アニメ【サマータイムレンダ】18話感想&考察 敵は300歳の人外!たかが十数歳のガキ共が敵うわけない!?

サマータイムレンダ 18話

こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『サマータイムレンダ』第18話「対面」を鑑賞しました。

本レビューではアニメ感想だけではなく、原作コミック情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。

皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。

今話の原作

原作コミック 9巻

今回アニメ化されたのは、原作コミック9巻「対面」の終盤から10巻「メイドインブラック」の中盤まで

今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)

今話で解決しなかった疑問

最下部「疑問点まとめ (Q&A一覧)」に記載

本レビューの方針

本レビューは、次話以降のネタバレはありません。

アニメ感想

原作コミックを読んで分かった情報を加味して「解説・考察」

私は原作コミック未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成しています。

よって・・・次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください

全25話 各話リスト

前半クール (1~12話)
サマータイムレンダ各話リスト(前半クール)
話数 サブタイトル周目 原作
第1話さよなら夏の日1巻
第2話
第3話漂着
第4話未視感(ジャメヴ)2巻
第5話
第6話軌道共鳴3巻
第7話仇敵
第8話メメント4巻
第9話流れよ我が涙
5巻
第10話闇の中へ
第11話食餌の時間6巻
第12話血の夜

※ 話数:リンクは各話レビューへ

サマータイムレンダ各話リスト(後半クール)
話数サブタイトル周目 原作
第13話トモダチ7巻
第14話to be/not to be
8巻
第15話ライツ カメラ アクション
第16話オリジナル
9巻
第17話決断
第18話対面
10巻
第19話メイドインブラック
第20話All is (not) lost.11巻
第21話網代慎平の一番長い日
12巻
第22話帰還
第23話常夜
13巻
第24話Summertime re-rendering
第25話ただいま

※ 話数:リンクは各話レビューへ
※ 周目:ネタバレ避けるため次話以降はマスク

目次

はじめに

今話あらすじ

日都神社で雁切宮司と対面する慎平ウシオ
慎平は、雁切シデである証拠を突き付け、彼の本心を探っていく。

正体がバレても、不敵な笑みを浮かべる雁切だが・・・。

シデの中身は判明するも、真相はまだまだ闇の中・・・

ハイネのコドモ(影)ではなく、子供だったとは・・・。
ウシオが倒した雁切は、影ではないが影武者的存在か・・・。

雁切との対話は、終始違和感を感じながらも、何が変なのか分からない。

慎平たちをイラつかせたのは、ウシオを実体化させるため?
雁切が呆気なくやられたのは、油断を誘うため?

ならば、慎平たちはシデを追い詰めたつもりが、逆にカモネギ状態だったのか・・・

今話は、1話使って雁切劇場。
慎平側の攻撃の要、心の支えであるウシオを失い、さてどうする!?

先が気になりますが、まずは今話を振り返っていきましょう。

感想&考察レビュー 第18話「対面」

[回想]【7周目】7月22日 夜 ヒルコ伝承

あらすじ

日都ヶ島に伝わるヒルコ伝承が、ひづるの口から語られる。

「享保の大飢饉」は実際の出来事

1732年、享保の大飢饉のおり、日都ヶ島でも餓死者が続出した
島の存亡に瀕したある日、万年青おもと浜に巨大なクジラが流れ着いた

島民は、このクジラは神の恵みだと喜び、食べようと集まった・・・

by 南方 ひづる『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

原作情報

原作には、このタイミングでひづるが語るシーンはありません。

原作では、今話中盤で描かれた菱形医院地下の回想シーンで、ひづるがヒルコ伝承に少しだけ触れています。

アニメは、原作のこのシーンを膨らませて、ひづるにヒルコ伝承を語らせたのだと思われます。

元ネタは、原作コミック7巻のカバー下に収録された「記録#011」、慎平の父・網代透が残したメモを元にしたのでしょう。

記録の冒頭には──

慎平の父、考古学者網代透の手帳に書かれていたメモ
手帳は消去され、今はもうない

by 記録#011『サマータイムレンダ』コミック7巻

手帳は消去され、もうありません。

なので、本編で手帳を出すわけにはいかず。
代わりに、伝承に詳しいひづるに語らせたというわけですね。

上手いやり方です♪

享保の大飢饉は、江戸時代に実際にあった飢饉です

参考

享保きょうほうの大飢饉

1732年、昨年末からの悪天候に加え、夏の冷夏と害虫により西日本各地が凶作に見舞われた。とりわけ九州地方と瀬戸内海沿岸一帯が甚大な被害を受けた。餓死者は1万2,000人にも達したという。

1732年は、享保17年
享保時代に起きたので「享保の大飢饉」と言われます。

歴史の勉強にもなる『サマータイムレンダ』!(笑)

ある漁師の娘がクジラに近づいたその時、クジラの体がまばゆく光り、瞬く間にその娘そっくりの姿になった

そして、それは娘を喰らった・・・

by 南方 ひづる『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

この時、影クジラがスキャンして変身したのがハイネか・・・

14年前のハイネは、飢えに対して極度に恐れていました。(14話)

飢えでぎょうさん死んだ・・・
大人が死んで・・・魚も獲れんようなった・・・
夏になったら、お父もお母も兄弟も・・・みんな死んでもうた・・・

by ハイネ『サマータイムレンダ』TVアニメ第14話

ハイネのオリジナルがいた日都ヶ島が、飢饉に見舞われていたからだったのです。

【7周目】7月23日 日都神社 アイスブレイク

あらすじ

日都神社へやってきた慎平は、雁切と対面。

雁切は影ではない

慎平:影の気配は?
ウシオ:ない・・・南雲先生が言うてた通り、やっぱり雁切さんは影じゃないね

by 『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

ひづるは、雁切が影ではないといつ確認したのでしょうか?

22日潮の葬式の時、ひづるは接触した人を影かどうか片っ端から確かめています。(6話)

よく分かったな、雁切真砂人

── まあ、キレイになって、何年ぶりやろか。

14年になるな
(影を踏んでも平気こいつは影じゃない)
小舟潮とは、まさか、洋食コフネの?

※()内は、心情描写

by 南方 ひづる『サマータイムレンダ』TVアニメ第6話

影は本体を触られるのを嫌がります。地面に映る平面の影を踏めば、その人が影かどうか分かります。

余談

前話、人渕家と子垣内家の影駆除に向かいました。
雁切を確かめたのと同じようにして、ひづるは葬式の参列者の影を踏み、確認していったのでしょう。

原) 東京話

サマータイムレンダ 18話
『サマータイムレンダ』公式HP「STORY#18」より引用

でも雁切さん、去年東京来たんでしょ?

昨日、言うてたじゃないですか
東京のゲームのイベントに行ったって

by 網代 慎平『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

昨年、東京へ行っておきながら、慎平に東京のことを聞く雁切。
この時の雁切の回答、違和感を感じませんでしたか?

東京について慎平と話したことを、まるで慎平に指摘されるまで知らなかったような素振り・・・

原作情報

そもそも、アニメではカットされているので、原作未読の方は「昨日、言うてた」と言われても思い当たらないですよね(笑)

原作補足しますね。

6話、潮の火葬を待つ間の食事の時、慎平は情報収集しました。(6話)
この時、雁切が東京へ行ったことを慎平に話していたのです──

知ってるも何も、「影の病」て名前付けたんは、私の曾祖父ですよ。

- 中略 -

あ!
それより慎平くん、東京どないですか?
実は私、去年行ったんですよ!ほらあそこ海の近くの何ていうたか(以下略)

※太字部分はアニメではカット

by 雁切 真砂人『サマータイムレンダ』コミック3巻

「中略」と書いたように、実際は雁切はもっと話してます。何せ雁切さんの話は長いですから(笑)。全て知りたい方は原作をどうぞ。

食事は昼でしたが宴会モード。
お酒が入っていたかもしれません。

だから、話したことを忘れていた!?
よくあることですね(笑)。

でも、実は東京話、これだけではないのです。

時間はもう少しさかのぼり、葬儀場で雁切がひづるを見かけた時(6話)──

あっと待って、当てさせて!
ひづるちゃん頭良かったさけ・・・きっと先生か弁護士さんか・・・。

- 中略 -

私も大学時代は、東京やったんですよ!
東京のどのへんですか、北の方?西の方!?

