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こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『薬屋のひとりごと』第2話「無愛想な薬師」を鑑賞しました。
本レビューではアニメ感想だけではなく、原作・コミカライズ情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。
皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
今回アニメ化されたのは──
- 原作
-
1巻 6話「毒味役」~9話「加加阿」
- コミック
-
1巻 2話「媚薬」
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
今話で解決しなかった疑問
最下部「疑問点まとめ (Q&A一覧)」に記載
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレなし
『薬屋のひとりごと』は、小説投稿サイト「小説家になろう」連載。
ライトノベルと、月刊誌2誌で別の漫画家によるコミカライズ2作品があります。
私は、ライトノベル、コミカライズ共に未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成します。
よって、次話以降のネタバレはなしなので、ご安心ください。
アニメ鑑賞
+
コミカライズ、ライトノベルを読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」
本レビューでは、ライトノベル、コミカライズの情報は、「原作情報」として区別できるよう表記します。
- 「ヒーロー文庫」のライトノベルを ── 原作
- 「月刊サンデーGX」連載のコミカライズを ── コミック
緑系の色を目印にしてね!
コミカライズは、別の漫画家による2作品が刊行されています。
- 「月刊ビッグガンガン」連載の「薬屋のひとりごと」
- 「月刊サンデーGX」連載の「薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜」
両方読みましたが、本サイトでは、アニメの補完となると情報の多い➋を選択しました。
「コミック」として紹介する情報は基本➋です。
が、今後も両方読んでいくので、➊にしかない情報があれば、その時は注釈を付けて紹介します。
同じ内容なのに、2つも読むんだ・・・
その方が、理解が深まるんだよ
全24話 各話リスト
※話数:リンクは各話レビューへ
※サブタイトル:ネタバレを避けるため次話以降はマスク
はじめに
玉葉妃の侍女となった猫猫は、毒味役を申し付けられる。
薬と毒の知識を持つ猫猫は毒味役を難なくこなし暇を持て余していると、壬氏から媚薬を作って欲しいと頼まれる。
ソバカス、絶壁、無愛想。
上級妃・玉葉妃の侍女として任された仕事は毒味役!?
見返り求めず助言したことで、信頼たる人物だと思われたか。
それとも、毒にも薬にもなる知識は手元に置いておきたいと思われたか・・・。
壬氏、堅物&イヤな奴かと思っていたが・・・。
なんだ、面白い奴ですね。
完全に猫猫で楽しんでいます(笑)。
最後は、壬氏1個食べましたね(笑)。
ラストの接触は、媚薬の影響か、猫猫を試したのか・・・。
侍女にまで清廉さを求める必要があるのか分かりませんが、後者だとすると、猫猫はこれで更に信用を増したのでは?
壬氏は、猫猫をどうするつもりなのか?
そもそも、媚薬は何(誰)のためなのか?
物語の舞台が確定し、主人公の現時点の立ち位置も描かれ、(小さなトラブルはありましたが)事件が起きなくても見ていて楽しい2話でした。
では、今話を振り返っていきましょう!
感想&考察レビュー 第2話「無愛想な薬師」
毒味役
猫猫は「呪い」の正体を見抜いたことを美貌の宦官壬氏に知られ、薬師としての知識を買われて上級妃である玉葉妃の侍女兼毒見役になった。
壬氏は相当偉い?
── 毒?
食事は村で作られたもの。
異民族に与したとして、村長を取り押さえています。ご指示を。
by 高順『薬屋のひとりごと』TVアニメ第2話
壬氏に指示を仰ぐ高順・・・。
あれ?何かおかしくないですか!?
1話、猫猫たちソバカス女が集められた時 (1話 ) ──
私は後宮管理者の壬氏だ。
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第1話
壬氏は「後宮管理者」と言っていました。
後宮管理者とは、その名の通り後宮を担当する管理者だと思っていました。
が、ここでは、後宮の外の事にまで判断を求められています。
帝に信頼され後宮を任され、後宮の外の事にまで判断を求められている・・・。
もしかすると、壬氏は、この国において、かなり上位の役職なのかもしれないですね。
となると、実は宦官でもなかったりして?
