【文字数(本文):約1万2千文字(目安20分)】
こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『薬屋のひとりごと』第25話「猫猫と毛毛」を鑑賞しました。
本レビューではアニメ感想だけではなく、原作・コミカライズ情報も加え、個人的な解釈による解説・考察をしています。
皆さんの理解の助けになり、作品をより楽しんで頂ければ幸いです。
今回アニメ化されたのは──
- 原作
-
3巻 1話「書」 ~ 2話「猫」まで
- コミック
-
8巻 31話「書」 ~ 32話「隊商」中盤まで
今話の主なトピック (クリックすると該当項目へ)
今話で解決しなかった疑問
最下部「疑問点まとめ (Q&A一覧)」に記載
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレなし
『薬屋のひとりごと』は、小説投稿サイト「小説家になろう」連載。
ライトノベルと、月刊誌2誌で別の漫画家によるコミカライズ2作品があります。
私は、ライトノベル、コミカライズ共に未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成します。
アニメ鑑賞
+
コミカライズ、ライトノベルを読み
知り得た情報を加味して「感想・解説・考察」
よって、次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください。
なお、原作ライトノベル、コミカライズの情報は、「原作情報」として区別できるよう記載します。
- 「ヒーロー文庫」のライトノベルを ── 原作
- 「月刊サンデーGX」連載のコミカライズを ── コミック
こんな感じです
緑系の色を目印にしてね!
引用部分も次のように緑系をワンポイントに ──
宦官が驚いた表情で猫猫を見るが、そんなの関係なかった。
引出しの見出しを眺め、珍しい薬を見つけるなり踊るような奇妙な動きをしてしまう。喜びがあふれ出て、頭の中に納まりきれなかった。
「なんかの呪いか、なにかか?」四半時、そんなことを繰り返したところだった。
by 『薬屋のひとりごと』原作1巻
いつのまにか現れた壬氏が奇異の目で踊る猫猫を見ていた。
コミカライズは、別の漫画家による2作品が刊行されています。
- 「月刊ビッグガンガン」連載の「薬屋のひとりごと」
- 「月刊サンデーGX」連載の「薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜」
両方読んでいますが、本サイトでは、アニメの補完となると情報の多い➋を選択しました。
「コミック」として紹介する情報は基本➋です。
が、今後も両方読んでいくので、➊にしかない情報があれば、その時は注釈を付けて紹介します。
同じ内容なのに、2つも読むんだ・・・
その方が、理解が深まるんだよ
ちなみに、考察や疑問はオレンジ系。
補足や余談、参考情報はブルー系に色分けしているので、読む際に目安にして下さい。
2期 全24話 各話リスト
※話数:リンクは各話レビューへ
※サブタイトル:ネタバレを避けるため次話以降はマスク
はじめに
時代は中世、舞台は架空の中華風帝国。
薬と毒に異常な執着を持つ薬屋の娘・猫猫は、後宮で玉葉妃の侍女として働いていた。
宮中では大衆小説が大流行。
下女の小蘭まで字を覚えたいと言うほどだった。
好きこそ物の上手なれ、楽しむ心が成長の鍵。
大衆小説、性教育、薬、毒。
キッカケは何でも良く、今後生きていく為、自分の身を守る為にも知識は必要。
何せ、主人公・猫猫が一番の成功例。
回りくどいやり方をしているが、自発的にやる気を促すには結果的に一番の近道か。
それともストレートに指示できない理由が?
それにしても、日常シーンなのに動きの作画が高カロリー(笑)。
作画も安定、猫猫は平常運転、壬氏様の好意も平行線・・・。
安定の2期スタートです!
では、今話を振り返っていきましょう。
感想&考察レビュー 第25話「猫猫と毛毛」
書
猫猫は玉葉妃の毒味役としての日常へ戻っていた。そんな中、後宮ではあまり上品な娯楽として扱われていない大衆小説が大流行。そこには壬氏の思惑があった。
梅梅
フッ。
by 梅梅『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
2期スタートは、意外や意外、梅梅姐さんがトップバッター!
原作やコミカライズにはないので、アニメオリジナル?