──南の方だよ、大田区の・・・

大田区!羽田空港!田園調布!あっあと池上本門寺!
そこの庭で、確か慶応4年に西郷隆盛と勝海舟が会見して・・・

- 後略 -

※太字部分はアニメではカット

by 雁切 真砂人『サマータイムレンダ』コミック3巻

何を言いたいのかと言うと──

慎平と雁切の食事の会話、葬儀場でのひづるとの会話から、雁切は東京へ何度も言っている様子。

それどころか、大学へ行ってたのなら雁切は東京に住んだことがあるのです

ところが、今ここにいる雁切はまるで東京へは行ったことがないかのような口ぶり

このことから、昨日(22日)の雁切と、今慎平の目の前にいる雁切は、姿形は同じでも別人であることが伺えます

その上、目の前の雁切の左手には火傷の跡がないのです

この二つの違和感を合わせて考えれば──
人間の雁切が二人いることがこの時点で示唆されていたのです・・・。

考察

ただ、これまでの流れから──
普通は、雁切が二人いるとなると、それは人間と影に違いない

人間側の雁切には、体育館戦で左手に火傷を負わせた。

目の前の雁切は火傷を負ってない。
ならば、影であるはず・・・。

なのに、影ではないとウシオが断言

慎平は、そこに違和感を感じ、判断が鈍ってしまったのではないでしょうか

なぜ聞かない!?

いや、今年はもう・・・無理やろなァ
FF7リメイク、やりたかったな~~いつ出るんやろ

by 雁切 真砂人?『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

幕張でやるゲームショウとは、東京ゲームショウのことでしょう。
東京ゲームショウは、毎年9~10月開催です。

この年(2018年)の東京ゲームショウは9/20~23です(笑)。
十分間に合いますね!

なのに、なぜ行けないのでしょう?
これは、ぜひ慎平に質問して欲しかった!

まあ雁切のことです。上手く、はぐらかされるでしょうが(笑)。

終わりやねん
この夏で、もうおしまいやねん

せやから帰るんです
家族で帰るんです

by 影シオリ『サマータイムレンダ』TVアニメ第7話

4周目、影シオリハイネも言ってたとおり、この夏が最後なので9月なんて迎えられないのでしょう。(7話)

でも、今話後半慎平も指摘しているように、雁切が人間ならハイネと共には行けないはず

私は、雁切は残って余生を過ごすと考えてました。
ならば、夏のゲームイベントに行けるはず・・・。

なのに──

いや、今年はもう・・・無理やろなァ
FF7リメイク、やりたかったな~~いつ出るんやろ

by 雁切 真砂人?『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

まるで、ハイネ同様、雁切もこの夏で終わるような口ぶり。

一体全体、雁切はハイネを回復させて、その後、自分はどうするつもりなのでしょう?

沼男は同一人物か?

サマータイムレンダ 7話
『サマータイムレンダ』公式HP「STORY#07」より引用

コピー人間は、オリジナルと同一人物か?
慎平のこの問いに雁切は──

それは・・・「同一人物」やろなァ
人の細胞は新陳代謝で日々新しいものと入れ替わってる
細胞分裂、コピーを繰り返してね

それが一瞬で起きたか、ゆっくり起きたかだけの差でしかない

by 雁切 真砂人?『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

悩むことなく、コピー人間はオリジナルと同一人物だと言い切る雁切
これは、(今話後半で判明したように)やはり雁切自身がコピー人間だからでしょうか・・・

補足解説

雁切の解釈は、思考実験「スワンプマン」議論の「本物とスワンプマンは同一」派の主張の一つです

人の体は、細胞単位でみると3ヶ月で完全に入れ替わる」という話を皆さんも耳にしたことがあるのではないでしょうか?

雁切が言っているのはそのことです。

最近の研究では、全ての細胞が3ヶ月で新陳代謝するわけではないことが分かってます。皮膚の新陳代謝は早いですが、内臓は遅く、骨に至ってはもっと長いそうです。
そして、一生入れ替わることがない細胞もあるようです。

まあ、思考実験ですから、専門的な話は置いといて(笑)。
仮に、人の細胞は、一定期間で全て入れ替わるとしておきましょう。

たとえ姿形、人格、記憶が同じでも、細胞レベルで見れば昔の体と今の体は(新陳代謝を繰り返しているのだから)同一ではない

それを同一人物としているのだから、原子レベルで全く同じコピー人間も、同一だという考えです

一見、もっともらしいですよね(笑)。

でも、大半の方が、違和感を覚えるのではないでしょうか?
私も違和感を感じます。

その違和感の理由を探るために、簡単な質問をしてみましょう。

スワンプマンの例にならって・・・

前提条件

ある男(A)が、落雷に遭い死亡。
このとき──別の雷で、泥からAと全く同じコピー人間(B)が誕生した。

Bは(コピーとして生まれたのではなく本物と思っているので)、何ごともなかったかのように家に帰り、(Aに代わって)今まで通りの生活を営む。

周囲はもちろん、家族も全くBがコピー人間だと気付くことはなかった・・・。

まさに、BはAと同一人物。

色々言いたいことはあるでしょうが、ここでは、雁切のように、Bを同一人物、つまり「Bは本物」と仮定して下さい

ここからが本題!

では、質問です──

uestion1

なんと、Aは生きていた!
Aが家に戻ってくると、既にBが・・・同じ男が二人!?

それでも、Bは本物と言えますか?

Bは本物と全く同じかもしれません。
が、本物が二人いるとなると、どちらかを本物、もう片方を偽物としたくなりませんか?

更に質問です──

uestion

雷に打たれる前、Aと過ごした楽しい日々。

その思い出は、Bと過ごしたものだと言い切れますか?

どうでしょう?
こちらも違和感を持つのではないでしょうか?

Aがいない状態で、今現在を過ごす分には違和感がないかもしれません。
でも、本物が現れると、そして過去を思い返すと、どこか違和感を感じてしまう

つまり、Bを同一人物として認めてないのです。

たとえ、姿形、(経験した)記憶は同じでも、これまで一緒に過ごしたのはBではなくA。

人は、その人がその人であるかどうかは、細胞が同じだとかではなく、連続性と経験で判断しているのではないでしょうか

でも、反対に──
Bの視点に立つと、どうなるでしょう?

Bの立場になれば、自分は、同一人物、本物だと考えるのが自然なのかもしれないですね・・・

今話後半明かされたように、雁切の正体は紙垂彦しでひこ
ハイネに自分のクローンを産ませて、人格と記憶を移植し生き続けた

まさに、先の「補足解説」の例で挙げたBのような立場。

300年生き続けた紙垂彦しでひこから見れば、沼男は完全に同一人物

コピー人間を躊躇ためらいなく「同一人物」と答えた雁切。
この思想性からも、雁切の正体が紙垂彦しでひこであることを示していたのではないでしょうか

慎平が立ち上がりヒルコ伝承を話し始め核心に迫っていったのは、雁切の沼男に対する考えを聞いて、より確信を深めたからかもしれないですね。

あくまで想像(笑)

ここでは仮に宇宙から来たとしましょう

by 網代 慎平『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

影は宇宙人説!?
突然、話がぶっ飛びましたっ(汗)。

原作情報

原作では、もう少し説明があります。
要は、いくつか可能性を述べ、話を進めるために仮に「宇宙」としたに過ぎません。

およそ300年前、江戸時代にこの島に流れ着いた神、ヒルコ様。

SF的想像をたくましくするならそれは遙か昔、この世界の「外」から来た。

深い海の底、遠い宇宙──あるいは別の次元かもしれない

ここでは仮に宇宙から来たとしましょう・・・。

とにかくそれは宇宙を漂う生命体だった。
近くの物をコピーして変身し、コピーした情報を栄養にする生命体。

※太字部分はアニメではカット

by 網代 慎平『サマータイムレンダ』コミック9巻

遠い宇宙、別の次元、異世界!?

突拍子もないですが、確かに、今の地球上に影のような生物がいるとは考えにくい。

地球外生命と考えた方が自然(笑)。
というか、そうでも考えないと話が進まないですね(爆)。

青銅曰く、ハイネが帰ろうとしているのは(16話)──

遠い、深い海の彼方、彼女の故郷に
そこへ、この世の生物が辿り着くことは不可能だ
影だけがそこへ行ける

by 菱形 青銅『サマータイムレンダ』TVアニメ第16話

ハイネが帰ろうとしているのは、深い海の中

ハイネがクジラとなって島へ現れたのなら、故郷が海というのも頷けます。
ヒルコ洞も懐かしむかのように深海のコピーで溢れていました。

サマータイムレンダ 11話
『サマータイムレンダ』公式HP「STORY#11」より引用

ならば、なぜ慎平は影が宇宙から来たと仮定したのでしょうか?

それは、海の底に、いや地球上に影のような生物がいることが信じられないからですね。

では逆に、なぜハイネの故郷は海なのでしょうか?
生まれが宇宙や別の次元であれば、そこへ戻りたくなるのではないでしょうか?

