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こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『薬屋のひとりごと』第21話「身請け作戦」を鑑賞しました。
本レビューではアニメ感想だけではなく、原作・コミカライズ情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。
皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
今回アニメ化されたのは──
- 原作
-
2巻 16話「紙」・ 17話「身請け作戦」
- コミック
-
6巻 25話「後宮ふたたび」中盤 ~ 26話「身請け作戦」
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
今話で解決しなかった疑問
最下部「疑問点まとめ (Q&A一覧)」に記載
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレなし
『薬屋のひとりごと』は、小説投稿サイト「小説家になろう」連載。
ライトノベルと、月刊誌2誌で別の漫画家によるコミカライズ2作品があります。
私は、ライトノベル、コミカライズ共に未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成します。
よって、次話以降のネタバレはなしなので、ご安心ください。
アニメ鑑賞
+
コミカライズ、ライトノベルを読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」
本レビューでは、ライトノベル、コミカライズの情報は、「原作情報」として区別できるよう表記します。
- 「ヒーロー文庫」のライトノベルを ── 原作
- 「月刊サンデーGX」連載のコミカライズを ── コミック
緑系の色を目印にしてね!
コミカライズは、別の漫画家による2作品が刊行されています。
- 「月刊ビッグガンガン」連載の「薬屋のひとりごと」
- 「月刊サンデーGX」連載の「薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜」
両方読みましたが、本サイトでは、アニメの補完となると情報の多い➋を選択しました。
「コミック」として紹介する情報は基本➋です。
が、今後も両方読んでいくので、➊にしかない情報があれば、その時は注釈を付けて紹介します。
同じ内容なのに、2つも読むんだ・・・
その方が、理解が深まるんだよ
全24話 各話リスト
話数 | サブタイトル | コミック | 原作 |
第13話 | 外廷勤務 | 4巻 | 2巻 |
第14話 | 新しい淑妃 | ||
第15話 | 鱠 | ||
5巻 | |||
第16話 | 鉛 | ||
第17話 | 街歩き | ||
第18話 | 羅漢 | ||
第19話 | 偶然か必然か | ||
6巻 | |||
第20話 | 曼荼羅華 | ||
第21話 | 身請け作戦 | ||
第22話 | 7巻 | ||
第23話 | |||
第24話 | |||
8巻 |
※話数:リンクは各話レビューへ
※サブタイトル:ネタバレを避けるため次話以降はマスク
はじめに
玉葉妃が懐妊した可能性があり、再び毒味役を仰せつかった猫猫。
ある日、医局から翡翠宮に戻ると、李白に呼び出される。
三姫の誰かが身請けされるという噂を聞いて、白鈴に想いを寄せる李白は気が気ではなかった。
対策は教えて欲しいが、施しはいらぬ。
身請けする金は足りぬが、誠意と筋肉は資格十分。
三姫の身請けは早とちりなれど。
踏ん切りがついて、漢李白、思いの丈を文に込める。
一方、勘違いなれど。
誤解は解けて、壬氏様、懸案の三角関係に終止符を打つ!?
(注:元々三角関係などありません(笑))
実家のために、身を売る宦官。
愛する女のために、全てを捧げる武官。
この想いは届くのか・・・。
離れている誰かを想う心を描く1話。
次エピソードは、その気持ちを究極に拗らせた変人の話でしょうか・・・。
残り3話!
では、今話を振り返っていきましょう!
感想&考察レビュー 第21話「身請け作戦」
後宮ふたたび
玉葉妃が懐妊した可能性があり、猫猫は再び翡翠宮で毒味役をすることになった。
原作2巻15話「後宮ふたたび」は、前話終盤部分でアニメ化されたのみ。
このセリフ以降が、原作2巻15話「後宮ふたたび」です
久しぶりの後宮生活は、以前と変わらず。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第20話
毒味の毎日を過ごしている。
残りはカットされたようです(涙)。
本レビューでは、カットされた部分も含み、前話で触れられなかった情報を紹介します。
懐妊の兆し
玉葉妃の月の道が途絶えているらしい。
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第20話
「月の道」とは月経のこと。
月経が途絶えるということは ──
玉葉妃に妊娠の兆しがあるのです。
一人目の御子、鈴麗公主懐妊時は、2度毒殺混入事件がありました。
犯人はまだ捕まっていません。
現在、帝に男児はいません。
もし、男児が産まれれば、その子が東宮となり、次の帝です。
後宮にいる多くの妃が狙っている、次の男の御子。
玉葉妃の2人目の懐妊が知られると、また狙われかねないのです。
そこで、猫猫が再び毒味役として派遣されたのです。
ところが、まだ本当に妊娠したのか、確証を得られていません。
月経が来ていないこと以外、これといった確証はない。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第20話
原作では ──
玉葉妃の懐妊についてはまだよくわからない。
by 『薬屋のひとりごと』原作2巻
鈴麗公主の妊娠時も、ひどい悪阻はなかったらしく、味覚変化もほとんどない。月経不順以外これといった確証はない。
玉葉妃は、1人目の鈴麗公主懐妊時も同じような感じで特に体の変化はなかったので、特定できないでいるのです。
原) 箝口令
原作によると ──
妊娠の確証が得られない、とは言え翡翠宮では備えます。
玉葉妃の懐妊の兆しが外部に漏れないよう、翡翠宮では箝口令が敷かれます。
猫猫は、皇帝に対しても、壬氏を通じて夜の秘め事を控えてもらうよう伝えます。
普通の行為であれば問題ありませんが、どうやら帝と玉葉妃のプレーは普通ではないようです。詳しく知りたい方は原作2巻 をどうぞ。
そういや「マンネリ離脱~」とか言ってたな(苦笑)
皇帝が玉葉妃の所に訪れる回数は減ると思われましたが、意外にも以前と変わらぬ頻度で訪れます。
結果、外から見る限りこれまでと様子は変わらず、勘繰る輩も存在しません。
猫猫は、阿多妃の件と同様に、皇帝の認識を改めます。
それが、アニメでもあった次のセリフに繋がるのです ──
阿多妃の件でも思ったが、ただの好色おやじじゃないのかもしれない。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第20話
「阿多妃の件」とは、皇帝が29歳まで妃が1人だったことです。
「ただの好色おやじじゃない」と言いながら、「好色おやじ」カテゴリーからは外していない猫猫の皇帝評価(苦笑)。
原作では、猫猫は「好色おやじ」と括ってはいけない、と一度反省します。
ですが、ある行為をもって ──
やはり好色おやじのままでいいのだと確信した。
by 『薬屋のひとりごと』原作2巻
「好色おやじ」(再)認定されたのです(爆)。
その根拠とは ──
面白いので、ぜひご自分の目で原作2巻 をご確認ください。
ここはアニメでも見たかったかも(笑)
紙
後宮に戻った猫猫は、早速医局へ顔を出して掃除を始める・・・。
やることはやった
掃除!?