1期からご覧になった方なら、あの羅漢に感動させられてしまった複雑な心境を思い出されたのではないでしょうか。
そうです。
梅梅姐さんが片付けているのは長年鳳仙がいた離れ。
鳳仙は羅漢に身請けされたので、緑青館を出ていったのです。
それで離れを掃除していたのでしょう。
梅梅姐さんは羅漢に恋心があり、猫猫に賭け勝負で負けた罰として、羅漢は梅梅を身請けしようとしました。
が、梅梅は鳳仙の存在を明かし、羅漢に選択を迫り、結果失恋したのです。(24話 )
その心境や如何程に・・・。
と思っていましたが、今話の梅梅姐さんを見ると表情は晴れやか。
吹っ切ったようですね。
こういう後日談好きなので、嬉しいアニメオリジナルです!
梅梅さん幸せになって欲しい
そうだね
(でもまだ結婚して欲しくない気も…)
離れに誰もいなかったので、鳳仙は亡くなったと思った方もいるのではないでしょうか。
(このタイミングでは)原作でも触れられていないので、実際、どうなったか分かりません。
ただ前話(1期24話)、梅梅から手紙を受け取った時の原作部分に ──
病に侵されたあの女はそんなに長くないだろう。昔の記憶もなく、ただ童女のように歌い、碁石を並べるだけしかできない。
by 『薬屋のひとりごと』原作2巻
「あの女はそんなに長くないだろう」と、猫猫の心情描写があります。
なので、(願いも込めて)私はまだ生きていると思っています。
身請けとは、妓楼を出て誰かの家に行くということ。
離れにいないのは、七日七番宴をした後、羅漢に身請けされたのでしょう。
今は、昔の記憶もなく童のような状態でも、羅漢と共に幸せな時間を過ごしているのではないでしょうか。
羅漢が出てこないのが、その証拠。
羅漢が再び猫猫や壬氏の前に登場した時は・・・そういうことではないでしょうか。
楼蘭妃
園遊会の後、子昌殿から侍女の増員を打診された。
── ですが、この人数は・・・。
ああ、これでは他の婦人達の矜持が保てないな。
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
子昌とは、楼蘭妃の父親。
厄介なのは、何を考えているのか分からない目だ。
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第22話
子昌、楼蘭妃の実父で女帝の寵愛を受けた男。
今なお、帝は頭が上がらない。
現帝ですら頭が上がらないとのこと。
そんな子昌から打診されれば侍女を増員せざるを得ないのでしょう。
それにしても、なぜ楼蘭妃にこんな大勢の侍女が必要なのでしょうか・・・。
楼蘭妃は、なぜそこまで侍女を増やす?
やぶ医者
何をやっている?
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
医局でやっているので、皆に役立つ薬でも作っているのかと思いきや香油。
薬と言えば薬かもしれませんが、どちらかと言うとケア商品。
なぜやぶ医者が手伝っている? また猫猫が上手いこと言って使ったかと思いきや・・・。
原作によると ──
足の怪我が完治しない猫猫に代わって手伝ってくれている
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
なんと、猫猫の足がまだ完治していないので、本来やぶ医者の仕事ではないだろうに、手伝ってくれていたのです。
後半の子猫を甲斐甲斐しく世話することといい、ホントやぶ医者は、人はいいんですよね~~
言い方…
EDのCASTに見知らぬ名前があり、誰のことだろうと少し調べると・・・。
なんと、やぶ医者が、「やぶ医者」ではなく名前で記載されていました。
やぶ医者は、「虞淵」と言う名前だそうです。
なぜ、このタイミングで名前が出てくる?
── 何か御用でしょうか?
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
これだけ香りが強いと、誰だって気になるだろ。
後宮は広く、医局の近くまで来ないと香りなど分かりません。
香りがしたからといって医局に来たのは、でまかせもいいとこ(苦笑)。
ま、猫猫は理由など気にもしていませんが(爆)。
猫猫さん、相変わらずの平常運転!
この二人の距離感、なんか好き!
