こんばんは。時文(@toki23_a)です。
TVアニメ『バビロン』第10話「決意」を鑑賞しました。
とうとう、ドイツにまで「自殺法」導入の都市が現れた。
サミットを控え、G7の国を狙っているのか。
各国首脳は「自殺法」に関してスタンスを示さなくてはならない状況に。
では、TVアニメ『バビロン』10話の感想レビューをどうぞ。
今話の原作
本レビューの方針
本レビューは、次話以降のネタバレはありません。
アニメ鑑賞後の感想
+
原作小説を読み
知り得た情報を加味して「解説・考察」
私は原作小説未読です。
アニメ鑑賞後、アニメ化済み時点までの部分を読み、レビューを作成しています。
よって・・・次話以降のネタバレはなしなのでご安心ください。
作品レビュー 一覧
話数 | サブタイトル | 原作巻数 | ページ数 | 原作R |
第1章 「一滴の毒」 | ||||
第1話 | 疑惑 | 1巻 | 136P | 1巻① |
第2話 | 標的 | 93P | 1巻② | |
第3話 | 革命 | 83P | 1巻③ | |
第2章 「選ばれた死」 | ||||
第4話 | 追跡 | 2巻 | 128P | 2巻① |
第5話 | 告白 | 49P | 2巻② | |
第6話 | 作戦 | 72P | 2巻③ | |
第7話 | 最悪 | 53P | 2巻④ | |
第3章 「曲がる世界」 | ||||
第8話 | 希望 | 3巻 | 56P ※ | 3巻① |
第9話 | 連鎖 | 67P | 3巻② | |
第10話 | 決意 | 79P | 3巻③ | |
第11話 | 開幕 | 93P | 3巻④ | |
第12話 | 終 | 50P | 3巻⑤ |
話数:リンクは各話レビューへ
原作R:リンクは各原作レビューへ
※:8話前半は先の部分が元ネタ。そのページ数(7P)を含む
話数 | レビュー |
全体 | 【ネタバレあり】感想レビュー |
今回のあらすじ
舞台はアメリカ合衆国。
自殺法を導入したハートフォードの市長フローレスに曲世の接触があったのは間違いない。
「自殺法」を導入する都市は、ドイツ、イタリアにも現れた。
齋と曲世の狙いはG7主要国首脳会議国の都市か。
各国トップは「自殺法」に対しての見解を示さなくてはならない流れになってきた。
ハートフォードの性急な「自殺法」導入の裏には曲世の存在があった。
曲世がフローレス市長に電話をかけたのはドイツから。
ほどなくドイツのハイデルベルグで自殺法導入を決定したとの情報が入る。
曲世と齋は、先進7ヵ国の国を狙っている可能性が高くなった。
目的は分からないが、ターゲットとしている国は分かった。
一体、何を企んでいるのか・・・
それぞれの首脳陣は「自殺法」に対するスタンスを明らかにしなくてはならなかった。
では、順を追って見ていきましょう。
感想レビュー 第10話「決意」
アバンタイトル
曲世はフローレス市長に電話で話していたのだ。
曲世はドイツから電話をしていた。
そこへドイツ・ハイデルベルグ、イタリア・ボローニャが自殺法導入を決定との情報が入る。
曲世はG7、主要国首脳会議の国の都市に「自殺法」導入を目論んでいるのだ。
1番目:日本 新域
2番目:カナダ ハリファックス
3番目:フランス グルノーブル
4番目:アメリカ合衆国 コネチカット州ハートフォード
5番目:ドイツ ハイデルベルグ
6番目:イタリア ボローニャ
7番目:イギリス ?