by やぶ医者『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
わざわざ嬢ちゃんがやらなくても、他に頼めば・・・。
前話ラスト、後宮に戻ったと思ったら・・・。
翡翠宮の話はそこそこに、医局!?
前章で書いたとおり──
アニメは、ほぼ原作1話分カットされています。
(先にも少し触れたように)懐妊の兆しが外に漏れぬよう対策を売ったり、少し寂しげ?な帝のフォローをしたりしています。
アニメでは完全カットされてしまいましたが ──
侍女3人娘が噂話しているシーンもあります。
なので、後宮に戻ってすぐ医局へ行ったのではありません。
懐妊の兆しに関する情報統制をして、玉葉妃の体調も安定しているので、医局へ行ったのです。
アニメは、まるで初日に医局に行ったように見えますが、そんなことはなさそうです。
多分・・・。
多分、なんだ(苦笑)
ハッキリと描写されてないからね
後宮へ行くと、すぐさま医局に顔を出すのは猫猫らしいと言えばらしいですが・・・掃除!?
それも、何ヶ月ぶり?に医局へ行ったのに、いきなり掃除を始めたようです(笑)。
「お久しぶりだね、嬢ちゃん。だいぶ暖かくなってきたねえ」
- 中略 -
「おや、嬢ちゃん、来て早々なにをするんだい?」
by 『薬屋のひとりごと』原作2巻
洗濯籠からなにかを取り出す猫猫に向かってやぶ医者が言った。
アニメ鑑賞時 ──
久しぶりに医局に顔を出すと、水蓮仕込みの猫猫からすると、やぶ医者の管理不行き届きが気になって掃除を始めたのだと思っていました(苦笑)。
ところが先に書いたとおり、医局に着いた早々に掃除を始めます。
猫猫は最初から掃除するつもりだったのです。
それも、掃除道具を洗濯籠に入れて持ち込んでいるほど準備万端!
もしかして!
と思い、前話ラストを見返すと・・・。
ありました!
前話ラスト ──
猫猫が出かけていく際、洗濯籠に掃除道具を入れています。
ホントだ!
猫猫は、医局へ向かう前から掃除するつもり、いや、掃除するために医局へ来たのです。
原) 転ばぬ先の杖
猫猫は、なぜそうまでして医局を掃除したいのでしょうか?
湿気が多くなる前にきれいにしてやらないと、あとの祭りですよ。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
湿気対策!?
今一つ根拠が弱いですね。
原作によると ──
これからの季節、どんどん新しい薬草を摘まねばならなくなる。その前にしておきたいことがあった。猫猫が医局にやって来た理由は、それである。
by 『薬屋のひとりごと』原作2巻
温かくなってきており、これから新しい薬草が採れるので、そのスペース確保!?
分からなくはないですが、医局でなくても良い気もします(苦笑)。
「月刊サンデーGX」コミック がとても説得力ある解釈をしていました。
まだ分からないうちから出来ることなんて限られています。
それよりも、初期の内は伏せておけても、いずれ周囲に知れるものです。
そうなれば以前のように命を狙われるかもしれない。その時に備えて医局の掃除をしているんです。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』コミック6巻
「まだ分からないうちから~」とは ──
玉葉妃が懐妊しているかどうか分からない初期状態なので、することはあまりない。
それよりも、いずれ知られることになるだろうから、毒を仕込まれる、あるいは何か危害を加えられた時にキチンと処置できるよう医局の整理をしておこうと考えたのです。
備えあれば憂いなしか、いや転ばぬ先の杖でしょうか。
猫猫さん、さすがです!
猫猫、すごい!
では、なぜやぶ医者にそのように言わないのでしょうか。
それは、玉葉妃の妊娠の兆しを言えないからですね。
はい。
妊娠については、後宮のやぶ医者にも秘密にしているのではないでしょうか。
だから、フワッとした理由で、半分脅して掃除を始めたのです(笑)。
すごっ!そこまで徹底してるんだ!
