こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『約束のネバーランド 2期』第8話を鑑賞。
2期3話前半まで、原作準拠だったアニメ『約束のネバーランド』。
2期3話後半から、アニメオリジナル展開となりました。
本サイトはアニメ側にポジションを取っているので・・・
アニメの感想を書きつつ──
「アニメで描かれた」ストーリーを補足する形で、原作内容を紹介。
※原作情報は必要最低限にします
#時々、心の声がもれるのは、ご了承を
今話の補足・疑問ポイント
- ビーター・ラートリーとは?
- 支援者はあの人!?
- 最後の支援者は誰が殺した?
- ノーマンは実験されてないのでは?
- ノーマンはなぜうろたえた?
原作情報と私なりの解釈を含め、順に解説します。
約束のネバーランド(2期)
話数 | 各話レビュー | 原作巻数 |
EP01 | 1話R | 5・6巻 |
6巻 | ||
EP02 | 2話R | |
EP03 | 3話R | |
EP04 | 4話R | アニメオリジナル |
EP05 | 5話R | |
EP06 | 6話R | |
EP07 | 7話R | |
EP08 | 本レビュー |
※リンクは各話レビューへ
目次
今回のあらすじ
エマとレイは、ノーマンを止めるためムジカとソンジュを探しにいく。
約束した期限より前に、見つけたと思った瞬間・・・
ノーマンの計画が開始された。
ノーマンの願い。
それはエマとレイを含めた、全ての食用児が安心して暮らせる世界を作ること。
食べられる心配のない世界にするには、鬼を絶滅させるしかない。
ラムダ組はノーマンを信じているが、復讐心の方が強い。
エマとは目的は同じなのに、鬼の絶滅を否定される。
ノーマンを真に理解している人は誰もいない。
それでも、ノーマンは突き進む。
みんなのために、神でも悪魔にでもなる覚悟。
何かを成すときの長は時に孤独、そして恐怖。
その描写が子供の姿・・・
ノーマンの怯えた子供の姿。
鬼の家族愛を見て良心の呵責を感じたか。
それとも、エマの言葉で既に決心が揺らいでいたのか・・・
2期3話後半から、原作とは違うアニメオリジナル展開。
実は正確に言うと、完全なアニメオリジナルではなく原作のエピソードを”元ネタ”にしたストーリーでした。
ところがここへ来て、アニメ独自の大きなオリジナル要素を入れてきました。
「邪血」の老いた鬼。
このキャラクターは原作には登場しません。
このキャラクターの登場により、今話終盤は完全なアニメオリジナル展開となりました。
アニメオリジナルキャラクターが、作品にどのような変化を与えるのか。
では、振り返っていきましょう。
解説&感想レビュー 8話
Λ(ラムダ)7214
ノーマンがGFハウスを去ったあの日。
ノーマンの前にピーター・ラートリーが現れ、新農園Λ7214へ送られた。
こんばんは。
初めまして、ノーマン。by ピーター・ラートリー『約束のネバーランド』アニメ2期8話
なるほど。
ノーマンがGFハウスから出荷された後の経緯を一気に見せる為、前話ラストに回想シーンを入れたのですね。
1期10話の映像から振り返るとは粋な構成です。
ママはノーマンが生きていることをなぜ教えなかった?
よかったわね、ノーマン。
いっぱい、お勉強ができるわよ。大好きよ愛しい子。
新しいお家でも幸せにね。by ママ・イザベラ『約束のネバーランド』アニメ2期8話
ノーマンを送り出すママ。
ママは、ノーマンが死んでないことを知っていたことになります。
では、ママはエマ達になぜそのことを伝えなかったのでしょうか?
面白いから?
内緒にしておいた方がサプライズ感があるから?(視聴者・読者へ向けて)
ではありません(笑)。
生きていると知れば、エマ達は希望を持ってしまいます。
ノーマンは出荷され死んだと思わせておけば、絶望し脱走する気力を失うからです。
エマは、ノーマンは本当に死んだと思っていました。
が、ノーマンから託された脱獄は、絶対に成功させなくてはと静かに決意。
ママは、ノーマンを出荷したことでエマ達が諦めるだろうと考えると読み。
それを逆に利用。
絶望していると見せかけてママを出し抜いたのです。
研究?勉強ができる?