高順が頭を抱えていたのは ──
「これだけ香りが強いと誰だって気になるだろう」
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
ふてくされたように壬氏が唇を軽く突き出していた。その様子にお付の高順は、眉間にしわを寄せる。
(もっと威厳を持とう)
高順はそう言いたいのかもしれない。
どうやら、壬氏が子供っぽい仕草をしたので気になったようです。
壬氏が子供っぽい仕草をすると、高順が頭を抱えるのは ──
完璧な宦官管理人として振る舞わなくてはいけないからです。
かつ、実年齢より上の24歳を演じているので、子供っぽくならないよう気を付けています。
妊娠
やぶ医者は人はいいが口が軽い。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
まだ玉葉妃の妊娠は、知らせないほうがいい。
玉葉妃は、現在2人目を妊娠中です。
ただ、その事実を知っているのはごく僅かです。
秘密を守るには知っている人を最小限にするのが一番。
やぶ医者は人は良いですが、黙っていられるタイプではありません。
だから、まだ秘密にしているのでしょう。
猫猫に医学の知識もあるからできることだね
そっか、専属医に教えないってそういうことだよね
猫猫スゴッ!
アルコール消毒
酒を蒸留しています。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
何度も蒸留させると、濃いアルコールが取れるんです。
香油以外に消毒用のアルコールも作っていました。
こちらはまだ幼い鈴麗公主の健康を害さないよう、清潔を保つため。
同時に、大事な時期である玉葉妃の健康を保つためでもあるのでしょう。
猫猫さん、ほんと物知りで、よく考えています。
よく知ってるな。
── 西方ではそう使うと。ああ、たしかお前の義父は・・・。
by 壬氏『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
壬氏の言葉が遮られましたが、何を言いたかったのでしょうか。
それは1期、街歩きした際、話題にしていましたね ──
漢方のみならず、西方の医術まで心得がありますから。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第17話
若い頃には西方に留学していたこともあったそうです。
猫猫の育ての親・羅門は、西方に留学していました。
猫猫は、西方の知識をオヤジから聞いていたのです。
アニメではカットされていますが、原作では ──
「ええ、西方ではそう使うそうです」
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
猫猫の養父は、西方に留学していた経験があり、猫猫も聞きかじりだがその知識がある。自分に他人より優れている部分があるとすれば、そういう養父から受け継いだ知識だと猫猫は思う。
猫猫は、自分が物知りだとしたらオヤジのお陰だと自覚しています。
アレな書物
何の書物かといえば、あれである、あれ。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
アレとは、梨花妃と玉葉妃から指名されて、上級妃相手にやった講義で使った本のこと。
猫猫が講義したのは、一流妓楼・緑青館で実践済みの門外不出の秘術。(14話 )
その教材が、いわゆるアレな本ですね(笑)。
まあ、いわゆる「春画」というやつですね。
せっかく紅娘様にバレないよう医局に届けてもらったのに。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
紅娘とは、玉葉妃の侍女頭。
猫猫が今働いている翡翠宮に送ると、侍女頭に見つかる可能性があったので医局宛にしていたのです。
愛読する帝のために取り寄せていたものを、少しばかり販路を増やそうと大目に頼んだのだが・・・。
間が悪かったか・・・。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
さて、復習しましょう(笑)。
こんなの復習する事あったっけ?
そう?
キチンと覚えているかな?
「少しばかり販路を増やそう」ということは、既に販路があるということ。
既にある販路とは、どこ(誰)でしょうか?
覚えていますか?
はい、帝ですね。
そして、もう一人、梨花妃です。
えっ、あっ!
そうか梨花様もだった!
帝の一番のお気に入りは玉葉妃。
玉葉妃に負けないよう、テクニック?を磨くために講義の後も新作?を入手して勉強しているようです。
もともと猫猫に講義を頼んだのも梨花妃。
講義中も一番熱心だったのは梨花妃でしたしね。
原作では、改めて説明されています ──
皇帝のほか、梨花妃も愛読している。
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
それにしても、隙あらば儲けようとする商魂たくましい猫猫。
猫猫は、十分給金をもらっていると思いますが、どうしてこう守銭奴なのでしょうか。
やり手婆の影響でしょうか?
