こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活(2期)』29話を鑑賞しました。
2期4話目、第四章3話目。
聖域の結界を開放するために試練を受けたエミリアを追いかけ自分も試練を受けることになったスバル。
まずは、自分の過去と向き合う。
スバルの異世界召喚前の生活が描かれます。
では、TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活(2期)』29話の感想レビューをどうぞ。
次話以降のネタバレは「なし」なので、ご安心を。
第四章 「永遠の契約」
話数 | 各話レビュー | 原作巻数 | 原作レビュー |
第27話 | 27話R | 第10巻 | |
第28話 | 28話R | ||
第29話 | 本レビュー | ||
第30話 | 30話R | ||
第31話 | 31話R | 第11巻 | |
第32話 | 32話R | ||
第33話 | 33話R | ||
第34話 | 34話R | ||
第35話 | 35話R | 第12巻 | |
第36話 | 36話R | ||
第37話 | 37話R | ||
第38話 | 38話R | 第13巻 |
※原作レビューは順次作成予定
Contents
今回のあらすじ
己の過去と向き合う試練。
スバルが気が付くと、どことなく懐かしい見慣れた部屋。
だけどなんだか違和感が・・・
半引きこもりの高校生に、普段通り接する父と母。
今日のスバルは顔つきがいつもと違い、父・菜月賢一は、スバルを外へ連れ出す。
聖域の結界を解放するために、試練に挑戦するエミリア。
エミリアが入った遺跡の様子がおかしいと、追いかけたスバルも試練を受けることに。
「まずは、己の過去と向き合え」
スバルが向き合う過去とは、現実世界での過去──
異世界で経験したことはもちろん異世界召喚された記憶すらない状態で、過去の生活をなぞるスバル。
異世界の記憶がなくても、いくたびもの挫折と死を乗り越えたスバルは、既に以前のスバルではなかった。
父親はそのわずかな変化を見逃さない。
母親はずっとスバルを信じてる。
エミリアのこと、レムのことを思い出せば、スバルはどんな困難だって前へ進める。
誰でもない、スバルならではの英雄を目指せる。
前向きになれば、スバルの痛い過去は、両親への申し訳ない気持ちへと変わっていく。
だけど、その両親とはもう会えない。
スバルは、ここでやるべきことがあるのだ。
試練の中の両親は、そんなスバルを温かく見送る──
では、順を追って見ていきましょう。
感想レビュー 第29話「親子」
半裸のオヤジ
スバルの試練が始まった。
気が付くと、スバルは異世界召喚される前の、現実の世界に──
見慣れた自分の部屋にも関わらず、違和感を感じるスバル。
が、父・賢一の腕挫十字固めによって吹き飛ばされる。
なんだ、このテンションの高いオヤジは・・・(笑)
こりゃあ、反抗期になるわ!と思ったら、スバルも付き合う!?
なんと、テンションは似た者親子でしたか。
スバルは、高校生だが、高校へは行ってない、半引きこもり。
てっきり、親とも会話してないのだと思ってました。
ところがこれだけ”濃い”コミュニケーション。
思春期の高校生なら、こんな父親を嫌いになるか、スルーする。
が、スバルは、嫌がるどころか付き合う!?
なかなか真似できない、良い親子関係じゃないですか(苦笑)。
これだけ親に、ある意味鍛えられ(苦笑)、なぜ登校拒否になったのか──
グリーンピース記念日
両親と朝食を食べるスバル。
母親は、スバルのために、特別な朝食を用意していた。
父親は、テンション高めで、サバサバした性格。
母親は、マイペースで、天然系。
スバルの妙な馴れ馴れしさは父親譲り。
スバルの目つきの悪さは、母親譲りか。
これ、夕食じゃなくて、朝食ですよね?
随分、テンションもカロリーも高い朝食。
それもこれも、スバルを学校へ行かせるための両親の心遣いか?
スバルは朝起きて、朝食を両親と一緒に食べるだけでも、まだ救いがあるか。
だが、学校へ行く気はない。
胸の痛みは警告か
スバルは”いつも通り”学校へ行く気はないが、幾度となく胸を締め付けられる。
高校生スバルの生活としては学校へ行くのが日課。
不登校のスバルは、学校へ行く気はさらさらない。
だけど、時折、襲う胸の痛み。
いつもなら、学校へ間に合わない8時を過ぎれば治まるのだが、この日は治まらない。
ここでのスバルに、異世界召喚された後の記憶はない。
ただ、記憶はなくても、今のスバルは、異世界で幾つもの挫折と死を乗り越え、以前のスバルでもない。
胸の痛みは、”そこへ留まっていてはいけない”という本能からの警告か。
それとも、本心と違うことをすると胸が痛むのか?
父親は何者?