ピーター:君さえよければ、君に私の研究を手伝って欲しいんだ。
ママ:よかったわね、ノーマン。いっぱい、お勉強ができるわよ。
by 『約束のネバーランド』アニメ2期8話
ノーマンは出荷され鬼に食べられるのを覚悟していた。
が、現れたのは人間で、研究を手伝って欲しいと言われた。
普通なら、自分は特別扱い?ラッキーと喜ぶところ?(苦笑)。
補足説明。
「普通なら」というのは、あくまでノーマンの立場なら、という意味です。
というのも・・・
普通は、ハウスを出るのは「里親が見つかった」。
だから、新しい親の元へ行く。
その場合、あそこにラートリーがいても、別に不思議には思わないはず。
特別扱いされたように思うことはあっても。
「出荷」と知っているのは、農園の正体に気づいた子ども達だけ。
出荷されると知っていたので、殺されずに済んだことを”普通なら”喜ぶのでは?という意味での「普通なら」です。
状況が入り組んでいるので、説明難しいですね(笑)。
が、頭の良いノーマンはすぐに気づきます──
いや違う。
これも出荷。この男も捕食者側。※アニメではカット
by ノーマン『約束のネバーランド』原作コミック9巻
「研究を手伝う」「勉強ができる」どちらも嘘ではありません。
研究とは、ノーマン自身が研究対象となること。
勉強とは、実験過程で無限にテストを受けさせられること。
#テストで高得点を取るために勉強をし続けるのが普通
#ノーマンは勉強していたのかどうかは描かれてませんが
ラムダに着いてから確信します──
ここも農園。
僕は食料。飼われる先が変わっただけ。
※アニメではカット
by ノーマン『約束のネバーランド』原作コミック9巻
ノーマンは生き延びたことに慢心せず、どうすれば出荷されずに生き残れるかを探り考えます。
生きていれば、いずれエマ達に会えるかもしれない、と望みを持って・・・
アニメ、ママの最後のセリフ──
大好きな愛しい子。
新しいお家でも幸せにね。by ママ・イザベラ『約束のネバーランド』アニメ2期8話
原作では、洒落の効いたイヤミになってます(苦笑)。
大好きよ愛しい子。
新しい檻で幸せにね。
by ママ・イザベラ『約束のネバーランド』原作コミック9巻
新しい「家」ではなく「檻(おり)」。
そう、GFハウスも、ラムダも檻。
GFハウスは、食用児を育てる檻。
ラムダは、食用児を研究する檻。
どちらも自由はないのです。
もちろん、言葉は「おうち」と言っているので、ノーマンには分かりません。
読者だけに分かるメタ情報。
それにしても、無表情のママの目が怖い(苦笑)。
ママが「幸せに」と言ったのは、門へ行く途中、ノーマンがママに聞いたセリフにかけたのでしょう。(セリフについては1期10話レビューをどうぞ)
もう一つ。
ママは、この世界では抵抗しても本当の自由は掴めないと確信。
限られた時間、限られた環境で楽しんで過ごすのが「幸せ」だと考えているからでしょう。
ピーター・ラートリーとは?
ジェイムズ・ラートリーが門番だった時代は終わった。
これからは、僕が、全ての食用児を支配する。彼らに希望など一切与えない。
by ピーター・ラートリー『約束のネバーランド』アニメ2期8話
まず、ジェイムズ・ラートリーとは誰の事か。
皆さん覚えていますか?