そこで、正崎はイギリスに連絡を取って、自殺法導入を止めようとしたのです。
止められないにしても曲世を見つけられるかもしれないですしね。
Aパート
ドイツ オットー首相との会談
アレックスは、ドイツ連邦共和国 首相のオットー・ヘリゲルとテレビ会談。
ドイツ首相は、「道徳」と「法」は変わりうるので、「自殺法」も検討する必要があると言う。
道徳と法は変わりうるという点で一面の真理を含んでいるのだ。
これまで正しかったことが、これからも正しいとは限らない。
by ドイツ連邦共和国 首相 オットー・ヘリゲル『バビロン』TVアニメ10話
なかなか考えさせられます。
確かに人間社会はこれまで正しいと思われてきたことを覆して発展してきた。
自殺法が自然発生で生まれた思想なら検討する価値はあるでしょう。
が、今回は、曲世愛の特殊能力で”強制的に思想を変えさせられている”のです。
だから、そこをはっきりとさせないといけないと思うのですが・・・
曲世の存在を知らない、または曲世の能力を信じない人にとっては、強制されたとは思ってないのでしょう。
この現象。
曲世たちがやっていること。
影響力で言うと、自殺をさせることよりヤバいです・・・
録音なら大丈夫?
正崎とハーディは振り返る。
曲世の声を聞いたフローレス市長は影響を受けていると正崎は確信する。
が、ハーディは何も変化はなかった・・・
しかし、俺も声を聞いたがなんともないぞ。
by FBI捜査官 サミュエル・ハーディ『バビロン』TVアニメ10話
ここが、確かによく分からない。
正崎も曲世の能力効果をどう理解すればいいのか悩んでる様子。
前回(9話)終盤 、録音された曲世の声を聞いたのは正崎、ハーディ、医療施設の女性の3人。
その後、3人とも変わった様子はなかった。
しかし正崎は、聞いた瞬間、幻聴のように曲世の声を思い出す。
まさに”曲世の声が正崎へ入ってくる”描写があった。
まるで正崎も曲世の影響下にあって、堪えている──というような描写。
これは、正崎が今回の録音を聞いて影響されたのではなく、既に影響下にあるということか?
それとも、曲世の声を聞いて、毎度こういう感情になって、堪えていたということか?
少なくとも、ハーディや施設の女性は影響されなかった。
曲世の声の能力は、録音では効果がないのか?
それとも、内容?
今回は「神の存在を信じない」洗脳をされた。
元々神の存在を信じない人にとってはなんら影響がないということか?
うーん、まだまだ分からないですね・・・
少女は母親の後を追う
ついさっき母親を看取った少女が、正崎とハーディの目の前で川に身を投げる。
ママの側に行くの。
偉い人も「いい」って言ってたよ。
by 少女『バビロン』TVアニメ10話
偉い人とは、先日医療施設を訪ねたフローレス市長。
一体、何を言ったのか・・・
Bパート
「自殺法」ではなく「自殺教」!
正崎とハーディは再びフローレス市長を訪問。
曲世との会話の録音を聞かせると、「自殺法」を決断したのは、この電話の後だった気がすると言う。
そして、川に身を投げた少女のことについては──
施設から帰り際、彼女は「ママが死んだらどうしたらいいか」と尋ねてきた。
だから私は答えた。
「死は恐れるものではない、君も受け入れるべきだ」と。
by ハートフォード フローレス市長『バビロン』TVアニメ10話
うーーむ。
この言葉、私なら「”母親の”死は恐れることではない」だから「”母親の”死を受け入れて、前を向いて生きなさい」という意味に取ります。
「君も受け入れるべきだ」=「自殺すべきだ」とは随分、自殺に酔狂している考えではないでしょうか?
母親を亡くし、弱っている子供が聞くとそう解釈できるのだろうか?
市長もそんなつもりはなかったのだろうと思っていたら、違いました。
市長もそのつもり(後追い自殺)するように言っているようです・・・
残酷。
そう思うかもしれん。だが、絶望からは救われたはずだ。
彼女は選択をしたのだ。
死を選ぶことで、心の平穏を取り戻し、そして母親の元へ旅立った。そんな彼女の選択を、意思を、君は否定するのか?
by ハートフォード フローレス市長『バビロン』TVアニメ10話
なんなんだこの市長は?!