その疑問への答えは、原作にありました。
猫猫とて金にがめついわけじゃない。しかし、こうして稼がなくては花街に残してきたおやじが食いっぱぐれる可能性もある。人のいいおやじのことだ、やり手婆に言いくるめられて、只同然の仕事ばかり貰っているに違いない。
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
なんと、オヤジのためだったのです。
猫猫偉い!
そう思われないのは、日頃の行いか…
物足りない?
ですが、帝が今までのでは物足りないと・・・。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
どうやら、検閲が必要なほど過激な物が一部あったようで・・・。
さて、なぜ帝は癖の強いものを所望されるのでしょうか。
大体、玉葉妃や梨花妃がいるのに、なぜそんなものに走るのでしょうか?
そうじゃん!
なんか失礼!
これは、フォローしておかないといけないですね。
帝が2次元に走ったのは、玉葉妃が妊娠しているからですね。
帝は好色です。
(原作によると)玉葉妃の元へは3日と空けずに通い。
玉葉妃が1人目妊娠中は、梨花妃の元へ通っていました。(4話 )
今現在、玉葉妃は2人目を妊娠中です。
母体に無理をさせては子供に影響を与えてしまいます。
猫猫は、壬氏を通して帝に夜の営みを控えるようお願いしています。(21話 )
帝は、夜の営みは控えるものの、翡翠宮への訪問頻度は変わらず。
その結果、周囲から見ると玉葉妃が妊娠を勘繰る人はいない、というわけです。
アニメ化されていませんが、状況を分かっている猫猫は、ちょっと帝を気遣います。
ただ、少し物寂しそうな顔をたまにするので、妃教育の残りの教材を渡すことにした。時間潰しにくらいなるだろうと。
by 『薬屋のひとりごと』原作2巻
予備に何冊か持ってきたのはいいが、残念ながら欲しがる侍女はいなかった。
どんな教材なのかは言わずもがな。
(二次元で我慢してくれ)
こっそりと目につくところに置いておいたのだが、気付いてくれたらしい。
どうやら気に入ってくれたようで、追加を所望されたのです(笑)。
帝が我慢できている理由の一つに、この教材が役に立っているようですね。
大衆小説
きれいな花が咲く、その下に、私は何を求めるのか。
by 小蘭『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
突如、後宮内に流行りだした大衆小説。
大衆小説か。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
上流階級ではあまり上品なものとして扱われないのに、どうしてこれを・・・。
なぜ大衆小説は、上品なものとして扱われていないのでしょうか?
原作によると ──
意外というのは、上流階級の社会では小説はあまり上品なものとして扱われないからだ。創作の物語は史実に劣るという認識による。
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
どうやら、『薬屋のひとりごと』作品内では、創作は史実より劣るという固定観念があるようです。
ところが、読んでみると面白い。
娯楽の少ない後宮の環境も後押ししたのでしょう。
一気にその小説は大流行したのです。
この印、この間、壬氏様に教えてものだ。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
その大衆小説には、見覚えのある書店の印が・・・。
猫猫はすぐに理解します。
これは壬氏が仕掛けたものだ、と。
あの時、壬氏と高順が感心していたのは印刷技術の高さ。
妃に配ったのは、人気の大衆小説でしょう。
(原作によると)店を教えたのは10日ほど前。
壬氏達は、わずか10日で書店に調整して100冊もの大衆小説を印刷、納品させたのです。
いや、あまりに早すぎますね。
現代だって、そこまでのスピードで書籍化できません。
一番時間かかるのは、作者や出版社等との調整です。
猫猫が教えたのは書店です。
その書店で既に扱っている、人気の大衆小説を仕入れたのではないでしょうか。
せいぜい、追加でお願いしたのは100冊の増産。
だから ──
高順様が、新しいのができたらまた配って下さるって。
by 貴園『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
と言っていたのではないでしょうか。
それなら10日程で妃の手元にあるのも納得です。
いずれにせよ仕事が早い!
写本
この冊子本体を渡さずとも、書き写せばよろしいのではないですか?