壬氏は、後宮管理者なのに、なぜ後宮の外まで判断を求められている?
毒味役も侍女が!?
玉葉妃の侍女は4人。
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第2話
同じ上級妃の梨花妃が10人以上連れているのに比べると少なすぎる。
それでは上級妃としての矜持が保てない。
なんと梨花妃の侍女は10人以上。
それに比べて玉葉妃の侍女は4人しかいない。
4人では、上級妃としての威厳が保てないのと言うのです。
これまで増やしてこなかった理由は明白──
ですが玉葉妃は、明るく穏やかでありながら、同時に聡明で用心深い。
by 高順『薬屋のひとりごと』TVアニメ第2話
後宮でトップの玉葉妃。
その座を狙い、妬む人は多数。
現に、後ほど判明しましたが、鈴麗公主を身籠もったとき、食事に二度も毒が盛られていたのです。
では、これまではどうしていたのでしょうか?
4人で足りていたのでしょうか?
4人で足りていたのなら、増やす理由は強くない気がしますが・・・。
その答えは原作にありました。
現に今まで何度も暗殺未遂事件があった。
特に、鈴麗公主を身ごもったときに。
最初、十人連れていた侍女が現在、半分以下に減っているのもそれが原因である。実家から侍女を連れてくるのは、特例を除き入内したときだけである。そして、特例を使って入れたのが、例の乳母だった。
by 『薬屋のひとりごと』原作1巻
※入内:皇后となる女性が正式に宮中に入ること
※例の乳母:前話、おしろいで体調不良になった乳母
なんと、玉葉妃の侍女も最初はもっといたのです。
実家から馴染みの侍女を連れてこれるのは、後宮に来た(あるいは上級妃になった)時のみ。
その時には侍女は10人いて、現在4人にまで減っていたのです。
それが後に語られた──
現に玉葉妃の妊娠が分かった頃、2回ほど毒が盛られた。
当時の毒味役だった侍女は、神経をやられて今も手足が動かない。
by 『薬屋のひとりごと』TVアニメ第2話
いなくなった全員が毒の影響とは書かれていませんが、少なくとも2人毒にやられたのです。
つまり、掃除等だけなく、毒味役も侍女がしていたのです。
(元々いた)侍女達からしてみれば、そのような状況で猫猫が来れば、毒味を代わりのきく下女に任せたと思われても致し方なし。
侍女達からしてみれば猫猫は自分達の身代わり。
だから、猫猫に同情し優しくしたのです。
後ろめたさもあったのかもしれないですね・・・。
危険な毒味役だけでも、外部(下女)に任せれば良いではないか?とお考えですか?
それは間違いです。
毒味役こそ、妃の命を守る最後の砦。
信頼できる人に任せなければ、毒味役が嘘を付けば、妃に毒を食べさせてしまうのです。
騙し方はいくらでもあります。
毒を盛ったのなら食事にどこに毒を入れたのか分かっているので、その部分以外を食べる。
あるいは、食べたフリをする。
解毒剤を用意しておく、最初に解毒剤を口にしておく。
猫猫も言ってますが、遅効性の毒なら、もっと手段はありますね。
死なば諸共、自殺覚悟で毒を入れたりもできます・・・。
毒味役は信じられる人にしか任せられない。
でも、その信じている人を危険な目に遭わせてしまう・・・難しい役目なのです。
信頼された猫猫
高順:ですが玉葉妃は、明るく穏やかでありながら、同時に聡明で用心深い。
by 『薬屋のひとりごと』TVアニメ第2話
壬氏:どこの馬の骨かも分からぬ物を侍女にはしない。
猫猫も人さらいに攫われてきたので、恐らく出身地は怪しい(適当)でしょう。
用心深い玉葉妃。
では、なぜ猫猫は問題なかったのでしょうか?