考察

生まれ故郷(宇宙?別次元?)ではなく、海を選んだのはこのセリフで述べた事が理由ではないでしょうか。

コピーした情報を栄養にする生命体
でも、宇宙空間では変身できるものは限られている

by 網代 慎平『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

宇宙空間には地球のような多様な生命は存在していません。

地球に辿り着き海に落ちたハイネは、その多種多様な生態系に驚いたのではないでしょうか

そして、その多彩な(魚介類を含む)動植物は同時にハイネの食餌となる(笑)。

ハイネが食べるのは、情報。
宇宙空間から来たハイネは、地球生命から多くの情報を得たでしょう。

それこそバラエティに富んだ食餌になったのではないでしょうか(笑)

その強烈な体験をした海を故郷としているのかもしれないですね。

【7周目】7月23日 日都神社 証拠

あらすじ

慎平が雁切に見せた70年前の写真には、今と変わらない雁切の姿があった。

70年前の写真

この項目は、最終話まで鑑賞後、追記。

右隣の男性は、菱形先生のおじいさんだそうですね
70年も昔の写真に、なぜあなたが写ってるんですか?

雁切真砂人まさひとさん、いや、菱形紙垂彦しでひこ

お前が、シデだ

by 網代 慎平『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

慎平が雁切に見せた写真。
てっきり、菱形医院の地下で青銅に見せられた、教祖っぽい白装束を着た菱形医院の創始者であり初代院長・菱形紙垂彦しでひこの写真だと思いました。

が、違いました。
1枚目の写真は、青銅の祖父が写っている70年前の写真

って、どこからこんな写真出てきたの!?
いや、いつの間にこんな写真入手してたの!?

慎平は、この写真をどこで手に入れたのでしょうか?

青銅が隠していた金庫の中ですって?

違います。
もしそうなら──

始めは気付きませんでしたよ
でも菱形先生に見せると、それはあなただと言った

by 網代 慎平『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

慎平が青銅へ「見せる」なんて表現はしません。
青銅が持っていた写真なら「説明してもらう」「教えてもらう」という表現になりますね

慎平たちが持っていた写真だから、青銅に見せ写っている人が誰か教えてもらったのです

では、慎平は、この写真をどこで手に入れたのでしょうか?

古いものと言えば、菱形医院の旧病棟。(10話)

料理本・・・2階は家族が住んどったんか?
これは、菱形家の古いアルバム

by ウシオ『サマータイムレンダ』TVアニメ第10話

ウシオが2階で手がかりを調査していたときに見つけたアルバムです。
この中にあったのではないでしょうか。

原作情報

原作コミック6巻カバー下には「記録#010」として「菱形家の写真」が収録されています。

これがウシオが見つけたアルバムだと思われます。

Web版「記録#010」には、「ウシオが見つけた古い銀塩写真」と記されています。

多くの写真が掲載されていますが・・・。

確かに今回の写真もありました。
それも表紙側の方に!

雁切=シデの証拠が、大胆にも6巻の(カバー下ではありますが)表紙に記されていたのです!

憎い!

ま、顔の部分は鮮明ではないので誰だか判別できませんが(苦笑)。

写真の出所は分かりました。
でもなぜ慎平が持っていたのでしょうか?

ウシオはあのとき何かを持ち出した様子はありませんでした。
スク水姿でしたから、隠しようもありません(笑)。

原作情報

ここで、また別の記録を思い出しました。

ウシオが記憶しているコピーアイテムが整理された「記録#015」。

原作では、慎平が雁切に写真を見せた原作コミック9巻の巻末に「記録#015」が収録されています。

この記録によると──
ヒルコ洞突入時(旧病棟を探索した直後)、ウシオの頭には「菱形家の写真」が記憶されています。

なんと、ウシオは写真をスキャンしていたのです!

サマータイムレンダ 10話
『サマータイムレンダ』公式HP「STORY#10」より引用

何が重要か分からなかったから、とりあえず2階にあった写真や本、おもちゃをスキャンしていたのでしょう。

つまり、いつでも菱形家の写真をプリントできる状態だったのです!

その写真を青銅に見せ、青銅の祖父が写っていることで時代を特定。
雁切が70年前から変わっていない証拠として突き付けたのです

お見事!

70年前の写真なのに全然古ぼけていなかったのは、ウシオがプリントしたからでしょうか(笑)。

波稲は食べられた?

波稲はいね
戻りなさい!波稲はいね

by 菱形 紙垂彦『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

ハイネのオリジナルの少女の名前「波稲はいね」の漢字は、エンディングのCAST紹介より。

余談

ハイネのオリジナルの名前が判明!

なんと、漢字で「波稲はいね」と書くとな!?

私はてっきり、彼女は外国人で、灰色の髪なので「灰○」という漢字をあてたのだと思ってました(笑)

そもそもオリジナルの波稲は黒髪。
ではなぜ、黒髪があのような色になったのでしょうか

まさか出産を繰り返した事によって!?

疑問 18-01

オリジナルは黒髪なのに、なぜハイネの髪色は灰色なのか?

流れ着いたクジラに、影だと知らず近づいてしまう波稲──

そういや、島には伝承がありましたね・・・。

島の存亡に瀕したある日、万年青おもと浜に巨大なクジラが流れ着いた
島民は、このクジラは神の恵みだと喜び、食べようと集まった・・・

ある漁師の娘がクジラに近づいたそのとき──

クジラの体がまばゆく光り、瞬く間にその娘そっくりの姿になった
そして、それは娘を食らった

by 南方 ひづる『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

まさにヒルコ伝承に伝わる出来事が起こっていたのです

疑問 12-01
ハイネ以前のヒルコ様は、人ではなく、何だった?

クジラ

1732年、万年青浜にクジラが流れ着き、漁師の娘・波稲が最初の犠牲者となった。

それにしても、衝撃的なシーン──
人間の姿になったハイネの(見た目は)可愛らしい顔が、大きな口を開けて波稲を・・・。

(原作情報)原作の描写は、もう完全にホラーです(苦笑)。

なるほど。
最初は、バチュッっと消去ではなく、こうして食べていたのか~~。
って感心するところではありませんね(汗)。

それに、このシーンをよ~~く聞いて下さい!

正視に耐えられなければ、目をつぶって構いません(笑)。
耳を澄まして、画面が暗くなっても音に意識を集中してください

紙垂彦:波稲、早う、こっちへ・・・
波稲:あ、紙垂様

ハイネ:ヴアア~~
── バチュッ

by 『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

そうです。
最後に、バチュッと音がしています

映像では、ハイネは顔以上に大きく口を広げて波稲を食べようとしています。

その後、画面は暗転。
だけど、確かにあります、いつもの「バチュッ」という音が!

これは、一体どういうことでしょうか・・・。

ハイネは、口で波稲を食べたのではないのか?
バチュッとするなら、口で食べる必要はないのではないか!?

さあ、ここに来て大きな謎が出てきました!

って、実は分かると単純な話です(笑)。
ただし、アニメだけでは分からない設定を知る必要があります。

原作情報

10話レビューでも取り上げましたが、消去については原作コミック5巻の表紙カバー下に収録されている「記録#009」に仕様が掲載されています。

10「消去」(バチュッとするやつ)

スキャンしてデータを抜き取ったあとでないと消せやん

- 中略 -

人間の場合、生きてると消せやんから、殺す必要があるみたい

※アニメでは全文カット

by 記録#009『サマータイムレンダ』コミック5巻

スキャンした後、かつ、死んでないと消去できないのです

だから、影の攻撃手段として、消去は使えないのです

海岸で見つけた時、クジラは動いてませんでした。
動けないほど飢餓状態だったのかも。

そこへ美味しそうな波稲がやってきた・・・。

さっそく、波稲をスキャンして情報を食べる。

スキャンしたから波稲に変身できたのです。

情報だけでは、お腹は満たされない。
次はバチュッと食べたいが、波稲はまだ生きているので消去できない。

波稲を殺さなければ食べられません

でも、波稲はただの女の子。
それをコピーしたハイネも普通の女子。

影ミオのように武器を調達したわけでも、ウシオのように髪の毛を武器にすることもできなさそう。

それでも、影の本能に従い、(あるいは空腹を満たす為)目の前の波稲を消去したい(食べたい)。

もうお分かりですね。

ハイネは、食べるために食らいついたのではなく、波稲を殺すために噛みついたのです

(あの角度だと)恐らく頭をガブリと・・・。

一瞬で絶命した波稲を、バチュッと消去したのではないでしょうか

原作には、音は描写されてないので、きっと原作だけだとここまで考察できなかったでしょう。アニメは原作にはない音を付けてくれたので、ここまで辿り着けました。アニメ制作陣グッジョブです!ありがとうございます!

