども達には発信器が付けられ、ママはコンパクトで位置を把握することができるのだ。

そして、「誰であろうと逃がさない」とでも言いたいかのように振る舞った。

施設の真実を知り、逃げようとしている人にだけ分かるメッセージ・・・

これはママの宣戦布告。

「ママは敵だ!」

原作を読むと分かるのですが、この時までエマとノーマンは、まだママを「心のどこかで信じてました」

ママは子ども達に優しく、本当の母親として慕ってきた。
昨夜、あんな光景を見せられても、「ママは強制されてやっているのでは?」「実は、仕方なくやっているのでは?」と、思っていたのでしょう。
#ここは私の推測です。

が、ここで発信器の存在を見せ、「逃がさない」という本気の意思を感じ取り、エマとノーマンは(親でも、同じ人間でもない)「ママは鬼側であり敵」と確信したのです。

(原作情報)GFハウスには図書室があり、書籍を読むことにより2015年までの技術や知識はノーマン達にはあります。
#なぜ2015年かは後述
恐らく、そこで発信器、監視カメラ等のことを知ったと思われます。

◇◇◇◇◇

ロープさえあれば、塀を越え脱出可能と思った矢先に、発信器の存在が

脱出方法は分かったものの発信器をなんとかしないと、すぐに捕まってしまうと知らしめられたのです

GFハウス 廊下

子供達の体には発信器が埋め込まれ、ママは場所を把握できる。

しかし、ノーマンはまだ、二人のことはバレていないと推測する。

ママは、常に僕らの居場所を把握しているわけじゃない。
確認して、初めて位置を知るんだ

by ノーマン『約束のネバーランド』TVアニメ2話

確認して初めて位置を知る
これだけでは、少し意味が分かりにくいですね。

私なりに解釈を説明します。

今で言う、子供達の位置情報を、マップに表示できる仕組みなのでしょう。

ただ「離れたらアラームが鳴る」「行った先の経路(ログ)が残る」機能はない。

“確認した時点の位置を知る”ことしかできないシンプルな機能なのではないでしょうか

約束のネバーランド 第2話

絵があった場所でコニーを思い出していたエマ。
突然、ママがエマの顔を覗き込む・・・

「どうしたの?エマ。顔色がよくないわ」

エマは内心怯えながらも、平然とママと言葉を交わす。

昨夜以降、つまりエマが真実を知ってから、初めてのママとの接触。

このシーン、突然でドキリとしましたねーー
ママ恐すぎ!!

(原作情報)この時、ママはエマの首に手をあて”脈を取ってます”。コニーの話をしているときに、脈が乱れてないか確認しているのです。
ママ、恐るべし・・・

エマは、平常心を保ち、切り抜ける。

それどころか、ママにコニーのことを尋ね、ママの反応を見る。
エマもやりますね!!

しかし、ママは、もっと平然。
まったく隙を見せません。

(原作情報)平然と対応するママにエマはゾッとします。あまりに恐ろしくエマはこわばってしまう。そこをレイの食事を知らせるハンドベルが割って入ったのです。

あなたたち2人、昨日、門へ行った?

by イザベラ『約束のネバーランド』TVアニメ2話

突然、2人に質問をするママ。
ノーマンは、鬼ごっこに夢中だったと答える。

実はこれ、引っかけが含まれてます

ママは「夜」とも「昼」とも言ってません。
そのことに気付かず、「風呂に入って寝たよ」と答えればアウト。

夜だと知っているのは、ママと当人
当人でなければ、門へ行った?という質問の時間帯は、外での自由時間である昼

だから、ノーマンは、昼間の出来事を答えたのです。

ママは策士!
ノーマンお見事!

森の奥の塀

ノーマンはロープの代わりにテーブルクロスで代用。
これで塀を越える手段は整った。

あっさり描かれてますが、ここでもノーマンの鋭さが表れてます。

GFハウスは食用肉を育てるための農園。
生活に必要ない物は置いてません。

ロープはないと考えていたノーマンは、最初から代替を探す事にしてました。

だからエマは「でも、考えたね、ノーマン。テーブルクロスなんて」と言ったのです。

森の奥の塀 レイ

エマとノーマンは、レイにも真実を教え、仲間にすることに。

レイは状況をすぐに理解。
が、全員で逃げるのはリスクが高いと反対。

だけど、エマは譲らず、絶対に全員で逃げるという・・・

レイはすぐに気付きます。

農園で食用肉が育てられているのは、この世界に人を食べる需要があるということ。

農園がずっと運営され、(少なくともレイがいた)11年間外からの干渉もなかったことから、外は”最悪”人間がいない鬼の社会

GFハウスの外へ仮に脱出できたとしても、生きていくのも困難なのが予想される

だから、小さい子どもや、足手まといになる子どもは連れて行かないのが「正解」だと判断したのです。

でも、そんな無理難題を、エマがノーマンを、ノーマンがレイを説き伏せる・・・

この辺りは少年漫画っぽいですねーー
さすがエマ!主人公!!