前話、「おしろいは毒、赤子に触れさすな」と伝え鈴麗公主の命を救った猫猫。
シャクナゲに結びつけられていた文には、自分の事には一切触れず、それどころか自分の身元が分からないようにしたふしすらある。
見返りを求めない助言。
誰もが、報酬や見返りを求める後宮内の人々。
この行為こそが、玉葉妃の信頼を得たのではないでしょうか。
猫猫は、命の恩人。
玉葉妃は、会う前から猫猫を信じていたのです。
── この文一体だれが・・・。
それを探して頂きたいのです。
by 玉葉妃『薬屋のひとりごと』TVアニメ第1話
この部分、原作とは違いアニメオリジナルのセリフになっています。
原作は(コミック含む)、玉葉妃が探して欲しい等とは言っていません。
東宮が亡くなり、公主は持ち直した。
壬氏は、その理由が分からず、玉葉妃の元へ訪れたのです。
それが──
何か聞きたいことでもあるようですね。
by 玉葉妃『薬屋のひとりごと』TVアニメ第1話
のセリフに繋がります。
なぜ公主は持ち直したのかを尋ね、文のことを教えてもらったのです。
文が書かれた布と置かれた日時から、独り言を言っていた下女に繋がり──
「玉葉妃、この文の主、見つけたらどうなさいます?」
by 『薬屋のひとりごと』原作1巻
「それはもう、恩人ですもの。お礼をしなくてはね」
目をきらきらさせる妃。なるほど、気になるようである。
文の主を探すのは、壬氏から申し出ていたのです。
前話分の原作を読んでいたとき、気になっていた箇所がありました──
「了解しました。これはしばらく預かってよろしいですか」
「朗報を期待します」玉葉妃は美しい笑顔を壬氏に見せる。壬氏もまた笑みで返すと、おしろいの器と書付の布を手に取る。壬氏は布のさわり心地に記憶をたどらせた。
「寵 妃 の願いとあらば、必ずや見つけねばならぬな」
by 『薬屋のひとりごと』原作1巻
壬氏の笑みに、宝探しをする子どもの無邪気さが加わった。
文の主を探すのに、なぜ壬氏が前向きなのでしょうか。
壬氏は、この時点で文の主が下女である事を絞り込んでいます。
あの騒動の後に置かれた文と、野次馬の中にいた1人とすれ違った下女が繋がっていたのです。
「壬氏は布のさわり心地に記憶をたどらせた」とは──
確かにこの布は下女のスカートだと思い出していたのではないでしょうか。
なぜ、壬氏が下女のスカートの触り心地を知っているのかは分かりませんが(苦笑)。
相手は下女。
(後宮では)取るに足らない下女探しに、なぜ壬氏が前のめりになるのか?
今話を見て、私の中で話が繋がりました。
壬氏は、玉葉妃の侍女を増やしたいが、妃が用心深いので簡単にいかないことを認識していました。
そこへ、玉葉妃が気に掛ける下女の存在が現れたのです。
はい。
壬氏は、文の主の下女であれば、玉葉妃は侍女として受け入れてくれると考えたのではないでしょうか。
文の主捜しは、玉葉妃の願いを叶えるだけでなく、侍女問題への解決にも繋がる一石二鳥の依頼だったのです。
だから、壬氏も思わず「子供の無邪気さ」が加わったのではないでしょうか。
おお~~そういうことか~
逆に言うと、侍女不足問題がなければ壬氏はここまで前向きにならなかったかもしれないですね
あ~確かに!
でも、だから猫猫に暇人と思われるほど手の込んだやり方したんだ~
その通り!
慎重な玉葉妃が信頼した希少な人材だから絶対確保したかったんだろうね。それも早急に!