14年前のあの時も・・・

クジラハイネが飢餓状態で我慢しきれず波稲を強引に食べた(ように見えた)となると、14年前のあのシーンも気になりますね。(14話)

サマータイムレンダ 14話
TVアニメ『サマータイムレンダ』ノンクレジット2ndオープニング映像より引用

ひづる・・・?
ちゃう・・・わしじゃない、わしじゃない・・・

by ハイネ『サマータイムレンダ』TVアニメ第14話

なぜハイネは、竜之介を消去しなかったのか不思議でした

遺体が消えてしまうと竜之介が殺されたと分からないじゃないか!というメタ的要素は置いといて(苦笑)。

先の300年前の波稲と照らし合わせると、竜之介も殺すために食べたのでしょうか?

それもまた違うような気がします(苦笑)。
なぜなら、ハイネは、竜之介に見つかった時、既に何かを口で食べていました。

(原作情報) アニメでは描写がカットされていますが、原作では何を食べていたのか描かれています。ハイネはこの時、ネズミらしき動物を食べています。

消去しても血は付きません。
口の周りが血だらけになっているということは、口で直接食べていたのです。

考察というより想像

ここからは完全に私の想像です。

ハイネは、このとき極度の飢餓状態で精神的に不安定でした。
食べ方(消去)を忘れてしまうほど、錯乱状態だったのではないでしょうか

クジラの時と違うのは、300年後のハイネは人間の記憶と人格を得て理性を得ました。

お腹が空いても、やたらめったら人を食べたりしてません。
だから、ひづるを食べようとしなかったのでしょう。
ひづるの血を舐めてもおかしくはなりませんでした。

それでも、空腹は進んでいきり・・・。
なまじ理性で我慢できただけに、気付いた時には限界を超えて錯乱してしまったと考えるのは無理筋でしょうか?

その状態を描写するため、消去ではなく口で食べるという表現をしたのではないでしょうか。

それが、ひづるに殺人現場を目撃させることに繋がり、隠してきた「影の病」による死が表に出てしまったのです。

上手い使い方ですね!

疑問 14-04
ハイネは、なぜ竜之介を消去(バチュッとするやつ)しなかったのか?

ハイネは極度の飢餓で錯乱状態だったのではないか (推測)

最初の発砲は、影かどうかの確認

動くな、動くと殺す

by 網代 慎平『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

慎平は、雁切の近くに銃弾を撃ち込みます。

なぜ、慎平はこんな所を撃ったのでしょうか?

雁切が余計なことをしないよう脅すため?

でも結構、雁切の間近に撃ってますよね。
慎平は何度も撃っているので、銃の腕に自信を持っていた!?

そうかもしれませんが(苦笑)──
脅しなら、万が一当たってしまっては大変なので、もう少し離れた所を撃つか、全然違う方向(たとえば上に)に向かって撃ったりしませんか?

では、なぜ慎平は、あんな所を撃ったのでしょうか?
それは終盤のセリフにヒントがありました──

2発、まずヤツの影に撃ち込みます
本当に人かどうかの確認のために

by 網代 慎平『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

アニメを見る限り、慎平が撃った所に雁切の影はありません。

が、原作は・・・ハッキリと描かれてるわけではありませんが、銃弾を撃ち込んだ所には確かに影があります!

慎平は、ここで、雁切が本当に人であるか確認したのです
(なんらかの手段を使って)ウシオが気配を感じてなくても、銃弾を撃ち込めば、影ではないと判断できる

4周目、根津が慎平を確かめたのと同じ方法ですね。(6話)

もっと深読みすると──

考察

この後の種明かしで、慎平たちはこのとき既に雁切の正体を知っていたことが分かりました

雁切は人間です

ならば、雁切が影であることを一々確認する必要はないのです

でも、人であることを確認した──なぜでしょうか?

雁切は影ではないが、目の前にいるのが雁切本人とは限らない。

シデの中身は雁切で、雁切は(影ではなく)人間だと分かってます。
でも、目の前の雁切には体育館の戦いで負った左手の火傷の跡がありません

同じ人間が二人いることはありえません。

双子だったり、もう一人クローンを作っているなら青銅の証言に出てくるはずです。青銅の証言を信じるなら、ですが(笑)。

ならば、目の前に火傷跡のない雁切がいたら、考えられるのは──
目の前の雁切は、(ウシオは気配を察知してないが)影

その疑いを払拭するために、ウシオの気配察知だけでなく、銃でも確かめたのではないでしょうか。

影であれば、銃を撃てば処分できるので一石二鳥というわけです。

◇◇◇◇◇

ところが、目の前の雁切は影ではなかった。
ならば、火傷跡がない理由をどう説明するか──

  1. 雁切は火傷跡を瞬時に治せる
    ⇒ それでは、雁切は人間ではないことになり矛盾
  2. 雁切は火傷を負っていない
    ⇒ それでは、雁切はシデではないことになる・・・

これまでの事実から導かれるのは、シデの中身は明らかに雁切。
雁切の言動も明らかにシデ本人。

だけど、目の前の雁切には火傷跡がない。
そして、影(コピー)でもない。

何かがおかしい。
どこか腑に落ちない。

慎平は、ますます悩まされることになっていくのです。

朱鷺子に隠させたのはこの写真か

もう一枚の写真を見てみろ

時代は下って、40年前
それは、菱形先生のお父さんが撮ったもんや

by 網代 慎平『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

なるほど、慎平達が自信満々だったのは証拠を持っていたから

そもそも、日都神社へ来たのは、夏祭りを中止させるためです(17話)──

そのため(夏祭りを中止にする)には──やっぱりあの人に会うしかない

by 網代 慎平『サマータイムレンダ』TVアニメ第17話

どうやって夏祭りを中止させるのか疑問でした。

理由もなく夏祭りを中止してくれるわけがありません。
影のことを話しても、雁切が信じてくれるかどうか分からない。
そもそも、雁切が敵か味方かも分からなかったのです。

慎平は、雁切を追い込んで、夏祭りを中止させるつもりだったのです

写真の出所は、菱形医院の青銅。

前々話、青銅は、朱鷺子ときこに自分にも分からない所に金庫を隠させました。(16話)
隠したかったのは、裏カルテではなく、この写真だったのです

原作では、しっかり語られています──

ネゴロさんは菱形先生の記憶をスキャンして、その写真が金庫に隠されている事を知り隠滅しようとした

なぜなら、そこには、おまえの正体が写ってるからや
けど、菱形先生は金庫をトキちゃんに隠させて、自分はその場所を知らんようにしてたんや

先生の用心深さが吉と出た

※アニメでは全文カット

by 網代 慎平『サマータイムレンダ』コミック9巻

ちなみにアニメでカットされたのは──間違っているからですね

補足

原作は間違ってない、とコメントを頂きました。(コメント)

修正前 (クリックして下さい)

青銅は「影の病」に免疫があるので、影ミオがスキャンしても記憶を読み取れませんでした。

影ミオが読み取れないのだから、影ネゴロも読み取れないはず
にも関わらず、青銅の記憶を読み取って、証拠隠滅のために家財道具を消した流れに。

間違っているので、アニメではカットしたのだと思われます。

だとすると、影ネゴロが家財道具を消した理由がなくなりますが・・・。

まあ、普段から青銅の近くにいたネゴロさんです。
青銅がシデに不信感を持っていて保険をかけていたのを感付いていたのでしょう(笑)。

大変失礼致しました。
下記の通り、追記致します。(2022/8/14)

アニメではカットされてますが、原作の慎平のコメントによると──
影ネゴロは、青銅の記憶をスキャンできたようです

なぜ、影ミオがスキャンできなかったのに、影ネゴロはスキャンできたのでしょうか?

事実を整理すると──

事実
影ネゴロ

記憶読み取れる ⇒ 青銅 免疫「なし」

影ミオ

記憶読み取れず ⇒ 青銅 免疫「あり」

このことから導き出されるのは──

考察

影ネゴロのスキャンと、影ミオのスキャンの間に、影ネゴロが青銅のコピーを生み出し消した(=「影の病」の免疫をつけた)

──ということですね。

なぜ、そんなことをしたのか?