どうやら、市長、およびハートフォード市の根底にある前提条件が既に違うと推測されます。
「自殺法」導入が宣言されたハートフォードでは自殺の権利が説明され、“自殺は悪いことではない”ことが浸透していると思われます。
むしろ、この市長の口調だと、自殺を勧めているように聞こえます。
これでは、自殺の権利を認める「自殺法」ではなく、自殺を推奨する「自殺教」です!
正崎がアレックス大統領に招待される
アレックスは正崎を自宅に招く。
自殺に関して正崎の意見を聞くためだ。
なぜかこの作品、アメリカ大統領アレックスの会話だけ、どうも噛み合ってない。
いえ、きっと私の理解力が足りないのでしょう。
なぜなら、他の人の会話は噛み合っているからです。
このシーンでもアレックスは正崎に「自殺」について正崎の考えを問います。
善、多分ここ最近の君は、世界の誰よりも多くの死に触れている。
自殺法の世界を一番近くで見てきている。
だから、君に聞きたかった。自殺について、人の死について、君がどう感じているのかを。
「自殺法」の是非を判断するために。
by アメリカ合衆国大統領アレキサンダー・W・ウッド『バビロン』TVアニメ10話
大統領は「自殺法」の是非を判断するために、人の死について、多くの死を見てきた正崎に尋ねたのだ。
ところが、正崎が答えたのは曲世に殺された仲間の話。
これはこれで良い話でした。
特に瀬黒に関しては、「憧れていた」のですね。
10歳近く年下の部下に憧れていたのです。
それだけ見習うべき点が瀬黒にあったということ。
が、殺人が悪いことだと言うのは、正崎から聞かなくても解ること。
なぜ、アレックスはそれで満足したのか?
アレックスの対話シーンはちょくちょくこの手のちぐはぐ感を感じます。
#いや、きっと私の読解力が足らないのだ・・・
前向きに解釈をすると・・・正崎が言いたいのは──
自殺が、仮に例えどれだけ良い考えでも、死ぬ意思がない人を排除してまで広めるものではない、ということでしょうか。
だとすると、正崎はただ単に復讐のために曲世を追い、「正義とは何か」を考え続けてないことになります。
大統領は立場が違うと言えばそれまでですが、大国の長として「自殺」について考え続けている。
レベルが違うということか。
3章はアメリカ大統領アレックスの方が主人公らしいですね。
第7の都市登場 そして自殺サミット宣言
イギリスのサウサンプトンが自殺法導入を表明。
自殺法導入都市は全世界で7箇所となった。
齋はG7に合わせて、新域で「第一回 自殺法都市 市長会議」自殺サミットを開催しようと呼びかける。
久しぶりの齋開化登場!
悪者であろうとなかろうと、やはり齋には華がありますね。
彼が画面に出てくると場が盛り上がる。
自殺法を導入したアメリカのフローレス市長とは格が違います。
声高らかに宣言したのは「第一回 自殺サミット」!
これをやるため、いや世界が無視できない影響力を持つために、G7の都市に自殺法を導入させたのか。
曲世、齋は一体何を企んでいるのか。
次回はいよいよサミット!
一方のアレックスは一体何を議論しようと思いついたのか。
そして一体何が起きるのか?
最終回まで残り2回!
楽しみです!
おわりに (アニメ『バビロン』10話とは)
次々と「自殺法」を導入させていく曲世。
人の根源に関わるような「自殺法」を新たな思想として浸透させていく。
曲世がこれまで新域でやってきた、64人の飛び降り、特別捜査班の自殺など。
これらが小さく見えてしまうほど、大きな影響を与える「人の思想」を変えていく。
曲世の特殊能力はファンタジー(空想)ですが、時間をかけて洗脳することは現実にも可能。
そこにフィクションとは思えない恐さを感じます。
『バビロン』を見ていると自分の考えをしっかり持つことが如何に大切かを考えさせられます。
以上、TVアニメ『バビロン』10話のレビューでした。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
11話のレビューも書いているので良かったご覧下さい。
ではでは。
宗教の教えがよく分からない(恥)
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