そう考えていくと──
玉葉妃が自ら猫猫を侍女にすると言い出しましたが、言わなくても壬氏から押し込むつもりだったでしょうね(笑)。
原作にも、そう思わせるような描写があります。
玉葉妃は後宮内のどこの馬の骨かもわからぬ女官を侍女にしない。しかし、それでは上級妃としての矜持が保てない。せめてもう一人くらい入れたいところだった。
そこで、あのそばかすの下女を入れるのだ。
玉葉妃は、娘を救ってもらったという立場もあって、はねのけることはしないだろう。
by 『薬屋のひとりごと』原作1巻
毒味役
── あなたはお部屋で休んでいて。
── ゆっくりしてればいいわ。
── 特別なお仕事もあることだし。特別な仕事?
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第2話
「特別な仕事」と言いながら、誰も「毒味役」を口にしない侍女達(苦笑)。
これは、これまで侍女達がやってきた毒味役を、猫猫に押しつける形になったからですね。
猫猫に申し訳ないと思っているからこそ、優しくするし、言い出せないのです。
結果、猫猫を毒味役にすると決めた、壬氏の口から伝えられることになったのでしょう。
毒味役。
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第2話
薬屋、お前の仕事だ。
壬氏が「現に~2回ほど毒が盛られた」と説明している時、侍女だけでなく玉葉妃も申し訳なさそうにしています。
いや、それだけではないですね。
神経をやられた侍女を心配し、これからも起きるかもしれないことを考えると不安で怖いのです。
それでも、止めも否定もしないところを見ると、毒味役は誰かがやらなくてはならない、重要な役目だと皆理解しているのです。
ところが、皆の心配を余所に、猫猫は楽々毒味役をこなすのです──
少しずつ毒に体を慣らしてきたから、多くの毒が効かなくなっている。
正直、自分は毒味には向かない。でも、この役職は、ある意味幸運だったな。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第2話
猫猫は、知的好奇心を満たすために、自らの体を使って毒を試していたのです。
多くの毒が効かないので、猫猫の体で毒味しても意味がないのです。
猫猫が食べて問題ないからと言って、玉葉妃が食べても問題ない証明にはならないという意味です。
では、猫猫に食べさせても毒は見つからないのか?と言うと、そうではありません。
猫猫は、見た目、匂い、舌の上に少し置いた段階で、毒かどうかを見抜いているのでしょう。
だから中盤、包子を食べなくても催陰剤入りだと分かったのです。
つまり、猫猫は毒を見つけるのに食べる必要がないのです。
なのに食べる・・・。
上級妃用に用意された食事です。
豪華で美味しいのは当たり前、一般人が滅多に食べられない高級食材もふんだんに使われているでしょう。
だから「この役職、ある意味幸運だった」のではないでしょうか。
となると、催陰剤入りの包子を食べなかったのは、催陰剤を口に入れたくなかったのか・・・。
もしかすると、太ってしまうので、これ以上食べたくなかったのかもしれないですね(笑)。
飴と鞭
飴の使い方が上手いことで。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第2話
これはどういう意味でしょうか。
猫猫の給金は、いまだに人さらいに一部送られているようです。
この辺りの事情が今一つよく分からないですね(苦笑)。
給金の一部が送られているということは、人さらいの身元が分かっているということ。
ならば、犯罪者を簡単に見つけることができると思うのですが・・・。
口減らしに子供を売るという家族もいるでしょう。
子供が後宮を出るために嘘を付くことを考えると──
人さらいと身売りの違いが証明できないのでしょうか?
原作によると──
今まで金字塔の底辺にいた猫猫の官位は真ん中くらいまで上がっている。説明によると、給金も跳ね上がっているらしいが、その二割は実家こと、猫猫を売りとばした商家に入る。ややこしい仕組みだ。どうせ欲の皮の突っ張った官が、利潤を得るために作ったものだろう。
by 『薬屋のひとりごと』原作1巻
玉葉妃の侍女に出世したことで、猫猫の官位は真ん中まで上がったようです。
給金も当然跳ね上がり、だけど、その2割が人さらいに送られていたのです。
猫猫の出世は、人さらいの懐も温かくしてしまっていたのです。
どうしてなのか分かりませんが──
人さらいを捕まえてもらう事のできない猫猫は、せめて人さらいに入る金を少なくすること位でしか抵抗(嫌がらせ)できなかったのです。
そのことを察した侍女頭の紅娘は、水差しをわざと落として割り、弁償代として仕送り分から引き、給金と同額の危険手当を支給したのです。
給金から仕送りされるのは2割。
その分、猫猫の手元に残ったことにより得したことになるのです。
これで、人さらいに仕送りする給金の一部が上がってしまう腹立たしさを回避できたどころか、波風立てることなく人さらいへの仕送りすら止めてしまい、猫猫の取り分も増えたのです。
紅娘さん凄い!賢い!優しい!