- 中略 -
壬氏様たちの考えに沿うなら、たぶんこれが正解だろう。
後宮内に書物が出回れば、文字を読もうとする者達が増える。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
それが流行りの大衆小説であればなおさら。
写本と言えば聞こえはいいですが、いわゆるコピー品ですね(笑)。
原作では ──
(本来ならあんまりよくないことだろうけど)
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
これを手配した壬氏たちの考えに沿うとすればこうだろうと、猫猫は口を挟むことにした。
「この冊子本体を渡さずとも、書き写せばよろしいのではないですか」
猫猫は、悪いことだと分かった上で提案しています。
壬氏が「女官の識字率」を上げたいから大衆小説を配ったのだと、猫猫は見抜きます。
ですが、おかしいですね。
女官の識字率を上げたいのであれば、妃だけでなく女官にも大衆小説が届くようもっと多く用意すれば良いのです。
なのに妃のみ。
猫猫の予想では100部程度。
女官に届かせるためには、猫猫が提案したように写本しなくてはなりません。
写本は、手間がかかるだけではなく、紙代だってバカにはなりません。
そんなの、精算できないでしょうから自腹です。
だから ──
それにしても、回りくどいことをするものだな。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
猫猫も、疑問に思ったのです。
一体、そこにはどんな意図が隠されているのでしょうか?
ヒントは、小蘭のセリフにありそうです。
せっかく時間かけて書いてくれたのに、私がそんなズルしちゃいけないよ。
by 小蘭『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
なるほど。
愛藍のように教養もあり優しい人は、他の子達のために手間をかけ写本。
文字を読めない子は、感動して字を学びたくなる。
好きこそ物の上手なれ、楽しむ心が成長の鍵。
自分が面白いと思ったことを、(手間暇かけてでも)人に共有したい。
自分の為に時間や労力をかけてくれた事に報いたい。
単に文字を覚えろと教育するより、ずっと効果が高そうです。
この流れを作りたかったのかもしれないですね。
おお~~壬氏様凄い!
小蘭
ねえ猫猫!
by 小蘭『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
字を教えて欲しいの!
どうやら大衆小説の効果は覿面。
あの噂話とお菓子にしか興味なかった小蘭が文字を学びたいと言い出したのです。
せっかくだから書けるようになりたい。
by 小蘭『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
後宮を出たら自分で仕事を探さなきゃならないし、文字を書けると便利なんでしょ。
小蘭は、後宮を出た後のことも考えていたのです。
後宮への奉公は、2年間です。(1話 )
では、小蘭はあとどれ位働くのでしょうか?
それは原作に記載がありました ──
小蘭が後宮に来たのは猫猫とほぼ同時期だ。奉公期間は二年だから、もうあと一年を切っている。親に売り飛ばされてきた小蘭は、今さら家に戻ることはできないだろう。
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
小蘭が後宮にいられるのは、あと1年もないようです。
親に売り飛ばされたので家に戻ることもできず。
ならば自分で働いていかなくてはならないのです。
小蘭えらい!
猫猫は、小蘭の心意気に打たれ、詰め込み気味で勉強しようと言ったのです。
小蘭に感動したのに薬関連から入ったのは…お約束ですね
猫
元気に育った鈴麗公主を初めて宮内の外へ散歩に連れて行くことに。そこに小さな珍客が現れ・・・。
鈴麗公主
鈴麗公主のお散歩の許可が下りたんですか。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
── 猫猫は花や生き物に詳しいから、散歩の時に鈴麗に教えてあげてくれる?
── 玉葉様、それはダメです。碌でもないものばかり教えます。
──あら、役に立つと思うんだけど。将来どこへ嫁ぐか分からないでしょ。まだ幼い公主だが、あと10年もすればどこかへ嫁ぐ可能性が出てくる。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
原作によると、鈴麗公主は1歳半。
あと10年経っても11歳なのでまだ早い気もしますが・・・。
『薬屋のひとりごと』作品内では、結婚話が出てきてもおかしくはない年齢。
恵まれた環境に嫁げるとは限りません。
今のうちに生きる知恵を付けてあげたいと、なかなか抜け目のない母・玉葉妃なのでした。
子翠
見つけた!
by 子翠『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
これいるの?