青銅が持っている情報を、慎平側に知られるのを防ぐためですね

本当は、青銅を始末したかったが、影ネゴロは失敗。
影チトセを凶暴化させ青銅を襲わせたが、これもウシオに邪魔をされてしまう。

慎平たちが青銅を見つけた時、影ネゴロはヒルコ洞へ繋がる洞窟に潜んでいたのだと思われます。

青銅の様子を伺っていたのでしょう──
青銅が死ねばそれで良し・・・ところが、青銅は生き延びた。

窓が心臓マッサージをして青銅が息を吹き返した時、あるいは朱鷺子ときこに変身していた影ミオの姿を確認したとき──

いくら青銅が黙秘しても、影の能力で記憶を読まれれば隠しようがない。
すぐに対策を打たねば──

そこで、影ネゴロは、青銅のコピーを生み出し処分したのではないでしょうか

間一髪、青銅の免疫作りは間に合った

次に、青銅が自ら自供するのを防がなくてはならない。
だから──

先生、私これで帰らせてもらいますわ
最優先の目的は果たしましたので

by 影ネゴロ『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

影ネゴロは、慎平たちの前に姿を現し、潮の遺体まで見せて誘い出す。

あわよくば、慎平やウシオを倒す。
もしくは、隙あらば青銅を始末しようとしたのかもしれないですね・・・。

[回想]

あらすじ

日都神社へ来る前、慎平たちは既にシデの中身が雁切であることを突き止めていた。

【6周目】7月22日 コバマート突入中止後

あらゆる状況証拠から、シデの正体は雁切
だけど、雁切にはアリバイもある──

でも、雁切さんは、あの時間まだ葬儀場にいるはず・・・葬儀は影に任せたんかも

by 網代 慎平『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

(原作情報) 原作では、この時、ウシオの提案で皆に記憶を見せて仲間を作ろうと提案します。場所を学校にしたのもウシオが言い出しました。

(原作情報) 影ミオを仲間にする作戦も、ここでアイデアが出ました。誰が提案したかは、ぜひ原作をご覧下さい。

「あの時間」とは、コバマートに突入した(竜之介がシデに殺された)22日18時のこと

サマータイムレンダ 13話
TVアニメ『サマータイムレンダ』後半PVより引用

雁切は宮司。
潮の葬儀が終わったからと言って、すぐに葬儀場を離れられないはず。

コバマートにシデが現れた時間には、雁切にはアリバイがあるのです

補足

その証拠に、アランは慎平や澪とは一緒に帰って来れませんでした──

すまん慎平、遅なってもた!
雁切さん、話長いさけよォ・・・

by 小舟 アラン『サマータイムレンダ』TVアニメ第1話

葬儀終了後19時近くまで、雁切とアラン達は一緒にいたということですね

6周目、7周目は、アランの帰宅は更に遅くなりました。
アニメではカットされてますが、慎平たちが体育館でシデ&ハイネと戦っている最中、アランは雁切と話していたと言ってます。(17話)

つまり、慎平たちが体育館でシデと戦っている間も、雁切にはアリバイがあるのです・・・

ならば、葬儀場にいたのは、雁切本人ではなく雁切の影
そう考えるのは自然な流れ。

反対に、この「雁切の影」がいるという思い込みが、今話で慎平を惑わせたのかもしれません

考察

雁切はもう一人いる──それは、影

ところが、現在、目の前の雁切は影ではなかった。

ならば、なぜ手に火傷を負ってない?

逆に、体育館戦でシデに入っていたのが影?
いや、それならば、ウシオが影の気配を察知していたはず・・・。

考えれば考えるほど、泥沼にはまっていくのです・・・

このように考えていくと──
今まで19時頃に帰宅していたアランが、6、7周目で遅くなった原因も推測できますね

考察

アランは、雁切のアリバイ作りに利用されたのではないでしょうか

体育館戦に現れたシデの正体が雁切だと疑われないよう、同時刻、宮司は葬儀場にいると皆に印象づけるため、付き合わされたのです。

影の存在を知らない人達にとっては、このアリバイは有効。
影の存在を知っていても、人間と影が協力していると思われなければ有効。

でも、影の存在を知り、雁切がハイネ側と確信している慎平たちにとっては、雁切のアリバイ作りは無意味

どうせ、影がいるのだろう、と思われるだけ。

でも、このアリバイ作りが、慎平にとって雁切の影がいることを印象づけてしまい、かえって惑わされてしまったのです・・・

めっちゃ、(脚本の)手が込んでますね~~♪

【7周目】7月22日 体育館戦後

シデは左手に火傷を負った
これは正体への目印となるだろう

by 南方 ひづる『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

アニメではカットされてますが、原作では、その前に重要な情報が──

しかしウシオの証言によれば、中身の手からは、影の気配は感じられず
間違いなく人であったという

シデは左手に火傷を負った。
これは正体への目印となるだろう。

※太字部分はアニメではカット

by 南方 ひづる『サマータイムレンダ』コミック9巻

15話の体育館戦後時点で、既にシデの中身は人間だと確信していたのです

人であれば、火傷はすぐには治らない
だから、シデの中にいる人の目印となるのです

ここまでハッキリと言っているのに、目の前の雁切に火傷跡がない意味を真剣に考えず、倒して(疑いながらも)これで終わりと思った慎平とウシオ

雁切にまんまとしてやられたのです・・・。

【7周目】7月22日 菱形医院地下 菱形家と雁切家

16話ラスト、青銅の口から語られた、シデの正体(16話)──

オリジナルの名は、菱形紙垂彦しでひこ
菱形医院の創始者、初代院長だ

by 菱形 青銅『サマータイムレンダ』TVアニメ第16話

その後の17話で、何も語られなくて肩すかしでした・・・。
青銅が明かしたのは、それだけかよ!と(笑)。

語られなかったのではなく、描かれなかっただけでした。

もちろん、後で見せた方が盛り上がるし効果的だからですね。

16話ラストの時点で、青銅は洗いざらい慎平たちに話していたのです

ハイネの出産後、菱形家は分家した
以後は、雁切家が神をまつり、菱形家が医者の家系となったんだ

by 菱形 青銅『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

一気に説明されたので理解し辛いですよね(笑)。
順に解説します。

菱形家は古代から、この島の祭祀さいしを司っていたが、江戸時代に紙垂彦しでひこの父が医者の真似事を始めた

by 菱形 青銅『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

近代医学が普及するまで、医療行為は祭祀と同じように扱われていました。
日都ヶ島では、祭祀を司る菱形家が、治療に似たようなことをしていたということでしょう。

補足

だから、300年前の回想シーンで、菱形紙垂彦しでひこ(雁切)は宮司のような格好をしていたのです。

この時代、祭事を司る人はその土地の有力者。
なので、波稲も紙垂彦しでひこのことを「しで様」と呼んでいたのでしょう。

疑問 14-01
なぜハイネは、シデを様付けで呼ぶのか?

菱形紙垂彦しでひこは、島の有力者だったから (推測)

ハイネのオリジナル・波稲は、島の祭祀を司っていた紙垂彦しでひこを「紙垂しで様」と呼んでいた。

菱形紙垂彦しでひこ父親が医療の真似事を始め、息子の菱形紙垂彦しでひこが菱形医院の創始者となった。

が、ハイネ出産後──

「神の夫」を自称し、波稲はいねの名字・雁切を名乗り始める

by 菱形 青銅『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

紙垂彦しでひこは、ハイネと結婚し、波稲はいねの名字・雁切を名乗る。

紙垂彦しでひこには兄がいた

ハイネの出産後、菱形家は分家した
以後は、雁切家が神をまつり、菱形家が医者の家系となったんだ

by 菱形 青銅『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

この辺がややこしいですね(苦笑)。

紙垂彦しでひこは菱形家を出て、雁切家として神を祀り──日都神社を建て、宮司になったということですね。

菱形医院は、紙垂彦しでひこの兄が継いだのです。

つまり──紙垂彦しでひこは、菱形医院の創始者・初代医院長でありながら、日都神社の初代宮司でもあったのです

これで、納得できたことと、安心したことが(笑)。

青銅はどう見ても、シデ(雁切)に良い印象を持っていませんでした。
葬儀の火葬中、電話での会話終了後、シデらしき相手に「マザコンめ」と悪態をついていました。(13話)

菱形医院の創始者であり、ご先祖に対してなんて態度だと思ってました(苦笑)

なるほど!
菱形医院の創始者ではあるが、先祖ではなかったのです

菱形家の系譜は、紙垂彦しでひこ兄がルーツ!
紙垂彦しでひこは遠い親戚ではあるものの、青銅は彼の血を引いてるわけではないのです!