侍女頭・紅娘は、かなり頭も切れ、気が利きますね。
ただ、仕送りを止めるのが一回だけなのか、ずっと続くのかが分かりません。
水差しの弁償、仕送りから引いたのは期間限定?
でも気の利く紅娘のことです。
きっと何らか理由付けて、ずっと仕送りを止めるのではないでしょうか(笑)。
媚薬
元々翡翠宮は働き者の侍女4人で回していたので、猫猫は暇を持て余す日々を過ごしていた。ある日、訪ねてきた壬氏から自身に送られた包子の毒味を頼まれる。
催淫剤入り包子
ある武官からもらったものなんだが、味見してくれないか?
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第2話
武官とは当然、男性です。
男性からもらった包子の味見、つまり毒味を頼まれた猫猫。
猫猫は食べなくても、匂いだけで催淫剤入りだと見抜きます。
原作によると──
匂いを嗅ぐと、どこかで嗅いだことのある薬草の匂いがした。
by 『薬屋のひとりごと』原作1巻
一昨日食べた強壮剤と同じものだ。
アニメではカットされていますが──
小部屋に押し込まれて、呼ばれるのは二回の食事と昼の茶会、そして数日に一度訪れる帝の滋養強壮料理を食べることくらいである。
by 『薬屋のひとりごと』原作1巻
猫猫は毒味役。
玉葉妃と鈴麗公主の口に入る物以外に、帝の口に入る物の毒味もしていたのです。
そこで、嗅いだ匂いと同じだったのです。
そりゃあすぐに気付きますよね(笑)。
壬氏:食べなくてもわかるのか?
by 『薬屋のひとりごと』TVアニメ第2話
猫猫:健康に害はないので、美味しくいただいて下さい。
壬氏:もらった相手を考えると素直に食べられないもんだろ。
猫猫:今晩あたり、そのお相手から訪問があるかもしれませんね。
壬氏:なんだ匂いで分かるのか・・・。
猫猫が食べずに当てたことを残念がる・・・いや包子を食べなかったことを残念がる壬氏。
催淫剤入りと聞いても驚かなかったところを見ると ──
壬氏は、最初から包子に催淫剤が入っていると分かっていたのでしょう(笑)。
では、なぜそれを猫猫に確認したのか?
確証が欲しかった?猫猫を試した?
もしそうなら、匂いだけで分かったのを残念がることはありません。
はい、もうお分かりですよね。
壬氏は、猫猫が催淫剤入りの包子を食べなかったのを残念がったのです。
壬氏は、なぜ猫猫に催淫剤入り包子を食べさせたかったのでしょうか?