※名前はEDのキャスト紹介から
「見つけた」と言っているので、子猫を探していたのでしょうか?
でも、すぐに猫猫に渡します。
なぜ「見つけた」と言ったのか不明ですね。
小蘭と同じ洗濯係の服を着ています。
が、原作によると、猫猫には面識がないようです。
捕まえた人物は見知らぬ女官だった。
「これ、いるの?」
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
妙にあどけない口調だった。背丈は高いのに、顔立ちは幼い。齢は猫猫と変わらないか、それより若いかもしれない。小蘭と同じ尚服の衣を着ている、どこかちぐはぐな雰囲気の女官だ。
猫猫が見たことないということは、どこかの侍女か(ならばなぜ洗濯係の服?)、最近後宮に来たばかりか・・・それとも・・・。
それに「ちぐはぐな雰囲気」というのも気になりますね・・・。
ちなみに、子猫を捕まえるのに猫猫が飛びかかるのはアニメオリジナルです。
原作には、ありません。
なぜなら、猫猫の足はまだ完治していません。
あんな激しい動きをすれば、また出血してしまいますね(苦笑)。
アニメでの変更は、まあ動きを入れたかったのでしょう。
にしても今話日常系なのに、細かいところまでよく動いている
子猫
しかし、おかしなことだ。
後宮には愛玩動物の類いはほとんどいない。動物を飼うには許可が必要で、犬猫の場合、去勢も必要である。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
一体、どこで生まれた子猫なのか・・・。
ここは後宮。
後宮内では、ペットは許可制。
かつ、繁殖しないよう雄は去勢されるという。
許可制ということは、後宮内ので愛玩動物は把握されているということ。
それでいて、犬猫は去勢されているので子供は産まれないはず。
なのに、(生まれたばかり?の)子猫が見つかったのです。
これは一体どういうことでしょうか?
出所が分からなかったので、後宮外で生まれた子猫が後宮に出入りする荷車に紛れ込んだのだと結論付けられましたが・・・。
こんな小さい子猫が荷車に乗り込めるでしょうか。
そういや、あの子、猫見た瞬間「見つけた」と言ってたな…
あっ…
そういうこと?
さあ、まだ分からないね
子猫はどこから来た?
去勢
── メスか。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
はい、去勢する必要がなくて、良か・・・ハッ、申し訳ありません。
── いや、気を遣う必要はない。
後宮で犬猫を飼うには、繁殖しないよう雄は去勢するのが決まり。
それが必要ないことを、うっかり(去勢している)宦官の前で言ってしまったのです(苦笑)。
めずらしく茶菓子を用意するほど悪いと思った猫猫。
そこで見つけたのはソーセージ!?
さすがにこれを出すのはな・・・。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
確かに、去勢の話をした後に出すものではないですね・・・。
それにしても、なぜ医局にソーセージが!?
原作によると、これは子猫に乳を飲ませるためにもらってきた腸の残りで作ったようです。
では、そのソーセージはどうしたのかと言うと・・・。
猫猫はそっと香腸を棚の奥に置いて、代わりに煎餅を持ってきた。ちなみにやぶ医者は、遠い目をしながら食べていた。
by 『薬屋のひとりごと』原作3巻
やぶ医者が遠い目をしながら食べていたそうです・・・。
遠い目?