やぶ医者は悪い人ではないけど、口は軽いからね…
あーー、確かに(苦笑)
ただ、先のコミックのセリフは、猫猫が壬氏に向かって言っているセリフです。
(本心は)これから薬草が増えるのでそのスペースを確保したいので掃除したいが、壬氏にそんなことは言えないので、それっぽい理由を作ったようにも取れます(苦笑)。
ああ、そっちも猫猫らしいね…
関係者以外お断り
掃除なんて他の下女に頼めば良いではないか、と言うやぶ医者に対して ──
他に頼んで、もし薬をすり替えられたらどうしましょうか?
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
猫猫さんが、それを言う!?
ん?どういうこと?
だって、猫猫も部外者(ただの下女)だよね?
あっ、忘れてた…
まあ、それは置いといて・・・。
原作では、猫猫は分かってて言っています。
それを言えば、今こうやって猫猫が勝手に出入りして掃除しているのもなんであるが、そこは黙っておく。追い出されるわけにはいかない。
by 『薬屋のひとりごと』原作2巻
やぶ医者に気付かれる前に、次の話題(宮廷の医局の例の医官)に話を振ったのです。
猫猫さん、上手すぎです(笑)。
それこそ、この段階で、薬を毒にすり替えられたり、毒になる薬をくすめ取られたらマズいので、猫猫自ら掃除をすることにしたのです。
やはり、根底には、玉葉妃が狙われるのを防ごうとする気持ちがあるように見えますね。
いや、玉葉妃に限らず ──
全ての上級妃、あるいは妃に対して、対策を打っているのかもしれないですね。
一方で、原作では、猫猫さん、こんなことを考えています。
「掃除しましょう。この部屋」
きらんと目を光らせ、猫猫は言った。困ったことに、二月ちょっとの水蓮のしごきは、猫猫の身体にしみ付いてしまったらしい。翡翠宮でやることがない猫猫は、一番好き勝手にできるだろうこちらへとやって来た。前々から、杜撰過ぎると思っていただけに、一度火が付くと止まらなくなる。
by 『薬屋のひとりごと』原作2巻
翡翠宮でやることがないので、前から気になっていた医局の掃除を始めたとも取れるのです。
さらに ──
医局に通うのも暇潰しが多いし、ここを手伝う理由もない。
by 『薬屋のひとりごと』原作2巻
でも、しなくてはいけない。
そんな使命感に燃えながら猫猫は叩きを振る。完全に水蓮に毒されている気がしないでもないが仕方ない。
壬氏様の部屋付きとして、水蓮に鍛えられた「下女としての使命」が身体に染みついているのです(笑)。
ちなみに、自分が言い出しっぺなのに、やぶ医者に指示を出しているシーンが描かれていますが・・・。
これは、猫猫の足が完全に治っていないからですね。
原作では、辛辣な描写がされています。
激しい動きを必要とするものは、やぶ医者を使う。足はまだ本調子じゃない。やぶ医者は少し太り過ぎなのでよい運動だろう。
by 『薬屋のひとりごと』原作2巻
やぶ医者には手厳しい猫猫でした(笑)。
くだんの医官
宮廷の医局では、薬の管理が不十分だったことで、減給の罰を受けた医官もいるそうですよ。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
薬の管理が不十分だった医官とは、前話、翠苓の遺体を検視した医官のことです。
原作では、もっとハッキリと描写されています。
翠苓と親しげにしていた医官は、曼荼羅華が減っていたことでやはり罰を受けたらしい。しかし、元々優秀なこともあって解雇までに至らず、減給で終わったと高順が言っていた。
by 『薬屋のひとりごと』原作2巻
翠苓は、「よみがえりの薬」に使ったと思われる曼荼羅華を医局から調達していたのです。
医官の罰が軽いことから、協力したのではなく盗まれたのでしょう。
薬草の管理不行き届きと判断され、罰せられたのです。
でも、優秀な医官だったようで減給で済んだのです。
原) オヤジ思いの猫猫
知り合い価格で安くしてもらえないだろうか。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
質の良い紙を見て、欲しがる猫猫。
アニメ鑑賞時、なぜ猫猫が紙を欲しがっているのか分かりませんでした。
書くために必要なのでしょうか?
やはり木簡は何かと不便なのでしょうか?
原作を読むと、そこには切実な理由が・・・。
おやじの薬屋の薬包紙は、使い切りの粗悪品の中で比較的まともそうなものを毎回選んで買っていた。湿気を防いだり、粉がこぼれないようにするためにも、こういうものが欲しいのだが、いかんせん客層を考えると薬以外のところで経費削減しないといけない。おまんまの食い上げになってしまう。
(知り合い価格で安くしてもらえないだろうか)
by 『薬屋のひとりごと』原作2巻
薬を包む薬包紙に品質の良い紙が必要なのです。
オヤジの薬屋では、経費を抑えるため市場に出回っている粗悪品からマシなのを選ぶ苦労をしていたのです。
それで、「知り合い価格」で安くしてもらえないか考えたのです。
猫猫の興味は、どこまでも薬と毒
やぶ医者の姉って…
先帝の母君が木の伐採を禁じてからは、上手くいかなくなってしまってね。
- 中略 -
先立つものがなくて、姉さんが後宮に行っちゃって。
by やぶ医者『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
妹まで行くなんて言うから、代わりに私がここへ来たんだ。
意外と苦労をしていたやぶ医者。
てっきり、外の世界では役に立たないので、後宮で医官をしているのだと思っていました。
ヒドい…
でも私もそう思ってた(笑)
結局、姉さんとは会えずじまいだけどね。
by やぶ医者『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
同じ後宮にいるのに、姉とは会っていない!?
医者は行動範囲広いので、会えない人はいないと思うのですが・・・。
やぶ医者の姉とは誰のことでしょう?