父親と外へ出かけるスバル。
父親は、周囲の人から声を掛けられる。
スバルの父・菜月賢一は、周囲の人々から随分と慕われているようだ。
ったく、どいつもこいつも・・・
たまの休日に見かけたら、失業、失業言いやがる。by 菜月賢一『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ29話
父親の職業については明かされない。
だけど、たまに見かけると「失業」と言われるのは、裏返すと、滅多に休日がないほど忙しい身ということ。
父親・賢一は、単に慕われているというのではなく、尊敬されている様子。
有名人なのか、何か偉業を為したのか。
面構え
父親は、今朝のスバルの面構えが変わっていたので、外へ連れ出していた。
スバルの不登校を、父・賢一は責めない。
無理に学校へ行かせる気もなかったのだ。
考えあってのことだとぼんやり思っているし、考えなしのことでもある程度はしゃーねーなと見逃す気でいるしな。
世間一般がどうかは知らねえけど、俺は学校が全てとは思ってないしな。
いーんじゃねーの。by 菜月賢一『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ29話
ただ、どうして学校へ行かないのかを知りたかった。
なぜ、そんな話をし出したのかが面白い。
今朝のおまえの面構えが、ちっとマシに見えてよ。
by 菜月賢一『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ29話
今のスバルに異世界での記憶はない。
だけど、異世界での成長は体に染みこみ前向きに。
それが、面構えを変えるほどになっていたのだ。
いや、ちょっとした変化も見逃さない賢一の父親としての賜物か。
不登校を責めることはないが、息子のことはよく見ていたのだ。
好きな子いんの?
by 菜月賢一『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ29話
人と触れ合ってない不登校の息子に「好きな子いる?」と聞く父親もどうかと思うが、スバルが「好きな子」を考えることで、エミリアのことを思い出すキッカケとなる。
自分を救ってくれたエミリアを。
自分を信じてくれたレムのことを。
まさか、オヤジさん、スバルをここまで変えたのは「女に違いない」とか見抜いたわけじゃないよね!?
なんだか、親子だからあり得そうで怖い(苦笑)。
好きな子できたよ、だから俺はもう・・・
スバルは、父親に、不登校になった理由を語る──
自分は特別ではないと悟ったスバルは、中学ではひたすら目立たないようにして、高校生になってから人と関わろうとしたが、上手くいかなかったのだ。
だけど、何よりも怖かったのは、変わらず接してくれる両親だった。
おまえなんか愛してない、おまえなんて大っ嫌いだ、おまえなんか・・・俺の子じゃない。
そう言って、俺を投げ捨てて欲しかった。
俺を諦めさせて欲しかった。by ナツキ・スバル『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ29話
スバルは自分の才能の限界に気づいてはいたが、諦めきれなかった。
人前に出ると、どうしても強がってしまう。
それを誰でもない両親に、言って欲しかったと言う。
スバルの「他人任せ」の悪い癖。
自分でなんとかするでなく、他人の力を頼みにするのがスバルの悪い所。
スバルが「自分に甘い」との自己評価は、このことを言っているのであれば正しいかも。
スバルの父親は、規格外の度量の大きさ。
学校へ行かないくらいで、怒ったりはしない。
自分の殻に閉じこもったくらいで、見捨てたりはしなかった。
親に言われない代わりに、スバルは異世界で体験したのです。
冷たい目で見られ、打ちのめされ、挫折し、苦しみ・・・
自分の弱さを知った上で、全てを受け入れる。
好きな子できたんだ。
それに、俺みたいなのを好きだって、そう言ってくれる子がいたんだ。その子達は、俺のことを、菜月賢一の息子だなんて知らない。
俺は、その子達の前では、ただのナツキ・スバルだ。
いや、誰の前でも俺は、ナツキ・スバルだった。
それがようやく分かったんだよ。by ナツキ・スバル『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ29話
自称”偉大過ぎる父”、”スバルにとって大きすぎる存在”。
父親・菜月賢一の正体は、よく分かりません。
が、このセリフから、かなりスバルは「菜月賢一の息子」の呪縛に囚われていたのが伺えます。
異世界召喚されても、現実世界へ戻りたいと考えなかったのは、これが原因か。
孝行したい時に親はなし・・・
父親は成長したスバルに、これからゆっくり恩返ししてくれればいいという。
スバルは、父親に何も返せないまま異世界へ来てしまったことを悔やむ──
父親はスバルの性根を正そうとするが、既に叩きのめされ立ち直っている息子に気付く。
ならば、これから時間をかけて前へ進み、親孝行してくれればいいと言う。
スバルは、異世界召喚され、現実世界へ戻る方法があるのかないのかすら分からない。
いや、今は、この異世界でやるべきことがある。
たとえ、戻る方法があっても戻る気はない。
それはつまり、父親に恩返しをできないということ──
俺、何にも返せないまま、きっともう・・・会えない・・・ごめん・・・
by ナツキ・スバル『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ29話
親子トーク 母親編
スバルは学校へ行く決心をする。
母親はやさしく声を掛ける。
スバル:そうやって息子のやる気の出鼻を挫くのよめようよ。ただでさえ他人に厳しく、自分に甘い俺なんだから。
菜穂子:スバルが本当にそんな子だったら、お母さんもこんなに苦労しなかったのにね。
by 『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ29話
母親から見たら、スバルは頑張り屋で、自分に甘くはない。
父親という高すぎる目標を目指している、目標が高すぎるということか。
なんでもかんでも、お父さんみたいにやろうとするのは止めたってことね。
by 菜月菜穂子『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ29話
あのね、スバル。
親は子供が思ってるより、子供のことをよーく見てるの。by 菜月菜穂子『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ29話
お母さん、天然だけど、いいこと言う!