ならばむしろ、青銅からしたら紙垂彦しでひこは、病院経営を放って神事にうつつを抜かした、もっと言うと子供に子供を産ませる外道だと思っているかも(苦笑)。

そして、もう一つ安心したことが。

そう朱鷺子ときこも、紙垂彦しでひこの血を受け継いでいないのです
これで、安心して、雁切を消せます! (←そこ!?(笑))

補足

つまりシデとウチラは、血の繋がった遠い親戚・・・

by 菱形 朱鷺子『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

朱鷺子ときこの言う、血の繋がった親戚とは「親元を辿ると」という意味ですね。

血は繋がってないとは言えませんが、血を引いているかと思ったので、事実を知り少し安心しました。

【7周目】7月22日 菱形医院地下 ハイネの子供

やがて紙垂彦しでひこは、神と交わり子をなした

スキャンされ影として平面から分娩されたんじゃない
立体の──ハイネの肉体を妊娠させ、出産させたのだ

by 菱形 青銅『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

影は人間を細胞レベルで完璧に複製する
ならば、影の立体側の肉体は人間と同じ構造を持っているので、妊娠できても不思議ではありません。

が、だからと言って、ハイネに子供を産ませるとは・・・。

ここで既に、紙垂彦しでひこは普通じゃないですね(苦笑)。
子供のように見えるハイネ、いや実際子供である波稲はいねをコピーしたのだから、構造は子供でしょう。

その子ども相手に交わる・・・それも波稲はいねを食べた影を相手にというのが常軌を逸してます(苦笑)

その赤子は成長するにつれ、紙垂彦しでひこに瓜二つとなっていったらしい

これが影の性質なんだろう
ハイネが妊娠すると、生まれてくる子は父のクローンなんだ

by 菱形 青銅『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

妊娠はするが、母親ハイネの特長・遺伝情報は子には伝わらず
結果、影の能力は持たず、父親そっくりのクローン人間が生まれるというのです。

ここからだ・・・それを見た紙垂彦しでひこは、ある欲望を目覚めさせた

ヤツはハイネに自分の人格と記憶をコピーさせ、クローンに移植させたんだ
そうすることで「若返り」をしたんだよ

by 菱形 青銅『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

って、ハイネは人間の記憶もいじれるかーーい!!

人間のクローン製造だけでなく、記憶操作も可能なハイネ。
さすが神様、ヒルコ様!(笑)

いや、世界設定はさておき(笑)。

これぞ完全なコピー人間!

ウシオや影チトセを本物かどうか考えたときもありました。
でも、やはり影なのです。

影チトセは、恐らく年を取らないでしょう

ウシオは人格、記憶は潮と全く同じでも──
人間ならあんなに強くはないし、平面に写る影を攻撃されて痛みを感じたり、(残念ながら)プリキュアのように変身はできません(笑)

やはり、ウシオも影チトセも影なのです
ウシオと潮は、完全には同一ではないのです

ところが、雁切は──

ハイネと交わり、父親と同じ人間が生まれる。
まさにクローン。

クローンに人格と記憶をコピーすれば・・・これぞ完璧な同一人物
スワンプマン、沼男なのです

あっ!
だから、あの時、ひづるはあんなことを言ったのか!

慎平が雁切に2枚目の写真を見せた後──

慎平:時代は下って、40年前それは、菱形先生のお父さんが撮ったもんやおまえは影じゃない、でも、ただの人間でもない──

ひづる:沼男・・・

by 『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

そう。
影ではないが、普通の人間でもない。

300年前の雁切紙垂彦しでひこのスワンプマン、沼男なのです

補足

5周目ラスト、ウシオがシデの一部をスキャンした際──

でも、なんやろ、あいつ
ハイネと同じニオイがした

by ウシオ『サマータイムレンダ』TVアニメ第13話

ウシオがシデをスキャンした際、ハイネと同じニオイと言ってました。

これは、雁切がハイネから産まれたからでしょう。

疑問 13-03
四本腕の影は、ハイネと同じニオイ?

ハイネの立体から産まれたから

四本腕の影の正体は、雁切。
雁切はハイネの立体から産まれたので、ハイネと同じニオイがしたのだと思われる。(推測)

【7周目】7月23日 日都神社 菱形紙垂彦

あらすじ

ついに自分が菱形紙垂彦だと認めた雁切。しかし慎平はある違和感を覚える・・・。

島を救ったのは雁切のおかげ!?

その伝承、そこのくだりは誤りですね

島民を何百人か影に変えただけですよ

影やったら漁師でなくとも魚を捕れる
飢えた人を救うことができる

日都ヶ島が今あるのは私のおかげなんですよ

by 雁切 真砂人?『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

影が自ら漁をして魚を捕ってきたのではない。
影は本能に従い食餌、つまり人間を何百人か食べただけ。

そんな影に、魚を捕ってこさせたのは自分だと、雁切は言うのです

確かに影の力は人間離れしています。

有効活用すれば、大いに役に立つでしょう。
科学技術が発達してない300年前なら尚のこと。

結果的に、享保の大飢饉に苦しんでいた島民を救ったのは事実なのかもしれません

飢えでぎょうさん死んだ・・・
大人が死んで・・・魚も獲れんようなった・・・
夏になったら、お父もお母も兄弟も・・・みんな死んでもうた・・・

by ハイネ『サマータイムレンダ』TVアニメ第14話

ハイネがオリジナルの記憶で飢えを恐れていたので、その辺を突いたのかもしれません。

島民の命を救うために、影を利用したのなら話は分かります。
もしかすると最初はそのつもりだったのかも。

だけど、次第に影の力を使う目的は変質し、己の欲望を叶える道具とする。
その上、影の力を独占し、暴こうとする者を排除する・・・。

ふざけんな、この野郎!
自分が正しい事してるつもり!?

なんで慎平の両親を殺した!

by ウシオ『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

ここで、自分の事や、しおりや人渕先生を出さずに、真っ先に慎平の両親を出すのがウシオらしい(笑)。

ウシオの言う事は全く正論。

雁切が言っているのは偽善なのです

雁切の望むエンディング

なんでそこまでハイネを守る?

おまえは人や
ハイネが帰る故郷に、おまえは一緒に行けやんはずや!

ハイネを差し出せ・・・それで、終わりにできやんか?

by 網代 慎平『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

雁切を人間扱いし、悪いのはハイネだとして説得を続ける慎平・・・

雁切が永遠の命を持ち続けたいのなら、ハイネが故郷は帰っては叶わない。

どうせ雁切の願いが叶わぬなら、ハイネが故郷に帰るのとハイネを差し出すのは同義だと慎平は考えたのか・・・。

でも、雁切は──

それは私のエンディングではない
母の願いを叶えることが私の使命

by 雁切 真砂人?『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

ハイネの力が弱まり、もう故郷に帰らねば命が持たないのか?
雁切は、自分の永遠の命は置いといて、ハイネを守りたいのか?

雁切は、ハイネに最後の食餌をさせて、自分はどうするつもりなのか?

そこが、最大の謎。
雁切は、一体全体何を企んでいるのでしょうか?

疑問 18-02

雁切が言う「私のエンディング」とは何か?

それに、分かりませんよ
私の影がいるのかも

by 雁切 真砂人?『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

この考えは、青銅も言っていたこと。

自分の影を、影チトセと共に、ハイネに連れて行ってもらい理想郷で暮らす

青銅が真剣にそう思っていたのだから、雁切も同じように考えても不思議ではない。
いや、それどころか、既に紙垂彦しでひこのコピー人間である雁切なら、青銅よりずっと抵抗感はないかも・・・

近くに潜んでいた雁切

ここまでや、もう我慢できやん!

by ウシオ『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

目の前の雁切の頭を、ウシオが一太刀
呆気ない幕切れに拍子抜けも、後ろから、左手に火傷を負った雁切が・・・

はい、ワンダウン

by 雁切 真砂人?『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

補足

いつの間に、ウシオの背後に来たの!?と思った方。
もう一度、アニメをご覧下さい。

貸して

みんな聞いてた?

by ウシオ『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

皆に連絡するために、慎平のポケットからスマホを取り出す
グループ通話中にしていたスマホに向かって、話し出すウシオ

の間に、背後のふすまがソッと開くのが描写されています

雁切が入ってきたのは──
雁切を殺した直後で油断している、かつ周囲に待機していた皆が入ってくる前──ここしかない!という絶妙なタイミング

私は、本物の雁切は、隣の部屋か近くの部屋で、待機していたと読みます!

シデは、この秘術を繰り返し、自分を産んだハイネに自分を産ませ続けて、300年前から現在まで生き続けているのさ

by 菱形 青銅『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

回想シーン、青銅の上記セリフと同時に、画面が現在に切り替わります。

この時、描かれた雁切は、左手に包帯を巻いています

慎平の目の前にいる雁切と同じ姿勢をしていますが、これが本当の雁切ではないでしょうか。

つまり、同時刻、近くで待っていたということですね。

ならば、なぜこんな手の込んだことをしたのか?

私は、このように考えました──

全ては雁切の狙い通り!?