#実は私、原作読んでたとき、この時までずっとノーマンが主人公だと思ってました(笑)

エマが、鬼の存在を知り、子供達が食用肉として出荷されていると知った時。
自分の命よりも、子供達が死ぬのを悲しみ涙を流していた、強く優しい心

そんなエマを見てノーマンの心が動き、困難な道を選んだ。

そのノーマンは、レイの二人(エマとノーマン)に対する気持ちと誇りを逆手に取って説得。

ニクいやりとりですね♪
こういうの大好きです♪

◇◇◇◇◇

このシーンでレイはエマに本を渡しました。
原作では、レイはこの本から世界のあることを推測。

(原作情報)レイが渡したのはGFハウスにある一番新しい本。
出版年は2015年。
つまり30年前までは本が出版できる世界だったことを推測。
わずか30年、人間社会がある可能性もゼロではないと希望を持つ。
レイもさすが!

GFハウス 食堂

自由時間なのに、ハンドベルが鳴り、GFハウスに集められた子ども達。

そこにいたのは、新しい子どもと、ママの手伝いだと言う二人目の大人だった──

ママの補佐役として、シスター・クローネがやってきた。

シスター・クローネが来たことにより、ノーマンは脱獄することの困難さが上がったことを確信

今までは、発信器をなんとかしてママ一人の目を出し抜けば良い、と(少し)甘く考えていたのが、対策を打たれたのです

(原作情報)原作では新しい子供が来るのもいつもより早いとの描写が。3歳以下が16人になり、更に逃げにくくなったのです。

◇◇◇◇◇

実はこの前のシーンで、原作エピソードが、大胆カットされました・・・(涙)

カットされた部分は丸々1話分あるので、ここで内容を詳細に記載するのは控えます。
ママに時間稼ぎをされたとだけ伝えておきます。

ママにとって、監視がママ一人しかいない時に、逃げられることを恐れていたのです。

たとえ発信器で見つけることができても、逃げられたこと事態で責任者として減点されるのでしょう。

万が一、外に出て命を失えば、大きな損失。
ケガをして、商品価値が下がるかもしれません。

反対に、エマたちは一番逃げ時のチャンスを逃したと言えます

もちろん、仮に先読みできたとしても、発信器のありかも、全員で逃げる術もなかったので、実行することは不可能。

なんとも隙がない、憎たらしい存在のママ!

レイが加わって、脱出行けるんじゃね?と思わせてからの、オチ。
まだ2話なのに、この濃い展開はなんなのでしょう・・・

次話も楽しみです!

おわりに (『約束のネバーランド』2話とは)

『約束のネバーランド』は、チェスや詰め将棋のような頭脳戦、心理戦が醍醐味。

相手の手を読み、先に手を打つ、時には誘導し追い詰めていく・・・

2話では、ママ側が一歩リード

ママは、発信器の存在を見せつけ、簡単には逃げられないこと、何か策を練らないと脱出できないと思わせた。
#発信器に注意をそらせたのです。

まんまと策にはまり、慎重になったエマ達。
その間に監視の目を増やすために、二人目のシスターを手配していたのです。

ママは油断などせず、万全の対策を打ってきたのです。
なんと、狡猾な。

原作では、ほぼ1話カットされた、ママの時間稼ぎのエピソードがあります。

2話のアニメ化されたエピソードで、”ママの鉄壁さ”を証明。
カットされた部分では、”ママの狡猾さ”が描かれています。

興味のある方は原作もお読み下さい。
原作はオフショットも描かれており、アニメ化以外のシーンも楽しめますよ。

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さあて、まだ2話ですよ!?
これほど早く展開するほど、エピソードあったっけ?
#原作既読は連載時、2年半前。ほどよく忘れてます(笑)
#レビューは、アニメ化された部分のみ再読してます。

と心配してしまうのですが、まだまだ沢山のことが起きるのでしょう。

3話も楽しみです!

ではでは。

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