その理由は、コミックにも原作にも描かれていないので推測するしかありません。
あくまで私の考えとしてお聞き下さい
壬氏は、猫猫を攻略したかったのではないでしょうか。
壬氏は、後宮にいる女性の憧れの的です。
自分の魅力は、全ての女性に通じるものだし、事実そうです。
ところが、猫猫だけは、通じないどころか毛虫を見るような目で自分を見る(笑)。
これでは何かと都合が悪いのです。
この後のシーンで明らかになりましたが──
女官達は気付いていないのでしょうね。
by 高順『薬屋のひとりごと』TVアニメ第2話
壬氏様が、主上への忠誠をはかる試金石であると。
壬氏は、後宮で帝への忠誠心を試す試金石。
女性から嫌われていれば、その存在意義も問われてしまうのです。
それに、猫猫は普通の下女ではありません。
猫猫は薬の知識を持つ下女。
毒にも薬にもなる女なのです。
だから冒頭──
念のため色目でも使っておくか。
by 高順『薬屋のひとりごと』TVアニメ第2話
危険な女は、取り込むのが一番。
壬氏にとって手っ取り早いのは、自分に惚れさせること。
なぜか自分の魅力が通じない猫猫に、催淫剤入りの包子を食べさせてでも自分に興味を持たせようとしたのではないでしょうか。
壬氏は、自分の魅力を最大限に活用して、任務を全うしようとしているのです。
まあ、毛虫の如く視線を向ける猫猫を面白がっているのも多分にありそうだけど(苦笑)
さて、そんな壬氏の企み(悩み?)を知ってか知らずか、笑う玉葉妃。
いや、聡明な玉葉妃のことです。
全てお見通しなのでしょう。
アニメをよ~~く見ると ──
壬氏が包子の味見を頼んだときから、玉葉妃は壬氏と猫猫をしっかり観察しています。
ホントだ!!
本当に、アニメは丁寧に描かれているね
壬氏がここまで女性に相手にされないことなど、これまでなかったでしょうから、玉葉妃にとっては興味深い見世物になったでしょうね(笑)。
もしかすると玉葉妃は、そんなことで猫猫は落とせないと分かっていたのかもしれないね
あ~~!ありえそう!
調薬依頼
媚薬を作ってくれないか?
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第2話
作る!?
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第2話
つまり・・・調薬!
ただでさえ、暇を持て余していた猫猫。
そこへ、後宮に来てからお預けを食らっていた調薬の話が舞い込んできたのです!
壬氏が、媚薬を何の為に使うのかは分かりません。
が、そんなことは関係なし!
とにかく、薬が作れる!いや、作りたい!
こうして猫猫は、壬氏に魅了されてないものの、壬氏の上手く乗せられているのです。
まあ、猫猫の欲求不満も解消されるのでお互い様ですね!(笑)
原作には、その辺の心情描写も描かれています。
大変気に食わないことであるが、壬氏の持ってきた話は猫猫に興味を持たせるに十分であった。
後宮に入ってからというもの、甘茶くらいしか作れなかったのだ。材料になる薬草は驚くくらい後宮内に生えていたのだが、道具もなく、大部屋で怪しげな行為もできずに我慢してきたのだ。
個室になって一番うれしいのは、そこのところである。
by 『薬屋のひとりごと』原作1巻
なんと、個室になったので、怪しげな行為をする気満々だったのです。
媚薬作りは、ちょうど良いガス抜きになっていたのです。
もしかすると、壬氏は、絶妙のタイミングで猫猫に依頼したのかもしれません。
もしここで頼んでいなかったら・・・猫猫は悪いことを企んでいたかも(笑)。
極秘任務?
それでは、行ってきます。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第2話
猫猫の格好、薬草でも取りに行くのかと思ったら、医務室でした(笑)。
どうやら、この格好にも意味がありました。
猫猫は、材料の調達にと出かけるが、表向きの理由として洗濯籠を背負う。紅娘の計らいで、今後洗濯係は猫猫になるだろう。
洗濯物を届けに来たふりをして、前もっていわれていた医務室に入る。
by 『薬屋のひとりごと』原作1巻
秘薬作りは極秘任務なのか、内容が内容だけに他の侍女には言えないだけなのか、表向きは「洗濯係」として宮を出ていたのです。
薬草狩りの格好に見えたカゴは、洗濯カゴだったのです。
侍女達は、媚薬のことを知らされていなかったのです。
だから、猫猫の調薬を見て──
高級品ばかりね。
by 翡翠宮の侍女たち『薬屋のひとりごと』TVアニメ第2話
一体何を作るのかしら?
おやつじゃない?