2期4話、エマ達がシェルターの隠し部屋で受けた電話──
ウィリアム・ミネルヴァです。
-中略-
私の本名は、ジェイムズ・ラートリー。
かつて農園の関係者だった者です。by ウィリアム・ミネルヴァ『約束のネバーランド』アニメ2期4話
GFハウスの図書室にメッセージや手引き書を紛れ込ませ、安全なシェルターまで導いてくれたミネルヴァ。
恩人ミネルヴァの正体がジェイムズ・ラートリーでした。
#詳細は2期4話レビューをどうぞ
ジェイムズとピーターは、同じラートリー家。
原作によると、ピーターはジェイムズの弟です。
「彼らに希望など一切与えない」とは、ジェイムズ、つまりミネルヴァとその支援者を全て排除し、二度と食用児の味方などさせないという宣言です。
ラムダは脱出不可能
脱出は不可能。
それがラムダ。by ノーマン『約束のネバーランド』アニメ2期8話
フォークを落とすシーン。
アニメだけだと、意味することがよく分かりませんね。
原作で明示されているのは──
フォークを落とすと、”すぐに”新しいフォークが出てくる。
#落とした直後に出てくるほど、一瞬です
これは一例でしょうが、「部屋の中は音も拾われ常に監視・管理されている」とノーマンは把握するのです。
さらに、原作では他の情報も──
部屋の出入りも自由じゃない。
窓はない。
水路も通気口も人が通れるサイズではない。※アニメではカット
by ノーマン『約束のネバーランド』原作コミック9巻
そして、食事を出すときにかざした右手のリングが、ラムダでの発信器。
これらから、脱出は不可能と思われたのです。
まずは仲間作り
では、ノーマンはどうやってラムダを脱出したのでしょうか?
実は、原作にも詳しくは描かれていません。
今回アニメの立ち上がりが丁寧だったので、ラムダ脱出の詳細を期待したのですが・・・
2期6話でノーマンは語ってました──
ミネルヴァの支援者の力を借りてラムダを破壊し、食用児達と一緒に脱出したんだ。
by ノーマン『約束のネバーランド』アニメ2期6話
原作では、もう少し詳しく──
共犯者を見つけ、ミネルヴァの支援者の力を借りて、ラムダを壊して出てきたんだ。
by ノーマン『約束のネバーランド』原作コミック14巻
まずは一緒に脱獄してくれる仲間を探したのです。
アニメでは、ノーマンはガラス越しに実験されている食用児を見ていました。
が、原作では、見ていません。
ガラスはマジックミラーになっていて、食用児側からノーマンを見ることはできますが、ノーマンから食用児側は鏡になって”見えません”。
原作では、そこにいた鬼の姿も、ノーマンには見えてません。
見えないのは当然です。
普通の食用児は、農園の正体を知りません。
鬼の存在を知らないのです。
農園からラムダへ送られてきて、研究対象となる。
ここでの対応者も人間です。
なぜか?
鬼の存在を明らかにすると、精神的苦痛を与え適切な実験ができないからだと思われます。
アニメで描かれる、ガラス越しに”見える”食用児と鬼、ノーマンが鬼に案内される。
これらは、原作にはありません、アニメオリジナルです。
推測
では、アニメが原作と変更したのはなぜか?
廊下を通った時のノーマンの悲痛な表情から察するに──
ノーマンは実験される食用児を毎日見続けたことにより鬼への憎しみを募らせた、と描写したかったのだと思われます。
ノーマンは不思議に思います──
鬼はどこだ、あの人間たちは?
なぜ僕以外の食用児がいない。by ノーマン『約束のネバーランド』原作コミック9巻
ノーマンは、ラムダで他の食用児の姿を見ることはありませんでした。
そんな時、テスト時、装置の位置が違う。
自分以外にも食用児がいて、テストを受けているのでは?と気づきます。
そこで、ルービックキューブにメッセージを入れ連絡を取り始めたのが、後に仲間となるヴィンセントです。
なんとあの男が支援者だった!?
ミネルヴァの支援者の力を借りてラムダを破壊し、食用児達と一緒に脱出したんだ。
スミーと名乗っていた。
シスター・クローネにペンを与えた人だったよ。その人も、今は殺されてしまったけど。
by ノーマン『約束のネバーランド』アニメ2期6話
ピーターはミネルヴァ含め、支援者を始末してきました。
最後の一人が、ラムダにいたスミー。
ノーマンにペンを渡しているのが支援者スミーと思われます。
な、なんとあの男がスミー!?