まだ登場していないのかもしれませんが、登場しているとすると・・・。
主軸ではないので良いとは思いますが、当たっているとネタバレになってしまうので隠しておきます。気にならない方だけご覧下さい。
続きを読む (クリックして下さい)
やぶ医者より年上の女性で、後宮勤めとなると思い至りませんが・・・。
外廷まで幅を広げると、壬氏様のところにいる初老の下女・水蓮がいますね。
水蓮が壬氏の下女になったのは、(話の流れから)壬氏が幼い頃だと思われるので17~19年前。
その頃から、後宮ではなく外廷にいたことになります。
一方、やぶ医者が後宮の医官となったのは、少なくともオヤジ(羅門)の後でしょう。
オヤジが後宮を去ったのは16年前。(10話 )
16年前、やぶ医者が後宮へ来ても、姉は既に外廷にいたので会えなかったのではないでしょうか。
そういえば、以前、水蓮は気になる事を言っていましたね。(18話 )
でも尊い生まれだからといって、最初から別のものだと思わないで。
何がどう転がって、人生どうなるかなんて分からないもの。身分だけで何でも分けるのは、もったいないわ。
by 水蓮『薬屋のひとりごと』TVアニメ第18話
これは、村のため、家のために後宮へ売られた、水蓮自身のことを言っていたのかもしれないですね。
おお!決まりじゃん!
でも引っかかることもあるんだよ…
水蓮とやぶ医者。
年齢と、会えない理由も辻褄が合い、仮説が立てられます。
ですが、引っかかるのは・・・水蓮には娘がいること。
変装した壬氏に同行する際、猫猫も変装しました。
その時、着せられたのが水蓮の娘の服です。(17話 )
娘がいるということは、水蓮には家族があるということ。
なのに、なぜやぶ医者とは会えないのでしょうか。
子どもがいるのであれば、孫を親に見せに行く。
年に一回くらい、親戚で集まったりしないのでしょうか?
確かに…
もしかすると、(後宮に一人しかいない)医官という仕事だけに、やぶ医者の方が後宮を離れられないのかもしれないですね。
そして、水蓮は(一度出てしまったので)後宮に入れない。
だから会えないのかもしれないですね・・・。
そしてそして──
最後に一番の疑問点が・・・。
まだあるの!?
通常数人でやる部屋付き下女の仕事を、水蓮は一人で切り盛りしていました。
優秀なだけでなく、猫猫も敵わないほど目端が利き、抜け目がありません。
そんな水蓮の弟が、あのやぶ医者!?
とても、同じ血を引く姉弟には見えないのです!
あ~~、ねっ
確かに信じられない…
でしょー?
やぶ医者より先に後宮へ来た姉は、今どこにいる?
デンプン分解
失礼します。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
掃除の続きを・・・。
掃除の続きをしようと医局にやってくると、やぶ医者が珍しく神妙な顔をしています。
やぶ医者の実家で作っている紙が、宮廷御用達でなくなると言う。
理由は、紙の質が悪いから。
牛って口の中にたくさん唾液を溜めていますよね。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
念のため、どこで水を飲んでいるか、確かめてはいかがでしょうか。
猫猫が気付いたのは、牛の唾液による糊の品質が落ちた可能性です。
猫猫は、そのことを固まった葛湯がサラサラになる実験で示してみせたのです。
これは、アミラーゼによるデンプンの分解ですね。
唾液に含まれるアミラーゼはデンプンを分解します。
そうして、食料を消化(分解)して体内に栄養を取り込むのです。
この当時の糊の原料の主流は、米のデンプン。
少し進化すると、小麦やジャガイモのデンプンが使われるようになります。
── 糊は米のとぎ汁でも煮込んでいるのですか?
いや、ちゃんと小麦の粉を溶かしているよ。
by やぶ医者『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
やぶ医者の実家は、少し先を行っていたのです。
米にしろ小麦にしろデンプンを使っているので、唾液が交ざるとデンプンはアミラーゼで分解されてしまい、糊の強度が落ちてしまうのです。
先の皇太后
はっ!
by やぶ医者『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
妹に手紙を出さないと。
思い当たる原因が見つかり、無事に解決しそうな紙問題。
結局、今話前半のエピソードは何を言いたかったのでしょうか?
やぶ医者の実家は紙を作っているが、苦労した時期があってそれで後宮に売られたこと?
やぶ医者は会えていないが、姉が後宮にいること?
この時代の糊はデンプンを使っていること?
(この当時の)糊は唾液を混ぜると強度が弱くなること?
どれも正解かもしれませんが、一番伝えたかったのは ──
先帝の母君が木の伐採を禁じてからは、上手くいかなくなってしまってね。
by やぶ医者『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
この事実ではないでしょうか。
「先帝の母君」とは前皇太后のこと。
今の皇太后ではありません
前皇太后については、以前も触れられていましたね。
オヤジは西方への留学を理由に、先帝の母、すなわち先の皇太后に宦官にされてしまったらしい。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第17話
オヤジは前皇太后に宦官にされました。(17話 )
この時も少し引っかかりましたが・・・。
先の皇太后は、どうやら強引な方のようですね。
そのことについて、ここで触れておきたかったのではないでしょうか。
原作では、もう少し踏み込んでいます。
なぜ女帝は木の伐採を禁止したのか、その当時、それを聞くほど命知らずな役人はいなかったという。
by 『薬屋のひとりごと』原作2巻
そして、今も制限されているということで、なにかしら理由があると猫猫は考える。
「女帝」という呼び方に、木の伐採の理由を聞くと処刑される!?