昔を懐かしんでいたんだろうね…
ちなみに、忘れがちですが、壬氏は去勢していません。
1期1話から伏線があり、総合的に考えて壬氏は去勢していませんね。
後宮は帝の子を成すための女の園だ。
男子の立ち入りは一切禁止。
入れるのは、国で最も高貴な方と、その血縁。あとは大切なものを失った元男性である宦官だけ。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第1話
壬氏の正体は帝の血縁です。
現時点、可能性が高いのは帝の弟。(19話 )
弟だとしても身分を隠しているのだから去勢している、との考えもあるでしょう。
が、去勢していないと思われる根拠が既に描かれています。
20話で、壬氏は性欲を抑える薬(芋の粉)を服用しています。(20話 )
去勢しているなら、性欲を抑える薬を飲む必要はありません。
それに、高順もこんなことを言う必要はありませんね。
そのうち、本当に不能になりますよ。
by 高順『薬屋のひとりごと』TVアニメ第20話
壬氏様は今不能ではないから、「本当に不能になりますよ」と心配されたのでしょう。
毛毛
その後、子猫は皇帝より”盗賊改“という大層な役割が与えられた。
by ナレーション『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
要するに医局の備蓄を荒らすネズミを退治するのである。
子猫には、帝から”海賊改”の役割が。
「改(め)」には「新しくする」という意味以外に、「取り調べる」「正す」という意味があります。
「盗賊改」とは、盗賊を取り締まる役目。
医局で言うところの、ネズミ退治の役目を仰せつかった、ということです。
そして、名前も授かったようですね。
しかし、名前が毛毛になったことだけは解せないな・・・。
by 猫猫『薬屋のひとりごと』TVアニメ第25話
猫猫とは漢字とイントネーションが違う毛毛。
この流れからして、名付け親は帝でしょうか。
実際、「猫」も「毛」も中国語で発音すると「マオ」になるようです。
日本人からすると「モウ」というイメージですが(笑)。
猫猫を意識して名付けたのではなく、子猫の毛がふさふさで愛らしいので毛毛と名付けたのかもしれませんね。
読みが猫猫と同じになったのは、きっと偶然・・・そんなことはないか(笑)。
2期もミニアニメ『猫猫のひとりごと』がありました!
『猫猫のひとりごと』の豆知識は役立つだけじゃなく作品理解の一助にもなるんですよね~~。
2期でも継続してくれて嬉しい限りです♪
さて、今話は ──
なんと猫猫さん、筆だけではなく別の金儲けの手段を思いついたようです(笑)。
おわりに (『薬屋のひとりごと』25話とは)
いや~~始まりました『薬屋のひとりごと』2期!
アニメを鑑賞してX感想考え。
コミカライズ2冊読んで、その後原作読んで、レビューを書く。
久しぶりのこのルーティン。
2期開始したのでレビューのフォーマットも改めて作り直し。
レビュー1本書くのに随分時間かかってしまいました。
大変そうだね…
結構ね…でも…
そんな手間や時間さえも楽しい!
どんな話が始まるのか楽しみにしながら見ていると、半分・・・は言い過ぎか、1/4は1期のおさらい。
アニメオリジナルも入れ、1期のキャラクターや出来事を思い出させてくれました。
折角だからと、私も一つ一つ拾って解説していたら1話から1万文字超に(苦笑)。
いや~~1話から長文すみません。
楽しいし嬉しくて筆が止まりませんでした(笑)
さて、遂に始まった『薬屋のひとりごと』2期。
一体、どんな話になるのでしょうか。
『薬屋のひとりごと』2期放映決定時の記事には、こんなことが書かれていました。
日向夏(「薬屋のひとりごと」原作者)コメント(抜粋) ──
薬屋は元々小説四巻で綺麗に終わりという気持ちで書いていたので、三巻以降のエピソードがアニメ化するとなれば、手を合わせるしかありません。
by コミックナタリー
一期を観ていたときに視聴者の皆さんが覚えたであろう違和感が、二期でおそらく解消されるかと思います。
2期は、1期と同じく連続2クール。
1期同様のアニメ化ペースだと、原作3、4巻が映像化されるはず。
謎や伏線は1期から既に巻かれていることは認識済み。(24話レビュー「おわりに」 )
これらが全て解消される!?
だとしたら、こんな嬉しいことはありません!
一体全体、どんな物語が始まるのでしょうか。
全24話、半年間、一緒に楽しんで行きましょう!
以上、TVアニメ『薬屋のひとりごと』第25話の感想&考察レビューでした。
長文にもかかわらず、最後まで読んで頂きありがとうございます。
次話のレビューも書く予定です。
良かったらまたお越し下さい。
最新情報はX(@toki23_a)にて!