シデ側の視点で考えてみましょう

シデこと雁切の狙いは──

雁切(シデ)の狙い

  1. 優先すべきは、慎平の死
  2. 可能ならば、ウシオを先に処分し、その後慎平を殺す

と言ったところでしょう。

そこへ慎平が日都神社へやってきた。
#慎平の居所は、刻印でハイネに筒抜けです

ウシオの姿は当然見えない。

潮は死んでいるのだから、(互いに正体を明かしてない状況では)ウシオは雁切の前に姿を現すことはできません。

さて、はすぐにでも可能だがを実行するにはウシオを誘い出さなければならない。

どうせウシオの性格、慎平の近くにいるに違いない。
ならば、挑発すれば、ウシオが飛び出してくるでしょう

腕時計になっていると見破っても、体が小さくて影を狙うには困難です。やはり人間の形にした方が、的(影)も大きくて狙いやすいのです。

ウシオの直情的な性格は、菱形医院地下でも露呈しています(16話)──

待て、こんにゃろッ!

by ウシオ『サマータイムレンダ』TVアニメ第16話

あおればウシオは姿を現す(実体化する)、そうすれば、影(弱点)が見える

あおるだけなら人間(雁切)でもできる。
いや、イラつかせるのなら雁切の得意分野!?

なんて、考えてしまうのは、引っかかってしまった慎平たちに失礼でしょうか?

でも、慎平に自分を殺させ油断させるなら、わざわざ、慎平に疑問を持たせる必要はありません。

最初から、偽物の手に包帯を巻いておけば良いのです

なぜ、この雁切は火傷の跡がない?
まだ何か気付いていないことがある!?

疑念を持たせれば、慎平はモタつく。
慎平が躊躇ためらっていると、いずれウシオがしびれを切らす・・・。

慎平の性格を見越して、ウシオを誘い出したのだとしたら・・・相当したたかですね

はい──

ガキ共が、この私のエンディングを変えられるとでも?

by 雁切 真砂人シ デ『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

300年生き続けてきたシデにとっては、高々十数年生きた慎平など経験不足も甚だしいのです。

いや、慎平やウシオだけではありません。
ひづるや根津ですら、紙垂彦しでひこからみたらガキなのです・・・。

まさしく、最初から筋書きを描いていた敵が吐く言葉ですね(苦笑)

補足

そもそも論として──
包帯をしてないのは、シデの中に入っているのが雁切だと分からないようにするため

という考えもあったでしょう。

雁切の左手に火傷の跡がなければ、雁切はシデとは無関係だと認識してくれる?
慎平たちが、その程度の頭なら、それで良し(笑)。

では、慎平たちはその後何をしてくるでしょうか?

雁切に真実を打ち明け、仲間にしようとするでしょう。
夏祭りを中止して欲しいと申し出るでしょう。

そこで、私が雁切なら、影なんているわけがない、妄想だと一蹴します。
影の存在を信じない人に、信じさせるにはどうしますか?

はい。
証拠として、死んだはずのウシオを見せるのが一番ですね

そのために、ウシオを雁切の目の前に、出現させるでしょう。

雁切は、驚いているフリをして慎平とウシオの注意を引き、その隙に後ろからサクッと・・・。

どちらに転んでも、隙を突ける策が取れるのです。

なぜ雁切は二人いる!?

残念やったねえ、慎平君
ほんのちょっぴり、俯瞰が足らんかったんとちゃいますか?

by 雁切 真砂人シ デ『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

では、そもそも、背後から現れた雁切は何なのか?
いや、二人目の雁切が本物なら、一人目の雁切は何なのか?

疑問 18-03

もう一人の雁切の正体は?

雁切真砂人のクローンは元々二人いた?
⇒ 否。青銅の証言によると40年前に取り上げた子供は一人

全面的に協力することにした青銅。
40年前に二人取り上げた、あるいは時間差でもう一人産んだのなら、伝えているはず。
※取り上げたのは青銅の父であり、それが全てかどうかは不明ですが・・・

二人の雁切の片方は影?
⇒ 否。ウシオの気配探知に引っかからなかったので、二人とも影ではない

となると考えられる可能性は──

考察

私はこの先の原作は未読です。
あくまで個人的な推測です。

ですが、当たっているとネタバレになってしまうので隠しておきます。気にならない方だけご覧下さい。

続きを読む (クリックして下さい)

もう一人の雁切は、先に生まれたクローン・雁切真砂人の父親ではないでしょうか

根拠があるわけではなく、消去法です。
そう考えると辻褄が合うのです。

雁切真砂人の父親は既に亡くなっているとされています──

雁切のせがれに聞いてみてもええが・・・あいつの親父が生きとったらな、なんか知っとったかもしれん

by 根津 銀次郎『サマータイムレンダ』TVアニメ第11話

慎平の目の前にいたのが、雁切真砂人の父親だとすると──

なぜ、生きているのに、亡くなった事にされたのでしょうか?
なぜ、父親なのに、子供と同じ姿形をしているのでしょうか?

そこで、私はある仮説を立てました──

ハイネが産み出したクローンは、父親がハイネと交わった時の年齢まで成長するが、それ以上は成長しない

ハイネの立体が生んだとは言え、影の子供。
あくまで、その時に得たデータを赤ん坊から忠実に再現しているだけではないでしょうか?

そう考えると、雁切父が年を取らず瓜二つなのも分かります。

そして、亡くなったことにしないといけない理由も──
歳を取らないので、周囲に変だと思われてしまうからですね

つまり、エンディングで紹介されるキャスティング──

雁切真砂人
雁切 巌

小西克幸

by 『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

雁切 巌は、真砂人の父親の名ではないでしょうか。

いずれにせよ、背後から近づいた本当の雁切真砂人の気配は、ウシオは全く気付かなかった。

ウシオは、いや、慎平とウシオは、影レーダーに頼りすぎ殺意を持った人間がいるとは想定していなかったのです

今、この島で争っているのは、人間VS影。
自分たちを狙っているのは、影。

いや、それ殺人ですよ!

もっと決定的な確証がないと・・・
それに人なら、追い詰めれば話し合いに応じるかもしれませんよ

by 網代 慎平『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

人なら──話し合いに応じるかも

アニメではカットされてますが──
原作では、慎平のこのセリフを聞いて、ひづるはとても冷ややかな眼差しを慎平に向けます

もともと慎平の優しさが出たのか、優位さが余裕を作ってしまったのか──

なんで、オレの両親を殺したんか・・・あいつの口から理由を聞きたい!
でないと全然納得できません!

そのためやったらッ!
一回死ぬくらい・・・屁でもないです!

by 網代 慎平『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

一晩明け、ループ限界が少し遠のいたので、あと数回ループできる(やり直せる)余裕ができました

その余裕が油断を生み、取り返しの付かない結果を引き起こしたのです・・・。

ロズとギルの携帯方法

シリアスかつ悲劇的な映像に、あまりそぐわぬ物体が投げ込まれました。
そうです、朱鷺子ときこが投げたのは「おしゃぶり」。

カッコ良く投げてますが・・・おしゃぶりです

一瞬、目が点になりましたが、合点がいきました!
これまで引っかかっていた謎が解けました(笑)。

朱鷺子ときこどうやって、野良影・ロズとギルを持ち歩いているのか?

あんな大きな野良影は、隠れてろと言っても隠しきれない(苦笑)。
でも、出番とあらば、すぐに出現!

今回もすぐさま登場です。
普段はどこに隠れているの!?

誰かに見つかってはいけないウシオは、以前はペンダント。
今は、腕時計となって、慎平と行動を共にしてきました。

そうです!

朱鷺子ときこは、ロズとギルを、おしゃぶりに変身させていたのです!

もしやと思いオープニングを見返してみると──

確かに、ロズとギル出現前に、おしゃぶりを投げてました~~!!

このシーンの直前

サマータイムレンダ 2nd OP
TVアニメ『サマータイムレンダ』ノンクレジット2ndオープニング映像より引用

あれ?
気付いてなかったのは私だけ!?(笑)

雁切真砂人は本当に人間なのか?

今話は(も)まだまだ語りたいことが多々あります。
が、そろそろレビューが2万文字を超えようとしているので切り上げます(苦笑)。

慎平はどうすれば良かったのか?ウシオは最期、慎平に何を伝えようとしたのか?ウシオは本当にいなくなってしまうのか?ループはあと何回可能なのか?半分位は次話以降で触れられるでしょう(笑)。

最後に疑問を投げて今話のレビューは締めたいと思います。

雁切真砂人は、本当にただの人間なのでしょうか?

雁切が影ではないのは、ウシオが気配を察知できなかったので、事実なのでしょう
でも、影ではないからと言って、普通の人間と判断して良いのでしょうか?

アニメではカットされてますが──

しかしウシオの証言によれば、中身の手からは、影の気配は感じられず
間違いなく人であったという

※アニメでは全文カット

by 南方 ひづる『サマータイムレンダ』コミック9巻

原作では、体育館戦直後、ウシオはシデの中身は人だと断言しています

それでも私は問いたい。
あまりに人間離れした雁切真砂人──

雁切真砂人に関する謎
  • 人間なのに、影を操れる
    影を操って鎧のようにまとうことができる
  • 変身はできないが、プリントできる
    影ではないのに、銃やマンホールを自在に出すことができる
  • 体育館の戦いで、ウシオに腹を貫かれても生きている
    これはもう人間とは言えないのでは・・・でも、火傷はするんだよな(笑)
    いや、単に火に弱いだけ!?
疑問 13-02 (再掲)

四本腕の影の中身は空っぽ?どうやって動いている?