ノーマンを実験していた責任者ぽい、ピーターの隣にいた銀髪の男です。
言われてみれば、ピーターの言動に、怪訝な表情をしていました(苦笑)。
この男性が、シスター・クローネにペンを与え、そのペンがノーマンを通じてエマの手に。
GFハウス脱出後のエマ達の指針となったのです。
食用児にとって、命の恩人とも言えるミネルヴァと支援者。
最後の支援者だったスミーが、この時、他の研究員と共に殺されてしまったのです。
では、ノーマンの脱出作戦のターゲットだったのか?
違います。
原作でははっきりと言い切ってます。
支援者を手に掛けたのはピーターの手の者。
当主ピーターによる粛清でラートリー家の中に潜んでいた支援者は今度こそ一掃された。
でも最後の一人が死ぬ前に、僕は彼の情報と関係網を受け継いだんだ。
by ノーマン『約束のネバーランド』原作コミック14巻
支援者スミーが始末され、息を引き取る前にノーマンにペンを渡した。そのシーンがアニメの1カットで描かれているのです。
アニメは、ノーマンの作戦で支援者が殺された、もしくは作戦に巻き込まれたかに見えます。
が、原作準拠だとすると、支援者はピーターの指示で始末された。
とすると、本作戦は、支援者が爆破を起こし、反乱と見なされ始末されたか?
その隙に乗じてノーマンとヴィンセントが脱出したのでしょうか?
爆薬は手に入る。
後は起爆に必要な部品を。by ノーマン『約束のネバーランド』アニメ2期8話
この辺のくだりをもっと知りたいですねーー
部屋の中は、24時間365日監視。
部屋の外へは自由に出ることはできず。
他の食用児と触れ合う場はなく。
施設の全体像も不明。
GFハウスよりも、かなり自由度が少ないΛ7214。
ノーマンはどのようにして脱出したのか?
いつかアニメオリジナルとして描いて欲しい。
スピンオフ漫画でも、小説でもよいので期待しております!
ノーマンは実験を受けていた?
時折見せる、ノーマンの吐血シーン──
ノーマンは実験を受けてないはずでは?
エマ:でも、実験って・・・じゃ、ノーマンも?
ノーマン:僕はテストを受けさせられていただけだから、心配いらないよ。by 『約束のネバーランド』アニメ2期6話
今回描かれたラムダの回想シーン。
確かに、ノーマンはシスロやバーバラのように「直接、体に何かをする実験」はされていません。
が、食事と一緒に、薬のような物が出されてます。
これが、実験の一環、そして吐血の原因だと思われます。
鬼探し
エマ達は、ノーマンを止めるため「邪血の少女」ムジカを探す。
原) 原作はもっと複雑な構図
ノーマンの計画を止めるため、エマ、レイ、ドン、ギルダはムジカとソンジュを探します。
原作でも、二人を探しますが、シチュエーションが全く違います。
- ムジカとソンジュを探すのはノーマンの指示
ノーマンに邪血が見つかれば殺されるので、エマ側からは言い出しません - 二人を探すのはドンとギルダ、そして護衛
エマとレイがアジトを離れている間に、ノーマンが依頼します - 居場所について、ノーマンはある程度、候補を絞っている
早く見つけ出したいので、ノーマンも知恵を出します - 誰も鬼の変装はしていない
森で、鬼のフリをする必要はありません
ドンとギルダは、ノーマンがムジカとソンジュを殺す気だと推測します。
ならば、断るより、話に乗ってムジカ達を守ると決断。
そこへ他の登場人物が絡み、複雑な構図へ。
ムジカとソンジュを探す行程が、一つの人間ドラマとなっています。
他にも、ドンが危険を冒しながら、鬼の命を奪わなかったり。
ここで出てくる新キャラ・アイシェが影があっていいんですよ~
ぜひ、原作をご覧下さい。
原作では、この段階になると、ドンですら、たとえ野良鬼であっても不必要に殺したりしません。アニメでも「鬼を殺したくない」からムジカとソンジュを探しているのに、野良鬼が襲ってきたら迷いなく殺す・・・なんだかなぁ、という感じですね。まあ、アクションシーンが欲しいのでしょうが(苦笑)。
ソンジュとムジカのためになる?