スバルのことを信じ、分かっているだけに、自分の殻に引きこもるスバルに何も言えなかった。
あまつさえ、そんなスバルを立ち直らせた人に感謝する──
やっぱりあの人の子だね。
by 菜月菜穂子『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ29話
スバルは母親に、ずっと思っていたことを聞く。
あの人の子供をやれているか?と。
母親はやさしく答える──
大丈夫だよ。
だって、スバルの半分は、お母さんなんだから。お父さんの半分までカッコ良くなったら、ノルマ達成じゃない。
お父さんの半分カッコ良くなって、残り半分、スバルになったらいいんじゃない。
by 菜月菜穂子『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ29話
「父親になる必要はない」とは言わない。
なぜなら、スバルが父親に憧れているのを知っているから。
子供の頃から、スバルが父親のようになることを目指してたと知っているから。
でも、スバルの呪縛を解いてあげる。
スバルらしい、スバルの憧れの人になれば良いのだと。
いいお母さんですね!
大事なのは最後
母親と素直に話すことができたスバル。
現実世界で再び会うことができないが、それでもやるべきことを見つけたことを母親に伝える──
たくさん泣いて、最後に笑えたら、それで全部大丈夫。
大事なのは、最初でも途中でもなくって、最後なんだから。
by 菜月菜穂子『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ29話
「結果良ければ全て良し」?
そんな単純なことではないらしい。
スバルは、再び両親に会うことができるのか。
母親に宿題を返すことはできるのか。
母親の前で涙を見せるが、母に再び会いたいとは言わない。
なぜなら、異世界でやるべきことができたから。
守りたい人がいるから。
一緒にいたい人がいるから。
そこには、ナツキ・スバルでいられる世界があるから──
いってらっしゃい!
母親はスバルに、思い出したように言う──
── いってらっしゃい! ──
フラッシュバックする、異世界へ召喚されたあの日──
“無気力な”スバルに、普段通り接する母親。
「いってらっしゃい」という言葉に、何も返さないスバル。
これが、あの頃のスバルということか──
母親は、スバルと二人で歩くのは久しぶりと言っていた。
父親は、今朝は面構えが違うと言っていた。
つまり、今話(29話)でここまで描かれた姿は、過去ではない。
“今のスバル”が過去を見てきたのだ。
これが──
まずは、己の過去と向き合え──
by スバル?『Re:ゼロから始める異世界生活』TVアニメ28話
“向き合え”の意味なのか。
スバルにとって、向かうべき過去とは、両親のこと。
憧れであり、目標でもあった父親。
やさしく見守り、ずっと信じてくれていた母親。
それらを拒否し、恨んですらいた過去の自分に向き合う。
これがスバルにとっての、過去と向き合う試練だったのだ。
第29話
「親子」
おわりに (アニメ『リゼロ』29話とは)
29話は、スバルの引きこもり高校生だった過去が描かれる。
登場人物は、実質スバル一人で、物語の進展はなく地味な回。
それなのに気付けば息を呑むような、じんわり感動エピソード。
それもそのはず、EDこそあったが、CMなしのぶっ通し29分間という力の入れよう!
EDの時間を除いても約28分間。
配信アニメか!スポンサーは大丈夫なのか!?と余計な心配をしてしまう(笑)。
スバルは「自分が嫌い」だった。
神回(18話)で、スバルは自分にはなにもない人間だと言い切っていた。
その根幹の部分、比較対象が、分かりました。
スバルは、父親に憧れ、目指し、父親と自分を比較していたのです。
だからスバルは、異世界に来てから、現実世界へ戻りたいとは思っていなかったのか。
父・菜月賢一の呪縛から逃れ、伸び伸びとしていたのかも。
ところが、ずっと父親に憧れていた。
それを否定はしたくない。
スバルは成長し、ずっと抱えていたトラウマも受け入れる器になったのだ。
この試練は、自分を見直すきっかけにもなっている!?
なんだか、いやらしいけど、悪意を感じないですね、この試練。
以上、TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』29話の感想でした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
30話のレビューも書いているので良かったご覧下さい。
ではでは。
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