この一文だけでも、先の皇太后が恐れられている様子がうかがえますね。
それと、木の伐採は、以前ほどではなさそうですが、今も制限されているのです。
その理由も今後何かに関わってくるからこそ、こうした記載をしているのではないでしょうか。
先の皇太后は、なぜ木の伐採に制限をかけた?
身請け作戦
医局でやぶ医者に会った帰りに李白に呼び出された猫猫は、彼に紹介した緑青館の白鈴を身請けしたいと相談された。
駄犬確定
すぐ来てくれって、あなたに連絡が。
by 紅娘『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
「来てくれ」と言っているのは、猫猫が今いるのは後宮だからです。
後宮は、宦官以外の男は入れません。
李白が猫猫に会うには、呼び出すしかないのです。
よって、呼び出されたのは、後宮と外を繋ぐ部屋ですね。
だから、(下女が外に出ないよう)外に門番がいるのです。
猫猫が、李白に身元引受けを頼んだ所ですね。(7話 )
「すぐ来てくれ」とは尋常ではありません。
手紙ではなく、呼び出しなのも緊急性を感じます。
だから ──
場所はどこでしょうか?
翠苓の件かと思って来たのに・・・。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
勢い込んで紅娘に場所を確認し、期待してその場所にやってきたのです。
コミックでは ──
きっと水蓮の件だ。
水蓮は死んだことになってるけど、まだ関係者を洗っていることだろう。あれで李白さまは頭が回る、何か掴んだに違いない!
by 猫猫『薬屋のひとりごと』コミック6巻
とまで考え、呼び出された部屋へ急いで行きます。
「あれで李白さまは頭が回る」
李白のことを、ここまで期待していたのに・・・(苦笑)。
しかし、呼び出された理由は・・・。
李白の駄犬が確定したのです(笑)。
白鈴姐ちゃん
私がオヤジに引き取られるまで、緑青館で面倒を見てくれたのは、やり手婆と三姫だ。
特に出産経験はないが、母乳の出る特別な体質だった姐ちゃんは、「かあさん」に近い存在である。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
猫猫は白鈴から母乳をもらっていた!?
白鈴は、今現在、一体幾つなのでしょうか?
原作でもハッキリと記されていません。
ヒントは示されているので、組み合わせて推測してみましょう。
猫猫が生まれた当時、まだ白鈴は禿を卒業したばかりだったが、肉体は十分成熟していたらしい。
by 『薬屋のひとりごと』原作2巻
猫猫が生まれた当時、白鈴は禿を卒業したばかり。
緑青館では禿を卒業するのは(数え年で)15歳です。
緑青館でも、禿を卒業するのは十五となっている。それまで個人客はとらない。質のよい妓女に育て上げ、より長持ちさせるためである。
by 『薬屋のひとりごと』原作1巻
猫猫は現在数え年で18歳。
数え年で、かつ今は年が明けてそれほど経っていないので、産まれたのは16年前と言ったところでしょうか。
猫猫が生まれた頃に禿を卒業したのであれば、当時15歳。
それから、16年経ったので──
白鈴は(数え年で)31歳。
満年齢で29~30歳ではないでしょうか。
十代後半で子どもを産んでもおかしくない世界(時代)です。
たしかにアラサーは、妓女にとっては引退を考える年なのかもしれないですね。
でも実際は、そんな年齢には見えない白鈴。
原作では ──
その若々しい姿から、ときに「人の精気をすすって若さを保っている」などと噂されることもある。
- 中略 -
年齢としてはとうに価値がなくなっているはずなのに容貌は衰えず、本人のやる気もまだまだである。
by 『薬屋のひとりごと』原作2巻
とまで言われているそうです。
色欲魔は、若さを保つ技だったのです(笑)。
白鈴は三姫の中でも最年長なので、前回里帰りした時、やり手婆と揉めていたのです。
待ちな!白鈴!
話は終わってないよ。
by やり手婆『薬屋のひとりごと』TVアニメ第18話
さあ、どっちにするんだい?
この時、話していたのが身請けの話ではないでしょうか。
「どっちにするんだい?」とは、今回猫猫が言っていた交易商の大旦那とお得意の上級役人のどちらにするのか、ということでしょうかね。
銀1万の価値
即金で、1万は欲しいところです。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
銀1万と聞いて、愕然とする李白。
銀1万とは現代の価格にするとどれ位なのでしょうか?
残念ながら、(私が知る限り)どこにも言及はないので、推測するしかありません。
基本となる金額は、原作に記されています。
猫猫は筆を走らせて、『二百』と書く。これは農民が一年で稼ぐ銀の基本だと言っていい。そして、安い妓女なら、身請け金はこの倍もあれば足りるだろう。
by 『薬屋のひとりごと』原作2巻
『薬屋のひとりごと』では、農民の年収が銀200。
現代の日本の平均年収は400万円台、中央値300万円台です。
農民が平均年収とは思えません。
むしろ一番ポピュラーで、かつ収入的には最下層の職業として示したのではないでしょうか。(完全に想像です)
となると、農民の年収銀200とは、現代の価値で言うと年収200~300万円。
変換するのが面倒なので・・・。
銀200=200万円で捉えれば、それほど大きく違わないのではないでしょうか。
李白の年収は銀1,000なので、現代の価格で言うと1,000万円。
確かに20代中頃で1,000万円は高給取り。
でも、都の武官となり、隊を任されているのなら相応とも言えます。
となると、銀1万は、1億円!?