ソンジュとムジカを見つけることは、二人を守ることにも、ノーマンを助けることにもなる。
by エマ『約束のネバーランド』アニメ2期8話
このセリフは原作にはなく、アニメオリジナル。
前話レビューで書いたように、現状、ノーマンの前に二人を連れて行っても殺されるだけ。
ムジカ達は、ノーマンの鬼全滅作戦を止める交渉材料にはなりません。
ましてや、ムジカとソンジュを危険にさらすだけで、二人を守ることにも繋がりません。
でも、エマにここまで言い切らせたのです。
きっと考えあってのことなのでしょう。
作戦ないし理由が明かされるのを待ちましょう。
ムジカのペンダントが、ただのペンダントに・・・
ムジカ!
会えた、良かった・・・
ありがとう、ムジカ。by エマ『約束のネバーランド』アニメ2期8話
野良鬼が出た現場でペンダントを見つけ、エマを助けに来たムジカ達。
ムジカ探しにエマとレイが参加するのはアニメのみ。
ペンダントで気づくのはアニメオリジナルです。
原作ではムジカのペンダントは、”あの方”との約束を結び直すのに必要な重要アイテム。
アニメ2期3話でも描かれたように、ムジカはソンジュに内緒でペンダントを渡してます。
これはお守り。
持っておいて。きっとあなた達を守ってくれる。
by ムジカ『約束のネバーランド』アニメ2期3話
にも関わらず、今回、堂々とソンジュに知らせましたね・・・
確かに、エマを守りました(苦笑)。
が、せめて辻褄くらいは合わせて欲しい。
色んな所が雑になってきているような・・・(涙)。
実験開始
ノーマンは、エマと約束した期限を待たずに、鬼を退化させる薬品の実験を開始する。
ノーマンの意図
ごめんね、エマ。
戻ってくるときには、全て終わっているよ。by ノーマン『約束のネバーランド』アニメ2期8話
エマとノーマンは取り引きをしました。
5日以内に、ソンジュとムジカを連れてくる。
そうすれば、鬼を絶滅させるのを止めると。
ノーマンは、食用児が安心して暮らすには、鬼を絶滅させるのが一番だと思っています。
ソンジュとムジカが来たからと言って、絶滅案の代わりにはなりません。
では、なぜノーマンは意味のない取り引きに乗ったのか?
最初から、守るつもりはなかった?
いや、邪魔をするエマとレイを遠ざけたかったと考えると合点がいきます。
ただそれなら、期限を5日と短くせず、エマの要望通り10日のままにしておいた方がより有用だった気もするのですが・・・(苦笑)
邪血の爺さん
「鬼を退化させる薬品」の実験は順調に進行。
ところが、町の鬼の中に「邪血」を持つ鬼がいた。
ノーマンはなぜうろたえた?
どうして・・・まさか!
by ノーマン『約束のネバーランド』アニメ2期8話
鬼を退化させる薬品が効かない鬼。
ノーマンは、この鬼は「邪血」と見抜き、刃を向ける。
手を貫き、血塗られた自分の手を見て、うろたえるノーマン。
あれだけ強い信念を持っていたのに。
これまで幾つもの農園を潰してきたのに。
血を見て平常心を失ったのは、なぜ?