確かに、「牛乳、バター、砂糖、蜂蜜」と聞けば、普通はお菓子と思いますよね(笑)。
侍女達は、猫猫が高級食材で美味しそうなモノを作ってる位の認識でいたのです。
だから、あんな事件に(笑)
あーーね。
薬剤室
こちらへどうぞ。
by 高順『薬屋のひとりごと』TVアニメ第2話
ここにあるものは、自由に使っていいと言われています。
後宮に唯一ある医務室の薬剤室に通された猫猫。
そこには壁を覆い尽くす薬棚 ── 猫猫は自然と頬が緩みお踊りしてしまう。
その辺の雑草の中に生えている薬草を見ても喜ぶ猫猫です。
薬草を見て喜ぶのは分からなくはないのですが・・・棚の中を見ていないのに、何に興奮していたのでしょうか?
それは、原作に解がありました。
原作には、この時の状況がもっと詳しく描かれています。
宦官が驚いた表情で猫猫を見るが、そんなの関係なかった。
引出しの見出しを眺め、珍しい薬を見つけるなり踊るような奇妙な動きをしてしまう。喜びがあふれ出て、頭の中に納まりきれなかった。
「なんかの呪いか、なにかか?」四半時、そんなことを繰り返したところだった。
by 『薬屋のひとりごと』原作1巻
いつのまにか現れた壬氏が奇異の目で踊る猫猫を見ていた。
まず、猫猫の表情に堅物の宦官・高順も驚いていたのです。
これはアニメでも見たかった!
猫猫は、棚の引き出しにある見出しを見て興奮していたのです。
つまり、薬草そのものではなく、名前だけで興奮していたのです・・・。
なかなかのマニアックぶりですね~~(笑)。
それも、四半時!
なんと、30分間、引き出しの見出しだけを見て小躍りしていたのです!
そりゃあ──
それは、呪いか舞いか何かか?
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第2話
なんてことを言いたくなりますね(笑)。
加加阿
猫猫は、壬氏から頼まれた媚薬作りに取りかかる。
媚薬作り
いよいよ媚薬の調薬!
一度だけカカオを食べたことがある。── チョコレートって言うの。猫猫、あーん。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第2話
猫猫が言う「(媚薬に)準ずるものなら作れます」とはチョコレートのことだったのです。
実際、チョコレートには(ほんの少しですが)興奮作用があり媚薬のような効果があるようです。
媚薬と言うよりも──
どちらかと言うとアルコールを飲んだときの高揚感に近いのではないでしょうか。
子供にお酒を飲ませれば、初めてカカオを食べた猫猫のような状態になりますね。
猫猫も媚薬を作る際、蒸留酒を入れています。(原作より)
蒸留酒入りのチョコレートを食べ、気分が明るく高揚し、異性に対しても気持ちが積極的、あるいはオープンになってしまう。
それが媚薬に準ずる興奮作用ではないでしょうか。
現代の現実世界でも、お酒を飲んだことがない人がアルコールを摂取すると近い状況になりますね。
チョコレートはもちろん、お酒を飲んだことない人が、この媚薬を食べれば ──
侍女達のようになってしまう、というわけです。
壬氏はチョコレートを食べた?
手を煩わせたな・・・ありがとう。
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第2話
ラスト、壬氏は猫猫に何をしたのでしょうか?
原作を正解にするのが筋ですかね(笑)。
猫猫が麺麭の皿を片付けようとすると、後ろから甘い匂いがした。
by 『薬屋のひとりごと』原作1巻
「手を煩わせたな。ありがとう」
甘い蜂蜜のような声が聞こえる。
猫猫の髪がすくい上げられ、首になにか冷たいものが当たった。
振り返ると、片手を振りながら壬氏が部屋を出ていく。
「首に何か冷たいものが当たった」。
アニメ映像と合わせると ── 壬氏は、猫猫の首にキスをしたのです。
なぜ壬氏は、猫猫にそのようなことをしたのか?
「甘い匂い」とは?