メチャクチャ高いですね・・・。
安い妓女なら ──
猫猫は筆を走らせて、『二百』と書く。これは農民が一年で稼ぐ銀の基本だと言っていい。そして、安い妓女なら、身請け金はこの倍もあれば足りるだろう。
by 『薬屋のひとりごと』原作2巻
400万円程。
これでも高いですが、現実的な数字ではありますね。
一人の女性を引き取るのです、その人が店で働き続ける事を考えると、引き取るにはこれ位は必要なのでしょう。
いや、三姫だから高いのです。
三姫は、茶飲みだけで100 ── 100万円。
夜伽に至れば300 ── 300万円。
確かに、農民の年収が一夜にして吹き飛ぶのです(苦笑)。
一晩300万円なら、身請けするには1億円は必要か・・・。
そりゃあ李白がしょげるはずです(苦笑)。
(先の考察が合っているか分かりませんが・・・)
壬氏が提供を申し出たのは銀2万、つまり2億円。
そりゃあ、あまりに大金過ぎて逆に警戒してしまいます。
白鈴の身請け金は、最終的には ──
白鈴姐ちゃんに気に入られさえすれば、身請け金は銀1万も必要ない。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
あとは運次第。
5,000万円であれば、20代で年収1,000万円の李白であれば、出世すれば貯められない額ではないですね。
キャー!
李白、身請けできるの??
銀5,000貯めるのに何年もかかるけどね(苦笑)
また、そんな意地悪なことを言う!
一肌脱いで脱がせる!?
「色欲魔」「悪食」。
散々な言われような白鈴ですが、猫猫は ──
姐ちゃんがどう考えているかは分からないが、あの日々を思い出すと勿体ないと思う。
彼女は色欲の強い女であるが、それと同じくらい母性を持った女である。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
白鈴に感謝していて、幸せになって欲しいと願っています。
李白についても ──
李白様は、姐ちゃんの仕事を十分理解した上で惚れている。
多少駄犬っぽいが、根は真面目そうだし、女のために出世しようという愛すべきバカなところもある。何より体力は絶倫だ。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
ちゃんと評価をしているのです。
「体力は絶倫」とは ──
それに、以前、緑青館に初めて来たときは、結局、猫猫が帰るまでの丸二日以上、白鈴の部屋に籠もりきりだったが、やつれた様子はなかった。
by 『薬屋のひとりごと』原作2巻
2日間、白鈴の相手をして、やつれてなかったことで証明済みなのです(笑)。
李白が白鈴の好みのタイプであれば、可能性はなきにしもあらず。
そこで、猫猫は、一肌脱いで、李白を脱がせたのです(笑)。
白鈴姐ちゃんは、何でも食べる悪食だが、それなりに好みというものもある。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
白鈴の好みは筋肉隆々の体!?
李白を初めて緑青館に連れて行った時 ──
李白様、腕の筋肉に自信はありますか?
── 体は鍛えているつもりだぞ。これは、ひょっとしたら・・・。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第7話
「腕の筋肉」を確認していました。
この時も白鈴の好み知っていたからだったのです。
勘違い男と言葉足らずの女
では、最後の1枚も脱いでください!
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
段々(調子に)乗ってきた李白に、最後の1枚も脱ぐよう指示する猫猫。
李白が脱ごうとした!?その時!
お前ら、一体何をやっている・・・。
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
原作では ──
扉の向こうには、壬氏目当てでのぞき込んでいた女官たちがあらぬものを見てしまったようで、ばたばたと倒れてしまった。
by 『薬屋のひとりごと』原作2巻
壬氏追っかけの女官達が、この現場を見てしまいます(笑)。
李白も、壬氏様ばりに女官を卒倒させる魅力を持っていたのです!
いや、違うと思うよ…
正座をして、壬氏に尋問される猫猫(苦笑)。
猫猫は、やたらと仲の良い李白と会っていたどころか、李白を裸にして何かしようとしていたのです。
そりゃあ、壬氏様は気が気でなかったでしょう(笑)。
でも、猫猫は、何について叱られていると思っていたのでしょうか?
まあ、壬氏様の気持ちは正しく理解していないでしょうね・・・。
原作では ──
後宮を管理する者としては、後宮にいる女がほいほい外の男と会っているのが気に食わなかったのだろう。変なところで仕事熱心である。
by 『薬屋のひとりごと』原作2巻
男子禁制の後宮。
後宮勤めの女が、外の男と会っていたのがいけないと考えていたのです。
なんとも・・・大変ですね、壬氏様は(苦笑)
ところが ──
もしかして、李白様に嫉妬しているのか?
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
正解です!
壬氏は、李白に嫉妬しているのです!
やっと、猫猫は壬氏様の気持ちに気付いたのです!!
と思ったのに・・・。
なんという男だ。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
自分の方がきれいだと誇示したいなんて・・・。
ちが~~~う!!
壬氏は、猫猫が李白に興味を持っていると思い込み嫉妬しているのです。
皆、分かっていると思う!
分かってないのは、猫猫だけ…
相変わらず、自分への好意には超鈍感な猫猫でした・・・。
李白と壬氏は初対面!?