ではでは。
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疑問点 まとめ(Q&A一覧)
この章では、疑問点をまとめていきます。
- 今話で発生し解決した疑問は、本文で解説して本章(ここ)でまとめ
- 今話で解決しなかった疑問を、疑問XX-XX(話数-通し番号)として記録
⇒ 本章(ここ)でまとめ - 答えは、推測ではなくできるだけ(原作含む)作品内で明らかになった事実を記載
※推測が入る場合は、断りを入れる
⇒ 解決した疑問は、次話で削除
今話で解決した疑問 (クリックすると答えが表示されます)
今話で新たに発生し、解決しなかった疑問
- 疑問 25-01 楼蘭妃は、なぜそこまで侍女を増やす?
- 疑問 25-02 子猫はどこから来た?
残っている疑問 (クリックすると表示されます)
- 疑問 02-01 壬氏は、後宮管理者なのに、なぜ後宮の外まで判断を求められている?
- 疑問 02-02 水差しの弁償、仕送りから引いたのは期間限定?
- 疑問 02-03 結局、秘薬は何の為だったの?
- 疑問 03-01 西都の玉葉妃が、異国の姫とは?
- 疑問 05-01 粉を染み込ませた木簡は、誰が何に使っているのか?
- 疑問 05-01 簪(かんざし)を渡す意味は?
- 疑問 06-01 園遊会で、なぜ壬氏は違うカンザシを挿し、襟が乱れていたのか?
- 疑問 09-01 壬氏と亡くなった武人・浩然との関係は?
- 疑問 10-01 後宮内の事件に最終判断を下しているのは誰?
- 疑問 10-03 現帝の東宮時代、妃はなぜ一人しかいなかったのか?
- 疑問 11-01 阿多妃を南の離宮に住ませるのは、帝の愛着か、それとも・・・
- 疑問 11-02 阿多妃の子は生きているのか?
- 疑問 12-01 やり手婆は、なぜ猫猫を妓女にしたい?
- 疑問 13-01 壬氏は、帝に何を頼まれたのか?
- 疑問 14-02 爆発現場にあった上等なキセルは、倉庫番のもの?
- 疑問 15-01 馬閃は、なぜ猫猫を嫌っている?
- 疑問 17-01 壬氏は、なぜ変装しなくてはならない?
- 疑問 17-02 壬氏は宦官なのに、なぜ武官のような野営を知っている?
- 疑問 18-02 使い物にならない妓女を、やり手婆はなぜ離れに住まわせている?
- 疑問 19-03 「何か起こったあとでは遅い」猫猫は、過去にどんな経験をしたのか?
- 疑問 19-04 羅漢は、猫猫を抱きかかえる壬氏を見て、なぜあれほど驚いた?
- 疑問 20-01 なぜ翠苓のことを秘密裏に終わらせた?
- 疑問 20-02 壬氏は、なぜ身分を隠し、後宮管理者として生活している?
- 疑問 20-03 楼蘭妃は、なぜ訪れる度に雰囲気が変わる?
- 疑問 21-01 やぶ医者より先に後宮へ来た姉は、今どこにいる?
- 疑問 21-02 先の皇太后は、なぜ木の伐採に制限をかけた?
- 疑問 22-01 猫猫は、なぜ爪紅を流行らせた?
- 疑問 23-01 賭け対象にした「妓女の身請け」の狙いは?
- 疑問 23-02 羅漢に届いた文と巾着、誰が開いたのか?
- 疑問 24-01 壬氏は、なぜ霊薬を集めている?
1期の残が多いので、時間あるときに整理します
今週の感想ツイート
#薬屋のひとりごと 25話
— 時文@ここアニ(『チ。』レビュー中) (@toki23_a) January 11, 2025
好きこそ物の上手なれ 楽しむ心が成長の鍵
小説 性 薬 毒
入りは何でも良く、今後生きてく為自分の身守る為にも知識は必要。猫猫が良き成功例。回りくどいが結果それが近道か、それともそうせざるを得ない理由が?
日常なのに動きの描きが凄い😆安定の2期スタート!
原作未読
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アニメ『薬屋のひとりごと』次話のレビューはこちら!