疑問 15-01 (再掲)

シデの「こねれば戻る」とは?

疑問 15-02 (再掲)

シデは、体を貫かれたのになぜ平気?

疑問 17-01 (再掲)

シデの影を操る力の正体は?

まさか、そんな・・・

ごめん、慎平
気付いて・・・

by ウシオ『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

ウシオは消える前に、雁切真砂人をスキャンしました。
一体何を見た、あるいは知ったのでしょうか?

そして、慎平に対して、何に気付いてほしいのか?

いや、ウシオは死んだのに、ここで気付いたことが伝わるのでしょうか・・・。

疑問 18-04

7周目ラスト、ウシオは消える前、雁切真砂人に何を見たのか?

疑問 18-05

7周目ラスト、ウシオは慎平に何を気付いてと思ったのか?

そして、今回の下記セリフ時──

どんな気分ですか、慎平くん
ラスボス前のセーブデータが消えた小学生の気分かな?

ウシオは死んだ

by 雁切 真砂人シ デ『サマータイムレンダ』TVアニメ第18話

雁切は、一度まとった影を剥がし素顔を見せる。

この時の雁切は人間の目ではありませんでした。
シデが持つ4つの目同様、黄色の目

サマータイムレンダ 12話
『サマータイムレンダ』公式HP「STORY#12」より引用

ウシオ&慎平の青の目。
ハイネの赤の目。

そして、シデの黄色の目。

これは、単なる演出でしょうか?
それとも・・・。

おわりに (『サマータイムレンダ』18話とは)

原作コミック 9巻

ミステリー物でよくあるクライマックスの謎解きよろしく、実は最初からこんな作戦立てました~~的な構成の18話(笑)。

通常、この手の種明かしは、勝つときのカタルシスだと相場は決まっていますが、『サマータイムレンダ』はあらず(苦笑)。

シデのアイデアか、ハイネの策か。
最初から狙っていたのか、アドリブか。

慎平は、雁切の本心を知るために1度のループ(死)を使っても良いと覚悟を決めた。
だけど、雁切も死を気にしてなかったのです。
#慎平を殺せば、ループされその事実もなくなりますしね

悔しいし、ウシオを殺した雁切は憎いです。

でも、この戦法。
敵ながら、お見事!

後のことは気にしない。
最後に勝てば良い、シデ側にとっては、慎平を殺せば勝ち。

(ループ力が無くなるまで)慎平を何度も殺せばOK。
その前に慎平を殺すのを邪魔するウシオを消せれば、よりOK!

パラレルワールドではないループ物、観測者(慎平)が見た世界線が確定事実となる設定を分かっているからこその戦略がお見事です!

ぜひとも、敵側の舞台裏も見てみたい(爆)。

アニメ鑑賞直後は、「えっ!?ウシオ~~ッ!!」的な感情も。
こうして2万文字超のレビューを書いていると、自然と落ち着き、今話を俯瞰ふかん(苦笑)。

憎し許すまじ敵ながら、一方で感心する自分がいるのです・・・。

正確に言うと、敵に感心しているのではなく、原作の田中靖規先生に感動しているのですが、その視点で書くと全て先生への思いで、感想にならない(苦笑)。

アニメはまだ残り7話もあります。
1クールアニメならまだ折り返し地点、ましてや展開の早い『サマータイムレンダ』。
まだまだ絶望する必要はなく、だからと言って楽観もできない(笑)。

三歩進んで二歩下がる。
未来を確かめ、過去をやり直す。

この先、何を見せてくれるのか?
楽しみで仕方ないですね!

ああ、筆(キーボード)が止まらない(笑)。

以上、TVアニメ『サマータイムレンダ』第18話の感想&考察レビューでした。
超長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。

19話のレビューも書いています。
良かったらご覧ください。

ではでは。

きょうのひとこと

紙垂彦しでひこから見れば根津ですらガキ

サマータイムレンダ 6話
『サマータイムレンダ』公式HP「STORY#06」より引用

疑問点 まとめ(Q&A一覧)

この章では、疑問点をまとめていきます。

「疑問点まとめ(Q&A一覧)」運用ルール
  • 今話で発生し、今話で解決した疑問は、本文に記載して完結
  • 残った疑問点を、疑問XX-XX(話数-通し番号)として記録
    ⇒ 本章「疑問点まとめ(Q&A一覧)」でまとめ
  • 答えは、推測ではなくできるだけ(原作含む)作品内で明らかになった事実を記載
    ※推測が入る場合は、断りを入れる
  • 解消した疑問は答えを記載し、次話で削除
  • 周単位で整理 (区切りは周開始時点)

※すみません!テーマ移行でアイコンやリンクが無効になってしまいました。 復旧作業は本文を優先し、QA一覧は後日修正&整理します。

解決した疑問
  • 疑問 12-01 ハイネ以前のヒルコ様は、人ではなく、何だった?
    答え クジラ
    1732年、万年青浜にクジラが流れ着き、漁師の娘・波稲が最初の犠牲者となった。
  • 疑問 13-03 四本腕の影は、ハイネと同じニオイ?
    答え ハイネの立体から産まれたから
    四本腕の影の正体は、雁切。
    雁切はハイネの立体から産まれたので、ハイネと同じニオイがしたのだと思われる。(推測)
  • 疑問 14-01 なぜハイネは、シデを様付けで呼ぶのか?
    答え 菱形紙垂彦しでひこは、島の有力者だったから (推測)
    ハイネのオリジナル・波稲は、島の祭祀を司っていた紙垂彦しでひこを「紙垂しで様」と呼んでいた。
  • 疑問 14-04 ハイネは、なぜ竜之介を消去(バチュッとするやつ)しなかったのか?
    答え ハイネは極度の飢餓で錯乱状態だったのではないか (推測)
新たな疑問
  • 疑問 18-01 オリジナルは黒髪なのに、なぜハイネの髪色は灰色なのか?
  • 疑問 18-02 雁切が言う「私のエンディング」とは何か?
  • 疑問 18-03 もう一人の雁切の正体は?
  • 疑問 18-04 7周目ラスト、ウシオは消える前、雁切真砂人に何を見たのか?
  • 疑問 18-05 7周目ラスト、ウシオは慎平に何を気付いてと思ったのか?
残っている疑問
1周目 (1~2話)
  • 疑問 01-01 潮は慎平に何を渡したのか?
4周目 (5話~)
  • 疑問 08-01 慎平だけでなく、なぜウシオもタイムリープしたのか?
  • 疑問 09-04 ハイネは、どうやってウシオの記憶再生に介入してきたのか?
  • 疑問 10-01 しおりの顔がハイネに変化したが、なぜ慎平にしか見えなかった?
  • 疑問 10-04 地下壕の人型の黒い染みは、誰を消した跡か?
  • 疑問 12-02 ハイネは、なぜすぐに小早川しおりに乗りかえないのか?
  • 疑問 12-03 ハイネが死ねば、影は全て消える?
5周目 (13話~14話)
  • 疑問 13-01 四本腕の影には、なぜ影縫いが効かない?
  • 疑問 13-02 四本腕の影の中身は空っぽ?どうやって動いている?
  • 疑問 14-02 シデの「欲と二人連れ」とは、どういう意味か?
  • 疑問 14-03 14年前、ハイネは普通の女の子だったのに、なぜ変わった?
  • 疑問 14-06 なぜ影リュウノスケは、ハイネに刃向かえる(人間の味方)?
7周目 (15話~)
  • 疑問 15-02 シデは、体を貫かれたのになぜ平気?
  • 疑問 15-03 シデの中に人が入っているとは、どういう意味か?
  • 疑問 16-01 菱形医院長・青銅は、いつ「影の病」の免疫がついた?
  • 疑問 17-01 シデの影を操る力の正体は?

今週の感想ツイート

関連記事

アニメ『サマータイムレンダ』第19話のレビューはこちら!

あわせて読みたい
アニメ【サマータイムレンダ】19話感想&考察 スレッジハンマー引っさげて単身敵に立ち向かう 南雲... 第19話「メイドインブラック」 8度目のループ開始。 慎平の隣にウシオはもういない・・・。 慎平は、ひづる達に連絡を取ろうとするが、携帯は圏外。 一方、ひづると澪は影シンペイからの電話を受けていた・・・。
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
コメントの通知
受け取る通知
guest

31 COMMENTS
Inline Feedbacks
View all comments
目次