何がどうなっているんだ・・・。
by 李白『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
名は、確か壬氏だったか。
なんと李白は、壬氏を名前くらいしか知らなかったのです。
小火騒ぎや、水蓮の件で、壬氏邸にいる猫猫の所に来ました。
壬氏を見かけて逃げました(笑)。
なのでてっきり、壬氏のことを知っているのだと思っていました。
名前は知っているが、面識はなかったし、それほど認識していなかったのです。
原作によると、高順とは面識があるようです。
壬氏とかいう宦官の後ろに控えている副官、以前、娼館の口利きをしてほしいと言っていた官だ。確か、李白の上官の古い知り合いだという。
by 『薬屋のひとりごと』原作2巻
そばかすの女官こと猫猫のことを知っている様子だと思ったら、こういうつながりかと少し納得した。
猫猫が後宮を去った後、壬氏に猫猫と会う機会を作った、あの宴のことですね。(12話 )
やはり、高順が主のために仕込んだのです。
この気持ちには誰にも文句を言わせない
妓女の身請けなど、笑い話にすぎないだろう。
俺をコケにするのはいい。
だが白鈴をバカにするのであれば話は別だ。もし彼女を侮辱するなら・・・。
by 李白『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
壬氏の美しさに惹かれない李白にとって、壬氏の微笑みに心動かされません。
この笑顔で妓女の身請け話をされると、むしろバカにされているような気にさえなってきている様子です。
李白は、白鈴への気持ちについて、周囲から散々言われているようです ──
白鈴はいい女だ。妓女としてだけでなく、ただの女としても。
- 中略 -
遊女や博打に狂う同僚を何人か見てきたが、きっと周りから見たら自分もその一人なのだろう。李白に対して白鈴を悪女だと言う奴らもきっと李白のことを考えてのことだろう。
by 『薬屋のひとりごと』原作2巻
ありがたく思いつつ、お節介とも思う。
原作小説1ページに渡って、李白の白鈴に対する想いが語られています。
その想いが「もし彼女を侮辱するなら」に繋がっていくのです。
壬氏が、白鈴を侮辱するなら、李白は一体何をするつもりなのか?
その行為も、決意の程も、原作には描かれています。
最後のまとめだけ引用させて頂きます。
思ったことは曲げない、そんな猪突猛進な生き方が自分に合っている。周りが自分のことを妓女に狂った愚か者と罵ろうが関係ない。
by 『薬屋のひとりごと』原作2巻
一応、抑制する努力はすると、震える右手を左手で押さえながら李白は壬氏を見た。
李白は、これだけの覚悟を持って壬氏に対峙していたのです。
俺のモノは俺のモノ
つまり用心深いネコが懐くのなら、それだけで信用できるとでも。
うっ・・・何かマズいことを言ったか・・・。
by 李白『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
明らかに、壬氏は李白の言葉の何かに反応しましたね(笑)。
猫猫をネコ呼ばわりしたことか・・・。
いや、「懐く」という言葉に反応したのでしょう。
この言葉を発したことにより、李白は猫猫が自分に懐いていると認めたのです。
それが壬氏にとっては面白くなかったのではないでしょうか。
猫猫が高順に礼を言うだけで、嫉妬する壬氏です(苦笑)。
猫猫が懐くのは自分だけで十分。
壬氏様は独占欲が強いヤキモチ焼きなのです(苦笑)。
となると ──
壬氏にとってはどちらでも良い?
2万。
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
身請け金を私が肩代わりすると言ったら、どうする?
壬氏が、李白に提案した、身請け金の肩代わり。
これで片が付けば、李白の身は固まり、猫猫への用もなくなり接点がなくなるはず。
壬氏にとっては、大事な飼い猫にまとわりつくハエを排除したに過ぎません。
心配なかったな。
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
一方で、李白と別れた直後の、このセリフ ──
李白が本気かどうか試したようにも見えます。
本気とは、李白の白鈴に対しての気持ち。
猫猫が姉と慕う女性の相手探しです。
壬氏としても、李白の品定めをしたかったのではないでしょうか。
あるいは、白鈴を身請けしたいのは建前で ──
実は、李白が狙っているのは猫猫だという心配。
今回のやりとりで、これらの心配が考えすぎだと分かったのです。
でも、それと同時に ──
有望な官と仲良くなっておきたいというのは、誰もが思うことだろ?
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
壬氏が、李白自身に興味を持っているとも取れます。
正直、壬氏は、正体が正体だけに、本当の意味での信頼置ける仲間はあまりいません。
寄ってくるのは、壬氏の外見に惹かれた男女(苦笑)
確かに・・・。
なるほど、それは失礼した。
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
今後、話をしたいことがあるかもしれないが、よろしいかな。
壬氏は、猫猫の目利きを信頼しています。
警戒心の強いネコが信頼したこの男を仲間にしようと真剣に考えているのかもしれませんね。
吹っ切れた李白
いつ会えるかも分からない女に文を送ろう。
ただ一方的に迎えに行くのではなく、彼女の意思を聞こう。
社交辞令でもいい、それを信じて日々の糧にするのだ。
自分の信じた道を突き進むだけだ。
by 李白『薬屋のひとりごと』TVアニメ第21話
李白が見上げる「梅の花」。
白鈴が木簡と共に梅の花を持っていたので、李白が文と共に送ったのでしょうか。
梅の花言葉は、今話の李白にぴったり。
と猫猫がミニアニメで語っています(笑)。
ミニアニメ内では、壬氏様も李白を認めていますね。
おわりに (『薬屋のひとりごと』21話とは)
これまで原作を「そこまで取り上げる!?」という程、忠実にアニメ化してきた『薬屋のひとりごと』。
いや~~ここへ来て一気に進みました(涙)。
今回は、原作3話を一気に・・・というより端折ってアニメ化。
(正しくは、前話終盤で大幅カットされました)
残念ですが・・・それだけ残り話数に尺を取るためだと、私は解釈しました!