上記引用の続きです──
振り返ると、片手を振りながら壬氏が部屋を出ていく。
by 『薬屋のひとりごと』原作1巻
「なるほど」
皿に目を落とすと、麺麭の数が一つ足りない。
犯人の目星はついている。
「被害者が出なければいいけど」
他人事のように猫猫は呟いた。
壬氏は、媚薬入りのパンを食べていたのです。
確かに、アニメでもよく見ると、パンが一つ減っているのが分かります。
ミニアニメ「猫猫のひとりごと」では、壬氏も認めています(笑)。
猫猫は、媚薬の影響だと思っているようですが・・・。
壬氏は、普段から酒を飲んでいるので、カカオは効かないのではなかったのか・・・。
媚薬を飲んで壬氏は大胆になったのか、それとも、抑えていた衝動がカカオの影響で出てしまったのでしょうか・・・。
いずれにせよ──
壬氏がそんな行為をしても落ちない猫猫は、ますます信頼されたのではないでしょうか。
もっと狙われるかもしれませんが(苦笑)。
結局、秘薬は何の為だったの?
おわりに (『薬屋のひとりごと』2話とは)
主人公が歴史ある厳格な組織の中に放り込まれ認められていく作品はよくありますが、ここまですんなり受け入れられるのは意外と少ないですね。
どこの馬の骨か分からない者が入ってきたら当然煙たがられ、無視されるか嫌がらせをされます。
『薬屋のひとりごと』では、妃も侍女もとにかく良い人。
#壬氏も最初はイヤな奴かと思いましたが、面白い奴ですね(笑)
嫌がらせをするどころか、イヤな毒味役を押しつける事になっていまい、新参者の猫猫に優しくするほど!
その毒味役は、猫猫にとっては全然問題がなく。
侍女達は、危険な毒味役を引き受けてくれて感謝しても仕切れない。
本当は命を狙われている妬み恨みが渦巻いているギスギスした内容になりがちなのに、そんなことを一切感じさせない。
それでいて展開が説得力あるし、見ていてとにかく楽しく気持ちが良いのです。
『薬屋のひとりごと』は「小説家になろう」原作。
「なろう」と言えば無双。(←偏見?(苦笑))
確かに、猫猫は無双系かもしれません。
が、一つ一つに説得力があるのです。
だからか無双でも違和感なく、それどころか爽快感を感じながら受け入れられます。
実に上手いですね~~。
今後も楽しみです!
以上、TVアニメ『薬屋のひとりごと』第2話の感想&考察レビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
3話のレビューも書いています。
良かったらご覧ください。
ではでは。
疑問点 まとめ(Q&A一覧)
この章では、疑問点をまとめていきます。
- 今話で生まれ解決した疑問は、本文で解説して本章でまとめ
- 今話で解決しなかった疑問を、疑問XX-XX(話数-通し番号)として記録
⇒ 本章「疑問点まとめ(Q&A一覧)」でまとめ - 答えは、推測ではなくできるだけ(原作含む)作品内で明らかになった事実を記載
※推測が入る場合は、断りを入れる
⇒ 解決した疑問は、次話で削除
今話で解決した疑問 (クリックすると答えが表示されます)
今話で新たに発生し、解決しなかった疑問
- 疑問 02-01 後宮管理者の壬氏が、なぜ後宮の外まで判断を求められる?
- 疑問 02-02 水差しの弁償、仕送りから引いたのは期間限定?
- 疑問 02-03 結局、秘薬は何の為だったの?
今週の感想ツイート
#薬屋のひとりごと 2話
— 時文@ここアニ(薬屋・シャンフロレビュー中) (@toki23_a) October 27, 2023
そばかす絶壁無愛想、任されたのは毒味役!?
見返り求めず助言与えた事で信頼に値し
毒にも薬にもなる下女は取り込むと言った所か
なんだ壬氏面白い奴じゃん
完全に猫猫で楽しんでる🤣
最後は1個食べましたね😓
媚薬の影響か猫猫試したか..
後者に1票これで更に信用したのでは😆
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