ノーマンはラムダ組を実行部隊にしてきました。
ノーマンは作戦立案。
手を動かすのはラムダ組。
ここまでノーマンは自らの手で鬼を殺してはいません。
指示をしているだけです。
決して、ノーマンは手を汚さない、という意味ではありません。
誤解なきようお願い致します。
ノーマンは頭脳担当。
実行はラムダ組が進んでやっていたのです。
ノーマンは必要とあれば何でもやる覚悟はあった。
ただ、その機会が訪れなかっただけだと思われます。
初めて自分の手で鬼を傷つけたノーマン。
手に付いた血を見て何を思ったか・・・
エマという名の鬼が、祖父との別れを惜しむ。
我に返ったノーマン。
これまで「野良鬼に変化した鬼」しか見えなかったのが「家族の死を悲しむ鬼」が目に入る。
迷い始めたノーマン。
だが、後には退けない・・・
もう他に道はない。
これが、残された時間で僕ができる確実な選択。by ノーマン『約束のネバーランド』アニメ2期8話
迷いを振り切るように剣を振りかぶる。
そこへ現れたのは──
ノーマン!
今度は、一人で行かせないよ!by エマ『約束のネバーランド』アニメ2期8話
なぜ「邪血」を使わなかった?
「邪血」を持つ老いた鬼。
この鬼は、エマ達が神殿に隠れ住んでいた時に、お参りに来た鬼です。(2期5話)
「邪血の少女」に祈っていたのは、自ら命を助けられたからか。
この鬼は、原作には出てこず、アニメオリジナル。
#エマ鬼も同様、アニメオリジナルです
ゲスト出演とは思えない程、重要な存在。
「邪血」の血を飲むと、その鬼も同じ能力を持ちます。
この老いた鬼の存在は、ムジカとソンジュの存在価値を相対的に低くします。
前回お爺さんはこんなことを言ってました──
農園がもっと我々にも肉を分け与えてくれれば。
このままでは、この先、この町でも“野良に退化”するものも出てくるかもしれない。
by 老いた鬼『約束のネバーランド』アニメ2期5話
農園に対して文句を言ってます。
が、人間の肉がなくても、解決する手段をこの鬼は持っていたのです。
爺さんの血を飲ませれば、人間を食べなくても人型と知能を永遠に保持できる。
そして、その血を飲んだ鬼は、同じように他の鬼に血を与え救うことができる。
では、なぜお爺さんは、その血を使わなかったのか?
ここに、格差の要因、真の悪の存在があるのです。
さあ、そこまで踏み込めるか。
いや、踏み込んで欲しい。
次話、期待ですね!
おわりに (『約束のネバーランド』2期8話とは)
繰り返しになりますが──
アニメは2期3話後半からアニメオリジナル展開と書いてきましたが、厳密には違います。
3話後半~前話7話までは原作に忠実ではありません。
原作から──
- エピソードカット
- 登場人物のカット
- エピソードの経緯や場所の変更
- 行動をするキャラクターの変更
と言った原作の一部分を元ネタにしたアニメオリジナルストーリー。
どちらかと言うと、原作を間引いて辻褄を合わせてまとめた脚本。
ところがここで、邪血の爺さんという新しい存在を投入。
完全なアニメオリジナルに寄せてきました。
まだ、根底に原作要素を使っているので「完全アニメオリジナル」とは言いません。
「原作に忠実」と「完全アニメオリジナル」。
境目はよく分からないので、あくまで個人的見解です。
これが、どう物語に影響を与えるのか。
楽しみです。
◇◇◇◇◇
同時に原作組としては残念なことも発覚。
ノーマンが子供のように怯える姿。
このシーンが、この町で描かれたと言う事は・・・
- 王都決戦・・・なし
- 貴族や女王との戦い・・・なし
ということが確定しました(涙)。
まあ残り2~3話だから無理だろうと覚悟はしていましたが・・・
王都決戦とは、ノーマンとラムダ組の悲願の作戦。
ノーマンの作戦の素晴らしさだけでなく、貴族同士の確執、女王のタフさ、ラムダ組の執念と強さ。
見所一杯、アニメ映えする大迫力のエピソードなんですけどね・・・
原作未読の方には意味不明ですね、ごめんなさい。
気になる方は原作をどうぞ。
気を取り直して、アニメの行く末を見守りましょう。
ではでは。