というのも、原作2巻の残り話数は4話。
TVアニメ『薬屋のひとりごと』の残りは3話。
ほぼ原作1話をアニメ1話という超丁寧に映像化しようとしているのではないでしょうか。
(毎話ページ数が違うので一概には言えませんが(苦笑))
いや~~楽しみです。
TVアニメ『薬屋のひとりごと』は、全24話。
以前も書きましたが、監督・シリーズ構成の長沼範裕さんインタビュー記事 によるとアニメは3話(単位で)構成。
後半クールは全12話、3話構成だと4パートに分かれるので、起承転結という感じでしょうか。
となると、残り3話はいよいよ「結」部分に突入するのです。
原作小説『薬屋のひとりごと』は現在も連載中。
現時点で14巻刊行されていて、アニメで描かれているのはまだ2巻です。
これからまだまだ続くどころか、物語は始まったばかりなのです。
さて、何がどこまで解明されるでしょうか。
誰のどの部分が決着着くのでしょうか。
次話のサブタイトルは「青い薔薇」
薔薇は聞き慣れない言葉ですが、薔薇のことですね。
「青い薔薇」は存在しないことから、「無理難題」「不可能なこと」の象徴とされています。
一体、どんな難題が降りかかり、猫猫はどのように対処するのでしょうか。
残り3話、楽しみです!
以上、TVアニメ『薬屋のひとりごと』第21話の感想&考察レビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
22話のレビューも書いています。
良かったらご覧ください。
ではでは。
疑問点 まとめ(Q&A一覧)
この章では、疑問点をまとめていきます。
- 今話で生まれ解決した疑問は、本文で解説して本章でまとめ
- 今話で解決しなかった疑問を、疑問XX-XX(話数-通し番号)として記録
⇒ 本章「疑問点まとめ(Q&A一覧)」でまとめ - 答えは、推測ではなくできるだけ(原作含む)作品内で明らかになった事実を記載
※推測が入る場合は、断りを入れる
⇒ 解決した疑問は、次話で削除
今話で解決した疑問 (クリックすると答えが表示されます)
今話で新たに発生し、解決しなかった疑問
- 疑問 21-01 やぶ医者より先に後宮へ来た姉は、今どこにいる?
- 疑問 21-02 先の皇太后は、なぜ木の伐採に制限をかけた?
残っている疑問
- 疑問 02-01 壬氏は、後宮管理者なのに、なぜ後宮の外まで判断を求められている?
- 疑問 02-02 水差しの弁償、仕送りから引いたのは期間限定?
- 疑問 02-03 結局、秘薬は何の為だったの?
- 疑問 03-01 西都の玉葉妃が、異国の姫とは?
- 疑問 03-02 時折、猫猫が左手を見ているのはなぜか?
- 疑問 05-01 粉を染み込ませた木簡は、誰が何に使っているのか?
- 疑問 05-01 簪(かんざし)を渡す意味は?
- 疑問 06-01 園遊会で、なぜ壬氏は違うカンザシを挿し、襟が乱れていたのか?
- 疑問 08-01 緑青館の離れにいるのは誰?
- 疑問 09-01 壬氏と亡くなった武人・浩然との関係は?
- 疑問 10-01 後宮内の事件に最終判断を下しているのは誰?
- 疑問 10-03 現帝の東宮時代、妃はなぜ一人しかいなかったのか?
- 疑問 11-01 阿多妃を南の離宮に住ませるのは、帝の愛着か、それとも・・・
- 疑問 11-02 阿多妃の子は生きているのか?
- 疑問 12-01 やり手婆は、なぜ猫猫を妓女にしたい?
- 疑問 13-01 壬氏は、帝に何を頼まれたのか?
- 疑問 13-02 契約書を見た時、羅門(オヤジ)が表情を曇らせたのはなぜ?
- 疑問 14-02 爆発現場にあった上等なキセルは、倉庫番のもの?
- 疑問 15-01 馬閃は、なぜ猫猫を嫌っている?
- 疑問 15-03 羅漢が馴染みのある緑青館の妓女とは?
- 疑問 16-01 羅漢は三男が一番の腕前だと知っていて、なぜ猫猫に調べさせた?
- 疑問 17-01 壬氏は、なぜ変装しなくてはならない?
- 疑問 17-02 壬氏は宦官なのに、なぜ武官のような野営を知っている?
- 疑問 18-01 羅漢は、価値を下げた妓女をなぜ身請けしていない?
- 疑問 18-02 使い物にならない妓女を、やり手婆はなぜ離れに住まわせている?
- 疑問 19-03 「何か起こったあとでは遅い」猫猫は、過去にどんな経験をしたのか?
- 疑問 19-04 羅漢は、猫猫を抱きかかえる壬氏を見て、なぜあれほど驚いた?
- 疑問 20-01 犯人は、なぜ彫金細工師の秘術を知っていた?
- 疑問 20-02 翠苓は、なぜやんごとない方の命を狙ったのか?
- 疑問 20-03 なぜ翠苓のことを秘密裏に終わらせた?
- 疑問 20-04 壬氏は、なぜ身分を隠し、後宮管理者として生活している?
- 疑問 20-05 楼蘭妃は、なぜ訪れる度に雰囲気が変わる?
今週の感想ツイート
#薬屋のひとりごと 21話
— 時文@ここアニ(薬屋のひとりごとレビュー中) (@toki23_a) March 3, 2024
対策は知りたいが施しはいらぬ
金は足りぬが誠意と体力十二分
早とちりなれど踏ん切りついて
漢李白の思いの丈を文に込める
離れている誰かを思う心を描く1話
次はその気持ち拗らせた変人の話か…
壬氏様は三角関係に終止符打てて良かったね!(←元々ないから🤣)残り3話!
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アニメ『薬屋のひとりごと』第22話のレビューはこちら!